40回
2022/06 訪問
さらなる一手間の美、鮨西むら
2ヶ月ぶりの初夏の鮨西むら。
最近バタバタしていて余裕がなかったのだが、鮨西むらの暖簾をくぐると柔らかい空気感で迎えられ、ホッと肩の荷を下ろすことができるのが良い。リラックスしたところで今回は金目鯛の刺身からスタート。適度な脂が口に広がり美味い。そして毎回お代わりしてしまう蛸の桜煮。柔らかく身の中まで味がしっかり染みている。噛むたびに味が滲み出るこの桜煮は絶品だ。
握りは北海道の北寄貝。大将はいつも一貫目の握りは趣向を凝らしてくるので今回何がくるのか楽しみにしてたが北寄貝からとは思わなかった!肉厚で甘み溢れる北寄貝、インパクトあった。
そして今回、初夏と言えば光り物が猛烈に美味くなる季節。鹿児島県出水の鯵、肉厚で身からはじける旨味がバツグンの一貫。そして江戸前の小鰭、鮨西むらの小鰭はしっかりと締めた味わいが特徴なのだが、今回も塩味と酢の絶妙なバランスが小鰭のポテンシャルを引き出していて、いつまでも口の中で余韻がひかない。
最後は鰯。たっぷりとある脂を大葉と海苔で包むことで風味のコントラストが生まれ、しつこくならずに美味さが引き立つ。
そして日本酒の夏酒からワインまで、当意即妙に合わせてくるシニアソムリエさんのセンスもまた脱帽。
そう、さらなる一手間の美、そんなお店。
2022/06/11 更新
2021/05 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
久々の六本木凱旋、ということで鮨西むらへ。
少しご無沙汰してましたが、大将、シニアソムリエさん、お弟子さんの優しい笑顔に迎えられ、すっかりリラックスモード。
初鰹や白魚と共に出された煮蛸。周りはプルルン噛めば噛むほどジュワリと溢れる旨味は最高です。
ふわふわの春子は朧をかませてほんのり甘い仕立て。
今回出色だったのは煮蛤、歯応えとツメの味が抜群に美味い。
どれもこれも大将のこだわりが詰まっていて、一貫一貫口に運ぶたびに思わず笑顔になってしまう。
それでいてとっても良心的な価格設定でほんとにありがたい。いつまでも通い続けたい、そして大事にしたいお店だ。
2021/05/20 更新
2021/01 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
およそ半年ぶりの鮨西むら。
緊急事態宣言で夜の外出が制限され、ほとんどの飲食店も夜8時には閉店。通常は夜のみの営業の鮨西むらも、15時に繰り上げて営業を始めた。そしてなんとランチタイムの営業も応相談との事。今回は13時から伺うことができた。
久々の西村大将やスタッフの皆さんの笑顔に迎えられ、ほっこり。ご無沙汰してすいません!
まずは酢橘入りのハイボールで喉を潤しながら蛸の柔らか煮を一口。蛸の旨味が凝縮され、煮詰めと柚子の風味と合わさるこの味、頗る美味い。そして唐墨は日本酒を飲まずにはいられない罪な味。
握りは赤身のヅケからスタート。「鮪は赤身派」としては堪らない一貫。程よい酸味、鉄分が、軽く煮切りに漬ける事で、調和の取れた味の奥行きか何倍にも変化する。
そして満を辞しての小鰭。これが食べたかった!酢と塩の絶妙なバランス、寝かせる事で増幅される旨味、大将の小鰭が一番好みに合う。魚体や季節によって微調整しながら通年この味をキープするのは本当に大変な事だと思う。
その後も、蟹と雲丹の和えた物や、葱鮪串焼、西京焼きなどついつい酒が進んでしまう罪な酒肴が繰り出される。そこに日本酒でもワインでもピタッと合わせてくるシニアソムリエさんの選球眼ならぬ選酒眼はさすが。
そのほかの握りでは皮剥の肝乗せや、喉黒もとても美味。
コロナで大変な中、ランチタイムでもいつもと変わらぬクオリティかつ高コスパ、本当に素晴らしいと思う。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2021/01/23 更新
