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池袋で偶然予約が取れた「かぶと」。 言うまでもなく、日本でもトップクラスのうなぎ店の一つだが、 ここは“格式より誠実さ”を選んだ数少ない名店だと思う。 近年の一部有名店が、会員制だの完全紹介制だのと敷居を上げ、 点数や“特別感”を守ることに必死になっている中で、 かぶとはあくまで「多くの人に本当に美味しいうなぎを食べてほしい」という姿勢を貫いている。 その誠実さが、この店の最大の魅力だ。 うなぎは選別から焼きまで、すべてにおいて非の打ちどころがない。 炭火の香りと脂の甘みが絶妙に調和し、 外は香ばしく中はふっくら。 噛むほどに旨味が広がる、まさに理想の焼き上がり。 今回は初訪問だったため、天然うなぎを味わえなかったのは少し残念だったが、 焼きの合間に店主がうなぎの状態や部位の説明をしてくれる。 時間の経過とともに、一つひとつの部位が焼き上がっていく過程を見るのは、 まるで“職人の呼吸”を間近で体感するような楽しさがある。 山椒の香りとしびれがほどよく効いており、 脂の旨味とのバランスも完璧。 全体を通して、味・技・心のすべてが一体となった一軒だと感じた。 長年続く老舗でありながら、どこか謙虚で温かい。 その“食べる人への敬意”こそ、外国人が想像する「日本の伝統的な美徳」そのもの。 華美な演出より、真摯な仕事で勝負する本物のうなぎ屋。 間違いなく、また必ず再訪したい店のひとつ。
2025/10訪問
1回
友人が日本に遊びに来ると、まず最初に「鮨を食べたい」となることが多い。そんな時に真っ先に頭に浮かぶのが「鮨 あらい」。 ここは外国人ゲストにも非常に評判が良く、味の分かりやすさだけでなく、職人さんとのやり取りや雰囲気づくりまで含めて、とても親切に対応してくれる。寿司というと敷居の高さを感じる人もいるが、あらいでは自然体で楽しめるのが魅力だと思う。 ネタはどれも鮮度抜群で、赤酢のシャリとのバランスが絶妙。特にマグロの握りは脂の切れが良く、噛みしめるごとに旨味が広がる。白身の昆布締めや、貝類の食感のコントラストも見事で、一貫ごとに「次は何が出てくるんだろう」という期待感が高まる。 また、あらいの大きな特徴はカウンター越しの会話。板前さんが気さくに声をかけてくれるので、初めて鮨屋に訪れる人でもリラックスして過ごせる。英語でのやり取りもスムーズで、観光客を連れて行っても安心。実際に外国人の友人も「ここなら何度でも来たい」と言っていた。 近年の拡張スピードも納得で、まもなくシンガポールにも新店舗をオープンするとのこと。海外の人にとって「鮨あらい」が日本を代表する鮨屋のひとつとして受け入れられていくのは自然な流れだろう。 総じて、東京で友人と鮨を楽しむならまず候補に挙げたい一軒。格式張らず、それでいて確かなクオリティを味わえる、非常に貴重な存在だと思う。
2025/09訪問
1回
今回の銀座レカンは、久しぶりに「強く印象に残るフレンチ」となった。 一皿一皿に込められた手間と注意深さ、 そして食材の組み合わせや調理の思想は、 こちらの想像を軽く越え、思わず「なるほど」と唸らされる瞬間が何度もあった。 香りの扱い方が特に巧みで、 食材の個性がぶつかることなく、 むしろ互いを引き立て合うように配置されている。 それぞれの皿に、料理という行為の“理由” がきちんと存在している。 全体的に味わいはやや甘め。 しかし、その甘さはただ前へ出るのではなく、 しっかりと旨味によって支えられ、 最終的にはひとつの調和として口の中に収まる。 この「甘さと旨味の均衡」は、 ここ最近のフレンチではなかなか体験できない精度だった。 料理と向き合っていると、 レカンという店がただ古くから続く名店ではなく、 技術と感性が今もなお更新され続けている場所 だということが伝わってくる。 派手な主張はない。 静かな自信と熟練の余白があり、 その余白こそが、この店の味の深さを形作っているように思う。
