25回
2025/11 訪問
流汗悟道、チームで築く美味なる芸術
お酒❶ジャック・セロス・イニシャル・ ブリュット・グラン・クリュ・ブラン・ド・ブランNV(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:シャルドネ100%
お飲み物㊀FUJI ミネラルウォーター(ミネラルウォーター、山梨)(税込880円)
①生イクラ(北海道標津産)のマイクロ丼 白鮭(日本は白鮭)の魚卵《イクラはロシア語》、玉子のコクのある旨みが良い、薄皮が軟らかく鮮度の良さを物語っています 水温上昇で樺太鱒に生存競争に負け個体数激減
②解し毛蟹(北海道噴火湾産)&蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中産)、泡立てた甘酢ジュレ掛け、紫蘇穂花載せ 親蟹から若蟹に旬が移り、軟らかく軽やかな旨み、蝦夷馬糞雲丹の濃厚な旨みと共に楽しみます
お酒❷仙禽 鶴鳴 麗 (栃木) 米品種:栃木県さくら市産亀の尾60%&栃木県さくら市産山田錦40%、精米歩合:40%
③真蛸(長崎県産、雌)の軟らか煮 産卵は初夏~初秋、旬は通年、寿命1~1.5年 ④酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産、雌)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏
③真蛸(長崎県産、雌)の軟らか煮 産卵は初夏~初秋、旬は通年、寿命1~1.5年 しっとりと煮られた雌蛸は軟らかな繊維で、程好い弾力と噛む程に滲みる旨みが楽しい
④酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産、雌)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 厚みのある切り分け、弾力がありつつも軟らかい、4時間位の蒸し時間かな? 旨みと甘みが抜群、肝ソースの磯の香りも良い
⑤葱トロ(青森県大畑産、やま幸、179kg、延縄)軍艦巻き 脂がのった中落ちを葱と山葵と合わせ、お凌ぎなのでシャリコマは小さめ 脂の旨みを感じさせつつスッキリとした後味
お酒❸日日 秋津山田錦 自社田(京都) 米品種:兵庫県秋津西戸村産山田錦100%、精米歩合:非公開
⑥牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産) 産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春 全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる 身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みも強く旨みもしっかり
⑦虎河豚(佐賀県唐津産)、鮟肝(島根県産)の肝酢掛け、刻み芽葱添えて 虎河豚は体脂肪が低くアミノ酸の旨み、そこに裏漉し鮟肝のトロトロなコクと濃厚な旨みを加え、インパクトを残します
お酒❹コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ・オスピス・ド・ボーヌ・ピエール・イヴ・コラン・モレ2022《鮨さかい》(白ワイン、フランス) 葡萄品種:シャルドネ100%
⑧炭火炙り藁で燻した秋鰆(長崎県対馬列島産)の微細パン粉薄衣揚げ、酢橘添え 秋鰆は軽めの寝かせで溶けるような舌触り、藁の燻香、微細パン粉の衣で極軽のサクッと食感 加熱により脂を活性化、旨みが拡がります
⑨九絵(長崎県壱岐列島産、17kg)&松茸(中国産)&銀杏(熊本県玉名産)の土瓶蒸し 九絵は脂がのり旨みがあり、中国産ですが松茸は香りがあり、シャキシャキ食感も楽しめました
○ガリ
お酒❺田中六五&日日 酒の七福神《毘沙門天》(福岡) 米品種:兵庫県産特A特上山田錦100%、精米歩合:非公開
⑩障泥烏賊(長崎県五島列島産) 産卵は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 3日寝かせですが微かな張りを残した仕込み 低脂肪なのでアミノ酸の旨みが主体ですが、冬は少し脂が増すのか味わいが強くなります
⑪松皮鰈(別称:王鰈、北海道産) 産卵は春~初夏、旬は晩夏~冬 鮃に負けない程に脂がのり美味しいことから鰈の王様と言われるが、名に劣らぬ味わい 透明感のある白身で旨みと甘みがあります
お酒❻サロン・ブラン・ド・ブラン・ブリュット2013(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:シャルドネ100%
⑫小鰭(熊本県天草産) 産卵は春、旬はそれぞれ、小鰭は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタ
⑬裏漉し鮟肝(北海道余市)と微塵切り奈良漬け【追加】 産卵は春~初夏、旬は秋~春 海底に潜み遊泳しない為、肝は通年美味しい 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、どうにも止まらない美味しさ♪
⑭寒鰤(北海道噴火湾産) 産卵は冬~初夏、旬は秋~冬 寝かせにより活かったハリは無く、まったりとした舌触り、脂のりも良く明確な旨みがあり、蕩けて消えていきます
お酒❼クロ・ルジャール・ソミュール・ シャンピニー・ル・ブール2015(赤ワイン、フランス) 葡萄品種:カベルネフラン100%
⑮本鮪大トロ(青森県大畑産、やま幸、179kg、延縄) 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬
⑮本鮪赤身(青森県大畑産、やま幸、179kg、延縄) 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 軽くサシが入り状態が良い、赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリ
⑯本鮪中トロ(青森県大畑産、やま幸、179kg、延縄) 秋の青年期の本鮪、腹上一番の脂の軽やかさと深くなりつつある脂のコクが季節の移り変わりを感じさせます
お酒❽コングスガード・シャルドネ・ザ・ジャッジ2023(白ワイン、米国) 葡萄品種:シャルドネ100%
⑰本鮪大トロ(青森県大畑産、やま幸、179kg、延縄) 切り置きし室温に馴染ませているので口溶けが円やか、華やかでコクのある脂の旨み、口腔内でネタと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体となってます
お酒❾エルミタージュ・ブラン・ドメーヌ・ジャン・ルイ・シャーヴ2009(白ワイン、フランス) 葡萄品種:マルサンヌ&ルーサンヌ
⑱車海老(産地聞き忘れ) 産卵も旬も初夏~初秋 茹で立てをお弟子さんが熱々に耐えて剥きます 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、口に入れると華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑲炭火炙り北寄貝(北海道産)、黄色橙(鹿児島県産)果汁掛け 産卵期は初夏~夏、旬は秋~春 大きなサイズ、炭火炙りで芳ばしく、裏のモフモフ食感と身のコリ感、癖がなく旨みもあり楽しい
⑳お味噌汁 魚のアラで出汁を取るのですが、臭みが出易いので普通は焼いてから出汁を取るのですが、鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう、透明感のある深い旨みが良い
お酒❿十四代 龍泉 白雲去来 純米大吟醸 斗瓶囲い氷温熟成 大極上諸白酒(山形) 米品種:兵庫県特A地区産山田錦100%、精米歩合:35%
㉑蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中産)軍艦巻き 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 雲丹を頂く時はは5秒ホールド ハッキリとした甘みと濃いめの旨み、微かに残る複雑な後味に余韻を感じます
㉒べったら漬け、削り黄柚子皮掛け 甘過ぎず爽やか、少し舌をリセット 大根に含まれる消化酵素のジアスターゼが胃袋を軽くしてくれます
お酒⓫DRCドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ・リシュブール・グラン・クリュ2020(赤ワイン、フランス) 葡萄品種:ピノ・ノワール100%
㉓蒸し真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 脂がのり味わいが深い、フワフワと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけ、一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉔干瓢巻き 干瓢巻が登場すると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
㉕玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老の摺り身と大和芋が入り、ふっくら&しっとりとした焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
お飲み物㊁緑茶
流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょうね。
2025/11/13 更新
2025/04 訪問
流汗悟道、チームで築く美味なる芸術
初夏の気配のある晩春の博多を訪れました。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って約7年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、昨年から土足OKになったのは大きな変化ですが、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」(2号店)さんも安定し、また新しく「在掌」(3号店)さんも出来きたこともあり、関わる人が増えたり、お弟子さんが独立しても安定したクオリティを維持されているのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心にしつつ、味わいの構成として北海道などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いです。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込44,000円)とプライベートペアリング(税込110,000円)とお飲み物(税込880円)でお会計は154,880円也。
今回は思うところあり、お財布には大変厳しいのですが、冥土の土産に最上位のペアリングを頂くことにしました。
ヘッドソムリエの藤島さんが特選した怒涛の美酒を肴とお鮨と一緒に楽しみました♪
稀少なワインと日本酒が次々と、お財布事情が許せば毎回飲みたい!《絶体無理だけど》
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①解し毛蟹&菊菜&黄菊花弁の和え物
②真鯛白子&蝦夷馬糞雲丹&フレッシュキャビア&土佐酢ジュレ載せ、紫蘇穂花を散らして
③炭火炙り藁で燻した上り鰹のヅケ、摺り鴨頭葱(こうとうねぎ)&摺り生姜載せ
④炭火炙り蛍烏賊
⑤蒸し黒鮑
⑥葱トロ軍艦巻き
⑦帆立貝柱&桜蝦&真鯛切り身
⑧微細パン粉の太刀魚フライ
⑨炭火焼き桜鱒、煮筍&芹のお浸し
○ガリ
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑩塩〆金目鯛
⑪真鯵
⑫小鰭
⑬水茄子
⑭本鮪赤身
⑮本鮪中トロ
⑯本鮪大トロ
⑰車海老
⑱牡丹海老(正式名:富山海老)
⑲北紫雲丹
⑳お味噌汁
㉑煮汀線蛤
㉒煮真穴子
㉓干瓢巻き
㉔玉
お酒①ポル・ロジェ・キュヴェ・ド・レゼルヴ・ヴィノテーク・ブリュット2002《創業175年記念リリース》(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ
①解し毛蟹(北海道噴火湾産)&菊菜&黄菊花弁の和え物 産卵は晩秋~晩冬、親蟹から若蟹に旬が移り、軟らかく軽やかな旨み、菊菜&黄菊花弁のお浸しと合わせてサッパリと楽しみました
飲み物①FUJI ミネラルウォーター(ミネラルウォーター、山梨)(税込880円)
②真鯛白子(福岡県糸島産)&蝦夷馬糞雲丹(北海道根室産)&フレッシュキャビア(中国産)&土佐酢ジュレ載せ、紫蘇穂花 真鯛白子の軽やかなコク、蝦夷馬糞雲丹の甘み、フレッシュキャビアの塩味ある旨みを楽しむ
③炭火炙り藁で燻した上り鰹(鹿児島県枕崎産)のヅケ、摺り鴨頭葱(こうとうねぎ)&摺り生姜載せ モチモチとした食感とアミノ酸やイノシン酸等の旨み、藁の燻香、それらをヅケでギュッと一纏めにしています
お酒②新政 Colors 瑠璃(ラピス) 生酛木桶純米2021《生産完了》(秋田) 米品種:秋田県産美山錦100%、精米歩合:35%
④炭火炙り蛍烏賊(富山県滑川沖産、雌) ⑤酒蒸し黒鮑(福岡県鐘崎産、雌)、肝ソース添え 薬味:摺り山葵&塩
④炭火炙り蛍烏賊(富山県滑川沖産、雌) 雄は交尾後直ぐ寿命が尽き、雌は産卵場所の滑川沖に集まる為、滑川沖の蛍烏賊はほろ苦さだけでなく、卵の甘みの分だけより美味しい 炭火で芳ばしさも加わっています
⑤酒蒸し黒鮑(福岡県鐘崎産、雌)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 厚みのある切り分け、プルプルと軟らかい 旨みと甘みが抜群、肝ソースの磯の香りも良いですね
お酒③産土 香子 五農醸 生酛木桶純米(熊本) 米品種:熊本県菊池川流域産肥後香子100%、精米歩合:非公開
⑥葱トロ(岩手県大船渡産、206kg、定置網、やま幸)軍艦巻き 脂がのった中落ちを葱と山葵と合わせ、お凌ぎなのでシャリコマは小さめ 脂の旨みを感じさせつつスッキリとした後味
⑦帆立貝柱(北海道野付産)&桜蝦(静岡県駿河湾産)&真鯛切り身(福岡県糸島産) 産卵は春~初夏、旬は晩秋~初夏、飴色で透明感がありプリプリ、圧倒的な旨みがあります 桜蝦&マダイも良いが、帆立貝柱が主役
お酒④ラファエル・パラシオス・ロウロ・ゴデーリョ・ヴァルデオラス2023(白ワイン、スペイン) 葡萄品種:ゴデーリョ96%、トレイシャドゥーラ4%
⑧微細パン粉の太刀魚(神奈川県三浦半島産)フライ 産卵は春~秋、旬は秋~冬、通年美味しい 微細パン粉の衣、揚げることで脂を活性化させあり口腔内で旨みが拡がります
お酒⑤新政 農民藝術概論 2021(秋田) 米品種:秋田県産陸羽132号100%、精米歩合:40%
⑨炭火焼き桜鱒(北海道寿都産)、煮筍(福岡県八女産)&芹(大分県日田産)のお浸し 皮のパリ感&芳ばしさ、脂の旨みが美味しい♪ 鱒は焼くと硬くなりがち、仄かにしっとり感のある絶妙な焼き加減が素晴らしい
○ガリ
お酒⑥サロン・ブラン・ド・ブラン・ブリュット2013(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:シャルドネ100%
⑩塩〆金目鯛(千葉県銚子産) 産卵は夏、旬は秋~晩冬 旬も終わり落ち着いた脂のり、寝かせの技で引き出された上品な旨みを楽しむのに良い時期なのかもしれません
⑪真鯵(長崎県産) 産卵は春~夏、旬は秋~冬 産卵前でサイズは小振りですが、肉厚で脂のりはバッチリ、香りも良いですね ジワッと拡がる旨みを堪能
⑫小鰭(熊本県天草産) 産卵は春、旬はそれぞれ、小鰭は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタです
⑬水茄子(大阪府泉大津産) 瑞々しくスッキリと爽やかな味わい ほのかな甘みも良いですね♪
お酒⑦シャルム・シャンベルタン・グラン・クリュ・アルマン・ルソー2020(白ワイン!フランス) 葡萄品種:ピノ・ノワール100%
