katka(かてぃか)さんが投稿したエスプリモダン めろん(宮城/勾当台公園)の口コミ詳細

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辛いときは 楽しかったことを思い出し                                         楽しかったことも また辛いことだったと気づ...

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エスプリモダン めろん勾当台公園、広瀬通、北四番丁/バー

90

  • 夜の点数:5.0

    • ¥3,000~¥3,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
  • 昼の点数:5.0

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
10回目

2019/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

極上の孤独

Raphaのセールで購入した
メリノウールのセーターを着て
この夜も階段を上りメロンの扉を開けた

窓から見える街路樹は日々変化するのに
いつ来てもこの店は同じ雰囲気に包まれていて
時間の感覚がほんの少しおかしくなる

ダイキリを飲む
Etsukoさんの所作は美しく品があり
スーッと流れるようにカクテルが出来上がる
そーっとカウンターに置いてもらって撮影してから
カクテルを口に含んだ

ドライな中にも甘味がある
使うラムによって同じカクテルと思えないほど変化するお酒
ひんやりとした落ち着いた味でのどを過ぎたころにアルコールの強さを感じる

僕は孤独に慣れることがないという話をしたら
Etsukoさんが本を貸してくれた
ベストセラーだったらしい「極上の孤独」というタイトル
さっそく読んでみると共感できたことがあった

いろいろな著名人の孤独との付き合い方が書いてあり
文中で孤独は常に誰にでも忍び寄る事を認めている所

常に孤独を意識してしまうから
一時でも何かでまぎらわせようと考え
それを永続的に行おうとする所はリアルだと思う

そしてもう一つ
新幹線に乗車して隣の席が空いていた時は昔別れた最愛の男を待っているという所

終わった恋と分かっていても待ち続ける気持ち
著者は新幹線に乗っているとき「極上の孤独」というオーラを放っているのかもしれない

大好きなジョンルカレの小説「ロシアハウス」にある一言を思い出した
「恋愛とは待つことである」


今年も駄文にお付き合いしていただいてありがとうございました
長いようで短い一年で今年で一区切りついた感じがします
また来年もお時間があるようでしたらお付き合いくださいね

皆様良いお年をお迎えください

2020/02/16 更新

9回目

2019/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

水割り

イベントに参加後メロンで軽く飲んだ
この夜はスコッチウイスキーの水割りを注文

どのくらいの分量か
どのくらいの比率で割るか
氷をどうするか
全ておまかせした

プロが作る水割りはウイスキーは美味しい
氷を入れて水の比率が高めでもなぜかお酒の個性が引き出される
そこが不思議なところであり魅力的なところでもある

水割りってとりあえず注文するけど
簡単なようで難しい
奥の深い飲み物なのである

2020/01/16 更新

8回目

2019/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

ギムレット

この夜はギムレット
最初のいっぱいはフランスのアンティーククープグラスでサーブされた

Etsukoさんのギムレットはドライだ
その人のイメージと作るお酒の味が一致するとは限らない
そこがまた面白いと思う

この日もベースのお酒をかえて二種類のギムレットと
Etsukoさんがフランス好きだからフランスの話題が自然と多くなる


今年の夏もフランス人は大いに落胆した
ツールドフランスの話である

23日かけ21ステージロードレースを繰り広げる
世界でもっとも有名な自転車レース

「才能は国力」
その考え方が今もヨーロッパでは尊重され
ロードレースがベルギーイタリアそしてフランスなどでも国技扱いのスポーツなのだ

ゆえにフランス国民はフランスの選手に過度に期待を寄せ
その熱狂は凄まじい

今年の優勝候補の一人
ティボーピノは落車した選手をよける為
ハンドルを脚にぶつけた事が原因で走りきれず19ステージでリタイア
人目もはばからず泣きながらチームメイトに肩を抱かれ自転車を降りた

そしてもうひとり
14日間マイヨジョーヌ(イエロージャージ=総合優勝者のジャージ)を
着用していた神経質そうなイケメン
気性の激しいジュリアンアラフィリップ

ピノの絶望を見たフランス人は
このままアラフィリップにいってほしいと願ったものの
天はフランスを見放した
山岳地帯は雪と雨で土石流が発生
懸命にタイヤドーザーをドリフトさせながら除雪するが間に合わない

