「創作料理・イノベーティブ」で検索しました。
1~11 件を表示 / 全 11 件
SUGALABO|東京フレンチの安定した天井感 今回のSUGALABOは、季節の流れをきれいにまとめたコース構成。量はしっかりあるのに重さを感じず、後半までテンポよく進む“食べ応えのある”タイプ。ただ無駄に派手な演出はなく、終始落ち着いた精度で積み上げていく、まさにこの店らしいフレンチ。 須賀洋介シェフがロブション時代から培ってきた「正確さ・清潔さ・処理の端正さ」が、今回のメニューでもはっきり出ている。季節感の拾い方が過不足なく、火入れの圧も強すぎない。各地の素材を無理なく繋げ、今季の流れとして自然にまとまっている。 ■ 冒頭のスープ 最初の一皿は、非常に澄んだ上湯。味わいは静かだが厚みが自然で、真鯛の外腹の柔らかさとタプナードが馴染む。指橙を少量加えると酸味が輪郭を整え、皿全体が明るくなる。 続く火腿飯は、現在日本で食べられるものの中でもトップクラス。極薄の火腿の下に温かな米飯を忍ばせる構成で、一口目から旨味と米の甘さの調和が際立つ。塩味のキレ、香りのドライ感、どれも冗長さがなく、コースの中でも存在感が強い一段。 ■ 仙鳳趾 状態が非常に良く、甘みが凝縮。海胆が薄いジュレ状にまとい、舌に乗せた瞬間の軽さが心地よい。 ■ 松葉蟹の椀物 懐石のロジックを丁寧に踏んだ一皿。澄んだスープに層があり、三関芹を天ぷらに仕立てることで香りがさらに明確に出る。今回のコースで最も光った場面の一つ。 その後の魚料理は温度が柔らかく、スープの底が静かに清い。白松露は爽やかさを過剰にせず、貝類とのバランスが整っている。 ■ 主菜:長洲和牛 火入れは直球で、素材の質の良さがそのまま伝わる。百合根の清潔な甘さが主菜の輪郭を締め、季節感の輪がきれいに収束。長洲牛の香りは素直、噛むほど味が深まる。 招牌の咖哩は相変わらず可愛い存在。デザートの柑橘はLa Franceの香りをきれいに繋ぎ、締めとして過不足ない構成。 ■ 総評 非常に“典型的なSUGALABO”。劇場性は追わず、装飾で押す店でもない。 各パートの密度と火入れの安定感、素材の温度感をすべて一定の基準で保ち、最後まで静かに高い位置を維持する。 量はあるのに沈まず、“ちゃんと食べた”と“きれいに終わる”が両立したコース。まさに今季の天井板のような安定感。
2025/11訪問
1回
先日、プレゼンテ スギ を再訪。 全体の印象は一貫していて、テンポが速く、構成が明確。 シェフの説明もかなり早口で、料理の意図が次々と提示されるが、押しつけがましさはなく、料理の進行とともに自然と理解が追いついてくる。 コース序盤は味を立てすぎず、トマトや青魚、生ハム、発酵乳製品など、風味を抑えた構成で味覚をフラットに戻す印象。 イワシ、ゴマ、ハチミツ、落花生殻、伊勢海老といった素材の組み合わせも、驚きを狙うというより「素材の出自」や香りを整理するような使い方がされている。 中盤には揚げクロワッサンや立方体のパンが入り、食感とリズムの切り替えが明確。 カリフラワー、スズキ、カボチャ、トマトのジュレ、ハモのフリットなどは、温度や油分のコントロールが的確で、重さを感じさせない。 後半はより野性味のある方向へ。 フォアグラと山椒、トリュフのプリン、合鴨の澄まし汁(血液・レバー・ミンチを含む)は、主張はあるが過剰ではなく、構成として収まりが良い。 スッポンや豚足を用いた一皿も、素材感を前面に出しつつ整理されている。 メインのフィレ肉はシンプルで、 金目鯛のご飯(魚醤とトリュフ風味の卵液)は、どこか記憶に残る落ち着いた着地。 デザートにかけても甘さは控えめで、全体の流れを崩さない。 ペアリングは非常にユニークで、しっかり設計されている印象。 後半に登場する昆虫由来のペアリングも、演出として強調されることはなく、コースの一部として自然に組み込まれていた。 全体として派手さはないが、構成・テンポ・完成度が高く、価格帯を考えてもコストパフォーマンスは良い。 一皿の印象よりも、コース全体として記憶に残る食事だった。
2026/02訪問
1回
