65回
2017/05 訪問
ハイシーズン幕開け
印象に残った天種は、銀宝、女鯒、岩牡蠣、ホワイトアスパラ、ジャガイモ、賀茂茄子、トウモロコシ
江戸前の銀宝はゼラチンをしっかり感じるもの。うま味も濃かったです。昨年いただいたものほどではありませんでしたが、他店比では素晴らしいものでした。魚介では女鯒が次点でしょうか。
アスパラは緑、白、紫と三種類いただきましたが、最も好印象だったのは白。こちらのホワイトアスパラは、時期をずらして夏に生産されるものを使っているのではなかったかなと。その一方で、グリーンアスパラは食感、うま味、香りといずれも物足りないものでした。
ホワイトアスパラ以外で印象に残ったのはジャガイモ。ジャガイモでご飯を挟み、サンドウィッチ状にして揚げられます。ムッチリとした食感と香ばしさが何とも言えません。次点は賀茂茄子やトウモロコシか。
揚げ手の技量が最も問われる、かき揚げのクオリティも申し分なし。頻繁に油を交換するので、油切れが非常に良く、胸焼けすることがありません。ハイシーズンの幕開けは上々の結果でした。
2017/06/22 更新
2017/04 訪問
油で春の香りと苦味を愉しむ
春の香りと苦味を求めて近藤さんに。
筍(塚原)、アスパラ(北海道)、空豆、蕗の薹、蛤、銀宝
この時期の一番の目当ては筍とアスパラです。朝掘りの塚原産の白子筍は柔らかく、えぐ味のないもの。薫り高く、美味しかったです。北海道産のアスパラも香り・うま味・食感と、いずれも良好。ただし、筍もアスパラも、例年ほどの質ではないというのが本音でしょうか。ガクを開いて揚げられた蕗の薹は、心地よい苦味と香りを楽しめました。
魚介では、大振りの蛤がジューシーで美味。今季初の銀宝もゼラチン質こそ乏しいものの、上品な味わいでした。
ちょっと気になったのがモンゴイカ。イカ墨の塩で食べるというのは面白かったのですが、少々火が入りすぎとの印象を受けてしまいました。
しかしながら、〆の天丼はさすがの仕上がり。複数の種で大きなかき揚げを作るのですが、生焼けということはありませんし、小柱が硬化しているなんてこともありません。無駄な衣が非常に少なく、辛めの丼汁でさっぱり楽に食べ切れました。
初夏から旬を迎えるタネも多く、これから天ぷらは春に次いでもう一つのハイシーズンに入ります。今から楽しみです。
2017/05/21 更新
2017/02 訪問
昼でもお好みで
早春の天ぷらをいただきに近藤さんに。昼でもお好みで揚げてもらえます。
印象に残ったのは河豚の白子、公魚、穴子、人参、蕗の薹
江戸前の鱚、女鯒とまずまず。なぜかこの日の車海老はいつもより甘く感じました。定番の種では穴子が良かったかなと。外はカラリと中はホクホクに。トロ穴子にはない風味と身の締まりが味わえました。河豚の白子はクリーミーでリッチな味わい。
蕗の薹はガクを開いて揚げられます。心地よい苦味と香りのハーモニーが口の中に広がります。これは塩で食べてこそでしょう。ガクを閉じたまま揚げるお店が多いですが、それだと塩では食べにくいです。実際、そういうお店では天汁で食べることを勧められるのですが、この食べ方では香りが台無しだと考えます。飴細工を模した人参の天ぷらは、見た目はもちろん甘味が印象的。
椎茸はうま味・香り・食感いずれもなかなかでしたが、前回ほどではないかなと。牡蠣は九州のものが供されましたが、これも前回の昆布森のものに軍配が上がるでしょう。
塚原産の朝掘りの筍や北海道産のアスパラといった春の天ぷらが今から楽しみです。
2017年2月
2017/03/05 更新
2016/12 訪問
薄衣の芸術
冬の天ぷらをいただきに近藤さんへ。
特に印象に残ったのは椎茸、人参、アスパラ、鯊