これからという途中でレースが中止され
優勝の芽がそこで絶たれてしまった

それでもフランス人は諦めない
また来年もバカンスになると路上を人が埋め尽くし
are are are!!と応援しているに違いない
いつか最終日にフランス人がマイヨジョーヌを着る日が来ることを彼らは信じている
そんな諦めの悪いフランス人が僕は結構好きであるw

2019/12/07 更新

7回目

2019/07 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

ルビー色のカクテル

ちっちゃい招き猫さん達がお出迎え
Etsukoさんもいつもの笑顔でお出迎え

ちょっと野暮ったくマンハッタン気分だったから
早速その旨を注げた

マリリンモンローが主演する
白黒映画「お熱いのがお好き」の
劇中で使われるカクテルがマンハッタン

マンハッタンのビル街に落ちる夕日をイメージして作られたカクテル

グラスを傾けるたびにクープグラスのチェリーが揺らめいて
カウンターの上に現れたルビー色の夕日が映える

カクテルの女王と呼ばれているけど
バーボンを使ったカクテルに女王の称号は使わないで欲しい
Her Majesty the Queenはジンが好きなんだからw

2019/11/18 更新

6回目

2019/05 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

Daiquiri

フランスで作られた古物のクープグラスに注がれたダイキリ
Etsukoさんの作るカクテルはすっきりとしてドライ
同じカクテルをもう一度つくってもらい
少しだけヘミングウェイのことを考えた

2019/10/10 更新

5回目

2019/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

雪国を飲みながらYukiguniを語り合う

Etsukoさんは映画好き
この日はドキュメント映画「Yukiguni」を見てきたそうだ

酒田の名バーテンダー92歳にして現役の井山計一
「雪国」はスタンダートとして世界に広がるまでになった
そんな彼を追いかけた作品

話を聞いたら試してみたくなって
雪国を作ってもらうことにした

ウォッカベースで緑のマラスキーノチェリーが使われていて
雪明りにぼんやり映る盆栽のような趣があり
スノースタイルに使う砂糖のチョイスがバーテンダーの個性に繋がる

Etsukoさんに全ておまかせで作ってもらう
口当たりは柔らかく
喉越しはすっきりと
後味は明確に余韻を残す
ライムとキュラソーに砂糖が解けて微妙な味加減
強さの中に優しさが潜んでいるような一杯だ

Melonはやはり居心地がいい
時間を忘れる事が出来た夜だった


P,S,
色々いそがしく久しぶりのレビューでした
皆様楽しいG,W,を過されますように♪

2019/04/26 更新

4回目

2019/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

猫が好き

Etsukoさんは猫と犬を散歩に連れてゆくけど
お店にある小物は圧倒的に猫が多い

カウンターの縁に居座るねこさんたち
三毛もいれば黒猫もいる
見ていて飽きる事がない

この日もカクテルを3杯
どれも美味しくいただいた

2019/05/03 更新

3回目

2019/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

はくじょうもの

この夜は
ブレンデットスコッチをストレート
銘柄はないしょw
その後ロブロイを飲んだ

美しい猫の絵が目に入る
愛くるしくもどこか突き放すようなところが魅力と人は言うけど
最後には裏切らないから人は猫を好きになるのだ

案外人間ほど薄情な生き物はいないのかもしれない
かく言う僕もそんな薄情者の一人である・・・

2019/08/28 更新

2回目

2019/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク5.0

Melon

階段を上がり黒い扉を開く

カウンターの向こう側からEtsukoさんの出迎え
このお店の世界感はこの夜も保たれていた

Etsukoさんの所作はいつも通り美しい
久しぶりに飲むカクテルの美味しさに懐かしさと感動を覚える

喉に刺さった小骨が抜けたような夜
またここに来れてよかった

年月は僕を大人にする事はなくとまっていた時間が
また動き出すような気がする

いつ来ても素晴らしいお店だ

2019/04/11 更新

1回目

2017/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス-
    • | 雰囲気5.0
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥3,000~¥3,999
    / 1人

