2回
2025/04 訪問
日ノ出町に燦然と輝く、魂を揺さぶる焼鳥体験。
「TOMOSHIBI」は、食材への愛と技が一串一杯に宿る、奇跡の一軒。
【店内の雰囲気】
扉を開けた瞬間、街の喧騒がすっと遠ざかり、洗練と温もりが溶け合うモダンな空間が現れる。シンプルながらも計算された内装は、静かな情熱を秘めるキャンバスのよう。煙と香りが漂うカウンター、その奥には、食材を慈しむ職人の手さばきが静かに輝いている。
この空間自体が、まるで「美味しさの序章」だと感じさせられる。
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【スタッフの対応】
モダンな空気に一瞬だけ身構える。しかし、店主が見せる屈託ない笑顔と包み込むような言葉で、その壁は瞬時に崩れ去る。完璧に計算された接客ではない。むしろ、自然体で滲み出る温かさが、店の空気をさらに奥行きあるものにしている。
このギャップこそ、TOMOSHIBIの「本質」であり、心を掴まれて離れない。
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【料理について】
焼鳥一串一串に宿るのは、ただの技術ではない。火入れの完璧さ、素材の個性を最大限に引き出す塩加減、噛みしめるたびに伝わる”食材への愛情”。それはまるで、生産者と料理人、そして客との間に一筋の”光”が走る瞬間だ。
そして、極めつけは〆のラーメン――鶏白湯の一杯。そのスープを口に含んだ瞬間、思わず時間が止まる。濃厚でありながら一切の重たさがなく、鶏の旨味が奔流のように押し寄せる。これまで味わったどの鶏白湯とも比較にならない、まさに「至高」の一杯だった。
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【素晴らしいと感じた点】
■ 一切の妥協を許さない素材選びと火入れの妙技
■ 食材に込められた愛情が、料理に確かな「物語」を与えている
■ 店のモダンな空間と店主の温かい人柄が生み出す、唯一無二の安心感
■ 〆に登場するラーメンが、単なる締めくくりではなく「第2章」のような衝撃をもたらす
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【まとめ】
TOMOSHIBIは単なる焼鳥店ではない。ここは、料理人の愛情と魂が客に直接届く「灯火」であり、訪れる者の心に深く刻まれる体験の場だ。
横浜において「焼鳥1000」と双璧をなす実力、いや、それ以上の「感動」を与えてくれる――そんな奇跡のような場所である。
2025/06/26 更新
4度目の口福は、もはや運命の再会。焼鳥と鶏白湯、そして播州一献すべてが“ここに帰ってくる理由”となる。
【店内の雰囲気】
何度訪れても、この空間に足を踏み入れた瞬間、背筋が自然と伸びる。モダンで凛とした佇まいは、日常と非日常の境界線。静かな照明、無駄を削ぎ落としたカウンター、そして奥で立つ店主の真剣な横顔。それらすべてが、「またこの舞台に戻ってきた」という高揚感をかき立てる。
【スタッフの対応】
回数を重ねたからこそ感じる、店主の対応の妙。変わらない温かさの中に、わずかな気遣いや会話のタイミングが「今夜の一皿への信頼感」を深めていく。
静かに、しかし確かに、こちらの“食の温度”を読み取ってくるあの接客は、もはや名人芸に近い。
【料理について】
4度目のトモシビでも、舌は決して慣れることがない。むしろ毎度、感動の温度が更新されていく。
火入れ、タレ、塩、すべてに宿るのは「無意識の精度」
研ぎ澄まされた技は、もはや言語化を拒む。
そして、その先に待つ鶏白湯。
これは“焼鳥屋の〆”などという次元ではない。
一口目で思わず立ち尽くす、あの衝撃――「世界一美味い鶏白湯」とは誇張でも贔屓でもなく、真理。濃厚でありながら潔く、鶏の旨味が五感を支配する。鶏白湯界隈でこの一杯を超えるものがあるなら、ぜひ出会いたい。だが、今のところその必要がないのが現実だ。
【酒とサワーの妙】
今宵、口にしたのは播州一献 純米吟醸。兵庫の風土が生んだ一本で、やや辛口ながら柔らかな膨らみがあり、焼鳥の脂をスッと洗い流しつつ、余韻ではしっかりと旨味を抱きしめてくれる。その“渋さ”に店のセンスが滲む。
地酒好きなら思わず唸るチョイス。万人受けではなく“わかる人に刺さる”セレクションが憎い。
さらに注目すべきはサワーの豊富さ。その中でも異彩を放つのが山葵サワー。想像を超えるその組み合わせは、鼻を抜ける山葵の清涼感と炭酸のキレが絶妙に調和し、焼鳥の香ばしさと不思議なまでに共鳴する。クセになる、とはまさにこのこと。
【素晴らしいと感じた点】
■ 4度目でも一切色褪せない感動のクオリティ
■ 播州一献という渋いセレクトが、店の哲学を物語る
■ 鶏白湯が“世界基準”で語られるべき唯一無二の逸品
■ 山葵サワーという異端の革命児が焼鳥との可能性を広げる
【まとめ】
TOMOSHIBIは、ただ“美味しい”だけでは人をここまで惹きつけない。
そこには「記憶に残る旨さ」と、「また帰ってきたい」と思わせる物語がある。
4度目の訪問を終えた今、確信している。
“ここは、焼鳥という名の神話を生きている場所だ” と。