90回
2023/12 訪問
浦島太郎みたいな人生
とぼとぼと定禅寺を歩き
バタバタとビルの階段を上り
Melonの扉を開ける
日常から少し離れた場所で
今夜もカクテルを飲む
アイシングされたグラスに注がれたギムレット
ひんやりした刺激が心地いい
ライムの薄く渋みのある果汁にほんのりと付いた甘さ
飲み進むうちに甘味が顔を出し
ジンのハーブが鼻をくすぐる
仕事の合間にいろんな所を旅して歩き
自分の限界と理想に近づきたいと思っていたあの頃
夢のような時間だったし
あの頃の自分は強欲だった
数年前
ふと手元にある
現実という玉手箱を開けたら
いつの間にか老人になってしまった自分がいた
満足感と後悔の念が入り乱れる不思議な感情
浦島太郎みたいな人生だなぁと思う
そんな夜も
Etsukoさんは普段と変わらず
美味しいカクテルを作ってくれる
ごちそうさまでした♪
2024/02/04 更新
2023/11 訪問
ロードバイクの事
僕がぼーっとしてる時Etsukoさんは適度にほっておいてくれる
すっきりしたギムレットを飲みながら
ロードバイクの事を考えていた
今年はポジション探しの一年だった
バイクにはライディングフォーム(漕ぎ方)が大切だが
その前段にバイクのポジションセッティングがある
知らない人からすると嘘のように思うかもしれないけれど
ロードバイクのフレームは数センチ刻みでサイズ管理され
スーツのように自分の手足に合わせてオーダーできる車種もある
だから
身長が高い人間は大きいフレームと思うだろうけど
僕の場合胴体が短く腕もさほど長くないのでフレームはLサイズ(56cm)で
サドル高が(クランク中心から)82cmとサドル高だけ必要な特殊なジオメトリーになる
今のバイクはフレームが幾分大きめという事と
クランクを0.5mm長くしたので下始点が下がることから
サドルの高さと角度に前後取付位置を合わせると
ハンドル位置が遠くなってしまうので微妙な調整を行い
テストライドを繰り返す
結局自分の最適を見つけるのにひと夏かかり
ようやく見つかったころにはシーズンも終わろうとしていた
それでもポジションが見つかったことがうれしいし
フォームも少しだけ変えてパワーを出しやすいようにした
冬も出来るだけバイクに乗って
来シーズンに備えたいものだ
2024/01/26 更新
2023/11 訪問
酔ってもいいけど酔払ってはいけない
ギムレットから飲んでマティーニで仕上げるか
マティーニから飲んでギムレットで仕上げるか
少しの間迷ってギムレットを注文
Etsukoさんが返事をして作り始める
相変わらすの丁寧な所作は見ていて安心できる
やはりギムレットの刺激でリフレッシュしてすっきりした後
マティーニでゆっくり落ちてゆくような
そんな飲み方をしたい夜だった
酔ってもいいけど酔払ってはいけない
そう解っていても美味しいお酒と楽しい会話でいつの間にか3杯目
子供じゃないんだから深みにはまる前に切り上げる
綺麗に飲んでこそ楽しめる店もある
Melonはそんなお店
ごちそうさまでした♪
2024/01/19 更新
2023/11 訪問
カクテルの王様
マティーニは多くの著名人が愛したカクテル
チャーチルのマティーニ好きも有名だし
イアンフレミングが生み出したスーパーヒーロー007が愛したカクテルでもあります
(ちなみに英語圏ではウオッカマティーニを「カンガルーkangaroo」と言います)
マティーニを愛した女性と言えばウィノナライダー
ジョニーデップ共演した伝説の映画「シザーハンズ」等
数多くの映画に主演した女優で
彼女は良く冷えたマティーニと読書が美容法というマティーニ好きです
もう一人は今は無き亡きエリザベスⅡ女王
彼女はバッキンガム宮殿の庭園で手摘みされた植物を配合したドライ・ジンを発売したほどのジン好きでドライマティーニ好きでもありました
ちなみに第二次世界大戦中英国を支えたエリザベスクイーンマザー(エリザベスⅡの母親で同名の為、即位後王太后を名乗った)もドライマティーニ好きとして国民から愛された人です
なぜ王様と呼ばれるほどのカクテルなのか?と考えると
ドライマティーニはオリーブが付いているので
(スイートベルモット使ったマティーニだとチェリーをつける事もあります)
これ一杯で酒と肴がついた完成形になっている
というのもポイントじゃないかと思うんですよ
そしてもう一つ