雰囲気のいいお店・・・お店の名前は「ESPRIT MODERN Melon」です

2017/01

後戻りするのは自分の感情だけで
後悔しようと時は過ぎてゆくばかり

いつまでたっても同じ過ちを繰り返す
僕は自分のエゴを優しさと履き違えていた


18時45分ごろ
故障した膝を労わりながら階段を上り
ドアノブを回さずに引き寄せ
店のなかに足を踏み入れる

Etsukoさんからいつもの挨拶
微笑みもかわらない

ワインなら一瓶は楽に空けてしまうだろう
シングルモルトではつまらない
そんな夜が誰にだってあるはずだ
なんて考えていたら

「リーズナブルで口に合いそうなシャンパンがありますよ」
そういわれた次の瞬間
「うん おねがい」
悩んだことがうそのようにあっさりと決まった

クリスタルグラスはドンペリニヨン
絶妙な曲線を描いているが
シンプルでどこか男性的に感じる

ゆっくりとグラスに注ぐ時
その泡立ちまでエンターテイメントを見ているようだった

「お誕生日おめでとうございます」
そういってグラスをそっと目の前に置く

リムに唇が当たる感触も好ましく
グラスをゆっくりと傾け口に含む

飲み口は僕好みのかなりドライで軽く酸を感じる
喉越しに刺激を感じた後
ゆっくりと果実の味が登ってきて
良いセレクトだとぼくも納得した


次にオーダーしたお酒は
エクストララージマティーニグラスを使ったウォッカマティーニ
彼女は師匠からの教えを守り
この夜もきちんとシェイクする

007でジェームスボンドが注文した時も
ステアではなくシェイクでオーダーしていた
それにちなんでの事だろうか

巨大なカクテルグラスに
ブラックとグリーンのオリーブが仲良く別添えして出してくれてた

ステアでとろりとしたマティーニよりさらりとしている
ジンの香りこそ無いけれどベルモットの微妙な味が鮮明に伝わった
一口飲んだらオリーブを落とす
これでまた味が変わりさらに引き締まった

本当なら冷たいうちにさっさとやっつけるものだけど
この分量だとそうも行かない
駄々をこねた子供を諭すようにチェイサーを出してくれた


酔っ払った時
後悔することを忘れるけれど
実はその間だって
時は過ぎ去って行くばかり
そうぼんやりと考えながら窓を眺めた

もうそろそろ帰る頃なのかもしれないと思ったら
丁度よくお客さんが店に入ってくる

稀にあることだけれど
世の中うまく出来ている事あるものだ
稀にあることだけれど


※注意事項
エクストララージグラスのカクテルは3倍くらいの分量になり料金も異なります
帰りに階段を下りる自信がない方は注文を控えてくださいね


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2016/04 


あめがふるとき
ぼくはじゆうになる

いつの間にか街へ飲みに行く事すらしなくなった
メロンはずっと休店が続き
僕は自転車に体と心が囚われてしまったから

濡れたアスファルトがネオンで美しく輝く夜
僕はひとり街に出た

定禅寺通りを交差点から見上げ
窓際の灯りを懐かしみ
階段を登る

そこには以前と変らないEtsukoさんがいた
久しぶりと声を掛けるでもなく普通に挨拶してスツールに腰掛ける
元気そうに笑顔を向ける姿にとってもほっとした

「久しぶり ブラディマリー頂戴」
「普通のスタイルでよろしいですか?」微かに困惑が混じっていた
「マティーニグラスに作るんでしょ」僕が当たり前のように告げると

「katka(かてぃか)さん ロンググラスに氷を入れるのがスタンダードですよ」
Etsukoさんが諭すようにポツリと話す
「そうだっったか すっかり忘れちゃった じゃオリジナルにして」
僕は悪びれる事もなく言い放った

