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これらの口コミは、訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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118 件を表示 18

ワイルドレッドパスタ 新橋店

新橋、内幸町、汐留/パスタ

3.14

37

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:3.9

赤い海のようなパスタの前で、私はひとり立ち止まった。** 新橋という街には、不思議な吸引力がある。どれほど忙しくても、どれほど心がざわついていようとも、ふと立ち寄ればなぜか肩の力が抜けていく。サラリーマンのネクタイの匂い、煙草の残り香、店先に漏れる湯気。そのすべてが、どこか人生の「隙間」を埋めてくれるような気がするのだ。 その日の私は、まるで風に押し出されるようにして新橋の路地へ足を向けた。気づけば、赤い看板が視界に入る。 **「ワイルドレッドパスタ」**──名前だけで胃袋が反応する。 店に入ると、厨房の奥で茹で上がる麺の音、ソースのはぜる音が混ざり合い、まるで小さなライブステージのようだった。カウンターに座ると、明るい声が耳に届く。 小柄な女性店員が、まっすぐな目でこちらを見て「いらっしゃいませ」と微笑んだ。 その笑顔には、都会の喧騒を忘れさせるような温度があった。 注文したのは迷わず、名物の“ワイルドレッド”。 大盛りを頼むあたり、自分でも笑ってしまう。だが、ここではそのくらいの欲張りが似合う気がした。 数分後、目の前に現れた皿を見て、思わず息を呑んだ。 真っ赤なトマトソースの海が、白い皿から溢れんばかりに波打っている。 まるで情熱そのものが盛り付けられたようだった。 中央には、2本の極太ソーセージと、その頂にちょこんと乗ったチェリートマト。 その愛嬌のある姿は、どこか“赤い火山島”を思わせた。 フォークを差し込むと、パスタが重みを帯びて持ち上がる。 麺一本一本がしっかりとソースを吸い込み、食欲を刺激する香りを纏っている。 一口すすれば、トマトの酸味と甘味が舌の上で弾け、隠し味のスパイスが余韻を深くする。 それはただのジャンクな大盛りパスタではない。 「赤い料理への情熱」そのものが、ひとつの味として生きていた。 ソーセージにナイフを入れると、肉汁がじゅわりと溢れ、トマトソースと混ざり合ってさらに濃厚な世界を作り上げる。 二口、三口と進むうちに、気づけば時間の感覚は消えていた。 ただ目の前の皿と、自分の食欲と、店内の熱気だけが存在していた。 ふと顔を上げると、先ほどの女性店員が笑顔で水を足してくれる。 その丁寧で機敏な動きに、私は少しだけ背筋を伸ばした。 気取らないが温かく、そして的確。 新橋のランチの中でも、こういう接客は意外と少ない。 “人がつくる味”とは、料理だけではなく、こういう接客も含まれるのだと改めて感じさせられた。 食べ終わる頃には、店を出る前からもう「また来たい」と思っていた。 大盛りを平らげた満足感と、トマトソースの余韻、そしてあの笑顔。 その三つが、まるでパズルのピースのようにぴたりと心に収まった。 新橋の街に再び足を踏み出したとき、ビルの隙間から冬の光がこぼれていた。 その光は赤いパスタの色と重なり、まるで「ひとりで食べる幸せ」を祝福してくれているようだった。 ワイルドレッドパスタ新橋店。 ここには、ただ腹を満たすだけの料理ではなく、 “少し疲れた大人の午後を救う一皿”があった。

2025/12訪問

1回

洋麺屋五右衛門 新宿サブナード店

新宿西口、西武新宿、新宿/パスタ

3.06

41

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.7

地下街というのは、不思議だ。 太陽の光が届かないはずなのに、人の往来がひときわ明るく感じられる。 新宿サブナードの中央通りを歩いていたら、 鼻先をくすぐるオリーブオイルの香りに、ふっと足が止まった。 それが、洋麺屋五右衛門だった。 昼どきを少し回った頃。 店の外にはサラリーマン、買い物帰りの女性、観光客らしき男女―― いくつもの人生が細い糸のように交わり、ほどけていく。 そのざわめきの中に、私たち四人は混じり合うように席へと案内された。 テーブルの上に置かれた和風柄の皿が、まず目を引く。 五右衛門の象徴ともいえる、あの“日本的な赤と白の意匠”だ。 和の器にパスタを盛りつけるという発想は、 かつてイタリアの風土に憧れ、旅をしていた頃の自分には想像できなかっただろう。 異文化がぶつかり、溶け合い、また別の形として立ちあがる。 それは料理だけでなく、いま私の周りで起きているビジネスの話にもよく似ていた。 最初に届いたのは、 「タコとにんにくのペペロンチーノ」 皿の上で輝くオリーブオイルが、まるで陽光の反射のように見えた。 細めのスパゲティがほどよい硬さで茹でられ、 にんにくの香りと鷹の爪の刺激が、この地下街の空気を一瞬だけイタリアへと変える。 タコが驚くほど柔らかく、噛むたびに潮の香りが滲み出る。 忙しなく動くビジネスマンの時間に、 こうした瞬間の“余白”がどれほど必要なのかを思う。 向かいの同席者が頼んだのは、 「明太子と卵黄の極みクリームパスタ」 中央に据えられた卵黄が鮮やかで、 そのまろやかさを想像するだけで心がほどける。 明太子の塩気と海苔の香り、それを包み込むクリーム。 混ぜ合わせると、一皿の中で日本海と九州とイタリアが静かに出会い、 一つの物語がゆっくりと立ち上がるようだった。 四人でのランチミーティングというのは面白いもので、 料理を前にすると、どんな複雑な話でも不思議と角が取れる。 新しい企画の話、これからの動き、数字の裏側。 言葉にすればシリアスな事柄でさえ、 この店の温度の中では、どこか柔らかく聞こえてくる。 食事が進むにつれて、 誰かの笑い声が、遠くで鳴っているジャズと重なる。 フォークの音が皿を叩く乾いた響きも、 まるでリズムのように心地よい。 五右衛門のパスタは奇抜ではない。 だが、いつ行っても“裏切らない”。 それは、長い旅の途中でふと立ち寄った食堂が、 どこか懐かしい味を出してくれた時のような安堵に似ている。 新宿という混沌の街で、変わらずあり続けること。 そのこと自体が、もう価値なのだろう。 食べ終える頃には、 四人の間に漂っていた固さもすっかり溶けていた。 地下街の照明は変わらず人工的な光を放っているが、 私たちの心はほんの少し明るくなっていた。 店を出るとき、私はふと思った。 パスタというのは、旅とよく似ている。 素材は同じでも、出会う土地と人間によって形が変わる。 今日の一皿も、きっと数年後には違う味として記憶のどこかで再生されるのだろう。 そしてまた、仕事の旅は続いていく。 新宿の地下で食べたパスタの温度だけを胸に残して。

