3回
2025/11 訪問
この冬、せいこ蟹と白トリュフが握る“至福の雪月風味”を、鮨の極みで
2025/11/14 更新
2025/07 訪問
涼やかなる夏の饗宴、センスが冴える鮨芸術「通い詰めてなお、恋に落ちる」──感性と信頼で築く“鮨の頂”
七度、八度と訪れてなお新鮮な驚きと感動がある──それが赤坂「すし匠 齋藤」の真骨頂である。握りのひと粒ごとに宿る職人の美意識、四季の移ろいを鮨で語る芸術的構成、そして何より店主・齋藤氏の一流のコミュニケーション。その一挙手一投足に“心”があるからこそ、私はこの店を「人生で最も愛する鮨店」と断言できる。
■ 店内の雰囲気
温もりのある木の質感が支配する掘りごたつ式のカウンター。足を楽にして座れる構造は、長時間にわたる饗宴にも心地よく、店内にはどこか茶室のような静謐な空気が漂う。11席という限られた空間は、まさに選ばれし者だけが味わえる“鮨の劇場”である。夏の涼を演出する涼やかな装飾や、和紙に包まれた柔らかな灯りが五感を和ませてくれる。
■ 料理について
つまみと握りが絶妙な間合いで交互に供される構成は、まるで雅楽のようなリズム感。白シャリと赤シャリを巧みに使い分け、鰆の松前漬け、毛蟹の海苔巻、ハラペーニョを効かせた平目など、一品ごとに鮨という枠を軽やかに超えてくる。熟成の妙技と瞬発力を兼ね備えた“感性の鮨”は、まさに食通を唸らせる逸品揃い。ラストを飾る名物・最中アイスは、香ばしい皮と冷気を帯びた甘味が口内で躍り、五感のクライマックスを迎える。
■ スタッフの対応
所作には品格と温かみが共存する。目配せ一つ、声かけ一つが心に届き、客の微細な表情を読む鋭さと、ふとした言葉で緊張を解く柔らかさを兼ね備えている。これこそ“一流のもてなし”であり、通い続ける理由の一つでもある。7〜8回通う中で築かれた信頼関係は、料理を一層引き立てるエッセンスである。
■ 注文内容、目的など
・注文：おまかせコース（約60,000円）
・目的：季節感溢れる夏のつまみと涼を感じる握り、そして“いつもの信頼”を堪能するため
・訪問：今回で7〜8回目。もはや「帰ってきた」という感覚さえ芽生える親密さ
■ 素晴らしいと感じた点
・「鮨という芸術」を超えてくる一貫一貫の表現力
・季節に応じたつまみの演出、特に夏場の爽快感ある構成は格別
・名物のもなかアイスによる完璧な締めくくり
■ まとめ
すし匠 齋藤は、ただ“美味い鮨”を食べる場ではない。ここは、職人と客が信頼と敬意で繋がる、一期一会を繰り返す“鮨の舞台”である。7〜8度目の訪問にしてなお、感動が更新されていくのは、握りに宿る感性の深化、もてなしの進化、そして店主の人間力によるものである。この赤坂の小さな空間は、私にとって“鮨という愛”の最終回答であり、何度でも帰ってきたくなる、唯一無二の鮨店である。
2025/07/16 更新
2024/01 訪問
「すし匠 齋藤」は、日本の寿司文化の最高峰を体現する名店。
四ツ谷の伝説的な寿司店「すし匠」から暖簾分けされたこの店は、伝統的な江戸前寿司の技術に加え、革新的なアプローチを取り入れた“イノベーティブ寿司”を提供することで、国内外のグルメ通を魅了し続けています。
まさに“芸術”ともいえる握りとつまみの組み合わせが、ひとつのコース料理として完璧な流れを生み出し、一度体験すると忘れられない食体験を提供してくれます。
雰囲気
店内はカウンター11席のみの洗練された空間。
赤坂の一等地にありながら、過度な装飾を排したシンプルで落ち着いた設えは、寿司そのものに集中できるよう計算されています。
カウンター越しに齋藤大将とスタッフが寿司を握る様子を眺める時間は、まさに贅沢そのもの。
大将のコミュニケーション能力も最高レベルで、程よい距離感の会話が心地よく、緊張せずにリラックスした食事が楽しめるのも魅力のひとつ。
料理
● 鮨は日本で一番美味しいと感じるほどの完成度
すし匠のスタイルを継承し、つまみと握りを交互に楽しむスタイル。
・ネタごとにシャリを使い分ける徹底したこだわり
・火入れ、熟成、塩〆、昆布締めなど、ネタに合わせた最適な処理
・一口で計算し尽くされた味の広がりが感じられる絶妙な握り
この店の寿司はただ美味しいだけではなく、「計算された味のグラデーション」がある。
口に入れた瞬間、次にどんな余韻が広がるのか、その計算し尽くされた流れに感動する。
● イノベーティブな発想が光るつまみ
この店の魅力のひとつが、握りだけでなくつまみの完成度の高さ。
