31回
2025/03 訪問
参った、参りました!
妻の誕生日。
妻は誕生日はバールチッチャしかないと断言しています。
私はサラリーマンではないため、最近は休みが全くないという日々が続いていて、まだ下書きのままのレビューが異常に溜まっていますが、衝撃的だったのでこちらのレビューをあげさせて頂きます。
淡路の天然鯛とホワイトアスパラゆず風味。
メニューに決定したばかりということでしたので、正式な名前は少し違うと思います。
いつものように美味なる料理をかなり食べて、美味しいワインをガブガブ飲ませて頂きましたが、今回は他の料理のことは書きません。
全ての料理とワインが素晴らしいですがこの料理が突出していたからです。
書きたいのは鯛の素材としてのクオリティ。
もはやここまできたかと腰を抜かしました。
白身の魚でこれほどまでに驚いたのは、初めて城助で白身の握りを食べた時以来です。
うーん。
唸りました。
神戸で城助以外でこのような鯛の料理が食べられるとは全く思っていませんでした。
まず、鯛の食材としてのクオリティが凄いです。
鯛の旨み、甘みがしっかりあり、ほんの瞬間だけ炙っているために鯛の一番良い香ばしい風味が口と鼻を楽しませてくれます。
鯛とひらめとフグはとても難しい食材です。
世の中のほとんどはあまりにも旨みや風味が微弱なためにポン酢をつけて食べさせたり、もはや食材の味など感じさせないほど味をつけて食べさせます。
刺身なら醤油をたっぷりつけて食べるとか、、。
だったらどんな魚でも同じ味になります。
これは3億年前にも書きましたが、とても刺身が美味い店を見つけたと言われてついていったら、大変出汁の効いた醤油で刺身を食べる店でした。
食材の味は皆無。
まあそのようなことがほとんどです。
居酒屋ならともかく、地元のそれなりの高級店でもよくある話で、神戸で普通に食べる白身の魚はとにかくダメです。
旨みも風味もないです。
食べたくないです。
何故出すのか?
提供する側、提供される側。
需要と供給。
私としては全く不思議な世界としか申し上げることが出来ません。
お金のある方は本当に余裕があるのですね。
味覚も嗅覚も主観以外の要素が一切ないので、個々人は自分の位置が相対的にどうなのかが分かりません。
2兆回書いていますが、視力 2.0の人と0.1の人が見えている世界は全く違います。
視力は遠くを見て、あれ見えるこれ見えるとお互いに言い合って、実際近くに行けば事実がわかるので喧嘩になりません。
メガネやコンタクトもあります。
0.1の視力な人が 2.0の視力になれるのです。
味覚や嗅覚に関しても、喧嘩をしたり嫌がらせをしたりしない世界があると良いですね。
しかし、事実を確認できないので、理想の世界は存在しないのです。
今だに嫌がらせがあるので驚きます。
今回頂いた鯛の料理は恐ろしいほどのレベルに達してしまいました。
鯛の食材も凄いですが、料理としてのアプローチがこの鯛をこのような料理として完成させるのかと 想像もしたことのないものだったので本当に感動しました。
東京時代に、いや神戸に来てすぐの頃も 2ちゃんねるに、とんしは贔屓の店だけ絶賛して、他は好き放題悪口を書くと散々言われましたが、唯一無二のこのようなお店は絶賛するほかやることはありません。
家で作る料理よりも不味いものを出す店に対しては、不味いと表現する以外にありません。
私は芥川賞作家ではないのです。
関西でダントツ素晴らしく、お値段も最高級、雰囲気は初めてだと震えるほどというイタリアンに接待で行きましたが、このような料理は出てきませんでした。
トリュフだの今時フォアグラだのキャビアだの使っていますが平凡極まりなく、シェフの探求心が全く感じられないダレた料理ばかりでした。
白トリュフのクオリティは時期としては素晴らしいと思いましたが、それは探した豚か犬の嗅覚が素晴らしかっただけです。
ちなみに私は白トリュフは好きですが、黒トリュフはあまり好きではありません。
いずれにしてもトリュフは値段と香りや味がしっかりと正比例するので、関西ダントツトップの高級店では豚と犬のお陰で素晴らしい逸品が出てくるわけです。
さて、バールチッチャやチッチャの料理もどこまで行くのかしらと思うほど食材のクオリティを追求しておられますが、値段設定に一定の限界を持たせながら、高級食材というものに捉われず、とにかくベストを尽くし、常に味や香りや食感は限界を破るということに毎日チャレンジされておられます。
それが食べると伝わってくるのです。
だから絶賛する他ないのです。
他のほとんどの店はそんなことには挑戦していないからです。
豚と犬に頼らないお店での究極の料理との出会いだけが私の楽しみです。
いや、最近はドジャースのマニアになってきました。
開幕スタメンのセカンドは私の予想通りボーティになるのでしょうか?
コーペックとフィリップスの怪我で空いたブルペンのアクティブロースターの 2枠にカスペリウスやウロブロスキは入れるのでしょうか?
3月18日が楽しみですね。
どうでも良い話ですが私の今年の誕生日は高しまです。
※とんしの「本当に美味いもの」ブログ
再開しました。
正月のあのワイン当ての番組の真実について書かせて頂いているので、よろしければご覧下さい。
2025/04/08 更新
2024/04 訪問
ハーフマラソンの打ち上げ
何故か今年からマラソンの練習を始めてしまい、初挑戦の10キロの次はいきなりハーフマラソンです。
4月としてはかなり暑い日になってしまい、リタイア続出の中、フルマラソン数十回の義兄は当然としても、私も妻も完走はしました。
前回の打ち上げはClapでしたが今回はバール・チッチャです。
まずは泡。
カスタマイズして頂いている前菜を頂く前にこの日は2品頂きました。
神経締めの信州サーモン。
信州?海のない長野県産?
最近、天然ではない魚介類で普通の天然物より美味しい魚が出てきました。
良い天然物がどんどん少なくなっている中で、上質の養殖物がこれからどんどん出てくるでしょう。
ただ、結局美味しいものは取り合いになるので、ごく一部の飲食店でしか味わうことはできないかも知れません。
特にサーモンは海外ものが倍以上の価格になり、日本以外の国でも大量に消費されるようになっているので、価格が下がることは無さそうなので、今後は過疎地などでの養殖が増えていくのでしょう。
味は料理の技術が卓越していることはもちろん、食材も良いものでした。
やはり、今後は養殖物もピンキリということが顕著になるでしょう。
実際に最高級のキャビアの一つは特別な技術で作られていますからね。
鰻は天然物がほとんどないことは皆さんご存知の通りです。
次は鰹だったかな?
鰹や鰆といったとても難しい魚を素晴らしく仕上げて出して頂くことが多くなりました。
城助オマージュを更に昇華させておられるイメージです。
鰹や鰆は火を通すととても食べられたものではないので、生かそれに近い状態で出すしかありません。
だから、極めて料理として出すことが難しいのです。
凄いですね。
その後はいつものパターンで前菜やランプレドットやピッツァやパスタを頂きながら、ワインをバンバン飲ませて頂きました。
とても美味しく、ハーフマラソンで使ったカロリーを補充することが出来ました。
いつもありがとうございます。
次は歌のコンサートの打ち上げかな?
