60回
2022/08 訪問
おこじょ月例訪問8月
2022年8月
「冷たい生姜醤油ラーメン880円」
今年からの夏季限定メニュー「冷たい生姜醤油」をオーダー。夏季はレギュラーメニュー扱いなので、前回もらった100円オフ券も使用可能。
冷たい麺にすると、びっくりするほど麺にコシが出る。これが楽しいんだよね。夏ならではのかみごたえを味わおう。スープもまた、熱いスープより塩分を強く感じる。温度が味にもたらす変化というのは、とても大きいのだ。アイスクリームが溶けてぬるくなったのをなめると、あまりに甘くてびっくりしたことはないだろうか。あれと同じだ。熱いスープだとズビズビすすっていたのに、冷たくなると、全部飲むのは抵抗があるくらい塩辛い。いつも自分たちがどんな味をむさぼっていたか、温度帯を変えて理解するのも一興。
サッパリと麺をいただいて、ごちそうさまでした。
2022/08/27 更新
2022/07 訪問
自家製のどぐろ焼き干しぃ?!
2022年7月
「のどぐろ焼き干しラーメン1280円」
7月下旬の限定ラーメンは、「自家製のどぐろ焼き干しのラーメン」だ。生で仕入れたのどぐろを開いて焼き干しにし、それからダシを取ってラーメンを作るのだ。生で50kgののどぐろを加工して、たった3.5kgにしかならなかったと、店主がラインで泣いていた(笑)。
レギュラーメニューの「のどぐろラーメン」は、鮮魚のままダシを取る白湯らーめんだから、それとどんなふうに味が違うのか非常に興味のあるところだ。
さて、券売機で1280円ののどぐろ焼き干しラーメンのチケットを買い、いざ実食。
ぱっと見、スープの濁りが少ない。半身ののどぐろ焼き干しが華やかだ。スープは、少し塩味が強めで、脂肪分が少なめのすっきり味。でも乾物独特の旨みがあり、食べやすい。「のどぐろラーメン」といって今までいくつかのラーメン屋で出していたのは、こちらの系統のラーメンだ。私も今まで2回ほど食べた。ただし、のどぐろ焼き干しの量が圧倒的に多い。プロの幕の内の相撲取りと学生横綱くらいの差がある。干物にしたことで、魚の生臭さがすっきりと変化して、鮮魚系の生臭さとは質が変わっている。
この「のどぐろ焼き干しラーメン」は、東京の夜限定で2000円超で提供されている高級ラーメンに匹敵するんじゃないかなあ。新型感染症の流行以来、東京に行っていないから根拠は無いけどさ。1280円は、のどぐろを自家製煮干しにした労働力をゼロと考えても、それでもまだ赤字に違いない。店主の研究意欲、頭が下がります。
レギュラーの「のどぐろラーメン」と比較すると、鍋の旨さと干物の旨さの違い、になるかな。いいものを食べさせてもらった。自家製焼き干しが無くなり次第終了となるため、7月末を待たずに終わりそう…(店主談)…だそうです。
2022/07/26 更新
2022/06 訪問
ラーメン屋でふぐ料理!