プリマスジンのように英国王立海軍と切っても切れないお酒で作るカクテルという事もあり
英国で愛されるのも無理からぬこと
ゆえに「王様」の称号をつけられたカクテルではないかというのが僕の自論です
美味しいドライマティーニを飲みながら
くだらない事を真剣に考えるのも酒場の楽しみの一つですね
ごちそうさまでした♪
参考
Vogue
https://www.vogue.co.jp/article/winona-ryder-birthday-natural-aging
2024/01/11 更新
2023/11 訪問
旅の話をした夜
Melonの扉を開くとEtsukoさんがカウンターの陰から出てきてあいさつを交わす
種子島宇宙センターで買った猫さん宇宙飛行士のお土産を渡し
ガラスのオブジェの脇に飾ってもらった
ドライな作りのマティーニを
はじめはオリーブをかじらずにシンプルに
ジンのハーバルとベルモットの味と香りを味わう
それからようやくオリーブをつまんでひとかじり
オリーブの持つやわらかい塩味が最高の肴
マティーニのグラスが空になった頃
今回の旅の話を始めた
いつも思う
旅の話を始めると
僕の口から出てくる言葉は
どうしてこうも薄っぺらくなってしまうのだろう
素晴らしい景色
貴重な体験
地味深い食べ物
Etsukoさんも旅好きだから興味深く聞いてくれたけど
旅で感じたことの100分の1も伝わっていない気がする
ギムレット
ライムの刺激が心地よくさらりとした甘味で
潔いほどドライだった
心にも肩の様に「こり」があって
Melonカクテルは心の「こり」をほぐしてくれる薬
この夜も肩の荷を下ろし心のこりをほぐして店を後にした
帰る途中
とぼとぼ歩きながら
次の旅の事を考え始める
そのたびが終わった時
また旅の話をして
きっと同じようにもどかしい思いをする事だろう
2023/12/26 更新
2023/10 訪問
距離感
今朝の事
花を撮影していたら
視線を感じ
下を見たらのらだった
側溝からこちらを見ている
家から鰹節を持ってきて
いつもの場所に置いても
のらは距離を取ったまま
僕が離れるまで鰹節を食べない
鳴いて
お願いはするけど
触らせるような
媚を売る気はない
安全な距離を常に保つ
人付き合いも
その距離が大切だと教わるものの
僕は上手な人付き合いが苦手
のらのように距離を取って生きるのが賢明なんだけど
どうしても期待や希望を持ってしまう
幼いな
もう裏切るのも裏切られるのもまっぴらなのに…
そんなことを思ってメロンの扉を開ける
Etsukoさんの微笑に救われることが少なくない
そして
きりりと引き締まった口あたりから
ライムの酸味とアルコールが口中を刺激して
ジンのハーバルやライムのもつ苦みなどがあとからそっと忍び込んでくるように香る
一杯のギムレットに救われることもまた少なくない
ギムレット卿が大英帝国海軍士官に健康と嗜みを教えた歴史あるカクテル
Etsukoさんがバーコートを着ることはないけれど
ギムレットがMelonをオーセンティックバーたらしめる一杯だと僕は思う
2023/12/08 更新
2023/10 訪問
10月の薔薇
東北は10月になると日暮れの時間が途端に早くなる
メロンの開店時間が少し遅くなって
すっかり日が暮れてから店の扉を開けた
Etsukoさんはいつも変わらない出迎えをしてくれるが
日が暮れてからの店内は雰囲気ががらりと変わり幻想的になる
この夜はアメリカンマティーニグラスにマティーニを注文
オリーブは3つ
グラスを引き寄せ口元で傾ければ
カクテルがトロリと口に中に滑り込んできて
のど元過ぎればアルコールが立ち上り
ベルガモットとジンのハーバルが香る
3杯分はあるだろうグラスは温度変化も楽しめる
ヴォーグに載っていたけれど
ウィノナライダーの様によく冷えたマティーニを好むなら
スタンダードグラスで飲み干すことを勧めたい
今年は夏暑すぎて8月の後
急に10月になったような気候だったから
10月過ぎているのにバラの花の付がいいし
朝晩の寒暖差もあってか
花のもちも良くこういった年は珍しいなど
たわいもない話をして肩の荷を下ろしてきた
ごちそうさまでした♪
2023/11/22 更新
2023/09 訪問
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
伝統寿司とペアリングした夜
