2回
2025/10 訪問
これを食べるために沖縄まで来た
La BOMBANCE 古宇利島
2025/10/22
この度はLa BOMBANCE古宇利島をご利用いただき、誠にありがとうございました。
当レストランでは、古宇利島の景色をお楽しみいただきながら沖縄の食材をふんだんに用いてコース料理として和食創作料理を提供しております。
メニュー含めて、コース料理だけでなくワインと日本酒もお楽しみいただけたようで大変嬉しく思います。
1品1品お褒めのお言葉誠にありがとうございます。
なぞなぞメニューもお楽しみいただけたようで良かったです。
またのお越しをスタッフ一同心よりお待ちしております。
La BOMBANCE古宇利島
2026/02/05 更新
2025/10 訪問
朝が、優しさで満ちていた
席についた瞬間、空気がやわらかい。夜のラグジュアリーな顔とはまるで別人、今朝のこの空間は“人の心をそっと抱きしめる朝日”そのものだ。スタッフの声もBGMも全部がやさしい。まるで「今日も生きてていいよ」と言われてるみたいで、ちょっと泣きそうになる。
最初に届いた紅芋の冷製スープ。
ひと口で沖縄の風景が体内に広がる。紫の光が喉を通って、心まで染みる。派手じゃないのに、存在が深い。旅の終わりにこんなの飲んだら、帰れなくなる。
そしてメインディッシュ。
グリルプレートが来た瞬間、香りで理性が吹っ飛ぶ。焼き野菜が主役級。焦げ目ひとつで野菜の人生変わってる。アグーソーセージは、噛んだ瞬間「え?」って声出るやつ。脂が爆発してるのに、全然しつこくない。今まで食べたどのソーセージも前座だったんだな、って悟る。
パン3種の皿も罪深い。焼き立ての香りに、シークワーサーバターの酸味がすっと差し込む。ジャムまで主張してくる。ひと口ごとに、脳が“もう一回”を要求してくる。
最後はアサイーボウル。
テラス席で、目の前にはインフィニティプールと海の境界線。スプーンですくうたび、現実が溶けていく。東京に戻るとか、そんな話したくない。
この朝食は「食べる」というより、
「癒される」という行為に近い。
胃じゃなくて、心が満たされるタイプの満腹。
もう一度この朝をやり直せるなら、飛行機なんて永遠に遅延しててほしい。
2025/10/22 更新
席につくと、手元に差し出された品書きはまるで謎解きの書。ロゼシャンパンを一口含んでも、何が登場するのか一向に掴めない。
そんな遊び心こそ、この晩餐の幕開けを美しく飾る。
◾️車海老クリームコロッケ
隣島・屋我地島で育まれた車海老。
頭から取った濃厚な旨味をクリームに溶かし込み、薄衣の中に閉じ込めて揚げる。
ひと噛みすれば、衣が「サクッ」と弾け、海老の身がほとばしるように口いっぱいに広がる。
タルタルには沖縄産マヨネーズと島らっきょう。そこへ香り高い島ハーブ“ピィパーズ”が風を吹き込む。
一品目にして、火入れ、香り、食感、そのどれもが精密に計算されていることを悟らされる。
添えられた蔓紫と海葡萄のお浸しは、潮風のようにさらりと舌を洗い流し、味覚を次の冒険へと導く。
始まりからして、物語の構成が見事にミシュランのレベルを醸し出す。
◾️ズワイガニの真薯 お椀
澄み切った琥珀色の出汁の中に、白磁のような真薯が浮かぶ。ズワイガニの身をすり潰し、琉球北部の茄子、鮑、そして“幻の芋”と称される琉球白芋を合わせた贅沢な一碗。
琉球白芋は舌の上でとろけるほどに滑らかで、噛むごとに芋の甘みが波のように押し寄せる。
和の出汁に南国の素材が溶け込み、まるで文化が一瞬で融合したような味の深み。
◾️本日のお造り
構成は、穴子の棒鮨、アカマチ、マグロの赤身。
特に印象的なのは、沖縄三大高級魚「尾長鯛」。
現地では“アカマチ”と呼ばれる白身の深海魚だ。
透明感のある繊細な脂に、シークワーサーの酸味を落とすと、柑橘の香りが海のミネラルと共鳴する。
屋我地島の塩を添えると、その塩はほんのりと桜色を帯び、鉄釜で煮詰められた鉄分が優しく舌に残る。自然が作るジュエリーのような塩味だ。
マグロの赤身には卵黄醤油。卵黄のまろやかさが醤油の塩味を包み込み、まるで高級ユッケのような旨味を描く。
食感、温度、香り。
全ての均衡が、見えない糸で結ばれている。
◾️焼八寸
この夜の八寸は、沖縄の海と大地の精霊たちが姿を変えて登場したような宴だった。
1. 西京焼き
琉球スギ。ブリとカンパチのあいだを泳ぐ魚。