2022年6月
「ふぐの塩ラーメン 1500円」
下関産、北海道産のふぐでラーメンのコース料理風を限定で出すという情報をゲット。久しぶりに開店時間前に並んで入店。4~5人程度の列。券売機でお目当てのフグ塩1500円を購入。カウンターについてお冷やをセルフでセット。へええ、開店とともに満席にならないんだ。長岡市民はおっとりしてるな。
先客のオーダーは新しい看板メニューの生姜醤油や生姜醤油チャーシューメンと、フグ塩が半々ってところ。ふぐの身をあぶったりするので時間がかかり、後客の生姜醤油が先に出ている。ま、そうでしょうとも。1500円のフグ塩ラーメン、じっくり仕上げてくださいませ。
さて、出てきましたよ、フルコース風。ふぐのたたき、身のあぶり、白子焼き、フグ皮の湯引きをポン酢でいただきます。この平皿だけで1500円の価値は十分あるなあ。身と皮を賞味し、本体のラーメンへ。
クセの無い上品で穏やかな旨みのスープ。ふぐって、そんなに味の強い魚じゃないからね。てっちりなんて、今までに二回しか食べたことないからふぐの味なんてよくわからない。ただ、過去二回とも、なんかはっきりしない味だなあ、こんな値段ならふぐよりおいしいものいっぱいあるよなあ、と首を傾げた覚えがある。それに比べると、むしろおいしい印象だ。野菜とか余計なものが入ってないからいいんだな。
フグ白子は、絶品。これだけは、他の何にも代えられない旨さなんだなあ。身の炙りも最高。ポン酢の味に邪魔されたくないのでラーメン本体に付けて食べた。
これならフグ鍋にも匹敵する料理だと評価していいな、ただ最後の〆の雑炊だけは捨てがたいよなあ、と思っていると、最後にふぐ雑炊の追加サービス。わ、わかってんじゃん!
いやあもう感激。1500円は大サービスだと思う。
2022/06/28 更新
2022/06 訪問
おこじよ月例訪問6月
2022年6月
「味噌ラーメン830円」
限定ラーメン発売期間の空白期間だったため、久しぶりにレギュラーメニューを楽しむことにした。梅雨入り前の少し寒い日だったため、あったかメニューの味噌ラーメンにした。
村上市奈良橋醸造の伝統的手法で作られた力強い味噌をベースにした味噌ダレ。それをバーナーであぶって焙煎香を立たせる一工夫。もやしやキャベツを入れて味を複雑にせず、味噌味をグイッと前に出した引き算手法の味噌ラーメンだ。ラードがしっかり入っているのにしつこくない。
16番太麺が、力強いスープに染まって味をしみこませ、うーん口いっぱいの悦楽。味噌ラーメンでは省かれがちなチャーシューも部位の違う豚二枚、鶏一枚の大盤振る舞い。小片で混ざる生姜の爽やかな刺激。そして、食べ終えて気づく。コレ、札幌の「純蓮」に似てるんじゃないの?日本のあまたのラーメンのデータをもとに、現在のラーメン界のトレンドを押さえ、全国的視野で一流だと思わせる味噌ラーメンだ。
なんか、去年より旨いんじゃね?
2022/06/11 更新
2022/05 訪問
コスパ大幅向上
2022年5月
「生姜醤油ラーメン750円」
提供メニューをリニューアル。ここのところ研究してきた生姜醤油ラーメンが店主の納得する形に完成したということで、生姜醤油ラーメン、チャーシューメン、ラーチャンというラインナップをメニューの新しい看板に据えたのだ。ただし、人気メニューである「のどぐろラーメン」「おこじろう」「味噌ラーメン」については、これまで通り提供している。
生姜醤油ラーメンは、税込750円。しかも、大盛り無料だ。券売機でメニューの一つを買って清算した後、大盛り希望者は無料の大盛り券ボタンを押して、大盛り券を発券する仕組みだ。
着丼した大盛ラーメンは、丼がビッグサイズ。「たいち」の大盛ラーメンの丼と同じサイズじゃないかな。これで750円は、小麦粉値上がりに逆行した大サービスである。
麺は20番。細麺サイズだが、麺帯を厚くして中細麺に仕上げている。手もみ縮れを付け、これまでのおこじょの麺とはかなり感じが違う。18番にしなかったのは、長岡市内の生姜醤油ラーメンの有名店にならったものだという。かの店も、番手20の麺で厚みを出しての中細麺なのだそうだ。
スープも、特徴をつかんだ納得の味。まず醤油ダレが濃い。新潟市のラーメンや、関東以北の平均的な醤油ラーメンの1.5~2倍の量のタレにするらしい。しかも、普通のラーメンは醤油にみりんなどで味の調整をするが、ほとんど生醤油のタレなのだそうだ。だからこそ濃いめの長岡生姜醤油の味になるのだ。
チャーシューは切り落としタイプではないものの、外側を焼しめた感じの歯ごたえのあるタイプ。それにたっぷりのゆでほうれん草。このあか抜けないルックスこそ、長岡生姜醤油ラーメンだ。
メンマだけオリジナリティーがあり、麺と同じ細さの細切りにしている。麺とスープに集中させたいという店主の意図か?