椎茸はとても肉厚で、前回以上のものでした。ただ分厚いだけの椎茸なら他店でも見かけますが、近藤さんの椎茸は食感・薫りが全くの別物。今季のオーストラリア産のアスパラは物が良いようで、食感・瑞々しさ・薫りと、バランス良好でした。鯊も今期の不漁を考えれば、上々の質だと感じました。
天ぷら屋で最も技量が問われるかき揚げの仕上がりも見事の一言。複数の天種を使った、厚みのあるかき揚げでも、小柱を硬化させてしまうなんてことはありません。単一の天種のみであったり、ペチャンコのものを揚げるお店もありますが、専門店としてはいかがなものかと思います。
その一方で、江戸前の穴子は残念なものでした。もっとも、いくら江戸前の質が良くないからといって、穴子本来の風味や味わいがない(癖はないけど、ブヨブヨな)対馬や韓国のトロ穴子を食べたいとは思いませんが。今冬は昆布森の牡蠣が早めに終了してしまったのも残念でした。
2016年12月
2017/02/10 更新
2016/10 訪問
薄衣の芸術
秋の天ぷらを堪能しました。
椎茸、舞茸、松茸(いずれも岩手)、牡蠣(昆布森)等
きのこの美味しい季節。椎茸は無駄な水分がなく、香り・食感・味わいとパーフェクト。一年中供される天種ですが、この時期から冬にかけてが一番美味しいように思います。立派な天然の黒舞茸は歯応えがあり、香りも濃かったです。魚介類では、ジューシーな昆布森の牡蠣が印象に残りました。
2016年10月
――――――――――
端境期の晩夏~初秋
印象に残ったのは南瓜、鱚、牡蠣、新いか、
この時期限定の南瓜は、さつまいも同様、大きめにカットされ、長時間揚げた後に余熱で火を通します。個人的にはさつまいもよりもオススメの天種です。昆布森の立派な牡蠣もジューシーで、美味しかったです。前回(夏)訪問時から気になっていたホワイトアスパラ(北海道)は夏の間中生産されているそうです。椎茸はまだまだこれからといった感じでした。次回は秋の味覚を味わいにお邪魔しようと思います。
2016年9月
――――――――――
夏の天ぷらをいただきました。
賀茂茄子、とうもろこし、ピーマン、鱧、穴子等
賀茂茄子は蒸されて、内部がトロトロ。香ばしい茄子と醤油は好相性。絶品でした。とうもろこしはカリっと揚がっており、甘味・香り・食感、いずれも申し分なし。この時期はゴールドラッシュでしたが、甘甘娘よりも甘いかもと感じました。ピーマンも香りが爽やか。外はカラリと中はホクホクに揚げられた穴子も美味。かき揚げのクオリティも他店より上だと思います。天丼でも衣の食感を楽しみたい場合には、タレを上から少量掛けてもらうように頼むと良いと思います。お盆明け頃から出始める南瓜は、名物のさつまいもよりも個人的にはオススメです。
2016年7月
――――――――――
初夏の天ぷらをお好みで堪能しました。一年で一番心躍る季節です。
銀宝、鱚、女鯒、とうもろこし、賀茂茄子等
鱚、女鯒といった定番の魚介種ももちろん美味しかったですが、この季節の主役は何といっても銀宝でしょう。江戸前の銀宝はゼラチン質由来の弾力とうま味が素晴らしく、まさに絶品でした。『銀宝を食べずして天ぷらを語ることなかれ』とはよく言ったものです。
野菜ではとうもろこし(甘甘娘)と賀茂茄子が絶品でした。こちらではゴールドラッシュと甘甘娘の二種類のとうもろこしが使用されています。甘甘娘は6月下旬までしか入荷されないそうです(期間中でも売り切れの場合は、ゴールドラッシュを使用するようです)。甘甘娘は薫り高く、フルーティーな甘味が印象的でした。噛むほどに甘かったです。こちらの極薄の衣ならではのかき揚げで、カリッと揚げられていました。賀茂茄子も中がトロトロで、まさに蒸し料理。身が詰まっていて、非常に美味しかったです。アスパラの香りが落ちてしまうこの時期は姫竹も忘れられません。ピーマン等も出始めており、夏野菜が揃い始めていました。
