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――フォークでは足りない。ナイフでも足りない。 両手と顎の覚悟がいる。それが「TSUNAMI BOX」のネイビーバーガー。 横須賀で有名なこの店で注文したのは、直径20cmはあろうかという巨大バーガー。 バンズはこんがり焼かれ、中にはベーコン、チーズ、パティ、トマト、玉ねぎ……見える限りの具材が積み上がっている。 味はしっかり美味しい。 バンズは甘みがあり、パティはジューシーで肉の旨味が濃い。 ベーコンの塩気とチーズのコク、野菜のフレッシュさがしっかり支えている。 だが、それ以上に主張してくるのは「大きさ」だった。 手では持てない。かぶりつけない。 分解しながら食べるうちに、いつの間にか無言になっていた。 ――ハンバーガーというより、“小さな建造物”。 味も満足だが、ボリュームに完敗。 次は腹をすかせて、覚悟を決めて挑みたい。 TSUNAMI、ネイビーの名は伊達じゃない。
2025/06訪問
1回
――とろけるチーズに、罪悪感を閉じ込めて。 「なつめ」たまプラーザ店。 見た目にやさしい店構えだが、テーブルに現れたのは、破壊力抜群のドリアだった。 焼き上がりの香ばしさに誘われてスプーンを入れると、濃厚なホワイトソースがとろりと伸びる。その中に隠れるベーコンと半熟卵、そして存在感あるソーセージ。すべてがチーズと渾然一体となり、口に入れた瞬間、体が「あ、これはやばい」と察知する。 とにかく重たい。だが、うまい。 カロリーという概念が遠のくほど、満足感が勝る。 ジャンクなのに丁寧。背徳なのに幸福。 ――罪深いものほど、なぜこんなに美味しいのか。 胃袋にずしりと届いたその答えは、きっと明日の食事制限に託される。
2023/07訪問
1回
――シラスの店に来たのに、記憶に残ったのは唐揚げだった。 ここは「山利」。しらすが看板メニューのはず。 だが、運ばれてきた唐揚げ定食のインパクトに、目も鼻も心も奪われた。 カリッと揚がった衣の中には、ふっくらジューシーな鶏肉。 そこにとろりとかかる自家製タルタル。レモンをちょいと搾ってかぶりつけば、サクッ、じゅわっ――もう無言でご飯が進む。 白米はおかわり自由。 そのまま唐揚げと頬張ってもいいし、途中でしらすをのせてミニしらす丼にすれば、味変の妙が楽しめる。 添えられた釜揚げしらすは、さすがのクオリティ。ふわっとしていて、塩気がやさしい。 この店が“シラスの山”と呼ばれるのも納得だ。 ――予約して、並ばず入店。この快適さもまた、うまさの一部かもしれない。 今日は唐揚げだったけど、次は純粋にシラス一本でいってみようか。なんて、思いつつ箸を置いた。
2025/03訪問
1回
――焼き網の上に肉を置きながら、ふと思う。 “今夜のこれは、思い出になるだろうか?” 休日の夜なのに、店内は不思議なほど静か。 ドリンクバーも付いてきて、コスパは悪くない。 焼肉定食としての体裁も整っている――サラダ、スープ、キムチ、タレ二種。 だが、肝心の味はというと……「可もなく不可もなし」。 肉はそこそこ柔らかい。でも特別ジューシーというわけではない。 タレも個性控えめで、安心感はあるが、驚きはない。 ――でも、それでいいのかもしれない。 主張が強すぎないからこそ、気負わずに焼ける。 ひとりでも、黙々と焼いて食べられる焼肉。 「また来るか?」と聞かれたら、 「他に選択肢がなければ、まぁ……」と答える気がする。 そんな、あっても困らない一軒。 焼肉の中間点。今日はそういう気分だった。
2025/03訪問
1回
――スープを一口すすった瞬間、今日ここに来た理由がはっきりした。 「飯田商店」湯河原本店。 ラーメンを食べにここまで来るのは、決して“あえて”ではない。ただただ「この一杯が食べたい」から。予約を取り、店に向かう理由はシンプルで、強い。 注文したのは、特製醤油ラーメンと塩ラーメン。 醤油は、透明度の高いスープからは想像できないほど深い旨味。舌の奥でしっかりと広がるのに、喉越しは限りなく軽やかで雑味がない。上にのるチャーシューも驚くほど滑らかで、スープと一体になる。ワンタンの皮は薄く繊細で、肉餡の味わいに輪郭がある。 塩はまた別の世界。黄金に輝くスープに浮かぶ白髪ねぎと柚子皮が見た目にも爽やかで、香りからすでに勝負は始まっている。塩味の中に甘さと旨味が混ざり合い、後を引く飲みごたえがある。 どちらも、突出した個性ではなく、すべてのバランスが調和しているからこその「美味しさの説得力」がある。 ――選ばれるラーメンには、理由がある。 飯田商店の一杯は、誰かの特別な記憶になって当然だと思った。 次は、食べている人が多かったつけ麺を。 そう思わせる余韻もまた、この店の実力のうち。