60回
2021/02 訪問
おこじょ月例訪問2月
2021年2月
「おこじろう 税込790円」
二郎インスパイアの「おこじろう」が麺を替え、より二郎っぽい麺にしたという。私、ラーメン二郎新潟店で二度敗退している。二度とも大ではなく小なのに、一度はスープと脂身を残し、二度目は麺まで残すという大敗北。二郎を卒業できず、中退となったのだ。
苦手な二郎系なのに、なぜかオーダーしてしまった。大盛りにはせず、ひっそりと普通盛りで注文。背油にんにくはふつうで。もやしの盛り上げは恐るるに足らず。問題は麺だ。天地返しでもやしを沈め、さっそく麺に取り掛かる。わあお、これだよ。日清製粉のオーション小麦を使うという固めのゴワゴワ麺。山梨県・吉田のうどん並みのバキバキ麺だ。ハシでつかんでも大人しくうなだれない。くせ毛みたいに跳ね散らかっている。こ、これは本家の二郎より手ごわいかもしんない。
スープのチープな醤油味、遠慮なくちりばめられたニンニク、まさしく二郎のラーメンだ。すっごく苦手なやつだ。ブルブル、ガクガク。これ、急速に満腹になるんだなあ。満腹かも、と思った次の瞬間にはハシがピタリと止まる。大脳が満腹サインをキャッチする前に、とにかく詰め込むのだ。ワシワシと決死の覚悟で食べ進める。
食べきったところで丁度満腹。うっ、ギリギリセーフだ。丼の底に2センチほどスープを残して、今日のところはごちそうさまでした。
きょ、今日のところはこれくらいにしといてやるよ、またな!(もう二郎系には手を出すのやめよう
2021/02/13 更新
2021/01 訪問
おこじょ月例訪問1月
2021年1月
「白味噌ラーメン 税込790円」
レギュラーメニューから「白味噌ラーメン」の券を購入。「おこじろう」と並んで、オーダーする客が意外と多いメニューなのだ。一見まろやかそうに見えるスープだが、ショウガが強めにきいてピリピリと刺激的。白湯スープに背油も浮かんでいて、こってり系の組み立てなのに生姜のせいでサッパリ目に感じる。食べ進めば体全体がホカホカとほてってくる。なんか、体がぽかぽかする。シンジ君のことを考えると、心がポカポカする…って、綾波レイじゃないっての!
鶏チャーシュー、豚チャーシュー、鶏団子とトッピングが豪華。他にはキャベツともやしが少し。
麺は16番太麺で、コシのある固め。食べごたえありです。スープまで飲み干すと、満腹間違いなしの重量級メニュー。
2021/01/19 更新
2020/12 訪問
おこじょ月例訪問12月
2020年12月
「純のどぐろラーメン 税込900円」
しばらく限定ラーメンばかり食べていたので、看板メニューの「純のどぐろラーメン」で月例訪問記を締めようと思った。今はサービスでノドグロ茶漬けセットがついて税込900円なのだ。
ノドグロの風味がラーメンスープとして無理なく成立している不思議。魚介系の鍋の〆のラーメン的な味というか。20番ストレート細麺は、小麦のしっかりした風味で細いのに存在感がある。何だろ、この旨さ。
〆のノドグロ茶漬けは、岩のり風味がプラスされてやや味変し、飽きることなく食べられる。せっかくのノドグロスープ、最後の最後まで味わいつくして、ごちそうさまでした。オリジナリティーの強い名物ラーメンながら、一度限りで満足するものではなく、何度でも食べたくなる定番ラーメンとして成り立っている。
毎月この店でラーメンを食べられることに感謝。
2020/12/21 更新
2020/11 訪問
おこじょ月例訪問11月
2020年11月
「毛ガニの味噌ラーメン」税込1280円
期間限定の「毛ガニの味噌ラーメン」をオーダー。スープは毛ガニを始め三種類のカニを使ったという甲殻類の旨みたっぷりの味噌味。麺は16番太麺で、少し短い。すすりやすさを考えたのかな。で、旨いんだけど問題はトッピングだ。
豚ひき肉そぼろ、細切りサツマイモの素揚げがトッピングされていたのだが、どちらも主張が強すぎて、毛ガニの旨みを減衰する方向に働いていたように思う。主役の毛ガニが、すごすごと後ずさりしているように印象を弱めている。食べ進むにつれ、サツマイモの甘さがドンドン強くなっていく。もったいない。毛ガニの風味が負けている。秋の豊かさを演出するトッピングではあるが、カニのダシに合わせるには、不向きだったように思う。
2020/11/02 更新
2020/10 訪問
世界初!鯨の骨でスープをとったラーメン
2020年10月16日(金) 11:00
「鯨のラーメン 税込1500円」しばらくの間、毎月第三金・土・日のみ 1日20食限定
今日は、「くじらの西京味噌仕立てラーメン」と予告されていた期間限定ラーメンが、ついに登場する日である。鯨のラーメンなんて、どう考えても世界初のメニューである。開店時間に合わせて来店すると、6人くらい並んでいた。みんな、Lineのお知らせで今日を待っていたのだな。…結局、開店時には10人が店になだれ込んだ。
しかし、意外にも「おこじろう」や「のどぐろラーメン」をオーダーする人もいて、結局初回で鯨のラーメンをオーダーしたのは5人だった。待っていたら…すごいの来たよ。……キター、鯨ラーメン、キター!
