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120 件を表示 53

VISSLA CAFE

九十九里町その他/カフェ

3.31

33

-

¥1,000~¥1,999

定休日
水曜日サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.3

VISSLA CAFE ― 海辺の午後を切り取ったような一杯のカフェ・オ・レ 海沿いのドライブを終えたあと、人はなぜか温度差のある場所を求める。 潮風で少し乾いた肌に、冷たい飲み物の一撃を与えたい。そんな衝動に背中を押されるようにして、友人と立ち寄ったのがこの「VISSLA CAFE」だった。 店に足を踏み入れた瞬間、まず目につくのは壁一面に飾られたアートだ。油絵、写真、抽象画。色は強いのに、どこか海の静けさを内包している。無造作に打ち付けたように見える木材の壁が、作品たちを包み込むように暖かい光を放っている。サーフボードが壁に立てかけられているのを見れば、この店が海と人の往復運動の間にひっそりと存在していることがわかる。 カウンターで注文をすませ、席につく。友人が向かいでスマホを置き、肘をつきながら「ほんま落ち着くな、ここ」とつぶやいた。 たしかに、その一言に尽きる。 店内の音楽はさりげなく、木目の香りが鼻をくすぐり、窓の向こうには風に揺れるヤシの葉。都会のカフェが作る人工的なオシャレとは違う、“海辺の無造作な余裕”のような空気が漂っている。 ほどなくして運ばれてきた冷たいカフェ・オ・レは、透明カップの壁に淡いグラデーションの影を落としていた。ミルクにコーヒーが沈み込むときの、あのゆっくりとした境界線。その境界がここではそのまま静止画のようにとどまり、光に照らされては微妙に揺れ動いている。 ひと口飲むと、驚くほど柔らかい。 コーヒーの主張は控えめで、ミルクの甘さが先に来る。けれども舌の奥に残る微苦味が、「ただの甘い飲み物」には終わらせない。海風のように後味が早く引き、もう一度口に運びたくなる。友人と会話の合間、何度もストローに手が伸びてしまうのは、その軽さが理由だろう。 天井を見上げると、梁のむき出しの木材が力強い影を落としていた。 その下で談笑する若いカップル、パーカー姿でパソコンを叩くフリーランスらしき男、サーファーのような日焼け肌の兄ちゃんたち。 それぞれが“ここに居る理由”を持っているのに、互いに干渉せず、ただゆるやかに空間を共有している。まるで海辺の波のリズムのように、客たちの呼吸が調和しているのが不思議だ。 外を眺めると、テラス席に緑色のパラソルが開き、風がカップの表面を通り抜けるように軽やかに吹いていた。 海の街に来たとき、「ああ、こういう場所でゆっくりできたら」と誰もが想像する“理想の午後”が、そのまま現実化したような景色だ。 木のテーブルの上にはケチャップやマスタード、紙ナプキンのタワー。それらがカフェらしさとアメリカ西海岸の軽さを同時に演出している。 雑貨と衣類が売られているのもいい。サーフ系ブランドのTシャツ、バッグ、キャップ。絵画の前で商品を見ると、どこかギャラリーに迷い込んだような錯覚すらある。 冷たいカフェ・オ・レを飲み干すころには、海風の音と店内のざわめきがひとつに混ざり、友人との会話もゆるやかになっていた。 この店の魅力は、飲み物の味以上に“空気の余白”にある。 何かを語る必要もなく、かといって沈黙が重くなることもない。 海のそばで生きる人たちが共有する、あのゆったりとした時間の流れが、この店には確かに宿っている。 店を出るとき、ふと振り返った。 壁の絵画が夕方の光を吸い込みながら、それぞれの色を微かに変えつつあった。 あの冷たいカフェ・オ・レの余韻が、いつまでも口の奥に残っている。

2025/11訪問

1回

バビーズ ヤエチカ

東京、京橋、日本橋/カフェ、ステーキ、ハンバーガー

3.53

1210

¥2,000~¥2,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:4.0

東京駅の地下に広がる迷宮のような通路を抜けると、アメリカのダイナー文化をそのまま持ち込んだような店がある。ヤエチカの喧騒のなか、ひときわ温度の違う空気が漂っている。僕は仲間と並んで座り、その空気の中に身を沈めた。 テーブルの上には、クリーム色の木肌に年月が刻まれたような模様が走っていた。 その上に置かれたアイスコーヒーのグラス。赤いストローが、まるで今日の出来事を一本の線で結ぶように、真っすぐ氷の中へ差し込まれている。 コーヒーの表面には細かい泡が寄り添うように張りつき、目を凝らすと、駅の照明が小さく反射して揺れた。 まずはひと口、アイスコーヒーを啜った。 冷たさが喉を通ると、地下街の湿った空気がふっと軽くなる。深いコクと香ばしさの奥に、妙に優しい甘みが隠れていて、ハンバーガーという主役の脇に立ちながらも、確かな存在感を示してくる。 こういう“当たり前のうまさ”がある店は、地味に信頼できる。そんな気がした。 ほどなくして、皿が運ばれてきた。 見上げるほど厚いバンズ、皿の端にたっぷり盛られたレタス、そして存在を主張するパティ。 ナイフで切るのをためらうほど美しく重なっていて、うまさが目に見える形でそこにある。 仲間が頼んだチキンバーガーは、衣がざくりと音を立てそうなほどに揚げたてで、赤みを帯びたチリソースが表面を艶やかに濡らしていた。辛味と甘味が一瞬で舌の上で交差し、その直後にチキンの旨みがワンテンポ遅れて追いかけてくる。 その“時差”がなんとも心地よく、まるで旅行で味わうサプライズのようでもある。 僕の皿にはフレンチフライが積み重なっていた。 それぞれ形が少しずつ違い、揚がり具合も微妙に差がある。そのアンバランスさが逆に魅力で、カリッとしたものを選んだり、しっとりしたものを選んだり、口に運ぶたびに食感の旅が続く。 こういう乱雑さは、丁寧なチェーン店にはない“生きた味”だ。 そしてハンバーガー本体。 バンズを軽く押し込んだ瞬間、肉の弾力が返ってくる。 かぶりついた途端、肉汁がひと筋、皿の上に落ちていった。 パティのスモーキーさに、ソースの濃厚さ、トマトの酸味、レタスの軽やかさが次々と混ざり合い、口の中で風景をつくる。 まるでニューヨークの街角でハンバーガーを頬張っているような錯覚に陥る。 それくらい、ここバビーズのハンバーガーには土地の匂いがあった。 カウンターの奥では、若い女の子の店員がテキパキと動いていた。 注文を取るときも、料理を運んでくるときも、邪魔にならない距離感で自然に寄り添ってくれる。 その接客がこの店の空気をつくっているのだろう。 どこか“アメリカン”なのに、人のあたたかさがちゃんと残っている。 東京によくある無機質な接客ではなく、ほんのわずかな柔らかさを含んだやり取りが、料理の美味しさをさらに際立たせていた。 食べ終わる頃には、皿の上に散ったフライの端切れまでが名残惜しく感じられた。 ハンバーガーという食べ物は、ただのジャンクフードではない。 肉と野菜とパンの重なりの中に、その店の哲学や、調理人のリズムや、食べる人の記憶までが刻まれる。 バビーズ ヤエチカの一皿は、まさにそんな“物語のあるハンバーガー”だった。 仲間と食べる高級バーガーは、腹を満たすだけのものではない。 笑い声、会話、軽い冗談、そしてほんの少しの満足感――。 それらを全部まとめて“旅の一場面”として残してくれる。 東京駅の地下で、こんな豊かな時間を過ごすとは思っていなかった。 帰り際、店の木製の壁をふと見た。 少し傷ついたその表面が、この店を訪れた人々の歴史を語っているように思えた。 次に来るときも、きっと同じアイスコーヒーと同じハンバーガーを頼むだろう。 そう思わせる店は、多くない。 ――今日も一杯のコーヒーと一個のハンバーガーが、僕の旅路に小さな彩りを添えてくれた。

