4回
2025/10 訪問
市場は常に正しい選択をするのです。
本日のメニュー。 来るたびにまったく異なる内容。 今日はまたすごいのが一品あるようです。 楽しみ。
ペアリング#1 まずはいつものかけつけ一杯。 CAVA。 これからの季節もこれまでの季節も、まずは泡に限ります。
前菜は青森産のアイナメ。 地味ですがしっかり高級魚です。 マイクロリーフとドット状のソースが美しい。
8日熟成のアイナメ。 わりと厚切りで、ムダな水分が抜けて旨みを濃縮。 なのにフレッシュのような弾力があります。 酸味のソースとピンクペッパーが白身の旨みを一層豊かにします。
隠れて黄色い切片がチョリソー。 薄いけど塩とスパイスが力強く存在感あり。 こういう組み合わせがフランス料理らしい。
ペアリング#2 ニュージーランドのソービニオンブラン。 ぶどうの茎や枝ぽいミネラル感が強くて、酸味の柔らかいテクスチャーが印象的。
ペアリング#3 カリフォルニア産のシャルドネ。 どっしりとした重さ、桃のようなリッチな香り。まろやかな生クリームの風味がふんわりと広がります。柔らかいけど余韻をひく旨さ。
ペアリング#4 イタリア産のシャルドネ。 洗練された果実の香り。 ピュアで、フレッシュな酸と爽やかなミネラル感。 料理とペアリングの数がぜんぜん違うんで、じゃんじゃか飲む。
香川産カンパチのムニエル。 さすが大型の魚だけあって皮目も厚く、実も厚い。 ガルニチュールはギンナン。 おもしろい組み合わせです。
いつものように、皮目はバリバリ、身はしっとりふんわり。 今回は塩ひかえめでそのぶん濃いバルサミコソースが仕事をします。 魚が旨いのはもちろんなんだけど、 バターとオイルが乳化したギンナンもめちゃくちゃ旨い。
いつものライ麦パン。 クミンかな、、ちょっとカレーのようなニュアンスを感じます。 オリーブオイルで。
ペアリング#5 フランス産のシラーズ、グルナッシュ。 革のようなちょっとスモーキーさと果実味。 ペアリング#6 写真撮り忘れ。
千葉産黒毛和牛のパイ包み焼き。 パイ包みと聞くと切り分けてシェアするスタイルを想像してましたが、これが1人分づつゴロッと焼かれたパイ包み。 ひと手間を惜しまない姿勢に感謝しながら食欲が奮い立ちます。
既に旨そうなソースにまみれて、中がどうなってるのか、気になってしかたない。 野菜も気になるけど、パイ包みはやっぱり袋とじのエロ雑誌を手にする10代男子のようにワクワクさせます。
思いっきり割ってみました。 瞬間の写真を撮りたかった。 きっと香りも写ったはず。 牛のいろんな部位が、ぎゅぎゅっとつまってます。 見るだけでイキそうです。 もちろん、ビジュアルを裏切らない、堂々とした重量級の旨さ。 ソースも肉汁もあますことなくぜんぶいただきます。 苦みや旨みたっぷりで味が濃い野菜ももちろん旨い。 これは大満足の逸品。 ワインを呼びまくる。
リゾット。 すっかり食べ終わったつもりでいたら、まだコレがありました。 そうそう、エピセはこれがあるんです。
きのこたっぷり。 バター、チーズ、生クリームもかな? かなり濃厚でコクが強い味わい。 こんな旨いもん、ワインなくしてはムリ。
ペアリング#7 と思っていたら、ちゃんとペアリングされてました。 実にうれしい。 素晴らしい。 カリフォルニア産シャルドネ。 リッチで樽のニュアンス、クリーミー。 でしなやか。 トロピカルなフルーツの香り満載。
こちらはペアリング外。 甘いものにあわせて。 どれにするか・・
カルバドス。 アルコール度数が高くてちょっと甘いのが飲みたくて。 りんごで作ったブランデーです。
ガトーマロン。 なんと旨そうな響き。 でも、想像できない。 どんなの? と思ってたら、こんな感じ。 これは旨そう。
しっとり焼かれた甘さ控え目のパウンドケーキにはフランス産のこちらも甘くない栗。 クリームをたっぷりのせて、最後にクランベリー? ラズベリー?を散らします。 いろんな食感、いろんな甘さが多段階的に重なり合って溶け合う中、小さな酸味が刺さります。 これをわずかな量のアルコールで流して舌がシビれて長い余韻にひたれます。
おまけ。 「お店が選ぶピックアップ!口コミ」に登場のレビュアーさんのデザート、食べてみたかったなぁと思ってたら、シェフに通じたのか、同じものお出しいただきました。 あー、ほんと品のある大人のビターな味わい。 これも酒なしでは食べれない。
2025/10/12 更新
2025/01 訪問
隣の女の手のひらをぎゅって握ってしまうのです。
ナニ、これ、豚?
甘い豚脂?
鶉(うずら)の料理ではないの?