今日の本鮪は岩手県大船渡産、206kg、定置網、やま幸 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬
⑭本鮪赤身(岩手県大船渡産、206kg、定置網、やま幸) 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 産卵期の夏本鮪、赤身独特の風味があり、軽めの漬けで程好い酸味、しかし口溶け遅い、こういう時もあるよね
⑮本鮪中トロ(岩手県大船渡産、206kg、定置網、やま幸) 産卵期の夏本鮪、腹上一番の脂の軽やかな味わいはあるけれどやはり口溶けが遅い 今の時期は良い個体が少ないのでしょうね
お酒⑧ルイ・ロデレール・クリスタル・ブリュット2006(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%
⑯本鮪大トロ(岩手県大船渡産、206kg、定置網、やま幸) 産卵期の夏本鮪、めちゃサシが入って白過ぎる位なのですか、口溶けが遅い、何故だろう? 脂自体は華やかでコクのある旨みだけど奥行きが足りない
お酒⑨コルトン・シャルルマーニュ・グラン・クリュ・オスピス・ド・ボーヌ・ピエール・イヴ・コラン・モレ2022《鮨さかい》(白ワイン、フランス) 葡萄品種:シャルドネ100%
⑰車海老(大分県姫島産) 産卵も旬も初夏~初秋 茹で立てをお弟子さんが熱々に耐えて剥きます 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、口に入れると華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑱牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産) 産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春 全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる 身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みも強く旨みもしっかり
お酒⑩十四代 龍泉 隼 雫取り斗瓶囲い純米大吟醸おり酒(山形) 米品種:山形県長谷堂本沢産生研Ⅱ(愛山♀×山酒4号♂の♀と龍の落とし子♂)80%、兵庫県特A地区産山田錦20%、精米歩合:35%
⑲北紫雲丹(青森県大間産、大千《ダイセン》) 産卵は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹を5秒ホールド、品のある甘みと旨みが口腔内に拡がります
⑳お味噌汁 真鯛は直ぐ臭みが出るので普通は焼いてから出汁を取るのですが、鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう 透明感のある深い旨みが良い
お酒⑪DRC ヴォーヌ・ロマネ・プリュミエ・クリュ・キュヴェ・デュヴォー・ブロシェ・ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ2020(赤ワイン、フランス) 葡萄品種:ピノ・ノワール100%
㉑煮汀線蛤(千葉県銚子産) 産卵は初夏~夏、旬は産卵前の春~初夏 非常に軟らかく煮られ、奥行きのある旨みが噛むほどに拡がります 蛤の味わいも良いのですが穏やかなツメも好み
㉒煮真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 脂がのり味わいが深い、フワフワと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけ、一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
お飲み物②緑茶
㉓干瓢巻き 干瓢巻が登場すると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
㉔玉 芝海老の摺り身と大和芋が入り、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない 通って約7年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています
昨年から土足OKになったのは大きな変化ですが、清潔感に大きな変化はありません ゴールデンウィーク前なので端午の節句らしく兜の描かれた金箔張りのお皿
流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょうね
2025/04/30 更新
2024/10 訪問
流汗悟道、チームで築く美味なる芸術
秋の気配が訪れた博多を訪れました。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って約6年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、今回から土足OKになったのは大きな変化ですが、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」(2号店)さんも安定し、また新しく「在掌」(3号店)さんも出来きたこともあり、関わる人が増えたり、お弟子さんが独立しても安定したクオリティを維持されているのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いです。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込44,000円)+お酒代でお会計は55,110円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①牡丹海老(正式名:富山海老)、紫雲丹&摺り山葵載せ
②煮真蛸
③酒蒸し黒鮑、肝ソース添え
④解し毛蟹&赤酢シャリのマイクロ丼、新イクラ掛け
⑤葱トロ軍艦巻き
⑥虎河豚、鮟肝&酢の乳化ソース掛け、刻み芽葱を振って
⑦鮟肝&酢の乳化ソース、追加若布
⑧松茸の天麩羅
⑨銀杏の素揚げ
⑩海鰻&赤酢シャリのマイクロ丼
⑪鮟肝&刻み奈良漬
○ガリ
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
⑫真鯛
⑬北寄貝、刻み醤油漬け生姜載せ
⑭秋鰆漬け
⑮小鰭
⑯甘酢漬け赤蕪
⑰本鮪赤身漬け
⑱本鮪中トロ
⑲本鮪大トロ
⑳車海老
㉑炙り赤鯥(アカムツ、別称:ノドグロ)
㉒赤出汁
㉓べったら漬け
㉔北紫雲丹軍艦巻き
㉕煮穴子
㉖干瓢巻き
㉗玉
流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょうね
お酒①十石 祝 純米吟醸(京都) 米品種:京都府産祝100%、精米歩合:60%
①牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産)、紫雲丹(大分県姫島産)&摺り山葵載せ 紫雲丹は澄んだ上品な甘みだが酷暑で全国的に雲丹は✕ 牡丹海老はプリプリかつねっとり食感、甘みも強く旨みもしっかり
②煮真蛸(福岡県行橋産) 産卵は初夏~初秋、旬は通年、寿命1年 ③酒蒸し黒鮑(福岡県糸島産、雌)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏
②煮真蛸(福岡県行橋産) 産卵は初夏~初秋、旬は通年、寿命1年 しっとりと煮られた雌蛸は軟らかな繊維で、程好い弾力と噛む程に滲みる旨みが楽しい
③酒蒸し黒鮑(福岡県糸島産、雌)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 厚みのある切り付けだけどプルプルと軟らかい 旨みと甘みが抜群、肝ソースの磯の香りも良いですね
④解し毛蟹(北海道噴火湾産)&赤酢シャリのマイクロ丼、新イクラ(岩手県普代産)掛け 若蟹から親蟹に旬が移り身の旨みが深い 新イクラのプチュ食感、そしてコクと旨み 秋の深まりを感じる一品
お酒②純米吟醸 臥龍梅 超辛口(静岡) 米品種:富山県産五百万石100%、精米歩合:55%
お飲み物①FUJI ミネラルウォーター(山梨)
⑤葱トロ(本鮪、青森県大間産、やま幸、164kg)軍艦巻き 脂がのった中落ちを葱と山葵と合わせ、お凌ぎなのでシャリコマは小さめ 脂の旨みを感じさせつつスッキリとした後味
⑥虎河豚(福岡県鐘崎産)、鮟肝(北海道余市産)&酢の乳化ソース掛け、刻み芽葱を振って 虎河豚は体脂肪が低くアミノ酸の旨み、そこに裏漉し鮟肝のトロトロなコクと濃厚な旨みを加え、インパクトを残します
⑦鮟肝(北海道余市産)&酢の乳化ソース、追加若布(徳島県鳴門産) 余市の鮟肝はとても滑らかで旨みも素晴らしい 先ほどの肝酢を若布を使って拭い取る様に頂きました
⑧松茸(中国雲南省産)の天麩羅 海外産ですが香りもあり秋らしさを感じます ⑨銀杏(熊本県玉名産)の素揚げ アク抜きバッチリ、エグみなく甘みがあります
⑩海鰻(熊本県天草産)&赤酢シャリのマイクロ丼 産卵は初夏~晩秋、5年~15年掛けて成熟、産卵はマリアナ海溝 皮は厚くバリッと噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みを楽しみました
⑪鮟肝(北海道余市産)&刻み奈良漬 産卵は春~初夏、旬は秋~春、特に晩冬が良い 裏漉し鮟肝は滑らかクリーミー、コクがあり日本酒が進む、一気に全てを食べずに少しずつ合間に食べるのが○
お酒③惣誉 生酛仕込 特別純米 (栃木) 米品種:兵庫県特A地区産山田錦100%、精米歩合:60%
○ガリ
⑫真鯛(福岡県能古島産) 産卵は春~初夏、旬は秋~晩冬 1日寝かせで芯に微かなコリ感、多分、雌だと思いますが、軟らかさと甘みと優しい旨み、握るシャリに合わせた仕込みかと思います
⑬北寄貝(北海道長万部産)、刻み醤油漬け生姜載せ 産卵期は初夏~夏、旬は秋~春 大きなサイズ、裏のモフモフ食感と身のコリ感、癖がなく旨みもあり楽しい
⑭秋鰆(長崎県産)漬け 産卵は春~夏、旬は秋~春 旬の走りの秋鰆、軽めの寝かせだが溶けるような舌触り、脂がのりしっとりとした旨みが拡がります
⑮小鰭(熊本県天草産) 産卵は春、旬はそれぞれ、小鰭は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタです
⑯甘酢漬け赤蕪 パッと見は本鮪みたいにも見えますが赤蕪(笑) 瑞々しくスッキリとしながら甘みがしっかり
本日の本鮪(青森県大間産、やま幸、164kg)漬け 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬
⑰本鮪赤身(青森県大間産、やま幸、164kg)漬け 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 軽くサシが入り状態が良い、赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリしています
お酒④ドメーヌ・ペロ・ミノ・ジュヴレ・シャンベルタン・ジュスティス・デ・スヴレ2017(赤ワイン、フランス) 葡萄品種:ピノ・ノワール100%
⑱本鮪中トロ(腹上一番、青森県大間産、やま幸、164kg) 秋の青年期の本鮪、腹上一番の脂の軽やかさと深くなりつつある脂のコクが季節の移り変わりを感じさせます
⑲本鮪大トロ(蛇腹、青森県大間産、やま幸、164kg) 切り置きし室温に馴染ませているので口溶けが円やか、華やかでコクのある脂の旨み、口腔内でネタと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体です
お酒⑤鍋島 吉川産山田錦 純米大吟醸(佐賀) 米品種:兵庫県特A地区吉川産山田錦100%、精米歩合:45%
⑳車海老(熊本県天草産、養殖) 産卵も旬も初夏~初秋 茹で立てをお弟子さんが熱々に耐えて剥きます 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、口に入れると華やかな甘みと旨味が押し寄せます
㉑炙り赤鯥(アカムツ、別称:ノドグロ、長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬 脂が濃厚な上に、軽く炙って旨みを引き出してあり、少し強過ぎかと思いましたが、表面の塩と赤酢のシャリとがマッチ
㉒赤出汁(真鯛の出汁) 真鯛は直ぐ臭みが出るので普通は焼いてから出汁を取るのですが、鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう 透明感のある深い旨みが良い
㉓べったら漬け、削り青柚子皮掛け 甘過ぎず爽やか、少し舌をリセット
㉔北紫雲丹(青森県大間産、大千〔ダイセン〕)の軍艦巻き 産卵は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹を5秒ホールド、品のある甘みと旨みが口腔内に拡がります だが北紫雲丹も酷暑のダメージが強い気がする
㉕煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 脂がのり味わいが深い、フワフワと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけ、一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉖干瓢巻き 干瓢巻が登場すると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
㉗玉 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
2024/10/14 更新
2024/06 訪問
流汗悟道、手の中で形を結ぶ生き様
梅雨の雨が降る初夏に博多を訪れました。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って約6年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」(2号店)さんも安定し、また新しく「在掌」(3号店)さんも出来ることもあり、関わる人が増えたり、お弟子さんが独立しても安定したクオリティを維持されているのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いです。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込44,000円)+お酒代でお会計は49,390円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①蓴菜の土佐酢和え、紫雲丹載せ
②煮真蛸
③酒蒸し黒鮑、肝ソース添え
④牡丹海老
⑤鳥貝
⑥葱トロ軍艦巻き
⑦赤雲丹、フレッシュキャビア&甘酢ジュレ添え
⑧太刀魚、薄米粉衣の天麩羅
⑨鮟肝&刻み奈良漬
⑩海鰻のマイクロ丼
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
⑪障泥烏賊
⑫昆布〆白鱚
⑬時鮭(ときしらず)
⑭小鰭
⑮水茄子
⑯本鮪赤身
⑰本鮪中トロ
⑱本鮪大トロ
⑲車海老
⑳瀬付き真鯵
㉑北紫雲丹
㉒赤出汁
㉓煮穴子
㉔玉
㉕鉄火巻き
㉖干瓢巻き
流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょう
お酒①プレミアム・モルツ(生ビール、サントリー) お酒②あべ 圃場別プロジェクト上輪新田2023(新潟) 米品種:新潟県上輪新田産非公開品種100%、精米歩合:非公開
①蓴菜(秋田県産)の土佐酢和え、紫雲丹(愛媛県今治産)載せ 蓴菜は芽が摘んだ翌日の緑色、ゼリー質のプルプル感が良いですね 紫雲丹は塩水仕立ての明礬無添加、澄んだ上品な甘みが素晴らしい
②煮真蛸(福岡県行橋産、雌) 産卵は初夏~初秋、旬は通年、寿命1年 軟らか煮でなくプリッとした仕上げ、雌蛸は軟らかな繊維なので、程好い弾力と噛む程に滲みる旨みが楽しい
③酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 厚みのある切り付けだけどプルプルと軟らかく、旨みと甘みが抜群、肝ソースの磯の香りも素晴らしい!
