「ラーメン」で検索しました。
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――「モルメン」ってやつを初めて食べる。 名前からしてなんとなくワイルドな感じはしてたけど……目の前に現れたそれは、予想以上のパンチ力だった。 味噌ラーメンなのに、ホルモンがドカンと乗ってる。しかも、けっこう量がある。 レンゲでスープをひと口。 甘めだ。けど、甘ったるくはない。味噌のコクと、野菜の旨味がちゃんと活きてる。 ホルモンもふわっとやわらかく、噛めば脂の甘みがじんわり広がる。 もやし、ネギ、キクラゲ……具材がしっかりしてる。麺を啜ると、スープがよく絡んで口の中がにぎやかになる。 これは……ラーメンというより“食べる味噌鍋”だな。 白ごはんと一緒に食べると、もう敵なし。 ――モルメン、恐るべし。次は絶対、ごはん大盛りにしよう。
2025/05訪問
1回
――湯気の向こうに、札幌の面影が揺れていた。 江戸川橋「三ん寅」—— 北海道・すみれで修行した方が営業しているこの店の味噌ラーメンは、 まるで雪国のストーブのように、ひと口で身体を芯から温めてくる。 脂の層が張ったスープは熱を閉じ込め、レンゲですくえばコクが溢れる。 チャーシューは厚みがありながらもしっとり、味玉の半熟具合も申し分ない。 上にちょこんと乗ったおろし生姜が、途中から味を切り替えてくれる。 ――あぁ、これは冬のご馳走だ。 でも、真夏に食べても間違いなく美味しい。 すみれの味が、確かにここに根を下ろしている。
2023/07訪問
1回
――赤い、だけじゃない。記憶に残る炒飯だった。 下北沢「珉亭」。 目の前に現れた炒飯は、まるで桜色の宝石を散りばめたような艶やかさ。 赤い炒飯、という見た目のインパクトにまず心を奪われる。 この赤色の正体は、細かく刻まれたチャーシューの赤色が全体に染み渡ったものらしい。 ぱらっとしすぎず、かといってべちゃっともしていない。 しっとりとした米粒に、チャーシューの旨みとほのかな甘みがじわりと広がる。 味付けは決して濃くはないが、その分、具材の香ばしさが際立ってくる。 食べ進めるごとに、「これは炒飯というより、珉亭の味」としか言えなくなる。 長年愛されてきた理由が、この一皿に詰まっているようだった。 ――唯一無二。これはもう、色も味も、しっかりと記憶に刻まれてしまった炒飯だった。
2023/08訪問
1回
――「また食べたい」と思うラーメンは、案外こういうやつだ。 立川「鏡花」の醤油ラーメン。 洗練されたビジュアルに派手さはない。けれど、湯気とともに立ち昇る香りが、すでに脳を満たしてくる。 スープは奥行きのある淡麗系。節の風味、鶏の旨み、醤油の輪郭が繊細に重なり合い、どこか落ち着いた味わいを残す。 ガツンと来るわけじゃないのに、気づけばレンゲが止まらない。 中細のストレート麺はつるりとした口当たりで、スープとの相性も良い。 チャーシューは薄めだが、しっとり柔らか。三つ葉とメンマが名脇役として器を支えていた。 ――初めての衝撃よりも、2回目に恋をするラーメン。 記憶には残らないかもしれない。けれど、舌と体が覚えている。 気づけばまた、立川に足を運んでいる自分がいるのかもしれない。
2021/12訪問
1回