と一瞬思います。
咀嚼ごとに、豚に巻かれた内側からリエット
と粗いパティの中間のような食感の鶉がムニ
ムニにっと顔を出してきます。
甘い豚に対し、塩とスパイスでしっかり味つ
けされた鶉がメキメキと主張してくるんです。
ナニナニ、これ旨いじゃん。
相変わらず、ムシュ阪口は塩使い上手なぁ。
ポーションもしっかり。
バルサミコを中心にした濃いソースが肉に絡
み、野菜や皿の上にドット状に描かれたヴィ
ネグレットソース(?)のほのかな酸味がピ
ンポイントに舌を刺激し、旨いバーガーのピ
クルスのように肉の旨味を高めます。
これで食欲、爆アゲです。
10数時間、お腹になにも入れてないせいもあ
って、思いっきり食欲が引っ張り出されます。
オードブルの完成形。
みるみるワインがなくなってしまう。
ボトルでオーダーしときゃよかった。。
阪口シェフの料理は、どちらかというと静か
な料理。
飛び道具やゴージャスな食材を使ったり、派
手やかなプレゼンテーションで見せびらかし
たりはしません。
ホテルニューオータニやジョルジュ・ブラン
仕込みの、丁寧で卓越した技術の裏づけがち
ゃんと料理に反映されています。
すなわち、旨いのです。
本日は、年始の特別メニュー。
市場の事情などもあってか、コースの構成は
いつもよりシンプル。
その分、一皿のボリュームは増してるような
気がします。
早々にポアソン。
本日は愛媛県産の真鯛のムニエル。
フランス料理をある程度経験した日本人なら
ば、鯛のムニエルに期待する人はあまりいな
いんじゃないでしょうか。
脂がのってる旬でも、火入れした鯛はどうし
てもパサつきがちになります。
しかも日本人にとって鯛は生で食べるのがむ
しろ標準。
かつて、恵比寿のお城においてですら、白身
魚の火入れに心からがっかりした経験があり
ます。
それくらい日本人はフランス料理の魚に対し
厳しい基準をもっています。
さて、阪口シェフはなぜあえて鯛をセレクト
したのか・・
ここの魚への火入れはよく知っています。
スチームコンベクションを使うでもなく、フ
ライパン1つで、白身魚を見事に火を通しま
す。
その腕をもってしても、パサつき大王の鯛は
厳しいのでは?
と思ってしまいます。
本日の料理法はムニエル。
小麦粉をはたいてたっぷりのバターで焼き上
げます。
供されたのは、写真の通り、バリバリに香ば
しく焼かれた鯛。
熱々で香りだってて、猛った食欲を刺激しま
す。
ポーションもしっかりです。
ただ、これでパサパサだったら、ワインで流
しこむしかないな。。
恐る恐るナイフを入れると、皮目はほんとに
バリバリ。
大好きな食感ですが、強烈に火入れした証で
もあります。
それだけに、白身のほうが気になります。
火入れが過ぎれば、白身はポソポソ、パサパ
サと崩れますが、、
あれ、スルッとナイフが通ります。
身は崩れない。
イサキやシロアマダイのようなしっとり感で
はありませんが、ほんわりふっくらした柔ら
かさと鯛の香りで口の中が満たされます。
超絶火入れで、日本料理やフレンチを軽く凌
駕する僕が一番えこひいきしてる松山の鮨屋
ほどではないにせよ、予想を超える旨さです。
フライパン1つでここまでできちゃうんです
ねぇ。
揚げたような皮目とふくよかな白身の真逆の
食感のコントラストがむしろ楽しい。
皮にはぎりぎりまで塩。
厨房で焼いてるときから、塩の強さを示す香
りが漂ってきてました。
塩は香りを引き立てます。
なぜなら、ナトリウムが食材の水分を引きつ
け、揮発性の香り成分を蒸発させるから。
風味を爆アゲするんです。
料理は科学。
そして、優れた科学は時に魔法のように作用
します。
ムシュ阪口も魔法使いです。
ソースはバターや生クリームをたっぷり使っ
た魚介リゾット。
メニューを見たときには別皿かと思ってまし
たが、ソースに仕立てたんですね。
白身にやわらかさを加味するだけに留まらず、
乳製品の豊かでコクのある味わいと魚介の旨
味、そして米。
なんと贅沢な食べるソースです。
しっかりとしたポーションの鯛にこれをたっ
ぷりと絡めて一口でいただけば、ザックり、
ふんわり、クリーミーな旨味たっぷりのゴー
ジャス感。
ついでに、カブが白いソースに溶け込んでま
すます白くなって地味過ぎるけど、ガルニチ
ュールの役を見事に演じてます。
このカブ、旨いな、マジで。
あんなに旨かった鶉のオードブルを軽くブッ
ちぎってきます。
まだ2皿目なのに、なんというハピネス!
昼間っから幸せですなぁ。
フレンチの流儀を心得たシェフの技術。
繰り返しますが、阪口シェフは塩の使い方が
卓越してます。
もう、ひれ伏すしかありません。
僕ら素人がこのくらい力強く塩を使ったら、
あと口がしょっぱくて、中和のために白いご
はんを2杯かきこむことになります。
優れた料理は、力強い塩味でもあと口にしょ
っぱさを感じさせないんですよね。
アレ、たぶん、
ポテチ現象
または、
ポテチの法則
なんだと思います。
わかります?(笑)
今回はスープも組み込まれてました。
モリーユ茸(アミガサ茸)のコンソメ。
重厚でどっしりとしたコンソメです。
そういや、コンソメスープってほんとに久し
ぶり。
ANAさんの機内ではインスタントのやつ、
よく飲みますが。
これはもう「永谷園の松茸風味のお吸い物」
と菊乃井の松茸の椀ほどに違います。
インスタントもすっごくがんばってるけど、
本物は本物。
パチモンはパチモン。
基本に忠実でシンプルなだけに旨い。
スープが消えた現代のフレンチにはない、オ
ーセンティックなフレンチをこの一皿で実現
しています。
これ一品でドレスコードが一段高まるような
存在。
時間と手数を惜しまない、フランス料理の真
髄をこのスープにみることができるようです。
日本の卓越したラーメンにもこのレベルのス
ープがありますね。
どちらも天晴。
主菜は黒毛和牛のロティ。
これはもう、言わずもがな。
これまでの塩をぐっと抑えてソースを全面に。
このリズム感、せめぎ合いがいいですね。
ベーシックなトリュフソースが旨い。
このロイヤルロードがオジサンたちにはうれ
しいのです。
今どきは、亜種や奇をてらったソースが多く、
案外、フレンチのベーシックなソースに出会
う機会が減ってて、むしろ新鮮に感じるのは
どうなの?