2024/06/15 更新
2024/03 訪問
妻のバースデーディナーはやっぱりバールチッチャ
何度か書かせて頂いていますが、3月は、妻と私とワンコの誕生日、入籍記念日がありまして、とにかくイベントや外食が多いです。
私たち夫婦が大好きなお店となると城助やチッチャや高しまともちろんこちらのお店になるのですが、妻が一番ホーム感があって誕生日というなら、こちらのお店しか無いということで伺いました。
料理やワインが素晴らしいのはもちろんですが、居心地ということが飲食店では重要になります。
居心地が良い。
ちなみに私の誕生日は、城助でしたが私にとっては居心地も良いわけです。
飲食店に行く目的が私とは違う方々にとっては居心地が良くないと言われることがあるようですが、それは十人十色です。
とにかく私たち夫婦に限らず、中村さんが好きで足繁くこちらのお店に通っている方はかなり多いです。
いわゆる窯の前のアリーナ席と言われている席に座られる方はそのような居心地の良さも求めておられるようです。
今日は、前菜の前にまずこれを召し上がってくださいということで、
鬼じめ鰆のカルパッチョ。
が出てきました。
シャンパーニュを飲みながら頂きます。
城助オマージュを感じます。
やはり、城助を経験されてから中村さんの魚介類に対する追究が何段階か上がったと思います。
とにかく鰆は難しい魚で、家で妻が料理する時もかなり繊細な感覚で作ってくれていますが、寿司にせよイタリアンにせよ、美味しくすることは至難の技です。
要するに鰆をそれなりに美味しく食べようとしてもかなり手間をかけないといけませんし、そもそも鰆を食材として選んだ以上、そこには明確な目的がなければプロフェッショナルの料理ではありません。
鰆が安かったから鰆というのは、かなりリーズナブルな居酒屋ではある意味当然のことですが、料理のクオリティを追究しているはずの値段帯の店では、あり得ない話です。
実際にはそんな店は多いですが、カジュアルイタリアンとしては日本を代表すると断言しているバールチッチャではそんな馬鹿げたことはされません。
鬼じめ鰆が素晴らしい食材なので、そのパフォーマンスを最大限に引き出した料理だからまず召し上がってくださいと仰るわけです。
そのクオリティは、イタリアン嫌いの私としては、イタリアン大好きと思わず言ってしまいそうな迫力を感じます。
関西一とか大阪一とか言われているイタリアンで食べましたが、食材や技術も含めてトリュフ以外は徹底的にダメでした。
雰囲気は一流、サービスは三流、味と値段は五流です。
自分でお金を払っていたら、大阪中を走り回って、20億回は文句を言ったでしょう。
探究心が皆無と感じたからです。
だから技術も高くないです。
まあ、需要と供給なので私には関係ありませんが、、。
そんなわけで妻の大好きな居心地も素晴らしいですがやはり料理が凄いです。
いつものようにその後は、カスタマイズされた前菜やピッツァやパスタを頂きながらワインはガバガバ飲みました。
最後は誕生日デザートのサービスも。
ご馳走様でした。
2024/05/17 更新
2023/12 訪問
ラストバールチッチャ
かも。
という訳でなんとかスケジュール調整して中村さんに頼んで2時間の枠を確保できました。
リシャール・シュルラン シャンパーニュ・ブリュット・アッシュ アッサンブラージュ・トラディショネルNV
ピノノワール50%、シャルドネ50%
タンニンがシルキーです。
ワインはタンニンがどうなのかということがまず気になります。
クリーミーな味わいで、優しい果実感があります。
前菜はいつものように完全お任せ。
レバーパテはその日によって味や風味が異なりますが、ハイクオリティの安定の中でのもので、かなり手間と時間をかけられているなあと感じます。
レバーパテは、有名な高級店で食べても臭みとエグミがあり、食べることが苦痛ということばかりです。
パテ・ド・カンパーニュ同様、このような究極のレバーパテの8割程度の完成度のものが家で作れたらなあと思います。
いずれにしてもここまでのものは作れないでしょう。
だからこそ、外食で食べる意味があります。
佐越牡蠣のソットーリオ。
妻は牡蠣アレルギーがあるので私だけ頂きました。
絶妙な味付けです。
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2018
果実感がしっかりあって濃厚で美味しかったです。
妻が好きなタイプですね。
ワインは私と妻では少し好みが分かれていて、私は薄い出汁感のあるものが好きです。
妻は果実感がしっかりあるものが好きなようですね。
ただ、ある一定のクオリティを超えているワインはどんなタイプであってもかなり美味しいですし、素晴らしいと思います。
ランプレドット。
前回は部位の関係からか肉の旨みが淡白に感じましたが、今回は妻曰くめちゃくちゃ美味しかったという素晴らしい出来でした。
この料理もここまで仕上げるには恐ろしいほどの繊細さが必要です。握りやラーメンやワインやコーヒーだけでなく、イタリアンも異次元クラスとなると想像を絶する繊細さがあるので、何かがちょっと違うと一定ラインから落ちてしまいます。
だからこそ、毎日食材と会話する必要があるのです。
レシピそのままの料理はプロフェッショナルではないと私は強く思います。
最近、ハシゴ酒を禁止されているので、2軒目は家でワインを飲むことになるため、つまみがないと近所のセブンイレブンに寄りますが、コンビニは恐ろしいほど安い価格で一昔前までは想像できなかっだような物を常に開発していることがわかります。
もちろんアレが入っている物が少なくありませんが、スウィーツにしろ、ラーメンやうどんなどの麺類にしろ、独身で仕事に疲れて帰ってきたら、家で美味しいワインや日本酒を飲んだ方が良いなと思ってしまうような物があります。
スカーク
ビアンコ・オグラーデ
レアなオレンジワイン。
オレンジワインはどうしてもジュースっぽく感じることが多いですが、それを感じさせずエキゾチックな感じがして美味しかったです。
マリナーラ
ポロネーゼ
クオリティが高く、安定のピッツァとパスタ。
その美味しさは群を抜いています。
バローロ ヴィニャ ド ラ ロウル
ロッケ ディ マンゾーニ
高価なバローロ。
イタリアワインの王様。
美味しいです、そりゃ。
旨味が深いですね。
クオリティの高いバローロには、ニュイのピノとはまた違った魅力があります。
私はタイプがどんなものであっても本当に美味いものであれば好きです。
よくどんな料理か好きですか?どんなお酒が好きですか?と聞かれますが、一応ジャンル的に好きな寿司、ラーメン、ワインは本当に美味しければ大好きですが、不味ければ大嫌いです。
中村さんのバールチッチャ、あと1回くらいはチャンスがあるのかな?
2024/01/06 更新
2023/11 訪問
魚料理は遂にイッテしまいました!
アフター田中彩子のディナーです。
頂いたもの。
よこわ
マントバーナ
前菜おまかせ盛合わせ
ランプレドット
レモンとシラスのピッツァ
これは初めてです。
アマトリチャーナ
トマトとパンチェッタのパスタ
シャンパーニュ
嫌な味がなく旨味が強くて美味しいです。
そのあと、白も赤も飲ませて頂きましたが、全て美味しいです。
リシュリュゥ同様ワインは全てお任せです。
同じもののおかわりをお願いする以外は特に何もリクエストしません。
私は、痛いおっさん、ややこしい人、ですが、信頼していれば一切何も言いません。
城助で、これこれのこのワインなどという希望を申し上げることに意味がありません。
日本一の握りに合う、コスパだけでなくクオリティも最高のものを出してくれることがわかっているからです。
下手に私の希望を言ったら全てが台無しになります。
リシュリュゥでも同じですね。
希望は全て信頼しているのでお願いします。
だけです。
バールチッチャでは、阿吽の呼吸とはこのことで、抜栓してすぐが美味しいワインは抜栓しないで置いておいてくれますし、抜栓して数時間が経過して美味しいワインは理想的な時間に抜栓しておいてくれます。
全てオートマチック。
料理も私たち夫婦用にカスタマイズされた内容。
食べて欲しいものを一番食べやすいように出してくれます。
あとは定番のランプレドットを食べられるかどうか判断と、パスタとピッツァの選択をするだけです。
中村さんの料理を食べさせて頂いて、最近思うのは、魚料理が神戸レベルではなく、日本レベルで、頭一つ抜けたのではないかと思うことです。
特殊なルートでその辺の和食の高級店も仕入れていないような魚を仕入れておられますが、難しい魚ばかり扱われています。
理由はわかります。
コストの問題なのでしょう。
超一流であれば、切って出すだけ、塩を振って焼くだけで美味しい魚もありますが、鰹、鰆ときて、今回はよこわです。
鮪の最高峰はそもそも手に入りませんが、恐ろしい値段がします。
ところが高級とされていない魚の最高峰は、そんなに高い値段でなく仕入れられます。
だから高級魚ではない魚のピン、即ちトップオブトップを何故飲食店は使わないのだと、33億年前、いや地上の時間だと33年前から私が唱え続けているのですが、それを実践されたお店はこちらが初めてかも知れません。
いやー、中村さん凄いですね。
城助インスパイアだと思いますが、魚の扱いが物凄く上手くなりました。
このような上質の魚をイタリアンとして完全に昇華させておられます。
中村さんの料理はピッツァが注目されやすいですし、実際に凄いのですが、今は魚料理も超一流だと思います。
この日のよこわは本当に素晴らしかったです。
よこわのクオリティが高いし、出してくれた部位も一番良いところだとわかりますが、それよりもこのよこわをイタリアンとして生のまま料理として完成されておられることに感動しました。
私は料理やワインの目利きは才能だと思っていますので、中村さんは当然才能に満ち溢れておられるのですが、日々研究して、努力をされておられるのがわかります。
才能と努力。
全ての仕事、全てのジャンルにおいて、それしかありません。
努力のほとんどは報われません。
しかし、努力なしでは何も得られません。
それだけのことです。
2023/12/04 更新
2023/11 訪問
再び義母と
義母の誕生日、こちらのお店は臨時休業だったので、某フレンチに伺いましたが、最悪でした。
義母もワインも料理も進まず、満足感はなかったようでした。