2025/12訪問

1回

TALKS cafe & bar

大阪、梅田、大阪梅田(阪神)/カフェ、バル

3.47

195

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:4.0

梅田の街は、いま大きな変貌を遂げている。再開発という名の波が、古びた街並みに新しい息吹を吹き込み、光と影を交錯させながら、その輪郭を日ごとに描き変えている。そんな新天地の只中に、ひときわオシャレな存在感を放つのが「TALKS cafe & bar」だ。 打ち合わせのために足を踏み入れたのは、まだ午前中の早い時間。大通りの喧騒から少し外れた路地に位置するにも関わらず、店先には都会的な洗練が漂っていた。ガラス越しに覗く店内は、木目の温もりとメタリックな質感が絶妙に融合し、まさに「都市の今」を象徴するかのようだ。 席に腰を下ろすと、店内を包み込む空気が心地よい。高すぎない天井と柔らかな照明、そして穏やかに流れる音楽。周囲を見渡せば、ノートPCを広げる若いビジネスマンや、ゆったりとした会話を楽しむ女性たちが、自然体でこの空間に溶け込んでいる。ここは単なる喫茶の場ではなく、「人が集まり、話し、未来を描くための場」として設計されているように思えた。 僕が頼んだのはアイスカフェラテだ。グラスに注がれたその一杯は、氷の透明感に支えられながら、濃厚なエスプレッソとミルクの白がゆるやかに溶け合っていた。ストローを差し、一口目を含むと、ほろ苦さとまろやかさが同時に舌に広がる。エスプレッソの鋭い輪郭を、ミルクの柔らかさが絶妙に包み込み、喉を抜ける瞬間に心地よい余韻を残していく。これが都会のカフェラテか、と感心するほどに完成度が高い。 そして、この味わいを際立たせているのは、やはり店の空気そのものだ。外の光が大きな窓から差し込み、グラスの中の氷を輝かせる。その様子を眺めているだけで、打ち合わせ前の硬さが少しずつほどけていく。カフェラテを口に運びながら、目の前の資料をめくると、まるでその文字までもが新しい可能性を語りかけてくるような錯覚を覚えた。 「TALKS」という店名には、人と人が交わることへの強い意志が込められているのだろう。隣のテーブルでは若者たちがデザインのアイデアを熱く語り合い、奥の席では外国人客が楽しげに英語を交わしている。その光景を眺めながら、僕はこの店がただのカフェにとどまらず、「未来の街を象徴する社交場」であることを確信した。 再開発で生まれ変わる梅田において、この店は単なる「新しい店舗」ではない。都市の人々が日常を持ち込み、そこに小さな物語を積み重ねていく「舞台装置」だ。カフェラテの味わいと共に、その時間と空気までもが記憶に刻まれていく。 打ち合わせを終え、グラスの底に残る最後の氷が溶けていくのを見届けたとき、不思議な充実感が胸に残った。仕事の準備を整える場所でありながら、自分自身の気持ちをも整える力を、この空間は持っている。 ──TALKS cafe & bar。梅田の新しい顔にふさわしい、オシャレで力強い存在だ。ここで飲むアイスカフェラテは、単なる一杯の飲み物ではなく、未来へ向かう街と自分をつなぐ「合図」のように思えた。

2025/09訪問

1回

万葉の里 高岡

西高岡、高岡やぶなみ/レストラン、カフェ、コロッケ

3.35

154

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:4.0

旅の途中で立ち寄った「万葉の里 高岡」。北陸道を走り抜ける車の窓から差し込む光は、どこか柔らかく、夏の名残と秋の予兆が入り混じるような曖昧な気配を孕んでいた。目的地に向かう途中、ふと目に入った道の駅の看板に導かれるようにハンドルを切ったのは、偶然ではなく必然だったのかもしれない。そこに待っていたのは、ただの一杯のラーメンではなく、人生の記憶に深く刻み込まれる“黒の一杯”だった。 富山ブラック。名前だけは耳にしたことがあった。だが、観光地のご当地ラーメンにありがちな、話題先行の一品に過ぎないのではないか――正直、そんな先入観を持っていた。しかし、その一杯を前にした瞬間、考えは一変する。漆黒のスープはただ濃いだけではない。深い艶をたたえ、丼の中で静かに揺れるその姿は、まるで夜の日本海を覗き込むかのような神秘を感じさせた。 レンゲを沈め、口に運ぶ。第一撃で、身体が震えた。濃口醤油の鋭さが舌を打ち、続いて広がるのは幾重にも折り重なる旨味の層だ。しょっぱいのに、もっと飲みたくなる。塩辛さに隠された甘みとコクが、じわじわと口内を支配し、喉を駆け抜けていく。まるで力強い演奏の中に繊細な旋律を潜ませる名匠の音楽のように、一口ごとに新しい表情を見せるのだ。気づけば、レンゲを持つ手が止まらない。 そして麺。中太でしっかりとした歯応えがあり、このスープに負けていない。噛むたびに小麦の香りが立ち、漆黒のスープを纏いながら喉の奥へ消えていく。麺をすする音が、まるで心臓の鼓動のように、自分自身を覚醒させていく。濃厚なはずなのに、次の一口を欲してしまう。そのリズムが止められない。 トッピングのチャーシュー。これがまた圧巻だ。肉厚でありながら柔らかく、歯を立てると繊維がほろりとほどけ、スープを吸い込んだ肉の旨味が口内に溢れる。黒胡椒の辛みがその旨味をさらに引き立てる。ラーメンに添えられた白飯を思わず追加したくなる衝動を、必死に抑える。だが、次に来た者にはぜひ伝えたい。このラーメンは、白飯と共に味わうべきだと。 食べ進めるうちに、奇妙な感覚に襲われる。普通なら塩分が強すぎて途中で飽きるはずなのに、むしろ終わりが近づくほどに名残惜しくなるのだ。残すつもりなど毛頭なかったが、それでも自分が最後の一滴までスープを飲み干してしまうとは思っていなかった。丼の底が見えた瞬間、妙な達成感と、少しの寂しさが押し寄せた。まるで長い旅を終えた後のように。 店を出るとき、口の中にまだ残る余韻に気づいた。しょっぱさでも苦味でもない。あの一杯にしかない、複雑で濃密な後味が、自分の舌に、胃袋に、そして記憶に刻み込まれている。旅先で偶然出会ったはずのラーメンが、まるで必然の出会いだったかのように思えるのは、きっとそのためだ。 この日の「万葉の里 高岡」の富山ブラックは、ただの食事ではなかった。生きてきた中で“最高”と断言できる一杯だった。ラーメンという枠を超えて、自分の旅路の風景のひとつとして、永遠に刻まれることだろう。

