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奈良 · アコルドゥ Tasting Menu レビュー 奈良の夜、アコルドゥ (akordu) での体験は、まるで一つの詩のようでした。スペイン料理のエッセンスをベースに、奈良の食材と四季の表情を重ね合わせ、コース全体が一つのストーリーになっています。 海の序章:「アホブランコ」杏仁の冷製スープに半生のホタテと葡萄を合わせた一皿は、爽やかさと海の余韻を同時に感じさせます。さらに、わずか5秒だけ火を入れた貝類は、海風のような瑞々しさを残しました。 山の風景:福原産のアスパラガスに薄くスライスされた野菜を重ね、白い泡が山並みにかかる雲のよう。視覚的にも美しい構成です。 夏の果実:マリネしたカツオにトマトのジェラートを添えた清涼感のある一皿、大和鴨のテリーヌにはグリルしたイチジクとナスタチウムが加わり、濃厚さと軽やかさの調和が見事でした。 交差と融合:三輪素麺を思わせる手延べパスタに海老のセビーチェととうもろこしを合わせ、南米・日本・地中海のエッセンスが共鳴。穴子のフリットに黄色いガスパチョを合わせた皿は、重厚さと爽快さを交互に感じさせます。 クライマックス:大和牛のローストは火入れが絶妙で、燻香がアクセントに。クリーミーなリゾットと合わせることで、力強さと繊細さが同居しました。 甘美なフィナーレ:奈良産の白桃にラベンダーとローズマリーを添えたデザートは夏の庭園のようで、甲州葡萄のジュレと薔薇のジェラートは自然の贈り物のように清らか。最後はショコラマカロンとお茶で静かに締めくくられました。 海から山へ、軽やかさから力強さへと流れるコースは、単なる食事ではなく「奈良という土地を味わう詩」。料理・空間・サービスすべてが調和した、特別な時間を過ごせました。
2025/09訪問
1回
2025/01訪問
1回
寿し職人 臼井裕紀 Produced by 鮨あらい 都内でこのクオリティをこの安定感で出せる鮨屋は、正直そう多くない。 素材の選定、温度管理、包丁仕事、握りの一体感——どれを取っても一線級。 「江戸前の基礎を徹底した上で、今の時代の“洗練”をどう乗せるか」を明確に理解している職人の鮨。 食材そのものの質が高いのはもちろん、 「どうすれば一貫として最も美味しくなるか」を徹底的に考え抜いた仕事がある。 奇を衒わず、しかし単調にもならない構成。 シャリはやや小さめでキレのある酸味、握りの強さも均一。 Arai 系の良さを保ちながら、Chef Usui の“誠実さと繊細さ”が前面に出たコースで、満足度は非常に高い。 再訪確定。鮨好きに安心して勧められる一軒。
2025/12訪問
1回
火と香りの設計に一貫した哲学を感じる一夜。 「炭火で素材を語る」ことをここまで構築的に表現できる店は、東京でも稀だと思う。 初手のフォアグラ黒糖まんじゅうから、デセールのキャラメルブリュレまで、 すべての皿が“メイラード反応”をテーマに繋がり、香ばしさと甘味のグラデーションで物語を描く。 シェフが操る火の距離感と温度のコントロールは、ほぼ職人芸の域。 特に印象深いのは、牛タンの椀物。 和の「吸い物」にフレンチのフォアグラを潜ませ、 一口で出汁の透明感と脂の旨味が重なり合う。 火を通すことで生まれる香ばしさと、内包された温度の緩急が見事。 肉料理は和牛と鹿を炭で焼き分ける構成。 和牛は外皮が軽く焦げ、中心はわずかにとろける温度帯、 脂の甘みが舌の上で溶けながら、炭の苦みがフィニッシュを締める。 鹿肉は赤ワインソースで野性味を纏い、柔らかくも芯のある噛み応え。 全体の流れが“香りの変奏曲”として成立しており、 日本的な節度とフレンチ的な熱量が、同じ皿の中で共存している。 ワインペアリングも非常に的確で、 前半のリースリングから中盤のコンドリューへの繋ぎが美しかった。 季節が変わるたびに再訪したい。 「火入れ」という行為をここまで叙情的に描けるのは、Metisならでは。