お土産の伝統寿司を白ワインとペアリング
海のない米沢で宴席に出された塩引鮭を使ったお寿司
白ワインの酸と果実味等が
塩鮭のしょっぱさとご飯の甘味と旨味をひきたてて美味しいです
地方の美味しいお寿司楽しいですね
という事でご飯物を食べたからかカクテルが進みます
同時にこのお店の常連さんが来店して話に花が咲いてしまい
ますますお酒が進みました
マティーニ2杯とギムレットを頂きました
ごちそうさまでした♪
※お店にない商品を食べたので通常利用外としました
2023/09/27 更新
2023/09 訪問
どうでもよくなった夜
家に帰ってから
明日のお弁当の下ごしらえとか
取り込んだ時にどことなくしっとりしてたから
たたんで念のために置いておいた洗濯物をしまったり
なんて事がどうでもよくなった夜
Melonで大きなカクテルグラスにマティーニを頼んだ
3杯分はあるだろう
飲み初めにはジンのボタニカルとアルコールが勝気だけど
ゆっくり味わっていると
ドライベルモットの主張が強まるのを感じる
それを鎮めるようにオリーブをかじり
もうひとくち流し込む
明日の事を今夜思い悩んでも始まらない
明日の事は明日考えればいい
少しだけ肩の荷を下ろして時間を楽しんだ
ごちそうさまでした♪
2023/10/20 更新
2023/09 訪問
カクテルで対話する夜
すっかり日が落ちるのが早くなりましたね
ギムレットを飲み終えた僕を見計らったかのようにEtsukoさんが話しかける
暑くても秋なんだね
そんな会話をしてマティーニを注文オリーブは3つにしてもらう
いつもながら所作の美しさでマティーニを拵えてくれた
少しドライじゃない感じで作りました
という通り
ベルモットがしっかりしてオーセンティック
マティーニらしい感じがする
オリーブをかじってから口に含むと
はじめその塩味とマティーニの味がぶつかるけど
次からはその味がコクのような厚みのある感じの味わいに変化した
オリーブ3つに合わせたレシピなのかもしれない
バーアテンダントとのカウンターを挟んだ対話は言葉だけではない
カクテルを用いたアテンダントの思いを
僕ががきちんと受け取ってあげることも大切な事
カクテルの一杯をきちんと味わってこそ
成り立つ対話というものもあるものだ
ごちそうさまでした♪
2023/09/09 更新
2023/08 訪問
偶然
勾当台公園を通りメロンに向かう途中
お店の窓際に友人が座って
知り合いと楽しそうに会話している
思わず立ち止まって見てしまい向こうが気付いた
僕はアイコンタクトをとりその場を離れる
たったそれだけのことなのに
とてもいいことがあった気がして足取りが軽くなった
メロンから見るケヤキ並木
日が落ちてネオンの灯りが取って代わる宵の口
秋の風を感じる季節になった
ギムレットを注文する
たまには違うジンで作りましょうか?
と声をかけてもらった
いろんなオーダーも楽しいけれど
お店オリジナルのレシピというのは完成度が高く
名刺のようなもの
自分好みに作らせる事に
どことなく傲慢さを感じたから
ううん Etsukoさんのオリジナルでお願い
そういってから物思いにふけり
またぼんやりと外を眺めた
カウンター僕の右斜め前に置かれたギムレット
薄く曇るグラスを口元に運ぶ
少しだけカクテルを含み
元の位置にグラスを戻す
ひんやりした刺激で始まる
ドライで少し重たいタンカレーベースの口当たり
甘味を含んだライムジュースの酸や甘味が
口中温度が上がるにつれ広がってゆく
暫くするとライムの渋味を伴った香りが鼻を抜けた頃
またグラスを引き寄せ
今度は軽く流し込む
楽しい事なんてそうそう起きもしない日常
たまたま起きたうれしい偶然に
喜びを感じた夜
美しい所作で作られたオリジナルのギムレットが
この夜も僕の心を満たしてくれた
2023/10/06 更新
2023/07 訪問
真夏の夜
情け容赦ない真夏の日差しも和らいだ18時
帰宅してから街にきて
定禅寺通りからビルの階段を上りいつもの扉を開ける
窓際のカウンターに腰掛け
いつものあいさつを交わしギムレットをオーダー
ネオンに照らされてぼんやりと明るい外を眺める
数日間お酒を飲まずに迎えたこの待ち時間が好きだ
丁寧な所作でカクテルを作るEtsukoさん
坂本龍一とか藤田嗣治をリスペクトしたような髪型に眼鏡
齢を重ねるにつれチャーミングな雰囲気が増した感じがする