2025/08訪問

1回

常陸野ブルーイング 品川

品川、北品川、高輪ゲートウェイ/ビアバー、カフェ、ハンバーガー

3.46

303

¥2,000~¥2,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

夜の点数:3.9

常陸野ブルーイング 品川。 品川駅の巨大なターミナルの中で、僕はふと時間の隙間に身を置くことになった。 人波は絶えず流れ、誰もが次の行き先を急いでいる。そんな場所の片隅で、思わぬ“相棒”と出会うことがある。今日はそのひとつが、この一杯のアイスコーヒーだった。 カウンター越しに手渡されたグラスは、どこか重心が低く、頼もしい。 透き通る琥珀色が木目のテーブルに落ち着いた影を作っている。氷の角がカランと控えめに鳴り、そのわずかな音が、せわしない駅構内のざわめきと奇妙に調和していた。 ひと口含んだ瞬間、僕は思わず目を細めてしまった。 アイスコーヒーというのは時に苦味だけが立ちすぎたり、水っぽくなったりと、期待を裏切ることもある。しかしこの一杯は違った。 最初のアタックはしっかりとした苦味。だが、その奥に柔らかな甘みが潜んでいて、冷たさの中にも温度を感じさせる。まるで、長い旅の途中でふと見つけた小さな灯りに近づくような、安心感のある味わいだ。 駅の喧騒が少しずつ遠のき、目の前の一杯だけがやけに静かに感じられる。 コーヒーが美味いというのは、味そのものだけではなく、その一杯が自分にどんな“景色”を与えてくれるかだと僕は思っている。 このアイスコーヒーには、余計な自己主張がない。だが、飲み進めるほどに、じんわりと胸の奥に残る余韻がある。 常陸野ブルーイングといえばビールの印象が強いが、ここまでコーヒーで魅せてくるとは想定外だった。焙煎の香りが氷の冷たさに封じ込められているのか、飲むたびに鼻の奥へ抜ける香りの筋が、どこか上質なカカオのような丸みを帯びている。 アイスコーヒーでこの余韻は、正直“めちゃくちゃうまい”のひと言に尽きる。 品川の駅ナカは便利だが、落ち着ける場所を見つけるのは難しい。 それでも、このカウンターに腰を下ろした瞬間だけは、まるで旅の途中にできた“港”のような静けさがあった。 外では足早にサラリーマンが通り過ぎ、スーツケースを引く観光客の車輪が床を滑る音が響く。その騒がしさを背にしながら、この一杯に向き合う時間は、ほんの数分なのに不思議と豊かだった。 氷が少し溶けて味が変わっていくのを楽しむ。 最初の力強さから、やわらかい甘苦さへ。 どこか人間関係にも似ている。出会ってすぐはお互いの輪郭ばかりが見えて、強さと弱さが混ざり合う前に判断してしまいがちだ。しかし時間がたつと、内側のやさしさや、相性の良さが見えてくる。 このアイスコーヒーは、それをゆっくりと教えてくれた。 やがて最後のひと口を飲み干す頃、僕は気づいた。 時間待ち、という半端な時間にこそ、自分を整えてくれる飲み物が必要なのだと。 そして今日は、この一杯が僕の旅の相棒になった。 常陸野ブルーイング品川。 ビールを飲むための場所だと思っていたが、こうしてアイスコーヒーと向き合うと、新しい表情を見せてくれる。 駅ナカという日常の風景の中に、ひっそりと潜む“旅の入口”。 そんな場所で飲むコーヒーが、ここまで美味しいとは思わなかった。 今日のコーヒーは、ただの飲み物ではなく、品川で過ごした数分を確かに刻む、旅の一部だった。

2025/12訪問

1回

むさしの森珈琲 松戸新田店

松戸新田、上本郷、みのり台/カフェ、喫茶店

3.13

112

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:3.9

朝の光がやわらかく差し込む松戸の街に、少し早めに着いた。クルマを停めたのは「むさしの森珈琲 松戸新田店」。国道沿いの喧騒をほんの少し奥に入るだけで、ふっと空気が変わる。白い外壁と木のぬくもりを活かした建物は、まるで郊外の別荘のような趣がある。ドアを開けた瞬間に広がるのは、焙煎豆の深い香りと、木目調の内装が生み出す柔らかな空気感。朝から仕事の打ち合わせには、こういう場所がちょうどいい。 店内は天井が高く、開放感がある。広めのテーブル席がゆったりと配置され、隣との距離がほどよく保たれているので、声を潜めなくても気兼ねなく話ができる。カフェ特有のざわめきはあるが、それが妙に心地よいバックグラウンドミュージックになっていた。打ち合わせ相手が来る前に、まずは一息つこうとアイスコーヒーを注文する。グラスに入った黒い液体が、陽の光を受けて微かに透ける。その姿は、まるで研ぎ澄まされた墨のよう。ひと口含むと、深煎り特有の苦味が舌に広がり、その奥から爽やかな酸味が追いかけてくる。冷たさと香りが喉を通り抜けると、不思議と頭の中の靄が晴れていく。打ち合わせ前の準備には、こういう一杯が何よりも効く。 ほどなくして、相手も到着。注文したのは「卵とベーコンのサンドウィッチ」。むさしの森の定番メニューのひとつだ。しばらくして運ばれてきたプレートには、ふんわりと焼かれたパンの間から、とろりとした卵とカリッと焼かれたベーコンが顔を覗かせている。見た目はシンプルだが、こういう料理ほど、店の力量が問われる。手に取ると、パンの表面は軽くトーストされていて指先にほんのり温かい。ひと口かじると、ベーコンの香ばしさが先に立ち、すぐに卵の優しい甘さと絡み合う。噛むごとにパンのふわりとした食感が全体を包み込んでいく。奇をてらわない、しかし丁寧に作られた一皿。どこか懐かしく、落ち着いた味わいだった。 打ち合わせは、コーヒーの香りに包まれながら淡々と進んでいった。ビジネスの話というよりは、これからの方向性を一緒に描いていくような、柔らかい時間だった。窓の外には秋の陽射しが差し込み、通りを行き交う車の音が遠くに響く。都会のカフェにはない、郊外ならではの余白がここにはある。時間がゆっくりと流れ、話のテンポも自然と穏やかになる。 食事を終えたあとも、アイスコーヒーを少しずつ飲みながら、資料を広げ、次の予定を確認する。スタッフの接客も控えめで、こちらの空気を壊さない距離感が心地よい。長居しても嫌な顔をされることはなく、むしろ「ゆっくりどうぞ」という雰囲気が漂っている。 「むさしの森珈琲 松戸新田店」は、ただコーヒーを飲む場所ではなく、「考える時間」や「話す時間」を静かに包み込んでくれる空間だ。ビジネスの打ち合わせにも、ひとりで文章を書きたいときにも、ぴったりの場所。ここで過ごす朝のひとときは、どこか旅先のロッジにでも迷い込んだような、不思議な充足感を残してくれる。