やわらかな白味噌ダレを溶かし入れたクジラの骨からとった出汁。麺は16番平打ち太麺。少し柔らかめの茹で上げ。夏に魚沼などで食べる「鯨汁」に似ていて、その脂肪系の旨さをたんぱく質・アミノ酸系の旨さに移行させたような風味だ。もちろんクセはあるが、皮の脂身を煮た「鯨汁」よりは、はるかに食べやすく、クセが穏やかだ。針生姜もトッピングして、クジラのクセがイヤミにならないよう抑えている。
丼のふちには、身の刺身数枚と、脂の刺身が一枚。それぞれ生姜醤油のタレでいただく。さ、刺身うめぇ―。鯨専門店じゃなきゃ食べられない品質!
そして、ゲンコツ大の鯨チャーシューが、クジラの骨の輪切りを台にして付いてきた!凄いぜ、世界初、鯨チャーシュー。このまま食べてもいいが、一口かじってラーメンに投入すると、クジラの風味がますます豊かになる。鯨チャーシュー旨い!小学生の時食べたクジラの竜田揚げの味のいいところだけを集めた感じだ。歯ごたえも適度。鯨チャーシューだけで1500円にしても、居酒屋だったら売れるなー。
鯨といっても、何鯨なのか。世界捕鯨委員会を脱退したとはいっても、日本が商業捕鯨で捕獲しているのはミンククジラ、イワシクジラ、ニタリクジラの三種類である。ずっと前から店に張ってある予告ポスターには「ナガスクジラ」とあるが、それは調査捕鯨でわずかに捕ることもあるというだけで、まず手には入らない。もしナガスクジラなら秘密のことがいろいろありそうなので、ここはミンククジラということにしておこうよ、みんなの平和のために。ナガスクジラだったら本当は10倍のお金出しても食べられないぜ。ミンククジラにしたって、この内容なら、2~3倍の値段じゃないと儲けなんか出ないと思うがなあ。
ではなぜ「おこじょ」店主は鯨でラーメンを作ったのか。それは、登山家マロリーがそこに山があるからチョモランマに登らずにいられなかったように、そこに鯨の骨があったからだ。そこにまだ誰も使ったことの無い素材があれば、それでラーメンを作りたい、これがラーメン職人の真骨頂である。鯨がラーメンの素材として向いているかいないか、それはこれからいろんな人と共に研究していくべきことだ。何はともあれ、世界初の鯨ラーメンの実現、そして発売、おめでとうございます。
あなたも、たった1500円で、世界初の料理を食べられるのだ!最高だぜ。
2020/10/18 更新
2020/10 訪問
おこじょ月例訪問10月
2020年10月
「豚清湯ラーメン 税込700円」
ここ1~2年、東京で流行の兆しを見せている「豚骨清湯ラーメン」のおこじょバージョン。数量限定での提供。本格的中華料理の世界では、いったん白湯化させたスープをひき肉等で濁りを取り、再び透明にするものらしいが、東京豚骨清湯はそうじゃなくて、長時間沸騰させないで豚骨からじっくりダシをとるもの。
これって、「えるびす」が温度計使ってやってたやつだよ。やっぱ流行は一回りするんだなあ。いったん鶏が大流行して、で、やっぱり豚の重厚で力強い旨みは侮れないってことになったんだよね。でも背油には頼らず、スープ自体の旨みを追求する方向性だ。
基本ダシは豚骨。野菜、昆布を使わない場合もあるらしい。チャーシューの調理も兼ねたりして、肉等の部位も使うことがあるかもしれない。だから原価が安く、提供価格も低く抑えられる。
おこじょバージョンは、塩ダレの塩ラーメンだ。チャーシューは三種。鶏チャーシューも一枚入っているのは御愛嬌。紫玉ねぎと穂先メンマのトッピング。豚骨の旨みがしっかり広がる。現代風屋台味というところか。醤油だれにしちゃうと、結構よくある味に近づいちゃうんで、ここはスープを強調するための塩味なんだろうなあ。
麺は16番平打ちストレート太麺。うん、安心する旨さだね。これ、ちぢれ細麺にして半分醤油だれにしちゃうと三吉屋の味になりそうだ。…今月もラーメンの最新トレンドを味わえた。シアワセ。
2020/10/10 更新
2020/09 訪問
おこじょ月例訪問9月
2020年9月
「宮崎辛麺 税込880円」