って感じはしますが、時の洗礼を受け続けて
なお、枯れることなく輝き続ける料理は無敵
です。
青春豚野郎はこういう本物が好きです。
だけど、牛肉料理って、卓越した料理人の技
術が見えにくいんですよね。
旨いからいいんだけど。
肉の量を超えるほどの野菜のガルニチュール
がいいですね。
この店に来るたび、野菜が楽しみ。
家庭料理では食べれないからなぁ、この手の
野菜料理は。
この店の味わいをレーダーチャートで描くな
ら、どこか1つ2つ、ガチ尖ったところがあ
ってもいいかなって思わなくもありません。
誰もが美味しく食べれるような普遍的なコー
ス設計も悪くないですがが、好みが分かれる、
シェフの好みだけを倍加させ、累乗させたよ
うなワガママ料理も食べてみたい気がします。
もうちょい通ったらお願いしてみようかな。
本日のデセールは、ガトーショコラ。
塩キャラメルのアイスがつけあわされていま
す。
ここのデセールは酒を呼んじゃうんだよなぁ。
ガトーショコラもアイスも、とってもビター
で香り高いんですよ。
そして妖艶なサキュバスのお誘いのような甘
さ。
苦みがぐっと前に出て、大人の舌を酒へと導
いてくれます。
できれば、コニャックあたりがほしいところ
ですが、本日はマッカランで。
魅惑的な苦みと甘い料理を、シェリー樽で熟
成した果実の風味とスパイシーなニュアンス
、ナッツのような余韻に浸りながら味わう最
後のひととき。
たまりませんなぁー。
年始は7,500円のコース一択。
それぞれ5種のワインをペアリングして、マッ
カラン一杯を追加して2名で24,000円だった
かな。
なんかちょっとつけ忘れてないかなって思う
くらいのお安さ。
いや、やっぱりマダムがつけ忘れてるような。。
今年の外食はここからスタートとなりました。
2025年もいい年になりそうです。
食べロガー諸兄のご健勝を祈らずにはおれま
せぬ。
帰りがけ。
ワインに酔ったか、口をぽかんと開けて隣で
寝てる嫁を見ながら、着いたぜって肩をつつ
くのではなく、手のひらをぎゅって握ってし
まったのは、旨いフレンチを食べたからかも
しれません。
まぁ、明日からまた、
OK. Google、嫁を遠くに転送して。
ってつぶやくんだけど(笑)。
ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の主に鮨屋をめ
ぐっています。
食べログを始めて1年が経過しました。
いいね、フォロー、保存いただいた方々、大
変、励みになります。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー
━ バリアフリー情報 ♿ ━
路面店です。
入口に1段ありますが、予約時に伝えておけ
ば、簡易スロープを設置してもらえるので1
人使いもOK。
まずはこいつから。 ここの定番のCAVAです。 お腹はペコペコ。 喉はカラカラ。 まぁ、そうなるように調整してたわけですが。
スペイン産鶉肉のバロティーヌ。 鶉を豚の脂身で巻いてます。 咀嚼ごとに、豚に巻かれた内側からリエット と粗いパティの中間のような食感の鶉がムニ ムニにっと顔を出してきます。 ドット状のソースが美しいだけでなく、いい仕事してます。
甘い豚に対し、塩とスパイスでしっかり味つけされた鶉がメキメキと主張してくるんです。 この甘さから塩っけの変化が意外性をもって楽しませてくれます。 食欲を開かせる役割をきっちりと決めてきます。
ペアリング#2 ニュージーランド産のソーヴィニオンブラン。 フローラルな香り、可憐で華やかな味わい。 軽くて旨くて、オードブルにぴったり。 なんだけど、旨い料理を前に、あっという間になくなりました。
モリーユ茸(アミガサ茸)のコンソメ。 重厚でどっしり。 手間暇を惜しまない、フランス料理の真髄のようなスープ。 本物は本物。 パチモンはパチモン。 スープは軽く見られがちですが、オーセンティックなフレンチをこの一皿で実現しています。
ペアリング#3、#4 フランス産のシャルドネ。 どっしりとした重さ、ハチミツのような香り、柔らかいけど余韻をひく旨さ。 オードブルとはうってかわって重量級の鯛のムニエルと相性良し。 魚の皿が旨くて、本来のペアリングをこちらをお代わりしました。
ポアソンは愛媛県産真鯛のムニエル。 写真の通り、バリバリに香ばしく焼かれた鯛。 ただ、これでパサパサだったら・・ 皮目はほんとにバリバリ。 ほんわりふっくらした柔らかさと鯛の香りで口の中が満たされます。
予想を超える旨さです。 フライパン1つでここまでできちゃうマジック。 揚げたような皮目とふくよかな白身の真逆の食感のコントラストが楽しい。 ソースはバターや生クリームをたっぷり使った魚介リゾット。 ゴージャスな一皿に仕上がってます。 ギリギリの塩使い。 ムシュ阪口も魔法使いです。
本日の主菜は長崎県産黒毛和牛ロースのロティ。 これはもう、言わずもがなです。 これまでの塩の旨味をぐっと抑えてソースを全面に。 このリズム感、せめぎ合いがいいですね。
ペアリング#5 アルゼンチンのマルベック。 カテナの畑をバランスさせたアッサンブラージュ。 1年熟成の軽い複雑味で肉料理との相性が抜群。 長期熟成したのも飲んでみたい。
ベーシックなトリュフソースが旨い。 このロイヤルロードが実は最近、めっきり減りました。 なのでむしろ新鮮に感じます。 実に旨いんだけど、シェフの技術が見えにくいのが高級牛。 ここの野菜のガルニチュールはいつも旨い。 こちらも楽しみ。
ペアリング追加 マッカラン12年。 ほんとはコニャックやアルマニャックが飲みたかった。 もちろん、デセール用。
デセールはガトーショコラ。 塩キャラメルアイスがつけあわせ。 ここのデセールはいつもシンプルだけど、大人の味つけ。
どちらもビターな大人の味わい。 どちらも苦みをぐっと前に出して、これが酒に合う! ドライラズベリーの可愛い酸味がいいアクセント。 酒を呼びますなぁ。
2025/01/06 更新
2024/06 訪問
本来無一もん、生きてるだけで丸儲け。やったもん勝ちなのです。
先月初訪店以来、1ヶ月以内に必ず再訪する
と誓ったのが理由ではないんだけど、なんと
なくフレンチが食べたくなって、どこ行くか
考えた時、一番に候補に上がったのがここ。
やはし、下駄履きの距離にあってカジュアル
で良質な店ってのは使い勝手がいいなぁ、と。
鰻屋、焼き鳥屋、ついでに鮨屋は下駄履きの
距離がいい。
都内にはもっとハレ感あって、高額で旨い店
がクサるほどあるけど、近さってのは集客の
威力ですなぁ。
逆に、車いすで引きこもりの僕がわざわざ飛
行機と電車とタクシーを乗り継いでまで、そ
の店に行こうとする強大なモチベーションを
生み出す店ってすげー。
このモチベーションを生み出すメカニズムは、
マーケティングの研究テーマになりそう(笑)。
僕はですね、ランチを食べて、退店する頃に
は午後の日が傾いて、あれー、そろそろ夕食
の時間なのでは?