2016年6月
――――――――――
春の天ぷらを堪能してきました。
印象に残ったタネはアスパラ、筍、空豆、タラの芽、女鯒、蛤等
お好みで好きなものを好きなだけいただきました。この時期のアスパラはこれからのものと比べると瑞々しさという点ではやや劣るかもしれません。しかしながら、歯応えがあり、薫りが一番良い時期だと思います。筍は塚原の朝掘りのもの。えぐ味がなく、やはり薫りや食感を愉しめました。白魚は大葉で巻いた従来のものと、生姜と一緒にかき揚げにしたものの二種類を。前者は中心部がレアの仕上がり、後者はもっちりとした仕上がり。個人的には、工夫の光る前者の方がお勧めです。天丼はかき揚げの仕上がりよく、非常に美味しかったです。丼汁を少なめにしてもらったおかげで、食感がより愉しめました。
衣は脆いほどに薄く、油も頻繁に変えるので非常に軽い天ぷらが味わえます。どんなに混んでいても油切れが抜群に良いですし、海老を事前に剥いて置いておくようなこともしません。新しい?お弟子さんたちも頑張っていて、気持ちが良いなと。こういう一つ一つの要素が、こちらが単なる高額店ではなく高級店たる所以でしょう。
2016年4月
――――――――――
紅赤を使ったかき揚げを頂きに伺いました。
椎茸、にんじん、山ごぼう、鯊、ホタテ、牡蠣等
事前に予約しておいた紅赤と野菜のかき揚げを頂きました。紅赤の自然な甘味は他の素材の味を邪魔せず、野菜のかき揚げに向いているというのも納得でした。巨大なさつまいもに飽きてしまったという方は一度試してみるのも悪くないと思います。
2015年12月
――――――――――
晩秋の天ぷらを頂きました。
椎茸、山ごぼう、鯊、牡蠣(昆布森)、ホタテ等
椎茸が肉厚な季節になりました。余分な水分が無く、うま味、香り、食感全てが楽しめます。山ごぼうはかき揚げで。無駄な繊維質が無く柔らかいので、やや厚めにカットされています。そのおかげか、こちらも香り・歯応えともに楽しめる逸品でした。ジューシーな昆布森の牡蠣、中がレアの仕上がりでうま味・甘味が楽しめるホタテも美味しかったです。
2015年11月
――――――――――
秋の天ぷらを頂きに伺いました。
南瓜、松茸(信州)、新いか、鱚等
野菜では南瓜が特に印象に残りました。南瓜はさつまいも同様大きくカットされ、長時間掛けて揚げられます。皮側の香ばしさと、中の甘さが堪らないものでした。松茸はあらかじめ酢橘を挟んだものを一本丸ごと揚げます。噛むほどに薫り、美味しかったです。定番のタネでは鱚が美味しかったです。初めて頂いた甘鯛もなかなか。〆の天丼、フルーツも美味しかったです。
2015年9月
――――――――――
夏の天ぷらを頂きに伺いました。
とうもろこし、ピーマン、おくら、新銀杏、鱚、女鯒、岩牡蠣等
定番のタネでは鱚が印象に残りました。ふんわりと柔らかく揚げられており、非常に美味しかったです。岩牡蠣(茨城産)は6月の富山産のものに軍配が上がるかなと。とうもろこしは甘甘娘が頂けるかも?と思いましたが、ゴールドラッシュでした。種まで食べられるピーマンは皮が柔らかく、香りは爽やか。今夏は賀茂茄子が頂けなかったのが残念でした。
2015年7月
――――――――――
初夏の天ぷらを堪能しました。
姫竹、いんげん、じゃがいも、とうもろこし、鱚、女鯒、岩牡蠣、銀宝等
姫竹は香り良く非常に美味しかったです。この時期のアスパラはジューシーですが、4月のものと比べると香り自体はもう一つなので、姫竹は特にお勧めです。稚鮎は粉山椒を敷いて供されました。面白い食べ方だと思いますが、肝心の稚鮎の質はもう一つだったというのが本音です。ジャガイモは白米を挟んだ変わり種です。じっくり揚げるタネなので、早めに注文した方が良いと思います。薩摩芋や南瓜がシーズンではない時にお勧めです。カリッと香ばしく揚げられた江戸前の銀宝はゼラチン質たっぷりでした。食感・旨みともに申し分なく、絶品でした。岩牡蠣も美味しい季節になりました。
