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――白い罪悪感が、とろりとあふれ出す。 函館の名物、ラッキーピエロ ベイエリア本店。 この日は定番の「スノーバーガー」をチョイス。 たっぷりとかけられたホワイトソースが、ハンバーグとバンズの隙間からこぼれ落ちそうな勢いで、見た目からすでに背徳感がある。 分厚いハンバーグにナイフを入れると、ふわっとした肉の蒸気とソースの香りが立ち上がり、一口ごとに「これはハンバーガーなのか…グラタンなのか…」と自問するほどの濃厚さ。 そして嬉しいのが、ポテトに紛れてこっそり添えられているオニオンリング。カリッと軽い口当たりで、重めのバーガーにちょっとした緩急をつけてくれる。 ――まるで、洋食プレートをバンズで包んだような一品。 「ラッピに来たらやっぱこれだよな」と思わせる、圧倒的安心感とボリューム。観光で食べるもよし、地元民のように食べるもよし。
2022/04訪問
1回
――殻の中に詰まっていたのは、冬の海の濃密な甘みだった。 函館「海光房」。 活きのいい海鮮で有名なこの店で、今回頼んだのはカニの刺身盛り。 運ばれてきた皿の上には、透き通るようなカニの脚。 箸で持ち上げれば、ほんのりとしたぬめりと、繊維のしなやかさが伝わってくる。 その一口め。 口の中でほぐれていく身の甘さは、刺身というよりも果実に近い。 噛み締めるたびに、海のミネラルと旨味がじんわりと広がっていく。 鮮度の高さがストレートに舌を打つ。 ――醤油やわさびは、もはや添え物だった。 素材がすでに完成している。 昆布の香り、潮の気配、静かな余韻。 函館の海、そのものを食べているような体験だった。
2022/07訪問
1回
――空港でこれが出てくるとは、正直うれしい誤算だった。 ここは函館空港にある「HAKOYA」。 市内の五稜郭近辺に本店を構える居酒屋の空港支店。 店構えは素朴な食堂のようで、正直あまり期待していなかった。 だが、運ばれてきた海鮮丼を見て、その考えはあっさり裏切られた。 丼からあふれんばかりのマグロ、サーモン、その他さまざまな魚の切り身。 その上には鮮やかなトビコがたっぷりと降りかかり、目にも鮮やか。 一口頬張れば、魚の旨味とプチプチとした食感が混ざり合い、気づけば箸が止まらない。 空港でこのボリューム、そしてこの価格。 観光地価格を覚悟していた身としては、まさにご褒美のような一杯だった。 ――旅の終わりにもう一度、北海道の味を噛みしめる。 HAKOYAの海鮮丼は、そんな締めくくりにぴったりの一杯だった。 空港ごはん、なめちゃいけない。ここは間違いなく“当たり”だった。
2024/12訪問
1回
――ここは御殿場プレミアム・アウトレット内にある「熱海おさかな食堂」。 観光地価格かと思いきや、海鮮丼はしっかり“本物”。 いくらのプチプチ、まぐろのねっとり、サーモンの脂の甘み――どれも抜群に鮮度がよくて、ひと口ごとに「うまい」がこぼれる。 アウトレットで買い物の合間に、こんな海鮮丼が食べられるなんて…嬉しい誤算だった。 ただし、やっぱりあら汁の鱗問題は残念。 せっかくいい出汁が出てるのに、そこだけがもったいない。 ――それでも、再訪確定。 次はあら汁じゃなくて、小鉢とかにしてみようか。 丼のクオリティがこのままなら、それだけで十分また来る理由になる。
2025/01訪問
1回
――牡蠣と鶏。海と陸の共演が、ひと皿にぎゅっと詰まっていた。 「エスカル」厚岸。 港町・厚岸の名物、牡蠣を心ゆくまで楽しめる店だが、この日はカキフライとザンギのセットを選択。 カキフライは、衣が薄くて軽やか。中の牡蠣は大ぶりで、噛んだ瞬間に潮の香りと旨味が一気に広がる。これが厚岸の実力かと、思わずうなる。レモンをひとしぼりすれば、コクの中に爽やかさが立ち上る。 一方のザンギは、ガツンとした生姜醤油ベースの味付け。外はカリッと、中はじゅわっと肉汁があふれ、期待を裏切らないボリューム感。カキフライの上品さと、ザンギの豪快さのコントラストが面白い。 ――やっぱり、名物には理由がある。 この一皿で、厚岸の豊かさをまるごと味わった気分になれた。カキフライ好きなら、わざわざ足を運ぶ価値あり。