じゃぁ、ついでに晩ごはんもここで食べて行
くか、、って時間の過ごし方にとっても幸せ
を感じるバカなんです。
恵比寿のお城で、これを実行した大馬鹿もん
です。
でも、3時間を超えるような食事って、マジ、
食欲が一周しちゃってお腹が減るんですよー。
経験ありませんか?
まぁ、後日、とてつもないアレがクレジット
カードの明細に記載されることになるんです
が。。
本来無一もん、生きてるだけで丸儲け。
やったもん勝ちなのです。
お昼時には26℃を超えた週末。
喉かわいたし、お腹はペコペコ。
空腹感ほど、ごはんをおいしくしてくれる条
件はありません。
昨夜、あれほど食べたし飲んだのに、12時間
も経つと耐え難い空腹感。
「食べたい」と「美味しい」は、何度経験し
ても、慣れないし、飽きないし、すり減らな
い。
そして本日は、素敵なフレンチでデジュネ。
幸せですなー。
エピセ、美味しいです。
近くて、カジュアルで軽くて満足度高くて、
財布にも優しい。
いい店見つけました。
なんだかヘビロテ入りしそうです。
次回は、ぜひともムシュ阪口とお話してみた
いと思ってましたが、本日、僕らが最後の客
となったため、これも実現しました。
僕が敬愛する「TSUSHIMI」の都志見シェフ
とはジョルジュブランでともに修行時代を過
ごされたとか、実に興味深いお話ができまし
た。
こうして30年以上食べ歩いてると、いろんな
とこでいろんな人との繋がりを経験するもの
ですね。
美味しい食事を通して、繋がっていく。
なかなか素敵です。
ムシュ阪口は、塩使いが上手ですね。
塩は味付けだけでなく、香りを引き立てる調
味料です。
特に本日のアミューズである、天然ひらめの
炙りは、熟成された魚、オリーブオイル、そ
してわずかな蒼さ、それぞれの香りを爽やか
にまとめあげてました。
アミューズにしとくのがもったいないくらい
の素晴らしい出来栄え。
そして、実に見事な火入れの2皿を披露してく
れました。
フレンチにおいて、ほとんど期待したことが
ない「すずき」のムニエル。
片面だけに火を通しただけで、これほどの料
理に仕上がるとは。
ネギとドライトマトを使ったクリーム仕立て
のソースが淡い白身の旨味を引き立てます。
淀みなく、一直線に旨くて、息つくひまもな
くむさぼるほどの逸品でした。
1ミリほどもパサツキを感じさせない白身魚
の料理ってほとんど経験したことがありませ
ん。
そしてっもう一皿が古白鶏のロティ。
低温・高温2つの温度、2回の火入れで調理。
肉質を硬くせず、肉汁を失わず、豊かな食感
を作り出す。
赤ワインの重量感あるソース。
なかなか艶かしく誘惑してくれます。
なめらかな食感、蕩けるような肉質と旨味。
たっぷりのソースが、堂々たるメインディッ
シュを構成しています。
前回の豚肩ロースのロティとは比べようもな
いほどに旨い一皿でした。
わずか4,700円のコースですが、昔からメイ
ンディッシュの頃には、お腹が出来上がって
しまって、クライマックスどころか、既に終
わってることが多いくらい僕のヘタレな胃袋
には、これくらいが丁度いい。
アミューズからデセールまで、余裕を持って
料理を楽しめるって大切です。
残すのはイヤですからね。
前回は、5種(5,000円)のペアリングでし
たが、今回は7種(7,000円)のをお願いし
ました。
料理が美味しいからどうにもワインが進んで
しまうんですよね。
価格以上の価値。
酒が進む料理。
十分に満足感が得られるポーションと料理の
クオリティ。
やはりここはいい店でした。
美しいマダムのサーヴも心地良い。
(マスクはずされると美しさが一層際立ちま
す(笑))
ムシュ阪口は決して客とのコミュニケーショ
ンが苦手ではありませんでした。
前回のレビューでは失礼なこと書いちゃいま
した。
むしろお話好きです。
長いキャリアを背景に、興味深い料理のお話
が聞けます。
今度は一人できてカウンターでいただくのも
いいな。
ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の主に鮨屋をめ
ぐっています。
まだ食べログを始めたばかりですがいいね、
フォロー、保存いただいた方々、大変、励み
になります。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー
━ バリアフリー情報 ♿ ━
路面店です。
入口に1段ありますが、事前に伝えておけば
簡易スロープを設置してもらえるので1人使
いもOK。
本日のメニュー。 先月訪店したときとはまったく別の料理になってました。
ペアリング#1 まずはかけつけ一杯のCAVA。 これからの季節、まずは泡に限ります。
アミューズ。 天然ひらめの炙り。 フランス料理らしい、大胆な塩使いで香りを引き立ててます。 3日熟成で旨味が強いにも関わらず、歯ごたえもしっかりで、 オリーブオイルと香草の蒼い香りが旨い! 食欲が一気に開きます。