なんにせよ、おこじょ店主がこれまで手掛けてきた長岡生姜醤油ラーメンとしては、最高傑作。しかも、このレギュラーメニューなら、約二カ月以内の再訪時にキャッシュバック券を提示すると、100円返してもらえるのだ。つまり大盛生姜醤油ラーメンを実質650円で食べられるのだ。文句なしのコスパの良さである。(ただし、期間限定ラーメンには使えない)
2022/05/12 更新
2022/03 訪問
限定ラーメン緊急訪問3月の2
2022年3月
「ベトコンラーメン880円」
愛知・岐阜のご当地ラーメンを限定ラーメンで再現すると聞き、先週に続き来店。愛知のベトコンラーメンは、いずれ行きたいと思っていたご当地ラーメンの一つなのだ。
ベトコンラーメンの名称由来については諸説あるが、発祥店といわれる愛知県一宮市「新京」の現店主によると、元々はベストコンディションラーメンという名で出していたらしい。それを客やスタッフが省略して「ベトコンひとつ」「はい、ベトコンいち~」などと使っているうちにこの名で定着したらしい。対米ベトナム戦争でベトナム解放戦線の名として当時よく知られていたので、みんながなんとなく使いやすかったというのが実情らしい。
大盛り無料でオーダー。
醤油ベースのラーメンに唐辛子を強めにきかせ、ニンニクのガッツリ入ったニラモヤシ炒めを載せたものだ。麺は20番細麺。
いやはや容赦ないニンニク。まるごとニンニクは5片。その他にもみじん切りがたっぷり入っている。唐辛子の絡みも強く、パンチの強い一杯だ。麺大盛にしたが、刺激の強さで食欲増強、ペロリとスープまで完まく(「完全まくり」のラヲタ用語)。
風邪気味の時、これを食べると次の日スッキリ治ると、ご当地の皆さんがいうのも納得だ。マスク生活で口臭をあまり気にしなくてよい今こそ、楽しむべき中部地方ご当地ラーメンなのだ。
ただし、この日は家族に別な部屋で過ごせと隔離されました…。
2022/03/27 更新
2022/03 訪問
おこじょ月例訪問3月
2022年3月
「カニ濃厚まぜそば880円」
カニの香味油とカニスープを使った混ぜそば。もう混ぜている段階で、カニの香りがむんむん立ちこめる。麺は16番太麺で固めの茹で上げ。タレは醤油味ベース。チャーシューが豚と鶏の一枚ずつ載っている大盤振る舞い。あとは、もやし、コーン、ねぎ、ニンニク。
一口目、割とオーソドックスな混ぜそばの味がする。ちょっと味が濃いめかなと思ったが、太麺と合わせると丁度いい。結構油も強くて、ガッツリ味。うん、旨いぞ。
しかし、食べ進めると、何か違和感がある。カニの匂いはしているのだが、味に反映されていない。特にこのピリピリする刺激が強くて、割と優しめな味のカニ風味が感じにくくなっている。このピリピリ、ニンニクだ。カニとニンニクは、あんまり相性が良くないなあ。
混ぜそばとしてはおいしかったのだけれど、「カニの混ぜそば」としては、ニンニクが良くなかったと思うなあ。カニの味って意外と強くないので、ニンニクよりはホースラディッシュ(山わさび)あたりを採用した方が良かったんじゃないかなあ。
2022/03/20 更新
2022/02 訪問
おこじょ月例訪問2月
2022年2月
「牡蠣の燻製ポタージュスープのラーメン900円+肝バターごはん100円」
今回の期間限定ラーメンは、牡蠣を燻製してポタージュにしたスープ。どんなのだろう、と券売機前ですでにワクワク。おっと、肝バターご飯も忘れずにオーダーしなくっちゃ。