2025/12訪問
1回
雨の降る上野の午後、人通りは少なく、傘の先が舗道を叩く音だけが耳に残った。 何の目的もなく歩いていたが、ふと鼻をくすぐる香辛料の匂いに足を止めた。 その匂いは、どこか異国の熱気を思わせるが、決して遠いものではない。 ――デリー、と書かれた小さな看板。 なるほど、ここが日本の中の「印度」か、と一人で苦笑した。 雨のせいか、行列は短く、わずか十分ばかりで店の中に通された。 卓上には水のグラス、照明は明るく、 隣の客が無心にスプーンを動かしている。 このような場所に、一人でいることが急に心地よく思えた。 カレーが運ばれてくると、 湯気の中から立ちのぼる香りに、 一瞬、時間が緩やかになったような錯覚を覚えた。 一口すくう。 最初はただ「辛い」と感じたが、 次第に舌の上に、甘みが滲み、苦味が溶け、 野菜と香辛料の記憶が混ざり合っていく。 人の心というものも、こうして煮詰めれば 案外やわらかくなるのかもしれない――そんなことを考えた。 食べ終えた皿の底には、 小さな達成感のような、しかし言葉にならぬ寂しさが残った。 外へ出ると、雨はまだ細く降っている。 傘を差しながら、 私はふと思った。 「辛さとは、痛みを愉しむ術なのだ」と。
2025/10訪問
1回
偶然予約が取れたうなぎ店「魚政」。 最近うなぎに少しハマっていることもあり、せっかくの機会なので立ち寄ってみた。 店構えはごく普通で、どこか懐かしさを感じるような佇まい。 派手なパフォーマンスもなければ、職人が客の目の前で焼きを披露するような演出もない。 ただ静かに、落ち着いた空間の中で、 店主が丁寧に焼き上げたうなぎをゆっくりと味わう—— そんな**“日常の延長にある美味しさ”**がここにはある。 うなぎは「普通の養殖」と「天然」の二種類。 天然ものは独特の弾力があり、噛むとまるでガムのような粘りとふわっとした柔らかさが同居している。 一方で、個人的には養殖うなぎの方が好み。 見た目はしっかりと焼き色がついているのに、 中の身は想像以上にふんわりとして滑らか。 一口食べるとまるで絹ごし豆腐のような舌触りで、 噛むほどに香ばしい香りと脂の旨味が口いっぱいに広がる。 全体として、派手さはないが確かな腕を感じる一軒。 特別な演出はなくても、真面目にうなぎと向き合っている姿勢が伝わってくる。 きっとまた来たくなる、そんな優しいお店。
2025/10訪問
1回
店の前を通りかかった時、ふと目に入った「一生懸命」という看板。 ——しかし、営業日は週4日。 「いや、そんなに頑張ってないのでは…?」と心の中で突っ込みながら入店(笑)。 注文したのは魚介豚骨系のつけ麺。 スープは見た目こそ濃厚だが、実際に口にすると塩気が控えめで、 魚介の香りと豚骨のコクがしっかりと調和しており、 意外にもバランスの取れた優しい味わい。 麺は太めの多加水タイプで、表面がつるりとしており、 あまりに滑らかで、箸で掴もうとするとすぐ逃げていく。 だが、その“つるスル”とした喉ごしこそが、この店の魅力でもある。 食べていて心地よい抵抗感があり、スープとの絡みも悪くない。 全体として、見た目の印象よりもはるかに繊細で上品な一杯。 「一生懸命」とまではいかないが、ちゃんと丁寧に作っていることは伝わる。
2025/10訪問
1回