ペアリング#2 フランス ルーション産のグルナッシュ。 グルナッシュらしい果実味ときれいな酸味、ミネラルを感じます。 次の皿にぴったり。
前菜。 フランス産小鴨胸肉。 小鴨らしいやわらかい肉質。 が、野趣あふれる香りと旨味でしっかりジビエしてます。
酸味のあるソースが野菜と肉をまとめ、時間差でピンクペッパーが インパクトを与えます。 前菜の軽い料理ですが、フレッシュな野菜とジビエの食感、旨味が 実に多断層的で、料理としての完成度はとっても高いです。
ペアリング#3 ニュージーランドのソービニオンブラン。 ぶどうの茎や枝ぽいミネラル感が強くて、酸味の柔らかいテクスチャーが印象的。
銚子産天然すずきのムニエル。 これは素晴らしい逸品で、一球入魂の火入れでした。 すずきや鯛のムニエルでこんなに美味しい経験は貴重です。
1ミリのパサツキ感もなく、白身の芳醇な香りとふんわりしっとりの食感。 優しいけど輪郭が明確なソースでむさぼりました。 火入れ一つでこんなに美味しくなるんですね的な驚き。
ペアリング#4 オーストラリアのシャルドネ。 樽熟成使ってますかね。 それっぽい香り、豊かな酸、洗練された印象で旨味が膨らみます。 ちょっとナッツっぽさも。
ペアリング#5 イチゴやチェリーの赤い果実味と、スミレのような繊細な香りの エレガントなストラクチャ。
ペアリング#6 ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン。 樽で12ヶ月熟成、カシスやチェリ一の香り、タバコっぽさやチョコレート のニュアンスも。
総州古白鶏モモ肉のロティ。 総州とは千葉のこと。 地元鶏なのです。 低温・高温2つの温度帯で2回の火入れ。
これにより、肉質を硬くせず、肉汁を失わず、豊かな食感を作り出します。 赤ワインを重量感のあるたっぷりのソースが艶かしくからみます。 なめらかな食感、蕩けるような肉質と旨味。 鶏でも堂々たるメインディッシュ。
ペアリング#7 南アフリカのシャルドネ。 柑橘類やバタースコッチのようなアロマ。 キリッとフレッシュな口当たりに樽熟成由来のクリーミーさもわずかに 感じます。
リゾット。 前回同様、きのこがいっぱいです。 バターたっぷりに揚げパン粉でアクセント。 少し重めの白ワインにぴったり。
デセール。 和歌山県産八朔を使った自家製コンフィチュールとカスタードクリーム をそえたパイ。 手で持ってムシャムシャ食べました。
もう一品。 阪口シェフと料理の話をしてたら、そういえば長らくフォアグラ食ってない ことを思い出し、さっそく一品お願いしました。 フレッシュなフォアグラをぎゅーっと濃縮、濃密にしたてたパティのよう。 上だけをキャラメリゼして一層濃厚に。 動物性の肝がもつ力強さを感じさせる一品。 生ハムを巻いていただくと、あー、フランス料理食ってる感じでお腹が 仕上がりました。
2024/06/08 更新
2024/05 訪問
気にしない気にしない、恥かいたって笑われたって、、さぁ、旅に出よう!
今でこそ、地方の鮨屋めぐりがライフワーク
になってますが、その昔、少なくとも20年
前は、
「フランス料理以外美食にあらず」
と言って憚らないバカでした。
それくらいたくさんの店を訪れたし、フラン
ス料理が大好きで。
そのバカを料理でもって一蹴したのが、いま
をときめく、
「鮨さいとう」
の斎藤さんだったんです。
ほんとに久しぶりのフランス料理。
ただし、というか地元、千葉の。
フランス料理不毛、というか、ほとんど砂漠
地帯のような千葉。
30年住んでみても、状況はあまり変わらない
ようです。
「食」は文化そのものなんだけどな。
フランス料理に限ったことではないんですよ。
例えば、全カテゴリにおいて、食べログさん
のGold、Silver、Bronzeに名を連ねるような
名店は5店だけ。
人口600万人超を要する街とは到底思えませ
ん。。
因みに、
石川県はGoldも含め10店。
長野県6店、兵庫県11店、静岡県Gold、Silver
だらけで7店、福島県6店、福岡県にいたっ
ては20店。
まぁ、東京は140店以上と、いわば総取り状
態ですが。
住んで30年になる千葉において初めてのフレ
ンチ。
いかがなものでしょうか。
ちょっと怖い。
まずは一番お安いランチコース、4,700円で
お試しです。
5種ペアリング5,000円も一緒に。
別にケチるつもりじゃないんだけど、
千葉のフレンチ、僕にとっては、少々、スリ
リングな賭けなんですよね。
その昔、店の選択に失敗したり、期待しすぎ
たりして、まぁ、それなりにお勉強代も支払
ってきたけど、いつも、
気にしない気にしない、恥かいたって
笑われたって、、さぁ、旅に出よう!