2025/11訪問

1回

サイゼリヤ 市川駅北口店

市川、市川真間、国府台/ファミレス、イタリアン、パスタ

3.03

17

¥1,000~¥1,999

-

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:3.5

夜の市川駅北口。人の流れが落ち着いた時間帯に、僕は仕事仲間とサイゼリヤの扉を押した。 目的は「打ち合わせ」だが、実のところそれだけではない。安いワインを片手に、積み重ねてきた日々を振り返る時間が、僕にはときどき必要なのだ。 店内に足を踏み入れると、あの特有の明るさが迎えてくれる。照明は少し白っぽく、テーブルの木目は軽やかで、学生も家族連れも、会社帰りのサラリーマンも、ここではみな一様にリラックスしている。サイゼリヤという空間は、妙に人間を平等にする力を持っている。 誰もが高級でも安っぽくもなく、ちょうどいい場所にいるような気分にさせるのだ。 グラスワインの赤を頼み、軽く乾杯する。 一本のボトルに換算すれば、千円にも満たないそのワインが、驚くほど舌にしっくりくる。安いからこそ気取らずに飲めるし、飲むほどに語り口もやわらかくなる。仕事の話がいつの間にか人生の話に変わっていくのも、ここではよくあることだ。 仲間の一人がメニューを眺めながら「栄養補強にほうれん草いっとく?」と笑った。 その言葉に頷きながら、僕もほうれん草のソテーを頼む。皿が運ばれてくると、湯気の向こうに、鮮やかな緑が立ちのぼっていた。 オリーブオイルの香りが軽く立ち、ニンニクがほんのりと効いている。派手さはないが、誠実な味だ。 この一皿に、サイゼリヤという店の哲学が凝縮されているように思えた。 「うまい」「安い」「変わらない」――それだけで、どれほど多くの人の胃袋と心を救ってきたことだろう。 打ち合わせの話題は、やがて仕事の方向性から人生のリズムに変わる。 「安定って何だろうな」と誰かがつぶやく。 僕はワインを少し口に含みながら、「サイゼリヤのほうれん草みたいなもんかもな」と答えた。 派手ではないが、確かに体に沁みていく味。日々の中で、静かに自分を整える存在。 そんなものを持っている人こそ、結局は強いのかもしれない。 外では風が冷たくなり始めていた。 グラスの底に残ったワインを飲み干しながら、ふと店内を見回すと、若いカップルがピザを分け合って笑っている。 老夫婦がゆっくりとミラノ風ドリアを味わっている。 誰もが、それぞれの時間をこのテーブルの上で過ごしている。 安いチェーン店のはずなのに、なぜだか少し温かい。 それはたぶん、ここが「日常の延長線上にある幸せ」を映す鏡だからだ。 帰り際、店を出る前にもう一度振り返る。 サイゼリヤの白い灯が、駅前の雑踏の中にぼんやりと滲んでいた。 豪華ではないが、確かに心を休めてくれる場所。 今日のワインも、ほうれん草も、そして会話も、どれも等しく「安定の味」だった。 この店の魅力は、派手さの裏にある静かな確かさだ。 それを理解できる年齢になったことを、少しだけ誇らしく思いながら、僕は夜の市川の風に背中を押されて歩き出した。

2025/11訪問

1回

リーフキッチン

能生/寿司、ピザ、ジェラート・アイスクリーム

3.17

46

-

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.5

海沿いを走っていると、道の脇に小さな看板が目に入った。「リーフキッチン」とある。特別に目立つわけではない、控えめな佇まいのその店名が、なぜか旅人の足を止める魔力を持っていた。車を降りると、潮の香りが強く鼻腔をつき、遠くに広がる水平線が真っすぐに僕を誘う。扉を押し開けると、そこはまるで海と空を切り取ったような、光に満ちたカフェだった。 窓際の席に腰を下ろす。視界いっぱいに広がるのは、どこまでも続く青。波のきらめきが、まるで時間の流れをゆっくりと解きほぐすかのように輝いていた。そんな空間で注文したのは、ソフトクリームとほうじ茶カフェラテ。甘美と渋み、その両極を併せ持つ組み合わせに、この店のセンスが透けて見える。 まず運ばれてきたソフトクリーム。その姿は、白銀の塔を思わせる端正なフォルム。ひと口すくった瞬間、舌の上で滑らかに溶け、濃厚な乳の甘みが全身に広がっていく。単なる甘さではない、牧場の新鮮なミルクを思わせるピュアなコク。夏の陽射しで火照った体に、それはまさに救いのように沁み渡る。窓の外に揺れる水平線の景色と、この冷たさが重なり合うと、ただのソフトクリームが一瞬にして詩的な体験に変わる。 続いて口にしたのは、ほうじ茶カフェラテ。カップから立ちのぼる香ばしい香りが鼻をくすぐる。ほうじ茶特有の焙煎の深みと、エスプレッソの苦味が絶妙に溶け合い、そこにミルクの柔らかさが寄り添っている。ひと口飲めば、心の奥底に静かな温もりが広がっていく。甘やかさではなく、凛とした余韻。それは海の静けさと響き合い、心をゆるやかに揺らす波そのものだった。 ソフトクリームとほうじ茶カフェラテ、冷たさと温もり。この二つを交互に味わうたび、味覚のコントラストが鮮明に浮かび上がる。甘みが全身を包み込み、香ばしさが心を引き締める。その繰り返しは、まるで潮の満ち引きのようで、やがて僕の内側に穏やかなリズムを刻んでいった。 窓越しに眺める水平線は、刻一刻と表情を変えていく。光の加減で青は濃淡を変え、時折吹く風が海面に模様を描く。その景色を前にして口にする甘味と香りは、単なる飲食を超え、五感を解き放つ旅の一場面となる。リーフキッチンが提供しているのは、もはや「メニュー」というより「風景と一体になった体験」そのものなのだ。 気がつけば、ソフトクリームは跡形もなく消え、ラテのカップは温もりだけを残して空になっていた。だが不思議と寂しさはない。むしろ心は満たされ、景色と一緒に味わった時間が深く刻み込まれている。 店を出ると、潮風が頬を撫でた。その瞬間、胸の奥に湧き上がったのは「また来たい」という衝動だった。ただ甘いものを食べに、ただカフェラテを飲みに――ではない。海と空とともに流れる時間を、再びこの場所で味わうために。 リーフキッチン。ここで過ごしたひとときは、旅の途中に差し込む柔らかな光のようだった。食べること、飲むこと、それが風景と溶け合ったとき、記憶は銀河のように無限に広がる。その体験を僕は、きっと何度も思い返すことになるだろう。 ──水平線を眺めながら口にしたソフトクリームとほうじ茶カフェラテ。それはまさしく、海と時間を味わうための最良の組み合わせだった。