今月の限定麺は「宮崎辛麺」。最近ラーメン好きに知られるようになったご当地ラーメンだ。麺はそば粉を入れて独特の固めの食感にする。おこじょは特注麺で20番細麺を採用。スープは、唐辛子とニンニクの辛味をきかし、具にニラと牛豚あいびきひき肉を使う。そこに卵を溶く。おこじょの限定麺の辛さは、レギュラーだと辛さ6で、レトルトカレーの大辛レベルだった。もちろん、申告して辛さ20以上にできるし、逆に和らげることもできる。
牛の脂が特徴的で、コクがある。麺のくっきり角の立った感じが面白い。辛いけどスープも全部飲んでごちそうさまでした。
いやあ「おこじょ」って、ラーメン・フリークにとってテーマパークのような楽しいスペースだ。今月も楽しかった。たぶん県内で「宮崎辛麺」を食べられるのは、ここだけだろう。あっ、そういえばいち早く明星チャルメラが「宮崎辛麺」の袋ラーメンを出したんだった。…自分で作る手もあるか。ニラと卵と牛豚あいびきひき肉を用意して再現できないこともない。…しかしラーメン業界の情報スピードには目を見張るものがあるね。
2020/09/26 更新
2020/08 訪問
おこじょ月例訪問8月
2020年8月
「鮎の二種つけ麵 税込980円」
楽しかった。完璧なイベントラーメンだった。鮎をメイン素材にした夏らしい期間限定ラーメン、しかも夏の涼を意識してつけ麺。そのつけ麺を、20番細麺と2番の超幅広ロール麺の二種で楽しむという趣向。
登録しておいたお店からのライン告知で知ったのだが、鮎のつけ麺始めますのお知らせには鮎の一夜干し作り画像が張り付けられていた。いやいや、ここからやるのか。
つけ汁は鮎の白湯だし汁。どうやって作っているのか、もう考えるのに脳がついていけない。情報量の多さにパニックになっている。麺を入れた器には、カツオダシ水が張ってある。ミョウガとオクラがちりばめられているのが印象的。20番細麺をそのまま一口すすってみたが、これだけでもそこはかとなく旨い。鮎の自家製一夜干しが半身載っている。これは半分残しておいて、後でご飯を入れて冷や汁風のダシ茶漬けにして食べるのだそうだ。
ロール平打ち麺がハシで扱いにくいが、まずは一枚に広げてからつけ汁に入れて食べる。うーん、面白い。意外とお腹にたまるね。今自分が何を食べているのかワカラナイ。でも楽しい。超絶楽しい。大葉の清涼感が効果的。
ロール平打ち麺は3個あるので、最後の一本をロール状のまま食べてみた。上部、下部とも念入りにつけ汁に浸し、毛細管現象を利用して汁を吸わせ、慎重にかぶりつく。おお、旨い。サッパリ系鮎の和風ラザニア?似たものを他に知らないが、旨いぜ。
さて、麺を食べきってから、サーブされた岩のりごはんをカツオブシ水に投入し、つけ汁を加えながらダシ茶漬けとして食べる。もうこの段階では、情報量の余りの凄さに脳はフリーズしてしまっている。アミューズメントパークで走りまくってもはやゾンビ化したイベント日終盤の子どもの精神状態に近い。
面白かった。旨かった……に違いない。情報の嵐にもみくちゃにされ、120%楽しませてもらった。ありがとう。
2020/08/22 更新
2020/07 訪問
おこじょ月例訪問7月
2020年7月
「冷やし担々麺 税込880円」
夏の新定番メニューを賞味したくて参上。券売機と張り紙をじっくり見ながら購入。ふむふむ「限定880円」のチケットを買えばいいのだな。少々わかりにくい面もあるが、落ち着いて張り紙と見比べれば理解可能。もちろんフロア係に聞けば教えてくれる。ま、きょうは「ひとりでできるもん」ってことで。
午後1時、店内6割ほどの客は「みそ」と「のどぐろ」がほとんどだ。確かにどちらもリピートしたくなる個性的な二枚看板だからなあ。特盛まで無料、茶漬けセット無料の期間限定サービスも、皆さんけっこう使っていらっしゃる。
冷やし担々麺はクリーミーに仕上げたスープが印象的。そこにマー油、ラー油がちらちら見えて、洋風料理のソースのような感じ。辛さレベルは5段階の2程度で、マーのシビレ、ラーのピリリが共存している。もし辛くしてほしければ、オーダー時に口頭で伝えれば対応してくれるはず。ほんの少し酸味があり、夏の冷やし麺らしさがある。