2025/10訪問

1回

スターバックス コーヒー LINKS UMEDA 2階店

大阪梅田(阪急)、梅田、大阪/カフェ

3.14

124

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.9

梅田の街を歩くと、常にどこか「加速する都市」の鼓動を感じる。その中心にそびえるLINKS UMEDAのビルは、まさに現代都市の象徴だ。ガラス張りの外観が空を映し、行き交う人々の姿を取り込みながら、日々の営みを静かに包み込んでいる。その2階にあるスターバックスは、ただのカフェではなく、都市生活者の拠点であり、呼吸のような存在だと気づかされる。 僕が訪れたのは午後の少し疲れを感じる時間帯だった。一人でふらりと立ち寄り、二杯目のアイスコーヒーを注文する。レシートを差し出すと、スタッフはにこやかに「ワンモアコーヒーですね」と答えてくれる。その瞬間、都市の雑踏に紛れていた自分が、どこか温かな場所へ迎え入れられたような気持ちになる。トールサイズで190円。これほどまでに「お得」という言葉が腑に落ちる瞬間は少ない。 受け取ったグラスは、透き通る氷の奥で漆黒の液体が揺らめき、光を反射しながら美しいコントラストを描いている。一口含むと、心地よい苦味が舌を撫で、喉を駆け抜ける。決して重たくなく、むしろすっと染み渡るような軽快さを持っている。朝に飲む一杯とは違い、二杯目のアイスコーヒーは「都会の午後をリセットする役割」を担っているように思えた。 LINKS UMEDA 2階店の魅力は、やはりその空間にある。高い天井と大きな窓が開放感を与え、差し込む光がテーブルの木目を柔らかく照らしている。店内にはビジネスマン、学生、観光客が入り混じり、それぞれが思い思いの時間を過ごしている。ノートPCを広げる者、友人と談笑する者、ただコーヒー片手に窓の外を眺める者。多様な人々を受け入れるこの懐の深さこそ、スターバックスの真骨頂だろう。 一人で座っていると、周囲の会話が断片的に耳に入ってくる。ビジネスの商談、旅行の計画、試験勉強の悩み。どれもがこの都市の一部であり、同じ空間を共有している。その喧噪をBGMのように受け止めながら、氷の溶けていく音を聞いていると、時間が緩やかに流れていくのを感じる。 この店のオシャレさは、単なるデザインやインテリアの問題ではない。空間全体が「梅田」という街の先進性を体現しているのだ。古い梅田の街並みが再開発で姿を変える中、このスタバはその象徴の一つとして存在している。ここで飲むコーヒーは、ただの飲み物ではなく、都市の鼓動そのものを味わっているような感覚を与えてくれる。 二杯目のアイスコーヒーを飲み干すころ、グラスの底に残った氷が小さく音を立てて崩れた。その透明な響きが、自分の中の疲れを洗い流していく。190円という小さな贅沢が、これほどまでに心を満たすのかと、改めて思う。 ──スターバックス コーヒー LINKS UMEDA 2階店。ここはただのカフェではなく、都市の一部であり、自分を整える場所だ。二杯目のアイスコーヒーが、都会を生きる僕に与えてくれたのは、値段以上の価値だった。

2025/09訪問

1回

スターバックスコーヒー 四ツ橋店

四ツ橋、心斎橋、西大橋/カフェ

3.11

103

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.8

四ツ橋の朝は、都会のざわめきがまだ完全に目を覚ましきらない、独特の静けさと緊張感が入り混じった時間帯だ。その空気の中で僕はふらりとスターバックスコーヒー四ツ橋店の扉を押した。ガラス越しに差し込む朝の光は、すでにオフィスへ急ぐ人々の影を細長く伸ばし、店内のテーブルや椅子を淡く照らしていた。朝のスタバには、夜とはまた違う独特の空気が漂っている。慌ただしくコーヒーをテイクアウトする人々と、ノートパソコンを広げて一日の始まりを整える人々。そのどちらにも属さず、ただ朝の一杯を楽しむことに集中できる空間がここにはある。 僕が選んだのはアイスコーヒーだ。シンプルで、どこにでもある飲み物のはずなのに、スタバのそれは不思議と都会的で洗練された表情を持っている。氷がカランと音を立て、黒い液体がグラスの中で深く沈んでいく瞬間、背筋が伸びるような爽快さを覚える。口に含むと、焙煎豆の香ばしさとほろ苦さが舌の上を滑り、胃の奥にすとんと落ちていく。その余韻は決して重たくなく、むしろ朝の思考を研ぎ澄ますように軽やかで透明感があった。 スタバの魅力は味だけではない。カップを片手に、ふと周囲を眺めれば、そこに流れるのは多様な人々の人生の断片だ。出勤前にスーツ姿で打ち合わせの資料を広げる男、英語の教科書をめくる学生、そしてただ窓辺でぼんやりと人の流れを眺める老紳士。四ツ橋という街の顔がそのまま切り取られたかのように、店内には濃淡さまざまな人間模様が集まっていた。カフェとは、単にコーヒーを味わう場所ではなく、都市の呼吸を感じ取るセンサーのような存在だと、この場所に座るたびに思う。 インテリアはウッド調で、柔らかな照明が落ち着きを演出している。派手さはなく、むしろ日常に寄り添う親密さが漂う空間だ。それでいて、座席のレイアウトや音楽のセレクトには確かな洗練があり、どの席に座っても自分の時間に浸れる余白が残されている。まるで都会の雑踏の中にある小さな避難所のようだ。アイスコーヒーをひと口含みながら、目の前に広がるその雰囲気に身を委ねていると、心が少しずつ整っていくのを感じる。 僕が気に入っているのは、ここにいると「時間を奪われる感覚」がないことだ。駅前の喧噪やオフィス街の早足なリズムとは一線を画し、この店内だけはゆったりとした時が流れている。隣のテーブルで交わされる会話が耳に入っても、不思議と邪魔にはならない。むしろ、その断片が自分の物語の一部に溶け込むような気さえする。 都会で生きるということは、常に加速し続ける流れに身を置くことだ。だが、その流れに飲み込まれる前に、こうした一杯のコーヒーが自分を救ってくれる。スターバックス四ツ橋店で飲む朝のアイスコーヒーは、ただのカフェイン摂取ではなく、都会を生き抜くための「心の呼吸」だ。 一日の始まりに、この場所でグラスを傾けること。それは自分にとって、小さな儀式のような意味を持っている。外の街がどれほど慌ただしくても、ここで味わうひとときがある限り、僕はまた歩き出せる。 ──朝の四ツ橋に、スタバのアイスコーヒー。これ以上の贅沢を、僕は知らない。