2025/08訪問

1回

サイゼリヤ 両国駅前店

両国、浅草橋、東日本橋/ファミレス、イタリアン、パスタ

3.07

67

¥1,000~¥1,999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:3.5

両国の夜は、なぜだか酒が似合う。相撲の街という先入観かもしれないが、このあたりを歩くと、腹の底から湧きあがるような酒気がどこかに漂っている。 三軒目だった。すでにホロ酔いのまま、俺たちは駅前のサイゼリヤに滑り込んだ。チェーン店だからといって侮ってはいけない。旅と同じで、旨いものは肩書きや格式の外にある。 店内は明るくて、どこか非日常を感じさせるイタリア色。だが、その明るさが逆に、深夜の東京に灯った一つの避難所のようでもあった。 「とりあえず、白ワインのデカンタを。」 誰ともなく言い出して、グラスを傾けた。キリリと冷えたワインは、すでに疲れの出始めた身体をふっと軽くさせてくれる。隣で仲間が頼んだ辛味チキンが、意外にもスパイスの輪郭を持って舌を刺激した。 そして定番のミラノ風ドリア。百円台という価格が信じられないほどに、炊きたてのライスとホワイトソースの交わりが絶妙で、三軒目の胃袋をまたもう一段目覚めさせる。 安さは正義じゃない。ただ、ここには“良心”がある。安さの中に、誠実な味と、都会の真夜中を受け止める包容力がある。 それにしても、チェーン居酒屋でも立ち飲みでもない、“サイゼリヤではしご酒”という選択は、どこか背徳的で、どこかロマンチックだ。ワインの残り香を喉に感じながら、また次の店を探す。 ——まだ夜は終わらせたくなかった。

2025/08訪問

1回

マイアミパティオ 新橋駅前店

新橋、内幸町、汐留/イタリアン

3.24

96

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.4

新橋の駅前は、いつだって人と熱気と雑踏で満ちている。 午前と午後の境目が曖昧になるような、そんな時間帯――僕はその喧騒から一歩引いたところにある「マイアミパティオ」へと足を踏み入れた。 ガラス張りの店内は、外の暑さを遮るように冷房がきいていて、椅子に腰を下ろすと、まるで別の国にでも来たような錯覚を覚えた。 目の前には、同じように汗を拭っていた仕事仲間。 互いに言葉少なに手帳を開き、まるで取引の合間に生きるリズムを整えているかのようだった。 注文したのはジンジャーエール。 運ばれてきたグラスの中で、炭酸の泡が絶え間なく立ち上っていた。 ひと口、喉に流し込む。 ピリッとした生姜の刺激が舌を抜け、そのあとにほんのり甘さが追いかけてくる。 ああ、これだ――そう思った。 都会の喧騒の中で、一瞬だけ研ぎ澄まされる感覚。 たかがジンジャーエール、されどジンジャーエール。 この一杯が、今日の打ち合わせを少しだけ柔らかいものにしてくれた気がした。 外では、交差点の信号が変わるたびに、群衆が波のように揺れ動いている。 だが、僕たちの時間は、ここマイアミパティオの中で静かに流れていた。 この街に生きるということは、そんな一瞬の静けさを見つける技術なのかもしれない。