一言でいうと、のどぐろラーメンの牡蠣バージョン。旨いんですよ。スープの薫香は強すぎず、ちょうど牡蠣のクセ・貝のクセを消す程度の絶妙な加減。感心しきりで食べ進み、おっと忘れていた、と肝バターご飯を一口。う・旨い。これに後で牡蠣ポタージュスープをかけるのが仕上げかもしれないが、このまま食べてものすごく旨い。白飯の方が、牡蠣の肝の磯風味やバターのコクを感じられる。だから、半分以上は白飯のまま楽しんだ。最後にスープをかけたら、もちろん旨いんだけど、スープの薫香が勝っちゃう。スープはスープで楽しんで、肝バターご飯は白飯のまま十分楽しんだ今回、我ながら大正解。
2022/03/01 更新
2022/01 訪問
おこじょ月例訪問1月
2022年1月
「牡蠣ちゃんぽん(牡蠣3個入り)900円」
今回の期間限定ラーメンは、牡蠣のちゃんぽん。ちゃんぽんにしてはキャベツが少なく、もやし主体の構成だ。スープに牡蠣を使っているが、牡蠣の旨みはあってもクセが消えている。動物系スープのコクがあり、ほんのりと焦がし風味も感じる。麺は唐あくを加えた純正ちゃんぽん麺ではなく、ラーメンの太麺。麺といいスープといい、あくまで『ラーメン屋の』ちゃんぽんだ。ややこってりタイプ。
牡蠣3個と5個があり、3個を選んだが、大粒でプリっとうまい牡蠣だ。スープに使った牡蠣とは別に仕上げてある。100円差なら5個でもよかったかな。
いやー、旨かった。おこじょの期間限定ラーメンを食べられることで、私の人生の楽しみが一割くらいアップしていると思う。
2022/01/31 更新
2021/12 訪問
ジビエのラーメン
2021年12月
「鹿ラーメン(フルコース)1500円」
お店の公式報告がラインで届いた。知人から鹿肉を手に入れたから、鹿ラーメンを作ったという。2021年のラーメン食べおさめは済ませたつもりだったが、急遽予定を追加して訪問。券売機には、普通コースとフルコースが設定されていた。当然フルコース1500円を選択した。まだ11時台だが、ヘビーユーザーの客が多く、次々に店主に挨拶している。「今日は鹿祭りだな」と、店主もつぶやいている。
私は、鹿肉を食べた経験でいうと、北海道土産のレトルトカレーに入っていたものくらいである。だからたぶん味はわからないと思うが、誰でも最初は♪初心者なんだかーら。
鹿肉のタルタルは、肉に火が入っている感じだった。アボカドソースがおいしく、一瞬で食べ終えたので、鹿肉の印象は真っ白なままだ。次に、スモークしたレモンソース添え。おっ、結構牛肉に近いしっかりした肉の味だ。脂が全くなく、ローストビーフの赤身の旨さに近いか。続いてローストしたブルーベリーソースの方は、ガラリと違う味である。あっさりしているが、豚とも牛とも羊ともダチョウとも違う。クセや個性を感じにくい肉だなあ、今のところ。
その合間にスープと麺も味わうが、スープはスッキリした塩味でまとめてある。大人しく濁りの無い旨み。脂に頼らないイノシン酸の旨みなのかなあ。
なんにせよ、鹿のラーメンを堪能した。素晴らしい一年の締めくくりになった。
2022/01/03 更新
2021/12 訪問
進化し続ける看板メニュー
2021年12月
「のどぐろラーメン(お茶漬け付)1,000円」
ここしばらく限定ラーメンを食べることが多かった。一年を締めくくる時期となり、傑作看板メニュー「のどぐろラーメン」を食べ収めておこうと思い立った。確か去年の暮にも同じことをしていた。進歩が無いというか、毎年のルーティーンというか…。
さて、とスープを飲むと、気のせいか以前よりノドグロの旨みが強い。スープが泡立っているのは、調理過程で念入りにブレンダーをかけていたから分かっていたが、スープを滑らかにするのかな、と思っていた。しかし、この一工程が増えたのは、ノドグロの脂を乳化する作業らしい。よりスープにノドグロの旨みを溶け込ませるのだ。
