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東京から車で5時間。 山道くねくね、鹿に2回会いながら、着いた先は——柚木元。 tabelog金賞の名に違わぬ、“山のオールスター料理”が待っていた。 熊、羊、渓流魚、山菜…… ジビエ初心者にはちょっと緊張するラインナップだったが、 シェフがめちゃくちゃフレンドリー。 初対面なのに「おす!」くらいの距離感で迎えてくれるから、不安ゼロ。 外の囲炉裏で魚が焼かれていて、窓越しにその様子を眺めながらの食事。 正直、焼き魚なのに演出が“ライブ感”ありすぎて笑った。 滞在2時間。 滞在時間よりも車の中にいた時間の方が長いけど、 こういう“わざわざ感”って、食の旅の醍醐味なんだよなあ。 「え、そこまでして食べに行くの?」って言われるのが、実はちょっと嬉しい。
2025/06訪問
1回
ついに予約が取れ、大阪の名店「本湖月」へ。大阪でもトップクラスの点数を誇る日本料理を味わうために、東京から日帰りで車を走らせて訪れた。 料理は、食材の質・美しさの両面において徹底的に磨き上げられており、一皿一皿から職人としての矜持がひしひしと伝わってくる。まさに「料理人が自らの仕事にどれだけ敬意を払っているか」を体感できる時間だった。 特徴的なのは、調味料の存在感を極力抑えている点。塩気や出汁で強引にまとめるのではなく、素材そのものの持ち味を最大限に引き出すことに全力を注いでいる。野菜の甘み、魚介の旨味、肉の香り――それぞれが澄み切った形で舌に届く。 そのため、せっかちな人にはやや物足りなく感じるかもしれない。しかし、食べる速度を落とし、五感を研ぎ澄ませて味わえば、普段では気づけない「食材のもっとも純粋な表情」に出会えるはずだ。 総じて、本湖月は「素材に対する最大級の敬意」を表現した日本料理店。大阪を代表するにふさわしい一軒であり、料理そのものと真摯に向き合う体験を求める人に強くおすすめしたい。
2025/09訪問
1回
岩手県に来た今回は、花巻温泉の旅館料理という“お決まりコース”をあえて避け、 「せっかくなら県内で一番評価の高い日本料理を」と思い、 岩手県トップの日本料理店「新茶家」へ。 47都道府県の名店巡りの一環として訪問。 店内は古風で静かな趣があり、 まるで時がゆっくり流れているような落ち着いた空間。 料理長は意外にもとても控えめで、 一品一品の説明をするときも、どこか照れくさそうな笑顔が印象的だった。 しかし、その柔らかい物腰とは裏腹に、料理の腕前は圧巻。 調味料をほとんど使わず、素材そのものの味を引き出すことに徹しており、 どんなに鈍い舌でも、その“自然の旨味”をはっきりと感じ取れる。 人工的な味では決して到達できない、純粋な美味しさがそこにある。 訪問時はちょうど松茸の季節。 香り高い松茸を中心に、蟹・海老・茸・魚など、 山と海の恵みを融合させたコース構成。 焼きを主体とした調理法で、店内に立ちこめる香ばしい松茸の香りはまさに秋そのもの。 視覚・嗅覚・味覚、すべてで楽しませてくれる。 どの皿も丁寧で、派手さはないが、 一口ごとに「本物の料理とはこういうことだ」と実感できる。 価格も良心的で、このクオリティを都内で求めれば倍はしてもおかしくない。 花巻温泉に来ることがあれば、また必ず再訪したい。 旅の中で、心から“食べに来てよかった”と思える一軒だった。
2025/10訪問
1回
浜松にある「麟(本店は勢麟)」でうなぎを食べてから、「本当に美味いうなぎってこういうもんか」と思い知らされた。 本店の勢麟は、過去に金賞を2年連続で取ってて、今年は銀賞に落ちたらしいけど、正直まだまだ実力十分。 コースは一人あたり3万3千円くらい。品数はそこまで多くないけど、手間のかかり方がすごい。 蒸す、煮る、揚げる、焼く、全部自分の目の前でやってる感じで、厨房では職人3人がずっとバタバタ。 中でも印象的だったのは、店主が全く客を気にせず、ひたすらうなぎを焼いてる姿。こだわりすごすぎて笑った。 店中がうなぎの香りに包まれてて、焼き上がったうなぎは外パリッ、中ふわっでめちゃくちゃうまい。 味も食感も、しっかり「高いもの食ってる」って感じさせてくれる一品。 予約も比較的取りやすいから、うなぎ好きやグルメ好きなら一度行って損はないと思う。
2025/06訪問
1回