――家系ラーメンの店で、まさかの“つけ麺”チョイス。 でもこれが、意外と……いや、かなり良かった。 ここは「侍 池尻店」。 渋谷の本店も悪くないが、なぜだろう、この池尻の一杯には、何かがある。 極太の麺には艶があり、上には削り節がふわり。 器から香る魚介と醤油の香りに、思わず箸が走る。 つけ汁は、豚骨のコクがありつつも、くどさは控えめ。 酸味と甘み、そして旨味のバランスが取れた、力強い味。 麺をくぐらせてひとすすり―― うん、うまい。小麦の風味とつけ汁の厚みがしっかり絡み、食べごたえも十分。 付け合わせのチャーシューも、柔らかくしっとり。 そのままでも良し、つけ汁にくぐらせて温めても良し。 海苔も、ネギも、脇を固める仕事をきっちりこなしている。 ――家系の“派手さ”は控えめだが、ここには確かな満足がある。 渋谷の賑わいから少し離れた、落ち着いた“侍”のつけ麺。 また来たい、と思える一杯だった。次はラーメンと迷いそうだ。 ――スープに浸ったチャーシュー。 いや、もうこれは“肉が主役”のラーメンだった。 池尻大橋「侍」。 家系ラーメンの雄として知られるこの店で、今回は“肉増し”を選んだ。 運ばれてきた丼には、厚切りのチャーシューがこれでもかと並び、スープの海に船のように浮かんでいる。 見た瞬間、箸ではなくナイフが必要なんじゃないかと思った。 スープは家系らしい豚骨醤油。 濃厚だけど、しょっぱすぎず、きちんとまとまりがある。 そして、そのスープに染みるチャーシュー。 肉はホロホロ系ではなく、しっかり噛みごたえのあるタイプ。 脂の甘みと赤身の旨味が交互に顔を出し、「ああ、いま肉を食べてるな」と実感させられる。 ほうれん草、海苔、ネギといった脇役もちゃんといるけれど、今日は完全にチャーシューの独壇場。 麺にたどり着いたときには、もう満腹寸前だった。 ――ラーメンというより“豚肉フルコース”。 侍、今日も肉に生きる者たちをしっかり満たしてくれた。 次は並で頼もう…たぶん、きっと。
2024/07訪問
2回
――重力を感じる太麺に、今日もまた支配された。 「麺と未来」下北沢。 駅から少し歩いた路地の先、だがその距離も儀式のように感じる。 扉を開けると、独特の空気が漂う。 ここはただのラーメン屋ではない、“麺”という主役がすべてを司る舞台だ。 今回注文したのは、いつもの醤油ラーメン。 湯気とともに顔を出すのは、艶やかな漆黒のスープにどっしり沈む太麺。 箸で持ち上げれば、その重みにどこか安心感すら覚える。 もちもちとした食感と小麦の香り――これぞ「麺と未来」の真骨頂。 ただひとつ、海苔の変化に気づいた。 以前はパリッと立っていた海苔が、今回は少しふにゃりと頼りない。 スープに溶けやすいのか、それとも仕様が変わったのか。 ささいな違いだが、常連にとっては気になる点だった。 そして今回は、味玉をサービスしていただいた。 ありがたい。 黄身はとろりと溢れ、スープと交わって一瞬で飲み干してしまった。 ――太麺に引きずられるように、また足が向く。 ラーメンとは、胃ではなく記憶で食べるものなのかもしれない。 ――「ラーメンを食べに行く」 そんな軽い気持ちで暖簾をくぐったつもりだった。 店の名は「麺と未来」。どこか文学的な響きだ。 塩と醤油、ふたつの選択肢。迷った末に、今日は醤油を選んだ。 丼を覗き込むと、スープは澄んだ琥珀色。だが、その奥に隠れた迫力が見える。 レンゲをそっと沈めて啜る。うん、これは……深い。しっかりした醤油の輪郭。 鶏か魚か、いやその両方か、旨味がじわじわと染み渡ってくる。 そして、何より特筆すべきは麺だ。 手打ちのそれは、うどんのように太く、もっちりとしたコシ。 これはもうラーメンの枠を越えてる。ジャンルとしての「麺料理」そのものだ。 すするというより、噛んで味わう一口一口。 添えられたミニチャーシュー丼も、しっかり炙られて香ばしい。 白飯とタレと肉の三重奏。小さいながら、存在感は大きい。 ――この一杯には、“未来”がある。 