味噌は沖縄特有の甘味噌で、二日間じっくりと漬け込む。焼き上がると、脂が花の蜜のように滲み、香ばしさと甘みが共鳴する。
添えられた島ゴーヤのピクルスは鋭く舌を引き締め、島南瓜の煮物は驚くほど甘やか。
自然の糖度が極限まで引き出されている。
2. 島タコのお造り
炭酸水で下処理されたタコは驚くほど柔らかい。
山椒がほんのり香り、海の旨味の中にピリッとした余韻を刻む。
ひと噛みごとに、波打ち際の音が聞こえるようだ。
3. 伊是名島のもずくと夜光貝
とろろと蕎麦出汁で和え、まるで“もずく蕎麦”のようにいただく趣向。
つるりと喉を滑る感触に、海の恵みが穏やかに広がる。
もずくという素材の概念が、静かに覆される瞬間だ。
4. 島豆腐マスカルポーネ
柿、シャインマスカット、紅芋、くるみ、アグー豚の生ハム。それらを島豆腐とマスカルポーネで白和えに仕立てる。
塩味と甘み、果実の香りとナッツの歯ごたえ。
一口ごとに表情が変わり、和と洋の境界が霧のように溶けていく。まさに“口の中の調和”という言葉がふさわしい小鉢だった。
◾️アカジン鍋
沖縄三大高級魚のひとつ、“アカジンミーバイ”。
その潮出汁に鰹の旨味を重ね、静かな深みを宿した鍋。出汁の香りはまるで海辺の朝霧のように淡く、口に含めば、甘みと塩味の境界が曖昧に溶けていく。
島豆腐は絹のようになめらかで、オクラと糸瓜(ナーベーラー)が優しく喉を滑る。
シークワーサー胡椒を少し落とせば、柑橘の爽快さが出汁の輪郭をくっきりと描き直す。
滋味と香りの揺らぎが続くその瞬間、時間さえも止まったかのようだ。
◾️ビーフ・マッシュルーム餡
石垣牛を使い、牛の和だしとマッシュルームソースで包み込む。一見シンプルだが、旨味の層がまるで絵画の陰影のように重なっている。
マッシュルームの土香、和出汁の深み、そして牛の甘みがひとつに溶け合う。
添えられたのは、沖縄北部で採れたきのこ、そして完熟前の青いバナナチップス。
口に入れると、芋のような甘さとバナナの青みが交錯し、ふわりと海苔の香りが抜ける。
さらに銀杏が加わることで、ほのかな苦みが全体を引き締める。
重層的な香りの展開に、ワインが引き立て役として寄り添う。牛の旨味がグラスの余韻と重なり、味覚の記憶が長く残る。
◾️秋刀魚の土鍋ご飯
蓋を開けた瞬間、秋の夜風のような香りが広がる。
脂の乗った秋刀魚がふっくらと米に溶け込み、甘い醤油の香ばしさが食欲を暴走させる。
“一分で一杯食べられる”という表現も大げさではない。
箸が止まらず、気づけば茶碗が空になっている。
罪深くも幸福な一碗だ。
◾️デザート
シークワーサーのシャーベット。
ブラン・マンジェ。
コースの最後、「良かったら、デザートは生演奏を聴きながらお召し上ください」と言われ、案内された先は、同ホテル内の併設バー。
そこではジャズの生演奏が始まっていた。
全ての演出を楽しんでもらうためのホスピタリティに感動した。
【ペアリング】
◾️山形政宗・秋上がり
熟したメロンのような甘い香り、いちごの香りのような甘く、クリアで爽やかな香り。
◾️寒菊 OCEAN99 橙海
サンセットの夕日をイメージしたボトル。人気シリーズの中でも特に人気を誇る入手困難な1本。
カマンベールにも合わせやすい日本酒で、余韻が30秒ほど長く続く。
◾️仙禽「江戸返り」
お米を育てる方法は江戸から令和へ。
お米の糖化する工程を加速させる。
焼き魚、もずく、全体と見事に調和する
◾️オー・ボン・クリマ
「ニュイ・ブランシュ・オー・ボージュ」
生き生きとした力強い柑橘類の風味が印象的。オークやマカダミア・ナッツ、バニラのまろやかなニュアンスが広がるシャルドネ。
◾️赤蜻蛉
まさかよ発売から争奪戦が始まる酒が提供された
円熟した酸味、円やかな酒質、秋の夜長を感じる。
日本酒というより、もはや高級オレンジジュース。
◾️フランス・サンペレイ マルサンヌ
ブレンドに使用される品種を単一で飲む貴重な機会。味わいはふくよかで深みがある。洋梨、リンゴ、白桃、ハチミツ、ナッツのニュアンス。
◾️フランス・ポムロール 1994
長期熟成されたメルローとカベルネフランは、ダークチョコレート、皮革、土、キノコ、腐葉土のような奥行きある香りを放つ。
夜が更けるほどに、波の音が遠くで響く。
グラスの底に残るわずかな香りが、物語の余白のように心に残る。
この晩餐を言葉で言い表すなら、
「技」と「自然」と「遊び」が織りなす、静かな祝祭。