って思ってきたけど、歳を重ねても考えは変
わりませんよ。
気にしない気にしない、またダメなら新しい
旅に出ればいい。
オーナーシェフ、阪口氏は渡仏後、タウユヴ
ァン、アピシウス、ジョルジュブランなどで
研鑽されたのち帰国、リーガロイヤル東京の
メインダイニングの料理長に就任。
キャリアは立派なものです。
僕もフランス人シェフなら、アラン・パッサ
ール、アラン・デュカス、ピエール・ガニエ
ール、ミシェル・ブラスなどの料理を体験し
てるので楽しみにしてました。
こんな体験があります。
30年前、熊本は天草で生まれ育った20歳そこ
そこの田舎女子を都内の名店フレンチに連れて
ったら、こともあろうに、その田舎女子、
「魚が美味しくない・・」
って言いやがったんです。
お一人様3万円以上の店で。
その言葉に、
「ハッ!!」
としましてね。
正直言うと、僕も脳みそのどこかで、フレン
チの魚なんて、
「こんなもんなんかな・・」
と思ったりもしてたので、このバカ正直でド
直球な感想に目が覚める思いでした。
でも、当時の僕は自身の味覚よりもブランド
力のほうにありがたみを感じるバカでして・・
清潔なクロス、美しいショープレート、鈍く
輝くカトラリ、見事なプレゼンテーションに、
洗練されたサービスも、田舎女子の前では力
及ばず一刀両断です。
そうなんですよね、結局のところ、そこなん
です。
美味しいか、美味しくないか。
目の前の海からもたらされる素晴らしい魚を
日常のように味わってきた彼女にとって、日
が経過していて、いじくりまわされた当時の
フランス料理は、
「美味しくなかった」
んです。
僕もフレンチの魚に対する火入れには以前か
ら自分なりの思いがありました。
特に、江戸前鮨の素晴らしさを知ってからは。
千葉県は、日本有数の農産物、海産物の産地。
かつて、ある女性タレントさんと一緒に県内
の卓越した農家さんや漁師さんを取材したこ
とがあり、なんで、この素晴らしい素材が県
内に出回らないのか不思議に思ったことがあ
りました。
理由は簡単で、その素晴らしい素材を買う力
を持ったレストランや鮨屋が千葉にはほとん
どなかったんです。
それらはみんな都内に流れてました。
フランス料理屋が千葉で生きるためには、こ
れらを美食へと昇華させなくてはなりません。
当然のことです。
それができる、客に美味しいと思わせること
ができる店が少いから、今の千葉の現状があ
るんです。
さて、この店は、それができてたんでしょう
か。
この日、
際立った食材と料理がありましたので順を追
って。
まずは銚子港が誇る、釣りキンメ。
鮨屋の名店が扱うキンメを10とするなら、7
程度の品質。
価格を考えるなら素晴らしい。
ふっくらと太って脂がのった身を軽く塩締め。
しっかりとした食感に豊かな脂にソースが絡
んで良質なカルパッチョに仕立てられてます。
そしてカンパチ。
鮮度のよいカンパチを少し熟成させてるよう
で旨味、香りともに十分な切り身に、フレン
チの火入れがとても丁寧に施されてます。
スチームコンベクションを使うことなく、
ブリの美味しい皮目の食感、ふんわりと柔ら
かい白身は丁寧にポワレされているんだと思
います。
そして野菜。
魚、肉以上に際立ってました。
キンメに合わせた、厚みがあって香り苦みが
フレッシュなマイクロリーフ。
三元豚ロースのガルニチュールとして使われ
た、蕪とラディッシュは肉よりはるかに印象
に残るレベル。
固くて、活き活きとした野菜だけが持つ健康
的な食感と旨味。
野菜が生き物であることを思い起こさせる甘
み、苦みともに味わいがとても濃い。
野菜食ってる感が強烈で旨い!
そして、ソースが旨い!
自家製ライ麦パンは温かく、固くもちーっと
してしっとり。
オリーブオイルとの相性も素晴らしく3つも
おかわりしました。
ワイン一本飲めるレベル。
肉料理の肩ロースのロティは、事前に煮込ん
であることがメリット、デメリットの両方を
生み出し、難しいところ。
グレービーなソースはとても美味しく、特に
野菜を際立ててました。
ごはんの粒よりも多いきのこのリゾットは、
フレンチらしく、塩をギリギリまで使ってい
るので、香り、味わいともにコントラストが
明確。
バター、チーズときのこの相性は想像を裏切
りません。
そして、見栄えは割とアレですが、
八朔の自家製コンフィチュール、クランベリ
ー、カスタードクリームでいただくガトーシ
ョコラ。
相性バツグンなのは食べる前からわかります。
どれも少しづつスプーンにすくっていただく
とですね、あー、このデセール、旨〜!
となって、酒酒!
この一皿で、マッカランを2杯いただいたほ
ど素晴らしいデセールでした。
価格以上の価値。
酒が進む料理。
十分に満足感が得られるポーションと料理の
クオリティ。
なかなかいい店だと思います。
あえて付け加えるなら、シェフのメッセージ
性がもう少し込められたような料理であった
ならなと思うんですよね。
これだけの構成で4,700円は素晴らしい努力
でしょう。
料理が素晴らしいと僕は酒が進んでしまうの
で僕1人で10,000円近く飲んでしまいました。
3種ペアリング:3,000円
5種ペアリング:5,000円
とワインもリーズナブルな設定です。
レストランをハレ使いする人にとっては、少し
だけ華、艶がほしいかもしれない。
ムシュ阪口は、ひょっとすると客とのコミュ
ニケーションがあまり得意じゃないのかもし
れません。
そういうシェフ、たくさん知ってます。
ただ、シェフの語りは、料理と同じレベルで
客の味覚に印象を残します。
次回は、いろいろ話をしてみようと思ってる
んですよ。
だって、なかなかに魅力的な料理を、こんな
に身近な価格で提供できるシェフなんですか
ら。
こういう小さなフレンチが、毎夜毎夜、食い
しん坊たちで賑わう千葉であってほしいと心
から願います。
1ヶ月以内に再訪します。
ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の主に鮨屋をめ
ぐっています。
まだ食べログを始めたばかりですがいいね、
フォロー、保存いただいた方々、大変、励み
になります。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー
━ バリアフリー情報 ♿ ━
路面店です。
入口に1段ありますが、事前に伝えておけば
簡易スロープを設置してもらえるので1人使
いもOK。
銀製ではないけど、こうして並ぶカトラリを前にすると期待が膨らみます。 本日のメニュー。 魚、肉料理を含めてこの構成でこの価格は素晴らしい努力だと思います。
ペアリング1杯目は、CAVA。 喉乾いてたし、これから始まる料理にワクワクします。 これがレストランですね。
アミューズ。 玉ねぎとベーコンを練り込んだ甘くないパウンドケーキ。 というか、ケークレサですかね。 しっとりとした食感。 塩もしっかり効いてて食欲が高まります。 プレゼンテーションとしては、どうなのかな?