彼女はおもむろにグラスを取り出し
氷を入れてステイする
指先まで神経の行き届いた美しい所作を眺めて数分後
そっと置かれたカクテルグラスを僕は手元に引き寄せた

口をつけるとトマト・スパイス・レモンの味が押し寄せ
後からハードリカーを連想させる渋みのようなものが追いかけてきて
軽く喉を焦がした

氷で薄まることの無いカクテルは
僕の望みを知り尽くした味がする

その喜びを噛み締めながらゆっくりとグラスに唇をつけ
薄明るい濡れた新緑を呆然と眺める

大げさかも知れないけれど
引き締まって濃厚な後味はグラスが空になるまで続き
ガスパチョを連想するような太陽の旨みが心地よい

いくら窓に水滴が張り付こうとも
確かにその先に夏があった

Melonに来れば見える情景がある
ふっとそんな事を思い出した夜

しとしととふる外の雨がやむことはなかった


注)こちらの階段はとても急で雨の日は大変滑りやすくなっております
  利用する際は手すりをしっかり掴んでゆっくりと上り下りしてくださいね

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2015/06 再訪問

ウンダーベルグを飲んだ夜


「いらっしゃいませ」

定禅寺通りの木々の色は
日々変化に富んでいるけれど
Etsukoさん笑顔はいつも変わらない

「今日ここが初めてなんだ ソルマックみたいな 飲む前に飲む!みたいなの頂戴」
僕はスツールに腰掛けながら注文した

「ウンダーベルグ ストレートでいいですか?」
と聞かれて
「ほかにどんな飲み方があるの?」
と聞き返した
「ソーダを入れる方もいますよ」
と教えてくれたけど
「やっぱり小瓶はストレートでしょ」
というと
「はい かしこまりました」
といって
小さなショットグラスに優雅な手つきで小瓶の液体を注ぎ
カウンターに音も立てずグラスを置いた

外を見てても笑顔で答えてくれている事は分かっている
チャーミングな人だ

さまざまな薬草が入っているリキュール
ドイツ版養命酒なんていう人もいるけどこの苦味は胃薬のそれに近い
その後アニスのような味もして喉越しはハーブの香りが鼻から抜ける
味も濃いけどアルコール度数も強め

氷の入らないチェイサー
ほんの少しウンダーベルグにたらしてみても
パスティスのように白濁はしなかった

「アニスの味もするけど白濁しないんだね どうやって作っているんだろう」
「40種類以上のスパイスやハーブが入っているんですが企業秘密ですよ そこは」
「レシピを明かしたら まねするだろうからね」
「秘密にしておく事も良い事なんですよ」


BGMが繊細でほんの少し物悲しいような美しい旋律を奏でている

「ピアノのはしりかたがマイケルナイマンみたいだけど誰?」
「ルドヴィコ・エイナウディで映画「最強のふたり」のエンディングです」

おととしの秋
この映画を見た後ぎっくり腰になった話しをした
遠い昔の出来事になっていたのに僕は気付く

「ブレンデット頂戴」
「何にしましょう」
「何があるの」

いつもの会話がまた始まった
これもまた僕ら二人の光景

ケヤキ並木を通して向かい側のネオンの光が差し込む
Etsukoさんの微笑みはいつも優しい


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今日から仙台は七夕祭りです
夏の思い出を作りに仙台に来てみてはいかがでしょう? 2014/7


Melonから窓越しに定禅寺通りの交差点を眺める
うつむき加減のサラリーマン等足早に交差点を渡る大勢の中
シックなワンピースに身を包んだ女性がゆっくりと歩いている
待ち合わせだろうか

一瞬焦点が彼女にあったものの、視界はまた広角に戻った
自分だけの寛ぎの時間


Melonで印象的なカクテルの一つに「ブラッディマリー (Bloody Mary)」がある
メアリーⅠの宗教弾圧に伴い流れた多くの血に由来するトマトジュースの華やいだ赤がトレードマーク

気軽に楽しめるのは機内のブラッディマリー
アテンダントに「胡椒とソースを入れる?氷は?」と聞かれ
それに答えると手際よくプラスチックカップにウォッカを注く
トマトジュースで満たしてからソースを色が変わるくらい入れて胡椒をパラリ
ステアした後カットレモンを飾って渡してくれる
妙に味が濃くてカクテルというより機内食のスープみたいに感じる

印象的なのはナポリのバールで飲んだ時の事
ちょっと魚介の味がする不思議な飲み物だったけど美味しかった話をしたら
「クラムジュースの入ったカクテルじゃないかしら ブラッディシーザーなんですよ」
Etsukoさんがそっと教えてくれた

ブラッディマリーを注文する時レギュラーのロンググラスではなく
カクテルグラスに作ってほしいと無理なお願いをした(※注)

普通はビルドで作るブラッディマリー
Etsukoさんははシェイクして作るから味に個性が表れる
「バーテンダーによって違うけど、私のお師匠さんがシェイクだったから」
そう言いながらグラスを氷で冷やし、シェイカーに材料をいれ始めた