④牡丹海老(正式名:富山海老、北海道増毛産) 産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春 身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みも強く旨みもしっかり 全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる
⑤鳥貝(京都府舞鶴産、スーパー養殖) 雌雄同体、産卵も旬もは春~秋、寿命1年 表面のツルんした食感と裏側のモフモフ食感 噛むほどに滲み出る甘みと旨みと共に舌が喜ぶ 日本海側は水温が低いので夏直前迄良い
⑥葱トロ軍艦巻き 脂がのった中落ちを葱と山葵と合わせ、お凌ぎなのでシャリコマは小さめ 脂の旨みを感じさせつつ、すっきりとした後味に仕上げてあります
⑦赤雲丹(佐賀県唐津産)、フレッシュキャビア&甘酢ジュレ添え 産卵は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏 舌の上に載せて5秒ホールド 穏やかで透明感のある上品な甘みがあり幸せに至ります
お酒③桂月 超辛口 特別純米酒 60 夏の生酒(高知) 米品種:《麹米》吟の夢、《掛米》国産米、精米歩合:60%
⑧太刀魚(千葉県竹岡産)薄米粉の天麩羅、酢橘添え 産卵は春~秋、旬は秋~冬、通年通し脂のり○ 薄く米粉の衣を付け揚げてあり、フワフワ 揚げて脂を活性化させ、口腔内で旨みが拡がる
⑨鮟肝(北海道余市産)&刻み奈良漬 産卵は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が○ 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミー、コクがあり日本酒が進む、直ぐに全てを食べずにチョコチョコ合間に食べるのか○
⑩海鰻(熊本県八代産、900g)のマイクロ丼 産卵は初夏~晩秋、5年~15年掛けて成熟、産卵はマリアナ海溝 海に住んでいるので臭みが無く脂のりも極上です
⑩海鰻(熊本県八代産、900g)のマイクロ丼 巨大な天然鰻で皮は厚くバリッと噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが最高でした これって1匹2.5万円位しそう
○ガリ
⑪障泥烏賊(長崎県五島列島産) 産卵は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 厚めの身は最下部に微かな歯応えを残しつつねっとり、しっかりした甘みと旨み 4日寝かせですが、7日寝かせた様な旨みは流石
⑫昆布〆白鱚(長崎県橘湾産) 産卵は初夏~秋、旬は春~夏 身の甘みに加え、皮に独特の風味があり、皮霜降りにして昆布〆で旨みを加えています 〆ずとも甘いのですが手間を掛けると更に美味
お酒④石鎚 雄町 純米(愛媛) 米品種:岡山県産備前雄町100%、精米歩合60%
⑬時鮭(ときしらず、【白鮭の青年魚、3年魚】、北海道噴火湾産) 産卵は秋、回遊している時期の白鮭で卵に栄養を取られておらず脂のりか良いのが特徴 NOT冷凍な鮭のトロッとした旨みが素晴らしい
⑭小鰭(熊本県天草産) 産卵は春、旬はそれぞれ、小鰭は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタです
⑮水茄子(大阪府泉南産) 瑞々しくスッキリと爽やかな味わい ほのかな甘みも良いですね♪
本日の日本近海本鮪、赤身と大トロは山形県庄内産、中トロは福井県敦賀湾産でした
⑯本鮪赤身(山形県庄内産、やま幸、142kg) 日本近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 軽くサシが入り状態が良い、赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリしています。
⑰本鮪中トロ(福井県敦賀湾産、やま幸、152kg) 青年期の本鮪で夏ということもあり中トロといえど脂のりは軽やか 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます
⑱本鮪大トロ(山形県庄内産、やま幸、142kg) 切り置き室温に馴染ませるので口溶けが早い、華やかで軽るくサッパリした脂の旨み、ネタが溶けと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体となっています
⑲車海老(熊本県天草産) 産卵も旬も初夏~初秋、 茹で立てをお弟子さんが熱々に耐えて剥きます 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込み、口に入れると華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑳瀬付き真鯵(島根県萩産) 産卵は春~夏、旬は秋~冬、サイズは小ぶりですが、脂のりはバッチリ、香りもとても良い 根付きは深場の大岩ですが、瀬付きは浅場の大岩で流れが早く網蝦が湧く時期は滋味が濃くなる
お酒⑤東籬(とうり) 純米吟醸酒 米品種:兵庫県吉川産山田錦100%、精米歩合55%
㉑北紫雲丹(青森県大間産、大千) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹を5秒ホールド、品のある甘みと旨みが口腔内に拡がります 微かな臭みでも明確に分かりますが、いつも通り全くの臭みゼロ
㉒赤出汁(真鯛&赤鯥&金目鯛の出汁) 真鯛は直ぐ臭みが出るので普通は焼いてから出汁を取るのですが、鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう 透明感のある深い旨みが良い
㉓煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋、旬の走り 脂がのり味わいが深い、フワフワと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけ、一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉔玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
㉕鉄火巻き 見た感じ背トロの赤身といった感じで、細かな短冊にキメ細かくサシが入っています 透明感のある脂の旨みを海苔の香りと共に楽しみます
㉖干瓢巻き 干瓢巻が登場すると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
お飲み物①緑茶
2024/06/23 更新
2024/02 訪問
流汗悟道、手の中に凝縮される生き様
陽の暖かさを感じる晩冬に博多を訪れました。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って約6年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」さんも出来、関わる人が増えたり、お弟子さんが独立しても安定したクオリティを維持されているのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いですね。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込44,000円)+お酒代でお会計は48,730円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①筍、山椒の木の芽味噌添え
②真蛸の軟らか煮
③黒鮑の酒蒸し、肝ソース添え
④紫雲丹、フレッシュキャビア、甘酢ジュレ掛け、削り柚子皮掛け、紫蘇の花載せ
⑤虎河豚、鮟肝の肝酢掛け、芽葱掛け、追加若布
⑥葱トロ軍艦巻き
⑦帆立貝柱入り出汁茶碗蒸し、解し毛蟹載せ
⑧炭火焼き虎河豚白子、湯引き真鱈白子の摺り流しソース添えの赤酢シャリのマイクロ丼
⑨裏漉し鮟肝と微塵切り奈良漬け
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、それほど甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
⑩障泥烏賊
⑪寒鮃
⑫寒鰆漬け
⑬小鰭
⑭本鮪赤身
⑮本鮪中トロ
⑯本鮪大トロ
⑰車海老
⑱牡丹海老
⑲赤出汁
⑳蝦夷馬糞雲丹軍艦巻き
㉑べったら漬け、削り黄柚子皮掛け
㉒煮朝鮮蛤
㉓蒸し穴子
㉔鉄火巻き
㉕玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
㉖干瓢巻き
お酒
①サッポロヱビスビール(生ビール、サッポロビール)
②まんさくの花 荒ばしり 純米吟醸生原酒(秋田)
③磯自慢 しぼりたて吟醸生原酒(静岡)
④飛呂喜 特別純米 生詰(福島)
常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もありません 通って約6年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています
お酒①サッポロヱビスビール(生ビール、サッポロビール)
①筍(熊本県産)、山椒の木の芽味噌添え 薄味で煮られた筍、優しい香りと甘みに先取りな春の伊吹を感じます 山椒の木の芽味噌でアクセントを加え、味わいの変化も楽しみます
お酒②まんさくの花 荒ばしり 純米吟醸生原酒(秋田) 米品種:秋田県産秋田酒こまち100%、精米歩合:50%
②真蛸(福岡県志賀島産、雌)の軟らか煮 ③黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し、肝ソース添え
②真蛸(福岡県志賀島産、雌)の軟らか煮 産卵は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強くなります 軟らかくもしっかりとした弾力、噛むほどに旨みが拡がります
③黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し、肝ソース添え 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 冬は海藻の食べている量が少なく、加熱時間が長いと物凄く縮むので、夏より蒸し時間は短め 弾力と旨みのバランスが良く秀逸
④紫雲丹(福岡県宗像産)、フレッシュキャビア、甘酢ジュレ掛け、削り柚子皮掛け、紫蘇の花載せ 紫雲丹のスッキリとした上品な甘みと旨み、フレッシュキャビアの塩みのある旨みとコクを余さず味わい尽くします
⑤虎河豚(福岡県鐘崎産)、鮟肝(北海道余市産)の肝酢掛け、芽葱掛け 虎河豚は体脂肪率4%と脂は少なくアミノ酸が多く含まれ旨みが豊か そこに鮟肝のコクを加え艶やかさを加えます
⑤鮟肝(北海道余市産)の肝酢&若布(徳島県鳴門産) 鮟肝に酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ! 若布で最後まで拭い取り楽しみ尽くします
⑥葱トロ軍艦巻き 脂ののった中落ちを葱と山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります
⑦帆立貝柱(北海道根室産)入り出汁茶碗蒸し、解し毛蟹(北海道噴火湾産)載せ 毛蟹の解し身の旨みと帆立貝柱の旨み、優しい出汁茶碗蒸しの円やかな旨みと舌触りと共に楽しみました
お酒③磯自慢 しぼりたて吟醸生原酒(静岡) 米品種:兵庫県特A地区東条産山田錦100%、精米歩合:麹米50%、掛米55%
⑧炭火焼き虎河豚白子、真鱈白子の摺り流し、赤酢シャリのマイクロ丼 炙られた虎河豚白子のモチッとした皮の下にはトロトロな上品でコクのあるクリーム、真鱈白子のコクとWで超濃厚な味わいです
⑨裏漉し鮟肝(北海道余市)と微塵切り奈良漬け 産卵は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が絶品 裏漉し鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、奈良漬けのシャキとした食感も楽しめる逸品
ガリ
⑩障泥烏賊(長崎県五島列島産、3日寝かせ) 産卵は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 3日寝かせですが微かな張りを残した仕込み 低脂肪なのでアミノ酸の旨みが主体、冬は少し脂が増すのか味わいが強くなります
⑪寒鮃(福岡県産、2kg、1日寝かせ) 産卵は冬~初夏、旬は秋~冬 旬の終盤となり脂のりも良く明確な旨みがあり、クオリティの高さが伺えます
⑫寒鰆漬け(長崎県対馬列島産、3日寝かせ) 産卵は春~夏、旬は秋~春 旬ど真ん中の寒鰆、しっかり寝かせて溶けるような舌触り、脂がしっかりのり濃厚な旨みが拡がります
⑬小鰭(熊本県天草産) 新子→小鰭→中墨→鮗、産卵は春、小鰭の旬は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが○ 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね
お酒④飛呂喜 特別純米 生詰(福島) 米品種:麹米山田錦・掛米五百万石、精米歩合:麹米50%、掛米55%
この日の本鮪は宮城県塩釜産でした
⑭本鮪赤身(宮城県塩釜産、128kg) 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 軽くサシが入っていて状態が良く赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く明確な旨みはありますがサッパリしています
⑮本鮪中トロ(宮城県塩釜産、128kg) 肴の提供中に切り分けられ室温へ戻されます 本鮪の脂は41℃で溶けるのですが、溶け出しが滑らかであっという間に濃厚な脂の旨みが艶やかに拡がります
⑯本鮪大トロ(宮城県塩釜産、128kg) 豊富なサシが入り、人肌よりも温かめのシャリが脂を活性化させ旨みに奥行きを与えています また薫りも華やかで赤酢シャリと渾然一体となりとても美味しい
⑰車海老(熊本県天草産、養殖) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 低水温だと天然ものは殆ど取れなくなります 茹で立てのプリッとした身、華やかな甘みと旨味が拡がります
⑱牡丹海老(北海道増毛産) 産卵は秋~春、旬は包卵する秋~春 身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みが強く旨みもしっかり 全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる
⑲赤出汁(寒鮃アラのお出汁) 生臭さが無いので1度焼いて使っているのかと思ったら水洗いのみ、少しでも血が残ると直ぐに臭みが出るので大変 綺麗な旨みが味わえる赤出汁はなかなかありません
⑳蝦夷馬糞雲丹(北海道厚岸産)軍艦巻き 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 雲丹を頂く時はは5秒ホールド ハッキリとした甘みと濃いめの旨み、複雑な後味に余韻を感じます
㉑べったら漬け、削り黄柚子皮掛け 甘過ぎず爽やか、少し舌をリセット
㉒煮朝鮮蛤(千葉県九十九里産) 初夏~夏が産卵期、旬は産卵前の春~初夏 非常に軟らかく煮られ、奥行きのある旨みが噛むほどに拡がります 蛤の味わいも良いのですが穏やかなツメも好み
㉓蒸し穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかい煮穴子、温かいシャリ 口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨みツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉔鉄火巻き 見出し感じ背トロの赤身といった感じで、細かな短冊にキメ細かくサシが入っています 透明感のある脂の旨みを海苔の香りと共に楽しみます
㉕玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
㉖干瓢巻き 今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
2024/02/11 更新
2023/10 訪問
ひたむきなこと、手の中で凝縮される凄み
「鮨さかい」さんは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
初訪問は2018年と5年前ですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」さんも出来、関わる人が増えても安定したクオリティを維持するのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいです。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道や東北などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いですね。
また食の好みも十人十色とは言いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込38,500円)+お酒代でお会計は43,120円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①筋子の解しイクラのマイクロ丼
②真蛸桜煮
③酒蒸し黒鮑
④蝦夷馬糞雲丹、キャビア、甘酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ
⑤葱トロ巻き(ハーフ)
⑥虎河豚、鮟肝酢掛け
⑦松茸天麩羅、酢橘添え
⑧炭火焼き赤甘鯛の西京焼き、醪味噌&胡瓜、酢橘添え
⑨鮟肝、刻み奈良漬け
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、それほど甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑩鮃
⑪赤貝
⑫春日子【血鯛の子】
⑬小鰭
⑭本鮪赤身ヅケ
⑮本鮪中トロ
⑯本鮪大トロ
⑰車海老
⑱炙り赤鯥(別称:ノドグロ)、塩
⑲赤鯥と鮃で取った出汁の合わせ味噌のお味噌汁
⑳蝦夷馬糞雲丹
㉑煮穴子、山椒
㉒玉
㉓鉄火巻き
お酒
①生ビール
②豊盃 純米吟醸 直汲み無濾過生原酒(青森)
③而今 特別純米 火入(三重)
④七本槍 無農薬純米 無有 滋賀旭(滋賀)
お酒①生ビール
①解し筋子イクラ(岩手県普代産)のマイクロ丼 フレッシュな筋子を解したイクラは薄皮が軟らかく、円やかな旨みとコクが楽しめます 削り柚子皮の香りもマッチしています やはり旬の筋子のTKGはウマい!