本日訪れたのは「琥珀」というラーメン店。 店に入った瞬間から、スタッフの丁寧で温かい対応に「この店はきっと良い店だな」と直感する。実際、ラーメンの味にもその“優しさ”がしっかりと表れていた。 わずか5席というこぢんまりとした空間。 それでも高評価を維持しながら、まるでスープのように澄み切った心で客と向き合う――そんな誠実さを感じられる店は、そう多くない。 スープはしじみなどの貝類をベースに取っており、一口目からその澄んだ旨味と滑らかな口当たりに思わず目を見張る。 そこに香り高いネギが加わることで、旨味の層がさらに深まり、繊細ながらも満足感のある味わいに仕上がっている。 チャーシューは柔らかく丁寧な仕込みが感じられ、麺は程よいコシと弾力。 全体のバランスが非常によく取れており、一杯の完成度としては申し分ない。 初訪問の今回は予約をせずに来てしまったが、実は事前にオンライン予約が必要とのこと。 次回はしっかり予約を入れて、またこの“澄んだ一杯”を味わいに来たい。 総じて、味・雰囲気・人の温かさが三位一体となった、心からおすすめできるお店。 「琥珀」という名の通り、シンプルでありながら、いつまでも記憶に残る美しさがある。
2025/09訪問
1回
中国人として食事をしてみると、まず感じるのは中華料理ならではの「素材のこだわり」と「しっかりとした調味」。その上で、この店では食材の扱い方に強い高級感が漂っていた。 中華料理を「高級」として表現するのは決して容易なことではない。なぜなら、本来の中華には「鍋気(中華鍋から生まれる香ばしさ)」があり、それが料理をぐっと人間味あふれる「日常の味」へと引き寄せてしまうからだ。ところが、この店ではその質朴さを失わずに、見事に上質な一皿へと昇華させていた。 一品一品の盛り付けや火入れ、調味のバランスは洗練されており、食べ進めるうちに「これはまさしく中華でありながら、同時に特別な体験でもある」と感じさせられる。質素さと華やかさ、その相反する要素を同時に成立させている点に、シェフの力量と哲学を強く感じた。 総じて、ここで味わえるのは単なる「高級中華」ではなく、中華料理という文化そのものへの深いリスペクト。料理を通して「中華の最高位にある誇り」を感じ取れる、非常に貴重な体験だった。
2025/09訪問
1回
The Tabelog Award 2025 Silver 受賞店
食べログ 焼肉 TOKYO 百名店 2025 選出店
恵比寿、代官山、広尾/焼肉、ホルモン
ここはもう、自分にとって「友人を接待する時に必ず候補に入る焼肉店」と言っても過言ではない。 店内は落ち着いた雰囲気で、高級感がありながらも居心地が良い。大切な場面でも安心して使えるし、会話が自然と弾む空間づくりがされているのが嬉しい。 肝心のお肉はどれを選んでも外れがなく、程よい脂の甘みと赤身の旨味がしっかりと感じられる。焼き加減に合わせた店員さんのおすすめも的確で、常にベストな状態で味わえるのもポイント。 総じて、高級感と確かな肉質、その両方を兼ね備えた一軒。接待はもちろん、特別な日の食事としても間違いなく満足できる。リピート必至の焼肉店だと思う。
2025/08訪問
1回
The Tabelog Award 2025 Silver 受賞店
食べログ フレンチ TOKYO 百名店 2025 選出店
恵比寿、目黒/フレンチ
「港区女子図鑑」で語られたあの名台詞—— 「女の子は一度はロブションに行かなきゃ」 この一言に導かれて、どれだけの女の子がこの店の扉を開いたのだろう。 実際、「ロブション行こう」と言えば、 周囲の女子は彼氏とのデートすら後回しにして、一緒に来てくれる。 不思議な求心力がこの店にはある。 予約も思ったほど難しくない。 料理の完成度はさすがで、バター、クリーム、チーズを惜しみなく使い、 “美味しいものはカロリーが高い”を体現したようなコース構成。 でもふと思う。 これ、本当に体型を気にする港区女子にとって理想の食事なのか? フォアグラの後に追い打ちのようにやってくるブールブランソース、 バゲットのおかわりを控えめに断る姿が、どこか哀愁を誘う。 ただ、写真映えは間違いなし。 高貴な照明、重厚な皿、そして映える一皿一皿。 2時間の食事で、Instagram のストーリーは軽く30枚超え。 もしかしたら「味」ではなく「承認」が、この店で最も消費されているのかもしれない。