2025/08訪問

1回

大起屋 両国店

両国、森下、蔵前/イタリアン

3.16

30

¥3,000~¥3,999

¥1,000~¥1,999

定休日
日曜日

夜の点数:3.4

両国の静かな通り沿いに佇む「大起屋 両国店」。和風の屋号に、どこか懐かしさを感じつつ足を踏み入れたこの日、私たちは想像を超える“肉の魅力”に出会うことになる。 店内は落ち着いた雰囲気で、木の質感があたたかく、ほどよく灯された照明が心をゆるませる。店のつくりは居酒屋風だが、メニューを開いてまず驚いたのは、そのラインナップの幅広さ。和食に加えて、洋のテイストを取り入れた料理も並び、特に肉料理へのこだわりが伝わってくる構成だった。 この日、私たちがメインにいただいたのは、牛肉を中心としたグリルプレートと、ソーセージの盛り合わせ。いずれもシンプルな見た目ながら、火入れ、香り、味付け、そして付け合わせに至るまで、丁寧な仕事が光っていた。 まず登場したのは牛肉のグリル。鉄板に乗って運ばれてきたそれは、ジュウと音を立てながら香ばしい香りを立ち上らせ、一気に食欲を刺激する。見た目は大胆だが、焼き加減は絶妙。中心はほんのり赤みを残しつつ、表面にはしっかりと焼き目が入り、ナイフを入れた瞬間にジューシーな肉汁が溢れ出す。口に運ぶと、しっとりとした赤身の旨味が広がり、脂の甘みとのバランスも非常に良い。 味付けはシンプルに塩と胡椒をベースとしつつ、添えられたオリジナルのソースをつけることで、また違った表情を楽しめる。ソースは赤ワインベースのような深みがあり、肉の旨味を引き立てつつ、くどくない。付け合わせには香草と一緒に焼かれた野菜が添えられており、肉の重厚さを適度に和らげてくれるのも好印象だった。 次に運ばれてきたのはソーセージの盛り合わせ。こちらも数種類が盛られており、それぞれに異なる食感と風味を楽しむことができる。特に印象的だったのは、粗挽きの肉感がしっかりと感じられるタイプと、ハーブの香りがふわりと立ち上る上品な一本。どちらも焼き加減が非常に良く、表面はカリッと、中はジューシーで旨味が詰まっていた。 ソーセージには粒マスタードが添えられており、味の変化も楽しめる。ビールやハイボールとの相性も良く、肉料理のなかでも、箸休めとしてだけでなく主役としても十分に存在感がある一皿だった。 料理だけでなく、スタッフのサービスも印象に残った。落ち着いた接客ながら、料理の説明は丁寧で、料理を運ぶタイミングやおかわりの声かけなどにも自然な気配りが感じられた。居心地がよく、リラックスした雰囲気の中でゆっくりと食事を楽しむことができた。 今回いただいた牛肉とソーセージの料理は、いずれも素材の良さを生かしたシンプルかつ丁寧な調理が印象的だった。特別な演出をしているわけではないが、一皿一皿に誠実さと確かな技術が感じられ、また訪れたくなる魅力があった。 両国というと和のイメージが強いが、「大起屋 両国店」はその常識を少し心地よく裏切ってくれる一軒。肩肘張らずに、しっかりと美味しい牛肉料理とソーセージを味わいたい夜に、ぜひおすすめしたい店である。

2025/06訪問

1回

1110カフェ/ベーカリー

志茂、川口元郷、赤羽岩淵/カフェ、パン、イタリアン

3.48

147

-

¥1,000~¥1,999

定休日
月曜日

昼の点数:3.4

休日の午後、少し足を伸ばして川口市の「1110 CAFE/BAKERY」へ行ってきました。緑に囲まれた敷地にあるベーカリー&カフェで、静かに過ごせそうな場所だと前から気になっていたんです。 店に着くと、思った以上に開放的で空気がきれい。木々に囲まれたテラス席や芝生のスペースが広がっていて、まるで森の中のカフェに来たような気分になります。建物は古い倉庫をリノベーションしたスタイルで、おしゃれだけど飾りすぎていない、ちょうどいいバランス。雰囲気は文句なしに素敵でした。 今回はパンではなく、あえてランチメニューの「トマトと季節野菜のボロネーゼ風パスタ」を注文しました。動物性の食材を使わずに作られているとは思えないほど、しっかりとした味わい。トマトの酸味と甘み、植物性ミートのコク、そしてごろごろ入った野菜が、もちもちのパスタとよく絡んでいて、とても満足感がありました。彩りも美しくて、目でも楽しめる一皿でした。 ドリンクにはオリジナルのハーブティーを選びました。優しい香りと味わいで、食後にゆったりした時間を過ごすのにぴったりでした。 ただ、ひとつ気になったのは接客。注文時や受け渡しの際に、店員さんがちょっとそっけないというか、淡々とした印象を受けました。忙しかったのかもしれませんが、せっかく素敵な空間なので、もう少しだけ笑顔があれば、もっと温かい気持ちになれたと思います。 それでも、全体的に見れば、自然と調和した空間で、美味しくて身体にやさしい料理をゆっくり楽しめる、貴重なお店だと感じました。ベーカリーの方ではシナモンロールが人気のようだったので、次回はそちらも試してみたいです。 心を整えたいときや、静かに自分の時間を過ごしたいときに、また訪れたくなる場所です。

2025/06訪問

1回

ファーストキッチン 蒲田東口店

蒲田、京急蒲田、蓮沼/ハンバーガー、パスタ

3.06

42

-

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:3.3

時間をつぶす、という行為には二種類あると思っている。 一つは、何かを“やり過ごす”ための時間。 もう一つは、思いがけず自分の内側に静かな余白が生まれる時間だ。 その日の蒲田は、後者だった。 東口を出てすぐの雑踏。昼と夕方の境目、駅前特有の落ち着きのなさの中で、ふと「少し腰を落ち着けたい」と思った。選んだのはファーストキッチン。理由は単純で、近くて、気取らなくて、誰にも気を遣わずに入れる場所だったからだ。 注文したのはホットコーヒーだけ。 ハンバーガーでもポテトでもなく、ただコーヒー。 正直に言えば、期待はしていなかった。 チェーン店のコーヒーは、どこも“無難”で“平均的”。それ以上でもそれ以下でもない、というのがこれまでの経験だった。 だが、ひと口飲んで、少し驚いた。 苦味が立ちすぎず、酸味も控えめ。 舌に残る余韻が穏やかで、喉を通ったあとに変な雑味が残らない。派手さはないが、きちんと「コーヒーとして成立している味」だった。 これは、想定外だった。 窓際の席に腰を下ろし、行き交う人をぼんやり眺める。 急ぐ人、立ち止まる人、スマホに没頭する人。蒲田という街は、どこか人間臭くて、少し肩の力が抜けている。その空気と、このコーヒーの相性が不思議と良かった。 コーヒーを飲みながら考える。 高級なカフェで、こだわり抜いた豆を飲む時間もいい。だが、こうして何の構えもなく入った店で、予想以上に美味しい一杯に出会う瞬間の方が、記憶には残る。 ファーストキッチンは、あくまで日常の中にある場所だ。 特別な体験を売りにしているわけでもないし、雰囲気で魅せる店でもない。それでも、この蒲田東口店には、落ち着いて座れて、ひとりでいても居心地の悪くならない空間があった。 時間は、いつの間にか過ぎていた。 最初は「時間つぶし」のつもりだったのに、気づけば、頭の中が少し整理されている。こういう瞬間は、意図して作れるものではない。偶然と場所と一杯のコーヒーが、たまたま噛み合った結果だ。 派手な料理はない。 映える写真も撮らなかった。 それでも、この日のホットコーヒーは、確かに美味しかった。 蒲田で少し立ち止まりたいとき。 何かを考えたいとき。 あるいは、何も考えずに人の流れを眺めたいとき。 そんなとき、この店はちょうどいい。 評価は星の数では測れない。 だが、また蒲田で時間が空いたら、きっとここに入るだろう。理由は単純だ。 あのホットコーヒーを、もう一度飲みたいから。

