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年間365日の外食生活
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朝倉みくる
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1回
夜の点数:5.0
Quintessence|カンテサンス(東京・白金)― 完成された時間に、少しだけ追いつけなかった夜 ―東京・白金。その夜、私は「静寂が音を持つなら、こういう店なのかもしれない」と思った。カンテサンスの個室。研ぎ澄まされた空間、ほとんど無音のやりとり、そして運ばれてくる料理たちは、すべてが「一切の無駄を持たない芸術」だった。⸻◆ 写真は撮れた。でも、心には残っているのに、カメラロールには見つからない。奇跡的に、個室で写真を撮ることが許された。ちゃんと撮った。たしかに、あの白い皿も、灯りも、空気感も。…けれど、いま、どこにあるかわからない。カメラロールのどこかにはあるはずなのに、“記録されたはずの記憶”に手が届かない感覚が、妙に寂しかった。でも——だからこそ思った。この体験は“記録”ではなく、“体内に沈むもの”だったんだと。後ほど携帯をしっかり見て貼りなおします。⸻◆ そして何より後悔しているのが、ババロアあのババロアを、グラン・メゾンを見る前に食べてしまった。これは本当にショックだった。先に食べてしまったのがいけないのか、グラン・メゾン東京を先に見るべきだったのか。たぶんどちらでもいい。けれど——「見た後だったら、もっと震えながら味わえた気がする」そう思った自分がいた。⸻◆ ワインペアリングで、優雅に酔うはずが、ひとりベロベロに本来なら、料理に寄り添うためのワイン。なのに私は、全く寄り添えなかった。寄り添うどころか、完全に追い越してしまった。気づけばグラスが5つ並び、テーブルの片側だけが、“何かの儀式の後”のようだった。ワインの繊細な香りや構成を感じるべきはずの空間で、私はただ、酔いという曖昧なベールに包まれてしまった。とほほ、と笑って言えるけれど、少しだけ、もったいなかった。⸻◆ それでも、“失敗すらも記憶に残す場所”だったこの夜は、完璧ではなかった。むしろ、後悔の多い夜だった。けれど、後悔が残るほど美しい体験だったという事実が、逆に愛しい。カンテサンスという店は、「全部うまくいったね」という記念写真のような場所ではない。 「もっと大切にすればよかった」「あの一口を、もう少しゆっくり味わえばよかった」そういう、取り戻せない感覚が積もっていく店。だからこそ、また行きたくなる。もっと静かに、もっと素直に、“自分自身とぴったり合う呼吸”で、あの皿に向き合いたい。
2025/05/16 更新
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Quintessence|カンテサンス(東京・白金)
― 完成された時間に、少しだけ追いつけなかった夜 ―
東京・白金。
その夜、私は「静寂が音を持つなら、こういう店なのかもしれない」と思った。
カンテサンスの個室。
研ぎ澄まされた空間、
ほとんど無音のやりとり、
そして運ばれてくる料理たちは、すべてが
「一切の無駄を持たない芸術」だった。
⸻
◆ 写真は撮れた。でも、心には残っているのに、カメラロールには見つからない。
奇跡的に、個室で写真を撮ることが許された。
ちゃんと撮った。たしかに、あの白い皿も、灯りも、空気感も。
…けれど、いま、どこにあるかわからない。
カメラロールのどこかにはあるはずなのに、
“記録されたはずの記憶”に手が届かない感覚が、妙に寂しかった。
でも——
だからこそ思った。
この体験は“記録”ではなく、“体内に沈むもの”だったんだと。
後ほど携帯をしっかり見て貼りなおします。
⸻
◆ そして何より後悔しているのが、ババロア
あのババロアを、グラン・メゾンを見る前に食べてしまった。
これは本当にショックだった。
先に食べてしまったのがいけないのか、
グラン・メゾン東京を先に見るべきだったのか。
たぶんどちらでもいい。けれど——
「見た後だったら、もっと震えながら味わえた気がする」
そう思った自分がいた。
⸻
◆ ワインペアリングで、優雅に酔うはずが、ひとりベロベロに
本来なら、料理に寄り添うためのワイン。
なのに私は、全く寄り添えなかった。
寄り添うどころか、完全に追い越してしまった。
気づけばグラスが5つ並び、
テーブルの片側だけが、“何かの儀式の後”のようだった。
ワインの繊細な香りや構成を感じるべきはずの空間で、
私はただ、酔いという曖昧なベールに包まれてしまった。
とほほ、と笑って言えるけれど、
少しだけ、もったいなかった。
⸻
◆ それでも、“失敗すらも記憶に残す場所”だった
この夜は、完璧ではなかった。
むしろ、後悔の多い夜だった。
けれど、
後悔が残るほど美しい体験だったという事実が、逆に愛しい。
カンテサンスという店は、
「全部うまくいったね」という記念写真のような場所ではない。
「もっと大切にすればよかった」
「あの一口を、もう少しゆっくり味わえばよかった」
そういう、取り戻せない感覚が積もっていく店。
だからこそ、また行きたくなる。
もっと静かに、もっと素直に、
“自分自身とぴったり合う呼吸”で、あの皿に向き合いたい。