六本木にある「美会(Bia)」を訪問。 タイ料理の香料の豊かさと、日本料理の丁寧な技法が絶妙に融合しており、酸・甘・辛・旨のバランスが完璧。 全日本ランキング上位のタイ料理店で、 食べログ Silver Award 受賞、創作料理百名店入選。 さらに、世界的に著名なシェフ、ミシュラン三つ星レストラン El Bulli の Ferran Adrià 氏も来店し、日×タイ融合のコンセプトを高く評価。 派手さはないが、食べるたびに驚きと発見がある料理。 香茅の香りが印象的で、まるで味覚で感じる東京の詩のよう。
2025/10訪問
1回
派手さはないが、料理の軸ははっきりしている。 前半は静かに始まる。 揚げ物は締まりがよく、冷製の一皿では紹興酒の香りが輪郭だけを残す。 茶碗蒸しは豚と鶏の出汁が太く、そこに蟹の風味とわずかな生臭さが重なる。ここは迎合せず、素材感をそのまま出している印象。 印象が決定的に変わるのは火を使った料理から。 野菜炒めは明確に強火。葛芋の切り口は清脆で、油は表面に留まり、食感が崩れない。 この一皿で、この店が「盛り付け」ではなく「火加減」で勝負していることが伝わってくる。 フカヒレとご飯の組み合わせも同様で、餡を厚くせず、味を米に乗せる構成。 米の状態が非常に良く、粒立ちと吸味のバランスが印象に残る。 主食は続けて供される。 タイ米を使った炒飯は高火力ながら乾かず、粒が立つ。 ベビー白菜と昆布バターのパスタは旨味が丸く、過度に主張しない。 上湯麺、白子麻婆も含め、いずれも「完成させすぎない」距離感がある。 デザートでは遊び心も見せる。 灰色の餅菓子には弾ける要素が仕込まれ、最後の糯米団子は焼き餃子のイメージを借りながら、中は生チョコレート。紹興酒の余韻を残し、台湾の玉露紅茶で静かに終わる。 重い一皿で記憶に残すタイプの店ではない。 しかし、灶前の火を中心に組み立てられた流れは一貫しており、 フカヒレとご飯、強火の野菜、炒飯といった“火の料理”が最も印象に残った。
2026/01訪問
1回
この日のコースで、はっきりと記しておきたいのは 三皿だけ。 理由は単純で、 それらが 長谷川稔 本人の手による料理だったから。 現在、長谷川氏が現場に立つことはほとんどない。 多くの場合、その名は背景にあり、料理そのものが前に出る。 だからこそ、この三皿の存在は明確だった。 まず、麻婆茄子。 いわゆる再構築やフュージョンではない。 油、香り、辛味の輪郭だけを残し、 余計な説明をすべて削ぎ落とした一皿。 主張は強くないが、手の位置がはっきり分かる。 次に、白子のパスタ。 この日の中で、唯一“実験”と呼べる料理。 白子は具材ではなくソースとして扱われ、 そこに蛤の出汁が重なる。 厚みはあるが騒がしくなく、 静かに奥行きだけが残る。 そして、すき焼き。 ここでは何も変えられない。 甘さ、脂、記憶、そのまま。 解釈を加えないという判断そのものが、 強い意志として伝わってくる。 この三皿に共通しているのは、 技巧を見せないことでも、新しさを強調しないことでもなく、 **「ここで自分が手を出す理由が明確である」**という点。 それ以外の料理は、 この三皿を正しく食べさせるための流れとして、 きちんと機能していた。 派手さはない。 だが、 封勺に近い今だからこそ成立する距離感と密度があった。
2026/01訪問
1回
薫 HIROO(広尾) 季節感のあるコース構成と、シェフの丁寧な仕事が光る一軒。 白松露の香りを最大限に引き出したパスタは特に印象的で、重たさよりも余韻の長さが際立つ仕上がり。炊き加減、塩味、香りのバランスが非常に良い。 飛騨牛は火入れが素晴らしく、脂の甘さがくどくなく、赤身の旨味がしっかり主張するタイプ。 デザートまで抜かりなく、最後までコースの流れが綺麗にまとまっていた。 落ち着いた雰囲気で、サービスも過不足なく心地良い。 広尾でイタリアンを探すなら候補に入れたい。
2025/11訪問
1回
The Tabelog Award 2026 Bronze 受賞店
食べログ イタリアン TOKYO 百名店 2025 選出店
新富町、築地、東銀座/イタリアン、創作料理
2025/09訪問
1回