1回

オステリア チ ヴェディアーモ

水天宮前、人形町、浜町/イタリアン、カフェ、パスタ

3.43

141

¥5,000~¥5,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:3.3

昼の光がまだ優しく街に差し込む頃、僕は「オステリア チ ヴェディアーモ」の扉を押した。木の質感が心地よく、静かな音楽が流れる店内。カウンター越しに見えるシェフの手元は、リズムを刻むように美しく、ひと皿ひと皿に集中していた。 今日は、女性経営者とのランチミーティング。だが、会話の主題はビジネスだけではなく、生き方そのものにあった。 成功を語るよりも、道のりの険しさや、迷いの瞬間を正直に語る。そんな時間が、なによりも贅沢だと僕は思う。 彼女は穏やかに笑いながらも、目の奥には強い光があった。 「この街で、ちゃんとした店を続けていくって、意外と覚悟がいるんですよ」 その言葉に、僕は頷いた。 経営とは、数字の上だけでは測れない。料理と同じで、素材の見極め、人の気配り、そして何より“空気を読む力”が問われるのだ。 運ばれてきたのは、湯気を立てるパスタ。 一口食べた瞬間、思わず息をのんだ。 アルデンテの歯ざわりと、オリーブオイルの香りが完璧に調和している。 シンプルなのに、なぜか胸の奥を打つ。 「これが、プロの味だ」 思わず口に出た言葉に、彼女は小さく笑った。 「料理も経営も、焦げないように火加減を見るのが大事です」 その比喩があまりに的確で、僕はグラスの水をひと口飲み、ゆっくりと頷いた。 店内にはランチタイム特有のざわめきがあるが、不思議と落ち着く。 白い皿に映えるトマトソースの赤、窓の外の淡い日差し、それらすべてが一枚の絵のように調和していた。 時間を忘れ、気づけば会話は2時間を超えていた。 仕事の話も、人生の話も、結局は同じ線上にある。 人が何を信じ、どう生きるか――それがそのまま、味になるのだ。 食後のコーヒーが出てくる。苦味の奥に、やわらかな甘さ。 心地よい余韻を残しながら、彼女は少し遠くを見て言った。 「こういう時間が、一番贅沢かもしれませんね」 僕も同じ思いだった。 パスタがうまかった、という言葉では足りない。 この一皿には、努力と誇り、そして街の空気が溶け込んでいた。 食事を通して、人を知り、自分を見つめ直す。 そんな体験を与えてくれる店は、そう多くはない。 外に出ると、午後の光が街を照らしていた。 コートの襟を立てながら、僕はもう一度、店の名前を振り返った。 “Ci Vediamo”――イタリア語で「また会いましょう」。 この言葉に、この店のすべてが凝縮されている。 別れ際に交わした笑顔とともに、またここに戻ってきたいと思った。 人生の節目に、誰かと語りたくなる。 そんな時間を受け止めてくれる場所、それがこの店だ。

2025/10訪問

1回

オッティモ・シーフード・ガーデン さくらテラス店

京成上野、上野、上野御徒町/イタリアン、海鮮、ピザ

3.45

261

¥4,000~¥4,999

¥1,000~¥1,999

定休日
-

昼の点数:3.3

東京駅のすぐそば、さくらテラスの一角に佇む「オッティモ・シーフード・ガーデン」。その名の通り、海の恵みを惜しみなく提供してくれる店だ。夜の帳が降り始める頃、僕は女性の仕事のパートナーと共にここを訪れた。食事をしながら、これからの企画や打ち合わせを進める。だが、ただの会食で終わらないのがこの店の魅力だ。料理そのものが、仕事の話を軽やかに弾ませてくれる。 テラス席のガラス越しに街の灯りが滲む。グラスに注がれた白ワインの冷たさが、夏の夜気と絶妙に調和する。その一杯を口に含むと、まるで潮風を浴びているような感覚になる。 メニューを開けば、どれもこれも魚介の名を冠した皿ばかり。だが、僕の視線を釘付けにしたのは「蟹のパスタ」だった。店員に薦められるままに、それをオーダーした。 やがて、深い皿に盛られて運ばれてきたパスタは、赤く濃厚なソースを纏い、殻ごと盛られた蟹が鎮座している。フォークを差し入れると、トマトベースのソースがしっとりと麺に絡み、蟹の旨みを逃さぬように抱き込んでいる。ひと口すすった瞬間、舌にまとわりつく濃密な味わいに思わず息を呑んだ。 蟹の香りは、鼻腔を抜けると同時に記憶を呼び覚ます。子どもの頃、海辺で食べた浜茹での蟹。その甘みと塩気が蘇る。しかし、ここのパスタはただ懐かしさを追うだけではない。イタリア料理の技法をまとい、洗練された形で僕の舌に迫ってくるのだ。濃厚でいてしつこくなく、ソースの酸味が蟹の甘さを引き立て、余韻が長く続く。 隣に座る彼女も一口頬張った瞬間、目を丸くして小さく笑った。その笑みは言葉以上に雄弁で、料理の力を如実に物語っている。仕事の話は一旦脇に置かれ、気づけば僕たちは料理の感想を語り合っていた。 「やばいくらい旨い」という言葉は、こういう時のためにあるのだろう。蟹の旨みは舌に絡みつき、なかなか離れようとしない。ワインを重ねても、まだその余韻が残る。まるで、夜が終わっても忘れられない恋のように。 打ち合わせという名目の食事だったが、帰り際には仕事以上の確かな手応えを感じていた。それは、料理が作り出す空気と、互いの言葉が自然に交わる瞬間があったからだ。 「オッティモ・シーフード・ガーデン」。ここは単なる食事の場ではなく、人と人の距離を縮め、未来の話を具体的に描かせてくれる舞台だ。東京の喧騒の中で、蟹のパスタに舌鼓を打ちながら交わす言葉は、確実に日常を少し変える力を持っている。 また訪れることになるだろう。その時も、きっと蟹のパスタを頼むに違いない。

