senpumさんの行った(口コミ)お店一覧

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これらの口コミは、訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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12 件を表示 2

金沢旬菜 なごみや

野町/居酒屋、焼き鳥、海鮮

3.17

23

¥5,000~¥5,999

-

定休日
日曜日

夜の点数:3.8

金沢の街は、夜になるとしっとりとした艶をまとい、石畳に灯る光がどこか旅情を誘う。その夜、僕はひとりの女性を伴って「金沢旬菜 なごみや」の暖簾をくぐった。デートに店を選ぶのは、いつだって緊張を伴う。場所の雰囲気、料理の質、そして店の人柄――それらがうまく噛み合ってこそ、夜は記憶に刻まれる。 小さな引き戸を開けると、木の温もりに包まれた空間が広がっていた。派手さはない。だが、心を静かに落ち着けるような佇まいがある。カウンターの奥で迎えてくれた店長の笑顔が印象的だった。どこか安心感を与える雰囲気をまとっていて、こちらの緊張を解きほぐしてくれる。彼の声には、人を思いやる柔らかさが滲んでいた。こういう人柄に出会うと、料理への期待も自然と高まる。 席に着くと、まず頼んだのは刺身の盛り合わせだった。金沢は海に近い街である。その地の利を最大限に生かした刺身は、言うまでもなく新鮮そのもの。氷の上に美しく並べられた旬の魚たちは、宝石のように光を放っていた。口に運ぶと、身がほどけるように滑らかで、海の香りが広がる。特に鯛の切り身は、噛むほどに甘みが増し、舌の上で静かに存在感を示した。イカの透き通るような白さ、マグロの赤の鮮烈さ――色彩の対比が、視覚からも楽しませてくれる。彼女が「おいしい」と微笑む、その一言が、この店を選んだ自分を肯定してくれるようで、胸の奥に安堵が広がった。 料理を通じて二人の会話は自然と弾んだ。酒をすすめられ、地元の冷酒を口にしたとき、ひやりと冷えたその一口が、魚の旨味をさらに引き立てた。食材と酒が互いを高め合う瞬間こそ、旅先で味わう醍醐味だ。彼女がグラスを傾ける姿を見ながら、僕は「ここで過ごす時間が、長く記憶に残るものになるだろう」と確信していた。 なごみやの良さは、料理だけにとどまらない。例えば店内に流れる空気だ。賑やかすぎず、かといって静まり返ってもいない。適度なざわめきが二人の会話を守り、安心して心を開ける雰囲気をつくっている。店長が時折見せる気配りも心地よい距離感で、こちらの邪魔をすることなく、さりげなく飲み物の追加を促してくれる。その立ち居振る舞いに、この店の本当の価値を見たような気がした。 デートというのは、料理や場所だけでは成り立たない。そこに流れる空気、人の温かさが重なって、ようやく完成する。なごみやは、その三拍子が揃っていた。店を出る頃には、金沢の夜風が心地よく、街灯の下で交わした会話が、どこか甘美に響いた。彼女の横顔に灯る微笑みを見ながら、僕は心の中で「また必ず来たい」と思っていた。 なごみやは、ただ食事をする場所ではなく、大切な人と時を刻む舞台だ。新鮮な刺身の旨さに舌鼓を打ち、店長の人柄に癒やされる。そんな体験は、旅の記憶に確かな彩りを添えてくれる。この街を訪れる誰かに、心から勧めたい店のひとつである。

2025/08訪問

1回

金沢ゆめのゆ

金沢、上諸江、北鉄金沢/その他

3.12

47

¥1,000~¥1,999

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:3.2

石川県金沢市にある温泉施設「ゆめのゆ」。北陸の旅の途中で立ち寄ったのですが、ここが想像以上にリラックスできて、そして何より食事の満足度が高くて印象的でした。中でも、温泉上がりに食べた「カツカレー」が抜群に美味しくて、思わず紹介したくなるほどです。 「ゆめのゆ」は金沢駅から車で10~15分ほどの場所にあり、宿泊施設も備えた大型温泉施設です。館内はとても広く、休憩スペースやマンガコーナー、岩盤浴やマッサージまであり、まさに“癒しのテーマパーク”のような印象。入館するとすぐに、ゆったりとしたロビーで迎えられ、浴衣に着替えて館内を自由に歩けるスタイルも心地よい。 温泉は内湯・露天・サウナまで完備されていて、ゆったり長湯が楽しめます。肌触りのやさしい湯質で、体の芯からじんわりと温まり、旅の疲れが一気に溶けていくような感覚。露天風呂では夜空を見ながらのんびりと過ごせて、本当に至福のひとときでした。 風呂上がりにはお楽しみの晩ごはん。館内の食事処は和洋中さまざまなメニューが並んでいて、どれもリーズナブルな価格帯。その中でもなぜか「今日はカレーだな…」と直感的に思い、カツカレーを注文。結果として、この判断が大正解でした。 まず目を引いたのが、見た目のインパクト。大きめのお皿に盛られたこんがり揚げたてのカツ、その上にたっぷりとかかったとろとろのカレーソース。見るだけで食欲が刺激されました。一口目を頬張ると、サクッと揚がった衣の食感と、やわらかくジューシーな豚ロースの旨味がしっかり伝わってきて、思わず「うまい!」と声が出そうに。 カレーは辛すぎず、まろやかな中にスパイスの香りがほんのり漂うタイプで、家庭的でありながらも深みのある味。これがカツとの相性抜群で、ご飯がどんどん進みます。量もたっぷりで、お風呂上がりの空腹をしっかり満たしてくれました。 食堂の雰囲気もよく、テーブルの間隔が広く取られているので、周りを気にせず落ち着いて食事ができます。ファミリー層から一人客まで幅広く、地元の人らしき方が多かったのも、この施設が地域に根付いている証拠だなと感じました。 食後は館内のリラックススペースで一息。ふかふかのリクライニングチェアでテレビを観ながら、ごろごろできる空間がしっかり整っていて、まさに“寝落ち注意”な快適さ。旅行の途中でこういう時間が取れるのって、贅沢だなとしみじみ思いました。 「ゆめのゆ」は、温泉で癒されて、美味しいごはんで満たされるという、心も体も喜ぶ施設。なかでも今回のカツカレーは、予想を大きく超える満足感で、温泉施設の“ごはん”のレベルの高さに驚かされました。次回訪れたときも、きっとまたこのカツカレーを頼んでしまうことでしょう。

2025/04訪問

1回

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