2020/06 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
実に久しぶりの西むら。
まずはアルコールスプレーで手指の消毒から。席も減らして配慮も対策もバッチリなので安心して鮨を楽しめる。
一品目は鯨の刺身から。ねっとりとした舌触りに噛むたびに旨味が溢れてくる。それが空腹感を刺激する。
キリっとしたハイボールがよく似合う。
それにしても西むらのカウンターは不思議とリラックスできる。
そして西むらの顔、と勝手に思っている小鰭も健在だ。
絶妙な酢と塩加減で〆られていて、溶けた小骨こそが小鰭の旨味を生む。自然と笑みが溢れてしまう。
一貫一貫魚を旨くするための工夫が凝らされている。
だから魚編に旨いと書いて「鮨」。
締める、寝かす、漬ける、煮る、焼く、すべては魚を旨くするための技法。
そしてお客は笑顔になる。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2020/08/15 更新
2020/03 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
どこもかしこも街はひっそりとして、暗いムード。そんな時だって、人は腹が減り、美味い鮨が食べたくなるのだ。そうなったら行くしかないじゃない、鮨西むらへ。
今回まずは蛍烏賊のつまみから。鮨屋で蛍烏賊を食べると春だなぁとしみじみと感じる。季節の恵みを食し、その移り変わりと味を楽しむ。鮨の醍醐味である。
そしてもう一つ、春の代名詞でもある春子。これが今回のNo. 1の美味さだった。いつもは小鰭がトップを譲らないのだが今回の春子はきっちりと昆布締めされた旨味と柔らかさが絶品。
そのほかにも白魚の桜葉蒸し握りは、桜のいい香りが鼻に抜け、こちらも季節を感じさせる。
大将の憎い演出が随所に散りばめられている。
店を出る時にはいっぱいの春のエネルギーで元気になった気がした。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2020/03/17 更新
2020/02 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
月1のリラックスタイム、鮨西むら。
いつもの酢橘ハイボールで口を湿らせていると、最初の一品はノレソレの自家製カラスミかけから。ノレソレとは穴子の稚魚で透明でぷるんとした食感。そこに塩気のあるカラスミが旨味を放ちながらまとわりつく。
酒が進むやつだ。
続いては鯨。柔らかく、しかし力強い赤身のうまさが際立つ。ここで最初の握りはなんと赤貝から。攻めの一貫。赤貝というと宮城の閖上が有名だが今日は香川の観音寺とのこと。観音寺はうどんを食べに何回か行ったことがあるが赤貝も取れるところとは知らなかった。
肉厚で歯応えもあり非常に美味。
今回の西むらは今まで通った中でもどれもレベルが格段に高かった。春子、鮃の縁側、鮪もどれも120%素材のポテンシャルを引き上げている。
その中でも特に秀逸だったのが小鰭。もともと西むらの小鰭はレベルが高い。かつ口に合う締め方なのだが、今回の小鰭はその中でもさらに上を行く逸品だった。
そしてもうひとつ、鱒の燻製。口に入れた瞬間に鼻に抜ける薫香、それを追いかけてくる脂と口溶けの滑らかな身はまるで極上の生ハムのようだ。
ソムリエさんがチョイスする日本酒やワインはどれも料理の味わいを豊かにしてくれるし、大将とお弟子さんとの連携もとてもスムーズで満席でも提供の流れを止める事がない。
店としての完成度がますます上がっている気がする。
さらなるひと手間の美、そんなお店。
2020/02/20 更新