2025/09訪問

1回

ジョリーパスタ 八柱店

八柱、新八柱、みのり台/ファミレス、パスタ、ピザ

3.04

27

-

¥1,000~¥1,999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

夜の点数:3.3

駅前の喧騒から少し離れたその店に、ぼくたちはふらりと立ち寄った。湿り気を帯びた夕暮れの風が、火照った肌をなでるように抜けていく。まだ冷房の効いた車内の温度が身体に残っていた。 「赤ワインを」と頼んだのは、相棒だった。グラスの向こうに灯る照明が、液体のルビーをゆらめかせる。その光に、ぼくはなぜか昔の恋を思い出していた。 まず運ばれてきたのは、貝のソテー。アサリかムール貝か、そんなことはもうどうでもよくなるほど、ガーリックの香りがふわりと鼻をつき、口の中で旨みが爆ぜた。潮の気配が、遠い海を呼び覚ます。 ローストビーフは薄切りで、それでいて芯に力がある。ソースの酸味と肉の温かみが、冷えた赤ワインと対話を始めた。言葉ではない、記憶と感覚のやり取りだった。 二人とも多くを語らなかったが、グラスが空くたび、何かが確かに満ちていた。 ──八柱の夜は、何も特別なことが起こらなかった。ただ、忘れられない味だけが、ゆっくりと心に沈んでいった。

2025/07訪問

1回

アルマドーレ クリーンスパ市川店

二俣新町、妙典、原木中山/ピザ、パスタ、イタリアン

3.13

23

¥1,000~¥1,999

¥1,000~¥1,999

定休日
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昼の点数:3.3

市川の街にぽっかりと浮かぶように存在する、アルマドーレ クリーンスパ市川店。 この日は朝から身体がだるく、なにかこう、全身の流れをリセットしたい気分だった。思い立って、ひと泳ぎしにこのスパへと足を運んだ。プールで汗と共に滞った感情を流し去ったあとの昼食は、どこか儀式めいて感じられる。 プールサイドからそのまま向かった館内の食事処は、静かで落ち着いた雰囲気だ。大きな窓からは光が差し込み、まるで旅館の食堂のような柔らかな空気が流れている。 僕が選んだのは、「日替わり定食」。この日は鶏の照り焼き定食だった。 皿の上の鶏肉はつややかに輝き、甘辛いタレが照りの奥に深みを見せていた。箸を入れると、皮目は香ばしく、中の身はしっとりと柔らかい。ひとくち口に入れると、タレの甘さと醤油のコクが舌に広がり、それがすっと白飯にバトンを渡す。茶碗を持つ手が止まらない。 付け合わせの小鉢には、出汁の効いたひじき煮。さりげなく添えられた切り干し大根は、噛むたびにじんわりと旨みが染み出てくる。味噌汁はやや甘め、千葉の味とでも言おうか、家庭的な優しさがある。 派手さはない。インスタ映えもしない。けれど、食事とはこういうものだったなと、ふと思い出させてくれる誠実な味だった。 食後にはセルフで淹れる温かいほうじ茶。グラスを手に窓際に座り、泳ぎ疲れた身体をゆっくりと椅子に沈める。遠くからは子どもたちの歓声と、水の跳ねる音がかすかに聞こえてくる。 食堂のスタッフは丁寧で、決して過剰ではない接客も心地よかった。こういう場所に来ると、派手な味や強い演出など必要ないのだと思う。 静けさの中で味わう一膳の飯。それがどれほど贅沢なことかを、ここで思い出させてもらった。 再訪確実。次は風呂上がりにビールと一品料理も試してみたい。

2025/07訪問

1回

プロント 新宿駅東口店

新宿西口、新宿三丁目、新宿/ダイニングバー、居酒屋、イタリアン

3.08

99

¥1,000~¥1,999

~¥999

定休日
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夜の点数:3.2

新宿という街は、いつだって何かを探しながら、何かを見失わせる。 ネオンが滲む夕暮れどき、人の波に流されるようにして、俺はPRONTO新宿駅東口店に辿り着いた。 決して目的地ではなかった。ただ、あの喧騒の中で、少しだけ自分を取り戻したくなっただけだ。 店に足を踏み入れると、コーヒーの香りと人の気配が混ざり合い、外とは別の時間が流れていた。 木目調のテーブル、控えめな照明、ざわめきの向こうに、ひとり分の静寂があった。 俺はその隙間に腰を下ろし、ウーロン茶を注文した。 ウーロン茶──特別な味ではない。 だがこの街のどこかに、何気ないひとときが静かに息づいているという事実が、妙に心を落ち着かせる。 冷たく、ほんのりと渋みを含んだ液体が喉を潤すたび、焦燥がゆっくりと引いていくのが分かった。 隣のテーブルでは、若いサラリーマンがスマホを見つめながら、誰かを待っていた。 その奥では、歳を重ねた女が、誰かとの別れ話をしているようだった。 誰もが何かを抱え、ここにいる──そんな風に見えた。 俺はガラス越しに、駅へと吸い込まれていく人々の背中を眺めた。 この街には出口が多すぎて、本当の“東口”がどこなのか、時々わからなくなる。 けれども確かに、今、俺はここにいて、ただのウーロン茶を飲んでいる。 それだけで十分だった。 旅というほどでもない一日の途中、 PRONTOの一杯が、俺を少しだけ、次の場所へと進ませてくれた。

