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10年限定、1日1組(最大4名)という特別なスタイルを貫くこのレストランは、訪れるたびに新たな驚きを与えてくれます。もはや“和のフレンチ”ではなく、「シェフ自身の料理」と呼ぶべき唯一無二の体験。今回で4度目の訪問となりましたが、片道2時間半のドライブも気にならないほど、私はこの場所が好きです。 理由は明快。他のどこでも出会えない、あるいは誰も試そうとしないような、型破りで魅力的な食材の組み合わせと発想に出会えるからです。 たとえば、“マンゴーステーキ”。牛肉のように火入れされたマンゴーの果肉は、肉とは異なるジューシーさと香りで驚かされます。蟹肉と蟹味噌を巻き込んだ茄子の一品は、ふんわりとした衣と繊細な旨みが重なり、口に広がる豊かさに思わず唸るほど。皮が軽く香ばしいミニトマトの一皿は、噛んだ瞬間に灯籠のように弾けるジューシーさが印象的。そして、香り高く旨味の強い枝豆の湯葉に、鱗を立てて焼いた魚を合わせる一皿は、風味も食感も意外性に満ちていて、食べるたびに楽しくなります。 シェフ自らが山の斜面に建てたこの一軒家でのひとときは、たとえ雨の日でも、周囲を散策するだけで心がほどけていくような静けさ。4時間半のコースも一瞬で過ぎてしまうほど、豊かな時間が流れます。 このレストランを私が深く愛している最大の理由は、どの一皿にも「次は何が来るんだろう」という期待と、予想を超える驚きがあること。そして、ノンアルコールペアリングの組み合わせも、清涼感がありつつも料理に寄り添う味わいで、本当に素晴らしいです。
2024/09訪問
1回
東京で最も予約困難なフレンチの一つ。 和洋介シェフの華やかな経歴と、紹介制という特別なシステムが、この店を東京美食界の殿堂に押し上げている。今年のTabelogで金賞評価を逃したとはいえ、その繊細さ、豪快さ、火入れの正確さ(特に魚料理)や味付けは、むしろ金賞を獲得した一部の店よりも優れていると感じるほどだ。 シェフは一見厳格な表情だが、実はとても温かい人。食材もボリュームも惜しみなく提供し、気に入ったものがあれば「もっと食べる?」と追加してくれる。黒鮑、Sugalabo特製の米、真鯛、松茸、和牛のフライは、繊細さと豪快さが共存する旨みの塊。そして、定番の生ハムと、驚くほどふわふわのポテトブレッドは、いつ食べても心を掴まれる。ワインを少し合わせると、最後まで重さを感じずに楽しめるのも魅力。 さらに、久々に登場した濃厚なプリンも嬉しい驚き。去年は提供タイミングや構成に少しばらつきがあったが、今年はその心配もなく、完璧な流れで楽しめた。 今回は、カウンターでのダイナミックな肉・魚尽くしの食体験について書いたが、料理のボリューム感やテンポ感も心地よく、ここまで満足度の高いフレンチは東京でもそう多くない。間違いなく、わざわざ訪れる価値のある一軒。 次回は、テーブル席での体験についても振り返ってみたい。
2024/09訪問
1回
以前からその神秘性で話題に上っていたこちらのレストラン。まるで芸術的なケーキのように、美しさと繊細さを兼ね備えた一皿一皿が並ぶコースでした。シェフ・夏子さんのセンスは、器選びからグラス、ライティング、さらには料理のプレゼンテーションに至るまで、すべてにおいて光っており、細部にまで心配りが感じられます。 ファーストディッシュは、雲丹とチーズを使った小さなタルト。濃厚な香りがふわりと広がり、口の中でとろけるトップと、軽くサクッとしたタルト生地のコントラストが魅力的なスタート。まるでcfbfの一品目を彷彿とさせる印象です。続く柚子と魚卵で太陽の花芯を模したような一皿は、器で軽く押しつぶして中の雲丹ジュレと混ぜていただく仕様。さっぱりとした甘みと海の旨味が絶妙に合わさり、食欲をそそります。 特に心を奪われたのが、自家製のパンと黒鮑、そしてお米を使った一品。丸くて可愛らしいフォルムのパンは、カットした瞬間に燻製バターの芳醇な香りが広がり、思わず箸(いや、ナイフとフォーク)が止まらなくなる一皿。unisやplaiga tokyo以来の“おかわり不可避”の逸品でした。黒鮑は、極めてシンプルな盛り付けながらも、上からかけられたとろみのあるソースと繊細な付け合わせによって、素材の持つ鮮度が最大限に引き出されています。 その後も、トリュフと鰻のラザニア風や、魚のパイなど、華やかな旨味が次々と登場。締めくくりのデザートは、もはや花芸術のような美しさで、味覚だけでなく視覚的にも満たされる体験となりました。 最後には、ナプキンのロゴが「ETE」から「ATE」へと変化しているという小粋なサプライズも。細部まで遊び心が詰まったひとときでした。次回の訪問が今から楽しみです。
2024/09訪問
1回
食材の持つ本来の味わいをフレンチの技法で丁寧に引き出す——それがこの店で最も印象に残ったポイントでした。 特に海老を使った一皿は秀逸で、絶妙な火入れによりプリッとした食感と甘みが引き立ち、海老の出汁を効かせたソースとの相性も抜群。思わず笑みがこぼれるような、嬉しい驚きをくれる一品でした。 ただ、少し惜しく感じたのは、コースの終わりがやや唐突だったこと。全体としての満足度は高いものの、食後に「もう少し食べたかったな」と思ってしまったのも事実。美味しい料理が多かっただけに、もう少しボリュームがあれば、さらに心に残る体験になったかもしれません。