この日は義母がスマホの機種変をしたいというので三ノ宮駅で待ち合わせをして、諸々のことを済ませた後に伺いました。
3人ですが、3階のテーブル席ではなく、いつものカウンター席です。
バールチッチャでワインを飲むのは7ヶ月以上ぶりなので、料理は勿論のこと、ワインも楽しみです。
さわらのカルパッチョ 北海道帯広和田ごぼうのマリネと一緒に。
鰆という魚は本当に料理として完成させるのが難しいのですが、カルパッチョにして旨味の強いマリネされたごぼうと一緒に食べるという発想が素晴らしいですね。
とても美味しいと思います。
季節の料理だと思いますが、また一つバールチッチャの看板料理が出来たなあと感銘を受けました。
前菜の完成度は本当に高くなったと思います。
お任せなので私たちの場合はスペシャルバージョンにして頂いていますが、熟成牛肉のカルパッチョや鶏レバーパテは、抜きん出て美味しいです。
鶏のレバーは臭みとエグミとの戦いなのですが、ほぼ克服していると思いますし、最近はかなり安定してきました。
食材との会話が際立って凄いと思います。
このような繊細な料理はどれくらいの期間寝かした方が一番美味しくなるのかとか、微妙な調味料の配分を日々全て変えなければならないので、とても神経を使うと思います。
牛肉のカルパッチョも同様です。
日々食材のクオリティが変わるので、今日どうするかを深く考えなければなりません。
家庭料理ならレシピ通りで良いと思いますが、プロフェッショナルとして出す料理が、ただレシピ通りだなあと感じてしまうとがっかりします。
レシピ通りかどうか何故わかるんだ?というご意見があるようですが、厳密に言えば、使う食材の良いところを引き出して、弱いところを上手くカバーするという工夫を感じない料理をレシピ通りと表現しています。
要するに日々の調整がされていない料理のことです。
マリナーラ
イカスミパスタ
定番のピッツァとパスタも安定した美味しさです。
義母はイカスミのパスタをかなり気に入っていました。
今月中にはまた伺いたいと思い、もう予約をしました。
楽しみです。
チッチャもなんとか年内に伺いたいですね。
2023/11/17 更新
2023/08 訪問
ディズニーオンアイス
前菜
ストラチャテッラ美味しい生クリームと
徳島県産フルーツトマト濃赤糖のローストとストラチャテッラ(高級水牛モッツァレラチーズ)
白ギスキスのフリット
徳島県産阿波華牛の熟成カルパッチョ
マリナーラ
ボロネーゼ
大阪でディズニーオンアイスを楽しんだ後に伺いました。
この時はまだ禁酒中ですね。
妻は美味しいワインをガバガバ飲んでいました。
何回も書かせて頂いていますが、あまりフレンチやイタリアンが好きではないにも関わらず、こちらのお店は本当に大好きです。
私は少なくてもディズニーよりもバールチッチャと店主の中村さんの方が好きです。
本当に中村さんは食材と向き合っておられて、その食材の良さを最大限に引き出した料理だけを提供してくれます。
他でよくあるメニューの数合わせと言う料理は一品足りともないのです。
そこに中村さんの真摯な思いを感じます。
このレビューを書かせて頂いている今はもう禁酒期間が明けています。
近いうちに伺います。
結局飲み過ぎているので、節酒しなきゃ。
2023/10/16 更新
2023/07 訪問
ご無沙汰しております。
食べログのレビューを更新しないと色々な噂が飛び交うようですが、単に仕事で忙しかっただけです。
レビューを書くだけでなく、マイレビュアー様のレビューも拝見しているのでその時間がないと更に書く時間は無いと言うことになります。
禁酒は続けておりまして、外食は少なくなっていたのですが、6月から新しいクライアント様の仕事が加わり、仕事上、大阪の北新地を中心に、いわゆる高級店ばかり伺っておりました。
同席した方が写真を撮っておられたので私も写真を撮ろうと思えば撮れたのですが、仕事ということであえて撮りませんでした。
今や予約が超困難な本湖月なども数十年ぶりに伺いましたが、写真はありません。
同席された方のネットに載せないあまりの写真があれば載せますが、無ければ写真無しで時間ができた時に書こうと思っています。
大阪市内であれば、食べログで高評価を受けている高級店ばかり週に2回以上伺いましたが、チッチャやこちらのお店や城助の域に達するような店は一軒もありませんでした。
プライベートでも伺いたいなと思ったお店も数軒ありますが、なんせ全くお金を払っていないので、コスパが全く不明です。
ネット情報で値段は推測するしかありませんが、ネットに全く情報のない、シンチらしいお店もあり、なかなか評価が難しいです。
私はノンアルですが、妻は美味しいワインをガブガブ飲んでいました。
先ずは素晴らしくカスタマイズされた前菜です。
この日の魚はヨコワでした。
イタリアンでは扱うのが非常に難しいヨコワですが美味しく仕上がっていました。
マントヴァーナ風で調整されておられます。
レバーのパテは、かなり安定してきました。
プレが少なくなりましたね。
他の前菜も安定の美味しさです。
ピッツァはいつものサラーメ。
パスタもいつものパッケリです。
5月に義母を連れて来て以来ですがやはり美味しいです。
その時のレビューはまた書かせて頂きます。
最後にランプレドットです。
牛肉の自然な甘みが心地よい名品です。
何度頂いても美味しいです。
禁酒継続中ですが、やはり最低でも月1回は伺いたいお店です。
2023/07/11 更新
2023/05 訪問
遂に義母を連れて行きました。
順番が逆になりましたね。
義母は90歳も近いというのに、和食ではなく、肉を中心とした洋食系が好きです。
自分であまり作ることのない料理を外食では食べたいのかも知れません。
私は相変わらずのノンアルワインですが、妻と義母は、泡や赤白ガブガブ飲みながら、前菜をたいらげて、ランプレドット、サラーメ、パスタ(なんだっけな?)などバクバク食べていました。
まあ、私たちと同じ量を飲んで食べたのには驚きました。
妻の家系は、父方も母方もアンチエイジング遺伝子、長寿遺伝子があるようなので、今なお元気です。
人生100年などと言っていますが、健康寿命が重要なので、とても良いことですね。
健康寿命と緩和ケア。
人間最後は結局全てそこに行き着きます。
太く短くを望む方もおられると思いますが。
人間五十年。
織田信長ぎ100歳まで生きていたら違う日本の歴史になっていたのでしょうか。
2023/08/25 更新
2023/03 訪問
初めての3階
そこそこの人数での食事会をしようという話になり、土曜日のお昼に予約させて頂きました。
中村さんに予算をお伝えして、やって頂きました。
先ずはいつものように泡からです。
私は日本の大量生産のビールは変な味がするので飲みません。
そうなると、イタリアンやフレンチでは泡を飲むことになります。
寿司屋や日本料理店では、グラスの泡がないので、日本酒からになります。
居酒屋でもそうなりますね。
この日は泡と赤ですが、ワインは難しいです。
先日、記念日に飲もうと寝かせていた2016年のジオリスを抜選したら、正露丸の香りがして気が狂いそうになりました。
福袋で買ったものなのて、店に持って行って交換するにしてもややこしいなと思い、クレラップを10分浸して、妻と二人で我慢して飲みました。
最悪でした。
これがあるから、以前はワインを積極的に飲みたいと思わなかったのです。
ワインバーではあり得ないことですが、ちょっとした劣化やちょっとした違和感だけだと、そのままグラスで出されたら分からない場合があると思います。
ブショネでなくても異臭があれば流石に交換して貰えるでしょうが、私が同じワインを飲み続けている明らかな違和感程度、ロットによる違い程度では、そのままになると思います。
そもそもちゃんと開くまでは美味しくないワインは沢山ありますからね。
結局、心から信頼しているお店以外ではワインは飲むことはかなりリスクがあるということです。
いつものように前菜から始めます。
素晴らしいクオリティで美味しいです。
7名という人数でもいつもと全く同じです。
アラカルトだと美味しいのに、団体の予約になるとクオリティを落とす店がありますが、そのようなことは全くありません。
当然のことですが、過去には何回か痛い目にあいました。
久しぶりにシラスとレモンのパスタを頂きました。
最近は、新しいパスタばかり頂いていましたが、やはりかなり美味しいです。
初めてバールチッチャにいらっしゃる方は、迷ったらこのパスタを召し上がることをお薦めします。
今日も最高でした。
ありがとうございました。
2023/03/25 更新
2023/03 訪問
僅か数センチの世界
3月は妻の誕生日、私の誕生日、間に入籍記念日、犬の誕生日とイベント目白押しです。
私は自分の誕生日に外食したいと思いませんが、妻の誕生日と入籍記念日は、そうはいきません。
特に妻の誕生日は、外食しなければなりません。
ただ、ディナーでそのような日に伺いたいお店は、城助とチッチャとこちらしかありません。
初訪問であれば、少しだけ興味があるお店もありますが、ハズレだと大変なことになります。
城助やチッチャは、スケジュール調整が極めて難しいので、結局、普段伺っているこちらのお店ということになります。
妻としても、リスクの多い初の高級店など誕生日に行きたいなどという気持ちは微塵もないので、win-winの話です。
18時にお店に到着しました。
いつものように最初は泡。
食べ物はカスタマイズされた前菜盛り合わせです。
前菜に今日の勝負メシ、鰆のカルパッチョ サルサトラパネーゼを入れてくれています。
以前、私が鰆とソースに一体感がないと中村さんに申し上げたようで、今宵は勝負メシとなりました。
まず、食材です。
この日の鰆は今まで頂いた中でも飛び抜けて良いものでした。
しかも、一番脂がのっている腹かみの部位を出してくれました。
鮪で言えば、一番高い値段がつく大トロの中でも脂が凄い部位です。
まあ、中々このレベルの鰆自体を食べる機会はありません。
不動坂を登って行って六甲荘を左に曲がれば運が良ければ食べられますが、神戸界隈でこのようなトップクラスの魚介類を使っている店は皆無に等しいと思います。
手に入らないからです。
しかし、本気を出して、真剣に求めれば、いつかは手に入るかも知れません。
ところが、ほとんどの高級店はそれをやりません。
そんな時間とお金と労力をかけずともそれなりに利益が出るからです。
でも、そのやり方が今後も通用するのか?