直近の訪問(6月)で頂いた銀宝、岩牡蠣(富山)、トウモロコシも非常に美味しかったです。江戸前定番のタネも旬で、天ぷらが美味しい季節です。
増税された頃からでしょうか。食後に出されるフルーツが以前ほど美味しいと感じなくなってしまいました。気のせいでしょうか。
2015年5月
――――――――――
春の天ぷらを頂きました。
白魚、鱚、空豆、蕾菜、タラの芽
蕾菜という新しい天種が供されました。苦みと甘みが時間差で味わえる面白いものでした。空豆はホクホクで香り良く美味しかったです。白魚は二種類の揚げ方で頂きました。一つは、大葉で何匹もの白魚を巻いたこちらの定番のもの。中心がレアに仕上がっていて、非常に美味しかったです。もう一つは、一般的なかき揚げタイプものです。こちらはむっちりとした食感が楽しめ、美味しかったです。
直近の訪問(4月)で頂いた朝掘りの筍(塚原産)は香り・食感ともに秀逸でした。筍以外にも、アスパラが一段と香りが良く、非常に美味しかったです。
2015年3月
――――――――――
冬の天ぷらを頂きました。
カワハギ、ホタテ、河豚の白子、白魚、ニンジン、蕗の薹
年が明けて河豚の白子が出るようになりました。油の中で蒸された白子は中がとろとろの仕上がりです。カワハギの天ぷらは肝を身で挟んで揚げたもので、塩と山葵で頂きます。山葵が肝の味を引き立ててくれます。まだまだ寒い日が続きますが、春を感じる天種も出始めていました。
2015年1月
――――――――――
晩秋の天ぷらを頂きました。
椎茸、ニンジン、山ごぼう、牡蠣、ハゼ、ホタテ
椎茸は他店とは全くの別物です。甘みが際立つニンジンは見た目にも美味しい一品です。かき揚げにされた山ごぼうは余計な繊維質がなく美味しかったです。牡蠣も前回同様非常に美味しかったです。生やフライよりも好きな食べ方です。
天種によってカットや衣の濃さが工夫されており、食感や香りが楽しめます。この辺りが他の天ぷら屋とは一線を画している所だと思っています。
2014年11月
――――――――――
秋の天ぷらを頂きました。
この日はとにかく椎茸が絶品でした。こちらの椎茸は一年中美味しいですが、この日は格別でした。原木椎茸は肉厚ですが余計な水分がないので、抜群の食感と香りを堪能できます。噛むと口中にうま味が広がります。この日は房総の立派な鮑も出ましたが、それよりも美味しかったくらいです。まるで鮑のようだと感じたことは今までにもありましたが、この日はついに鮑を超えてしまいました。牡蠣も美味しい季節になりました。
2014年10月
――――――――――
夏の天ぷらを頂きました。
とうもろこし、賀茂なす、ピーマン、鱚、女鯒、鱧、岩牡蠣
甘みが凝縮したとうもろこしは、相変わらず絶品です。湯葉が中心に詰まったズッキーニは何とも言えない食感です。今回は女鯒も非常に美味しかったです。おまかせ(部分的にお好みですが)では注文しないと滅多に穴子が出てきません。ただ、わざわざ追加しなくても供される穴子は非常に美味しいことが多いです。正直、全く別物を使っているのではないかと思うほどです。最近そのような穴子を頂けていないのが残念です。
2014年8月
――――――――――
初夏の天ぷらを頂きました。
とうもろこし、賀茂なす、鱚、岩牡蠣、銀宝
おまかせでお腹一杯食べるのもいいですが、お好みで好きなタネを揚げてもらうのも愉しいものです。とうもろこしのかき揚げは甘みに富んでおり、非常に美味しいです。岩牡蠣、鱧、そして江戸前の銀宝、〆の天丼まで美味しく頂くことが出来ました。それにしても、こちらの櫻正宗は美味しいです。もう少し日本酒の種類があってもいいのでは?と思うこともありますが。