2025/09訪問

1回

スターバックスコーヒー 上野恩賜公園店

上野、京成上野、鶯谷/カフェ

3.27

362

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.8

上野の街を抜け、公園の緑の中へと足を踏み入れると、そこに忽然と現れるガラス張りの建物がある。スターバックスコーヒー 上野恩賜公園店。ビジネスの待ち合わせ場所として選んだのだが、ここはただの喫茶ではない。日本にいながらにして、まるで異国のリゾートに迷い込んだかのような錯覚を覚える。 テラス席に腰を下ろすと、蝉時雨と子どもたちの笑い声が遠くで混じり合い、それが一種の音楽のように耳に響いてくる。目の前には広がる緑の海。風に揺れる木々のざわめきが、まるで旅先の午後を告げる合図のようだった。ここで飲むアイスコーヒーは、街角のスターバックスで味わうそれとは違う。グラスに滴る水滴すら、旅情を帯びて見えるのだ。 氷で冷やされた深煎りのコーヒーは、一口含んだ瞬間に舌に鋭く刺さる苦味を放つ。しかし、それは嫌味ではない。むしろ都会で疲れた神経を一気に覚醒させるような力を持っている。喉を滑り落ちていく瞬間、体の隅々にまで冷たさが染み渡り、胃の底に重く心地よく沈んでいく。その感覚は、旅の途中で飲む一杯の水のように、無条件にうまい。 ビジネスパートナーと交わす会話は、いつもの会議室とは違った響きを帯びていた。ここでは声を張り上げる必要もなく、互いの言葉が自然と緑に吸い込まれていく。肩に力が入らず、素直に未来の話を描けるのは、この場所が持つ不思議な開放感のおかげだろう。 ふと目を上げると、外国人観光客が木陰のテーブルでくつろぎ、日本人の家族連れがベビーカーを押しながら散歩している。そんな光景を眺めていると、ここが東京であることを忘れてしまう。たしかに、街の雑踏からわずか数分の距離にありながら、この店は異国の空気を漂わせている。コーヒー一杯で世界が広がる場所など、そう多くはない。 アイスコーヒーを飲み干した時、氷がカランと音を立てた。その響きが、次の打ち合わせへ向かう自分の背中を軽く押したような気がした。味わいの深さもさることながら、この店は「時間の質」を変えてしまう。仕事と旅の境界線を曖昧にし、都会の中心でありながら心を遠くへ連れ去ってくれる。 上野恩賜公園の緑に包まれて飲む一杯のアイスコーヒー。その体験は、ただの喉の渇きを癒す以上のものだった。日常の延長線上にありながら、確かに「旅の一場面」と呼べる瞬間がここにある。 1500字に達するほど、ただ一杯のコーヒーが語りかけてくる。それがスターバックス上野恩賜公園店の魔力であり、沢木耕太郎が好む「旅の記憶」として刻まれるにふさわしい一瞬だった。

2025/08訪問

1回

BECK'S COFFEE SHOP 池袋メトロポリタン口店

池袋、東池袋、都電雑司ケ谷/カフェ、喫茶店

3.06

41

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.7

’S COFFEE SHOP 池袋メトロポリタン口店 – 時間の狭間に沈む、黒い静寂の余韻 池袋という街は、いつでも人が流れ、ざわめきが立ち上がる。 それはまるで海辺の波の音のように、ひとときを置いては寄せて返す。 そんな都市のうねりを背に、私は丸の内線のメトロポリタン口を出たあと、 ほんの少しだけ時間を持て余していた。 約束までの空白。 日常の旅路の中で、不意に訪れる“間”のような時間だ。 そんなとき、視界に入ったのが BECK’S COFFEE SHOP 池袋メトロポリタン口店 だった。 駅の喧噪を一枚のガラス越しに遠ざけるように、 ここには落ち着きと、どこか鉄道旅の香りが漂っている。 JR 構内のコーヒースタンドは数あれど、 この店舗には“旅立ち前の一杯”を提供してきた歴史のようなものが、 薄く、しかし確かに滲み出ている。 ドアをくぐると、コーヒー豆の香りがゆっくりと胸の奥へ降りてくる。 客席は広すぎず、狭すぎず、都会のカフェとしては程よい密度だ。 窓際に腰を下ろすと、外を歩く人々の影が、 まるで映画のワンシーンのように滑っていった。 その流れとは対照的に、店内には小さな静寂があった。 私はコーヒーを注文するでもなく、 無性に「黒いもの」が食べたくなった。 旅先で、ふとした衝動に従ってみるのも悪くない。 そして手にしたのが、コーヒーゼリー だった。 透明のカップに沈む黒い塊は、 まるで時間そのものを閉じ込めたように静かだ。 スプーンを入れると、かすかな抵抗のあと、 ぷるりと震えるように形を変える。 その質感には、どこか懐かしさがある。 甘すぎず、苦すぎず、 コーヒーの香りがほのかに立ち上がる控えめな味わいだ。 口に運ぶと、ひんやりとした冷たさが、 今日の歩き疲れた身体に優しく染み込んでいく。 ゼリーそのものは軽やかだが、 その奥には微かなほろ苦さがあって、 それが余韻として長く残る。 まるで都会の片隅で見つけた、ささやかな休息のようだ。 客席の向こうで、スーツ姿の男性が静かに新聞を読み、 若い女性がスマートフォンを覗き込みながら微笑んでいる。 彼らそれぞれの人生が、この小さなコーヒースタンドで一時だけ交差する。 そんな瞬間を眺めていると、 “カフェとは時間を飲む場所なのだ”と、 静かに感じさせられる。 窓の外では人々がせわしなく行き交う。 しかし店内にいると、その喧噪はどこか遠い国の出来事のようだ。 カップの底に残ったわずかなゼリーをすくい上げながら、 私はその黒い静寂をもう一度だけ味わった。 そして思う。 旅は、遠くへ行くことだけを意味しない。 ほんの少し立ち止まり、 心に余白を作ることもまた、旅のかたちだと。 BECK’S のコーヒーゼリーは、 そんな “小さな旅” の入口としては十分すぎるほどの味わいだった。

2025/12訪問

1回

コーヒーラウンジ マウナケア

品川、北品川、高輪台/カフェ、パン、ケーキ

3.55

286

¥2,000~¥2,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:3.6

――コーヒーラウンジ マウナケア。品川プリンスホテルの2階。煌びやかなホテルの喧騒をひとつ階段で上がっただけで、そこには別世界のような静けさが広がっていた。 重厚なカーペットの感触と、窓越しに差し込むやわらかな午後の光。その中で、グラスに満たされたアイスコーヒーが、まるで時を冷やしているかのように静かに揺れていた。 打ち合わせは、言葉と言葉のあいだに沈黙を置きながら進んでいく。その沈黙が、このラウンジの空気にうまく溶け込んでいた。時折、氷がカランと鳴り、場の空気をやさしくほぐしてくれる。 品川という街は、移動の拠点であり、出発点であり、ある種の別れの場所でもある。だがこの場所では、そうした流動の風景が、一時だけ止まって見える。不思議な静止画のようだった。 打ち合わせの終盤、アイスコーヒーの最後の一口を喉に流し込みながら、ふと思う。この場所で交わされた言葉たちは、どこか遠くへと向かう準備をしているのかもしれない。品川という都市の“通過点”に、ほんのわずかな“滞在”の価値を与えてくれる場所。それが、マウナケアだった。

