13回
2021/08 訪問
マイナーチェンジをしても不動、真に上質な醤油ラーメン
2021.8.28昼 特製醤油そば…1350円、名物焼売…300円
新体制への移行と共にメニューをモデルチェンジ、ならばと特製醤油そばを。
前身の気品漂う姿から一変、動物系の旨みを大胆に生かした雄々しい味わいに。
その中にも醤油の香気をしっかりとフィーチャー、相変わらず何にも似てない独自の世界観が息衝いている。
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2021/09/16 更新
2021/03 訪問
初めて味わう、くろ㐂の「鴨塩そば」
2021.3.21昼 鴨塩そば…1200円
秋葉原ではなく所沢「ラーメンWalkerキッチン」へ。
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2021/03/22 更新
2020/12 訪問
たった2千円以下で御膳クラスの満足度に到達するご馳走ラーメン
2020.12.19昼 特製塩そば…1350円・名物焼売…300円・地鶏あぶらめし…200円
今や東京が、いや日本が誇る名店へとステージが上がった感のある同店へ1年ぶりの再訪。
本品を食べるのは『麺 㐂色』分部店主が在籍していた頃以来、2年5ヶ月ぶり。
もちろん選べる麺は店オススメの手もみでコール。スープはもちろん豪華なトッピング群まで、鶏を味わい尽くす布陣で構成。
まるでコース料理の如く、様々な手法で五感を魅力する、料理人・黒木店主の真骨頂。
モッチリとした自家製太麺と共に頬張れば、噛み締める度に口福が訪れる。
麺単体で啜っても実に心地良く、唇や舌を潤してくれる。
残ったスープをかけて地鶏あぶらめしを流し込めば、また質の異なる口福の到来。
たった2千円以下で極上のご馳走に出会える、ラーメン界でも稀有な設計だ。
2020/12/26 更新
2019/12 訪問
ジャンク要素を一切用いない、極めて美しい汁なし麺
2019.12.17昼2 地鶏あぶらそば…1300円・地鶏めし…200円
選べる麺量は並で
メニュー名としては汁なしの部類に入るところだが、厳密には少量の鶏ベースを使用。
そのおかげで、たっぷり盛られたシュワシュワのネギとの親和性が著しく向上。
この時点で既に麺料理として魅力的な仕上がり。そこに焼き・低温調理・ほぐし煮・味玉という4種のアプローチで地鶏をトッピング。
これらと麺との繋ぎ役をスープやネギが担っており、汁なし麺としての華やかさを爆上げ。
特にこんがりパリッと焼き上げられた皮目と麺とを共に頬張り、合わせて咀嚼していく時の旨みの爆発は幸せ以外の何物でもない。
ジャンク要素は皆無、ひたすらに正統派の旨みを重ねてガツガツ食わせる、これまた同店らしい逸品。
同じく鶏のほぐし煮を白飯の上にこれでもかと敷き詰めた「地鶏めし」も、過去未食だった事を悔やむほどの美味しさ。
倍の値段でも誰も文句言わんと思う…こんなに安くて良いの?
2019/12/24 更新
2019/12 訪問
醤油ラーメン私的ランキングの五指に入る大好物の一杯
2019.12.17昼1 醤油そば…1200円・名物焼売…300円
選べる麺は手もみ麺で。
数えきれない程の名店が犇く東京の中で、今一番好きな店へ1年2ヶ月ぶりに再訪。
何せ昨年6月のメニュー刷新以来、遠征先にも関わらず通算3回目のオーダー。
本品を未食という事は、醤油ラーメンの最高到達点を知らないのと同義、そう断言して差し支えないだろう。
かつては魚醤であった物を、先人が余計な物を削ぎ落として現在の形に洗練させてきた、日本ならではの醤油。
それを最大限に美味しく感じさせる、ベースに凝縮された煮干・節系・貝類の旨み。
昨年よりぷっくりと立体感が出た、ランダムなちぢれの口当たりが心地良い手もみ麺。
ほっくりと柔らかく煮付けた大根をはじめ、細部にまで同店らしさが垣間見えるトッピング群。
語り出せばキリがない、日本に生まれて心底良かったと思わせてくれる一杯。
2019/12/24 更新
2018/10 訪問
もはや寸分の隙も見当たらない「醤油そば」
2018.10.16夜2 醤油そば…1200円、名物焼売 2個…300円
1day限定営業『饗わけ部』以来、約40日ぶりの再訪。
同品を前回食べた時は店側の勧めに従い細麺を選んだが、今回は手もみ麺で。
細麺で食べた前回も素晴らしかったが、私的には手もみ麺との組み合わせの方が好み。
というか、どこから見ても隙が見付からないわ。
豚の旨みや甘みを効果的に使い、醤油を美味く食べさせる緻密かつ骨太な構成には、7月に食べた時より一層磨きがかかっており。
そこを手もみによる麺のランダムな口当たりや喉越しが支え、醤油ラーメンとしての1つの理想形を実現。
スープの深く甘美な味わいと、麺のエロティックな感覚が見事にリンク。
類型が全く見当たらない品だけど、とにかく図抜けた美味しさに仕上がっている。
私が食べた経験のある醤油ラーメンでは、五指に入るほど高い好み度を叩き出した一杯。
前回食べられなかった新名物の焼売も、肉感溢れる挽き加減と肉汁の旨みがたまらない、専門店顔負けのクオリティ。
そりゃビールも進むっちゅー話。
2018/10/23 更新
2018/09 訪問
わっさん卒業限定「饗わけ部」
2018.9.9昼1 冷やしスパイスそば…1200円&ターメリック飯…200円
私と同郷の「わっさん」こと分部クンが3年間の修行を経て同店を卒業。
そのラストランを、わっさん卒業限定営業『饗わけ部』として同店定休日である9/9に開催。
わっさんに厨房を預け、初の外待ち客整理役に徹する黒木店主の俠気に、胸を打たれずにはいられない。
今年7月に『エリックサウス マサラダイナー』にて杯を交わした際に体感した「冷やしラッサム」を思わせる、ホールスパイスの刺激と香りにタマリンドの酸味が交叉する冷製スープに悶絶!