前菜。 キンメのカルパッチョです。 パプリカパウダーやマスタードソースのコントラストが美しく、 フランス料理らしいですね。
銚子港のキンメは既にブランドです。 煮ても、握っても美味しい。 ふっくらとデブで脂は申し分なし。 塩締めで明確な旨味を味覚に伝えてきます。 新鮮なマイクロリーフと鮮魚。 鮨屋ほどの感動はないですが、ワインとともに美味しくいただけます。
ペアリング2種目は北海道のケルナー。 マスカットの種や茎のようなニュアンス。 若々しい香りがキンメのカルパッチョにぴったりです。
ペアリング3種目はアルゼンチンのシャルドネ。 これは次の皿、カンパチのムニエルに合わせて。 少しマッシブで、生クリームベースのソースと脂分の多いカンパチに負けません。
高知産カンパチのムニエル。 じゃがいもとマッシュルームも入れた生クリーム仕立てのソースで。
ソースヴェルト? でしょうか? ソースが旨くて、ポアレの火入れが丁寧で、十分なポーション。 皮目はカラッと揚がってて血合いや白身はふっくらほわほわ。 見た目以上に美味しくて、ワイングラスがあっというまに空っぽ。 急遽、ワインを6種に。
ペアリングに含まれない、旨いカンパチのせいで急遽追加した南フランス のシャルドネ。 モンラッシェやムルソーほどではないけれど、ナッツやバターの香り。 カンパチのポアレと濃いソースを一層リッチに感じさせます。
ペアリング4種目はグルナッシュとシラーの赤。 ダークチェリーレッド。黒い果実主体にほのかな樽由来のバニラの香り。 安いのにボリュームと品を感じさせるワインで、これは三元豚のロティに ぴったり。
紀州三元豚のロース肉のロティ。 美味しい野菜農家が多くて有名、香取神宮のお膝元、香取の野菜たち。 コース料理のポーションとしてはかなり多いほうだと。
豚肉をロティする前に、煮込んでるんです。 これが、メリット、デメリット両方を生み出してて、どうしたものか・・ グレービーソースはとっても美味。 このソースが、ものすごく美味しい蕪とラディッシュを引き立てました。 活き活きとした野菜だけが持つ健康的な食感と旨味。 野菜が生き物であることを思い起こさせる甘み、苦みともに味わいが濃いんです。
ペアリング5種目は南アフリカのカベルネ。 残す料理は三元豚のロティだけで、飲み比べたいので一緒に出してもらい ました。 プラム、ブラックベリーの香りに、深い森のようなストラクチャー。 柔らかな酸味と渋みで余韻が思いのほか長いんです。 こんなワインを一杯1,000円程度で出しちゃって大丈夫?
きのこのリゾット。 濃厚なソースときのこ。 合わないわけがありませんね。
お米よりきのこが多いくらい。 生クリーム、チーズがクリーミーで、揚げパン粉がコントラストを与えてます。 塩を思いっきり使ったフレンチらしいリゾット。 決してケチくさいくない満足感あるポーションもいいですね。
見栄えは割とアレですが、八朔の自家製コンフィチュール、クランベリー、 カスタードクリームでいただくガトーショコラ。 どれも、そしてすべてが相性バツグンなのは食べる前からわかります。
ペアリングではないマッカラン。 とうとうここまで来てしまいました。 もう止まりません(笑)。 だって、デセールが・・・
どれも少しづつスプーンにすくっていただくとですね、あー、このデセール、 旨〜! ビターの効いた甘みと苦味、いくつもの酸味も渋み、そして甘み。 オトナが大好きな、オトナの酒のためのデセール。 こういう楽しみができるのもフランス料理だよなー。 となって、酒酒! 結局この1皿でマッカランを2杯いただいたほど素晴らしいデセールでした。
2024/05/07 更新
6日間も家から出てないしお金も使ってない。
さすが中度の引きこもり症で我ながら、見事
なヒッキーっぷり。
最近、ちょいちょいフレンチの虫が騒ぐので
す。
ほぼリタイヤして、いろいろバッサリとリセ
ットしたら、以前よりお腹が減るし、食べる
ことが益々楽しい。
旨い料理は、何度食べても旨い。
旨いは慣れないし、飽きない。
旨いは、すり減らない。
旨いは、すなわち、正義。
2、3日前から、
豚のリエットをパンに塗ったくりてえー
茶色いソースの肉が食べてー
久しぶりにムシュ阪口のフレンチが食いてー
な気持ちが止まらず、食べログさん使って3
日後のランチをサクッと予約。
この3日が長かった。。
ムダな時間はたまに示唆に富んだことを教え
てくれます。
たとえば、
中身スカスカな肉まんのスカスカは、天使の
分け前であり、税金とはナニかを暗に示して
くれるし、
あちこち底上げされたコンビニ弁当は、山あ
り谷ありの人生の厳しさを教えてくれてるけ
ど、
今は、そんなヘリクツ抜きに、阪口シェフの
旨いフレンチとワインに満たされたいのです。
フレンチ界隈は難しい時代にあるのかもしれ
ません。
が、イノベーティブの闇はいつしか晴れ、パ
チモンはいずれ淘汰されます。
市場は必ず正しい選択をする。
歴史が証明しています。
ここは僕に一番近いフレンチ。
げた履きの距離に、旨い
鮨と
フレンチと
日本料理と
お好み焼き
がある人生をずっと夢見てるけど、今のとこ
ろ叶ったのはフレンチとお好み焼きだけ。
肩も肘も張らずにいただけるフレンチですが、
レストランとしての品を保ち、アピシウスや
ジョルジュ・ブランなど、本場で研鑽を積ん
だ技術に裏づけされた、ロイヤルロードまっ
しぐらな旨い料理が出迎えてくれます。
しかも、こんな身近で。
本日いただいたのは、
エピセ平日ランチコース:4,900円(税込み)。
青森県産アイナメ
香川県産カンパチムニエル
千葉黒毛和牛肉パイ包み焼き
リゾット
ガトーマロン
コーヒー又は紅茶
ここも徐々に、頭、おかしー店になりつつあ
るようで、お得感がぱねーです。
店の良心がチョコレートファウンテンのよう
にあふれだしてます。
8日熟成のアイナメは、余分な水分が抜け落ち、
旨みが凝縮されながらしっかり弾力を保持。