2019/12 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
2019年の鮨納めは、鮨西むらで。
今月二度目なので大方ラインナップは変わっていないのは当然だけど、一貫目は大間の赤身を大葉と海苔で包んだもの。大将、ニヤリとしながらテンパネです、とのこと。
テンパネとは鮪の魚体の中心部分の赤身のなかでもさらに真ん中の部分を指す。通常の赤みより繊維がなく、赤身でありながらフワリとした食感で、何より赤身の旨味が一番色濃く立っている部分。
あまりの美味さにこちらもついニヤリとしてしまう。
小鰭は相変わらず絶品の締め具合。背トロのはがしや、時期的に最後のセイコ蟹など、大将のひと手間の美は
今日も随所に行き届き、2019年の鮨納めは至福の時をすごした。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2019/12/30 更新
2019/09 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
前回の訪問から早3ヶ月ちょい。
まだまだ暑いが暦の上ではもう秋だ。鮨種もぐっと変わっていることを期待して、西むらに訪問。
毎度のことながら、西村大将の柔らかい笑顔のお迎えはで、オンとオフの切り替えをさせてくれる。
まずはツマミで蛸の柔らか煮と鰹から。定番の蛸は噛むごとに口の中に旨味が溢れて、食欲を増進させる。
酢橘を入れて、キリッとさせたハイボールがまた最高に進んでしまう。
石垣貝、平目の握りを挟んで、次は鮑と雲丹に煮汁のジュレをかけた小鉢。濃厚な雲丹と鮑が喧嘩せずに両立していて、深い濃厚な味わい。たまらず日本酒を。
シニアソムリエさんがチョイスしてくれたのが、「甲子正宗」という純米吟醸。ほんといつも料理に合うチョイスはさすが。
その後も小鰭と新子の食べ比べや、鯵、鰯と光り物好きとしては垂涎のコーナーだ。大将の小鰭は絶妙な旨味が余韻で続く。いつものように最後におかわりしてしまったのは言うまでもない。
そして秋の代名詞、イクラの登場。蟹の茶碗蒸しの上にたっぷりと注がれたイクラは絶品の一言。口内でプチリと弾けると甘みが溢れる。いつまでも食べていたいと思わせる味わいだ。
鮨西むらに来たら最後はワインで締める事にしているのだが、今回穴子にペアリングしてくれたのが、オーストリアのモリッツの赤ワイン。ガッツリとしたタンニン感が穴子の詰めとしっかりと融合して引き立てる。
鮨西むらはどの一品もしっかりと手が込んでいて、ワクワクさせてくれる。それでいて六本木の土地柄にもかかわらずリーズナブル。
末永く通い続けたい。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2019/09/08 更新
2019/05 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
六本木のメイン通りから一本裏側に来るだけで、グッと
喧騒から静謐へと空気が変わり、鮨西むらの暖簾を潜る時には完全にオフモードへと気持ちが切り替わる。
今回は今が旬のとり貝からスタート。二品目は薫香を纏わせた金目鯛、と相変わらず西村大将の一手間は料理を引き立てる。ワインと塩で食べる鰹もまた美味だ。
今回の中トロ大トロは沖縄であげられたもの。沖縄で鮪?と思うが、この時期の鮪の旬は沖縄らしい。
口に含むと脂と身のバランスが非常に良くて美味。この時期はどこでも那智勝浦の鮪が供される事が多いが、個人的な好みで言うと、脂が多すぎる那智勝浦産より沖縄産の方が口に合った。
そのほか鯵やのど黒なども堪能したが、やはり鮨西むらの顔は小鰭だ。酸味、塩味、旨味のバランスが秀逸な一貫で、いつも最後におかわりしてしまう。
今回も、シニアソムリエさんによる日本酒のペアリングチョイスも良く、心地よい酔いに身を任せて終わる週末の夜は、幸せだ。