2023/08訪問
1回
――観光ガイドには「ハンバーガーが名物」と書いてある。 けれど地元の人は、ちゃんと知っている。 本当の魅力は、もっと広い。 ここは函館の誇るローカルチェーン、「ラッキーピエロ」。 今回はあえてハンバーガーではなく、チャイニーズチキンカレーを選んだ。 銀のプレートに、盛られたルーと白米。 その上には、甘辛いタレをまとった唐揚げ――通称「チャイニーズチキン」。 表面はカリッと、中はじゅわっとジューシー。 そのままでもご飯が進むのに、そこにカレーのコクが加わると、もう止まらない。 ルーは昔ながらのとろみ系。 スパイスが強すぎず、やさしく包み込むような味わい。 懐かしさとジャンキーさ、そのちょうど中間を行く絶妙なバランス。 ――名物はハンバーガー。 でも“裏名物”として、このカレーも推したくなる。 ラッキーピエロ、やっぱり只者じゃない。 胃袋も、気持ちも、しっかりつかまれた。
2024/12訪問
1回
ふと、身体がそばを欲していた。 観光地の喧騒から少し外れた、素朴な店構え。こういうところが、意外と美味いんだよな。 席に座ると、目の前に並べられた竹風の器に盛られたざるそば。 そして、おろし器とまるごとの生わさび。――自分ですりおろすタイプか。手間だが、こういうのが嬉しい。 ひとおろし、ふたおろし……うん、いい香りが立ってきた。 そばにのせて、つゆにつけて、ひとすすり―― ……おお。キた。わさびのツンとくる刺激が、鼻に抜けて目が覚めるようだ。 だが嫌じゃない。この刺激こそが、そばの風味を引き立てる。 噛むほどに、小麦じゃない、そば独特の香ばしさが口に広がる。素朴だが、深い味だ。 添えられた薬味も地味ながら味わい深い。ご飯には鰹節とわさび。シンプルだけど、この組み合わせ、悪魔的にご飯が進むやつだ。 こういうのだよ、俺が求めてたのは。 華やかじゃなくていい。心に沁みる、静かな満足。
2025/03訪問
1回
――閉じない。けれど、包み込まれるような安心感がある。 ここは「瑞兆(ずいちょう)」。 目の前に出されたのは、“閉じないカツ丼”。 ふわとろの卵がご飯の上に敷かれ、その上に堂々と鎮座する分厚いカツ。 卵でとじられることなく、揚げたての衣がそのまま活かされている。 サクサクとした食感と、じんわりと染みた甘辛いタレ。 一口頬張れば、肉の旨味と卵のまろやかさが追いかけてくる。 そして、そのすべてを受け止める白米。今日も主役級の仕事ぶりだ。 ――カツ丼の“当たり前”を崩してみたら、そこに新しい正解があった。 閉じなくてもいい。包まれなくても、旨さは貫ける。 瑞兆、名前の通り、これはいい予兆。 また食べに来る。きっと、ご飯の上に変わらぬ姿でいてくれる気がする。
2023/09訪問
1回
――エビの壁が、ご飯を隠してしまっていた。 浅草「秋光」。見た瞬間、笑ってしまった。 丼の縁からはみ出すほどのエビ天が何本も立ち上がり、 どこからどう見ても主役は“海老”。 ご飯の存在感が完全に押されている。 まるで「米は添え物です」と言わんばかり。 揚げたてのエビはぷりっとしていて、衣は軽やか。 タレの甘辛さも過不足なく、口に運ぶたびに満足感はしっかりある。 だが、3本目あたりで思った――「あれ、ご飯……どこいった?」 普通盛りのご飯では、到底このエビ軍団には太刀打ちできない。 天丼としてのバランスを保ちたければ、間違いなく“大盛り”を選ぶべきだ。 ――贅沢な悩み。だけど、これが秋光の魅力でもある。 エビを心ゆくまで頬張る。そんな夢のような天丼体験。 米は足りなくても、記憶にはしっかり残る。 次はご飯大盛りで、エビと本気で向き合いたい。
2025/06訪問
1回