ラーメンを超えたラーメン、また来よう。次は塩も試してみたい。 ――一見、穏やかな顔をしている。 でもその奥には、静かな情熱が湛えられていた。 「麺と未来」――醤油バージョンに心を掴まれた店で、今回は塩を選んだ。 丼を覗き込んだ瞬間に立ちのぼる、澄んだスープの香り。 湯気越しに見える具材の配置も美しい。まるで一つの“作品”だ。 レンゲでスープをすくうと、黄金色の液体がふわりと光る。 ひと口。……やさしい。でも、ただ薄いわけじゃない。 調和が取れていて、飲むたびにじんわりと身体が温まる。 添えられた白髪ねぎと三つ葉の清涼感が、濃淡のリズムをつくってくれる。 そして何より、あの極太手打ち麺。 あのコシ、あのもっちり感が、塩スープでもしっかり生きている。 ――同じ店でも、塩と醤油でまるで違う顔を見せてくれる。 今回は塩。次はまた醤油か、それとも限定を狙うか。 「また来たい」と自然に思わせてくれるラーメンだった。
2025/07訪問
3回
――朱色のカウンターに、香ばしい湯気が立ち上る。 旭川の老舗「梅光軒」。 この地に根付いた醤油ラーメン文化のど真ん中で、しっかりとした存在感を放っている。 スープは豚骨と魚介のダブルスープ。 コクがありながらも後味はすっきり。スープを啜るたび、昔ながらの安心感がじんわりと広がる。 特筆すべきは、極太のメンマ。 歯ごたえがありつつも、決して固くない。しっとりとした煮込み加減が絶妙で、噛むたびに旨味があふれる。 チャーシューは脂控えめのしっとりタイプ。麺は中細のちぢれ麺で、スープとの絡みも申し分なし。 ――気取らず、飾らず、ただただ美味い。 旭川に来たら、やはりこの一杯に手を伸ばしたくなる。
2023/08訪問
1回
――深夜、赤いテーブルに映える一杯が、心の底から欲しくなるときがある。 「山岡家」特製味噌。 その名を聞くだけで、鼻の奥に立ちのぼるあの香り。 スープを一口すすれば、ガツンとくる味噌のコクに、背脂の甘み、ニンニクのパンチが加わって、頭の中が一気に覚醒する。 重たいはずなのに、不思議とスプーンが止まらない。 麺は太めで弾力があり、スープとよく絡む。 海苔で巻いたライスをスープにひたして食べる――これがまた最高。 クセが強い。でもそれがいい。 ふとした瞬間に「あの味」が脳裏によみがえり、足が自然と向かってしまう。 ――これはラーメンじゃない、欲望を満たすための救済食だ。 中毒性? もちろんある。むしろ、それが魅力。
2022/07訪問
1回
――雑司ヶ谷の静かな路地に、米の旨みが際立つ定食があった。 「都電テーブル」。 店内は木のぬくもりが心地よく、自然と肩の力が抜けるような雰囲気。 この日は、漬けカンパチ定食に、炙りサーモンの小鉢を追加。 まず驚いたのはご飯の艶やかさ。 一粒一粒が立っていて、噛むたびに甘みが広がる。 しかも嬉しいおかわり自由。おかずの質を見れば、その気遣いは当然だった。 漬けカンパチは程よく脂が乗っていて、醤油の風味が身にしっかり染みている。 とろりとした口当たりで、ご飯が止まらなくなる。 そして炙りサーモン。 軽く炙られた皮目の香ばしさと、噛んだ瞬間にじゅわっと広がる脂のコク。 この一皿だけでも満足感があるが、定食の中に組み込まれることで一層引き立つ存在に。 小鉢のポテトサラダもやさしい味わいで、味の強弱のバランスが絶妙。 ただ、味噌汁の具はなかったのが少しだけ寂しい。 ――一口ごとに、ご飯のありがたみを感じる。 派手さはない。でも、心に残る。 ここは、何度でも通いたくなる「日常のごちそう」だった。
2025/08訪問
1回