お酒②豊盃 純米吟醸 直汲み無濾過生原酒(青森) 米品種:豊盃米100%、精米歩合:55%
②真蛸桜煮(福岡県志賀島産) ③酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 塩、山葵
②真蛸桜煮(福岡県志賀島産) 産卵は初夏~初秋、旬は抱卵する初夏~初秋と旨みが強くなる晩秋~冬の2回 雌は軟らかな繊維質なので、食べ易く噛むほどに旨みが拡がります
③酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 軟らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減、旨みと甘みがきわだっています
④蝦夷馬糞雲丹(北海道昆布森産)、キャビア、甘酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ キャビアの塩みのある旨みとコク、蝦夷馬糞雲丹のハッキリとした甘みと濃いめの旨みを余さず味わい尽くします
⑤葱トロ(青森県大間産、173kg)巻き(ハーフ) 中トロに刻んだ芽葱を合わせて、本鮪の脂の旨みを感じつつも、すっきりとした後味に仕上げてあります
⑥虎河豚(佐賀県産)、鮟肝酢(北海道余市産)掛け 鮟肝を裏漉したものに酢を加え、トロトロなコクと旨みを天然虎河豚に加えています 円やか、かつ、濃厚な旨みに強いインパクトを覚えます
⑥鮟肝酢(北海道余市産)、若布(徳島県鳴門産) 余市の鮟肝はとても滑らかで旨みも素晴らしい 先ほどの肝酢を若布を使って拭い取る様に頂きました
⑦松茸(中国雲南省産)天麩羅、酢橘添え 中国産なので香りはそれほどでもありませんが、食感はシャキッとしています
⑧炭火焼き赤甘鯛(山口県萩産)の西京焼き、醪味噌&胡瓜、酢橘添え 赤甘鯛は身に水分が多いので脱水処理は必須、やや濃いめな味わい 皮目から芳ばしさが薫り、上品な脂が活性化して甘さが増しています
⑨鮟肝(北海道余市産)、刻み奈良漬け 産卵は春~初夏、旬は秋~春 海底に潜み遊泳しない為、肝は通年美味しい 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、どうにも止まらない美味しさ♪
お酒③而今 特別純米 火入(三重) 米品種:掛米=八反錦80%・麹米=山田錦20%、精米歩合:60%
⑩鮃(長崎県対馬列島産) 産卵は冬~初夏、旬は秋~冬 旬の走り、旨みと甘みが増してきました シャリとのバランスが絶妙です♪
⑪赤貝(山口県宇部産) 産卵は初夏~夏、旬は冬~春 瀬戸内海産の貝類や雲丹は日本海や大平洋側に比べると味わいが穏やかです 閖上の様な個性は無いですがその分だけ臭み無く食べ易い
⑫春日子【血鯛の子】(鹿児島県出水産) 手間の掛かるネタで最近はお鮨屋さんで余り提供されない 久々に丁寧な仕込みの清んだ旨みを楽しみました
⑬小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春、新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好き 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタです
⑭本鮪赤身(青森県大間産、173kg)ヅケ 近海本鮪の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 背トロに近い部位で脂がのりも良い上に赤身独特の風味があります 軽く漬けにされており、酸味は微かですが旨みを楽しみます
⑮本鮪中トロ(青森県大間産、173kg) 鮨ネタは肴の提供中に切り分けられ、提供する間までに室温へ戻されます 艶々とした脂が今にも溶けだしそうな程で、旨みが華やかです
お酒④七本槍 無農薬純米 無有 滋賀旭(滋賀) 米品種:滋賀県産滋賀旭(みたて農園)100%、精米歩合:60%
⑯本鮪大トロ(青森県大間産、173kg) 多くのサシが入っており滑らかな脂が人肌よりも温かめのシャリで、活性化し旨みに奥行きを与えています ネタと技術が渾然一体となっています
⑰車海老(大分県姫島産、養殖) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 奥の厨房で茹でたての温かな車海老 温かなシャリがググッと沈み込み、プリプリ食感の後、華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑱炙り赤鯥(別称:ノドグロ、長崎県対馬列島産)、塩 産卵は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬 脂が濃厚な上に軽く炙って旨みを引き出してあり少し強過ぎかと心配するも、表面に塗られた塩と赤酢のシャリとがマッチ
⑲赤鯥と鮃で取った出汁の合わせ味噌のお味噌汁 赤鯥の頭と骨&鮃の頭と骨の出汁なので、赤味噌であっても甘みも旨みがあり、コクと深みを楽しめます
⑳蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中産) 産卵は夏~秋、旬は初夏~夏 雲丹を頂く時はは5秒ホールド ハッキリとした甘みと濃いめの旨み、複雑な後味に余韻を感じます
㉑煮穴子(長崎県対馬列島産)、山椒 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 穴子も旬を迎え、脂がのって来ました ふわふわと柔らかい煮穴子、そして温かいシャリ 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉒玉(芝海老と摺り大和芋入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
㉓鉄火(青森県大間産、173kg)巻き 見出し感じ背トロの赤身といった感じで、細かな短冊にキメ細かくサシが入っています 透明感のある脂の旨みを海苔の香りと共に楽しみます
2023/10/29 更新
2023/07 訪問
ひたむきであること、手の中で凝縮される凄み
真夏の訪れを感じつつ博多の街へ。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って5年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」さんも出来、関わる人が増えても安定したクオリティを維持するのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいです。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道や東北などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いですね。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込38,500円)+お酒代でお会計は65,020円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
お料理
①だだちゃ豆
②真蛸の桜煮
③黒鮑の酒蒸し
④牡丹海老
⑤炭火炙り九絵
⑥北紫雲丹、オシェトラキャビア載せ、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ
⑦中落ち巻き
⑧太刀魚の薄米粉衣の天麩羅、酢橘添え
⑨炭火焼き海鰻
⑩裏漉し鮟肝、刻み奈良漬け添え
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みは控えめで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
⑪槍烏賊
⑫昆布〆白鱚
⑬時鮭(ときしらず)
⑭小鰭
⑮本鮪赤身
⑯本鮪中トロ
⑰本鮪大トロ
⑱車海老
⑲真鯵、刻み浅葱め載せ
⑳車海老の頭の出汁の赤出汁
㉑赤雲丹
㉒泉州茄子
㉓煮穴子
㉔玉
㉕干瓢巻き
お酒
①サッポロラガービール(瓶ビール、サッポロビール)
②篠峯 愛山 純米 無濾過生原酒(奈良)
③十石 祝 純米吟醸(京都)
④カラクチサムライ 山田錦 純米(福岡)
⑤サロン・ブラン・ド・ブラン2012(シャンパーニュ、フランス)
流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょう
お酒①サッポロラガービール(瓶ビール、サッポロビール)
お酒②篠峯 愛山 純米 無濾過生原酒(奈良) 米品種:兵庫県産愛山100%、精米歩合:66%
①だだちゃ豆(山形県産) 丹波黒豆と並ぶだだちゃ豆はブランド枝豆 豊潤な薫りを纏い、噛むほどに旨みと甘みが広がります
②真蛸(福岡県志賀島産・雌)の桜煮 産卵は初夏~初秋、1度目の旬は包卵する雌が主役、寿命1~2年 吸盤が整列しているので雌、雌蛸らしい軟らかな繊維と穏やかな旨みを楽しみます
③黒鮑(福岡県津屋崎産)、5時間の酒蒸し 産卵は秋~冬、旬は初夏~夏 この日は弾力を残しつつプルッとした軟らかさ、旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい!
④牡丹海老(北海道増毛産) 産卵は秋~春、旬も包卵する秋~春 全て雄で生まれ5年で性転換し全て雌になる 身はプリッとしつつもねっとり食感、甘みは強く旨みもしっかり
⑤炭火炙り九絵(佐賀県唐津産、3kg、雌) 産卵は初夏~夏、旬は冬~初夏 全て雌で生まれ、10歳10kgで雄に性転換 産卵しないサイズなので脂がのっています 炙って脂を活性化させ旨みを引き出しています
⑥北紫雲丹(北海道余市産)、オシェトラキャビア(ロシア蝶鮫、中国産)載せ、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ 北紫雲丹の品のある甘み、土佐酢ジュレが軽めの旨みをサッパリと添えています
⑦中落ち巻き(宮城県塩釜産、153kg) 適度に脂ののった中落ちを海苔細巻きに 旨みがありつつもスッキリとした後味に仕上げてあります
⑧太刀魚(神奈川県横須賀産)の薄米粉衣の天麩羅、酢橘添え 産卵期は春~秋、旬は秋~冬ですが、通年を通して脂がのっています。 薄く米粉の衣を付け炙って脂を活性化させあり口腔内で旨みが拡がります
お酒③十石 祝 純米吟醸(京都) 米品種:京都府産祝100%、精米歩合:60%
⑨炭火焼き海鰻(福岡県柳川産)【背開き】 産卵は初夏~晩秋、旬は秋~晩秋 天然鰻らしく皮は厚く噛み応えがあり皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが楽しめました でもいつもより皮が焼き過ぎで硬かった
⑩裏漉し鮟肝(北海道余市産)、刻み奈良漬け添え 産卵は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が◎ 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミー、脂のりも良く濃い旨みとコクがあり日本酒が進みます
⑪槍烏賊(福岡県鐘崎産) 産卵期は初春~夏、旬は秋~冬、寿命1年 ネットリした障泥烏賊とは異なり、張りと粘り、甘みと旨みのバランスが際立っています
⑫昆布〆白鱚(福岡県伊崎産) 産卵は初夏~秋、旬は春~夏 身の甘みに加え、皮に独特の風味があり、皮霜降りにして昆布〆で旨みを加えています
⑬時鮭(ときしらず)ヅケ【白鮭の青年魚】(北海道根室産) 産卵期は秋、時鮭(トキシラズ)は回遊している白鮭で脂のりか良いのが特徴 冷凍ではないトロサーモンの旨みを楽しみます
お酒③十石 祝 純米吟醸(京都) 米品種:京都府産祝100%、精米歩合:60%
⑭小鰭(熊本県天草産) 産卵は春。旬はそれぞれ、小鰭は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね
⑮本鮪赤身(宮城県塩釜産、天端、153kg) 日本近海の産卵は春~夏、旬は初秋~冬 軽くサシが入っていて状態が良く赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリしています
⑯本鮪中トロ(宮城県塩釜産、血合岸、153kg) 夏場の中トロで脂は軽ろやか、酸味とのバランスが良く、この時期ならではの味わい 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます
⑰本鮪大トロ(宮城県塩釜産、153kg) 夏の大トロ、サシの入り方は穏やか 華やかですが軽やかでサッパリとした脂の旨み、口の中でネタが溶けと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体となっています
お酒⑤サロン・ブラン・ド・ブラン2012(シャンパーニュ、フランス) 葡萄品種:シャルドネ 今や小売価格で20万円の高級シャンパン、無理をお願いしてテイスティングさせて頂きました 個人的には一番好き!
⑱車海老(福岡県志賀島産) 産卵は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹で立ての熱々、身はプリプリで温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せますね
⑲真鯵(鹿児島県出水産)、刻み浅葱め載せ 産卵は春~夏、旬は秋~冬 根付きの個体で脂のりが良く皮がシルバーになっているのがその証、肉厚で脂のりもバッチリで、香りもとても良いですね
⑳車海老の頭の出汁の赤出汁 車海老の香りと滋養と旨みがたっぷりと凝縮されており、じっと目を瞑って味わう これまで一度も妙な臭みや雑味を感じた事は無く、丁寧な下処理が常になされていると思う
㉑赤雲丹(佐賀県唐津産、明礬無し) 産卵は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏 舌の上に載せて5秒ホールド 穏やかで透明感のある上品な甘みと旨みがあり、スッーと溶けて上質な余韻が続きます
㉒泉州茄子(大阪府岸和田産) 瑞々しくスッキリと爽やかな味わい ほのかな甘みも良いですね♪
㉓煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵は初夏~初秋、旬は夏~秋 旬真っ只中で脂がのり味わいが深い ふわふわと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけ、一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です
㉔玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
㉕干瓢巻き 今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
2023/07/22 更新
2023/02 訪問
ひたむきであること、手の中に凝縮される凄み
冬の終わり、春の訪れを感じつつ博多の街へ。
鮨さかいサンは常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って5年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、いつも凛とした空間を保たれています。
「我逢人」さんも出来、関わる人が増えても安定したクオリティを維持するのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心につつ、味わいの構成として北海道や東北などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いですね。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込38,500円)+お酒代でお会計は44,230円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①のれそれ【穴子稚魚】、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ
②真鱈白子の摺りおろしのお椀
③筍、山椒の木の芽味噌添え【写真撮り忘れ】
④真蛸の軟らか煮
⑤黒鮑の酒蒸し
⑥虎河豚、鮟肝クリームソース掛け、芽葱のせ
⑦茹で松葉蟹解し身、蟹味噌添え
⑧炭火焼き虎河豚白子とシャリのマイクロ丼
⑨裏漉し鮟肝と微塵切り奈良漬け
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、それほど甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑩障泥烏賊
⑪真鯛
⑫小鰭
⑬本鮪赤身
⑭本鮪中トロ
⑮本鮪大トロ
⑯車海老
⑰紫雲丹
⑱赤出汁(車海老の頭と殻&鮃アラのお出汁)
⑲炭火炙り赤鯥【別称:ノドグロ】
⑳べったら漬け
㉑煮朝鮮蛤
㉒蒸し穴子
㉓玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
㉔葱トロ巻き
お酒
①生ビール
②田中六五 6513(福岡)
③而今 特別純米 無濾過生原酒(三重)
④新政 Colors Ash 亀の尾2021(秋田)
⑤真澄 山花 純米大吟醸(長野)
お酒①生ビール
①のれそれ【穴子稚魚】(高知県産)、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ 南鳥島付近の深海で産まれ、蚊取り線香の様に渦巻きになって流れを受け、黒潮に乗り戻って来ます 透明な身体らしく澄んだクリアな旨み
②真鱈白子(北海道根室産)の摺りおろしのお椀 口当たりは良くスルッと流れ込むのですが、口腔内でコクのある白子の旨みが拡がります 臭みも無く深い余韻が楽しめます
お酒②田中六五 6513(福岡) 米品種:福岡県糸島産山田錦100%、精米歩合:65%
④真蛸(福岡県志賀島産、雌)の軟らか煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強い ⑤黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏
④真蛸(福岡県志賀島産、雌)の軟らか煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強くなります 軟らかくもしっかりとした弾力、噛むほどに旨みが拡がります
⑤黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 冬は海藻の食べている量が少なく、加熱時間が長いと物凄く縮むので、夏より蒸し時間は短め 弾力と旨みのバランスが良く秀逸