18番中麺だが、冷やされているのでコシが強く、まるで16番太麺のような食感。ネギのシャリシャリ、肉みそのグニグニ、香ばしいナニカのカリッとした食感が、旨さと共に口中にランダムにはじける。
おいしかった。ではまた来月。
2020/07/18 更新
2020/06 訪問
おこじょ月例訪問6月
2020年6月
「まぜそば 税込700円」
目標が無い。というか、なんだか心が燃えない。ケータイゲームの成績が悪いせいだろうか(じ、自分で書いてて恥ずかしい)。今日は、なんとなーく知ってるお店に行ってなんとなーく無難なものを食べたい気分。
ここのところ毎月訪問しているこちらの駐車場に着いた。平日の13:00近くなると、スッと入れるのだ。券売機でじっくりとメニューを検討する。初めからオーダーを決めて来ることが多いので、珍しいことだ。あんまり個性的じゃなくて、ボリュームも値段も「いつものやつ」みたいなメニューないかなあ。お、あるじゃん「まぜそば700円」ポチっ。
いつもは新メニューが出るとハイテンションになって店員や店長に話しかけたりしてしまうお騒がせラヲタなので、マスクをしたままひっそりと待つ。
やがて目の前に置かれた一杯は、特に何ということもない「まぜそば」。もやしとキャベツ少々で、チャーシュー2枚。辛味とか極太とか、こちらを緊張させる要素が特にない。天地返しして味をなじませ、淡々と食べる。えーと、お店のサービス券で味玉つけてもらいやした。
麺がしっかりしていて旨い。今日は気温が高くなったので、熱いスープの無い「まぜそば」は、食べ終わった後に体がカッカとしてこなくてありがたい。ごちそうさまでした。
今日の気分にぴったりだった。毎日が「ハレ」の日ではない。こういうメニューがあるのはありがたいなあ。…ではまた来月。
2020/06/24 更新
2020/05 訪問
限定を食べに緊急訪問
2020年5月
「佐渡鮭の冷製つけ麵 税別980円」
お店からのライン告知で限定メニューを味わいに来店。これがまた、ネーミングだけで情報パニックになりそうなくらいの凝ったつけ麺だ。
佐渡の鮭というのは、両津湾沖で養殖され、5月から出荷時期を迎える銀鮭だ。秋に川を上ってくるシロザケとは種類が違う。冷凍ものや塩蔵ものじゃないので、フレッシュで脂がのっている。この銀鮭をたっぷり使ったつけ汁なのだ。ちなみに、トッピングでも半生のものが一切れ載っている。佐渡の養殖銀鮭は沖合で養殖し、管理が厳しいので、状態によっては刺身でも食べられる。
キリッと冷水で締めた20番細麺をこれにつけて食べるのだ。麺は、ノドグロと昆布の水出しダシにつかっている。そしてその上に春菊ソースがかかっているのだ。春菊ソースは意外にもクセが弱く、控えめなハーブといった感じ。
銀鮭のつけダレ、めちゃめちゃうまい。鮭だとわかる。サーモンの旨みが、魚臭さの全くない状態で口に広がる。今まで他店で鮭節とか鮭のアラとか鮭の醤油とかを使ったラーメンを食べたとき、「ふーん」としか思わずピンとこなかった。しかしこれは違う。これは誰が味わっても鮭だとわかる。
麺を食べ終えたら、ノドグロと昆布のダシをつけ汁に全部入れてそば湯感覚で飲み干した。旨さの科学を踏まえれば、グルタミン酸とイノシン酸を合わせて旨くなるのは自明の理なり。…うーん、最後の一滴まで旨かった。
2020/05/27 更新
2020/05 訪問
頑張れ未来の巨匠たち
2020年5月
「芳醇濃コク味噌ラーメン 税込890円」
自分の他レビューで「この苦しい時期、お店に真の固定ファンがいるどうかわかる」などと書いて以来、ソワソワ落ち着かなくなった。自分で自分の首を絞めるとはこのことだ。あの店とあの店だけには、真の固定ファンとしてどうしても足を運ばなければならない、と追い詰められた気分である。13:00を少し過ぎ、様子を見に行くと、駐車場に車が無い!よし、激励だッとばかりに駆け込むと、オーナー不在で店員二人の営業。客は私一人だった。