1回

銀座珈琲店 銀座数寄屋橋店

銀座、有楽町、銀座一丁目/カフェ

3.56

572

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

夜の点数:3.6

夜の帳が銀座の街をゆっくりと包み込むころ、私は一人、重たい扉を押し開けた。そこは――銀座珈琲店 数寄屋橋。 有楽町駅の雑踏を背に、私は午後6時、つまり18時きっかりにこの店の椅子に腰を下ろした。外はもう薄暗く、ガラス越しに見える街のネオンが、ぼんやりと滲んでいる。そんな景色さえ、この店の静謐な空気の中では、まるで別世界の風景画のように遠く感じられるのだった。 店内は広々としている。114席、ソファ席もあるそのレイアウトは、ただのカフェではない。どこか、秘密結社の集会場か、あるいは陰謀家たちが密談を交わすアジトのような…そんな錯覚さえ覚えた。 打ち合わせの相手が次々と現れる。 ノートパソコンを開く者、分厚い資料を机いっぱいに広げる者、そして静かにメモ帳にペンを走らせる者――。 外では銀座の華やぎが続いているのに、この店の中だけは、まるで時間がゆっくりと逆行しているかのようだった。誰もが低い声で言葉を選び、慎重に議論を進めていく。まるで、一つのミステリーの核心に少しずつ近づいていくような…そんな緊張感があった。 コーヒーカップに残るわずかな苦味、スイーツ皿に残されたパンケーキの欠片、ページをめくる音、グラスに注がれる水の音――すべてが、この夜の「伏線」として、私たちの周囲に散りばめられていく。 ふと、時計を見る。針はすでに9時を回っている。それでも、私たちは席を立つ気配を見せなかった。話題は尽きることなく、次から次へと別の論点が浮かび上がる。まるで、闇の中から新たな謎が一つまた一つと姿を現してくるようだ。 店員たちは、それに気づいているのかいないのか、ただ淡々と、しかしどこか心得たような表情で、静かにコーヒーを運び、グラスの水を補充してくれる。その気遣いの絶妙さが、我々の集中力を一層高めてくれるのだった。 そして気がつけば、店内に残っている客はわずか数組。 最終の閉店時間が近づいていることに、私はようやく気づく。 店内の照明が、ほんの少しだけ暗くなった気がするのは気のせいだろうか。スタッフたちが、静かにフロアを片付けはじめる。その姿を見て、ようやく我々も重い腰を上げることにした。 コートを羽織り、資料をまとめ、残ったコーヒーを最後の一口、ゆっくりと飲み干す。口の中に広がるわずかな苦味が、今日一日の知的な戦いの余韻のように感じられた。 店を出ると、銀座の街はすでに夜更けの静寂に包まれていた。煌々としたネオンも、どこか眠そうに瞬いている。 私は駅へと続く道を歩きながら、心の中でこう呟いた。 「またここで、続きを話そう」 この銀座珈琲店――まるで一夜限りの探偵事務所のように、私たちの打ち合わせを優しく、しかしどこか秘密めいて包み込んでくれた場所だった。

2025/06訪問

1回

BERG

カフェ EAST 百名店 2025 選出店

食べログ カフェ EAST 百名店 2025 選出店

BERG

新宿、新宿西口、新宿三丁目/カフェ、ビアバー、パン

3.73

2622

¥1,000~¥1,999

~¥999

定休日
-

昼の点数:3.5

新宿駅という街は、地上に出る前からすでに物語が始まっている。 人の流れ、靴音、立ち止まることを許さない空気。その地下で、ほんのわずかな隙間のように息ができる場所がある。BERGだ。 朝の時間帯、エスカレーターを降りきる前からコーヒーの匂いが鼻をかすめる。ああ、今日はここでいい。そう思わせる力が、この店にはある。 観光地でもなく、映えるわけでもない。ただ「ここにあるべき店」として、ずっと新宿の地下に居座っている。 トレイに載せられたモーニングは、実に簡潔だ。 こんがりと焼かれたトースト。余計な主張をしない厚み。 ポテトサラダは、丸く、無口に皿の中央に鎮座している。 ゆで卵は、殻をまとったまま、こちらの手を待つ。 コーンとレタスが、朝という時間帯の良心のように添えられている。 派手さはない。 だが、この「何も足さない感じ」がいい。 トーストをひと口かじると、表面の香ばしさの奥に、ちゃんと小麦の甘さが残っている。焼きすぎない判断。急がせない仕事。 新宿という街で、これはなかなか難しい。 ポテトサラダは、家庭的すぎず、業務的すぎず。 ほんの少しだけ酸味が立っていて、朝の口の中を目覚めさせる。 レタスはシャキッと音を立て、コーンは甘い。 これでいい、と思わせる。むしろ、これ以上はいらない。 ゆで卵の殻を割る瞬間が、個人的に好きだ。 指先に伝わる軽い抵抗と、割れた瞬間の静かな達成感。 黄身はきちんと火が入り、白身は無言で支えている。 朝という時間帯に、これ以上の説明は必要ない。 アイスコーヒーをひと口飲む。 苦味はあるが、角は立っていない。 目が覚めるというより、「気持ちを整える」ための味だ。 店内を見渡すと、年齢も職業もバラバラな人たちが、それぞれの朝を過ごしている。 新聞を読む人、スマホを見つめる人、黙ってコーヒーだけ飲む人。 誰も会話を求めていないが、孤独でもない。 この距離感が、BERGの最大の魅力かもしれない。 新宿は、強い街だ。 スピードも、情報も、欲望も、すべてが過剰だ。 その地下で、こうして静かに朝を迎えられる場所があることに、少し救われる。 食べ終えてトレイを返す頃、身体はちゃんと目覚めている。 でも、気持ちは急かされていない。 この「ちょうどよさ」が、何よりも贅沢だ。 BERGのモーニングは、特別な朝のためのものじゃない。 むしろ、何でもない一日を、何でもなく始めるための食事だ。 それがどれほど貴重かは、新宿という街を知っている人ほど、よくわかるだろう。 また来よう。 そう思わせる理由は、味でも値段でもない。 ここで朝を過ごした、という記憶そのものだ。

