YuYu.さんが投稿したes(東京/乃木坂)の口コミ詳細

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美食美酒を奏でる吟遊詩人

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es乃木坂、表参道、六本木/イノベーティブ、フレンチ

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.1
      • |酒・ドリンク 4.7
1回目

2025/11 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.1
    • | 酒・ドリンク4.7
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

こんな夜が、いつまでも続けばいいのに

心が解ける、いや、むしろ背筋が伸びるような緊張が静かに忍び寄る待合室。その空間で、まだ見ぬ一皿たちへの心構えを整える。しばらくして、舞台への階段を上がる。
  
◾️幕開け
アンリオ リナタンデュ・シャルドネ・グラン・クリュ
その年最も輝きを放つテロワールを表現するために造られた、珠玉の1本。イキイキと立ち昇る泡の粒。
      
それはまるでこの物語のイントロダクション。
トースト、ヴァニラ、そして柑橘の気配が、
緊張した心を優しく解きほぐしてゆく。
泡の清らかさと、背後に潜む樽香が完璧なバランスで寄り添い、この夜が特別であることを約束する。

◾️トリュフサンドウィッチ
濃密。一口目から陶然。
まさにその言葉が似合う、黒トリュフの重奏。
イタリア産トリュフをパンの内にも外にも惜しみなくあしらい、鼻孔から脳へと突き抜ける芳香が圧巻。
日々どこかに忘れてきた感覚が、一気に蘇る。
グッドボタン連打の衝動が抑えられない。

◾️明石 あおりいか
レモンピールを纏って香るその身は、
ひんやりとしなやかで、舌に吸い付くような柔らかさ。
ひと噛みで広がる甘みと香りが、脳の奥を刺激する。
五感に問答無用で刺さる、その精緻さ。
  
◾️根室 秋刀魚
秋刀魚は、遠くからでも感じるほどの芳香を放つ。
口に含んだ瞬間、秋刀魚の脂、香り、コクが一気に解放され、まるで音楽のように調和する。
骨の存在を微塵も感じさせない処理の技術に脱帽。

◾️近江澤井牛 テール春巻き
12時間煮込まれたテールは、サクリとした皮の内に閉じ込められ、トリュフと共に重層的な旨みの世界を築く。
近年増加している多様な春巻きの姿を軽やかに飛び越え、記憶に刻みつけられる圧倒的な存在感。
技巧と感性の融合とは、こういうことか。

◾️明石紅葉鯛蓼
旬を迎えた真鯛の身は、
ほどけるような柔らかさと脂の乗りが絶妙。
その下に敷かれた甘みのある万願寺とうがらしのグリーンソースが、優しくも鮮やかに鯛の輪郭を描き直す。

ペアリング:ヴァッハウ リースリング 2002
蜂蜜と洋梨、白い花のノートが鯛の香りと寄り添い、
口内に高揚をもたらす。オーストリアを代表する生産者「ニコライホーフ」が造る熟成リースリングが持つ陶酔の余韻が、料理をもう一段階引き上げる。

◾️秋田 本山葵
白神山地の本山葵、そこにクレソンの辛みとコク、そして16ヶ月熟成の生ハムが重なると、ただのサラダが一品の主役に躍り出る。
このサラダ専門店を出してほしい。
もうグルメやめてそこに通い続けるから。

ペアリング:リヨン ボルドー・ブラン
ソーテルヌの格付け第1級シャトーが手掛ける辛口白。
レモングラスとハーブの爽やかな香りが、野菜と生ハムの複雑な層を整えて、更なる命を吹き込む。

◾️いすみ 黒鮑
手のひらを超えるほどの大きさ。
まさに鮑界の“横綱”。
柔らかくも歯応えを残した煮込み、肝と出汁ときのこのソースが渾然一体となり、深い滋味の渦に引き込まれる。
キクラゲソテーの香ばしさもまた憎い。

ペアリング:シャンソン マコン・ヴィラージュ
白い花、厚みのある果実、控えめなミネラル感が、
鮑の旨みと寄り添う。味の格を高める相棒。

◾️淡路 鰆 白トリュフ
黒に続き白トリュフが惜しげもなく舞い降りる。
「ここはトリュフ食べ放題か」と呟いたら、
店主が「頑張っちゃいました」とニコり。
鰆は一瞬の火入れで脂をほどよく浮かせ、
じゃがいものピュレソースが丸みと深みを足す。
旬の外れすらも美味へと引き戻す技術に驚く。

ペアリング:ヤラ・ヴァレー シャルドネ
バター、トースト、オーク。料理とワインが同じ時間軸に存在するような、完璧なシンクロ。

◾️いすみ 蛤
余分な装飾を捨てた一品。
ただ蛤の旨み、それのみで勝負している。

◾️近江澤井牛
火入れの妙技が、肉の香りとテクスチャーを極限まで引き出す。タイム香るソースが、ほのかに焼きそばを想起させるユーモアと香ばしさを加え、笑いと感動が同時に湧く。

ペアリング:バノックバーン シラーズ 2003
長期熟成であることが一目でわかるほど縁は褐色。
オークとカカオ、土の香り。
近江牛の深いコクと見事な共鳴を見せ、
ペアリングという芸術が完成する。

◾️岩見沢 高麗雉 雜炊
国鳥で出汁だけを取る暴挙w
濃厚な出汁が、お米と絡み合い、
リゾットのような官能性すら感じさせる。
贅沢な雑炊に、笑いをこらえながら口へ運ぶ。

◾️デザート
まさかのチーズケーキすらも、
凡百の専門店を軽く凌駕する完成度。
そしてトリュフアイス。
もう数えていないトリュフの登場に再び驚き、
「トリュフ余ってるんですか」の冗談に対して、
「頑張ってたくさん良いのを仕入れてます」
店主の一言が、そのすべてを愛おしく思わせる。

最後は、ハーブの余韻が静かに口内に広がる
ウィークエンド・ハーブティーで締めくくる。

現実へと戻る扉の鍵が、
ここにそっと差し込まれるような感覚。

…終わらないでほしいと思った。
  
だが、余韻こそが最高の贅沢であるならば、
この満たされた静けさに身を委ねることが、
いま、最も美しい別れのかたちなのかもしれない。

2026/02/14 更新

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