手もみされた自家製太麺のランダムなちぢれも相俟って、ひと口毎に味の色彩が目眩く変化するため、飽きるどころか食べ進むに連れて食欲が増進するというパラドックスに仰天。
更にトッピングのさつま芋チップスをかじると、塗布したクローブパウダーの香気により口中で華やぎが倍増。
特にパクチーを多めに頬張った時に発生するそれは、インド料理好き・スパイス好きなら覚醒必至の魔性のアロマと言えよう。
日本料理をバックボーンとした同店の魅力とは全く異なる着地点へ降り立った、わっさん渾身の衝撃傑作。
ただでさえ楽しみだった帰郷・独立開業が一層待ち遠しくなった。
2018/09/10 更新
2018/07 訪問
日本が生んだ最強の調味料・醤油を、余す事なく楽しませる意欲作
2018.7.23昼4 醤油そば…1200円 2種から選べる麺は細麺で
塩そばを「以前とほぼ別物」と述べておいて何だが、今回のリニューアルで加わった新顔。
鶏のダシ感を前面に押し出した塩に対して、こちらは醤油の美味しさを伝える為にダシや脂を効果的に配し、日本人の琴線に触れるように構築。
アサリと煮干が双璧を成し、風味豊かな醤油ダレを下支え。
力強い香りの自家製細麺にスープが程良く乗っかる事で、醤油のキャラが一層引き立つ設計。
バラ肉の脂身が湛えた甘み、大根のほろ苦さが成す清涼感もそれを後押し。
器の側面に吹き付けた醤油と共に流し込むと、ひたすらに至福。
日本が生んだ最強の調味料・醤油の良さを多角的に楽しませる、他に類を見ない逸品だ。
2018/07/24 更新
2018/07 訪問
大胆な刷新により生まれた、穢れのない塩ラーメン
2018.7.23昼3 塩そば…1000円 2種から選べる麺は手もみ麺で
今年1月以来、通算4度目の訪問。
7周年を迎えた今年6月、通算2度目となるメニュー全品刷新を敢行。
遠征先ではあまりリピートしない方だが、同店のリニューアルとなれば気にならない訳もなく。
先に結論を言うと、ほぼ別物へと変貌を遂げている。
複雑な要素を緻密に積み上げた前作から一転、素材の良し悪しがモロにでるシンプルな味わいに。
設計や調理の手数は減ってないかも知れないが、鶏ベースにせよ塩ダレにせよ持ち味を露わにした小細工抜きの潔さ。
ランダムな口当たりが楽しい自家製麺とも密に呼応した、唯一無二にして完全無欠の一杯。
2018/07/24 更新
2018/01 訪問
「味噌ラーメン」の範疇を大幅に超えた逸品
2018.1.20昼4 あさり味噌そば…1000円
メニュー完全刷新を間近に控え、その後メニュー落ちするとの事で、食べ逃すまいと約半年ぶりの再訪。
年始に帰郷していた分部クンから聞いてはいたが、まぁ~スゲえの一言。
文字では味噌ラーメンにカテゴライズされるが、そんな括りが無粋に思えるほど。
言うなれば超絶濃厚クラムチャウダーラーメンfeat.味噌ってトコか。
貝の旨みを軸にした和ダシがベースなのに、啜る度に旨みが口中で毎回爆発。
底に沈んだ実山椒や、鶏肉に塗布したケイジャンスパイスから来る香味との相性もいちいち隙がなく、4杯目なのにKK。
こんな逸品をあっさりメニュー落ちさせる決断力にも脱帽だが、刷新後のメニューが否が応でも楽しみになる。
2018/01/22 更新
2017/07 訪問
メニュー刷新前と趣を異にするオンリーワンの逸品
2017.7.15昼 塩そば…1000円
2種から選べる麺は平打麺で。
1軒目の大喜@仲御徒町から徒歩移動、2014年10月以来の再訪、昨年のメニュー刷新後は初。
前回も同名品を食べたのだが、見た目だけでなく中身もしっかり別物。
以前のは儚さもひっくるめて「和」一色だったが、新味は実に色彩鮮やか。
随所に配したトマトやオリーブの効果が、全体を塗り潰す訳でなくサブ的に顔を出し、啜る毎に和と洋の狭間を行き来。
細めのフェットチーネといった趣の自家製平打麺との相性も、疑問を挟む余地がない。
千円の大台でも、イヤミなく肩肘張らず、サラリと食べさせる構成力が凄まじい。
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2017/07/20 更新
2014/10 訪問
