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夜の点数:4.8
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「世界一の松茸が、日本の片隅に潜む──季節を先取りする“香りの異端”」
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2025/09/15 更新
秋を待たずに、夏の高嶺から届く幻の松茸。その香りと旨味で、世界中の美食家を黙らせる。それが「樋山」──予約1年半待ちという壁すら、むしろこの体験への“導入儀式”にすぎない。ここには、“季節”も“常識”も通用しない、別次元の松茸がある。
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店内の雰囲気
入口からして控えめで、誇示しない。だが一歩足を踏み入れれば、空気が一変する。静寂と張り詰めた緊張感、そして漂うほんのかすかな松茸の予兆。装飾も演出も最小限、だからこそ料理に対峙する覚悟が自然と整う。ここは“味と香り”を研ぎ澄ますための舞台装置だ。
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スタッフの対応
一言で言えば、“静かな威厳”。声を張ることも、過剰に構うこともなく、ただ必要な所作だけでこちらの気持ちを汲んでくる。その洗練と節度が、食べ手の集中力を一段階高めてくれる。とりわけ大将の立ち居振る舞いは、静けさの中に圧倒的な信念が宿っている。
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料理について
料理は、すべて松茸が主役。だが、それは決して単調ではない。焼き、蒸し、揚げ、炊き──技の一つ一つに、異なる角度から香りと旨味を引き出す設計がある。
驚くべきは、その仕入れ。真夏の山頂でしか得られない早熟の松茸を、日々ベストコンディションで供する執念。その香りは甘く、澄み、深く、食べ手の記憶に直接書き込まれる。圧倒的、の一言。
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素晴らしいと感じた点
松茸という素材の可能性を、ここまで引き上げた料理人を他に知らない。どの皿にも“誤魔化し”が一切なく、ただ純粋に素材と技術の勝負だけがそこにある。形式も格式も超えて、ただ「凄まじく、美味い」。そんな店が本当に存在するのだと、実感させられた。
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まとめ
「樋山」は、世界最高の松茸を、最も正しいかたちで、最も記憶に残る方法で提供する唯一の場所。ここでは、“味”も“香り”も“季節”さえも、大将の掌の上にある。1年半待つことを、どうか惜しまないでほしい。その先にあるのは、人生で数度あるかないかの、美食の奇跡だ。