――見た目からして、静かな一杯。 けれど、そこに込められた意志は確かだった。 店の名は「鴨to葱」。 その名の通り、主役は鴨と葱。 澄んだ醤油スープに、やわらかく火入れされた鴨ロースが二枚。 そして、香ばしく焼かれた太葱と、繊細な白髪葱。 レンゲでスープをひと口。 鴨出汁の香りがすっと鼻に抜ける。 派手さはない。けれど、じんわりと体に染みてくる味。 “透き通った”という表現が、これほど似合うスープはなかなかない。 ただ一つだけ、惜しかったのはネギのトッピング。 「もっと入れてくれ…!」と心の中で叫びながら食べていた。 これだけネギが旨いのに、増量できないもどかしさ。 ――鴨と葱。たったそれだけで勝負してる潔さが、むしろ強い。 また来よう。今度は、初手からスープに集中するつもりで。 ネギは……心の中で増やすことにする。
2025/02訪問
1回
――魚介と豚骨の香りが立ちのぼる中、レンゲをひとすくい。 旭川「鉢屋」。 スープを口にした瞬間、まず感じたのは魚介の鋭い香り。そしてその後を追うように豚骨のまろやかなコクが広がる。Wスープと呼ぶにはあまりに両者が主張し合い、共存というより拮抗。個性のぶつかり合いとでも言うべきか。このあたりは好みが分かれるかもしれない。 チャーシューは厚みがありつつも柔らかく、ラーメンというよりもはや煮豚に近い印象。脂がスープに溶け込み、時間が経つごとに表情が変わっていく。麺は中太ストレートで、しっかりとスープを持ち上げる。 ――主張の強い一杯。日常的にというより、ふと思い出してまた食べたくなる、そんなラーメンだった。
2023/08訪問
1回
――背脂の海に、心が溶けていった。 「山岡家 旭川東光店」。 全国展開しているラーメンチェーンだが、どこで食べても変わらない“あの味”が、ここにも健在。 注文はもちろん「特製味噌」。 スープをひと口すすると、味噌のコクとまろやかさ、そしてパンチのある背脂がガツンと舌を刺激する。 麺はもちっとした中太で、スープとの絡みが良い。 ごろっと入った角切りチャーシューがまたうまく、肉の旨みがスープに滲み出ているのがわかる。 ――ふと気づけば、レンゲが止まらない。 背脂は重たそうに見えて、なぜか飲み進めてしまう不思議な中毒性がある。 全国どこでも、ここに来れば「山岡家の特製味噌」が食べられるという安心感。 それが、何よりのごちそうかもしれない。
2023/08訪問
1回
食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2025 選出店
代々木上原、代々木八幡、代々木公園/ラーメン、つけ麺
――ラーメンという言葉で括るには、あまりに繊細で、あまりに構築的だった。 ここは「蔦」。 世界が認めたミシュランラーメン。 着席と同時に提供されるのは、まるでコース料理のような一品ずつの流れ。 まずはラーメン。 澄んだ醤油ベースのスープは、ひと口目でフランス料理のフォンのような深みを感じさせる。 後半に溶けていく調味オイルやソースが、味を何層にも変えていく。 まるで、スープが喋ってくるかのような静かな主張がある。 麺は細くもしっかりとコシがあり、スープを受け止めてほどけていく。 トッピングのチャーシューも“肉”というより“素材”として完成されていた。 そして〆のごはん。 金色の器に盛られた卵かけご飯の上に、ローストされた肉と濃厚なソース。 まるで高級ビストロの一皿。 和なのか洋なのか、ジャンルの境界がふわっと溶けていく。 ――味も演出も、一切の妥協がない。 でも、1杯3,000円。気軽には通えない。 けれど、年に一度、この“美食のラーメン”を思い出したくなる。 ラーメンを超えたラーメン、蔦はやはり唯一無二だった。