新型コロナ対応でテイクアウトメニューがカウンターに並べられていた。フロア店員に様子を聞くと、お昼はぼちぼち来店があったとのことで、一安心(←部外者なのに心配しすぎ)。
芳醇濃コク味噌ラーメン(税込890円)のチケットを買う。おや、いつもとオペレーションが違うじゃん。厨房とフロアのメンバーが入れ替わってるよ。それぞれのスキルアップを狙ってのことだね。これはいいね、お手並み拝見。二人とも是非この店の「顔」になってもらいたい。人の育つラーメン店こそ本物だ。オーナーだって新潟市の「おもだかや」修業が出発点なんだぞ。
着丼。香ばしいいい香り。麺を手繰ると、モウモウと揚がる湯気。キリッとした味噌の風味を最大限に生かし、透明ラードが表面を覆っている。通販で取り寄せた「純蓮」のラーメンによく似ている。でもパクリじゃないよ。純蓮リスペクトって公言してるもんね。そういう姿勢が、コソコソした人たちとは違うのよ。
おっ、16番太麺が固めの茹で上げ。いいねえ、攻めてるねえ。実に旨い。スープが濃いめの味なので、豚と鶏の二種のチャーシューは鶏チャーシューの方がしつこくなくて旨かった。味噌ラーメン、開店時より旨くなってる!仕込みバッチリだし、麺揚げも仕上げも気を抜いた時のオーナーより旨いかも(気を抜いた時を見たことは無いけど)。頼むぜお二人さん!
2020/05/02 更新
2020/04 訪問
旨さの足し算で作るしじみラーメン
2020年4月11日(木) 「おこじょ」どっさりしじみの貝だしラーメン 税込1000円
おこじょへの月例訪問。四日間限定の「どっさりしじみの貝だしラーメン」がねらい。店主によると、ユーチューブに作り方を公開したというので、興味のある方はぜひご覧いただきたい。下づくりの動物系スープだけで、おいしさへの期待値Maxである。温度管理、素材の投入順序、煮出し時間など、知識と経験に裏打ちされた確かな仕事ぶり。貝は、ホンビノス貝、ホタテ稚貝、アサリ、しじみの四種類が確認できる。これらを冷凍処理したり、サイフォンでだしをとったり仕上げたりという、時間も手間も材料費もかかるほとんど趣味の世界。(サイフォンでだしをとる魚介ラーメン屋、たしか東京にいたなあ。)
丸鶏入りスープにひき肉で雑味を取った下ごしらえスープだけで、絶対に十分旨い。サイフォンでだしを取ったしじみスープ、絶対旨い。この二つをトム・ブラウンのように合体させるのだから、間違いなく旨いだろう。という足し算発想。
これまで私が食べたしじみラーメンというのは、引き算発想のものが多かった。しじみの風味を生かし、それだけでは足りない旨さのバランスを適度に入れるやりかただ。しかし、おこじょ店主は足し算発想で作りたかったのだ。
で、食べてみた。旨かった。だが、しじみの特徴は旨さに埋没していた。サイフォンを使ったために少し何かの成分が焦げるらしく、薫香がするのが非常に面白かった。スープは全方向に旨すぎて、私の舌ではよく理解できなかった。
麺も相変わらず旨い。20番細麺。
幻の限定ラーメンを食べられて幸せ。でも私の舌では理解できなかった。もっと実力を付けたい、とうなだれるじんぺいであった。
2020/04/11 更新
2020/02 訪問
おこじょ月例訪問
2020年2月
「牛深煮干ラーメン 税込880円」
熊本県天草市牛深で水揚げ・加工された最高品質の煮干しを使った贅沢な一杯。素材の鮮度が違うのか、旨みに奥行きがある。表面に白っぽく反射するキラキラは、イワシ煮干の銀色の体表薄皮。
セメント系のようなくどさはなく、ズーンと深くまでしみわたる煮干しの風味を楽しむことができる。今回は、穂先メンマの仕上げが少し硬すぎた。それが玉にきず。
20番細麺の茹で上げは、固めにビシッと決まって旨かった。のどぐろラーメンの麺とは違って、全粒粉を配合していない別な麺だ。
今月の限定麺も楽しくおいしかった。また来月が楽しみだ。
2020/02/19 更新
2020/01 訪問
「純」が付くか付かないかにも意味はある
2020年1月11日(土) 11:45「おこじょ」純のどぐろラーメン 税込900円