――いつもの茶碗の代わりに、少しだけ背筋が伸びる定食が置かれていた。 「吉野家」下北沢店。 いつも通りの牛丼を横目に、ふと目に留まった「牛タン定食」の文字。 期間限定。しかも下北沢という街で。試さない理由がなかった。 定食の構成は悪くない。 麦飯に味噌汁、とろろにオクラ、そして専用のタレ。 箸を取る前から「これはちゃんと作ってる」と感じさせる一式だ。 だが、肝心の牛タン――これが惜しかった。 しっかり焼かれているにもかかわらず、口に含むと独特の臭みが抜けきっていない。 牛タン特有の弾力と風味を期待していたぶん、違和感が先に立つ。 どうしても、その一歩が越えられていなかった。 ただ、脇を固める小鉢たち、とろろとオクラの存在が救いだった。 それらを麦飯にかけてかき込めば、牛タンの陰も薄れるほどにホッとする。 ――看板メニューを離れたとき、見えてくるのは挑戦の跡。 惜しい、けれど面白い。 そんな定食だった。
2025/07訪問
1回
――油の香りが鼻をくすぐる。 丼の上に広がる、サクサクの衣と照りのあるタレ。 そうそう、これが“てんや”の天丼だ。 揚げたての海老、いんげん、かぼちゃ、白身魚。 決して高級な素材じゃない。でも、どれもきちんと仕事がされている。 薄めの衣は軽く、揚げすぎず、食べ疲れない。 甘めのタレがご飯と天ぷらの隙間を埋めて、どこを食べても一体感がある。 味噌汁と漬物もついて、この価格。 財布に優しく、胃にもやさしい。 さっと入って、さっと満足できる。そんな“定番の安心感”が、ここにはある。 ――特別じゃない。だけど、なくなったら困る味。 今日も変わらず、てんやは天丼の正解を出してくれた。 またふらりと、寄りたくなる。そんな一杯だった。
2024/09訪問
1回
――「究極の親子丼」と聞いてしまったら、どうしたって期待してしまう。 ここは「ご当地グルメ屋台」。 目の前に現れたのは、ふんわり半熟卵の親子丼、そして片側には濃厚そうな鶏そぼろ。 ビジュアルはなかなか、食欲をそそる。 まずは親子丼部分をひと口。 甘めの出汁と卵のとろみ、鶏肉も柔らかく、確かに美味しい。 家庭的でほっとする味。 そぼろは甘辛く、味にしっかり輪郭がある。ご飯が進む系。 でも、ちょっと味が重なってるというか、コントラストが弱い。 ――うまい、でも「究極」かと聞かれると、そこまでではない。 看板に惹かれたこちらのハードルが、少し高すぎたかもしれない。 とはいえ、味は確か。 名前に左右されず、ひとつの“親子丼バリエーション”として見れば、十分アリな一杯だった。 肩肘張らずにまた食べたい、そんな一杯。
2025/01訪問
1回
――胃袋より先に、足が疲れた。 けど、その甲斐は……あった。 店の名は「銀座いつき」。 外国人観光客に人気の天丼専門店。 並ぶとは聞いていたが、今回はまさかの1時間半待ち。しかも列の場所も曖昧で、ちょっとした不安もあった。 それでも席に着いて、目の前にこの天丼が現れた瞬間、全部吹き飛んだ。 どんぶりからはみ出すように積まれた天ぷらたち。 エビ、キス、ナス、椎茸――どれも揚げたてで、衣はサクサク、中はふっくら。 タレは甘すぎず、しつこくない。ご飯とちょうどいいバランスで絡んでくる。 味噌汁も漬物も、ただの付け合わせじゃない。 ちゃんと天丼を引き立てる脇役に徹してる。 ――銀座という土地、1時間半という時間、そしてこの天丼。 全部ひっくるめて、“ごほうび”ってやつかもしれない。 もう一度並ぶか? 正直ちょっと悩むけど……また来たいと思っている自分がいる。
2024/12訪問
1回