そう、さらなる一手間の美、そんなお店。
2019/05/31 更新
2019/03 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
すっかり空気は春の装い。桜の蕾もほころび始めた。
今日の鮨西むらでは一体どんな驚きが味わえるかな、なんて思いながら暖簾をくぐる。
まずは春の代名詞、蛍烏賊から。これが予想を上回るふっくらとした仕上がりで、口の中に烏賊の風味がぷつんと弾ける。今日も大将の「ひと手間の美」に心を掴まれる。
今回最も秀逸だったのは小鰭。3日ほど寝かし、締め具合にも細心の注意を払っているからこその一品で、酸味、旨味、塩味の塩梅がパーフェクトに仕上げてある。
あまりのうまさに最後に追加でお願いしてしまった。
また次の訪問が楽しみで仕方ない。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2019/03/28 更新
2018/11 訪問
さらなるひと手間の美、鮨西むら
週明けの静かな夕方、すっかり陽が落ちるのが早くなった。わかりづらい道を進むと「鮨西むら」はいつものようにそこにある。
そしていつものように店主の柔らかな笑顔に迎えられ席につく。
ふっ、と日常を溜息で吹き払うと、目の前には蛸の桜煮と鮑の柔らか煮が置かれる。どちらも絶妙に柔らかく、口の中に大海の香りが立ち上がる。
こちらの定番である、白子のリゾット風小鉢も相変わらず芳醇な風味。今回つまみで秀逸だったのが、焼いた鰤と霰をまぶし、そこに蟹餡を絡めた一品。
これはとてつもなく美味い。
鮨西むらに伺うようになってまだ一年半くらいだが、
特に最近、確実にまたステージがひとつ上がった気がする。お弟子さんも入り、さらに大将の「ひと手間の美」が活きてきている。
握りでは、三厩の中トロ。ねっとりと舌に絡む身は適度な脂をまとって喉に消えていく。今年食べた鮪の中でもトップクラスの逸品。
小鰭もしっかりとしめられ、凝縮した旨みが溢れる。
裏漉しされた鮟肝に奈良漬けを乗せた一貫は後味だけで日本酒が止めどもなく進む。
後半、シニアソムリエが合わせてくれた赤ワインは、底深い味わいと適度な渋味で「鮨+ワイン」の新しい世界を魅せてくれた。
そう、さらなるひと手間の美、そんなお店。
2018/11/15 更新
2017/11 訪問
緩徐なる時の中で、鮨西むら
いつものように当日ギリギリに電話して、ラスト一席に
滑り込む。やっぱり食べたい時に入れるのが嬉しい。
それが毎度悉くラスト一席なので、鮨西むらとは相性がいい。
今回も7席のカウンターと4人席の個室が全て埋まっている。それを西村大将一人でさばいていくので、本当に息つく暇なく動いている。
大将とゆっくり話す事が出来ないのは残念だが、仕事の邪魔をしてまでというのは鮨好きの本意ではない。
合間に溢れる大将の柔和な笑みで十分だ。
白子のリゾット風から始まり、握りの一貫目は赤貝から。そろそろ旬に入る赤貝はプリッとした歯ごたえと鼻に抜ける香りが立っている。一貫目に持ってきた大将の意図が伝わってくる布陣だ。
その後も摘みと握りがランダムに続く。小鰭はいつも以上に絶妙な締め加減で秀逸。今回初めて頂いたのが赤身の漬けの握りごと海苔でくるんで食べる漬け巻き。
海苔のいい香りと漬けの旨さがダイレクトに伝わって来た。金目の昆布締め、鰤も溢れ出る旨味が堪らない。
1人旨い寿司と酒と、誰にも邪魔されない緩徐なる時間に身を委ねる幸せ、そんなお店。
2017/11/25 更新
2017/09 訪問
開眼!鮨とワインのマリアージュ、鮨西むら
雨の金曜日。
山積みの仕事もやっと片付けて、自分へのご褒美タイム。
気分はすっかり鮨で固まっている。
しかし、時間も8時をまわって中途半端だし、この雨の中銀座までわざわざ行くのもちょっと億劫だし…。そうだ西むらに電話しよう!