今日は「おこじょ」に月例訪問。今月の限定麺はセメント系煮干しラーメンだった。じゃ、リニューアルしたという「純のどぐろラーメン」にしよう。厨房にオーナー店主の姿が見えたので、タイミングを計って、かねてからの疑問を聞いてみた。
「長岡店オープン時は『純』の文字を外してたけど、また『純』のどぐろラーメンの名に戻しましたね。これに意味はあるんですか?」
「長岡市民の味に合わせようとしてたんですが、やっぱり自分のやりたいようにしようと思って、スープも麺も変えました。」
…勇気を出して聞いてよかった。やっぱりネーミング一つにもこだわってたんだ。
わくわくしながら待っていると、「純のどぐろラーメン」着丼。あ、見た目からして違う。泡立ってるぞ。泡だて器でかき混ぜて仕上げてるんだ。こうすると、クリーミーな口当たりになるんだよね。で、スープが全然違う。オープン時は少し魚のクセが出ていたんだけど、それが全くなくなった!のどぐろの甘さを含んだ豊かな旨みが、おいしい湯気になって立ち上ってくる。
麺は、浅黒い20番細麺。オーナーの許可をもらったので書くと、ハルユタカ、ユメチカラ、胚芽小麦、無農薬小麦の全粒粉をブレンドしたそうです。ちなみに全粒粉は石臼で自分で引いたそうです。うーん、見上げたラーメン馬鹿ぶりです。
まあ旨いのなんの。オープン時に「のどぐろラーメン」に首を傾げたラーメンフリークの皆さん、もう一度だけ食べてみてください。絶対旨くなってますから。そして全国の皆さん、新幹線に乗って「おこじょ」の純のどぐろラーメンを食べに来てください。私が和歌山や青森や東京や平塚で一杯のラーメンに抱いた感動と同じものが、この店にはあると断言します!
2020/01/12 更新
2019/12 訪問
期間限定ラーメンのシリーズいよいよスタート
2019年12月
「カニ味噌ラーメン 税込1280円」
12月になり、そろそろ今月の期間限定ラーメンを食べに行こうと、開店時間に合わせて来訪。何をやってるのかな、ワクワク。おー、カニ味噌ラーメン1280円か。券売機で確認し、チケットを購入。
厨房に店長の姿が無いな。限定ラーメンを作れるように店員を鍛えたってことか。なるほど、チーフらしい人の挙動が落ち着いている。そうすると他のスタッフも安心するんだよね。
着丼したラーメンは、セメント系煮干しラーメンのようにドロッとした灰色だ。立ち上る香りは、カニ味噌!カニじゃないよ、カニ味噌!珍味の味をここまで前面に押し出してくるか。トッピングには、芽キャベツ、レンコン、インゲン豆など。チャーシューは低温ローストの豚と鶏チャーシュー。野菜は別容器のカニみそだれにつけて食べるとよいとのこと。わはははは、ぶっとんでるねー。メンマと海苔を条件反射のようにつけている多くのラーメン店主に、背中をどやしつけながら食べさせてやりたい。
麺は18番中麺だが、ザラザラした食感。全粒粉なのかな。ソラノイロ(東京)の麺に似た味わいだ。
味は正直、微妙。素材がカニ味噌だけに、珍味に寄りすぎて、万人に向く料理ではなくなっている。しかも、鶏や豚骨のスープを使っていない感じで、多分昆布やカニだけでスープを取っている。
今までのカニラーメンやカニ味噌ラーメンは、オーソドックスなラーメンに、後からカニやカニ味噌を足していただけだ。しかし、このラーメンは、カニ味噌の風味を最大に生かし、カニを主体にラーメンを作ったらどうなるのか、という挑戦なのだ。設計思想が根本的に違うのだ。
これは好き嫌いが分かれるはずだ。だが、期間限定ラーメンなら、これくらいの挑戦をするべきだ。さすが「おこじょ」店主。今後にますます期待し、次の限定ラーメンも必ず食べに来たい。
2019/12/12 更新
2019/09 訪問
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
「おこじょ」の進化が止まらない
2019年9月
「おこじょの塩ラーメン」平日限定モニター特別限定麺 税込500円
平日限定で、ノドグロとしじみダシの「おこじょの塩ラーメン」を500円で提供するという。食後、アンケートに答えるのだという。…それ行けっっ!