日×伊を軸にした構成で、全体的にプレゼンテーションが強く、技術的には安定。前菜群は酸味と香草の扱いが丁寧で、素材の輪郭を損なわないバランス。火入れは比較的に抑制された方向で、肉・魚ともに過度な主張がなく、京都らしい軽さがある。 料理はビジュアルの完成度が高く、構成力も良いが、味わいはミニマル寄り。特に野菜を中心に組み立てる一皿は、彩りとテクスチャのコントロールが印象的。 メインの肉は火入れ・温度ともに良好で、香りの立ち方も適切。蟹料理は甘味とクリームのまとめ方が滑らかで、仕立てに破綻がない。 唯一気になった点として、白トリュフの量がかなり控えめ。香りの立ち上がりが弱く、皿の軸としては少し物足りない印象。 総じて、日意のハイブリッドを京都的な質感でまとめたコース。構成・演出力は高く、軽やかな料理を好む方に向くアプローチ。
2025/12訪問
1回
米其林一つ星、2024年アジアベストパティシエのデザートが魅力 今日のディナーはFaroで。落ち着いた雰囲気の中、前菜からデザートまで一皿一皿にシェフのこだわりが感じられます。特にデザートは、アジア最高のパティシエが手掛けるだけあって、味も見た目も圧巻。繊細な味のバランスと遊び心ある盛り付けに感動しました。 パスタも印象的で、素材の旨味が最大限に引き出されており、食材の質の高さが伝わります。サービスも丁寧で、一人でもゆったり楽しめる空間です。 美食家として大満足のひととき。Faroは、特別な日に訪れたい一軒です。
2025/10訪問
1回
料理自体は全体的にとてもクリーンで、味付けもかなり抑制されています。 素材の持ち味を尊重する姿勢は一貫しており、不快に感じる要素はありません。 河豚白子のスープは澄んだ味わいで、出汁の方向性も明確。 源助大根の一皿は、無塩から塩味へと段階的に食べ進める構成で、意図が伝わる内容でした。 原木椎茸と卵黄の組み合わせや、主菜の鹿児島県産天城黒豚も、火入れや質感は安定しています。 ただ、コース全体を通して強く印象に残る一皿は少なく、 多くの料理が「問題なく成立している」範囲にとどまっているように感じました。 器や盛り付け、構成面でも価格帯に見合う説得力にはやや欠け、 食後に最も強く残ったのはコストパフォーマンスへの違和感です。 決して悪くはなく、静かでミニマルな料理を好む方には合うと思います。 一方で、この価格帯に求める体験や記憶性を重視する方には、やや物足りなさが残るかもしれません。
2026/01訪問
1回
山梨・韮崎にある一軒。 街中から少し離れた場所にあり、周囲はとても静か。 店のすぐそばには富士山があり、時間の流れそのものがゆっくりと感じられる環境です。 一日一組のみの完全予約制。 そのため、料理・サービスともに非常に落ち着いたリズムで進み、 終始「急かされない」食事体験が印象的でした。 料理は野菜を主軸とした構成。 いわゆるヴィーガンやコンセプト先行ではなく、 一皿一皿が素材そのものと丁寧に向き合った印象です。 使用される野菜の種類も非常に多く、 全体を通して完成度の高い流れを感じました。 特に印象に残ったのはにんにく新芽の一皿。 生ハムの脂と松露が新芽の輪郭をやさしく包み込み、 強さではなく、収束する味わいが美しい料理でした。 個人的に「人生料理」と言える一皿です。 続く吉田牧場のチーズも非常に素直で、 素材の良さと扱いの丁寧さがそのまま伝わってきます。複雑さよりも誠実さが印象に残る味わいでした。 ペアリングはアルコール、ノンアルコールともに完成度が高く、 特にノンアルコールは代替的な位置づけではありません。 昆布と葡萄を合わせた一杯や、 燻香を用いて余韻を伸ばす表現など、 料理と並行してしっかりと構築されていました。 器はシェフ自身の手によるもの。 手描きのメニューや店内に飾られた絵も含め、 料理・器・空間がすべて一人の美意識で統一されています。 オーナーシェフご夫妻はとても穏やかで、 純粋に料理と向き合っている姿勢が印象的でした。 価格設定から見ても、 利益を追求するよりも「正しく作る」ことを優先しているように感じます。 派手さはありませんが、 食後、時間が経つほどに良さが残る一軒。 静かに記憶に残るレストランです。