運良くラスト一席を確保。
六本木の細い路地をクネクネ行くと鮨西むらはある。気を抜くと見過ごして通り過ぎてしまうので要注意だ。
西村大将の柔和な笑顔で迎えられると、仕事モードからパチンとスイッチが切れて、すっかりリラックスモードにかわる。
今日は用意できる魚が少ないんですがよろしいでしょうか、と言われたが、結果としては全くそんなことを感じさせないラインナップだった。
まずは毛ガニとウニの和えものからスタートし、鮑の柔らか煮が出てくる。
この時点でたまらずビールから日本酒に切り替えながらちびちびと飲む。そして、ゆったりとした時間の中に身を委ねながら美味い酒と肴で疲れを癒す。これこそ1人寿司の贅沢だ。
ここからは握りとつまみがランダムに。
秋刀魚は肝のソースが上に乗り、とろける脂の中にほろ苦さがあり絶品だった。シャリにネギがまぶしてあるのも面白い。
鮪の上にワインと塩で味付けされた大根おろしが乗ったつまみも出色だった。今までは寿司にワインは合わないだろうという先入観で日本酒ばかり飲んでいたが、とんだ思い込みだったかもしれない。
実は鮨西むらにはソムリエがいる。思い切って寿司に合わせるワインをお願いしてみた。
ちょうど穴子の塩と煮詰めに合わせる形で白と赤それぞれ用意をしてくれた。白は塩と、赤は煮詰め用に。
これがそれぞれに合うのだ。心配していた生臭さも立たず、自然な心地よさが口の中の余韻として残る。
なんかもっと早く試してみればよかった。
開眼!鮨とワインのマリアージュ、そんなお店。
2017/09/23 更新
2017/08 訪問
六本木の実直ストレート寿司、鮨西むら
前回は2月だったので、もう半年も経ってしまった。
六本木の裏通り、ひっそりと佇むお店はまさに隠れ家。店前の通りの暗さと、店内の安らぎの雰囲気のギャップが心地よい。
よくある寿司屋特有のキンキンに張り詰めた緊張感はなく、店主の西村氏の柔和な笑顔で迎えられると寿司への期待感が高まるのは必然だ。
まずはつまみで鮑と鯛からスタート。
旨味の塊だ。
その後も鰹のジュレ掛けやイクラの茶碗蒸しなどが続く。
握りは小ぶりなタイプ。出色だったのは鰯。
言われなければ鰯とはわからない赤と白のストライプな握りは見た目も艶やかで、しっかりと
脂も乗っていて口に蕩ける。
どれもきっちり手間をかけていて、主人の人柄が料理に出ている。
そう、六本木の実直ストレート寿司、そんなお店。
2017/08/10 更新
2017/02 訪問
六本木の実直ストレート寿司、鮨西むら
六本木も通り一本奥に入ると、急にひとけのない薄暗い路地になったりする。
鮨西むらは、そんな路地にポツンとある文字通り隠れ家的な寿司店だ。
入り口を入ると清潔な白木のカウンターが覗き、期待が高まる。ご主人の西村氏は20年以上の職人キャリアがあり、満を持してあえて六本木の路地裏に店を構えたそうだ。
まずは白子のツマミからスタート。白子の残り出汁にご飯を一口インしてまぜまぜすると、まるでクリームリゾットのようなまろやかな仕上がりに。そこから何点かツマミが続くがどれもひと手間かけてあり、握りへの期待が高まる。
ただ、ご主人1人で全てをこなしているので、慌ただしくつけばと裏を行ったり来たりしていてなかなかゆっくり大将とお話しできなかったのはちょっと残念。
握りでは鯖が出色の出来だった。
全体的にレベルは高くネタに出来不出来のムラはない。真面目なご主人の人柄が現れているようなストレートで美味い寿司だ。
強いて言えば今後、鮨西むらと言えばコレ!と言うような客殺しの一品があればとは思うが、
六本木でこのレベルの寿司が2万せずに頂けるのだから、とても重宝する店だ。
そう、六本木の実直ストレート寿司、そんなお店。
2017/03/18 更新
暑い暑い暑い。
こんな日には酢橘ハイボールで喉を潤したい。
ということでいつもの鮨西むらへ。
ぐっとグラスをあおると体に沁み渡る。石垣貝はシャクシャクとした歯応え。鰹のたたきも酸味の立ち方が最高だ。穴子の白焼き、名物の蛸の桜煮も日本酒を誘う味わい深い逸品。
程よくお酒も回り、すっかりリラックスモード。鮨西むらの良いところはつまみや握りが美味いのは言うまでもないが、お店が醸し出す柔らかな空気感も大きい。大将の柔らかな笑顔、お弟子さんやシニアソムリエさんみなさんの人柄が滲み出る居心地の良さ。
そのリラックス感をついつい飲み過ぎてしまう言い訳にしている。
今回握りで秀逸だったのは、まず真子鰈。昆布締めされて白身の旨さが溢れている。そして塩釜の鮪の赤身の漬け。夏マグロを一番楽しめるのは酸味と鉄味が味わえる赤身だ。さらに漬けにすることで身の中まで入った煮切り醤油が味を深くする。
今回イチオシで美味かったのは太刀魚の塩焼き。
永遠に食べてられる!
最初から最後まで、夏の鮨を堪能させてもらった。
さらなるひと手間の美、そんなお店。