私は冷静にどうなっていくのかを見ています。
話を戻します。
ソースはトラパネーゼ。
トマトとバジルとアーモンドでしょうか?
ここまでハイレベルの、扱いが難しい鰆と一体感が出ています。
トマトの食材にもかなり神経を使っておられますね。
酸味が強いと一体感が出ません。
ただ、最初に出してくれた部位は美味し過ぎました。
おかわりで単品で出して貰った部位は美味しかったですが脳が既に最高の味をインプットしてしまっていました。
トップクラスの魚介類を使うとこのようなことが起きます。
仕入れの日が異なれば、クオリティが変わりますし、そもそも良いものほど部位の差がハッキリと出るのです。
そして、お客としても味覚が敏感な方だと、トップオブトップの牡蠣を食べました、帆立を食べました、鮪を食べました、雲丹を食べました、となるともうトップオブトップのものしか美味しいと感じなくなります。
逆に言えば、イタリアンで部位が少しズレるだけ、ほんの数センチのズレで、味が異なるような恐ろしい食材を苦労して手に入れておられるということです。
わかる方にしかわからない世界に入ってしまっていますが、それが青木チームが進むと決めた茨の道なのでしょう。
レバーのパテも臭みがゼロで美味しく調理しておられました。
前菜でレバーは一番難しいです。
常に味が異なります。
その日の食材のクオリティもありますし、とにかく調整が極めて難しいので、前菜を食べる時は今日のレバーはどうだろうかとより真剣に食べます。
阿波華牛の熟成カルパッチョ。
10年くらい前?から東京では熟成肉が流行り始めました。
ちゃんとした牛肉のステーキだと目が飛び出るような値段になります。
元々仕入れ値が高いものを熟成過程で捨てる部分がかなり多いからです。
単に熟成肉の旨味を知りたいのであれば、こちらのお店の熟成カルパッチョで十分楽しめると思います。
料金の桁が違いますからね。
一桁ならまだ良いですが、、。
菊芋のイタリア風オムレツに関しては、妻と意見が分かれました。
妻はもう少し味がしっかりしている方が良いと言っていました。
私は、菊芋にかなり旨味があるので、この味を活かすにはこの日くらいの味付けが良いと感じました。
オムレツ単体を食べるのであれば、ハイクオリティであろう卵が一番美味しく感じる塩梅があると思いますが、この菊芋のようなハイクオリティの食材の旨味を最大限に引き出すには極めて繊細な調整が必要になります。
当然、使う食材によって、常にオムレツの味を調整する必要があるので非常に手間がかかりますが、これからも色々な世界を教えてくださるでしょう。
この日はランプレドットの時にピッツァの素焼きを頂いたのでピッツァまでいけませんでしたが、たらふく食べてしっかりと飲ませて頂きました。
最後はジェラートも。
なんと滞在時間4時間。
妻も大満足で私も犬もしばらくは平和な空気を楽しむことができるでしょう。
2023/03/03 更新
2023/02 訪問
アフターチッチャ2
チッチャで繊細な料理を沢山頂きました。
もうちょっとワインが飲みたいなあ、あの素晴らしい卵料理を頂きたいなあと思い、青木さんに電話をして貰って、デザートを頂きながら時間調整してから伺いました。
今夜は蓮根をチッチャで頂いているので、昨日メニューOKとなった菊芋のオムレツをお願いしました。
オムレツが変わっていました。
本当に毎日、試行錯誤しておられますね。
魚介系の出汁が良いバランスで効いていて美味しいです。
オムレツは、食材のバリエーションができます。
恐ろしい回数の試行錯誤。
このようにレベルの高い卵料理は何かがちょっと変わるだけで、全然違う料理になります。
今度は、魚介類を使ったオムレツを頂いてみたいですね。
チッチャでまあまあワインを飲んだのですが、こちらのお店でもグイグイワインを飲んでしまいました。
ナチューレのワインはかなり飲んでも次の日に残らないので飲んでしまいます。
勢い余って、オーバーランでイカスミのパスタまで頂いてしまいました。
近いうちに、どちらのお店も常連の友人と不動坂のお鮨屋さんに伺います。
帰り道、前を通りますが、オーバーランで立ち寄らないようにしないと。
2023/02/10 更新
2023/01 訪問
義兄と妻と
こちらのお店にはいわゆる飲食店関係者の方々多くいらっしゃっています。
料理人、ソムリエ、飲食店経営者。
そのような勉強熱心な方は素晴らしいと思います。
純粋に美味しいものが食べたいという方もおられますが、いずれにしてもそのような方々には食に対する愛を感じます。
接客は皿に表れる。
志のある料理だということが、プロフェッショナルの方々にはわかるのでしょう。
愛がある方には愛が分かります。
無い人はさっぱりわからないので、、、。
芸術家と言える料理人の方は尊敬するけれども、志のない方は話にならないとネットで書く、私のこのスタイルは多くの方々からご批判を頂きます。
しかし、私からすればビジネスに対する根本的な問題としてふざけるなという思いがあるので致し方ありません。
志のない料理は口に入れた瞬間に分かるので腹が立つのです。
先日、ニカイノフランクであるコーヒーを飲んで人生が変わりましたが、そのようなものは口に入れた瞬間に作り手の志の高さが脳に突き刺さります。
よって逆も然りなのです。
城助の握りもロックンビリーS1のラーメンもチッチャやバールチッチャのイタリアンもニカイノフランクのコーヒーも突出した志の高さと日々の努力と飽くなき探究を感じますが、実はそこまで異常な世界を常に求めているわけではありません。
そのお店の料金設定の範囲でキチンと食材と会話をして、その食材の良さを最大限に引き出してくれれば良いだけなのです。
たったそれだけです。
しかし、実際には食材のクオリティの本質を見極められる料理人は極めて少数だと思います。
そのような方々に志を求めること自体がいけないのだと最近は思うようになりました。
そもそも志せないわけです。
料理を作ることで生活しておられる方は星の数ほどいらっしゃいますが、そもそもプロフェッショナルになれる方は何人おられるのかという話です。
日本では、アメリカのように料理人にスーパーテイスターのテストを課すわけではありませんし、スーパーテイスターそのものも人口比率5%、1%ということではありませんので、それだけで良しともなりません。
いずれにしても一般的に考えれば、私は異常なほど料理に対して厳しいのでしょう。
実際には素人の私や妻が作るものよりも美味しい料理を求めているだけなのですが、、。
自分や妻が作る料理よりも不味いものを外食で食べたくないという素朴な感想をいつも述べているだけです。
ということで、妻の兄とたまには外食をしようと言うことで志高き料理人のお店バールチッチャを予約させて頂きました。
先ずはいつものように泡と前菜です。
三人分の前菜なので一皿ずつ前菜を出してくださいました。
鬼〆鰆のカルパッチョが凄かったです。
鰆のクオリティと熟成した旨味がイタリアンとは思えない素晴らしさでした。
あまりに素晴しいと中村さんに申し上げると、鰆の仕入れ先をより高みを目指して変えられたとのことでした。
そうでしょうね。
以前とクオリティが全然違います。
しかし、もうメニューには無いと思います。
違う魚料理を常に変えながら展開されるでしょう。
マイナーチェンジされるとのことなので写真はアップしませんが、蓮根のオムレツが抜群でした。
オムレツは非常にシンプルな料理なので、極めて難しい料理です。
クオリティの高い蓮根も美味しいのですが、オムレツの火入れと味付けのバランスが完璧でした。
我人生で食べたオムレツで一番美味しかったです。
全てが繊細で複雑でこれは家では絶対に作れません。
ほとんどの外食で食べるオムレツが不味いことを考えると奇跡的とも言えるセンスと技術です。
志さえあれば、高級食材を使わなくても、家庭で作るような料理でも、究極の料理は作れるというお手本です。
後は、
ランプレドット。
ピッツァはサラーメ。
パスタはパッケリ。
妻はピッツァの味がいつもと違うと言っていましたが、まあ、そのような時もあります。
私はパスタの味も微妙に違うなと思いましたが、理由は分かりません。
細かいことを言えばロースハムもいつもと違っていました。
究極の料理は何かがほんの少しだけ違っても微妙に味が変わりますから、城助の世界まで入られたということでしょう。
中村さん、いつもありがとうございます。
またお願いします。
2023/01/21 更新
2023/01 訪問
2023年最初の外食ディナーはこちらのお店!