和食出身らしいエッセンスが散りばめられた塩ラーメン
2014.10.2夜 塩そば…850円、麦酒…500円
奈良から岐阜へ戻り、会社での滞在時間たった15分で、いざ東京へ。
昨年2度目の東京出張編の始まり。
昼には奈良にいたのに、19時過ぎには秋葉原(笑)
翌日のお仕事へ向けて燃料補給。
ハートランドというチョイスと、おつまみ付きなのが素晴らしい。
値段相応にトッピングが色々と多いなぁと感じるのと同時に、表層の油脂分が多いなというのが第一印象。
丸鶏らしさが出た味の厚みも、昆布や乾物ら魚介の底味もちゃんと感じられるが、それ以上に油が多い。
美味い・不味いで言えば当然美味いんだが、このベースじゃなくても近いモノは成立しそうな気がして。
やや固さの残る細麺とのマッチングも、完全な乖離とまでは行かぬものの、ちょっと隙が多いかな。
どちらも火入れの頃合が絶妙な鶏チャ&豚肩チャは、さすがの一言。
揚げ牛蒡をあしらう感覚も好みだし、各パーツのクオリティは押し並べて高い。
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2021/03/22 更新
2022.1.23朝 饗 くろ㐂×伊勢屋「未来とかち牛コラボ」
(東海三県 自家製麺活性化プロジェクト 番外編)
肉天うどん…2000円
味玉天…150円
ビーフ飯…300円
麺 㐂色・分部店主の提案から、東海を飛び出し初の東京開催。しかも、私自身が初体験の「朝うどん」営業でのコラボ提供。黒木店主のワンオペを見るのも初だったし、チクゴイズミ100%シングルで打つうどんを食べるのも初めてだったしで、とにかく楽しみ満載で訪れた。
「肉天」と謳うのは当然「未来とかち牛」の天ぷら、それ以外にも菜の花と大根煮、さらに追加トッピングの味玉は全て揚げ置きナシ、つまり注文ごとに揚げる方式。
麺茹で→水で〆→湯に潜らせて再加熱の段階を踏む麺の処理、ダシを雪平で温め器に注ぐ、ここに揚げ物が加わるという工程を、全て黒木店主1人で捌くというドMな設定。
これを「脳より先に手足が動く」とばかりの鬼スピードで次々と捌いていく、長年に亘り蓄積した技術と自己研鑽の志が目の前でライブとして繰り広げられる、この現場に立ち会えた時点で食べ手としての幸せが確定。
ローラー式の製麺機のため、圧延をかけ麺帯にした状態でローラーの幅で切り、90°回転させて再び圧延する事で、1方向にしか圧力がかからないローラー式の構造的弱点をアイデアで補完してうった麺。フワッとした口当たりと、食道にチュルンと滑り込むような喉ごしが楽しい、新感覚のうどんに自然と顔がニヤける。
主役の肉天は「未来とかち牛」のランプとイチボ、どちらも14~15mm厚に切り出して天ぷらに。この極厚仕様でドリップによる衣の剥がれなく、かつ固くならずスッと歯で切れる絶妙な火入れ加減。あの早業でこの仕上がりを実現する、黒木店主の技術力にはただただ平伏すしかない。
つゆは昆布の底味と節の華やかさが織り成す、東海人の私が思うところのいわゆる東京味。最近はどんなに美味しくてもスープ完飲をガマンしていたが、これはガマンできずに飲み干してしまった。
というか厳密に言うと、サイドのビーフ飯を頬張った後にクイッと口に含むと、やたら美味かったんだわ~。牛スジ(もちろんコレも「未来とかち牛」)の旨みが移ったご飯単体でも十分に美味いんだが、残ったつゆが流れ込むと旨みの幅が広がって、汁気のおかげでサラサラ食えちゃうんだが、飲み込むのを躊躇ってしまう美味しさに。
これらを手彫りの盆の上に乗せて供する事で、全体の迫力というか荘厳な雰囲気を演出。うどんというカジュアルな食べ物が、ここまでカッコ良くスタイリングされるとは。
詳細が前日20:30頃まで発表されなかったのでヤキモキしたが(笑)、蓋を開けてみれば想像の斜め上どころか完全に背後を取られて後頭部をドツかれたような驚きと楽しさがパッツンパッツンに詰まった、肉天うどん御膳と呼びたくなる贅沢さ。
合計2450円が激安に感じられるほど、興奮に次ぐ興奮を抑えられないひと時となった。
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