2025/12訪問

1回

ミスタードーナツ 東中野ショップ

東中野、落合、中井/ドーナツ、カフェ

3.08

75

~¥999

~¥999

定休日
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昼の点数:3.5

陽だまりの中で相棒と過ごす、静かな午後の時間** 東中野の駅を出て、ふと風が止んだ。 冬の陽射しはやわらかく、街の喧騒を薄く覆うフィルムのように 時間の輪郭までゆっくりと溶かしていく。 そんな中、相棒と足を止めたのが **「ミスタードーナツ 東中野ショップ」**だった。 この店には、華美な装飾も、特別に磨かれたテーブルもない。 しかし、旅人がふと腰を降ろしたくなるような、 肩の力を抜かせてくれる空気がある。 沢木耕太郎がもしこの街を歩いていたなら、 きっと同じようにこのガラス越しの陽射しに誘われて 入っていたかもしれない。 席に着くと同時に、 僕と相棒の前に置かれたのは、 エンゼルクリームと、氷が涼しく響く二つのアイスコーヒー。 エンゼルクリームは、ミスドの定番でありながら、 その「定番」という言葉を越えた存在感を持っている。 まるで昔からの友人に会ったような安心感。 ひとくちかじれば、外側のふわりとした生地が ほのかに甘い粉糖と混ざり合い、 その奥から、これ以上ないほどやさしいクリームが 静かに流れ出す。 クリームは決して押しつけがましくはない。 舌の上でふわりと消えていく、その一瞬の幸福感。 旅の途中で偶然見つけた温泉のような、 身体の芯まで溶けていくような感覚がある。 エンゼルクリームは“最高”と言葉で片づけるには惜しい。 しかし、最高という言葉の原点には 案外こんな素朴な味わいが横たわっているのかもしれない。 アイスコーヒーのグラスは、陽光に照らされて輝き、 氷がときどき小さく音を立てる。 その透明な音は、交わした言葉よりも雄弁で、 僕たちが“いま、ここ”にいるという事実を 何度も静かに確かめてくれる。 隣に座る相棒が、ゆっくりとコーヒーを飲んだ。 その仕草ひとつに、 “日々の戦いの手を、ほんの少しだけ止めた男の時間”が滲む。 東中野の街を行き交う人々を横目に、 ふたりだけの旅が、ほんの短い距離ではあるけれど 確かにそこに存在していた。 ミスタードーナツの魅力は、 決して味だけにあるのではない。 気負わず、飾らず、 まるで旅の途中に戻ってきた故郷の台所のような、 「ちょうどいい場所」にしてくれることにある。 エンゼルクリームを食べ、アイスコーヒーを飲み干した頃には、 外の陽射しが少しだけ角度を変えていた。 ふたり分のグラスの結露が、 まるで午後の風が残したメッセージのように テーブルに小さな跡を残している。 旅とは遠くへ向かうものだけじゃない。 ひとときの休息の中に、 自分を取り戻す時間があるなら、 それもまた立派な旅路だ。 ミスタードーナツ 東中野ショップ。 ここで過ごした短い時間は、 華やかな日常にはない、静かな物語を そっと僕らの背中に書き加えてくれた。

2025/11訪問

1回

NEW YORKER’S Cafe  新橋汐留口駅前店

新橋、汐留、内幸町/カフェ

3.26

44

~¥999

~¥999

定休日
-

昼の点数:3.5

駅前の喧騒を背に、強い日差しを避けるようにして歩を進めた先に、その店はあった。 NEW YORKER’S Cafe――新橋汐留口。 ガラス越しに覗く店内には、真夏の陽光を避けるように涼を求めた人々が、ひっそりと椅子に腰を沈めていた。 僕はドアを押し、奥の壁際の席に腰を下ろす。 注文したのは、アイスカフェ・オ・レと、イチゴのドーナツ。 炎天下を歩いた身体には、そのひんやりとした響きが、なによりも魅力的に感じられた。 ほどなくして運ばれてきたグラスの中、ミルクとコーヒーがまだ完全には溶け合っていない。 ストローで静かにかき回し、ひと口含む。 冷たさが喉を駆け抜け、ミルクの柔らかさとコーヒーの苦みが、暑さで乾いた感覚をそっと潤していく。 まるで、都会の真ん中に突然現れたオアシスのような味わいだった。 イチゴのドーナツに手を伸ばす。 ピンク色のシュガーコーティングが施されたそれは、夏の陽射しにわずかに照らされて、どこか瑞々しく見えた。 ひと口噛むと、甘酸っぱい香りが広がり、揚げ生地の油とともに、子供の頃の遠い夏の日を思い出させる。 窓の外では、陽光を反射して白く輝くアスファルトの上を、人々が忙しなく行き交っている。 それでも、この小さな喫茶店の一角には、どこか違うリズムの時間が流れていた。 東京の夏の朝。 強い日差しに包まれながらも、心の奥に静かな風が吹いた、そんなひとときだった。

2025/08訪問

1回

Time is Curry シャポー市川店

市川、市川真間、国府台/カレー、カフェ

3.38

138

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:3.5

灼けつくような陽射しが、駅前のアスファルトに容赦なく突き刺さる。市川の午後。ふと足が向いたのは、シャポーの地下、通路の奥にひっそりと暖簾を掲げる「Time is Curry」だった。  いつもならスパイスの香りだけで満ち足りるのだが、この日は違った。胃の奥に確かな渇きがあった。ハンバーグカレー。メニューに目を落とした瞬間、それは一切の迷いを打ち消していた。  ほどなくして運ばれてきた皿からは、蒸気が立ち昇り、スパイスの奔流が鼻腔を駆け抜ける。そして、中央に鎮座するハンバーグ。厚みがあり、ナイフを入れると肉汁が溢れた。それは、まるで炎天下に咲く一輪の花のようだった。  一口、頬張る。辛さのなかにほんのわずかに甘みがあり、それが熱気とともに身体の隅々に染み渡っていく。夏の疲れも、汗ばむシャツも、その瞬間だけはどうでもよくなった。  時間など、どうでもよかった。ただ、スプーンを進めるたびに、心の奥の何かが静かにほぐれていったのだ。 ──Time is Curry。名前の通り、あの一皿に、確かに“時”が宿っていた。

2025/08訪問

1回

スターバックスコーヒー 錦糸町テルミナ2店

錦糸町、住吉/カフェ

3.15

122

~¥999

~¥999

定休日
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昼の点数:3.5

錦糸町の朝は、いつもより少しだけ早く、少しだけ静かに始まった。 駅の改札を抜け、雑踏を縫うように歩いて、テルミナ2のスターバックスに辿り着く。 ガラス越しに差し込む柔らかな陽の光が、店内のテーブルを斜めに照らしていた。 席をひとつ確保して、注文したのは、トールサイズのカフェモカ。 カウンターに置かれたその紙カップを手に取ると、指先に伝わる熱が、 なぜかこの朝を少し特別なものにしてくれる気がした。 一口すすった。 ほろ苦いエスプレッソに、チョコレートの甘さがそっと寄り添う。 その絶妙なバランスが、眠気の残る頭を静かに目覚めさせてゆく。 騒がしい日々の前に訪れる、束の間の静寂。 外では電車の音、人の足音、街の鼓動が確かに動いている。 それでも、この一杯の中にだけは、時間がやわらかく留まっているようだった。 カフェモカを飲み干したとき、ようやく一日が自分の中に流れ始めた気がした。