友人がバールチッチャの予約が中々取れなくなったとこぼしていたので、初営業の5日の予約が取れるか中村さんに連絡したら、OKとのこと。
年始から仕事が忙しいですが、二人で伺うことにしました。
仕事が忙しいので18時の予約時間に間に合うかハラハラドキドキでした。
午前中から発熱外来が予想以上の激増なので、予約時間に間に合いそうもないと中村さんと友人に連絡しました。
いやー、状況によっては何時になることやら。
と思いましたが、援軍もあり恐ろしいスピードで事務処理ができたので間に合いました。
いつものように前菜と泡です。
泡は熟成感のあるフランチャコルタ。
単品でお願いしようと思っていた佐越牡蠣のソットーリオ入れてくれていました。
牡蠣のエグ味を出さずに旨味だけを凝縮させた技術が凄いです。
美味しかったので結局、単品でお代わりをしました。
ランプレドットは初日なので味付けが浅かったです。
中村さんに訊くと部位によって浅くなってしまったと仰いました。
ただ、肉のクオリティが高いので、肉の良さをより感じられるこの日の味が私は逆に美味しいと思いましたが、意図的にこれを常にやることは不可能だとのことでした。
このことだけをとってもかなり繊細な料理であることがわかります。
ピッツァは妻がいないので、最初にこちらのお店に伺って以来、2回目のビスマルクを頂きました。
やはりかなり美味しいです。
パスタはンドゥイヤとストラチャテッラのパッケリ。
やはり太い麺がかなり美味しいです。
私はトマトソース系はあまり好きではありませんが、料理は全てバランス。
このような素晴らしい味付けであればとても美味しく頂けます。
本日もとても楽しくて美味しいディナーを頂きました。
いつもありがとうございます。
2023/03/24 更新
2022/12 訪問
伺う前からワクワクするお店は極めて稀です
世間の評判がどれほど良くても実際に食べてみたら期待はずれという店がほとんどなので、初めて伺う店にはワクワク感はありません。
リピートさせて頂いているお店でもワクワクとまでなるのは極めて少ないです。
バールチッチャはそのような数少ないお店の一つです。
バールチッチャに伺う時は何か個人的なイベントの後か、名古屋や東京で用事があって、夕方に神戸に帰ってくる時が多くなっています。
新神戸駅から近いからです。
本日も名古屋の帰りです。
名古屋には行きたい店がないので、早々と新神戸に戻ってバールチッチャに伺うということがベストなのです。
最近は但に伺わなくなったので、バールチッチャ一択です。
まずは泡といつものようにお任せの前菜盛り合わせです。
私の好きなものばかりの盛り合わせなので、泡がすすむすすむ、すぐに次のワインです。
メニューに鰹があるのが目に入りました。
鰹はとにかく難しい魚です。
迷い鰹のように独特の綺麗な脂が感じられるハイクオリティのものであれば、シンプルな料理が美味しいですが、戻り鰹であってもなかなか美味しくするのは難しいと思っています。
城助は食材のクオリティの凸凹を上手くカバーする卓越した技術があのでいつも美味しく頂きますが、その他の店では出てくるとがっかりします。
遂にバールチッチャで鰹です。
これは難しいとこにいったなあと思いながら頂きました。
まずは一口。
美味しい。
妻は城助以外で初めて鰹が美味しいと思ったと言っていました。
翌日もあれほど心に残る鰹はないとしみじみと味を思い出しているようでした。
鰹という魚が難しい理由は鉄分です。
私の場合は鰹の鉄分を強く感じてしまうので、塩や醤油だけだと鉄を食べているような感覚になるので美味しいとは感じません。
解凍ものだと水臭さも感じるので、とても口の中に入れることはできません。
たたきにして表面を香ばしくさせるだけでは鉄分の嫌な感覚が抜けません。
そうなると城助のような強めの味付けながら、絶妙のバランスで鰹との融和がないと単に味が濃いだけの食べ物になります。
この日頂いた鰹料理は城助へのオマージュだと感じました。
勿論、味付けは異なりますが、明らかにアプローチが同じです。
鰹の鉄分の嫌な部分を上手く消して旨味だけを絶妙のバランスで引き出しています。
次はランプラドット。
こちらもこのお店の看板料理です。
初めてバールチッチャに伺った時に一番召し上がって欲しいと中村さんが仰って出してくれてのがこの料理です。
本当に美味しい。
ピッツァは妻が一番好きなサラーメです。
我が家の定番の一つです。
シンプルですが素晴らしいです。
そして、この日の楽しみの一つはカブのパスタです。
妻は柚子がない方が良いと言っていましたが、私としてはそれほど気にならず、卓越して美味しいと思いました。
カブの旨味と味付けのバランスが素晴らしいです。
本当に素晴らしい。
チッチャとバールチッチャでは意図的に異なるパスタを出しておられますが、どちらも凄みを感じるほど美味しいです。
感動しかありません。
城助の握りのように完全に一体化したパスタ。
ワインはいつものように美味しいものをゴクゴク飲ませて頂きました。
2023年の新年早々に友人と伺います。
予約させて頂くと中村さんはいつものように、精一杯やらせて頂きますと仰いました。
バールチッチャ最高!