ウオッカにトマトジュース
胡椒とソースにレモン果汁そしてタバスコも少し入れ氷を入れてシェイクを始める
相変わらず所作の一つ一つが美しい

リズミカルなシェイクをしばらく続けた後
キャップを開けて滑らかな液体が零れ落ちるようにグラスに満たされた

きりりと冷えて結露しているグラスのステムを持ち上げてそっと一口
ふわりと軽くソフトな口あたりでレモンの酸とソースの塩分が互いに中和して邪魔をしない
スパイスの複雑さとトマトの甘味が顔を出し
タバスコが思い出のように辛味を残して喉を通り過ぎてゆく

優しくてすっきりした口あたり
それに気を良くすると知らぬ間に酔いが回るハードさもある
Etsukoさんのつくるカクテルらしい味わい

「知ってます? ブラッディーマリーって女性がリゾートでジュースのんでますって
アルコールの事は素知らぬ顔するためのカクテルなんですよ」
楽しそうに話す

僕は「イギリスの淑女も得意だったみたいだね 
ジンをティーポットからティーカップに注ぎ
アフタヌーンティーに飲んでいたようだから」なんて話で盛り上がる

「ジンを入れるとブラッディサムというんです 名前の通り男性的な味ですよ」
「初めて聞いたよ カクテルは知らない事ばかりだ」といってオーダーした

レシピはEtsukoさんの匙加減
詳しいことは聞かない

見た目の色も温度も違いはなさそう
口元にグラスを引き寄せるとボタニカルの香りが異質なものを感じさせた
含めばその刺激が柔らかさに勝る
ライムとはまた違う渋みのようなものすら感じてしまう
男性的というより
「男が飲む酒」
そういってしまってもいいだろう

カクテルの味も十人十色
バーテンダーの数だけカクテルの味がある

「もう一杯だけ楽しんだらお会計にするよ」
自分に言い聞かせるようにEtsukoさんに伝え
ネオンの輝く景色を片肘ついてぼんやりと眺めた

(※注)ブラッディマリーを注文するとロンググラスにサーブされるのがMelonのスタイル
この話のような特殊なリクエストは、事情や状況等により応えられないことが多々あります
そこの所を納得した上で楽しい時間を過ごして下さいね

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終わった旅 これからの旅 2014/4

「いらっしゃいませ」
Etsukoさんがカウンター越しに挨拶する
「餞別代わりに飲みに来たよ」
そういってゆっくりと椅子に腰を落ち着けた

あと数日すると彼女はJAZZピアニストのライブ等を東京で楽しむ
年に一度あるかないかの息抜き
心なしか上気しているようにも見える

「とても嬉しそうだね」僕が言うと
「お客さんが来てくれましたからね」と微笑みながら返事する

この後友達と飲むから軽めにティオペペを注文
「そうじゃないでしょ うきうきしてるよ」と冷やかせば
「普段と変わりませんよ」

そういって後ろの扉から預けたグラスを取り出し
そこに淡い色のティオペペをそっと注ぎ込んだ


この間写真も上手な僕の兄代わりに
「もう少し弾けた写真撮ればいいのに」
等と酷評された後だけに
控えめに用紙の束を取り出し旅の写真を手渡す

「あまりいい写真じゃないけど・・・」
「行くたびに素敵な写真を撮ってくるじゃないですか」
そういって彼女は写真を眺めはじめる

「相変わらずいい写真ですよ」そう話してくれたあと
じっくり見ながらいろいろと興味深げに聞きてくる
2杯目のグラスを傾けながら旅の思い出を絡めて説明した

そういえば彼女はチェコを旅した事がないはずで
眺めながら少しフランスと似たところがあると感心していた
最後に「やっぱりいい写真多いですよ」と感想を話してくれる
「嘘でもほめられると嬉しいよ」笑いながら素直にいった

この後僕が会話の主導権を握り
「この間レストランガイドで貴女の事をマダムと褒めていたのがある」
と、言ってからレビューの内容を話して聞かせた
「やっぱり褒められると嬉しいですね 最近素直になりました」
そういって彼女もにっこりと微笑みちょっとの間お店が静かになった


BGMは大好きなケルンコンサート
窓に視線を移すと微かに夕暮れの名残り
萌え始めた若葉が街に明るさを添えていた


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真冬の落ち着きを取り戻した仙台の街
Melonの窓にもいつもの世界が戻ってきていた