世間には他にも「のどぐろラーメン」があるが、いずれも乾物のダシを使ったものだ。『おこじょ』の「のどぐろラーメン」は、鮮魚のノドグロを材料に作っているので、そういうものとは全く違うのである。
何口食べても、やはり気のせいではなく、香りも風味も強くなっている。ため息の出そうなうまさだ。魚の風味が強いといっても、生きのいい刺身や煮魚が生臭くないように、風味がそのまま旨みになっている(もちろん、魚の鍋を食べられない人にはダメです)。
また進化したのか「のどぐろラーメン」。すごいぜ。〆のお茶漬けも、無論うまかった。
2022/01/03 更新
2021/11 訪問
おこじょ月例訪問11月
2021年11月
「世界三大茸のラーメン1280円」
店主がラインで、赤字宣言している限定ラーメン。ポルチーニとトリュフと松茸を使ったラーメンだって。ちょいと成金趣味だけど、食べに行ってみようかなと思ったのだ。
あまりにも独特だった。まずスープはぬるい。料理の基本として、味を最大限に生かす温度なのだ。ラーメンの常識からは外れているが。レンゲに一口サイズのミニラーメンが載っていて、これが黒トリュフのラーメン。混ぜずに食べる。あ、おいしい。でもトリュフそのものの味に慣れていないので、どうおいしいかは表現できない。
スープには、ポルチーニを使っていて、エスプーマで泡にした松茸を浮かべている。マツタケ、固体で見たかったなー。あの姿が無いと実感わかないなー。食感を楽しみたかったなー。チャレンジングにもほどがあるなー。いや旨いんだけどね。
麺は、推定16番の平打ち麺。幅広いけどそれほど厚みは無い。ちぢれは無い。やはりパスタではないな、という味。もちろんうどんとも違う。でも、ラーメンなのかな、そうなのかな、と思って食べているうちに無くなっちゃった。
スープはバカウマ。スープとして十分に成り立っている。ラーメンスープとは呼べないナニモノカだ。このスープを残す人は、さすがにいないだろうな。ハッキリ言いますが、いたらアホです。
?が渦巻く限定ラーメンだった。間違いなく旨かったけどね。料理の鉄人・道場六三郎は怒るだろうなあ、マツタケをこんなにしてどういうつもりだっ…てね。…旨かったけどね。
これを赤字で作るなんて、おこじょ店主はやはり変態ラーメン馬鹿だ。…つまり同類♡
2022/01/03 更新
2021/10 訪問
月例訪問10月~「Tみ田」専用粉のつけ麺
2021年10月
「濃厚魚介つけめん」980円
現在、日本で一番おいしいつけ麺の店はどこか、と聞かれたらあなたは何と答えるか。「六厘舎」、あるいは「大勝軒」のどこかのお店をあげるかもしれない。だが、ラーメン雑誌での流行なども考慮すれば、多くの人が神奈川の「飯田商店」か千葉の「とみ田」だと答えるだろう。どちらの店も、開店前から整理券をもらい、もう一度出直さないと食べられないお店である。
おこじょの11月期間限定麺は、「濃厚魚介つけ麵」だ。なんだよ、どこが限定なんだよ、よくあるヤツじゃん、と思ったあなた。登録しておいたラインで送られてきた画像に刮目したまえ。
「とみ田」専用粉を使ったつけ麵なのだ。「とみ田」の店主は、弟子にも専用粉の使用やレシピをたやすく教えない。また、「とみ田」の名を安易に使わせない。関係者が新店を出す際にも「とみ田」で修業したとか、「とみ田」のレシピを継いだとか言うことを基本的には禁じている。もちろん、専用粉を分けて納入してやるなんてことはしない。