2022/12/31 更新
2022/11 訪問
プロフェッショナルとしてのプライドと気概、そして
昨日は外食する予定はなかったのですが、外食可能となったのでダメ元でバールチッチャに電話をしました。
12月になると伺うことが難しくなるのではと考えてのことです。
もしかしたら2回転目で入れるかなあという感じで電話をすると運良く20時くらいから入れるとのこと。
20時過ぎに伺うといつものようにアリーナ席(常連の方は石窯前の席をそのように呼ぶそうです。)に座らせて頂きます。
前菜おまかせ盛合わせ。
おまかせは城助曰くおまかせなのでおまかせです。
要するに通い続けていれば、その人用にカスタマイズされたものが本当の意味のおまかせなので個々によって内容は異なるはずです。
私たち夫婦もそのようにおまかせしています。
ちなみにワインのペアリングも常におまかせしています。
レバーパテの味が完璧なバランスになっていました。
ここまできたら、これ以上やるには食材のクオリティを更に上げるしかありません。
このレバー自体の弱点をほんの少し感じましたが、もう同じ価格の食材でこれ以上は難しいでしょう。
大好物の熟成牛のカルパッチョは最近はこちらに盛合わせて頂いています。
鬼締めカンパチのカルパッチョ 長崎県産の幻の柑橘味美を使ったサルモリッリオ仕立て。
本日の勝負飯です。
前回と同じ食材のカンパチで前回と味を変えておられるだろうと思ったので注文しました。
前回はソースは美味しいと思ったのですが、カンパチの旨味が感じられず、その旨を申し上げました。
最初の一口目。
かなりソースの酸味が強いです。
このソースなら前回のソースの方が美味しいのではと思った瞬間、カンパチを前回よりもスモーキーにしておられて、もしかしたらこのスモーキー感に合わせたソースなのかなと思い始めた次の瞬間に驚愕しました。
本当に驚愕しました。
このカンパチの綺麗な旨味がしっかりと引き出されているのです。
中村さんのプロフェッショナルとしてのプライドと気概がヒシヒシと伝わってきて震えました。
妻も全く同意見。
比較的酸味が好きな妻も流石に最初はかなり酸っぱいと感じたようです。
毎回、あーだこーだとレバーのパテなどに意見を申し上げる私に対して、正に接客は皿に出ると言わんばかりに改良を繰り返してくださりますが、今回は難易度が桁違いです。
このカンパチをイタリアンとしてどうされるのかなと思っていたのですが、私が酸味が苦手なことを重々承知の上で、このカンパチのパフォーマンスはこうやって引き上げるんだという直球を投げかけられました。
一流の食材の魚をよくぞここまで、、、、。
料理は全てバランス。
城助の握りもかなり強い味付けです。
酸味大嫌い、強い味付け大嫌い、の私が他の握りは食べられないと申し上げるほど城助の握りが凄い理由は、バランスと一体感にあります。
最初はスモーキーな風味とソースのバランスだけかと思いましたが、カンパチの綺麗な旨味がここまで引き出されているとは!
イタリアンでこれをやるの!?
脱毛、いや脱帽です。
ランプレドット。
とても美味しい赤を飲みながら、大好きなランプレドット(トスカーナ風牛モツ煮込み)を頂きました。
旨味が深くて繊細です。
仕込みの苦労が伝わってきます。
ご本人には特に申し上げませんでしたが、こちらの料理も日々改良されておられると思います。
ンドゥイヤとストラチャテッラのパッケリ。
(ペースト状のピリ辛サラミとモッツァレラのトマトソース)。
今回のイタリアン研修の成果。
パッケリとは南イタリアカンパーニャ州生まれの非常に大きなチューブ状のパスタです。
味付けも絶妙ですが、とにかく麺の旨味が半端ないです。
最上級のデュラム小麦を使ったパッケリなのでしょうか?
高級小麦の旨味というか甘味というかとにかく美味しいです。
いやはやこれほどパスタの麺自体が美味しいと感じたのは初めてかも知れません。
一体感のあるバランス抜群のパスタ。
前回の茄子のパスタにも驚きましたが、いよいよパスタのクオリティもプロフェッショナルを超える域に入られたようです。
明日からは新作のカブのパスタが青木さんの最終チェックを受けて登場するそうです。
いやー、これは11月のうちに最低一度は伺わなければなりませんね。
マリナーラ。
シンプルですが生地の美味しさが楽しめるピッツァです。
パスタが辛いサラミでトマトを使っておられるので、被らないように、妻が大好きなサラーメを外して今回もマリナーラにしました。
料理もワインもこの価格でこのクオリティはパーフェクトと言えるでしょう。
同業者の方のお客も多いようですが当然ですね。
城助も同業者が多いです。
中村さんも師匠の青木さんのようにプロフェッショナルから芸術家への道を歩み始めたようです。
追伸
あまり持ち上げると良くないのではと危惧される方もおられるでしょう。
しかし、中途半端な料理人が調子に乗ってめちゃくちゃなことをして、ルブタンを履いて堕ちていくのとは全く違うと私は思っています。
いつも中村さんは精一杯やらせて頂きましたと仰います。
伝わるんです。
そういうことは。
2022/11/24 更新
2022/10 訪問
愛しのマリナーラ
アフター名古屋
日曜日、名古屋で用事があって、新神戸に着くのが17時から17時半頃になりそうということで、17時半に予約をさせて頂きました。
予定よりちょっと遅くなり17時35分に新神戸駅に着きました。
タクシーに乗っても反対車線に降りることになり歩道橋を渡らなければならないので、面倒臭いということで新神戸駅からバールチッチャまで歩くことにしました。
地下鉄に乗って三宮駅に行っても微妙な距離歩きますしね。
妻ならその微妙な距離、タクシーに乗るでしょうが。
bueなら新神戸駅すぐですが、少し距離があります。
私は仕事場に行く時に片道40分、或いは20分歩いているので平気ですが、妻からは文句を言われそうです。
中村さんに伝えておいた予想時間の17時50分ジャストにお店に到着しました。
先ずはいつものようにカスタマイズされた前菜とフランチャコルタです。
アーモンド香のする素晴らしいフランチャコルタ。
熟成感が心地良いです(ちなみに1杯目はアーモンド香を感じませんでした。厳密に申し上げれば2時間後の2杯目に素晴らしいアーモンド香がありました。)。
いつものように楽しいディナーが始まりました。
マコモダケ。
食材が良く、ソースも非常にマッチしていて美味しかったです。
タケノコのような食感がありますが、みずみずしくて、きのこでもタケノコでもないそうです。
稲科の植物。
中々の逸品です。
牛肉の熟成カルパッチョはいつもながらの美味しさです。
脂ではなく、肉そのものの深い旨味が凄いです。
このメニューは熟成された肉そのものの味に特徴があります。
神戸牛の霜降りのように脂の味を楽しむものではありません。
久しぶりにランプレドット(牛もつ煮込み)を頂きましたが、やはり抜群に美味しいです。
最近はマストの熟成カルパッチョと牛肉が被るので頂いていませんでしたが素晴らしいです。
仕込みに時間をかけられておられることがよくわかります。
ピッツァはマリナーラ。
私はこのシンプルなピッツァが一番好きです。
生地の美味しさが一番分かります。
いやー、美味しい。
中村ピッツァの真骨頂です。
中村さんは日本一のピッツァ職人を目指すのでしょうね。
日本一と言われているピッツァ職人何人かと中村さんのこのピッツァを食べ比べてみたいです。
もしかしたら、、、、。
かなり気に入りました。
妻はサラーメの次に好きだそうです。
茄子のパスタ。
パスタの革命。
見た目は恐ろしいほどシンプルでインスタ映えゼロ。
ほとんど麺しか見えません。
ところがクオリティの高い茄子を最高に美味しく食べるとしたらこのパスタになるのではないでしょうか。
とんでもない大傑作です。
パスタと茄子の一体感が素晴らしく、旨味と風味が完璧です。
城助の握りのような芸術的パスタと申し上げるしかありません。
何度も美味しい美味しいと唸りながら頂きました。
カンパチは、ソースはとても美味しかったのですが、カンパチに旨味が足りなくてソースに食材が負けていると感じました。
カンパチの透明感を活かしたかったのだと思いますが、酸味のあるバランスの良いソースに対して旨味が少ないとソースそのものだけを食べているような感覚になります。
トップオブトップの平目に合わせたらマリアージュになると思いますが、そのような食材を手に入れることはかなり難しいでしょう。
私のイメージしている平目は普通に食べられるようなものではないからです。
城助にでさえ、常にあるようなレベルのものではありません。
城助の握りも食材が弱ければ、いつものようにベストを尽くしていても、最高の時を知っていると差を感じてしまうので、それと同じようなことだと思います。