⑥虎河豚(福岡県鐘崎産)、鮟肝(北海道余市産)の肝酢掛け、芽葱のせ 虎河豚は体脂肪率4%と脂は少なくアミノ酸が多く含まれ旨みが豊か そこに鮟肝のコクを加え艶やかさを加えます
⑥鮟肝(北海道余市産)の肝酢&若布(徳島県鳴門産) 鮟肝に酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ! 若布で最後まで拭い取り楽しみ尽くします
⑦茹で松葉蟹(鳥取県境港産)解し身、蟹味噌添え 解し身はしっとりとした食感、松葉蟹の香りと甘みのある旨みが一体となって口の中で拡がる 蟹味噌(肝膵臓)を組合せ、コクも合わせて楽しみます
お酒③而今 特別純米 無濾過生原酒(三重) 米品種:五百万石80%&山田錦20%、精米歩合:60%
⑧炭火焼き虎河豚白子とシャリのマイクロ丼 炙られた白子はモチッとした表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちており、シャリと一緒に濃厚な味わいを楽しみます
⑨裏漉し鮟肝(北海道余市)と微塵切り奈良漬け 産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしい 裏漉し鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、奈良漬けのシャキとした食感も楽しめる逸品
ガリ
⑩障泥烏賊(長崎県五島列島産、雄、2kg弱) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 4日寝かせですが微かな張りを残した仕込み 低脂肪なのでアミノ酸の旨みが主体ですが冬は少し脂が増すのか味わいが強い
⑪真鯛(佐賀県呼子産、雄、2kg) 産卵期は冬~春、旬は初夏~初冬 全数雌で生まれ、1kgで全数雄に性転換、2kgで雄雌同数に性転換 産卵直前期は雌は良く無いので雄、2日寝かせの妙味を味わう
お酒④新政 Colors Ash 亀の尾2021(秋田) 米品種:秋田県産亀の尾100%、精米歩合:45%
⑫小鰭 産卵期は春、小鰭は夏、出世魚、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが○ 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね
⑬本鮪赤身(宮城県石巻産、122kg) 日本近海の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味が微かにあり、旨みが華やか
⑭本鮪中トロ(宮城県石巻産、122kg) 腹上一番でたっぷりのサシ、本鮪の脂は41℃で溶けるのですが、溶け出しが滑らかであっという間に濃厚な脂の旨みが艶やかに拡がります
⑮本鮪大トロ(静岡県下田産、184kg) 本来200kg近いと筋が目立つのですが、滑らかに溶け、違和感がありません シャリは人肌より温かくより脂の旨みを感じる 薫りも豊かで、とても美味しい
お酒⑤真澄 山花 純米大吟醸(長野) 米品種:兵庫県山国産山田錦100%、精米歩合:45%
⑯車海老(熊本県天草産、養殖) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 低水温だと天然ものは殆ど取れなくなります 茹で立てのプリッとした身、華やかな甘みと旨味が拡がります
⑰紫雲丹(長崎県大浦湾産) 産卵期は春~夏、旬は春~夏 冬は小振りなものが多い 明礬無添加だから色に鮮やかさはありませんが甘みは上品で穏やか
⑱赤出汁(車海老の頭と殻&鮃アラのお出汁) 生臭さが無いので1度焼いて使っているのかと思ったら水洗いのみ、少しでも血が残ると直ぐに臭みが出るので大変 綺麗な旨みが味わえる赤出汁はなかなかありません
⑲炭火炙り赤鯥【別称:ノドグロ】(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~秋、旬は冬~春 皮目から芳ばしさが薫り、しっかりのった脂が加熱で活性化し、一段も旨みを増しています♪
お飲み物①緑茶
⑳べったら漬け、黄柚子掛け 甘過ぎず爽やか、少し舌をリセット
㉑煮朝鮮蛤(千葉県九十九里産) 初夏~夏が産卵期、旬は産卵前の春~初夏 非常に軟らかく煮られ、奥行きのある旨みが噛むほどに拡がります 蛤の味わいも良いのですが穏やかなツメも好み
㉒蒸し穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかい煮穴子、温かいシャリ 口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨みツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉓玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
㉔葱トロ巻き 脂ののった中落ちを葱と山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります
2023/02/20 更新
2022/10 訪問
秋の恵みを匠の技で。
3ヶ月ぶりの訪問、季節が進んで初秋の魚となり脂のりも良くなってきました。
ネタは九州を中心につつ、北海道や東北などの上質な魚介も提供されます。
土曜日には「鮨さかい」さん(12席)と「我逢人」さん(7席)の19席が4回転しますので、76人前も仕込む。大変なことです。
そんな状況でも安定したクオリティを維持するのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしいですね。
さてこの日も堺大将の口上により宴が始まります。
おまかせコース(税込38,500円)+お酒代でお会計は44,230円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
①鱈の白子
②筋子の解しイクラのマイクロ丼
③毛蟹解し身真薯、蟹味噌餡、土佐酢ジュレ掛け
④真蛸桜煮
⑤酒蒸し黒鮑
⑥虎河豚、鮟肝酢
⑦牡丹海老、赤雲丹、ねっとり
⑧松茸、帆立、銀杏の茶碗蒸し
⑨炭火焼き釣りきんきの西京焼き、醪味噌&胡瓜
⑩鮟肝、刻み奈良漬け
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、それほど甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑪松皮鰈
⑫石垣貝
⑬小鰭
⑭本鮪赤身
⑮本鮪中トロ
⑯本鮪大トロ
⑰車海老、海老味噌入り
⑱鯵、浅葱載せ
⑲ネギトロ軍艦
⑳赤鯥と牡丹海老の頭で取った出汁の合わせ味噌のお味噌汁
㉑炙り赤鯥、紅葉卸し
㉒蝦夷馬糞雲丹軍艦巻き
㉓穴子、山椒
㉔玉
㉕干瓢巻き
お酒
①生ビール
②産土 2021 山田錦 生酒(熊本)
③松の司 純米大吟醸 AZOLLA50 生酛造り(滋賀)
④播州一献 純米吟醸 無濾過原酒 ひやおろし(兵庫)
⑤酔鯨 純米大吟醸 高育秋あがり(高知)
いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります 13時30分になったところで堺大将の口上により宴が始まります
お酒①生ビール
お酒②産土 2021 山田錦 生酒(熊本) 米品種:山田錦100%、精米歩合:非公開
①鱈の白子(北海道根室産)、土佐酢、削りカボス皮 淡い桃白色の白子、円やかなコクと旨み、スッキリとした口当たり、サッパリとした後味♪ お見事です!
②筋子の解しイクラ(北海道根室産)のマイクロ丼 フレッシュな筋子を解したイクラは薄皮が軟らかく、円やかな旨みとコクが楽しめます やはり旬の筋子のTKGはウマい!
③毛蟹(北海道噴火湾産)解し身真薯、蟹味噌餡、土佐酢ジュレ 毛蟹の産卵期は晩秋~晩冬、若蟹から親蟹に旬が移り身の旨みが深くなります 解し身の旨みと中の蟹味噌のコクが口腔内で渾然一体となり幸せに浸ります
④真蛸桜煮(福岡県志賀島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は抱卵する初夏~初秋と旨みが強くなる晩秋~冬の2回 ⑤酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏
④真蛸桜煮(福岡県志賀島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は抱卵する初夏~初秋と旨みが強くなる晩秋~冬の2回 雌は軟らかな繊維質で、食べ易く噛むほどに旨みが拡がり、柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります
⑤酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 黒鮑は軟らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減、産卵期直前で滋養を貯め込んでおり、旨みと甘みが抜群!
⑥虎河豚(佐賀県鷹島産)、鮟肝酢 鮟肝を裏漉したものに酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ! 旨みのある天然虎河豚にジャストミート! 円やか、かつ、濃厚な旨みにKO! (o゚∀゚)=○)´3`)∴
⑥鮟肝酢(北海道余市産)、若布(徳島県鳴門産) 余市の鮟肝はとても滑らかで旨みも素晴らしい 先ほどの肝酢を若布を使って拭い取る様に頂きました。
⑦牡丹海老(北海道増毛)、赤雲丹(愛媛県産) 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春、ねっとり食感、身の甘みはしっかり 赤雲丹は主役の牡丹海老を邪魔せずに味わいを補完しています
⑧松茸(中国産)、帆立(北海道産)、銀杏の茶碗蒸し お出汁の茶碗蒸しで口あたりが非常に滑らか。 中国産なので香りはそれほどでもありませんが、食感はシャキシャキしてます。
⑨炭火焼き釣りきんき(正式名:喜知次、北海道網走産)の西京焼き、醪味噌&胡瓜添え 産卵期は晩冬~晩春、旬は秋~冬 皮下の脂のりが凄くてプルプルした食感と濃厚な旨みが印象的。
お酒③松の司 純米大吟醸 AZOLLA50 生酛造り(滋賀) 米品種:滋賀県竜王産山田錦100%、精米歩合:50%
○ガリ
⑩鮟肝(北海道余市産)、刻み奈良漬け 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしく、肝は通年美味しい 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、どうにも止まらない美味しさ♪(嬉)
⑪松皮鰈(別称:王鰈、北海道噴火湾産) 産卵期は春~初夏、旬は晩夏~冬 鮃に負けない程に脂がのり美味しいことから鰈の王様と言われるが、名に劣らぬ味わい 天然ものは稀少で九州で食べられるなんてラッキー!
お酒④播州一献 純米吟醸 無濾過原酒 ひやおろし(兵庫) 米品種:兵庫県産兵庫北錦100%、精米歩合:55%
⑫石垣貝(岩手県広田湾産) 産卵期は冬~春、旬は夏~初秋 貝の独特な香りは控えめで甘みと旨みが強い 鳥貝の様に鮮度が良いものは叩くと反射で身が締まり、鯱の様にキュッと反り返る こちらでは叩きません
⑬小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが良く好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね
⑭本鮪赤身(青森県大畑産、215kg) 近海本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 中トロに近い部位で脂がのってますが赤身独特の風味がある 軽く漬けにされており、酸味は微かでサッパリした旨みを楽しみます
⑮本鮪中トロ(青森県大畑産、215kg) 鮨ネタは肴の提供中に切り分けられ、提供する間までに室温へ戻されます。 艶々とした脂が今にも溶けだしそうな程で、旨みが華やかです。
お酒⑤酔鯨 純米大吟醸 高育秋あがり(高知) 米品種:高知県産吟の夢100%、精米歩合:55%
⑯本鮪大トロ(青森県大畑産、215kg) 複雑にサシが入り滑らかな脂を予感させます 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、旨みに奥行きを与えています ネタと技術が渾然一体となっています
⑰車海老(熊本県天草産)、海老味噌入り 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹でたての温かい車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑱根付き鯵(島根県浜田産、どんちっち鯵)、浅葱載せ 産卵期は春~初夏、旬は秋~冬 旬に入り一段と脂がのってサシが入っています 身は軟らかくも弾力があり、脂の濃厚でコクのある旨みが押し寄せてきます。
⑲ネギトロ軍艦 中トロに刻んだ芽葱を合わせて、本鮪の脂の旨みを感じつつも、すっきりとした後味に仕上げてあります。
⑳赤鯥と牡丹海老の頭で取った出汁の合わせ味噌のお味噌汁 赤鯥の頭と骨&牡丹海老の殻の出汁なので、赤味噌であっても甘みも旨みがあり、コクと深みを楽しめて嬉しいです。
㉑炙り赤鯥(長崎県対馬列島産)、紅葉卸し 産卵期は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬 脂が濃厚な上に、軽く炙って旨みを引き出してあり、少し強過ぎかと思いましたが、赤酢のシャリとマッチしてバランスが良かった
㉒蝦夷馬糞雲丹(北海道浜中)軍艦巻き 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏。 雲丹を頂く時はは5秒ホールド。 ハッキリとした甘みと濃いめの旨み、複雑な後味に余韻を感じます。
㉓穴子(長崎県対馬列島産)、山椒 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋、寿命3~7年 穴子も旬を迎え、脂がのってます ふわふわと柔らかい煮穴子、温かいシャリ 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です
㉔玉(芝海老と摺り大和芋入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
㉕干瓢巻き 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。 30代まで干瓢って何が良いの?と思っていましたが、この年になると美味しいなぁ、と思ってしまいますね。
2022/10/08 更新
2022/06 訪問
爽やかな夏の旋律、匠の技を心行くまで
半年ぶりの訪問、コロナ禍後は鮨さかいサンはかなり予約困難になったので間が開きました。
博多の街を歩くのも足取りは軽やか。
夏だし海鰻あるかな?
運が良ければ樺太鱒のイクラも・・・などと妄想ばかり膨らみます。
必ず出るとは限らないネタがあるのも夏ならでは。
なんて考える内に鮨さかいサンに到着。
この時期は産卵期や産卵後の魚が多くお鮨屋さんや日本料理屋さんには難しい時期なのですが、上質な魚を匠の技術で仕込み、極上の美味しさで提供して下さいました!
堺大将の口上により宴が始まります。
お料理(税込38,500円)+お酒代(税込8,580円)の合計でお会計は47,080円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さま、幸せでした。
肴
①蓴菜、土佐酢
②毛蟹、鰹節&羅臼昆布出汁のジュレ、紫蘇の花載せ削り青柚子皮掛け、
③真蛸の桜煮
④蒸し黒鮑
⑤真鯛
⑥炭火炙り九絵
⑦赤雲丹
⑧牡丹海老
⑨太刀魚、薄米粉衣の揚げ物
⑩海鰻のマイクロ丼
⑪鮟肝&刻んだ奈良漬
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅す。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
⑫障泥烏賊
⑬縞鯵ヅケ
⑭小鰭
⑮本鮪赤身ヅケ
⑯本鮪中トロ
⑰本鮪大トロ
⑱車海老
⑲根付き真鯵
⑳本鮪中落ち軍艦巻き
㉑赤出汁(真鯛&牡丹海老の出汁)
㉒赤蕪の漬け物
㉓炙り赤鯥
㉔北紫雲丹
㉕煮穴子
㉖干瓢巻き
㉗玉
お酒
①生ビール
②日日 山田錦(京都)
③而今 特別純米 火入れ(三重)
④ヤマサン正宗 佐香錦 純米吟醸(島根)
⑤天の戸 純米大吟醸45(秋田)
⑥白糸35 純米大吟醸(福岡)
⑦日高見 弥助 芳醇辛口純米吟醸(宮城)
○●○●○
写真用解説【興味のある人だけお読み下さい】
店内装飾
流汗悟道(りゅうかんごどう)
「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」
堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょうね。
①蓴菜(広島県黒瀬産)、土佐酢
広島県黒瀬産の蓴菜は2018年(平成30年)の豪雨で栽培池に土砂が入り収穫量が半減
山間の一番上の溜池で作るので水が綺麗でゼリー質のプルプル感が違う極上品
②毛蟹(北海道噴火湾産)、鰹節&羅臼昆布出汁のジュレ、紫蘇の花載せ削り青柚子皮掛け
産卵期は晩秋~晩冬、春~夏の若い毛蟹は甘みと身の軟らかいのが特徴
解し身から拡がる甘みと旨みに出汁ジュレが深みを加え、紫蘇の花でアクセントを削り青柚子皮で爽やかさを加えています。
羅臼昆布は山脈の様に旨みの山が次々とくる様な複雑な旨みがあり後味が複雑でジュレに向いている様に感じます。
③真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮
産卵期は初夏~初秋、1度目の旬は包卵する雌が主役、寿命1年
雌蛸らしい軟らかな繊維と穏やかな旨みを楽しみます。
雄は吸盤の大きさがランダムで筋肉質で弾力がしっかりありしっかり噛んで食べると強い旨みが拡がる、一方、雌は身体のサイズが雄より大きくなる個体が多く、また吸盤の大きさが揃い規則的に並んでおり繊維が軟らかく穏やかな旨みが拡がります。
④蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)
黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏
プルプルしそうな軟らかさ、旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい!