11:30だが、四割程度の客入り。ほとんどが特別限定麺の塩をオーダーしている。で、カウンター情報にずらりと張られた限定麺の説明書きにびっくりした。ははあ、これを月単位程度に気まぐれに一つずつ提供していくのか。…すごいぞ。見たことも聞いたこともないラーメンがゾロゾロある。「鯨の西京味噌仕立て」「鹿三昧ラーメン」「毛ガニの白味噌ラーメン」ぜ、ぜって―食べたいヤツばかり。あ、「しじみの塩ラーメン」は、先週終わったわけね。青いラーメンかあ。「おこじょ」でも青いラーメンやってたのか。知らなかった。
「おこじょの塩」着丼。麺は18番中麺ストレート。おこじょの麺は主張が強くてスープと別々な感じがしがちなんだけど、今回は一体感が強いね。のどぐろの風味はグッと引っ込んで、しじみの旨みと五分五分って感じだな。魚臭さや魚介の癖が中和されていて食べやすい。旨いぜ、これ。比較的わかりやすい旨さだ。岩のりがいいのかも。魚のイノシン酸と貝のコハク酸だけだと旨みに奥行きが出ないけど、岩のりがグルタミン酸を足しているんじゃないかなあ。厚みのある旨さだ。「私のバカ舌では何の旨みかよくわからないけど、おいしいです」なんて感じでブロガーが書きそう。
この塩らーめん、いいですよ。日常食としてのラーメンの方向性を持っている。値段も900円以下になりそうだし。
今、ラーメンは日常食(毎日でも食べられるっていう方向性のラーメン)とイベント食(遠くから来て二時間並んでも食べたいガツンと個性的なラーメン)の両極化してきている。「おこじょ」は、この二つの方向性のラーメンを両方揃えようとしている。イベント食の方は、気まぐれ限定ラーメンで思う存分やってほしい。全国のラーメンファンよ、鹿ラーメン食べたいだろう?鯨らーめん食べたいだろう?新幹線で長岡市に来いよ!
こ、これからは毎月一度は有給休暇取って「おこじょ」に来なきゃ。
2019/09/29 更新
2019/05 訪問
マニアのための味噌ラーメン
2019年5月
味噌ラーメン 税込780円
味噌ラーメンは、たいてい旨い。味噌自体が旨いからだ。そういう意味で、この味噌ラーメンも、特に仰天するような仕掛けや新機軸はない。スープをバーナーであぶって香ばしさを出したところが新しいかな。でもこれも日本初の試みではない。ただ、もやしの炒め煮を載せた「サッポロ味噌ラーメン」系とはキッパリ決別したものであることは、外見からもわかるであろう。むしろ「すみれ」「純連」リスペクト系である。
この味噌ラーメンがどのようにおいしいかというと、ちょっと表現が難しい。それは、味噌の味が最大に引き出されているということだ。だからややしょっばめだ。で、その味噌は、食材としての力強さが非常に大きい。村上市奈良橋醸造のものだが、県産大豆、天日塩で作った住みつき酵母(店の醸造蔵に住みついたもの)で作られたものだ。
だから、我々が味噌汁などで知っている味噌とは、違う味がする。基本設計は同じなのだが、まろやかな酸味とか、今の私では表現できない味がする。たんぱく質が発酵分解される中でつくられる様々な核酸、アミノ酸が天然の妙味を複雑にかもし出しているのだ。人間の浅知恵で大きく旨みを出すとわかっている物質だけ数種類組み合わせたものとは違う。
麺は14番極太麺。
ラードが丼の表面を覆い、熱々。
しょっぱいのに最後までスープを飲んでしまった。適切に表現できずに申し訳ない。とにかく旨かった。わかりやすい旨さじゃないから、これは本質的にはマニア向けの一杯だ。
2019/05/19 更新
2019/04 訪問
新潟県新名物ラーメン爆誕!