2025/11訪問
1回
大阪で有名な「六覺燈」に初訪問。ワインと合わせて楽しむ串かつというコンセプト通り、今回は ドゥラモット・ブリュット NV を選び、軽やかな泡と揚げたての香ばしさが見事に調和していた。 特に印象に残ったのは、串の造形の妙。衣や串打ちの工夫によって、食材そのものに新しい表情を与えていて、「串かつ」という枠を超えた一皿に仕上がっていた。中でもタコは秀逸で、プリッとした身と吸盤の食感が舌の上を軽くすべるようで、まるで海のリズムを味わうような楽しさがあった。 衣はサクッと軽く、油っぽさを一切感じさせない。パンの上に置かれて供されるスタイルも独特で、余分な油を吸って最後まで快適に食べ進められる。 サービスも落ち着いていて、串のテンポやワインの提案も心地よい。大阪らしい気さくさと割烹的な繊細さが同居した、特別感のある時間だった。
2025/09訪問
1回
季節のコースをいただきました。 料理全体の構成は安定しており、素材の選び方と火入れのリズムも整っている印象。 特に印象に残ったのは前菜のマグロ。 火をしっかり通してありながらも、旨味が閉じ込められていて、 12月の“マグロシーズン”を前にした静かな幕開けのよう。 2種類のパスタはどちらも塩味のバランスが良く、 ミラノのパスタのように強く塩を効かせず、 東京らしい繊細な味のまとめ方が好印象でした。 コース全体でチーズの使い分けが見事で、 濃淡の階調が最後まできれいに続く。 メインの肉料理は火入れがやや強く、 個人的にはもう少し柔らかい余韻があると理想的。 次回は別の肉料理も試してみたい。 静かで落ち着いた雰囲気の中で、 料理人の几帳面さと構成力が伝わる一軒。
2025/11訪問
1回
平日14時過ぎの訪問。 ランチのピークが落ち着いた頃合いに着いて、10分ほどで席に通されました。 注文はカキフライ、エビフライ、ヒレカツ、そしてロースカツの盛り合わせ。 どれも揚げ油のキレが素晴らしく、香ばしさが軽やかに立ち上がる。 ロースは脂身と赤身の境がちょうどよく、噛むごとに旨味がにじむタイプ。 ヒレは中心がわずかに桜色で、しっとりと柔らかい。 衣はやや厚めながらも油をまったく感じさせず、 パン粉の粒立ちが美しく、口の中でカリッと弾ける。 牡蠣は大ぶりでジューシー、噛めば海の香りがふわっと広がり、 エビフライは衣の香ばしさと身の甘みの対比が心地よい。 キャベツは山盛り、辛子とソースの塩梅も絶妙。 味噌汁の出汁も手抜きなしで、最後まで整った満足感がある。 この価格帯でここまで仕事の丁寧さが伝わるとんかつは、 東京でもそう多くないと思う。 「町の名店」という言葉が一番しっくりくる一軒。
2025/11訪問
1回
予約不要で、地元の常連さんが多いお店。 英語メニューはありませんが、スタッフはとても親切。 オープンキッチンで強火炒める豚バラは圧巻。 しょうが・はちみつ・黒糖の甘辛いソースが濃厚で、 脂ののった豚バラには最高の組み合わせ。 1センチほどの厚みのある肉が冬の胃をしっかり満たしてくれる。 肉の下に隠れたキャベツが肉汁を吸い、ご飯が進む一皿。 前菜としての生牡蠣もおすすめ。素材の鮮度は文句なし。 定食3つ、生牡蠣3つ、生ビール1杯、ハイボール1杯で約9600円。 このクオリティなら、コスパも十分。
2025/11訪問
1回
初めての天然うなぎ体験。 注文してから約50分、じっくりと焼き上げられた一膳が運ばれてくる。 夫は白焼きを、私は「うなぎ三種(玉子焼き・肝焼き・蒲焼)」を注文。 天然うなぎ特有のしなやかな身質と、皮下の脂のとろけるような柔らかさ。 噛むほどに旨味が広がり、香ばしさと淡い甘みの層が重なる。 白焼きには赤酢が添えられ、脂の余韻をすっきり締めてくれるのが印象的。 たれは控えめで上品。 脂の乗った養殖鰻とは対照的に、 野生ならではの力強い香りと、締まった身を楽しめる一皿。 「鰻=たれの旨味」ではなく、魚そのものの個性を味わいたい人におすすめ。 特別な一食。