カウンターに置かれたカクテルを一口飲んでみると
ジンとライムのボタニカルでハーバルなところは変わらないけど
あれ?いつもよりちょっとだけ甘口でフルーティー
そのことを質問してみたら
出来るだけ同じように作るのだが
同じお店で同じ産地のライムを買っても
どうしても時期によって果汁の度合い甘味の度合いが変わるそうだ
冬はやはり水分が少なく渋みが増し気味で夏は水分が多く甘味が増す
砂糖で調節しても違いが出ることがあるそうだ
普通に生活していると多くのことが当たり前になってきて
旬を忘れてしまっていることに気づく
ならばとお代わりはダイキリをオーダー
ライムジュースを使うところは同じだけれど
メインリカーがラムに変わる
ラムが持つ甘味とコクが舌の上で少し重たく感じた後
鼻から抜けるのはライムの柑橘でさわやかな香り
夏に飲むダイキリは暑さをやわらげ湿度の含んだ空気に体をなじませようとしていた
ギムレットは小説の有名なセリフに登場し
ダイキリは世界的な作家が晩年愛したカクテル
純粋に楽しむには有り余るほどのストーリーを持っている
そのストーリーを探求しながら味わうもよし
余計な詮索はしないでカクテルの味を享受するもまたよし
真夏の夜を楽しむことが一番肝心な事
ウイルスパンデミックで空いた心の穴をそれぞれの楽しみ方で塞いでほしいものだ
2023/09/06 更新
2023/07 訪問
マティーニの夜
The Sheltering SkyのBGMが僕を過去に連れ去った
数分間
自分の中で勝手に葛藤し出来もしない妄想に浸るうち
心が勝手に疲れてしまってギムレットより強い酒が必要になる
マティーニをオーダーすると
Etsukoさんは
かしこまりました オリーブはいくつ必要ですか?
と僕に聞いた
ふたつがいいな
そう答えた
ひとつでは足りないし
みっつでは多すぎる
頭の中から過去が離れない
ぼんやり外を眺めていると
さり気なくカクテルグラスをカウンターに置き
オリーブがふたつ別な容器でサーブされた
初めに
なにも入れないマティーニを口に含む
ひんやりとしてドライな仕上がりに拍車をかけるような
タンカレーとベルモットの微かにスパイシーな口あたり
カクテルが喉を潤し鼻からハーバルが通り抜けると
心のほてりに落ち着きが戻る
いい塩梅のオリーブを一粒かじりもうひとくち
ベルモットの味が引き立つ口当たりに
もうひとつのオリーブをピン事カクテルグラスに入れて楽しみ
最後にオリーブをかじってカクテルを味わった
どうして別添えにしたの?
そう聞くと
いろいろ自由に味わえるでしょ
そしてオリーブを二つ入れるとどうしてもアンバランスだから
と話してくれた
ネオンに照らされたケヤキ並木
カウンターの奥に佇むEtsukoさん
店内にはenergy flowが流れている
僕は
マティーニがこんなにせつない酒だなんて今まで知らなかった
2023/09/04 更新
2023/07 訪問
カクテルとマリアージュ
窓の外が明るい夏の夕方
ギムレットと一緒にピクルスをオーダー
ピクルスはEtsukoさんの自家製
アンティークの皿でサーブされる
季節でピクルスの内容に変化があり
この夜はオリーブも盛り付けてもらったが
通常はピクルスのみとなる
食前なら
すきっ腹でカクテルを飲む時に
ジンのボタニカルやウオッカとも相性がいいので
軽くつまんでみたり
食後だったら
ピクルスで口中を一度リセットして
さっぱりしてからカクテルを飲むのも良し
日本酒と香の物を十八番にする酒飲みは多いけど
機会があればカクテルとピクルスのマリアージュも楽しんでみてほしい
ごちそうさまでした♪
2023/08/10 更新
ケヤキ並木から
おだやかな光を街に放っている
まるで光の海
愛を誓う人
幸せを確かめあう人
淡い想いを抱きながら
通りを歩く人の波
自分も
遠い昔にそんなことがあったなんて
懐かしくもほろ苦い想いが頭をかすめる
ギムレットです
そういってからEtsukoさんは
カウンターにそっとカクテルを置いた
結露したグラスのリムに唇をよせる
すっきりとしたライムの酸とそのあとに来る甘味
しばらくたってハーブの香りが立ち上る
メロンからの
贅沢な眺めと美味しいカクテル
幻想的な夜
ごちそうさまでした♪
P,S,
2025 SENDAI 光のページェント
今年で40周年になる仙台の風物詩
いよいよ明日12/5friから始まります
冬の仙台に遊びに来てくださいね