2019年4月
のどぐろらーめん 税込900円
諸般の事情で新潟市から「おこじょ」が移転してきた。開店から6日目。まだまだ大フィーバー中。平日でも昼は店外まで行列。もちろん店長のSNさんが陣頭指揮をとって麺揚げしている。二大看板メニューは、二つのバーナーで派手に味噌をあぶる「焙煎味噌ラーメン」と、「2017年世界ラーメン大会」でファイナリストに選ばれた際の「のどぐろラーメン」。
「純のどぐろラーメン」は、新潟店時代に1000円で限定販売していたが、店長は苦笑いして「赤字です」と言っていた。そのメニューを900円でレギュラーメニューにしたということは、いろいろ工夫したんだろうなあ。限定の時は、ぶっ飛ぶ個性と旨さだった。
のどぐろラーメン所望!券売機で慎重に買い、店長に一言あいさつ。改装開店おめでとうございます。
再び食べられるとは思っていなかった「のどぐろラーメン」着丼。チャーシューは豚の肩肉?と鶏。穂先メンマ2本に煮卵ハーフ、小さなノドグロの切り身一つ。スダチのスライスが1枚。麺は20番細麺。推定加水率35%。角のはっきりした半透明に茹で上がるタイプ。
スープが旨い。もちろん、一口目に魚独特の匂いがフッと感じられるから、そもそも魚が苦手という人にはおススメしない。というのも、魚介系とは言っても、乾物のダシではないのだ。いわゆる鮮魚系。鮮魚のノドグロからスープを炊いているのだ。斬新にもほどがあるぜ。料理名から「純」が取れた分、鶏か何かでスープを補強しているのだろうが、ちょっと違いがわからなかった。小さな切り身のノドグロと同じ味のスープだ。ノドグロの豊かで力強い旨みが、スープで主張している。日本海の高級魚を、いったん~節などと乾物にせず、ずどんと直球でラーメンに仕立て、しかもうまい。これは日本海文化の宝ですよ。新しい新潟名物になってもおかしくない逸品。
他県の皆さんも、長岡市まで足を運んでちょうだい。へへへ。
2019/04/26 更新
2021年3月
「かます白醤油ラーメン 税込1000円」
店主がノドグロの仕入れにいったら、新鮮なカマスに目が行き、突発的に限定麺を作ることにしたとラインのお知らせが入った。それ行けっ!
カマスという魚は、身はふっくらして美味しいが、塩焼きにしてもかなり磯臭さがある。小骨が多い魚でもある。これをどんなスープにするのか楽しみだ。
チャーシューやメンマについてはのどぐろラーメンと同じ仕様。ただ、春菊が添えられ、刻み玉ねぎが散らばっている。臭み消しかな、と思ってスープを飲むと…?全然魚っぽくないんですけど。情報なしで食べたら、鶏ガラのやや薄めの味かなと思って全く気付かなそう。カマスのクセが全然ない。無さ過ぎて拍子抜け。こんなに上品なお吸い物みたいな味になるのか。
というか、のどぐろみたいに白湯化しないで、まさかの清湯仕立て。あんまり技術的なことをバラしちゃいけないんだろうけど、いったんカマスの団子を作って、スープを取ったらしい。動物系は使っていない。カマスの磯臭さって、皮だったのかな。でも全部のカマスの皮をはがすなんて面倒くさいことをしたのか?それとも鮮度がウルトラ良かったのか?
こうして食べてみると、カマスはラーメンのスープの材料としてはあまり適さない素材だということがわかる。旨いけど、鳥ガラや豚骨の圧倒的な旨さの前にはかすんでしまう。限定ラーメンは、楽しいし勉強になるなあ。今度はもっと空いている時に行って詳しく話を聞きたいなあ。