2023/09訪問
1回
鶏油がきらりと光り、ほんのり焦げ目のついた皮を見るだけで、その美味しさが想像できる。 長谷川稔グループの新店がJR神田駅前にオープンしたと聞き、ファンとして真っ先に駆けつけました。初訪問の日は偶然にも隅田川花火大会の日。どちらに行くか迷った末、結果的に大正解だったのは、この店を選んだこと。人混みに押し潰されるよりも、2時間後に「やっぱり来て良かった」と心から思える体験が待っていました。 横一文字に広がる特大の焼台は、まるでバーのような雰囲気で特別感たっぷり。大将・田中さんは若々しく親しみやすい方で、初めて会った時はまさかご本人が大将だとは思わなかったほど(写真18の笑顔、可愛すぎます)。使用するのは自家育成の240日かけて育てた比内地鶏。聞くだけで特別感が漂います。 こちらの焼き方の特徴は、ほとんどの串を網に直接乗せず、下敷きをしてじっくり火を通すスタイル。時に軽く燻すこともあり、単なる焼鳥というより「焼鳥×鶏料理」と表現したほうが近い。結果は大満足。鶏油の芳醇な香りと濃厚な旨みが溢れ、肉は蒸し焼きや低温調理のような弾力とジューシーさを兼ね備えています。合間に登場した口水鶏も、本格派ではないものの後からくる痺れがクセになる美味しさ。そして、かつて長谷川Labで食べた不思議な食感のフライドチキンも登場。あのタケノコのようなサクサク感は再現できていなかったものの、やはり印象的な一皿でした。 焼鳥としては2万円超という価格はやや高めに感じます。正直、「焼鳥は1万円以内で楽しむものでは?」という思いもよぎります。ただ、その分味わいは他店を凌駕しており、もはや伝統的な焼鳥の枠を超えた「鶏肉創作料理」と呼ぶべき完成度。東京という土地柄を考えれば、同価格帯の焼鳥店と比べても頭ひとつ抜けていると言えるでしょう。 ——間違いなく、急いで試す価値ありです!
2025/07訪問
1回
現在、大阪のフォーシーズンズホテルでも、香港出身シェフの技が楽しめるように。そう思うと、関西で満足できた広東(風)料理といえば、仁修楼くらいしか記憶になく、同じく仁修楼を愛する日本人の友人と試しに訪れてみた。 まず圧倒されるのは、豪華なインテリアと天井の高さ、そして大阪城を一望できる開けた眺望。さすがはフォーシーズンズといった“格”を感じる空間。 ランチコースは、ひんやりとした甘酸っぱいミニトマトの蜜煮からスタート。夏にぴったりな清涼感のある一品。同時に自家製XO醤と豆板醤もサーブされる。XO醤はしっかりとした海老油の香りが立ち、塩味控えめでとても上品。 一皿目は焼き物。カリッとした皮は軽やかで、薄くスライスされているのにしっかりとした香ばしさ。鹿児島産黒豚の旨みが強く、マスタードや砂糖との相性も抜群。 次に登場した松茸とアワビダケのスープには驚かされた。澄んだスープの表面にはほんのり油のきらめきがあり、松茸の香り、金華ハムのコク、出汁の深みが見事に重なり、口の奥でじんわりと余韻が続く。あまりの美味しさに、思わず友人とレシピを聞きにいってしまったほど。 続く避風塘風の大海老は、海老油香る揚げニンニクのクランブルが絶妙なバランスで、香りも強く塩気やえぐみが過度でない。揚げ加減も秀逸で、冷めてもカリカリ感が一切落ちない仕上がり。私は殻ごと食べる派だが、それも納得の食感。ただ、海老の身がやや火が通りすぎており、おそらく生食を避けたい客層を意識した低めの油温調理かと思われる。 ここまでで高揚していた期待感が、以降の料理ではやや落ち着いた印象に。ここで活躍するのが、最初に出された自家製豆板醤。結局、主役級のメインをしっかり頼まないとバランスが崩れてしまうのだろう。 とはいえ、37階からの大阪の景色と共にいただく食事体験は、何物にも代え難い。 お会計は一人あたり約2万円。まだ伸びしろを感じる部分もあるが、あの松茸のスープのために、私はきっとまた足を運んでしまうと思う。
2025/06訪問
1回
こちらは2年連続で食べログゴールドを受賞している名店。その実力は、驚きに満ちた料理の数々だけでなく、価格設定にも表れており、都内の一般的なレストランよりもむしろお得感すら覚えるほどです。お酒を数杯楽しんだうえでの会計が2万5千円未満、提供された料理は全25品——その一品一品に独自の設計とコンセプトが込められており、中にはタヌキ肉といった珍しい食材も登場し、強くおすすめしたくなる内容でした。 この店を「わざわざ行く価値がある」と感じさせる最大の理由は、料理そのものに加えて、シェフの姿勢と語りにあります。一皿ごとにシェフが情熱を込めて、食材の組み合わせや料理に込めたアイディア、発想の背景を丁寧に、かつテンポよく解説してくれるのです。その語り口は知的好奇心をくすぐり、料理を味わう際の感覚や注意力を自然と高めてくれます。そして実際に、すべての料理に味の変化や意外性があり、細やかな調味や工夫に何度も驚かされました。 25皿という構成でありながら、テンポも快適で重たさを感じないコース設計も見事です。 唯一惜しいのは、アクセスの面でやや距離がある点。東京市内からはやや離れ、成田空港近くまで電車で片道1時間ほどかかりますが、ここまで独自性と満足度の高い食体験ができるのであれば、その時間も十分に報われることでしょう。