2025/08訪問

1回

スターバックス コーヒー 横川サービスエリア上り線店

横川/カフェ、パン

3.07

62

~¥999

~¥999

定休日
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昼の点数:3.5

長い道のりの途中、ひととき車を降りた。 上信越道、横川サービスエリアの上り線。風が抜ける丘の上に、見慣れた緑のサイレンス――スターバックスのロゴが、妙に安心感を与えてくれる。 その店のカウンターで注文したのは、アイスカフェモカ。 エスプレッソの苦味に、チョコレートの甘みが絡み合う。だが、ただの甘さではない。どこか都会的で、抑制された苦味が芯を残していた。 プラスチックのカップを手に、テラスの椅子に腰かける。 眼下には、少しずつ暮れ始める空。向こうに浅間のシルエットが溶けていくのを、黙って眺める。 高速道路の旅におけるカフェモカは、目的地とは無関係な時間。 だが、その一杯が、走り続ける理由をふと問い直させてくることがある。 ひと口ごとに、過ぎていった日々と、これから向かう明日が交錯する。 それは旅の中の休憩ではなく、旅そのものだった。

2025/07訪問

1回

プロント 茅場町店

茅場町、水天宮前、日本橋/カフェ、居酒屋

3.08

76

¥2,000~¥2,999

~¥999

定休日
-

夜の点数:3.5

茅場町――それは昼間には冷たい数字とプレッシャーが渦巻く、東京金融の心臓部。 しかし夜になると、その風景は一変する。ネクタイを緩めた男たちが、ほの暗いバーの灯りに吸い寄せられるように集まってくる。 私もその一人だった。 ドアを開けた瞬間、薄暗い照明と、微かにウイスキーと古い木の匂いが鼻をつく。 この夜、私は「STOCK PICKERS」ではなく、茅場町の小さな投資家バーにいた。 店の名はあえて伏せよう。なぜなら、あまりにも居心地が良すぎて、できればこの空間は自分だけの秘密にしておきたいからだ。 カウンターには、スーツ姿の男たちが何人か腰掛けている。 誰もがスマホの株価アプリを開き、赤と緑の数字をにらんでいるかと思えば、 隣では静かにバーボンを傾けながら、今日の損切りについてぼやく男もいる。 「いやぁ、今日はグロース系が総崩れでさ…」 そんなぼやき声が、氷の溶ける音とともにカウンターを滑っていく。 私はバーテンダーにハイボールを頼む。 シュワッと炭酸のはじける音が、今日の負け分を少しだけ忘れさせてくれる。 グラスを握る手には、どこか湿り気がある。 それが汗なのか、焦燥なのか、もはやわからない。 ふと隣を見ると、一人の男が静かにスマホをスクロールしていた。 その画面には、日経平均、ドル円、そして先物板が映っている。 自然と声をかけてしまう。 「今日、先物きつかったですね…」 その一言がきっかけだった。 彼は振り返り、少し笑って答えた。 「まさか、こんなところで同士に出会えるとは。」 気がつけば、私たちは意気投合していた。 話題は、今日のマーケット状況から始まり、最近の仕手株、短期トレードの極意、はては20日線と60日線のゴールデンクロス談義にまで及んだ。 お互い、どこかで同じ痛みを知っているのだろう。 だからこそ、言葉は少なくても通じ合えた。 彼が笑いながら言う。 「ここ、初めてですか?茅場町に来たなら、こういうバーに一人で入って、隣の奴と友達になるのが正しい過ごし方ですよ。」 その言葉が妙に胸に残った。 周囲を見渡せば、いつの間にか他の客たちも、それぞれ誰かと語り合っている。 損切りの悔しさも、勝ち逃げの誇らしさも、すべてを酒に流し込むように。 この街には、昼の顔とは別の「投資家の夜」が確かに存在する。 グラスが空になる頃、私は彼とSNSを交換した。 次回はまた、ここで会おう、と約束もないまま、自然とそんな雰囲気になった。 夜風に吹かれながら、私はスマホを開き、ふと明日の寄り付き価格をチェックする。 数字は冷たく無機質で、それなのに、今夜の私はどこか温かい気持ちだった。 茅場町の夜は、今日もまた、誰かの損益と友情を孕みながら、静かに深く沈んでいく――。

2025/07訪問

1回

いちCafe

北国分、秋山、矢切/カフェ

3.36

101

~¥999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.5

千葉県市川市、道の駅いちかわの中にある「いちCafe」。この場所に通うようになって、もう数ヶ月。今では週に3回は足を運ぶ、まさに“自分の居場所”のような存在です。 まず、このカフェの最大の魅力はその居心地の良さ。大きな窓から自然光が差し込み、天井も高く、空間が広々としていて圧迫感がありません。カウンター席、テーブル席、そしてソファ席まであり、気分や用途によって選べるのが嬉しいところです。平日の日中は比較的空いていて、静かに過ごせるので、ちょっとした気分転換や作業にもぴったりです。 電源も一部の席に設置されており、ノートパソコンを使っての作業が可能。ただし、すべての席にあるわけではないので、電源を使いたいときは早めに行くか、スタッフに確認して座席を選ぶ必要があります。Wi-Fiは無料で使え、通信も安定していて、メールチェックやリモートワークには十分な環境です。 そんな「いちCafe」で私のお気に入りは、サーモンを挟んだパンのランチセット。市川市内の有名パン屋「ピーターパン」や「ボローニャ」の厚切り食パンに、スモークサーモン、シャキッとした野菜、そしてほんのり酸味のあるソースが絶妙にマッチしています。パンのしっとりもちもち感が、サーモンの旨味を引き立てていて、まさに“間違いない”組み合わせです。 食後には、ついつい注文してしまうのが「梨のソフトクリーム」。市川産の梨を使ったソフトで、これが本当に美味しいんです。さっぱりした甘さで、口に入れた瞬間、梨の香りがふわっと広がり、後味もすっきり。暑い日にも、食後のデザートにもぴったりで、今では毎回の楽しみの一つになっています。 スタッフの方々の対応もとても気持ちよく、笑顔で迎えてくれたり、混雑時でも落ち着いた接客で丁寧に対応してくれるのが印象的です。ひとりでふらっと入っても居心地が悪くならないのは、スタッフのこうした配慮があるからこそだと思います。 また、道の駅いちかわという立地も魅力的で、カフェ利用の前後に地元野菜やお土産を見たりするのも楽しみの一つです。ドライブ中に立ち寄るにもぴったりですが、私はむしろ「このカフェのために市川に来ている」と言っても過言ではありません。 「いちCafe」は、食事・スイーツ・空間・接客、どれを取ってもバランスが良く、毎週通いたくなる魅力が詰まった場所。特にサーモンパンのランチと梨ソフトは本当におすすめです。今後も変わらず、週に何度も訪れて、癒しの時間を過ごしたいと思います。

2024/10訪問

1回

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