2025/11訪問
1回
食べログ 焼肉 TOKYO 百名店 2025 選出店
食べログ ホットレストラン 2025 受賞店
中目黒、祐天寺、代官山/焼肉、ホルモン
和牛があまり得意ではないのですが、こちらのコースは和牛と赤身肉のバランスがとても良く、 それぞれの部位の個性や、筋肉本来の風味(ミオグロビンの香り)がしっかり感じられました。 肉質だけでなく、焼き加減やタレの塩梅も上品で、最後まで飽きずに楽しめます。 締めの和牛すき焼きは少し甘めで、好みが分かれるかもしれませんが、 全体として非常に満足度の高い一食。ボリュームもあり、しっかり「食べた」感のあるコースでした。 中目黒で肉をゆっくり味わいたい時におすすめです。
2025/10訪問
1回
土浦花火大会のあとに再訪。 やはり上野を代表する一杯。 鴨と葱の香り立ちが見事で、スープは奥行きがありつつも雑味がなく、 鴨脂の甘みと出汁のキレのバランスが非常に良い。 追加のチャーシューとメンマはなくても十分、 一方で葱のトッピングは種類ごとに風味が異なり、全部試す価値あり。 夜の疲れを包み込むような旨味で、安定感ある完成度でした。 「鴨to葱」に初訪問。 入店した瞬間、鴨と長ねぎの香ばしい香りがふわっと広がり、思わず笑みがこぼれる。正直、店外の中・英・日アナウンスを聞いた時は少し観光客向けかなと思ったけれど、三河屋製麺の箱を見て「これは本気の店だ」と確信。 今回は「鴨汁つけそば(上)」を注文。 鴨の旨味が凝縮されたつけ汁に、香ばしく焼かれたネギの甘みが重なり、まるで一品料理のような完成度。麺はしなやかでコシがあり、最後までダレない理想のつけそば。 途中で卓上の柚子胡椒を少し加えると、爽やかな柚子の香りが立ち上がり、まさに「醍醐味」という言葉がぴったり。全体の香りのレイヤーが一段上がり、口の中が一気に広がる。 見た目以上に繊細で、香りと旨味の構成が美しい一杯。 東京で鴨ラーメンを語るなら、この店は外せない。
2025/11訪問
2回
入鹿TOKYO 六本木店に訪問。 看板メニューの「カルテットスープらぁ麺」を注文し、九条ネギとメンマをトッピング、黒トリュフ卵かけご飯も追加。 スープは鶏・牛・海老・貝の四重奏で、特にキノコのような深い旨味が印象的。香りが立ち上がった瞬間からもう幸せになるタイプのスープ。 それでいて重たくなく、余韻にふわっと残るトリュフの香りが絶妙。 麺はしなやかで喉越しが良く、低温調理のチャーシューも柔らかく上品。 黒トリュフの卵かけご飯は香りが濃厚で、スープを少しかけて食べると至福の一口。 全体的に完成度が非常に高く、「ラーメン」というより一皿の料理として楽しめる。 六本木らしい上品さと個性が同居した一杯でした。
2025/10訪問
1回
カウンター越しに並ぶ旬の魚介と野菜を目の前で揚げてもらえる、正統派の天ぷら店。食材の鮮度が際立ち、衣は軽やかで油っぽさがなく、素材の旨味がダイレクトに伝わってきます。 特に印象的だったのは海老の天ぷらで、身はぷりっと甘く、衣はサクッと香ばしい。しいたけの天ぷらは肉厚でジューシー、噛むと旨味がじんわり広がります。白身魚や小魚も淡白ながら上品で、お酒との相性も抜群でした。最後の天茶(天ぷら茶漬け)は胃にやさしく、コースを綺麗に締めてくれます。
2025/08訪問
1回
レビュー 訪問時に食べたカレーは、鶏の旨味がしっかり出たスープベースで、口に入れた瞬間に広がる香りが印象的でした。スパイスは複雑に重なり合い、強さと繊細さが同居するような仕上がり。特にクローブやカルダモンの清涼感が心地よく、食べ進めるほど奥深さを感じました。 残念だったのは、カバー写真にある人気メニューが売り切れで注文できなかったこと。ただ、別のメニューでも十分満足感があり、次回はぜひリベンジしたいです。 お店の雰囲気はカジュアルで入りやすく、ランチ利用にぴったり。価格帯も良心的で、この内容ならコスパは高いと思います。