2024/04訪問
1回
――一口すすった瞬間、鯛が静かに主張してくる。 決して派手じゃない、けれど確かにそこにいる。そんな存在感。 ここは「ま石」。注文したのは鯛ラーメン。 透き通ったスープには脂がほとんど浮いておらず、上品な仕上がり。 その中に鯛の旨味がぎゅっと詰まっている。 あっさりしているのに、物足りなさはまったくない。 鶏チャーシューはしっとり、柚子の香りがふわっと立ち上がり、水菜の清涼感が後味を軽くしてくれる。 細めのストレート麺もスープとの相性が良く、つるつると気持ちよく喉を通る。 味玉の半熟具合も絶妙で、全体に一切のムダがない構成だ。 ――魚介系のラーメンって、時にクセが強すぎることもあるけど、 この一杯は“ちょうどいい”の美学を極めていた。 出汁で勝負してるラーメン、やっぱり好きだ。 ま石、またひとつ、心に残る店が増えた。
2025/01訪問
1回
――この透明感、そしてこの重量感。只者ではないな。 店の名は「千乃鶏」。 目の前に現れたのは、艶めく昆布水つけ麺。醤油ダレのつけ汁に、ワンタン、チャーシュー、玉子と豪華な顔ぶれ。そして、別皿の主役――うねりを見せる極太の麺。 箸で持ち上げると、ぬめりと粘り。 昆布水のとろみが絡みついて、ただの水ではないことを即座に理解させてくる。 まずは麺だけでひと口。 ……うまい。小麦の香りと甘みが、しっかり伝わってくる。つける前から完成している、そんな堂々とした麺だ。 つけ汁は醤油の輪郭が立っていて、魚介の出汁が効いている。 麺をくぐらせれば、味が一気に引き締まる。噛みごたえのある麺と、香ばしいつけ汁が、口の中で見事に融合する。 そしてこの量。普通盛りとは思えない満足感。 箸が止まらないが、胃袋はすでに満杯を訴えている。 ――これは、戦いだった。そして、勝った。 「千乃鶏」、また来よう。今度は腹をもっと空かせて。
2024/11訪問
1回
――メンマへの評価が、前回とまるで違う。 旭川空港の「梅光軒」。 かつて「メンマが小さい」と評したあのラーメンが、今回は違った。 器の上に、まるで「前回のクレームは聞こえていた」とでも言わんばかりの、堂々とした存在感でメンマが鎮座している。 太く、長く、しかも数が多い。 それでいて歯ごたえはしっかりと残し、スープに沈まず輝きを放つ。 ベースの醤油ラーメンも変わらず優しい。 どこか懐かしい味の中に、出汁の深さと丁寧さを感じる。 脂もほどよく、ネギと絡んで飲み干したくなる一杯。 ――「小さかったメンマ」は、もういない。 今回は、心から「満足」と言える。 ――懐かしさと、ちょっとした寂しさが同居している。 旭川ラーメンの名店「梅光軒」。しょうゆラーメンを頼んだのは、何度目だろうか。 このスープ、この縮れ麺。この組み合わせに、ハズレはない。 レンゲですくったスープは、動物系の旨味と魚介の香りがじんわり広がる。 醤油のキレはあるが、角はない。まろやかで、心にやさしい味だ。 麺は旭川らしい中細の縮れ。スープとの相性も抜群。 チャーシューもほどよく脂がのっていて、口の中でほどけていく。 ……でも、ふと気づく。あれ? メンマが、少し小さくなった気がする。 味に不満はない。でも、あのシャキッとした食感が、もう少し楽しみたかった。 ――時代は変わる。でも、このラーメンが好きだという気持ちは、そう簡単に変わらない。 また来よう。そのうち、メンマが少し戻ってるかもしれないしな。
2025/08訪問
2回