・トラフグの昆布締めに黒七味
・皮剥（かわはぎ）の肝ソース
・スモーク牡蠣
・子持ちヤリイカ
など、江戸前の技術を土台にしながら、食材の組み合わせや味の引き出し方に独自のイノベーションを加えているのが特徴。
特に「皮剥の肝ソース」などは、寿司という枠を超えた料理としての完成度を感じる。
ホールスタッフの対応
・大将の接客が素晴らしく、寿司への愛情が伝わる
・寿司の説明が的確で、食材の背景を知ることでさらに美味しさが増す
・静かに食べたい人にも、会話を楽しみたい人にも寄り添った接客スタイル
カウンター寿司は、大将との相性も大事な要素ですが、齋藤大将の接客は誰にとっても心地よいバランス。
その場の雰囲気を察して、リラックスした空間を作り上げる技術は見事としか言いようがない。
残念に思ったこと
• 予約が非常に困難（人気が高すぎて、なかなか取れない）
• 価格は高め（ただし、それに見合うだけの価値はある）
この2点を考慮しても、この店のクオリティを考えれば納得。
むしろ、一生に一度は訪れる価値があると言っても過言ではない。
改善してほしいこと
• 予約の取りやすさを改善（ただし、このクオリティを維持するには仕方ない部分でもある）
総評
「すし匠 齋藤」は、単なる高級寿司店ではなく、寿司という食文化を芸術の域にまで昇華させた名店。
寿司そのものの技術はもちろんのこと、ネタの処理、シャリの使い分け、つまみのバリエーション、すべてが完璧に計算されたコースは、まさに唯一無二の体験。
日本で一番美味しい寿司と感じるのも納得で、「イノベーティブな寿司体験」ができることは間違いない。
寿司好きなら、必ず一度は訪れるべき“伝説級の名店”です。
2025/01/31 更新
ランキングと口コミで探せるグルメサイト
グルメキュレーションサイト
毎日の外食が楽しくなるグルメ情報
赤坂の一角、静けさの中に凛と佇む「すし匠 齋藤」。都内屈指の名門にして、冬こそが真の本領を発揮する瞬間である。旬を極めた白子と、芳醇に香り立つ白トリュフ、そして北陸から届くせいこ蟹。食材の声を聴き、職人の技で物語へと昇華するその一貫一貫に、思わず言葉を失う。
⸻
■ 店内の雰囲気
赤坂の喧騒から少し離れたビルの2階。扉を開けた先にあるのは、まるで茶室のように静謐で緊張感すら漂う空間である。檜の香りがふわりと漂うカウンターは凛と清らかで、10席にも満たないその席数が、料理人と客との間に生まれる“寿司の間（ま）”を最大限に引き立てている。照明はやや落とし気味に抑えられ、ネタ箱の中の魚たちが、舞台の主役として浮かび上がる。
⸻
■ 料理について
今この時期、ここを訪れることができたなら、それは“冬の美食福音”を受け取る権利を得たようなものだ。
まず語らずにいられないのが、あなたも絶賛していた**「白子×白トリュフ」**の一品。
これはもはや寿司という枠を超えた、芸術的な融合である。
ねっとりと甘く、かすかに苦みを帯びた白子に、削りたての白トリュフが贅沢に降り注ぐ。香りが鼻孔をくすぐり、舌に落ちた瞬間に世界が一瞬止まる。あまりの完成度に、「何個でも食べたい」と本能が叫ぶのも無理はない。
そして、今の季節だけに供される**「せいこ蟹」**。
内子・外子の旨味がぎゅっと詰まり、シャリと一体となって口の中で爆ぜる。海の豊穣を詰め込んだようなその小さな宝石は、贅を極めるという言葉にふさわしい。
握りはどれも端正で、酸の効いた赤酢のシャリが、豊かなネタの輪郭を際立たせる。素材の個性を最大限に引き出すバランス感覚はまさに“齋藤劇場”の真骨頂である
■ 注文内容、目的など
今回は、まさに「この時期のすし匠齋藤は最高」との言葉通り、冬季の旬食材を求めての訪問であった。
• 白子の握り＋白トリュフ掛け（時価）
• せいこ蟹の握り（冬季限定、希少性あり）
• 他、季節のつまみと握りを織り交ぜたおまかせコース（概ね¥30,000〜¥35,000前後）
この構成は、寿司の伝統と四季の表現、そして素材の芸術性を一晩で味わえる贅沢である。
⸻
■ 素晴らしいと感じた点
• 食材と季節感の合わせ方が絶妙で、**“冬にしか味わえない美学”**が一貫ごとに宿っていたこと。
• 特に白子と白トリュフという和洋の官能的融合に、鮨の枠を超えた感動があったこと。
• せいこ蟹という日本海の恵みを、寿司という表現で昇華させていた点も非常に見事。
• 接客・所作・空気感を含め、一夜を通して“完成された劇場体験”として構成されていた点はまさに一流のなせる技。