厚みのある切りつけで食感が十分に楽しめます。
春先よりも長い蒸し時間で仕上げてありそうです。
⑤真鯛(福岡県姪浜産、3.5kg、朝〆)
産卵期は春~初夏、旬は秋~晩冬
全て雌で生まれ、40cmになると全て雄に性転換、更に50cmになるタイミングで雄と雌が同数になる比率で半分が雌に性転換します
九州は産卵が早く回復期で脂のりも良い。
朝〆のコリコリとした食感を楽しむ仕上げ、寝かせが短い時間なので甘みや旨みを語る仕込みとは異なります。
⑥炭火炙り九絵(佐賀県唐津産、3kg、雌、2日寝かせ)
産卵期は初夏~夏、旬は冬~初夏。
全て雌で生まれ、10歳になり10kgを超える前後で雄に性転換
雌ですが産卵しないサイズなので産卵期ですが脂のりがのっています。
炙って脂を活性化させて脂の旨みを引き上げてから、酢橘を搾ってさっぱりと頂きました
⑦赤雲丹(佐賀県唐津産、明礬有り)
産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏
舌の上に載せて5秒ホールド。
穏やかで透明感のある上品な甘みがあり、明礬が入ることで脱水され旨みが濃くなって後味がキリッとした輪郭が浮かびあがります。
しかし明礬無添加の方が好みです。
⑧牡丹海老(北海道増毛産)
産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。
身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みは強く旨みもしっかり。
全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる。
⑨太刀魚(熊本県八代産)、薄米粉衣の揚げ物
産卵期は春~秋、旬は秋~冬ですが、通年を通して脂がのっています。
薄く米粉の衣を付け炙って脂を活性化させあり口腔内で旨みが拡がります
⑩海鰻(熊本県八代産)のマイクロ丼
産卵期は明確には不明ですが初夏~晩秋。
5年~15年掛けて成熟し、産卵に適した時期に外洋に出ます。
旬は秋~晩秋ですが水温が下がると取れなくなります。
天然鰻らしく皮は厚く噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが楽しめました。
⑪鮟肝(北海道余市産)&刻んだ奈良漬
産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしい。
裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミー、コクがあり日本酒が進みます。
直ぐに全てを食べずにチョコチョコと最後まで取り置きながら頂きます。(嬉)
流石に夏なので脂のりはややさっぱり系の鮟肝でした。
⑫障泥烏賊(長崎県五島列島産、3日寝かせ)
産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年
雌は1kgまでそれ以上大きいのは雄です。
厚めの身は少しの歯応えを残しつつねっとり、しっかりした甘みを感じました。
5日くらい寝かせた様な旨みは流石でした。
⑬縞鯵(長崎県五島列島産、2.5kg)ヅケ
産卵期は秋~冬、旬は夏~秋。
美しい脂の入り方、寝かせてあり旨み&甘みの引き出しが素晴らしいですね。
スッキリとした後味で軽やかです。
⑭小鰭(熊本県天草産)
産卵期は春。旬はそれぞれ、新子は初夏。
小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名。
小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年。
塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです。
魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね。
⑮本鮪赤身ヅケ(鳥取県境産、83kg)
日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。
軽くサシが入っていて状態が良く赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリしています。
⑯本鮪中トロ(鳥取県境産、83kg)
青年期の本鮪で夏場なので中トロといえど脂のりは軽やか。
人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
⑰本鮪大トロ(宮城県塩釜産、93kg)
青年の本鮪ですがサシの入り方は素晴らしい。
華やかですが軽やかでサッパリとした脂の旨み、口の中でネタが溶けと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体となっています。
⑱車海老(福岡県志賀島産)
産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。
奥の厨房で茹でたての温かい車海老。
お弟子さんが熱々を一生懸命剥いている様です。
車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます。
車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
天然は朱色のドットが鮮やかで、養殖はドットが滲み茶色が混じる事が多い。
⑲根付き真鯵(島根県浜田産)
産卵期は春~夏、旬は秋~冬。
どんちっち鯵ですね♪
肉厚で脂のりもバッチリでした。
鯵の香りもとても良いですね。
基本的に鮨さかいサンは根付きを仕入れているそうで、なるほど他で食べるどんちっち鯵とは旨みが全然違うと以前から思っていたのですが、謎が解けました。
⑳本鮪中落ち軍艦巻き
適度に脂ののった中落ちを芽葱と合わせて、旨みがありつつも、すっきりとした後味に仕上げてあります。
㉑赤出汁(真鯛&牡丹海老の出汁)
真鯛は直ぐ臭みが出るので普通は焼いてから出汁を取るのですが、鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう。
牡丹海老の旨みと香りに真鯛の上品な旨みが加わっており、良いコクと深みを感じます。
㉒赤蕪の漬け物
パッと見は本鮪の中トロみたいにも見えますが、赤蕪です。(笑)
瑞々しくスッキリとしながら甘みがしっかり。
㉓炙り赤鯥(長崎県対馬列島産、紅瞳、雌)
産卵期は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬
雌なので雄より脂のりはサッパリとして身も軟らかめでお鮨に向いている気がします。
軽く炙って脂の旨みを引き出してあります。
㉔北紫雲丹(青森県大間産)
北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏。
大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です!
北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります。
個人的には海苔の無い握りの方が好み。
㉕煮穴子(長崎県対馬列島産)
産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋。
旬真っ只中で脂がのり味わいが深い
ふわふわと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます。
一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です。
㉖干瓢巻き
今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります。
海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
㉗玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
お酒①生ビール
お酒②日日 山田錦(京都)
米品種:兵庫県東条産山田錦100%、精米歩合:非公開
お酒③而今 特別純米 火入れ(三重)
米品種:八反錦80%・山田錦20%、精米歩合:60%
お酒④ヤマサン正宗 佐香錦 純米吟醸(島根)
米品種:島根県産佐香錦100%、精米歩合:60%
お酒⑤天の戸 純米大吟醸45(秋田)
米品種:非公開、精米歩合:45%
お酒⑥白糸35 純米大吟醸(福岡)
米品種:非公開、精米歩合:35%
お酒⑦日高見 弥助 芳醇辛口純米吟醸(宮城)
米種:宮城県産蔵の華100%、精米歩合:50%
店内装飾 流汗悟道(りゅうかんごどう) 「人間は汗を流して体験して、本当の事が見えてくる」 堺大将の鮨の道を照らす言葉なのでしょうね。
お酒①生ビール
①蓴菜(広島県黒瀬産)、土佐酢 広島県黒瀬産の蓴菜は2018年(平成30年)の豪雨で栽培池に土砂が入り収穫量が半減 山間の一番上の溜池で作るので水が綺麗でゼリー質のプルプル感が違う極上品
お酒②日日 山田錦(京都) 米品種:兵庫県東条産山田錦100%、精米歩合:非公開
②毛蟹(北海道噴火湾産)、鰹節&羅臼昆布出汁のジュレ、紫蘇の花載せ削り青柚子皮掛け 産卵期は晩秋~晩冬、春~夏の若い毛蟹は甘みと身の軟らかいのが特徴 解し身から拡がる甘みと旨みに出汁ジュレで深みを付加
③真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、1度目の旬は包卵する雌が主役、寿命1年 ④蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏
③真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮 雌蛸らしい軟らかな繊維と穏やかな旨みを楽しみます。 雌は吸盤の大きさが揃い規則的に並んでおり繊維が軟らかく穏やかな旨みが拡がります。
④蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) プルプルしそうな軟らかさ、旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい! 厚みのある切りつけで食感が十分に楽しめます。 春先よりも長い蒸し時間で仕上げてありそうです。
⑤真鯛(福岡県姪浜産、3.5kg、朝〆) 産卵期は春~初夏、旬は秋~晩冬 ⑥炭火炙り九絵(佐賀県唐津産、3kg、雌、2日寝かせ) 産卵期は初夏~夏、旬は冬~初夏。
⑤真鯛(福岡県姪浜産、3.5kg、朝〆) 九州は産卵が早く回復期で脂のりも良い。 朝〆のコリコリとした食感を楽しむ仕上げ、寝かせが短い時間なので甘みや旨みを語る仕込みとは異なります。
⑥炭火炙り九絵(佐賀県唐津産、3kg、雌、2日寝かせ) 雌ですが産卵しないサイズなので産卵期ですが脂のりがのっています 炙って脂を活性化させて脂の旨みを引き上げてから、酢橘を搾ってさっぱりと頂きました
お酒③而今 特別純米 火入れ(三重) 米品種:八反錦80%・山田錦20%、精米歩合:60%
⑦赤雲丹(佐賀県唐津産、明礬有り) 産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏 ⑧牡丹海老(北海道増毛産) 産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。
⑦赤雲丹(佐賀県唐津産、明礬有り) 産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏 穏やかで透明感のある上品な甘みがあり、明礬が入ることで脱水され旨みが濃くなって後味がキリッとした輪郭が浮かびあがります
⑧牡丹海老(北海道増毛産) 産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 身はプリプリとしつつもねっとり食感、甘みは強く旨みもしっかり。 全て雄で誕生、5年で性転換し全て雌になる。
⑨太刀魚(熊本県八代産)、薄米粉衣の揚げ物 産卵期は春~秋、旬は秋~冬ですが、通年を通して脂がのっています。 薄く米粉の衣を付け炙って脂を活性化させあり口腔内で旨みが拡がります
お酒④ヤマサン正宗 佐香錦 純米吟醸(島根) 米品種:島根県産佐香錦100%、精米歩合:60%
⑩海鰻(熊本県八代産)のマイクロ丼 産卵期は初夏~晩秋、寿命は5年~15年 旬は秋~晩秋ですが水温が下がると漁獲されない 天然鰻らしく皮は厚く噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが○
⑪鮟肝(北海道余市産)&刻んだ奈良漬 産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしい。 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミー、コクがあり日本酒が進みます 流石に夏なので脂のりはややさっぱり系の鮟肝でした
⑫障泥烏賊(長崎県五島列島産、3日寝かせ) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 厚めの身は少しの歯応えを残しつつねっとり、しっかりした甘みを感じました。 5日くらい寝かせた様な旨みは流石でした。
お酒⑤天の戸 純米大吟醸45(秋田) 米品種:非公開、精米歩合:45%
⑬縞鯵(長崎県五島列島産、2.5kg)ヅケ 産卵期は秋~冬、旬は夏~秋。 美しい脂の入り方、寝かせてあり旨み&甘みの引き出しが素晴らしいですね。 スッキリとした後味で軽やかです。
⑭小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。旬はそれぞれ、新子は初夏。 小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名。 小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年。 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです。
⑮本鮪赤身ヅケ(鳥取県境産、83kg) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。 軽くサシが入っていて状態が良く赤身独特の風味があり、軽めの漬けで酸味が程好く旨みはありますがサッパリしています。
お酒⑥白糸35 純米大吟醸(福岡) 米品種:非公開、精米歩合:35%
⑯本鮪中トロ(鳥取県境産、83kg) 青年期の本鮪で夏場なので中トロといえど脂のりは軽やか。 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
⑰本鮪大トロ(宮城県塩釜産、93kg) 青年の本鮪ですがサシの入り方は素晴らしい 華やかですが軽やかでサッパリとした脂の旨み、口の中でネタが溶けと同時にシャリも解け、ネタと技術が渾然一体となっています
⑱車海老(福岡県志賀島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。 奥の厨房で茹でたての温かい車海老。 ぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます。 華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
お酒⑦日高見 弥助 芳醇辛口純米吟醸(宮城) 米種:宮城県産蔵の華100%、精米歩合:50%
⑲根付き真鯵(島根県浜田産) 産卵期は春~夏、旬は秋~冬。 どんちっち鯵ですね♪ 肉厚で脂のりもバッチリでした。 鯵の香りもとても良いですね。 基本的に鮨さかいサンは根付きを仕入れているそう。
⑳本鮪中落ち軍艦巻き 適度に脂ののった中落ちを芽葱と合わせて、旨みがありつつも、すっきりとした後味に仕上げてあります。
㉑赤出汁(真鯛&牡丹海老の出汁) 鮨さかいサンでは洗いで細かな血などを徹底的に取り除くそう。 牡丹海老の旨みと香りに真鯛の上品な旨みが加わっており、良いコクと深みを感じます。
㉒赤蕪の漬け物 パッと見は本鮪の中トロみたいにも見えますが、赤蕪です。(笑) 瑞々しくスッキリとしながら甘みがしっかり
㉓炙り赤鯥(長崎県対馬列島産、紅瞳、雌) 産卵期は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬 雌なので雄より脂のりはサッパリとして身も軟らかめでお鮨に向いている気がします。 軽く炙って脂の旨みを引き出してあります。
㉔北紫雲丹(青森県大間産) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏。 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です! 北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります。 個人的には海苔の無い握りの方が好み。
㉕煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 旬真っ只中で脂がのり味わいが深い ふわふわと軟らかく、口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉖干瓢巻き 今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります。 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
㉗玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
2022/06/29 更新
2021/12 訪問
師走の博多、安定の美味しさ♪
久しぶりの博多、久しぶりの鮨さかいサン。
最近は大阪に拠点を移したこともあり、訪問頻度が落ちてしまいました。
寒くなり魚は脂がのり、食べ歩きするには良い季節かもです。
海の中は2週間から1ヶ月ほど季節進行がズレるので、晩秋の魚といった感じですね。
鮨さかいサンは奥の個室に加え、3階の我逢人さんとかなり席数が増え仕込みの量も倍増しているご様子。
そうなるとクオリティを保つ為に定番化が進み、「おっ!」というネタとの出会いが少なくなるのが、残念なところ。
それでも安定して美味しいのは、通う立場になると有難いですね。
今回は肴と握りが混在する「海味」スタイルとなってました。
写真に簡単な解説を付けています。
お会計は47,650円也。
ご馳走さまでした。
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
本日のメニュー
①(肴)青海鼠の土佐酢和え、削り柚子皮
②(肴)真蛸の桜煮
③(肴)筋子解しイクラのマイクロ丼
④(鮨)寒鮃(2kg、1日寝かせ)
⑤(肴)紫雲丹(明礬無添加)&フレッシュキャビア
⑥赤貝
⑦虎河豚、裏漉し鮟肝掛け、芽葱載せ
⑧(鮨)寒鰆(8kg、3日寝かせ)
⑨(鮨)小鰭(1日寝かせ)
⑩(肴)松葉蟹、蟹味噌和え
⑪(肴)香箱蟹のマイクロ丼
⑫(鮨)本鮪赤身ヅケ
⑬(鮨)本鮪中トロ
⑭(鮨)本鮪大トロ
⑮(肴)炭火焼き赤甘鯛、酢橘添え
⑯(鮨)車海老
⑰(鮨)〆真鯖&大葉、白昆布載せ、削り柚子皮掛け
⑱(鮨)蝦夷馬糞雲丹軍艦巻き
⑲お味噌汁(松葉蟹で取った赤出汁)
⑳(鮨)本鮪中落ち(208kg)と芽葱の軍艦巻き
㉑(鮨)煮真穴子
㉒玉(芝海老と大和芋入り)
㉓干瓢巻き
お酒
①生ビール(プレミアムモルツ、サントリー)
②産土 2021 山田錦 生酛造り(熊本)
③山形正宗 純米吟醸 山田錦(山形)
④飛露喜 特別純米 生詰(福島)
⑤辛口純吟 くどき上手 生詰(山形)
お酒①生ビール(プレミアムモルツ、サントリー)
①(肴)青海鼠(福岡県能古島産)の土佐酢和え、削り柚子皮 産卵期は春~初秋、旬は冬 海鼠は赤、黒、青とあるが生息域が違うだけで全て同じ真海鼠、味わいは赤>青>黒の順 コリッと弾力があり海鼠らしい食感
お酒②産土 2021 山田錦 生酛造り(熊本) 米品種:熊本県菊池川流域和水地区産山田錦100%、精米歩合:非公開
②(肴)真蛸(福岡県志賀島産・雌)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強い 吸盤が整列している雌、繊維が軟らかくしっとりとした弾力、そして旨み 青柚子の香りが喉から鼻に立ち登る
③(肴)筋子解しイクラ(岩手県普代産)のマイクロ丼 フレッシュな筋子をほぐしたイクラは円やかな旨みとコクが楽しめました 今年は寒冷性の赤潮で鮭が激減イクラは超貴重
④(鮨)寒鮃(福岡県糸島産、2kg、1日寝かせ) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 旬の脂がのり、旨み&甘みが深い 朝〆ですが活かりを抑え旨みを引き出しています
⑤(肴)紫雲丹(長崎県大村産、明礬無添加)&フレッシュキャビア(フランス産、オシェトラ) 紫雲丹の産卵期は初夏~晩夏、旬は初夏~晩夏 北紫雲丹よりも弱く穏やかな甘みが特徴 後味に雑味が無くスッキリ
お酒③山形正宗 純米吟醸 山田錦(山形) 米品種:兵庫県産山田錦100%、精米歩合50%
⑥赤貝(山口県宇部産) 産卵期は初夏~夏、旬は冬~春 瀬戸内海産の貝類や雲丹は日本海や大平洋側に比べると味わいが穏やか 閖上の様な個性は無いが、臭み無く食べ易い
⑦虎河豚(福岡県鐘崎産)、裏漉し鮟肝(北海道余市産)掛け、芽葱載せ 裏漉しの鮟肝に酢を加えた鮟肝マヨネーズ! 旨みのある天然虎河豚にジャストミート! 円やか、かつ、濃厚な旨みにKO!