2014年6月
――――――――――
春の天ぷらを頂きました。
アスパラ、タラの芽、こごみ、筍、空豆、白魚、鱚等
アスパラ、筍、空豆が香り良く、特に印象に残りました。白魚も非常に美味しかったです。
2014年4月
――――――――――
早春の天ぷらを頂きました。
白魚、公魚、河豚の白子、カワハギ、蕗の薹等
こちらでは子連れのお客さんもちょくちょく見かけます。何かのご褒美のようでした。こういう微笑ましい光景に出逢えるのもこちらの良い所かもしれません。
2014年2月
――――――――――
冬の天ぷらを頂きました。
椎茸、にんじん、山ごぼう、さつまいも、牡蠣、帆立、カワハギ、ハゼ等
甘みあふれるニンジンは目でも舌でも楽しめます。帆立は中がレアで甘みが引き立っていました。江戸前のハゼ、ジューシーな牡蠣、椎茸等も美味しかったです。
2013年12月
――――――――――
天ぷらの最高峰との呼び声高い銀座の名店。こちらは江戸前定番のタネだけでなく、野菜の天ぷらも美味しいお店です。店主の近藤さんは山の上で長年にわたって料理長を勤められ、山の上を今日の地位にまで押し上げた方です。食通で知られる池波正太郎先生が贔屓にしていた職人としても有名です。
天ぷらに関しては、私は近藤が一番だと思っています。それは近藤の天ぷらがとにかく軽く、かつ素材の持ち味を十二分に引き出しているからです。素材の持つ水分を利用した加熱調理で、天ぷらは蒸し料理と言われる所以がよく分かります。揚げる際のタネの最適なサイズ等も考えられており、素材の持つうま味、香り、食感が愉しめます。
こちらで食べる以上、近藤さんに揚げてもらいたいというのが人情でしょう。そうであれば、予約時に近藤さんのカウンターを指定することをお勧めします。コースは、おまかせやお好みがお勧めです。たしかに値は張りますが、それに見合った以上ものが頂けます。そして出来立てをすぐに食べることこそ肝要です。写真を撮りたいのもまた人情でしょうが、ここは我慢。せっかくの天ぷらがもったいないです。ちなみに、看板メニューのサツマイモはコースには含まれていないので、最初に別途注文しなければなりません(夏場はさつまいもの代わりにかぼちゃが提供されます)。
サービスや雰囲気に関しては、天ぷら屋としては十分過ぎると思います。立地はもちろん、清潔感のある店内、とりわけ檜の白木のカウンターとざるに盛られた野菜は良い雰囲気を演出してくれています。ただし、席の間隔が狭いため、やや窮屈に感じることがあります。また、この狭さがてん紙の交換などの妨げになっているとも思います。しかし、いずれもそれほど気になるものではありません。
2017/03/04 更新
近藤さんの天ぷらはとにかく軽く、素材の持ち味を十二分に引き出しています。素材の持つ水分を利用した加熱調理で、天ぷらは蒸し料理と言われる所以がよく分かります。揚げる際のタネの最適なカットやサイズまで工夫されており、素材の持つうま味、香り、食感が愉しめます。脆いほどに薄い衣に包まれた天ぷらは芸術的です。
他店と比べると、特に野菜の天ぷらが充実しています。さつまいもが当店のシグネチャーとして有名ですが、個人的には以下の野菜の方がオススメです。
春には筍(塚原産の朝掘り)、アスパラ、空豆。初夏から夏にかけては姫竹、とうもろこし(甘甘娘・ゴールドラッシュ)、じゃがいも、いんげん、賀茂茄子、ピーマン。晩夏には南瓜も外せない一品です。秋が深まり寒くなってくると、椎茸(岩手八幡平)、山ごぼうやニンジンなども美味しくなります。アスパラや椎茸は通年供されますが、それぞれ上記の時期が断トツでしょう。
2020/12/06 更新