senpumさんの行った(口コミ)お店一覧

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都市を歩き、皿を旅する。

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これらの口コミは、訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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13 件を表示 3

1110カフェ/ベーカリー

志茂、川口元郷、赤羽岩淵/カフェ、パン、イタリアン

3.48

147

-

¥1,000~¥1,999

定休日
月曜日

昼の点数:3.4

休日の午後、少し足を伸ばして川口市の「1110 CAFE/BAKERY」へ行ってきました。緑に囲まれた敷地にあるベーカリー&カフェで、静かに過ごせそうな場所だと前から気になっていたんです。 店に着くと、思った以上に開放的で空気がきれい。木々に囲まれたテラス席や芝生のスペースが広がっていて、まるで森の中のカフェに来たような気分になります。建物は古い倉庫をリノベーションしたスタイルで、おしゃれだけど飾りすぎていない、ちょうどいいバランス。雰囲気は文句なしに素敵でした。 今回はパンではなく、あえてランチメニューの「トマトと季節野菜のボロネーゼ風パスタ」を注文しました。動物性の食材を使わずに作られているとは思えないほど、しっかりとした味わい。トマトの酸味と甘み、植物性ミートのコク、そしてごろごろ入った野菜が、もちもちのパスタとよく絡んでいて、とても満足感がありました。彩りも美しくて、目でも楽しめる一皿でした。 ドリンクにはオリジナルのハーブティーを選びました。優しい香りと味わいで、食後にゆったりした時間を過ごすのにぴったりでした。 ただ、ひとつ気になったのは接客。注文時や受け渡しの際に、店員さんがちょっとそっけないというか、淡々とした印象を受けました。忙しかったのかもしれませんが、せっかく素敵な空間なので、もう少しだけ笑顔があれば、もっと温かい気持ちになれたと思います。 それでも、全体的に見れば、自然と調和した空間で、美味しくて身体にやさしい料理をゆっくり楽しめる、貴重なお店だと感じました。ベーカリーの方ではシナモンロールが人気のようだったので、次回はそちらも試してみたいです。 心を整えたいときや、静かに自分の時間を過ごしたいときに、また訪れたくなる場所です。

2025/06訪問

1回

ハートブレッド アンティーク イオンモール北戸田店

北戸田/パン、カフェ

3.08

56

-

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.3

朝の光がまだ柔らかく、街を包み込む時間帯に、僕はイオンモール北戸田へと足を運んだ。休日の朝は、少しだけ自分に贅沢を許したくなる。特別な予定があるわけではない。けれど、何かに導かれるように、まだ人の流れが本格的に始まる前のショッピングモールに身を置きたくなる瞬間があるのだ。 モールの入り口を抜けると、空調の冷たい風が頬を撫で、外の湿った空気とはまるで違う世界が広がる。通路の先から漂ってきたのは、パンの焼ける匂いだった。甘く、香ばしく、どこか懐かしい。幼いころ、休日に母が買ってきた袋いっぱいのパンを囲んで食卓に集まった朝を思い出させるような、そんな温もりのある匂いだった。 香りに導かれるままに進むと、「ハートブレッド アンティーク」の看板が目に入る。店の前に並べられた数々のパンは、どれも見た目からして誘惑的だ。クロワッサンの層は陽光を浴びた波のようにきらめき、チョコリングは艶やかに光っている。その中で、僕の視線を釘付けにしたのが「ゾッコンたまごサンド」だった。 ゾッコン、という名。少し気恥ずかしくもあるが、思わず笑みがこぼれる。だが、その厚みのある卵の存在感を見た瞬間、なるほどと思った。まさに「一目惚れ」するのにふさわしい姿をしている。柔らかなパンに抱かれた卵は、黄金色に輝き、食欲を煽る。 カウンターでそれを注文し、冷たいアイスコーヒーとともに席へと運ぶ。周囲には買い物客がぽつぽつと座っているが、まだ混雑にはほど遠く、空間全体が朝の余韻に包まれている。 手に取ったサンドイッチの重みが心地よい。ひと口かじると、パンのふわりとした柔らかさの後に、卵の濃厚でやさしい味わいが広がった。まるで出会った瞬間に心を奪われた恋人が、実際に語りかけてきたような感覚だ。シンプルでありながら裏切らない、正直な味。そこに、どこか無垢な安心感が宿っている。 アイスコーヒーを口に含む。キリリとした苦味が、卵のまろやかさを引き締める。味のコントラストは、まるで旅先の朝に飲むホテルのコーヒーのようで、ほんのひととき日常を非日常に変えてくれる。 食べ終える頃には、モールの中のざわめきが少しずつ大きくなっていた。家族連れの笑い声、店員の呼び込みの声。そんな喧騒の中で、僕はひとつの小さな幸福を手に入れたような気がした。特別な旅に出なくても、街を歩けば思いがけない発見に出会える。偶然のようで必然の、心が動く瞬間。それこそが僕にとっての旅の意味であり、食べることの喜びなのだろう。 ゾッコンたまごサンド――名前に偽りはなかった。たしかに僕は、そのひととき心を奪われていたのだ。