⑧(鮨)寒鰆(長崎県対馬列島産、8kg、3日寝かせ) 産卵期は春~初夏、旬は秋~冬 身が軟らかく3日寝かせで脂が熟成され、マッタリとした旨みを感じます
⑨(鮨)小鰭(熊本県天草産、1日寝かせ) 産卵期は春、新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好き、脂も適度にのって美味しい
⑩(肴)松葉蟹(鳥取県境港産)、蟹味噌和え 産卵期は晩冬、旬は晩秋~晩冬、雌の漁期は11月上旬~1月上旬、雄の漁期は11月上旬~3月中旬 豊潤な身の旨みと蟹味噌のほろ苦さな旨みが融合しています
⑪(肴)香箱蟹(鳥取県境港産)のマイクロ丼 内子、脚の身、本体の身、外子を混ぜた状態で提供されます 脚の身の旨みと甘み、内子の甘みとほんのりとした苦味、外子のプチプチ食感、旬の味わいですね♪
お酒④飛露喜 特別純米 生詰(福島) 米品種:山田錦・五百万石、精米歩合55%
⑫(鮨)本鮪赤身ヅケ(北海道戸井産、延縄、やま幸、208kg) 日本近海での産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽く漬けにされておりますが、酸味は仄かにあり、旨みが華やかです
⑬(鮨)本鮪中トロ(北海道戸井産、延縄、やま幸、208kg) 200kgを超える本鮪、脂のりがしっかり この冬一番の中トロでした 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えます
⑭(鮨)本鮪大トロ(北海道戸井産、延縄、やま幸、208kg) ネタを常温に戻し、口に入れると溶け始めます 本鮪らしい酸味が感じられ、脂の旨みと薫りが引き立ちます でも個人的には大トロより中トロかな
⑮(肴)炭火焼き赤甘鯛(山口県萩産)、酢橘添え 産卵期は初夏~秋、旬は晩秋~晩春 雌で産まれて大型化すると雄に性転換 白甘鯛は上品な旨み&甘み、赤甘鯛は濃いめな旨み&甘みが特徴 上手に焼いてあります
お酒⑤辛口純吟 くどき上手 生詰(山形) 米品種:岡山県雄町100%、精米歩合50%
⑯(鮨)車海老(熊本県天草産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 奥の厨房で茹でたての温かい車海老 ぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込む 華やかな甘みと旨味が押し寄せます
⑰(鮨)〆真鯖(韓国済州島産)&大葉、白昆布載せ、削り柚子皮掛け 産卵期は春~初夏、旬は秋~冬 サシの入った身は柔らかくも弾力があり、脂のりが濃厚でコクのある旨みが押し寄せてきます
⑱(鮨)蝦夷馬糞雲丹(北海道根室産)軍艦巻き 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏 舌の上にのせ5秒ホールドして味わいます 濃厚な甘みとコク、後味に複雑な雑味を少し顔を出す蝦夷馬糞雲丹らしい味わい
⑲お味噌汁(松葉蟹で取った赤出汁) 松葉蟹の殻から取った出汁は旨みが濃厚 生臭さが無いので、一度焼いてから使っているかと思ったら、全て洗いのみで使っているそう 凄く丁寧に洗う必要があり仕込みは大変そう
⑳(鮨)本鮪中落ち(北海道戸井産、延縄、やま幸、208kg)と芽葱の軍艦巻き 脂ののった中落ちを山葵と合わせたすっきり後味仕上げ 個人的には本鮪尽くしでなくても良いかな
㉑(鮨)煮真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 旬を迎え脂がのり、ふわふわと軟らかく口の中に入れた瞬間にシャリが解れ、旨みが拡がる ツメも濃過ぎず軽やかな後味
㉒玉(芝海老と大和芋入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
㉓干瓢巻き 海苔の薫りが素晴らしく、握りっていない分だけ赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
【お土産】ちらし寿司(税込1万円) 本日のネタがぎっしり詰まったちらし寿司 妻がもの凄い勢いで食べました (((*≧艸≦)ププッ
2022/02/26 更新
2021/07 訪問
爽やかな夏の旋律、匠の技を快くまで
半年ぶりの訪問、久しぶりの本格的なお鮨。
博多の街を歩くのも足取りは軽やか。
夏だし海鰻あるかな?
運が良ければ樺太鱒のイクラも・・・などと妄想ばかり膨らみます。
必ず出るとは限らないネタがあるのも夏ならでは。
なんて考える内に鮨さかいサンに到着。
堺大将の口上により宴が始まります。
おまかせコース(税込33,000円)
この時期は産卵期や産卵後の魚が多くお鮨屋さんや日本料理屋さんには難しい時期なのですが、上質な魚を匠の技術で仕込み、極上の美味しさで提供して下さいました!
お会計は37,510円也。
写真に解説を付けております。
ご馳走さまでした。
肴
(01)新銀杏の塩茹で
(02)真蛸の桜煮
(03)蒸し黒鮑
(04)毛蟹、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ
(05)炙り九絵(4日寝かせ)
(06)蝦夷馬糞雲丹のマイクロ丼
(07)赤雲丹&キャビア
(08)やいと鰹のたたき
(09)鮟肝&刻み奈良漬け
(10)炭火焼き海鰻
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(11) 障泥烏賊
(12)時鮭)ヅケ
(13)小鰭
(14)つぶ貝
(15)泉州茄子
(16)本鮪赤身ヅケ
(17)本鮪中トロ(
(18)本鮪大トロ
(19)車海老
(20)真鯵
(21)北紫雲丹の軍艦(海苔:愛知県三河産)
(22)本鮪中落ちのネギトロ軍艦
(23)赤出汁(車海老&毛蟹出汁)
(24)煮穴子
(25)玉
(26)干瓢巻き
お酒
①生ビール
②而今 純米特別 火入れ(三重)
③クラシック仙禽 無垢(栃木)
④石槌 純米 土用酒(愛媛)
⑤飛露喜 特別純米(福島)
店内は凛とした設えに風格があり程好い緊張感があります そこに穏やかな雰囲気を纏った堺さんが登場すると場が和みます 堺大将の口上により宴が始まります
お酒①生ビール:プレミアムモルツ
(01)新銀杏(熊本県玉名産)の塩茹で 玉名産の銀杏は渋みが少なく青い甘さを感じるので好みです♪
(02)真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮 (03)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)
(02)真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、旬は抱卵する初夏~初秋と旨みが強くなる晩秋~冬の2回 今回の真蛸はサイズが小さく、旨みが穏やか 軟らかくもしっかりとした弾力
(03)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 黒鮑は柔らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減 厚みのある切りつけで食感が楽しめます 旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい!