おこじょ店主はたまたま若いころからの知り合いだったため、こうして専用粉をわけてもらったが、「とみ田」専用粉のつけ麺だとは公言しにくいのである。そういう特別な限定麺なのだよ。土日は混むので避けて、さっそく月曜に行ってきた。
つけ汁が旨い。六厘舎のようになめらかではなく、煮干しと節系のパンチがある。ちょいとざらついたワイルドさも好感触。長岡市のつけ麺の主流は、大勝軒系のシャバ系。だがこのつけ麺はガッツリのドロ系だ。ベースは豚骨白湯か。
麺はまず一口かんだときのグニッとした反発が心地よい。16番太麺。多くの麺は食べ終わりにフッとかん水臭が鼻に残るが、それが無い。そしてかんでいるうちに甘くなってくる。大手企業の食パンと高級食パンが違うように、この麺は何かが違う。何が違うかなんてわからないが、食べてみれば違うということはわかるはずだ。
という訳で、おいしかった。この限定麺なら、もう一度食べに行くかもしれない。
2021/10/19 更新
2021/09 訪問
おこじょ月例訪問9月
2021年9月
「背脂濃厚豚骨醤油ラーメン 880円」
和歌山ラーメンのような濃厚な豚骨に、富山ブラックのような強い醤油ダレを合わせたという新レギュラーメニュー。太麺か細麺かを選べる。太麺でオーダー。背脂なしもあるが、そちらは麺指定ができない。
主流の和歌山ラーメンは、豚骨からそのままダシを取るのではない。豚骨を一旦醤油で煮て、その醤油味の付いた豚骨からスープを取るのである。豚骨下処理の手法から言って豚骨の量があまり多くなく、そのためあっさり系が多い。これに対して有名な井出商店は製法が少し違い、醤油で煮た豚骨に他のスープ材料や追い豚骨をして濃厚なスープにしているらしい。おこじょが参考にしているのは井出商店の手法だろう。
こってりした豚骨スープに、濃いけれども角の無い醤油味。そこに豚の背油。くどく感じるギリギリ手前のこってりスープだ。
麺は推定14番の太麺。少し硬めだが、二郎系のようなゴワゴワではない。スープの濃さとちょうどいいバランスだと思う(次回は細麺も試してみたい)。ゆるく手もみ縮れがかかっている。小麦粉の密度が少し高い感じの麺だ。
具は、穂先メンマに角型チャーシュー2枚。ドッサリの青ネギが、スープのくどさを和らげる。
魚介系を苦手な人向け。
2021/09/18 更新
2021/07 訪問
おこじょ月例訪問7月
2021年7月
「トマトと貝の冷製麺 880円」
ここ三週ばかり連続して限定麺を出しており、今週は「トマトと貝の冷製麺」だ。氷でキリリと締めた20番細麺は、コシの強さが半端ないぜ。ここまでのかみごたえ、タマランね。スープはトマトのポタージュに貝のダシを合わせた感じ。貝はホンビノスにあさりにハマグリあたりか。
パスタで冷製カッペリーニにトマトのソースを合わせたものと少し似てるが、あんなサッパリしたものとは違って旨みの濃度が高い。
付け合わせは、豪快にぶつ切りにしたキュウリ。ワイルドだろぉ?(ふ、古いギャグ)
少し火を通したナス、鶏肉チャーシューにハムっぽいチャーシュー、角切りベーコン。普通のチャーシューだと、ラードが冷え固まってネチョッとしてしまうところを一工夫している。粉チーズが振りかけられ、これは果たしてラーメンなのか、という声も出そうな創作麺料理。ただし、パスタに寄り過ぎないよう具材などでコントロールしているところが面白い。こういうアバンギャルドな麺にはどうしても賛否両論あり、ラーメン保守派の中にはアンチおこじょ派の人もいるらしい。