2025/08訪問

1回

デニーズ 東飯能店

東飯能、飯能/ファミレス

3.04

22

¥2,000~¥2,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.0

朝靄に包まれた飯能の駅前、その一角に静かに佇む建物――デニーズ東飯能店。 私は約束の時間よりも少し早く、足を踏み入れた。曇天の下、少し湿り気を帯びた空気。まるで、これから始まる打ち合わせが、単なる仕事の延長ではなく、何か運命の伏線のように思えてならなかった。 店内は、奇妙なほどに静まり返っていた。客の数はまばら。まるで皆、どこかで互いの存在を意識しつつも、言葉にせず、ただ時間の流れに身を任せているようだった。 窓際の席に腰掛ける。ガラス越しに見える、鈍色の空と行き交う通勤客たち。彼らの誰一人として、ここで私たちが交わす密やかな会話を知る由もない。 テーブルの上には、安定感のあるホットコーヒーのカップ。その湯気はゆっくりと空間に溶け、まるで目には見えぬ何かが、この店内にじわりと広がっていくかのようだ。 打ち合わせ相手が現れる。互いに軽く頷き合い、用意した資料をそっとテーブルに広げる。メモ帳に記された文字たちは、まるで秘密めいた暗号のように、白い紙の上で沈黙を守っている。 スタッフの若い女性が、穏やかな笑顔で近づき、朝のモーニングセットを運んでくる。目玉焼きの黄身がわずかに揺れ、ナイフの刃先で触れると、内側から金色の液体がゆっくりと流れ出す。その様子さえも、どこか妖しく、見惚れてしまう。 話は進む。だが、それはまるで迷宮を歩くような感覚だった。 ひとつ問いを投げかければ、ひとつ謎が増える。 ひとつ答えが出れば、また別の可能性が開かれる。 「本当にこれでいいのか?」 「この道が、我々の望む未来につながっているのか?」 そんな疑念が、会話の端々にひそやかに顔を覗かせる。 気がつけば、コーヒーは二杯目、三杯目と注がれていた。 苦味の中に潜む微かな酸味が、妙に心地よく舌に残る。 周囲を見渡す。 窓際で新聞を読む老紳士、向こうの席でスマホをいじる若者、そして奥の壁際でひとりスケッチブックに何かを書きつけている男。 ――不意に、背筋を冷たいものが走る。 この空間に集う誰もが、何かしらの秘密を抱えているように見えてくる。 打ち合わせは終盤に差しかかり、最終の確認事項が読み上げられる。 ひとつひとつ、まるで謎解きの答え合わせのように。 最後の一言が交わされたとき、私は心の中で小さく息を吐いた。 安堵なのか、あるいは次のステージへの予感なのか、それは自分でも判然としない。 店を出ると、空は相変わらずの灰色。 だが、私の足取りは妙に軽かった。 まるで、名探偵が一つの事件を解決したあとのような、そんな不思議な余韻を胸に抱きながら、私は東飯能駅へと向かって歩き出した。

2025/06訪問

1回

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