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――潮の香りがうっすらと漂う南房総の地で、身も心も解きほぐされていく。 「美味しい温泉 夢みさき」。 その名に違わず、食の夢を見させてくれる宿だった。 目の前に運ばれてきたすき焼き風の牛肉は、割下がじんわりと染み込んだとろける柔らかさ。箸を入れると抵抗もなく崩れ、すぐに白米が欲しくなる。いや、待て。すぐ隣には炊き立てご飯。もうこの時点で勝ちが確定していた。 次に運ばれたのは、洋の顔をした豚のグリル。肉の旨味がぎゅっと詰まりつつ、ソースはほんのりベリーが香る甘酸っぱさ。米を止めろという方が無理な話だ。 ――これはご飯泥棒たちの饗宴だ。 コース料理でありながら、ご飯や味噌汁はセルフで好きなだけ。気兼ねなくおかわりできるのが嬉しい。 「食べ過ぎる」とわかっていても、箸が止まらない。 夢のような夕食とは、まさにこのことだった。
2025/06訪問
1回
――波音こそ聞こえないけれど、ここは確かに“浜”だった。 鴨川の「浜の食堂」。 用意された銀色のトレーとトングを手に、目の前にずらりと並ぶ新鮮な海の幸を吟味する。イカ、ホタテ、サザエ、ハマグリ……どれも今にも動き出しそうなほどにみずみずしい。 選ぶ楽しさ、焼くワクワク、香ばしい匂いに包まれながら、じりじりと火を入れていく。じゅうっと音を立てるその瞬間に、旅の気分は最高潮を迎える。 ――五感を総動員して食べるとは、まさにこういうことだ。 ただ食べるだけじゃない。体験そのものがごちそうになる場所。 鴨川に来たなら、この“浜のごちそう”は外せない。
2025/06訪問
1回
――東京湾を見渡す海の上、潮風と車の音が混じるこの場所で、鉄板の上からじゅうじゅうと音が聞こえてきた。 「オーシャンキッチン」。海ほたるの5Fにある。 観光地のど真ん中。正直、味にはそれほど期待していなかった。 けれど、運ばれてきたその一皿に思わず目が止まる。 チキンステーキの上に、どんと構えた目玉焼き。 黄身がまぶしくて、太陽のようだ。 その脇を固めるポテトも、妙に頼もしい。 ナイフを入れれば、皮はパリッと、肉はジューシー。 決して凝った料理じゃない。でも、こういうのが、いいんだ。 ソースも深追いしない。あくまで肉の味を引き立てる脇役に徹している。 ――特別じゃない。でも、ちゃんと美味い。 景色と一緒に食べるには、これ以上ないランチだった。 オーシャンキッチン、また海を渡って来る価値がある。
2025/06訪問
1回
――風呂上がりの体に、生姜焼きは沁みる。 ここは「スパメッツァおおたかの森」。 ひとっ風呂浴びて、ふらっと食事処へ。選んだのは生姜焼き定食。 さっぱり冷奴に、漬物と春雨、そしてどっしり盛られた白飯。 味噌汁もついて、構成としては申し分ない。が――生姜焼きの量が、ちょっと控えめ。 シャキシャキの千切りキャベツの下にもう少し隠れてるかと思ったが、そうでもなかった。 ただ、味はいい。 甘辛いタレと豚の旨味が、ご飯とよく合う。1枚1枚が丁寧に焼かれていて、満足感はある。 でも、やっぱり……もう1〜2枚ほしいところだった。 ――風呂で整ったあとに食べるご飯は、いつもよりうまい。 だからこそ、もっと食べたかったという欲が出る。 次は別のメニューに手を出してみるか……それとも、生姜焼き2倍盛りがあれば、迷わずそっちだな。
2025/04訪問
1回
――特別な一品って、メインじゃないところに潜んでる。 ここは「そじ坊」。 そばとかつ丼のセットを頼んだ。味は――まあ、可もなく不可もなし。 しっかりうまいけど、記憶に残るかといえば、それはまた別の話。 ところが、だ。 一緒に頼んだごぼうの天ぷら。これが、想像以上だった。 細く割かれたごぼうがカリッと揚がっていて、香ばしさがじんわり広がる。 噛むたびにごぼうの土っぽい旨味が顔を出し、塩をちょんとつけると、それがさらに引き立つ。 ――なるほどな。 セットメニューで満たされた胃に、さりげなく入り込んできて主役を奪っていく。 まさか、そば屋でごぼう天に心を持っていかれるとは思ってなかった。 また来るときは、迷わず言うだろう。 「そばもかつ丼もいらない、ごぼう天だけください」ってな。
2024/12訪問
1回
――真夏の陽射しが照りつける南房総。 汗をぬぐいながら駆け込んだその先に、まるでオアシスのように現れたのが「木村ピーナッツ」のピーナッツソフトだった。 見た目はやさしいミルク色。でもひと口食べれば、その印象はガラリと変わる。なめらかな口溶けの奥に、香ばしさとほんのりとした苦味が顔を覗かせる。 これはただの甘いソフトじゃない。 ピーナッツという素材の力強さと、丁寧に作られた手仕事が確かに感じられる味だ。 ――炎天下の中、歩いた距離も、じりじり焼ける肌も。 すべてがこのひと口のためだったと、そう思えるほど。 冷たさだけじゃない、心まで癒される。 そんな一杯だった。