3回
2025/08/21 更新
2025/08 訪問
寛心ー日本料理の分岐点となるか?
大将は吉兆の出身で,近くの水光庵の4年後輩との話でしたが、料理のサービスの形が全く違っている。
お決まりが先付け一品にお椀に刺身で,あとはアラカルトで先付け,小鉢、焼き物,煮物、揚げ物,ご飯ものが多種ある中から選べる趣向が素晴らしい。居酒屋風のメニューもあるが一味も二味も違い洗練さが際立っている。どれも美味かったが,焼き海老真薯と小芋唐揚げが印象深い。もちろんお椀は特級で,胡麻豆腐ご飯についた鰹節も戦後世代には懐かしい味。こんないい店旨い店が徒歩圏内に出来た幸運にただ感謝あるのみである。国内外の遠くからわざわざ訪れる価値は十分にあります。日本の料理界を高額化に誘導してきた日本料理のあり方の変曲点を予感させる名店の誕生である。プロデュースした林亮治氏のセンスは見上げたものである。予約の取れる今のうちが吉兆。
2025/08/16 更新
初訪問で激賞したので,早速裏を返しに行ってみた。2回目なので,入り口の2段のステップも難なくこなしたが,やはりあれはなんとかしたほうが良いと思う。ここで「惜しい」と言ったのは,多分に主観的にすぎる話しであって,誰も惜しいとは感じてやしないこともあるという前提の話である。18:00に予約したので,カウンター席には先客はおらず順調な滑り出しであったが,徐々に客が入って来てやがて満席になると,まるで安い居酒屋よのうな喧騒になった。補聴器の老人では耳に響いてその場にいるのが辛いほどである。客は20,30代の若者たちであるが,どうしてマナーを守れないのだろう。これは食べログや東カレで紹介されたニューカマー店でよくみられる現象である。食事の時に,いわんや他人もいる店内で響き渡るような声で話さない,笑わないことは教わらなくても知っていて当然なマナーである。なん等かの理由でにわかに羽振りがよくなっだだけで育ちが悪いのだろうが,教養さえあれば身につくものである。
星を狙えるほどの腕を持ちながら,アラカルト制にして,びっくりするほど廉価にした戦略が新鮮だが裏目に出るかもしれないなと感じたが、要らぬおせっかいというものであろう。今日も椀などは,石かわに負けない旨さであった。料理屋は味はもとより雰囲気が大切であり,それはお店が客と一緒に作り上げていくものである。今は初期の不安定な時期であろうが、いずれ波動は収縮するので、オールシーズンが終わるもう少し先まで様子をみようと思う。