Etsukoさんはいつも変わらない雰囲気で出迎えてくれる
ゆったりとスツールに腰かけるといつものトーンで会話が始まる

「今日は特別なオリーブがありますが、どうしましょう」
「それ頂戴」
「お酒は」
「う~ん 今日はちょっとリッチにバランタイン17年」
「はい」

お気に入りのショットグラスとタンブラーにお酒と水を自然に注ぎ込み、いつものように僕の前に置いた

バランタインはファイネストに始まって12・17・21・30と種類は豊富なのだが、僕は1937年に誕生した17年こそが最高のブレンデットスコッチだと思っている

口に含むと70年代80年代のオールドボトルのようなオイリーさなどは和らいだものの、バニラ香から始まって、チョコレートのような甘味
とびっきりスムースでマイルドながらアイラのつんとしたスモーキーさをほんの少し後から感じさせる

貯蔵年数が丁度良く円熟しながらも個性を残しているブレンデット
いつ飲んでも美味しい

特別なオリーブは素朴な感じに種を落とし塩漬けしたものを戻してオリーブオイルに漬けてある一品

ブラックオリーブは加熱すると風味がぐんと引き立つが、これはそのまま食べても風味が強めで古風な感じの塩梅
とろりとしたオリーブオイルがひんやりと口に当たり心地よかった

最近Etsukoさんがレビューを読んで私に文句を言うことがある
「あんなに丁寧でもかっこよくもありません」と

僕は笑いながら受け流す
「個人の主観で書いているレビューだからいいでしょ」と

本人は迷惑そうで照れもあるような怒っているような複雑な顔をしているけど、あながち嘘を書いているつもりはない

落ち着きのある美しく優雅な所作
知的で深みのある話し方はむしろ僕のレビューが控えめといってもいいくらい
これを書いたらまた怒られるだろうと考えながら心の中で苦笑してしまう

映画の話をしながら少しの間また現実から乖離していく自分がそこにいた


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ちょっと酔っていた土曜日の夜
一人で飲んでいるとお客様が入ってきました

ブログを読んでこられたということでEtsukoさんから話しかけられると、驚いたことに偶然にもお気に入りれびゅあーの「hiro0827」さん
http://tabelog.com/rvwr/000370729/

レビュアーさんの文章は常に読んでいるのですが、オフラインで自己紹介しあう日が来るとは思っていませんでした
縁って不思議なものですね

酔っていたから、何を話したのか覚えていないこともありますが、食べログのレビュアー達と盛んに交流されている話とか、今日仙台で食べてきた牛タンの話などひとしきり盛り上がりました

途中女性から早く帰ってきて欲しいと電話があり帰られたわけですが、とても楽しい偶然でした

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いつもの微笑みで迎えてくれるEtsukoさん
スツールに腰掛けて、飲みたいものを考えてみる
その途端、何となく喉に乾きを感じた

「ハイボールだったらベースは何がいい?」
「ソーダはウイルキンソンですが、変わったところでアードベッグはいかがでしょう?」
「アイラにソーダっていうのも何かすごいね」
「ストレートと違った味が楽しめますよ」
「じゃ それにしよう」

タンブラーに氷とシングルモルトを入れる
長い指先がバースプーンを優雅に扱い、ソーダー入れて少し炭酸を目覚めさせるような動きを見せた

まっすぐ手を伸ばせば届く距離でも、トレーにお酒を載せてカウンターを回り僕の隣に立ち、そっとグラスを置く
「お待たせしました」
そう言い残してカウンターへもどるEtsukoさん

軽く冷えたグラスを手に取り口元へグラスを引き寄せて口に含む
確かにいつも飲んでいるアードベッグとは違った味がした

僕の考えるアードベッグは以前ほどではないにしても、オイリーでスモーキー、ドライでちょっとピィーティー+スパイスっぽい感じがする
今飲んでいるものはソーダを入れていることと、冷えていることなどから香りが全体的に控えめで、かわりに加水した時の甘味とヨードの複雑な味が前面に押し出された
いい塩梅の水割りでは得られない刺激が確かにある

「これを飲むとイメージが変わるね」
「かなり贅沢かもしれないけれど、スムースな物にソーダとは違った楽しみがありますから」

丁寧だが説得力を持つ言葉使いがEtsukoさんらしい

「今年は11時まで点灯時間が延長したって」
「よかったです 10時消灯だと食事のあと来ていただいても、少しの間しか楽しむことができませんからね」

Melonが一番明るい季節は冬
光のページェントの灯りが店内を照らすこの時期だ

「この時期は店に来づらくなるんだよな 混んでる気がして」
「何いっているの 遅くに来たことあまりないでしょ ゆっくりできますよ」

そう言いながら悦子さんは次の注文となるギムレットの準備を始める
僕はもうすぐ光一面に輝く窓の風景を連想しながら、シェーカーに氷を入れる手つきをぼんやりと眺めていた