料理としての完成度については、今回は正直微妙だ。ただし、限定麺としての遊び心は十分で、今回も楽しかったしおいしかった。特に、20番細麺なのに韓国レーメン以上のコシの強さを味わえたのが収穫だった。
2021/07/22 更新
2021/06 訪問
おこじょ月例訪問6月
2021年6月
「鯨のつけ麺 1280円+鯨スジ肉100円」
待ってました!鯨の期間限定ラーメン!混まない平日を待って来店。リーマンのランチタイムが終わった13:00過ぎ、客はパラパラと5~6人。限定ラーメンの情報はラインに入るので、メンバー登録していないとわからないのだ。店内を見回すと、ふふふ「のどぐろラーメン」や「おこジロー」、味噌ラーメンと定番を食べている客ばかりだ。はーっはっは、あんたバカぁ?鯨のラーメン出てるのよウ?とアスカばりに高笑いしながら(心の中でね)食券を購入。鯨のスジ肉は、現金100円を追加で渡してオーダー。
ミンク鯨の脂身をあしらったつけ汁に、14番の平打ち太麺を合わせたもの。まず身の刺身をアツアツのつけ汁でしゃぶしゃぶにしていただく。ホウーッサイコーっ!と叫ぶ(心の中でね)。鯨の背骨の皿には、さらにスジ肉チャーシューが鎮座している。ひとかじりすると、濃いめの味付けの中にクジラ肉の確かな風味が詰まっている。こいつをチャーシュー代わりに麺と一緒に頬張ると、あ、逝く…。
刺身やすじ肉の血のにじむ感じは、女性とかジビエを嫌いな人とかには敬遠されるかもな。どーぞどーぞ、敬遠してください。私がゆっくり楽しみますから。
つけ汁には、湯がいた程度のナスと多めのネギ。もともと鯨汁には夕顔みたいな青臭さのある野菜をあしらうのだが、生っぽいナスのクセが、脂身のくどさを打ち消してくれている。んまいよ、んまい。つけ汁も、一口ずつ確かめながらすすっているうちに完飲してしまった。
あー、刺身とスジ肉だけで1500でも安いな。人口の多いところなら倍の値段でもすぐ売り切れだ。ここが長岡なんていう地方都市でヨカッタ。おこじょさん、他に移転しちゃだめだよ。
いやあ、旨かったですとつぶやいて店を後にした。(これは本当に口に出ちゃった)
「鯨のつけ麺」あと2~3日の提供らしい。
2021/06/22 更新
2021/05 訪問
おこじょ月例訪問5月
2021年5月
「鮑のあえそば1280円」
お店の5周年記念もあって、このところ毎週のように限定ラーメンが繰り出される。今回は「県産鮑のあえそば」だ。太麺に、アワビの酒蒸し汁と肝で作ったソースを絡めて食べる。岩のり、キュウリ、青菜、紫玉ねぎと卵黄がトッピングされている。小さいとはいえ、酒蒸しした鮑もまるごと一個分添えられている。…こ、これは原価が高いぞ。
鮑の酒蒸し汁をベースにしたつけ汁と、口を一度リフレッシュするためのカブ、風味添えのスダチ汁が添えられている。…旨いに決まっているじゃないスか。全体を混ぜて食べると、ねっとりと旨い。アワビがフレッシュなので、肝の苦みや磯臭さすらなく、ウッカリしているとアワビの味だとわからない。…というのも、アワビは昆布を餌にしているので、グルタミン酸の旨みがたっぷりなのだ。つまり、昆布ダシやグルタミン酸が主成分のうま味調味料など、日ごろ私たちが口にしている馴染みある旨さなのだ。だから、目をつぶって食べると「普通に旨い」なんて言う人が出てきそうなのだ。この旨みをアワビから抽出するなんて、何という贅沢。
つけ汁につけて食べると、ちょっと塩味がしっかりして、更にスルスル食べやすい。アワビの身もモグモグ。あ、スダチをかけようとした頃には、あと一口しか残ってないじゃん。ちょっと塩気が強いけど、つけ汁も飲んじゃう。割りスープが欲しい人は、言えば出してくれる。あー、皿なめたい。