クオリティの高い食材はジグザグがあるので扱うのがとても難しいのです。
美味しいワインと美味しい料理を今夜も堪能させて頂きました。
中村さんいつもありがとうございます。
イタリア研修、気をつけていらっしゃって下さい。
帰国されたらまた伺います。
タイミングが合えば、チッチャも年内に伺いたいです。
2022/11/05 更新
2022/10 訪問
アフターチッチャ
レビューが溜まっていますが最新のものをアップさせて頂きます。
遂に禁断の領域に足を踏み込みました。
いつかはクラウン。
いつかはバールチッチャアフターチッチャ。
頂いたもの。
徳島県産阿波華牛の熟成カルパッチョ。
季節のパスタ ポルチーニのパスタ。
桐岡なすの生ハムモッツァレラオーブン焼き。
ほんのちょっとだけ、徳島県産鬼絞めブリのたたきチャンボッタ風ソース。
牛の熟成カルパッチョについては申し上げるまでもありません。
私の大好物です。
クオリティの高い牛肉の熟成された旨味が凄いです。
ギラギラの脂の旨味で食べさせないので大好きなのです。
牛肉の本当の美味しさとはこのようなものだと思います。
ポルチーニのパスタは初めて頂きました。
ポルチーニのコクのある旨味、香り、風味があってかなり美味しいです。
味のバランスも素晴らしいです。
桐岡なすの生ハムモッツァレラオーブン焼きは、まだレビューをアップしていない前回訪問時に初めて頂きました。
酔っ払っていたのか前回頂いたことを忘れていましたが、食べたら思い出しました。
この日は、茄子のポーションを大きめにして下さったので茄子の旨味がより口の中に広がりました。
鬼絞めブリは、この日チッチャでも頂きましたが、イタリアンで使うには、かなり難しい食材です。
ブリとしてのクオリティがかなり高いからです。
見た目もピンク色で食べたことがないとブリとはわかりません。
皮が剥いである金目鯛の刺身かなと思ってしまうかも知れません。
たたきですが、ほんの少しだけ香ばしさを加え、その炙り具合が完璧なので、この綺麗な味のブリの旨味を更に引き立てていました。
このブリは、このように完璧な火入れをするのであれば、私はたたきの方が好きかも知れません。
いずれにしても驚くほど繊細なイタリアンです。
もはや阪神界隈のイタリアンとは一線を画する異次元ハイクオリティワールドを構築して唯一無二の存在となりました。
城助は人間国宝の芸術的握りなので全く別の話として、阪神界隈でジャンルを問わずここまでの魚介類料理を提供するお店は他にはありません。
訳の分からない高級寿司屋や高級日本料理屋で魚介類を食べるよりもチッチャやバールチッチャで食べる方が遥かに良いと私は思います。
例えば、京都の5万円のルブタン寿司よりも食材のクオリティが高いからです。
今の時期にこちらのお店に行かれるのであれば、この日私が頂いたものに加えて最初に前菜、最後の方にピッツァを注文するのがベストだと思います。
本当はトスカーナ風ランプレドットも加えたいですが、2人では食べ切れないでしょう。
こちらのお店は2名様のお客が多いようですから。
しかし、可能であれば
前菜。
徳島県産阿波華牛の熟成カルパッチョ。
徳島県産鬼絞めブリのたたきチャンボッタ風ソース。
桐岡なすの生ハムモッツァレラオーブン焼き。
トスカーナ風ランプレドット。
サラーメ ピッツァ。
季節のパスタ ポルチーニのパスタ。
ワインは最初スパークリングでお任せ。
これが間違いなくベストオーダーです。
食材によってメニューは変わるので今のベストです。
10月7日の夜。
お楽しみあれ!
追伸
評価は5.0にしたいところですが、本店(チッチャ)が5.0なので相対評価の原則に従って4.9です。
青木さんがメニューの最終決裁をされているので5.0で良いのですがね。
まあ、一応。
2023/02/25 更新
2022/08 訪問
更なる高見に、そして禁断の聖域に。
城助とバールチッチャは、今年の分だけでも下書きのレビューがめちゃくちゃ溜まっていますが、バールチッチャが大きな転換期を迎えたと感じたので、最新のレビューを先にアップさせて頂きます。
世界的に有名な若きピアニスト高木龍馬さんの親友と10年以上前から友人なので、先日、高木龍馬さんとお会いして、バールサロンにでご一緒したり、コンサートに行かせて頂いたりしました。
前回はオーケストラに参加しておられましたが、本日は単独のリサイタルです。
リサイタルは時間が延びることがありますし、リサイタルが終わった後に少しお話をしたりするので、お店の予約時間が難しいです。
まずはいつものように泡です。
シャンパーニュとフランチャコルタとどちらがよろしいですかと中村さんに訊かれたので、お任せしますと答えました。
熟成されたフランチャコルタ。
熟成香と深い旨味が美味しいです。
フランチャコルタは同じ価格であればシャンパーニュより美味しいと思っているのでコスパが非常に良いです。
シャンパーニュはめちゃくちゃ高くなくても良いものがありますが、中途半端なものは美味しくありません。
凄いものは、普段家では飲めないのでいつもリシュリュゥで飲ませて頂いています。
スパークリングだけでなく、ワインもリーズナブルで美味しいものを厳選して提供してくれます。
お任せにしていますが、お店の都合で出したいものを出すのではなく、私たち夫婦が飲んで美味しいと言うだろうなということを常に考えておられます。
ペアリングを頼んだら死ぬほど不味いワインを羅列する三宮の高級イタリアンとは根本的な姿勢が違います。
ペアリングする能力もないのに、ペアリングのお任せを受けて不味いワインを高い値段で提供する。
あり得ません。
最初は泡、肉には赤、魚介類には白、最後はデザートワイン。
そんなものはペアリングではありません。
昭和の高度成長期に普段ワインなど口にしたことがない人達にクリスマスディナーで提供していた化石となったビジネスのやり方です。
本質的なワインのクオリティがあって、更にマリアージュのために何を合わせるのか?です。
握りに赤ワインで合わせてもマリアージュであれば良いのです。
この話は後々、城助のレビューで書かせて頂きます。
いずれにしてもペアリングも分からずによく高いお金を取れるなとある意味感心します。
ペアリングがわからないということはワインの味も風味も分からないし、食材の味や風味も料理の味付けのバランスも分からないということです。
スダチ牛の熟成カルパッチョ。
食材自体のクオリティがいつもに増して素晴らしいです。
凄いですね。
個人的には牛肉は加齢によって苦手になっていますが、このようなハイクオリティのものを高い技術で仕上げて頂ければ、いくらでも食べられます。
チッチャ、バールチッチャ、bueで最近はいかにトップオブトップの食材を市場を通さずに直に仕入れるかを競い合っておられるそうです。
以前、スダチ牛の熟成カルパッチョはこのお店の新しい看板料理と書かせて頂きましたが、この日のものは卓越していて、城助の言い方をすれば「抜群」でした。
トップオブトップクラスの食材をその食材に相応しい技術で更なる高見に至る。
そうでなきゃ。
外食をする意味がありません。
貴重なお金と人生の残り少ない時間の無駄になります。
ドブに捨てるよりも無意味です。
前菜盛り合わせに鬼〆イサキを入れてくださいました。
これが中村さんから事前に聞いていたイサキなんだと思いました。
味付けは塩。
中途半端な市場からではなく、直に仕入れた鬼〆イサキ。
ここまでの食材にあれこれとイタリアン的な手を加えるのは難しいです。
城助であれば、和食系なのでいかようにも天才的な技術で更なる上の世界を描くでしょうが、イタリアンにしてしまうにはちょっと無理があります。
イタリアンの料理として、更にこのイサキの旨味や風味を引き出して、口に残る旨味の余韻を残さなければなりません。
香辛料などを使ったらその時点で終わります。
通常であれば、トップオブトップの食材はそのまま食べる以上のことは難しいといつも書かせて頂いていますが、正にその通りにされました。
ある意味、これも食材との会話です。
このレビューを書いている前日に私自身、鮑を仕入れましたが、そのクオリティはもの凄いものでした。
コロナ禍になってから2年半以上、鮑の仕入れ自体が少なかったこともありますが、ここまでのものは中々手に入れることはできません。
この3年間で飛び抜けて最高のものでした。
仕入れ当日の豊洲の正にトップオブトップだったと思いますが、鮑独特の旨味が深くて綺麗でもう絶対に何もいじってはいけませんと言うレベルでした。
味を付けるという行為が悪になります。
トップオブトップの魚介類というものは、それを経験した人にしかわかりません。
鮪、雲丹、河豚、鮑、鯛、ヒラメだけでなく、全ての魚介類のトップオブトップは想像を絶するような深くて綺麗でいつまでも余韻が残る旨味と風味があります。
