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夜の点数:4.0
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¥3,000~¥3,999 / 1人
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2025/05/05 更新
私のクルマFIAT500Cが3歳のお誕生日だったので、パレスホテルのラウンジにでも連れて行くかと、夕方になるころやや強めの春の雨のなか出掛けていった。マロンのシャンティイという定番のケーキとお茶を注文した。特にお願いはしていなかったにも拘らず、Happy Birthdayとデコレーションされた特別プレートで出てきた。パレスホテルの一流のサービスに感激した。誕生日だからこそ、この日は丁寧にもてなされたい。その思いを全うしてくれるホテルだった。来て良かったと心から思えるひととき。
雨の夕方。外はもう暗い。席から外を眺めると窓辺の松明に雨が降りかかり、その向こうに大手町金融街のパワフルで重厚なビル建築が望めた。かつて野村證券で働いていた私は、ビル1階の大型モニターに流れてくる海外の英語の経済ニュースを見ながらコーヒー片手によく思ったことがある。将来世界的に必ず成功してまた大手町に戻ってこよう。英語を喋って海外の人たちと仕事をして、東京とアメリカを行き来する仕事をしよう。そう心に決めていた。行く先に何ら確実なことはなかったし、自分がどう生きていくか全く想像がつかなかった。暗中模索な20代の人間だった。
それが時を経て、こうして大手町を望むホテルにふらっとクルマを運転して遊びに来て、その由緒あるホテルのシグネチャーモデルのケーキセット(3,450円)をゆったりと頂いている。あの時は想像すらできない形で私は成功してここに戻ってきた。今ではアメリカの会社で日本のトップとして働き、世界の人たちと仲良く仕事をし、アメリカにも出張し、もちろん英語で仕事をしジョークを言って笑い合い、なおかつケーキセットを食べに赤いクルマでパレスホテルに来られるくらい大人になれた。
東京の最もパワーの強いこの場所に自力で戻って来れた。日比谷通りをクルマで通りかかる時は、わざと大手町の野村證券ビルの正面に向かう道を通る。そこで野村證券のビルに向かって勝利を宣言し、心の決着をつけている。思った通りに人生の成功を納めていることを感じるために。そんなことをしているのは、理不尽なことを経験することが多かった20代の私を癒す必要があるからだ。
マロンのシャンティイはふわふわの栗と柔らかいクリームが調和している。それが心に軽やかさを与えているのだと思う。良き誕生日を過ごすことができたとすっかり満たされて、私はまたザァザァ降りになった春の雨の中、パレスホテルをクルマで後にした。雨が幌に落ちる音がする。