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――金属の皿に、ジリ…と油の音が残っていた。 香川名物「一鶴」の骨付き鶏。 見た目は無骨、けれど噛んだ瞬間に、皮目の香ばしさと肉汁の洪水が口の中で暴れ出す。 身は引き締まっているが、決して固くはない。 一噛みごとに溢れる旨み。じわっと後からくるスパイスの余韻。 白飯と一緒に食べれば、箸も会話も止まらない。 ――シンプルなのに記憶に残る、まさに“主役”の一皿。 香川を訪れる理由が、またひとつ増えた気がした。
2023/05訪問
1回
――出汁の香りが、ふわりと鼻をくすぐる。 ここは香川、うどん県の底力を見せる一杯だった。 「ちくせい」のセルフうどん。 目の前で湯気を立てる鍋から自分で取り上げ、好きな具をのせる――それだけで少し楽しくなる。 つややかで、もっちりとした麺。 コシがあるのに、優しく喉をすべっていく。 淡い色の出汁は見た目に反して力強く、いりこと昆布の旨味がじんわり染みてくる。 トッピングに選んだわかめと天かす、青ねぎが、シンプルなうどんに豊かな表情を添えてくれた。 ――飾らない、だけどちゃんと満ち足りる。 旅の途中でふと立ち寄った「日常」が、思い出になる。そんな味だった。
2023/05訪問
1回
――静かな朝に、やさしい時間が一杯分だけ注がれている。 「トートーコーヒー」のカフェラテ。 ふわりと注がれたミルクの上に描かれたラテアートは、まるで白鳥のような優美なかたち。思わず見惚れてしまい、口をつけるのがもったいなくなる。 ひと口飲めば、やはりというべきか、深くてまろやかな味わい。 苦味とコクがしっかりありながらも、後味はすっと引いて、また飲みたくなる。 ――ラテアートは、ただの飾りじゃない。 専門店の誇りと技術が、静かに、でも確かに宿っていた。 心を整える一杯。今日も、いい一日になりそうだ。