5年連続でTabelogゴールドを獲得している銀座しのはら。 期待値マックスで訪問しましたが……正直、味に関しては肩透かし。 もちろん、悪くはない。 でも「特別感」や「一期一会の感動」を期待すると、やや物足りなさが残ります。 演出や盛り付けは華やかで、所作も丁寧。雰囲気は抜群なので、「雰囲気重視の相手」と行くなら◎。 つまり…そう、小洒落た夜を演出したい“特別な関係”の方と行くにはちょうどいい。 照明も程よく落ち着いていて、料理の説明もどこか艶っぽい。 ただし、味にうるさい本妻やグルメな友人と行くには要注意。 「え、これでこの値段?」と刺が飛んできそうなレベル。 噂や箔に惹かれて一度は行ってみる価値はあるけれど、 リピートするかと聞かれたら……うーん、どうだろう。
2025/06訪問
1回
神楽坂の「虎白」へ初訪問。 格式ある空間と丁寧な仕事に、期待以上の満足感があった。 まず印象的だったのは、食材の質の高さ。一品目から季節感が溢れ、どれも新鮮さが際立つ内容。 魚介や野菜はもちろん、出汁や合わせ調味料まで繊細に設計されていて、全体的に甘みのある優しい味わいでまとまっていた。 料理の進行もスムーズで、強い主張ではなく、静かに心に残る味。 特に椀物や炊き合わせのレベルは群を抜いており、余韻が長く続く。 店内は落ち着いた和の設えで、カウンターも個室も完備。 静謐な雰囲気ながら、どこか緊張感があり、背筋が自然と伸びるような空間。 さらに奥には手入れの行き届いた小さな庭があり、客人をもてなすには最高のロケーション。 サービスも丁寧で、堅苦しさはなく、さりげない気配りが感じられる。 接待や記念日など、大切な時間を過ごしたい時には間違いない選択肢の一つ。
2025/06訪問
1回
夜の神楽坂は、坂の上にも坂の下にも、 しんとした静けさが漂っている。 その一角、細い路地の奥に、一つだけ明るい灯が見えた。 近づくと、それは「焼き鳥 峠」という小さな店であった。 引き戸を開けると、外の静寂とは対照的に、 中は炭の音と笑い声が交錯している。 カウンターの奥には、無言で串を打ち、火を操る男がいた。 額の上には、炭の熱が淡く揺れている。 彼はまるで自分の城を守る武士のように、 一本一本を真剣に焼いていた。 塩味のみで焼かれる秋田の比内地鶏。 脂の香りがゆっくりと立ち上り、 それが店中の空気に溶けていく。 ねぎ間、かわ、せせり。 どれも塩の粒が肉の甘みを引き出し、 噛むたびに淡い旨味が滲む。 派手なタレのような即効性はないが、 時間をかけて心に沁みてくる。 焼きの終わりに、湯気立つ一碗の鶏スープが出された。 脂が静かに光り、湯の中に一日の余韻が溶けている。 口に含むと、すべての味が穏やかに融け合い、 まるで今日という日がここでひと区切りつくようだった。 外に出ると、坂の上の灯りが一層柔らかく見えた。 人は生きている限り、 こうした一杯の温もりに導かれて夜を歩いていくのだろう。
2025/10訪問
1回
行き先に迷った時は、とりあえずお気に入りのホテルを選んで、 コンカフェの推し子を誘って一泊するのがいつものパターン。 今回は紅葉の季節ということもあり、久しぶりに日光のリッツ・カールトンへ。 中禅寺湖を眺めながら食事ができるのがこのホテルの醍醐味。 ……とはいえ、今の時期は17時を過ぎるとすぐに暗くなり、 気づけば湖どころか自分の影も見えない(笑)。 それでも料理は安定のクオリティ。 こういうリゾートホテルのディナーは「感動」よりも「安定」を求めるものだと思っているので、 その点では十分に満足できた。 今回はあえてコースを頼まず、単品で注文。 すっぽんの茶碗蒸し、鯛と松茸の椀物、天ぷら、そして牛肉の一皿。 どれも丁寧に作られており、味に大きなブレはなし。 特にすっぽんの出汁の香りがよく、冷えた体にじんわり染みた。 食後はそのまま温泉へ。 料理の余韻よりも、湯けむりと静けさに包まれる時間の方が印象に残った夜だった。
2025/10訪問
1回
東京マラソンの当日、コースの途中で偶然見つけたうなぎ店。 「走るより食べる方が大事だろう」と思い、迷わずレースを一時中断して入店。 選んだのはもちろんうな重。 メニューを見ると、並うなぎが6,000円台、天然うなぎがなんと15,000円。 その瞬間、ふと思った。 ——「やっぱり天然が一番高い」。 美容整形好きの友人たちに伝えたい言葉である(笑)。 調理は蒸してから焼く関東風。 提供までに40分ほどかかったが、それも納得。 この値段で5分で出てきたら、さすがに吉野家のうな丼と比べてしまうだろう。 肝心のうなぎは、蒸しの工程でふっくらと柔らかく仕上がり、 一口ごとに香ばしい香りと脂の甘みが広がる。 特に肝焼きのほろ苦さが全体の味を引き締め、 甘いタレとのバランスが絶妙だった。 「15,000円の価値はあるか?」と聞かれたら—— 正直、もう支払ってしまった以上、「もちろん、あります」と答えるしかない(笑)。 総じて、味・雰囲気ともに満足度の高い一軒。 走ることをやめてでも食べたくなるうなぎ。 マラソンの途中で立ち寄った自分を、少しだけ褒めてあげたい。