魚には繊細な味覚をもつ日本人シェフだから
こそ生まれたような料理。
味の濃いチョリソーが味覚に変化を与え、酸
味のソースとピンクペッパーが繊細で透明感
ある白身に刺激を与え、蒼いマイクロリーフ
が爽やかで食欲を一気にブーストします。
本日は一人なのでカウンター席。
シェフの仕事ぶりと、火と食材が発する音と、
立ち上る香りまでいただけます。
いい場所だ。
楽しい。
ワインが旨い。
魚料理はカンパチ。
ふつー、フレンチでカンパチ焼かないよなー。
阪口シェフ、チャレンジャーです。
でも、フライパン1つでここまで仕上げちゃ
う。
スゲー。
皮の厚い魚はムニエルがぴったり。
文字通りバリバリに芳ばしい皮目に、しっと
りふんわり、若干の生感を残した白身。
今日はいつもの力強い塩は控えめで、その分、
ソースが仕事をします。
香りも旨みも力強い魚には、濃厚な旨みと酸
味の、どちらかというと肉寄りのバルサミコ
ソースがよく合います。
1ミリほどもパサツキを感じさせない白身魚
の料理、シェフは相変わらず、フライパンの
扱いが見事です。
バターとオリーブオイルが乳化したようなソ
ースをからめたギンナンが、これまた主役は
オレだといわんばかりに旨い。
この両者がせめぎ合って旨くて旨い。
最後は黒毛和牛のパイ包み焼。
なんかイメージしてたのとぜんぜん違う。
少し大きめのパイ包み焼きをスライスしてシ
ェアするのかと思ったら、ゴロンと丸ごとパ
イ包み。
おー、これはうれしい。
パイ包みは、熱を逃さないことと、香りを閉
じ込めることと、中身をイメージさせるとこ
がいいところ。
初めて袋とじエロ雑誌を手にした中学生のよ
うなトキメキを感じさせます。
パイの中身が気になってしかたない。
一気にナイフを入れると、ボワッと香りが弾
けます。
まさに香りの爆弾。
あー、この瞬間を写真に撮りたかった。
きっと、この香りも写ったはずなのに。
中身はいろんな部位の牛がぎゅっと詰まって
て、税務署に分け前をもってかれてスカスカ
になった肉まんとはわけが違う。
柔らかで豊かでソースがからんで重層的な肉
肉しい旨みがあふれます。
旨い肉汁はしっかりパイが吸い取ってくれて
すべて胃袋に納めることができて、野生的な
達成感に満たされます。
こういう、ひと手間を惜しまない料理が好き
です。
時の洗礼を受けてなお、枯れることなく輝き
続ける料理は無敵です。
今日はフランス料理を食べに来ました。
そして、これがフランス料理です。
あー、旨かったー。
最後はデゼールとともに濃くて甘い酒でも楽
しむか、、と思ってた頃、これが登場。
ここのスペシャリテとも言えるリゾット。
穀類と同じくらいの量のきのこをバター、生
クリーム(?)、チーズで濃厚に炊いたこれ
がクセになる。
バター、チーズときのこの相性は想像以上。
またこれがワインを呼び、再び美味しい海に
没入。
終われない、帰れない、帰りたくない。
エピセで毎度特筆したいのは、野菜の旨さ。
体のために毎日ムリやり食ってるけど、オレ
さま、野菜がキライ。
でも、ここは肉、ワイン、野菜と繰り返され
る激旨ループに脳が美食の海に溺れ、ただの
食べる阿呆に成り果てます。
そう、肉や魚を一層旨いと感じさせるために
は、旨い野菜が必要であることを教えてくれ
るのです。
ガルニチュールとは、付け合わせ、飾り、添
え物を意味しますが、エピセのマイクロリー
フ、カブ、ラディッシュ、ジャガイモ、アス
パラなどは付け合せや飾りではなく、主菜と
タメ張る立派な料理です。
固くて、渋くて、苦くて、甘くて、活き活き
とした野菜だけが持つ健康的な食感。
野菜が命であることを思い起こさせる、とて
も濃くて鮮烈な味わい。
すなわち、超旨いのです。
ようやくデザート。
ここまで2時間も食べて飲んで、快楽過ぎて
溺れそうです。
本日は、ガトーマロン。
なんと旨そうな響き。
しっとり焼かれた甘さ控え目のパウンドケー
キにはフランス産のこちらも甘くない栗。
クリームをたっぷりのせて、最後にクランベ
リー? ラズベリー?を散らします。
これをコーヒー、紅茶でいただくのはもった
いなさ過ぎ。
アルコール度数が高くて少し甘い酒が必要で
す。
いろいろお出しいただいた中から、カルバド
スを。
いろんな食感、いろんな甘さが多段階的に重
なり合って溶け合う中、小さな酸味が刺さり
ます。
これをわずかな量のアルコールで流して舌が
シビれて長い余韻にひたれます。
いやー、最後までこれかよ。
フランス料理に旨いデセールが必須なのがよ
くわかる一瞬。
酒とガトーマロンをお代わりしそうになるの
を、かろうじて理性が押し留めてくれてるう
ちに帰らなきゃ。
長い時間の食事にそろそろ食欲が一周して晩
ごはんもここで食べようかなってアホなこと
やりかねません。
事実、10数年前、恵比寿のお城で一度やって
しまったことがあるんです。
さてさて、本日も大満足な食後感。
一番お得な4,900円のランチでこんなに楽しま
せてもらって申し訳なく思います。
7種7,000円のワインペアリングにカルバドス
を飲んで、〆めて14,000円。
帰るのがめんどくさいです。
このまま眠れたら、どんだけ幸せなことか。
日本中の旨いフレンチがすべてオーベルジュ
になっちゃえばいいと思う。
♿車いすお一人様難易度
難度高いかも。
女子率が高いし。
カウンターでバリア張ればなんとかなる。
♿店内レイアウト
テーブルとカウンター。
ともに高さは問題なし。
♿接客
マダムにおまかせしとけばOK。
ーー
読んでいただきうれしいです。
車いすで飛行機に乗って全国の主に鮨屋をめ
ぐっています。
まだ食べログを始めたばかりですがいいね、
フォロー、保存いただいた方々、大変、励み
になります。
ありがとうございます!
ご参考になればうれしいです。
ーー
━ バリアフリー情報 ♿ ━
路面店です。
入口に1段ありますが、事前に伝えておけば
簡易スロープを設置してもらえるので1人使
いもOK。