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夜の点数:4.5
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¥100,000~ / 1人
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2025/09/03 更新
ネオンがきらめく歌舞伎町の夜は、いつだってどこか現実離れしている。無数の呼び込みと、夜更けにますます熱を帯びる人の群れ。その雑踏の中に「CUORE」という名のマジックバーは潜んでいた。扉を開けると、街の喧噪が嘘のように消え、そこには別世界が広がっていた。
仲間と連れ立ってカウンターに腰を下ろす。薄暗い照明がテーブルをやわらかく照らし、グラスの中の氷が小さな音を立てる。マジシャンがすっと現れ、トランプを指先で操る姿は、まるで舞台俳優のようだった。最初の一手で心を掴まれる。仲間が引いた一枚のカードが、ほんの数分後にはまったく別の場所から現れたのだ。氷の中から、封を切っていないカードデッキから、あるいは誰かのポケットから。不可能が次々と「現実」となっていく。
その一つひとつに驚きの声が上がり、笑い声が弾ける。飲みものは決して安くはない。だが、ここでは値段以上の体験が手に入る。モエ・エ・シャンドンの栓を抜き、泡が立ちのぼる。ひと口含むと、シャンパンの清らかな酸味がマジックの衝撃と溶け合い、ただの酒ではなく祝祭のように喉を満たす。
歌舞伎町という街は、日常と非日常が交差する舞台装置のようなものだ。その中心で「CUORE」は、ただの飲食店ではなく、大人が童心に返る劇場だった。トランプが宙に舞い、コインが消え、消えたはずのものが思いもよらぬ場所から姿を現す。理屈を探す間もなく、次の奇跡が目の前で起こる。
仲間の一人が思わず声を荒げ、「信じられない!」と叫んだ瞬間、店全体が笑いに包まれた。マジックは、ただ人を驚かせるための技術ではない。人と人の距離を一気に縮める力を持っている。酒を飲み、奇跡に驚き、笑い合う。気づけば、初めて訪れたはずの店が、長年の馴染みの場のように感じられていた。
「高いけれど、価値がある」——そんな言葉が自然と浮かぶ。冷えたモエシャンと、目の前で繰り広げられる一流の技。歌舞伎町の夜をただの酔いで終わらせず、記憶に刻む体験へと昇華させてくれる。
店を出ると、外は相変わらずの喧噪。煌びやかな看板、行き交う人波。しかし胸の奥には、さっきまで目の前で繰り広げられていた数々の奇跡が残っている。あの瞬間、僕らは少年のように目を輝かせ、心から驚き、笑った。歌舞伎町という街が持つ魔力と、マジックバー「CUORE」の力が、見事に交わった一夜だった。