2025/07訪問

1回

サイゼリヤ 松戸矢切店

矢切/ファミレス、イタリアン、パスタ

3.03

21

-

~¥999

定休日
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夜の点数:3.2

今日は矢切駅の近くにあるサイゼリヤで晩御飯を食べています。駅から歩いてすぐの場所にあり、アクセスもよく、ちょっと食事して帰りたいときにちょうどいい立地です。店内はカジュアルで明るく、気取らずに入れる雰囲気。家族連れや学生さん、一人で来ている人もいて、地域に根付いたお店という感じがします。 この店でまずありがたいのは、やっぱり価格の安さです。特に赤ワインがとてもリーズナブル。グラスワインが110円、デカンタでも200円台という価格設定には毎回驚かされます。安いからといって品質が悪いわけではなく、軽やかで飲みやすく、料理との相性も悪くありません。今日はミラノ風ドリアとほうれん草のソテーを頼んだのですが、これがまた赤ワインとよく合いました。 料理はどれもお手頃価格なのに、味はしっかりしています。ミラノ風ドリアは定番の人気メニューで、いつ食べても安定感があります。とろりとしたホワイトソースと、ほんのり香ばしいチーズの焦げ目が食欲をそそります。これが300円台で食べられるのだから、コスパの高さに感心します。ほうれん草のソテーも、ガーリックの香りがきいていて、付け合わせというよりメインに近い満足感。 他にも小皿料理が充実していて、色々と頼んでちょこちょこつまむ楽しさもあります。特におすすめなのがエスカルゴのオーブン焼き。ガーリックバターの香りがたまらなく、パンを追加してソースをぬぐいながら食べるのが至福の時間です。こういったちょっとした贅沢が、数百円で楽しめるのは本当にありがたい。 スタッフの対応も丁寧で、混雑していてもきちんと目配りされているのが伝わってきます。今日は特に忙しそうでしたが、料理の提供もスムーズで、待たされるストレスはほとんど感じませんでした。店内も清潔に保たれていて、長居していても落ち着ける雰囲気があります。 サイゼリヤは「ファミレス」として分類されますが、一人でもふらっと入りやすく、居心地の良さはチェーン店の中でも群を抜いていると思います。気軽にイタリアンが楽しめて、お財布にも優しい。外食でちょっと一息つきたいときには、本当にありがたい存在です。 矢切駅周辺で手軽に食事を済ませたい人、あるいは軽く一杯飲みたい人にはぴったりのスポットです。気取らず、それでいて満足感のある時間を過ごせる、そんなお店です。赤ワインを片手に、一日の疲れを癒やす晩御飯。今日もいい時間を過ごせました。

2025/06訪問

1回

CAFE DE PAVOT

梅田、大阪梅田(阪神)、大阪梅田(阪急)/カフェ、パスタ

3.13

11

-

~¥999

定休日
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昼の点数:3.0

大阪・梅田。 都市の中心にいながらも、地下へと一段降りると、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような空気が漂っている場所がある。それが「CAFE DE PAVOT」だ。 この日、僕は仲間内とのささやかな打ち合わせを兼ねて、午後の時間をここで過ごすことにした。昼食はすでに済ませていたので、軽く喉を潤す程度でよかった。選んだのはアイスティー。注文して数分後、無骨なグラスにたっぷり注がれた紅茶が運ばれてきた。 ひと口飲むと、どこか懐かしい渋みと、ほんのりとした甘みが広がる。甘さ控えめ、氷の音がカランと響くたびに、街の喧騒が遠のいていくようだった。ああ、これは食後にちょうどいい。 CAFE DE PAVOT。 ここが特別なのは、いまやほとんど絶滅しかけている「喫煙OK」の喫茶店であるということだ。周囲を見渡しても、このエリアではここくらいだろう。堂々と煙草をふかせる空間は。分煙もなければ注意書きもない。灰皿は最初からテーブルに置かれ、そこにあることが当たり前のように振る舞っている。 仲間の一人がタバコに火をつけ、ふっと吐き出した煙が、天井の照明をぼんやりと霞ませた。僕は吸わないが、こういう空気は嫌いではない。むしろ、時代の流れに押し出されそうになっている喫茶文化の最後の砦のような場所で、ふと自分の居場所を見つけたような気がした。 「こんな店、まだ残ってるんやな」 隣に座ったKが目を細めて呟いた。長年紙巻きを愛してきた彼にとって、喫茶店での一服は“儀式”に近いのだろう。スマートフォンも開かず、目の前の煙とアイスコーヒーだけを相手に、無言のまま過ごす姿は、どこか美しかった。 午後2時過ぎの店内は、混み合うこともなく、静かに時間が流れていた。周囲を見渡せば、年配の常連と思しき男性が新聞を広げ、若いカップルが肩を寄せ合ってスマホを眺めている。誰もが干渉せず、それぞれのリズムで、この空間を生きていた。 アイスティーを半分ほど飲んだところで、店内の照明がふっと柔らかくなった気がした。店員の動きも滑らかで、注文が済んだ客には必要以上に干渉しない。この“放っておいてくれる”感じがたまらなく心地よい。 会話も、やがて自然と仕事の話から人生の話へと流れていった。あれこれと気を張って生きる日常の中で、こんな風に「何もしない時間」を共有できる仲間がいることのありがたさに、ふと気づく。 「じゃ、また来月、ここでな」 最後に誰かがそう言ったとき、僕らは特に反論もなく頷いた。場所も、雰囲気も、流れる時間も、すべてがちょうどいい。喫煙者でなくとも、ここに流れる“余白のある時間”を味わいたくなる。 梅田の地下にひっそりと息づく、「CAFE DE PAVOT」。 アイスティーのグラス越しに見たこの場所の静けさと、さりげない居心地の良さは、今日の午後を特別なものに変えてくれた。