――シラスの店に来たのに、記憶に残ったのは唐揚げだった。 ここは「山利」。しらすが看板メニューのはず。 だが、運ばれてきた唐揚げ定食のインパクトに、目も鼻も心も奪われた。 カリッと揚がった衣の中には、ふっくらジューシーな鶏肉。 そこにとろりとかかる自家製タルタル。レモンをちょいと搾ってかぶりつけば、サクッ、じゅわっ――もう無言でご飯が進む。 白米はおかわり自由。 そのまま唐揚げと頬張ってもいいし、途中でしらすをのせてミニしらす丼にすれば、味変の妙が楽しめる。 添えられた釜揚げしらすは、さすがのクオリティ。ふわっとしていて、塩気がやさしい。 この店が“シラスの山”と呼ばれるのも納得だ。 ――予約して、並ばず入店。この快適さもまた、うまさの一部かもしれない。 今日は唐揚げだったけど、次は純粋にシラス一本でいってみようか。なんて、思いつつ箸を置いた。
2025/03訪問
1回
――陽の光が差し込む窓際で、静かに丼をすくう。 この時間の贅沢は、静けさとご飯の温もりにある。 場所は「SUSHI SOUL」。サクラステージの一角にある、まだあまり知られていない穴場のような店。 出てきたのは海鮮丼。 まぐろ、サーモン、アボカド。中央には卵黄が鎮座し、白ごまがパラリ。 見た目にも鮮やかで、心なしか気持ちもほぐれる。 ひと口食べれば、醤油だれの甘みと魚の脂、アボカドのまろやかさがひとつになる。 ご飯との相性も悪くない。しっかり冷たいネタと、ほんのり温かいご飯。 どこか和と洋が同居しているような、不思議なまとまり方。 味噌汁、小鉢、漬物もついて、見た目以上に満足感は高い。 静かな店内と、空いた席。ここがもっと知られたら……とも思うが、今はまだ、この静けさを独り占めしたい気分。 ――華やかさではない、穏やかな満足。 そんな昼にちょうどいい一杯だった。
2025/01訪問
1回
――立ち込める油の香り。衣のはぜる音。 今日のランチは「天丼ふじ」。 丼の上には、これでもかと天ぷらがのっている。 えび、いか、ししとう、そして――海苔。 そう、この海苔の天ぷらが実にいい。 香ばしくて、パリッとした食感の奥から磯の香りがふわっと広がる。 甘辛いタレとの相性も抜群で、これだけを延々食べたいと思ってしまうほど。 ただ――雰囲気が惜しい。 ガヤガヤとした客の声、通路に荷物を広げてる人、スマホの着信音。 料理がうまいだけに、余計に気になる。 ……でも、天丼は確かにうまいんだ。 だからこそ、もったいない。 静かに味わえたなら、この一杯はもっと記憶に残ったはずだ。 ――また来るか? たぶん来る。 だって、あの海苔の天ぷらが俺を呼んでる。
2025/02訪問
1回
――ワンコインの誘惑は、ときに期待を裏切る。 函館「二番館」。 500円で海鮮丼が食べられるという話に惹かれて暖簾をくぐった。 メニューには“鮭いくらの親子丼”。言葉だけで、もう勝利の予感だった。 運ばれてきた丼を見て、少し固まる。 白米の上に、ぽつん――と、いくらとほぐし鮭が控えめに鎮座していた。 思わず「……これで親子?」と心の中で問いかける。 もちろん、500円という価格を考えれば仕方ないのかもしれない。 けれど、ご飯の白さが寂しげで、トッピングとのバランスがどうにも悪い。 あと一口、もう一口だけでもいくらが欲しかった。 ――安さと満足感は、必ずしも比例しない。 そう教えてくれた一杯だった。
2022/07訪問
1回
――海鮮が、まるで宝石の山のように盛られている。 これはもう、丼というより“芸術”だ。 場所は「まるり水産」、千客万来の中にある一軒。 この界隈は全体的にインバウンド価格でお高めだが……この丼は、見た目も中身も、その価格を軽々と超えてくる。 その日によって変わるという海鮮のラインナップ。 今日は、マグロにサーモン、タイにいくら。どれも切り身が厚く、脂の乗りも申し分ない。 箸でつまめば崩れそうになるほど柔らかく、口に入れた瞬間とろけて消える。 そして、赤酢のシャリ。 ほんのりとした酸味と、旨味の余韻。ネタに負けない存在感がある。 このシャリがあってこそ、丼全体がひとつにまとまっている。まるで、主役と名脇役の理想的な関係だ。 ――価格は安くはない。だが、この中では確実に“得”な一杯。 観光地の中にあって、抜けたクオリティ。これは……見つけてしまったかもしれないな。