あり過ぎるので天才の技術以外は手を入れることを拒みます。
今、チッチャやバールチッチャで扱われておられる鬼〆イサキはそのようなクラスのものです。
特にいつまでも口の中に余韻として残る旨味が凄いです。
遂に、チッチャとバールチッチャは最後の天井を破ってしまいました。
この後は、地獄です。
魚介類でこの聖域に入ってしまうと、全ての食材において同じレベルを揃えないと凸凹感が際立って、美味しいものとそうではないと感じてしまうものがハッキリしてしまうからです。
更に、一度でもトップオブトップクラスの魚介類を扱うとそれを維持することが極めて難しくなるからです。
前菜の豆の味付けが変わりました。
私は豆が全て嫌いではありませんが、一部好きではないものがあります。
大好きなものは本当に大好きなのですが、そうではないものはこのようにしっかり味付けをして頂いた方が食べられます。
ちなみに最高に美味しいアスパラガスも前菜に入れてくれました。
拘りの仕入れはスズキにも及びます。
スズキ自体は難しい白身なので旨味はそれほどまで感じませんでしたが、柔らかふっくりに仕上げた技術が素晴らしいです。
スズキは加熱すると硬くなるので苦手なのですが美味しく頂きました。
ただ、この時点で初めて食べたスズキを既に鬼〆イサキと比べてしまっています。
魚介類はそうなるのです。
正に禁断の聖域に足を踏み込んでしまいました。
パスタはポロネーゼを初めて頂きました。
かなり美味しいです。
所謂、分かりやすく言えば、ミートスパゲッティ的なもので私はあまり好きではないので、一度も注文したことが無かったのですが、素晴らしいです。
味付けのバランスやセンスが卓越しています。
また食べたいです。
私たちにとってサラーメがピッツァの定番なのでいつも頂きますが、常に味が違います。
これは城助レベルでイタリアンを作られている証拠です。
ハイクオリティの料理はあまりにも繊細なので食材で微妙に味が変わります。
サラーメというと繊細な味とは思われない方が少なくないと思いますが、このレベルに至ると城助の握りのように食材がほんの少しでも変われば味はハッキリと変わります。
食材と会話をして、どうベストに仕上げるかが問われるのです。
毎日、毎日、毎回、毎回。
それがプロフェッショナルの料理。
針の穴を通すようなことを毎日、毎回やらねばならないのです。
寿司とは異なり、私はイタリアンは大雑把な料理と感じていて好きではなかったので東京の超高級店を隈なく食べ歩いてはいません。
ここ数年、東京でイタリアンの最高峰と言われるお店では食べていないのですが、想像としては、チッチャやバールチッチャを超えるイタリアンはあるのだろうかと考えてしまいます。
元々素晴らしかったのですが、禁断の聖域に入り込んで、しかもコスパもしっかり維持するとなると恐ろしいお店と言うことになるからです。
比良山荘は特殊な存在なので別枠として、城助とロックンビリーS1というのは私の中では言葉に表せないほどの大切なお店です。
一番好きな食べ物である握りとラーメンにおいて、比べる対象すらないほどの超越したトップオブトップのお店だからです。
繊細さがないと感じていたイタリアンにおいて、これほどまでのお店と出会い、居心地も最高になるとは思ってもいませんでした。
本来なら5.0です。
最近チッチャに伺っていないので先にバールチッチャに5.0をつけると青木さんに失礼なので4.9に留めておきます。
ちなみに、城助とロックンビリーS1は、本来であれば点数をつけさせて頂くような対象ではありません。
極めて無礼な話なのです。
あの命をかけた芸術を理解しておられる方が世の中にそれほどいらっしゃるとは思えません。
ピカソの本当の凄さを理解されておられる方は世界に何人おられるのでしょうか。
超一流のコロラトゥーラの本当の凄さを理解されておられる方は世界に何人おられるのでしょうか?
そのジャンル、カテゴリーのトップクラスの料理人の方なら城助とロックンビリーS1という存在の意味がわかっておられるでしょう。
本来なら存在しない世界だからです。
東大の合格を目指して、命を削って勉強して、ギリギリ1点足りなくて東大を最終的に諦めた人が一番、東大に合格することの難しさが分かります。
何をしても、どうしても、その1点が取れないのです。
早稲田大学の社会人入試の合格者で一番多い学歴は明治大学卒です。
30歳になっても40歳になっても本気で努力した人のギリギリで達成出来なかったというその思いは消えることがないのです。
城助とロックンビリーS1の芸術家は、日本で一人しかいないので、東大合格よりも遥かに難しいです。
オリンピックで金メダルを取るような世界だと思っています。
別に私一人が寝言で言っているわけではありません。
本物のプロフェッショナルの方々は認めています。
何をどうしても決して届かない世界だからです。
素人の寝言とは違うのです。
とんし如きがそんな世界が分かっているのかと仰る方々が多いと思います。
その答えは、そのような料理を作っておられるご本人に訊いて下さい。
誰も踏み込むことが出来ないはずの地獄なのか天国なのか分からない世界。
いま、チッチャとバールチッチャはそのような世界に足を踏み入れてしまいました。
この地獄を心底楽しむところまで行ったら、常に更なる上を目指してとことん地獄で毎日もがき苦しむことが快楽へと変わったなら、チッチャやバールチッチャは本物のプロフェッショナルや日本の食文化を愛する方々の心に真の日本一のイタリアンとして、そのような方々の人生に刻みこまれることになるでしょう。
食べログの点数やその辺の料理評論家や命を懸けていない料理人の評価などとは全く次元の違う世界で、本物が分かる方々の味覚や嗅覚の中で永遠に残り続けるのです。
ピカソやコロラトゥーラのような人類の歴史に刻まれる芸術として。
しかも、後世では再現性のない幻の芸術として。
2022/09/07 更新
2022/04 訪問
カンツォーネ発表会の打ち上げ
バールチッチャも禁酒期間が終わるまで伺うことが出来ません。
素晴らしい料理と美味しいワインのペアリングを楽しみに伺っているので、ワイン無しだとちょっと寂しいですね。
まあ、飲まない方が味覚は敏感になるのですが、妻は隣でガブガブ飲むでしょうし、しばらくは我慢です。
ということで、溜まりに溜まっている昨年のレビューを上げていきます。
数年前から、妻がOperaにハマり、カンツォーネのレッスンを受けるようになりました。
この日は初めての発表会ということで、妻が打ち上げ会をやりたいと言い出しました。
打ち上げと言っても夫婦二人ですが、カンツォーネだからイタリアンでワインを飲みたいとのことでした。
最初は、久しぶりにチッチャに伺いたいと思ったのですが、GWの私の予定がまあまあ直前まで決まりません。
予定が確定した時は、当たり前ですが満席でしたので、頻繁に伺っているこちらのお店で予約させて頂きました。
妻は一定期間が経つとバールチッチャのピッツァが無性に食べたくなるそうです。
まあ、美味しいですからねえ。
発表会後、大丸で買い物をしてタクシーでお店に向かいました。
さて、今夜のパスタとピッツァは何にしようかと考えます。
いつものようにカスタマイズされた前菜。
ひらあじのマリネがとても美味しいです。
今ではトップクラスの魚が食べられる極上イタリアンのイメージが定着しましたが、この頃から魚のレベルが上がっていますね。
レバーパテも改善されていました。
とにかく、前菜はこのレバーパテが今日どうだろうかというのが私の最大の関心ごとの一つです。
ロースハムとトンナートソースは安定の美味しさです。
こちらはあまりブレがありません。
スダチ牛熟成カルパッチョ。
まあ、ド定番です。
必ず頂きます。
素晴らしいです。
バーニャカウダー。
チッチャではなく、バールチッチャでは初めて頂きました。
当然美味しいです。
チッチャに通っておられない方には、鉄板のお薦めです。
ホタルイカのフリテッレ。
2回目かな?
初めてかな?
サラーメ。
妻が一番好きなピッツァです。
私は2番目かな?
イカスミパスタ。
久しぶりです。
やはり安定して美味しいです。
ランプレドット。
看板料理です。
量的に食べられない時もありますが、私たち夫婦にとっての定番です。
フランチャコルタ。
白。
赤。
ガブガブ。
いつものことです。
これほど、好きなだけ食べて飲む生活を何十年も続けていれば、高度脂肪肝になり、糖尿病を引き起こし、合併症で腎臓も悪くなり、入院しなければならなくなるのは当然ですね。
皆様もお身体ご自愛くださいませ。
2023/04/14 更新
料理に対する真摯な姿勢。
閉店後、料理の研究も試行錯誤も青木シェフと楽しみながら毎日毎日追求し続けておられることが料理からヒシヒシと伝わってきます。
日々更に進化し飛躍されておられます。
2022/11/05 更新