2回
2025/10 訪問
松茸の天麩羅がフライを超えた日ー料理はやはり技術が大事
あらたみかわ三度目の訪問。茅場町にあったみかわを入れれば,数えきれないくらい通っているが,今回は釣れ始めたハゼを期待して来たが,まだ小ぶりすぎるとかでおいては無かった.しかしながら、今日は改めて天ぷらという調理法に脱帽した。天ぷらの流派は色々あるが、早乙女みかわ一門の力量は頭一つ抜けている。
結論から言えば,松茸はフライに勝るものはないと何十年も思ってきたが,その考えを改めることになった。松茸は岩手のつぼみでものも良いが,やはりスキルがなくては,こうはいかないだろう.シャキッと噛めば,香りが鼻腔を覆う。あー松茸だーとしみじみ思う.今まで食べてきた松茸の天ぷらはなんだったのだろう.まずは衣が邪魔にならないように絶妙につけるんだろうな。
みかわの天ぷらの特徴は,松茸が無くとも、タンパク質が多いことだろう。マキエヒが2尾、キス,スミイカ、`メヒカリ,メゴチ、穴子とそれも姿が立派なものばかりである.メヒカリは猫またぎともいい癖のある雑魚だが,天ぷらにすると豹変する。メゴチは身も厚くハゼを補って余りある旨さ。大根おろしも、オツユもお代わりして堪能した.スタートして最初に揚げたのはサツマイモであるが,出されたのはデザートのように最後であった.1時間以上も寝かして火入れをするのは,静岡の成生に先んじた技術だろう。レンコンもナスも文句ない美味さ。
お客にヨーロッパ人の若い家族連れがいて,隣の客を見よう見真似で食べていたが,外人が天ぷらのスタンダードがミカワになってしまったら,この先の天ぷらはどうなるか心配してしまう。
「あのね,私たちが東京で食べた天ぷらは,これとは全然違うものだよ」と一生言い続けるに違いないだろうな。
2025/10/09 更新
みかわで年越し蕎麦はどうかと友人に誘われて,今年最後の土曜日に訪問した.タクシーの加減で開店20分前に着いてしまったが,快く中に入れてくれた。
最近よくある開店一斉スタートの店でも,開店時間にならないと入り口を頑なに開けない店が少なくないが,あれは本当に腹が立つ.誰でもスタート時間の少し前には店には行くのだから,10分前には準備を済ませて開けて中で客を待たすのが最低限のもてなしの心ではないかと思う.その点みかわはよく心得ている。
天ぷらは定石通りであったが,今回は最後のご飯が蕎麦であった.意外だが,旨い天ぷらやが旨い蕎麦を出すなら鬼に金棒だろうと期待して来た。
突き出しはニシン煮物,蕎麦屋にある醤油でこってり硬く煮込んだものでは無く,薄味で柔らかい.天ぷらは、マキエビ2尾,イカ(コウイカ?),むかご,アスパラ、ハゼ、蕪,マッシュルーム,タラの白子,穴子,さつまいもの順.念願のハゼにようやくありついたが、身が大きいせいか,キスに近い味で,前回のメゴチがうま過ぎたせいか,少し肩すかしをくらった感じであった。
印象的であったのは蕪とマッシュルームの美味いことだな.タラの白子も美味いが,年が明ければ,フグに代わるそうで期待が持てる。
今回感じたのは、みかわ流の揚げの真髄かもしれないな。宗祖早乙女教祖の「天ぷらとは脱水が極意であり,泡が落ち着く迄待つのがコツ」と語っていたのを思い出した.つまりレアでは脱水不足なのである.もちろん揚げすぎでボソボソにしては論外であるが,ウエルダウンの加減さが真髄だと感じた。試しに海老の2尾目をレア気味にして,と頼んでみたが、自分のイメージとは違いやはりウエルダウンであった.これが「みかわ」の妥協の限界なんだろうな.この火入れ加減は好みの問題であり,友人などはこれがベストというので,あくまでも,海老の揚げ方に対する私の個人的な好みに過ぎない.キスやハゼは丁度良い。
今回の特筆は,かき揚げがジュと音を立てる天ぷら蕎麦であった。蕎麦が出される所以は聞かなかったが,お弟子さんのチャレンジのようである.どこで習ったかは味ではわからなかったが、なかなかの労作であった。名の通った蕎麦屋に孫色は無く,ざるで一枚,天ぷら蕎麦一杯は余裕で行けた.蕎麦屋の天ぷらが大体ハズレなので,蕎麦と天ぷらのトータルでは相当点数が高いだろう.何といっても,揚げたてのかき揚げが蕎麦の上でジュと音を立てるのはたまらなくいいものだ.蕎麦つゆも、テンヌキで一杯やれそうなレベルだ。
隣に「蕎麦みかわ」が開店したら,どちらに入ろうか迷うだろうな。