2025/09訪問
1回
黒毛和牛の食べ放題コースを利用。 構成は、カルビ・ロース・タンを中心に、ご飯(石川県産コシヒカリ・八代目儀兵衛)、スープ、サラダ、キムチが付く王道スタイル。 肉質自体は悪くなく、サシの入り方も美しい。 ただ、品種は仙台牛などの特定銘柄牛ではなく、 部位も限定的なため、食べ放題としての“種類の楽しさ”は少なめ。 後半になるとどうしても単調に感じてしまう。 タンはやや薄めのスライスで、厚切りタイプの食感を期待している方には少し物足りないかもしれない。 味わい自体は上品で、塩味・タレ味の2種を使い分けることで、脂の甘みがしっかり引き立つ。 特に山葵をのせると、脂のキレが良くなりバランスが取れる。 サービスは非常に好印象。 焼き台に肉が残っている段階で「次のお肉をお持ちしますか?」と声をかけてくれるなど、 テンポの良い提供が心地よい。 全体的には、味・サービスともに安定感があり、 “高級食べ放題”というよりは“丁寧でストレスのない焼肉時間”を楽しむ店。 期待値を少し下げて臨めば、満足度は高い。
2025/11訪問
1回
月曜のランチタイム、行きたかった店が休みでこちらへ。 ラストオーダー前に滑り込み。 カルボナーラとトマトソースの2種を注文。 どちらも丁寧な仕上がりで、パスタの茹で加減も良好。 トマトはやや塩気が強めだが、 ミラノやヴェネツィアで食べたイタリア現地の味に近く、 やや“つけ麺”的な濃度を楽しめるスタイル。 ワインが並ぶカウンターも落ち着いた雰囲気で、 根津散歩の途中で立ち寄るにはちょうどいい。 「目的地ではなく、通りがかりで満足できる店」という印象。
2025/11訪問
1回
深夜に訪問。餃子を二皿、チャーハンを一品。 チャーハンは香ばしく炒められ、 チャーシューの脂と旨味が全体を支配。 米は水分をほどよく含み、粒立ちと粘りのバランスが非常に良い。 いわゆる“パラパラ系”とは違うが、しっとりとした食感に心地よさがある。 卓上のにんにくと辣油をしっかり効かせると、 一気に味が締まり、夜中にちょうどいい“ジャンクさ”に変わる。 餃子も安定感があり、皮の香ばしさと餡の甘みが好印象。 酔いの帰りにふらっと寄るには最適の一軒。 この時間にこの満足感なら十分すぎる。
2025/11訪問
1回
食べログ ラーメン TOKYO 百名店 2018 選出店
新宿三丁目、西武新宿、新宿西口/ラーメン
ハロウィンの夜、歌舞伎町の喧騒を抜けてたどり着いた一杯。 煮干しの香りが濃く、深夜の空気と混ざって妙に心地いい。 スープはパンチがありつつも後味はすっきり、 太麺と平打ち麺のコントラストが楽しい。 特にチャーシューは香りと旨味がしっかりしていて、この一杯のハイライト。 朝まで遊んだ身体に沁みる、まさに“夜明けのラーメン”。
2025/11訪問
1回
重厚な扉を開けると、石壁と間接照明が織りなす落ち着いた空間が広がり、並べられた数々のグラスが静かに輝いていました。カウンター越しのバーテンダーの所作は丁寧で、最初の一杯から期待が高まります。 定番のギムレットは、ジンの切れ味とライムの酸味が鮮明に調和し、薄づくりのグラスがそのシャープさを際立たせていました。そして印象的だったのは、アールグレイリキュールと香檳烏龍茶を組み合わせた一杯。紅茶の芳香に烏龍茶の清涼感が加わり、甘さと渋みのバランスが絶妙で、飲み進めるほどに香りのニュアンスが広がります。まさにこの店ならではの味わい。 軽やかなアテと共に楽しむことで一層心地よく、バーテンダーの柔らかな接客もあって、時間を忘れてしまうほどでした。大阪で特別な一杯を探すなら、ぜひ訪れる価値のあるバーです。