――今日もこの赤いスープが、食欲に火をつける。 ここは一蘭、博多とんこつラーメンの代名詞。 場所は下北沢。観光地ではないのに、周囲はほとんど外国人客。 ラーメンという文化が、しっかり世界に伝わっていることを実感する。 スープはまろやかで濃厚。 それでいて、どこか軽やか。クセがなく、後味がすっと消えていく。 中央の赤い秘伝のタレがスープに溶けるにつれ、辛味とコクがじわじわと立ち上がってくる。 細麺はぱつんと歯切れがよく、スープとの相性も完璧。 そして何より、替え玉。この一杯で終わるわけがない。 ご飯も一緒に頼んで、残ったスープに浸して食べる背徳の楽しみまで含めて“完成形”だ。 ――一人でも入りやすい。食べることに集中できる。 一蘭はいつも、変わらずそこにいてくれる。 今日も満腹。そして、ちょっとだけ幸福。
2024/02訪問
1回
――これが、「一蔵」の本気か。 丼を覆い尽くすほどの青ネギ。そして、その中央に高々と盛られた白髪ねぎ。 圧倒的な緑のインパクト。これはもう、ネギが主役と言っていい。 まずはスープを一口。 醤油の香りが立ち上がる。すっきりとしていて、でも深い。どこか懐かしいようで、飲むたびにじわっと染みてくる。 そこにネギの風味がガツンと乗っかってくるから、静かでありながらも攻めてくる一杯だ。 麺を引き上げると、ネギがまとわりついてくる。 食べても食べても、まだネギ。だが、それがいい。ネギ好きにはたまらない。 ――「ネギが多い」なんて言葉じゃ足りない。これは、ネギの海だ。 一蔵、やるな……やるじゃないか。
2025/05訪問
1回
――住宅街の静けさの中に、湯気と炙りの香りがふわりと漂っていた。 「炙(あぶり)」函館。 名前の通り、炙りの技が光るラーメンを出す一軒。 観光地の喧騒からは離れた、地元に愛される店。 注文したのは、看板の醤油ラーメン。 スープの表面に浮かぶ香味油と、丁寧に仕込まれた醤油の奥行きある香り。 レンゲを一口運べば、どこか懐かしさを覚えるのに、明らかに一線を画す旨みが広がる。 濃すぎず薄すぎず、脂の主張も穏やか。体にすっと染み込むような味わい。 主役のチャーシューは、一枚とは思えない存在感。 厚みがあり、香ばしくも柔らかい。 「炙り」の名に偽りなし。肉の旨みと脂の香りが見事に引き出されている。 もやしやメンマ、青ネギのシャキシャキとした食感もよく、全体のバランスが非常にいい。 ――華やかさはないけれど、確かな仕事がある。 まるで静かな港町の、穏やかな波のような一杯だった。
2019/09訪問
1回
――スープを一口すすった瞬間、今日ここに来た理由がはっきりした。 「飯田商店」湯河原本店。 ラーメンを食べにここまで来るのは、決して“あえて”ではない。ただただ「この一杯が食べたい」から。予約を取り、店に向かう理由はシンプルで、強い。 注文したのは、特製醤油ラーメンと塩ラーメン。 醤油は、透明度の高いスープからは想像できないほど深い旨味。舌の奥でしっかりと広がるのに、喉越しは限りなく軽やかで雑味がない。上にのるチャーシューも驚くほど滑らかで、スープと一体になる。ワンタンの皮は薄く繊細で、肉餡の味わいに輪郭がある。 塩はまた別の世界。黄金に輝くスープに浮かぶ白髪ねぎと柚子皮が見た目にも爽やかで、香りからすでに勝負は始まっている。塩味の中に甘さと旨味が混ざり合い、後を引く飲みごたえがある。 どちらも、突出した個性ではなく、すべてのバランスが調和しているからこその「美味しさの説得力」がある。 ――選ばれるラーメンには、理由がある。 飯田商店の一杯は、誰かの特別な記憶になって当然だと思った。 次は、食べている人が多かったつけ麺を。 そう思わせる余韻もまた、この店の実力のうち。