2025/07訪問
1回
5年連続でTabelogゴールドを獲得している銀座しのはら。 期待値マックスで訪問しましたが……正直、味に関しては肩透かし。 もちろん、悪くはない。 でも「特別感」や「一期一会の感動」を期待すると、やや物足りなさが残ります。 演出や盛り付けは華やかで、所作も丁寧。雰囲気は抜群なので、「雰囲気重視の相手」と行くなら◎。 つまり…そう、小洒落た夜を演出したい“特別な関係”の方と行くにはちょうどいい。 照明も程よく落ち着いていて、料理の説明もどこか艶っぽい。 ただし、味にうるさい本妻やグルメな友人と行くには要注意。 「え、これでこの値段?」と刺が飛んできそうなレベル。 噂や箔に惹かれて一度は行ってみる価値はあるけれど、 リピートするかと聞かれたら……うーん、どうだろう。
2025/06訪問
1回
神楽坂の「虎白」へ初訪問。 格式ある空間と丁寧な仕事に、期待以上の満足感があった。 まず印象的だったのは、食材の質の高さ。一品目から季節感が溢れ、どれも新鮮さが際立つ内容。 魚介や野菜はもちろん、出汁や合わせ調味料まで繊細に設計されていて、全体的に甘みのある優しい味わいでまとまっていた。 料理の進行もスムーズで、強い主張ではなく、静かに心に残る味。 特に椀物や炊き合わせのレベルは群を抜いており、余韻が長く続く。 店内は落ち着いた和の設えで、カウンターも個室も完備。 静謐な雰囲気ながら、どこか緊張感があり、背筋が自然と伸びるような空間。 さらに奥には手入れの行き届いた小さな庭があり、客人をもてなすには最高のロケーション。 サービスも丁寧で、堅苦しさはなく、さりげない気配りが感じられる。 接待や記念日など、大切な時間を過ごしたい時には間違いない選択肢の一つ。
2025/06訪問
1回
高田馬場の雑多な街並みの中に、ふと一軒の小さなカレー屋がある。 看板には「ブラザー」と書かれているが、特に主張はない。 気づかなければ、そのまま通り過ぎてしまうような店だ。 しかし、店内には独特の熱があった。 客は静かに食べ、厨房からはスパイスの香りが細かく立ち上る。 その香りだけで、もう一口の準備ができてしまうような気配がある。 注文したのは 鯖キーマ。 最初は「鯖とカレー」という組み合わせに、わずかな戸惑いを覚えた。 だが、一口食べた瞬間、その疑いは簡単に裏切られた。 鯖はほぐされ、形ではなく「旨味」としてスパイスと溶け合っている。 魚特有の油の甘みが、 キーマの辛さと香りをやわらかく包み、 そのまま喉の奥まで滑り込んでくる。 味は強いのに、しつこくない。 重たいのに、どこか軽い。 その矛盾が、妙に心地よい。 気がつけば、スプーンは止まらず、 皿は静かに空になっていた。 「美味い」とは声に出すものではなく、 ただ自然に食べ終えてしまうことを言うのだと、 このカレーが教えてくれた。 派手さはない。 だが、記憶には残る。 そんな一皿だった。
2025/11訪問
1回
この店は非常に特別な料理スタイルを持っており、食材を丁寧に処理し、料理の過程で食材本来の味をしっかりと閉じ込めています。 ロブスターの脳みそで作ったスープは非常に印象的で、何の調味料も加えず、その鮮やかな味を完璧に表現しています。 最後のステーキも6時間かけて焼き上げられ、切るときには肉汁が出ませんが、口に入れると一瞬で肉汁が溢れ出します。この完璧な肉汁を閉じ込める料理方法も新鮮な感覚を与えます。 全体的な体験は非常に創造的な店であり、次回も考慮します。
2024/02訪問
1回