平日1時過ぎですいていたので、オーナーと少しお話しできた。その中で、「パスタだったらこの内容で2000円が普通ですけどね」という言葉にハッとした。確かに「国産アワビのパスタ」とでも銘打って提供されれば、2000円でも全く高いと思わない。和食で「地物アワビの肝ソースでいただく変わり素麺・アワビの酒蒸しを添えて」なんてことになれば、3000円でも納得だ。
オーナーは、ラーメンの作り手も、もっとラーメンを料理として工夫したり楽しんだりしていいのではないかと語る。日本料理やイタリアンなら、一年を通して料理の内容が同じだなんてことはあり得ない。ラーメン屋だって、十年一日のごとく同じものしか出さない店ばかりじゃなくてよかろう。日常食を毎日変わらず提供する定食屋と、少し豪華な非日常食を出す料理店とではジャンルが違う。ラーメン屋も、そのどちらだってあっていいのではないか。その辺の意識が、ラーメン屋業界では未分化でごっちゃになっているのだ。「シェフの気まぐれランチ」的なラーメンを出す店だって、もっと増えていいはずだ。
「ずっとそういうチャレンジをしてきて、連戦連敗ですよ。」とオーナーは笑う。そんなことはない。「のどぐろラーメン」は、開発から5年以上たった今も人気メニューで、一発屋で終わることが無かったではないか。
むむう、応援団の我々も、もっと頑張って応援せねば。
2021/05/08 更新
2021/04 訪問
おこじょ月例訪問4月
2021年4月
「5周年記念期間限定名古屋コーチンのラーメン 税込1000円」
5周年記念の期間限定ラーメンとして、名古屋コーチンでダシを取ったラーメンが発売された。価格1000円也。すいている平日を狙って参上。
さて、着丼した一杯は、穂先メンマと刻みネギ、豚・鶏チャーシュー二枚ずつが載ったすっきりした外見。一口スープをすすると、むむ、ちょっと醤油だれが濃いナ。20番ストレート細麺をすすりこむと、うむ、旨いがニンニクの風味がするなあ。
食べ進めても、どうにも名古屋コーチンの素材の良さが感じられない。やはり、醤油ダレが強すぎるように感じたのと、ニンニクの風味が邪魔をしているように感じられた。プレミアム価格にふさわしく名古屋コーチンのスープを楽しむという具合には、私にはならなかった。残念。足し算発想では名古屋コーチンの良さを引き出せなかったんじゃないかなあ。
せっかく工夫して作ってくれたラーメンなのに、プラス評価できなくてスミマセン。
2021/04/14 更新
2022年9月
「味噌ラーメン」870円
あったかい味噌ラーメンがおいしい季節、最近味噌ラーメンばっかり食べているなあ。このメニューも三度目になるので、特徴がかなりつかめてきた。やはり味噌ダレの味噌がいい。村上市奈良橋醸造のものを使っているのだが、熟成期間が長いから味に深みがある。風味が強いが、塩分が高いわけではない。
そして、スープはかなりショウガ風味が強い。だから辛口スープである。生姜の辛さが生かされている。カップ麺の味噌味みたいにボンヤリとしていない。個人的には赤味噌系の辛口味噌はストライクゾーンではないのだが、この一杯は確実に旨い。県内で流行している龍上海タイプの辛味噌ラーメンとも、こまどり・東横の割りスープ付きとも、ヒグマの生姜味噌系とさえ、明らかに違う。決定的な違い、は味噌ダレの個性の強さである。
味噌ラーメン人気店の多くは、みそダレに複数の味噌をブレンドしている。それぞれの味噌の持つクセを消してマイルドにしているのだ。だが、おこじょでは、あえて一つの蔵の味噌だけを使い、むしろ味噌の個性を際立たせているのだ