2025/10訪問
1回
「銀座 瀬里奈」は、昭和の香りが色濃く残るしゃぶしゃぶの老舗。 店内に一歩足を踏み入れると、クラシカルで落ち着いた空気が漂い、まるで時代を少し遡ったような感覚になる。 銀座という立地も相まって、海外からの観光客にも非常に人気の高いお店だ。 サービスはまさに“和と洋の融合”。 スタッフの方々はどこまでも丁寧で、所作や言葉遣いの端々に日本的な心配りと西洋的な紳士的マナーが感じられる。 その雰囲気の中でしゃぶしゃぶを楽しむと、自然と背筋が伸び、食事そのものが特別な体験になる。 お肉の質はさすがの一言。 一番リーズナブルなコースでも程よい脂の入りで、重すぎず上品な旨味が感じられる。 グレードが上がるにつれサシの入りも豊かになり、口に入れた瞬間にとろけるような甘みが広がるが、 その分やや重たく感じる人もいるかもしれない。 さらに嬉しいのは、蟹しゃぶがセットに含まれている点。 肉と海鮮を一度に楽しめる構成で、価格以上の満足感がある。 特に観光客や初めて日本のしゃぶしゃぶを体験する方には、これ以上ない入門コースといえるだろう。 総じて、「銀座 瀬里奈」は、昭和の情緒と伝統的な日本のおもてなしを感じられる一軒。 雰囲気、味、サービス、いずれも安定感があり、“銀座でしゃぶしゃぶを食べる”という体験そのものを味わいたい方に強くおすすめしたい。
2025/10訪問
1回
友人の強いおすすめで訪れた「佐々」。正直に言うと、食後の印象はあまり強く残らなかった。数日後に写真を整理しながらレビューを書こうとした時、この料理はどこで食べたものだったのか一瞬思い出せなかったほどだ。 味わいは決して悪いわけではなく、丁寧に仕上げられてはいるのだが、「ここならでは」という決定的なポイントが見つけられない。個々の料理は平均点以上ながら、全体として特別な印象を残すには至らなかった、というのが率直な感想。 食後に友人から「どうだった?」と聞かれた時も、まさにあの微妙な感覚――「正直そこまで美味しいと感じたわけではないが、かといって正面から否定するほどでもない」という、なんとも答えにくい状況になった。 総じて、雰囲気やサービスは悪くなく、友人との時間を楽しむ場としては十分。ただ、自分自身が再訪したいと思う強い動機は残らなかった。
2025/09訪問
1回
彼女と一緒に寿司を食べに行ったんだけど、その店の食材はどうだったかは置いといて、向かいに座っていたおじさんが一生懸命に寿司を握ってくれた。最初は寿司を握ることに慣れていないのか、緊張しているのか分からないけど、ずっと何かしらの無関係なことを喋って雰囲気を和ませていた。 話すことはそれほど気にしなかったんだけど、問題は途中でどの寿司にわさびを付けたか、忘れてしまい、再度一つずつ確認しに行く姿勢。そのおかげで食事の雰囲気はちょっとした混乱になり、味も何となく物足りなかった。でも、彼女はまだ世の中の様々な経験をしていないようで、それでも「美味しい」と言ってくれて良かった。
2023/12訪問
1回
広島・西条にある日本料理店「そうびき」さんを訪問。 正直、これほど感動したお店は久しぶり。 東京のゴールド受賞店をいくつも食べ歩いてきましたが、それらを軽く凌駕する美味しさと誠実な料理の数々。 カウンター越しに立つ店主は、物静かで控えめな印象。 しかしその手から生まれる料理は、どれも丁寧で、計算され尽くした構成。 味わいだけでなく、香り、食感、余韻まで見事に調和されていて、まさに「引き算の美学」を体現しています。 特筆すべきは、料理そのものへの美的感覚。 盛り付け、器の選び方、そして何よりも味のバランス感覚が素晴らしい。 派手さはないけれど、静かに心を打つ一皿一皿。これが本物の日本料理だと改めて感じさせられました。 東京では、店主が多くの弟子を従えて華やかな演出を重視する店も少なくないですが、 ここ「そうびき」では、まるで研究者のように一心不乱に料理に向き合う姿勢があり、 まさに“職人の真髄”を見せてもらったように思います。 往復5時間以上かけて足を運びましたが、その価値は十分すぎるほどありました。 「わざわざ食べに行く」その意味を教えてくれるお店です。 また広島を訪れた際には、必ず再訪したいと思います。