2025/07訪問

1回

ベシャメルカフェ

東梅田、大阪梅田(阪神)、梅田/カフェ、洋食、パスタ

3.50

480

~¥999

~¥999

定休日
-

昼の点数:3.0

梅田の雑踏を抜ける途中、ふと気になっていた「ペシャメルカフェ」の看板が目に入った。外の気温は体感で35度を超えていたかもしれない。炎天下を歩き続けて乾ききった喉と、少しばかりの空腹を癒すには、冷房の効いたカフェしかないと体が訴えていた。 店内に入ると、ひんやりとした空気が肌を撫で、まるで別世界に来たようだった。内装は洗練されていて、明るく、無駄がない。それでいて、どこか柔らかい。そんな空間の中で僕が頼んだのは、「バーグパンケーキ」と「白桃ジュース」。後者の選択には確信があったが、前者は一種の賭けだった。 ほどなくして運ばれてきた一皿は、期待と違和感の狭間にあった。パンケーキが二枚、いや三枚だったか、その厚みにやや驚かされる。そして、その中心に鎮座するハンバーグ。その上には目玉焼き…ではなく、かき混ぜられた卵が、ゆるくとろりとかけられていた。なるほど、そういう構成かと頷いたが、少し様子をうかがっているうちに卵はすでに余熱で固まりかけていた。 一口食べる。パンケーキはもっちりとしており、甘さは控えめ。いわゆる「食事系パンケーキ」として設計されているのは伝わってくる。ただ、その量に対してソースの存在感があまりに希薄だった。パンの間に挟まったハンバーグはしっとりとジューシーで、味も悪くない。むしろ単品で食べるなら上出来だろう。しかし、全体をひとまとまりにする“橋渡し役”のソースが足りないため、噛むほどに乾きが口内に広がっていく。 そして肝心の卵。ぐちゃぐちゃにされたスクランブルエッグ風のそれは、少し火が入りすぎていて、どこか締まりのない存在になっていた。もしこれが半熟で、ナイフを入れた瞬間にとろりと流れ出すようなものだったら、ハンバーグとパンケーキの仲立ちを果たしていたかもしれない。惜しい、実に惜しい。全体の構成に可能性はあるのに、どこか噛み合っていない印象が拭えなかった。 だが、そこで救いとなったのが、「白桃ジュース」だった。一口、そしてもう一口。舌に触れた瞬間、その瑞々しさが体内に駆け巡り、胃の奥に届く頃には、暑さも疲れも洗い流されていた。これはまさに、果実そのものを搾りたてで飲んでいるかのような味。甘さと酸味のバランスが絶妙で、余計な添加物の気配はどこにもない。これがあるだけで、今日ここに来た意味がある。そう思わせる一杯だった。 カフェの空気は静かで、他の客たちもそれぞれの時間に没入している様子だった。土曜の昼というのに、店内に騒がしさはなく、まるで都会の片隅にひっそりと設けられた避難所のようだった。そんな空間で、僕はソースの少なさや卵の火加減にぼやきつつも、気づけば一皿を平らげていた。なんだかんだで、食事というものは腹を満たすのだ。 結論として、バーグパンケーキは“まあまあ”だった。完成度の高い料理とは言えないが、組み合わせの妙は感じられる。もう少しだけ丁寧な仕上げがなされれば、このメニューはきっと看板商品に化ける可能性があるだろう。そしてそのポテンシャルを、あの白桃ジュースが見事に補っていた。 外に出ると、やはり真夏の熱気が僕を包んだ。だがその中に、どこか軽やかさがあった。冷たいジュースと、ちょっと惜しいパンケーキ。そのギャップさえも、今は心地よく感じられる。カフェというのは、料理の味だけでなく、そこに流れる空気と余韻こそが人を癒すのかもしれない。そう思いながら、僕は再び、梅田の街に溶け込んでいった。

2025/07訪問

1回

ブラボー 上野中央口店

上野、京成上野、稲荷町/パスタ、ピザ、カフェ

3.26

158

¥1,000~¥1,999

~¥999

定休日
-サイトの性質上、店舗情報の正確性は保証されません

昼の点数:1.0

上野駅の中央口を出たとき、僕は真夏の灼熱に包まれていた。気温は40度近く、アスファルトの照り返しが容赦なく身体を焼きつける。ビジネスパートナーとの待ち合わせにはまだ時間があった。だからこそ、少し早めに「ブラボー 上野中央口店」に足を踏み入れたのだ。冷房の効いた空気に包まれ、氷の浮いたアイスコーヒーを喉に流し込む──そのささやかな至福を、僕は何よりも楽しみにしていた。 しかし、そこで衝撃的な事態に直面する。「お連れさまが揃うまで、店内にはお入りいただけません」──そう店員に冷たく言い放たれたのだ。僕は耳を疑った。店は飲食店だ。まず席に腰を落ち着けてから、仲間を待つのが自然なはずではないのか。しかも、駅構内の熱気の中で。ここで汗をだらだらと流しながら待てというのか? 追い出されるようにして店外に立たされ、額から背中に流れる汗がシャツをじわじわ濡らしていく。待ち合わせまでの数十分、灼熱の駅構内で立ち尽くす僕は、怒りと苛立ちを抑えることができなかった。喉は渇き、身体は火照り、まるで修行僧のような試練を課されているかのようだった。 ようやくビジネスパートナーが現れ、二人揃って入店を許された。そこで目に飛び込んできた光景は、拍子抜けするほどに空虚だった。2階席はガラガラ。まるで時間が止まったように静まり返っていた。あの冷酷なルールの裏には何の必然性もなかったのだ。形だけの規則に客を従わせるために、炎天下に立たされ汗をかき、体力を奪われた僕の時間は、いったい誰が償ってくれるというのか。 それでも、席につき、ようやく注文できたアイスコーヒーは、皮肉なほどに旨かった。氷がグラスの中で涼やかな音を立て、黒々とした液体は喉をすっと通り過ぎる。その瞬間、熱に焼かれた身体に一筋の涼風が吹き抜けたようだった。ほろ苦さと冷たさが、怒りの火照りを一時的に鎮める。まるでオアシスの水をすする旅人のように、僕は夢中でグラスを傾けていた。 だが、味わうほどに、苛立ちはむしろ強まっていく。これほどのコーヒーを用意できる店でありながら、なぜ客を門前払いするような規則を設けるのか。客にとって何よりのもてなしは「待たせないこと」であり、炎天下に追い出すことではないはずだ。空席が目立つ店内を横目に、無意味なルールに縛られて汗をかかされた屈辱を思い返すと、アイスコーヒーの氷がカランと音を立てるたび、心の奥底から怒りが再燃する。 「ブラボー 上野中央口店」。その名前が意味するのは、本来であれば称賛の拍手なのかもしれない。しかし、僕にとっては、皮肉なことにその拍手は嘲笑のように響いてしまう。もし本当に客を思うなら、まずその理不尽なルールを見直すことから始めるべきだ。アイスコーヒーの旨さが光れば光るほど、その影として「怒りの記憶」も濃く刻まれる。 店を出ると、再び猛暑の風が吹きつけた。冷たいコーヒーが一瞬癒した身体は、また灼熱に晒される。だが、あのルールに対する憤りは、決して汗と共に流れ去ることはなかった。

2025/08訪問

1回

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