本日訪れたのは、ミシュラン二つ星の「天ぷら 元吉」。 一通り食べ終えての感想としては、さすが星を獲得しているだけのことはある——そんな納得感のある内容だった。 まず印象的なのは、テーブルに並ぶ数々の器。 一皿ごとに使う器が異なり、それぞれの素材に最も合う形・質感が選ばれている。 そして、大将が一品揚げるたびに「これは天つゆ」「これは塩」「これはすだち」と丁寧に説明してくれるのだが、 その真剣な表情があまりに厳かで、もし間違えて違うものを付けたら死刑宣告されそうな緊張感が漂う(笑)。 とはいえ、その厳しさに見合うだけの技術は確か。 衣は軽やかでありながら、カリッとした食感があり、 中の食材の旨味や水分をしっかり閉じ込める火入れの巧みさは見事。 特に野菜の甘みの引き出し方や、海老のプリッとした弾力には思わず唸らされた。 全体を通して、格式の中に確かな技術と美意識が宿る一軒。 次回はもう少し肩の力を抜いて、再びあの“緊張感の中の美味しさ”を味わいたい。
2025/09訪問
1回
The Tabelog Award 2025 Silver 受賞店
食べログ 焼肉 TOKYO 百名店 2025 選出店
本郷三丁目、湯島、水道橋/焼肉、ホルモン
予約困難店として知られる名店「ジャンボ はなれ」にようやく訪問。 結論から言うと、肉質のレベルが別格。特に牛タンが圧倒的にうまい。 コース中心の構成で、部位ごとに最適な厚み・焼き時間で提供される。 どの肉もサシの入り方、カットの仕方、温度管理まで含めて完璧。 「焼肉ってここまで進化してたのか」と実感できる。 中でも驚いたのは牛タン。 一般的な薄切りではなく、やや厚めにカットされたもので、 表面は香ばしく、中はもっちりとした食感でとにかくジューシー。 噛むたびに旨味があふれ出てくる感覚で、正直これだけでも来た価値がある。 塩加減やタレも肉の邪魔をせず、しっかり計算されている印象。 内臓系もレベルが高く、苦手な人でも食べられるくらいクセがない。 店内は清潔感があり、落ち着いた照明で雰囲気も良好。 スタッフの対応も丁寧で、焼きのサポートもしっかり入るので安心して楽しめる。 焼肉好きなら一度は行っておくべき店。 牛タン好きには特に強くおすすめしたい。
2025/06訪問
1回
通りがかった時に行列を見つけ、 理由も分からぬまま、気づけば最後尾に立っていた。 二時間並び、どうにか最終の一杯に滑り込む。 これだけ待てば、さすがに期待も膨らむというものだ。 運ばれてきたラーメンは、 その期待を裏切らなかった。 鶏ガラのスープは旨味が濃く、 雑味がなく、身体の奥まで素直に染み込んでくる。 チャーシューも柔らかく、舌に触れた瞬間にほどけるようで、 一口食べた途端、 先ほどまでの寒さと待ち時間の記憶が静かに消えていった。 だが、この店で最も印象に残ったのは、 料理そのもの以上に「人」である。 寒空の下で待つ客に、 店員は進んでカイロを配り、 一人ひとりに声をかける。 その態度に、気取りも計算も感じられない。 低価格の料理店ほど、 味だけで勝負しようとしがちだが、 ここでは客を迎える姿勢が、 一杯の価値を確かに底上げしている。 料理は確かに美味い。 しかし、人の温度があるからこそ、 このラーメンは記憶に残るのだと思う。 寒い夜に並んだ二時間も、 今となっては悪くなかった。
2025/12訪問
1回
元々は高田馬場にあった店で、その頃は並ばないと食べられないレベルの人気だったけど、 南阿佐ヶ谷に移転してからはネット予約制になって、前よりはかなり行きやすくなった。 低温の油でじっくり揚げて、肉汁を閉じ込めつつ柔らかさをキープするスタイル。 似たような調理法の店は色々行ったけど、ここは正直、肉質も食感もトップクラス。 コースは一人6000円で、3種類の部位が順番に出てくる形式。 揚がったそばから一切れずつ提供されるスタイルで、見た目はレアっぽいけど、食べれば納得の火入れ加減。 今では食べログのとんかつカテゴリーで一位になってるみたい。 これまで色々な個人経営のとんかつ屋に行ったけど、ここまでのレベルはなかなかない。 東京でランチ迷ってるなら、ここは自信を持っておすすめできる一軒。