いよいよ今夜から2013SENDAI光のページェントが点灯します
定禅寺通りが淡いオレンジの光に包まれ輝くこの期間中は、師走の忙しさや寒さをほんの少し忘れさせてくれるイベントです
仙台を訪れる予定がある方は光に満ちたケヤキ並木の風景を楽しんでみてくださいね

点灯時間 毎日17:30~23:00時まで(最終日の大晦日は24:00まで延長予定)
詳しくはこちらで確認してください
http://www.sendaihikape.jp/index.html"

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「いらっしゃいませ」
Melonのカウンターの向こう側
ダークカラーに身を包んだEtsukoさんが僕をを迎えてくれた
挨拶のあとゆったりしたスツールに腰かけ、何を注文しようかしばらく迷っていると
「お水をあげましょう」とミネラルウォーターをグラスに注いでくれた

「ジンライムにしよう」思わす口にしたら
「何を使います?」とジンの銘柄を聞かれた
「タンカレーでつくって」淡麗でハーブの強いタンカレーで作ってもらいたかった
「かしこまりました」と返事をした後、おもむろに後ろを向いてグラスを棚からグラスを取り出した

グラスに面を取った氷を入れる
冷凍庫から冷えたタンカレーを取り出して優雅に注ぐ
カットライムをグラスの上でギュッと絞りライムをグラスの中にすっと収めた
ふわっと軽くステアして出来上がり

グラスをトレーに乗せてカウンターをぐるりと回り僕の脇に立つ
そこからそっとジンライムを僕の左斜め前に置いた
「お待たせしました」

ジンの味に負けないライムの青臭い風味
冷えたジンライムはきりっとした酸味を押さえ込むような苦味と共に口の中に広がる

ライムは産地とれた季節によって微妙に味が違うけどEtsukoさんの作るジンライムはいつもおいしい
バースプーンを魔法の杖のように使っているのかと思うこともある
まさかそんなことはないだろうけど

「今日もおいしいね」
「ありがとうございます」
いつも同じことを言っていつも同じ返事をもらう

窓の外はケヤキ並木
木々の緑がネオンの強い光を遮ってくれる
四季の移ろいを感じながら飲むジンライムが何となく僕の心を遠くに連れていってくれた


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ひんやりと気持ちがいいカウンターは起伏のある天然石のタイルを用いていて、大ぶりのスツールに腰掛けると、ほの暗い店内に目が慣れて、センスのよいオブジェとフラワーアレンジが目に入ってきます

この店のオーナーバーテンダーEtsukoさん
いつもと変わらずカウンターの中央から優しい微笑で歓迎してくれます

おしゃれなグラスでいただくシングルモルトや、そば猪口でいただく純米酒も風情がありますけど、折角ですからカクテルを注文してみるといいかもしれませんね
注文するとフルーツのお通しが出てきます

カクテルの作り方を見ていると無駄な動きが少なく丁寧さと優雅さがあり、見ていてすごく落ち着きます
カクテルは割と忠実に作られていて、ショートカクテルは作られてから間をおかずに飲む事をお勧めします(当たり前ですけど、温度が上がってから飲んでおきながら、美味しくないという方もいますから(笑))

私の場合、映画の話や旅の話などをして、数杯のお酒を飲み気分を軽くして帰宅することが多いです
値段は一杯千円前後で、お店の雰囲気に調和した物となっており、安価な物だけを求めるのであれば個人的にはお勧めしません

12月には夜10時まで店の窓から光のページェントを目の前にしてお酒を堪能することができるでしょう
定禅寺通り通りの四季を感じる事ができるお店で、とてもオーセンティックなバーだと思います

注意事項ですが、お店が入っているビルにはエレベーターがありません
2次会や3次会に利用しようとする場合、酔いが回って階段がきついと感じた方は無理をせずに次の機会にしましょう(笑)

素敵なお店ですよ

注) 写真で使われているマティーニグラスは私物です 
   違うグラスでカクテルが提供されることをご了承ください

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2021/02/06 更新

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