お酒②而今 純米特別 火入れ(三重) 米品種:八反錦80%、山田錦20%、精米歩合60%
(04)毛蟹(北海道噴火湾産)、土佐酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ 産卵期は晩秋~晩冬、春から秋にかけて身が柔らかく甘みのある若い毛蟹が楽しめます 土佐酢ジュレでさっぱりと頂きました
(05)炙り九絵(佐賀県唐津産、3kg、4日寝かせ、雌) 産卵期は初夏~夏、旬は冬~初夏 産卵期なので脂のりは穏やか 炙って脂を活性化させて脂の旨みを引き上げてから、酢橘を搾ってさっぱりと頂きました
(06)蝦夷馬糞雲丹(北海道利尻産)のマイクロ丼 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏 最初は舌の上に5秒ホールドして堪能 濃厚な甘みの後にほのかに雑味が訪れます 上質な蝦夷馬糞雲丹の特徴が出ています
(07)赤雲丹(佐賀県唐津産)&キャビア(フランス産) 産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏。 透明感のある上品な甘みが特徴ですが、唐津の赤雲丹はより甘みと旨みが強め 最初は舌の上に5秒ホールドして堪能
(08)やいと鰹(正式名:スマ)のたたき 産卵期は初夏~夏、旬は秋~春ですが、通年、味わいは落ちない 鰹と鮪の中間に存在する種族で鰹よりも脂がのり旨みがあります
お酒③クラシック仙禽 無垢(栃木) 米品種:栃木県さくら産山田錦100%、精米歩合50%
(09)鮟肝(北海道余市産)&刻み奈良漬け 産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしい 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、奈良漬けのシャキとした食感も楽しめる逸品
(10)炭火焼き海鰻(熊本県天草産)の白焼き お酒④石槌 純米 土用酒(愛媛)
お酒④石槌 純米 土用酒(愛媛) 米品種:愛媛県産松山三井100%、精米歩合60%
(10)炭火焼き海鰻(熊本県天草産)の白焼き 産卵期は初夏~晩秋、天然物は5年~15年掛けて成熟します 天然鰻らしく皮は厚く噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが楽しめました
(11) 障泥烏賊(長崎県五島列島産、3kg、雄、5日寝かせ) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏。、寿命1年 雌は1kg迄、2kg以上は雄 寝かせが入って軟らかさが増し、モチモチとした食感で甘みも強い
(12)時鮭(北海道昆布森産、3年魚)ヅケ 産卵期は秋 時鮭(トキシラズ)は回遊している白鮭で脂のりか良いのが特徴 脂の旨み、冷凍ではないトロサーモンの食感 桜鱒よりも濃い味わい、うっとりです
(13)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春、小鰭の旬は夏、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタ
(14)つぶ貝(正式名:蝦夷法螺)(北海道産) 産卵期は秋~春、旬は春 潮の香り、しっかりした強い甘味、コリコリとした食感だが、硬過ぎず食べ易い 鮮度が良くないと握りに出来ないのですが、流石ですね
(15)泉州茄子(大阪府岸和田産) 瑞々しくスッキリと爽やかな味わい ほのかな甘みも良いですね♪
(16)本鮪赤身(宮城県塩釜産、やま幸、103kg、旋網、7日熟成)ヅケ 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味があり、軽く漬けにされておりますが、酸味は微かで旨みが華やかです
(17)本鮪中トロ(宮城県塩釜産、やま幸、103kg、旋網、7日熟成) 本鮪の脂は40℃で融ける為、人肌よりも温かめのシャリが中トロの脂を活性化させまさにトロけます 沁々と染み入るような優しい美味しさ
(18)本鮪大トロ(宮城県塩釜産、やま幸、103kg、旋網、7日熟成) 夏の本鮪は脂のりは軽め 青年の本鮪ですが素晴らしく、人肌より温かいシャリで脂が蕩けます ネタと技術が渾然一体となっています
お酒⑤飛露喜 特別純米(福島) 米品種:山田錦・五百万石、精米歩合55%
(19)車海老(熊本県天草産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 茹でたての温かい車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます
(20)真鯵(島根県浜田産) 産卵期は春~夏、旬は秋~冬 どんちっち鯵ですね♪ 産卵は春なので魚の状態も回復し、肉厚で脂のりもバッチリ 鯵の香りもとても良いですね
(21)北紫雲丹(北海道天売島産)の軍艦(海苔:愛知県三河産) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です! シャリのほどけを楽しみ、北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります
(22)本鮪中落ち(宮城県塩釜産、やま幸、103kg、旋網、7日熟成)のネギトロ軍艦 脂ののった中落ちを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります
(23)赤出汁(車海老&毛蟹出汁) 香りを嗅ぐと甲殻類のエキスが詰まった香りがしましたので、お伺いしたところ車海老&毛蟹で出汁を取られたそう 丁度良いコクと深みで嬉しいです
(24)煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 旬真っ只中で脂がのり味わいが深い ふわっと軟らかく口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨みツメも濃過ぎず軽やかな後味
(25)玉 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です
(26)干瓢巻き 海苔の薫りが素晴らしく、干瓢は甘辛煮だと思うのですが、味わいの主張は控えめで、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます
2021/07/25 更新
2021/02 訪問
九州の冬の旬、匠の技で安定の美味しさ
3ヶ月ぶりの訪問、緊急事態宣言下で博多の街は随分と人通りが減っています。
飲食店への逆風が吹き荒れていますね。
さて3年続いた食べログ・ゴールドから2021年は食べログ・シルバーへ。
恐らくガックリきたことと思いますが、そんな素振りは微塵も無く、いつも通りに堺さんの口上により宴が始まります。
一喜一憂せず、すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ということで、この日も以前と変わらず美味しい肴とお鮨を頂きました。
おまかせ+お酒代+消費税の合計でお会計は36,000円くらいだったかしら。
ご馳走さまでした。
写真に解説を付けています。
肴
(01)炭火炙り阿古屋貝(アコヤガイ)の貝柱、甘酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ
(02)真蛸の桜煮
(03)黒鮑の酒蒸し
(04)松葉蟹の身と蟹味噌和え
(05)鮃
(06)紫雲丹
(07)巨頭鯨(ゴンドウクジラ)のさえずり
(08)虎河豚の身と皮、鮟肝ソース掛け
(09)炭火炙り自家製唐墨
(10)鮟肝の裏漉し、刻み奈良漬け
(11)炭火焼き虎河豚白子のマイクロ丼
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みは控えめで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
(12)障泥烏賊(アオリイカ)
(13)赤鯥ヅケ
(14)小鰭
(15)赤貝
(16)本鮪赤身ヅケ
(17)本鮪大トロ
(18)本鮪大トロ
(19)車海老
(20)煮蛤
(21)松葉蟹出汁の赤出汁
(22)北紫雲丹
(23)煮真穴子
(24)中トロ巻き
(25)玉
(26)干瓢巻き
①生ビール
②開運 無濾過純米 にごり酒 愛山(静岡)
③石槌 無濾過純米(愛媛)
④天吹 大吟醸 冬色 新米新酒生(佐賀)
⑤黒龍 大吟醸(福井)
いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
お酒①生ビール
(01)炭火炙り阿古屋貝の貝柱、甘酢ジュレ掛け、紫蘇の花載せ 真珠養殖に利用される「真珠母貝」の一つ 産卵期は初夏〜初秋、旬は冬、性転換します 程好いコリッ感、加熱により旨みが活性化しています
(02)真蛸(福岡県志賀島産・雌)の桜煮 (03)黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し
(02)真蛸(福岡県志賀島産・雌)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強い 雌は軟らかな繊維質なので、食べ易く噛むほどに旨みが拡がり、柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります
(03)黒鮑(佐賀県唐津産)の酒蒸し 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 禁漁期が解禁直後の黒鮑は旬ほどの旨みは無いが初物らしい初々しさがあります 蒸し時間も旬の時期より短めで黒鮑の弾力を楽しみました
(04)松葉蟹(鳥取県境港産)の身と蟹味噌和え 産卵期は晩冬、旬は晩秋~晩冬、雌の漁期は11月上旬~1月上旬、雄の漁期は11月上旬~3月中旬 豊潤な身の旨みと蟹味噌のほろ苦さな旨みが融合しています
(05)鮃(長崎県対馬列島産、2.2kg、朝〆) (06)紫雲丹(山口県萩産)
(05)鮃(長崎県対馬列島産、2.2kg、朝〆) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬 旬の脂がのり、旨み&甘みが深い 朝〆ですが活かりを抑え旨みを引き出しています。
(06)紫雲丹(山口県萩産) 紫雲丹の産卵期は初夏~晩夏、旬は初夏~晩夏 北紫雲丹よりも弱く穏やかな甘みが特徴 後味に雑味が無くスッキリとしています
お酒②開運 無濾過純米 にごり酒 愛山(静岡) 米品種:愛山100%、精米歩合55%
(07)巨頭鯨のさえずり(長崎県五島列島産) 2~5m程の小型の鯨、国内で公式な漁は和歌山県太治町のみ、間違って網に入り死んでしまったものが流通してるみたい さえずりは脂タップリ、ちょっぴり強い旨み
(08)虎河豚(佐賀県唐津産)の身と皮、鮟肝(島根県産)ソース掛け 裏漉した鮟肝に酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ 虎河豚の旨みに加え、円やかでコクのあるソースで特濃な味わい
(08)鮟肝(島根県産)ソース、若布 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春 島根の鮟肝はやや硬く主張のある味わいなのでこういう使い方が合っていると思います 若布を使って拭い取る様に頂きました。
(09)炭火炙り自家製唐墨(兵庫県坊勢産) (10)鮟肝(北海道余市産)の裏漉し、刻み奈良漬け
(09)炭火炙り自家製唐墨(兵庫県坊勢産) 丁寧に塩抜きされた唐墨、ゆゆ強めに炙ってあり芳ばしい 表面に旨みが濃縮された汗が浮かび、味蕾を刺激します そして微かな塩味もアクセントになっています。
(10)鮟肝(北海道余市産)の裏漉し、刻み奈良漬け 鮟肝は軟らかく煮られた後裏漉しされ、舌の上でクリーミーにトロけます 島根の鮟肝とは味わいのコクが大きく異なりますね
(11)炭火焼き虎河豚白子(産地聞き忘れ)のマイクロ丼 炭火焼き白子は表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちています。 シャリと混ぜ合わせてリゾットの様に頂きました。
(11)炭火焼き虎河豚白子(産地聞き忘れ)のマイクロ丼 炭火焼き白子は表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちています。 シャリと混ぜ合わせてリゾットの様に頂きました。
お酒③石槌 無濾過純米(愛媛) 米品種:愛媛県産松山三井100%、精米歩合:60%
ガリも良い感じです
(12)障泥烏賊(アオリイカ)(長崎県五島列島産、2.5kg、雄、3日寝かせ) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 厚めの身は少しの歯応えを残しつつねっとり、しっかりした甘みを感じました。
(13)赤鯥ヅケ(長崎県対馬列島産、紅瞳、雌、7日熟成) 産卵期は初夏~初秋、旬は晩秋~晩冬 北→南へ下るほど脂のりはサッパリ 雌は雄よりサイズが大きく脂のりは穏やかに 旨みと甘み、口腔内に余韻が残る
(14)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春、旬はそれぞれ、新子は初夏 小鰭は夏、鮗は冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが絶妙で好き 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要
お酒④天吹 大吟醸 冬色 新米新酒生(佐賀) 米品種:佐賀県産新米夢しずく、精米歩合:40%
(15)赤貝(山口県宇部産) 産卵期は初夏~夏、旬は冬~春 瀬戸内海産の貝類や雲丹は日本海や大平洋側に比べると味わいが穏やかです。 閖上の様な個性は無いですが、その分だけ臭み無く食べ易い
今日の本鮪(静岡県下田産、延縄、やま幸、173kg)
(16)本鮪赤身ヅケ(静岡県下田産、延縄、やま幸、173kg) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがあります 軽い漬け、酸味はほのかにあり、旨みが華やかです
(17)本鮪大トロ(静岡県下田産、延縄、やま幸、173kg) 最初の大トロはやや中トロに近い部位で濃い脂の旨みと甘み、微かな酸味を温かなシャリで引き立てます。
(18)本鮪大トロ(静岡県下田産、延縄、やま幸、173kg) 2つ目の大トロはキメ細やかなサシが入り、更に脂のりの良い大トロでした。 本鮪らしい酸味が、脂の旨みと薫りを引き立てます。
(19)車海老(熊本県天草産、養殖) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 冬はサイズが揃わず養殖 茹でたての温かい車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます 華やかな甘みと旨味が押し寄せます
お酒⑤黒龍 大吟醸(福井) 米品種:山田錦、精米歩合:50%
(20)煮蛤(千葉県九十九里浜産) 蛤は初夏~夏が産卵期で禁漁期間、旬は産卵前の春~初夏 軟らかく煮られた蛤は、仕上がりの良さで九十九里産を使うそう 蛤の味わいもいいいですが、穏やかなツメが好み
(21)松葉蟹出汁の赤出汁 以前、臭みを取る為に焼いてから出汁を取られているのですか?と問うたところ丁寧に洗うのだそう 焼きに比べて物凄く大変ですが、良い出汁が取れています
(22)北紫雲丹(北海道上ノ国産) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏
(22)北紫雲丹(北海道上ノ国産) 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です! 握っているのに、雲丹の粒が潰れていません! シャリのほどけを楽しみ、北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります。
(23)煮真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかい煮穴子、温かいシャリ 口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です
(24)トロ巻き 適度に脂ののったトロを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
(26)干瓢巻き 海苔の薫りが素晴らしく、握りっていない分だけ赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
2021/02/15 更新
2020/11 訪問
上質なネタを匠の技で極上の美味しさに!
我逢人さん(鮨さかいサンの2号店)を挟みましたので、5ヶ月ぶりの訪問となりました。
凛とした空気感を纏いつつも穏やかな居心地の良さは鮨さかいサンならでは♪
間違い無いネタに「おっ!」という時節ネタやレアなネタもあり、楽しみが尽きません。
この日もお昼からお酒を頂きつつ、堪能させて貰いました。
特ネタは握りだと黒鯥と真鯖、肴では真鱈白子。
炭火焼き赤甘鯛は焼き手が変わり良くなっていました!
お会計は36,190円也。
写真に解説を付けています。
ご馳走さまでした。
肴
(01)真鱈白子、土佐酢、削りカボス皮
(02)真蛸の桜煮
(03)松葉蟹、土佐酢和え
(04)香箱蟹
(05)炭火炙り白甘鯛
(06)牡丹海老
(07)虎河豚、鮟肝ソース掛け
(08)筋子解しイクラのマイクロ丼
(09)星鰹(正式名:スマ)のタタキ、卸しぽん酢掛け
(10)炭火焼き赤甘鯛
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みは控えめで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
(11)鮃
(12)黒鯥
(13)小鰭
(14)真鯖
(15)本鮪赤身ヅケ
(16)中トロ
(17)大トロ
(18)車海老
(19)平貝
(20)蝦夷馬糞雲丹の軍艦巻き
(21)牡丹海老の頭で出汁取りした赤出汁
(22)煮真穴子
(23)中トロ巻き
(24)干瓢巻き
(25)玉
お酒
①而今 特別純米 火入れ(三重)
②伯楽星 特別純米(宮城)
③黒龍 大吟醸(福井)
④楯野川 出羽燦々 中取り 純米大吟醸(山形)
新型コロナ対策もバッチリなカウンター 三方向のアクリル衝立 除菌用アルコール マスク入れビニール袋
凛とした空気を纏う店内
お酒①而今 特別純米 火入れ(三重) 米品種:八反錦80%・山田錦20%、精米歩合60%
(01)真鱈白子(北海道知床半島産)、土佐酢、削りカボス皮 淡い桃白の差した透明感のある白子、円やかなコクと旨み、スッキリとした口当たり、サッパリとした後味♪ お見事です!
(02)真蛸(福岡県志賀島産・雄)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強くなります この日は珍しく雄で味わいが力強いですね! しっかりとした弾力、そして旨み
(03)松葉蟹(鳥取県境港産)、土佐酢和え (04)香箱蟹(石川県金沢産) 産卵期は晩冬、旬は晩秋~晩冬 雌の漁期は11月上旬~1月上旬 雄の漁期は11月上旬~3月中旬
(03)松葉蟹(鳥取県境港産)、土佐酢和え 丁寧に解した松葉蟹を土佐酢で和えてあります サッパリと仕上げられた豊潤な冬の日本海の旨みを頂きました
(04)香箱蟹(石川県金沢産) 内子、脚の身、本体の身、外子を混ぜた状態で提供 脚の身の旨みと甘み、内子の甘みとほんのりとした苦味、外子のプチプチ食感、旬の味わいですね♪
(05)炭火炙り白甘鯛(愛媛県八幡浜産) (06)牡丹海老(北海道増毛産) モンゴルの岩塩と山葵を合わせて頂きました
(05)炭火炙り白甘鯛(愛媛県八幡浜産) 産卵期は夏~秋、旬は冬~春 炭火炙りで脂を活性化させ、旨みと甘みを増しています。
(06)牡丹海老(北海道増毛産) 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 牡丹海老は旬真っ只中、ネットリとした食感、身の甘みはしっかり。
(07)虎河豚(福岡県鐘崎産)、鮟肝(島根県産)ソース掛け 産卵期は春~初夏、旬は冬~晩冬 やや厚めな切り分けで虎河豚の脂の甘みと旨みが楽しみました 個人的には薄造りよりもこっちの方が好き!
(07)虎河豚、鮟肝ソース掛け 鮟肝を裏漉したものに酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズは虎河豚にジャストミート! 円やか、かつ、濃厚な旨みにKO! (o゚∀゚)=○)´3`)∴
(07)鮟肝ソース、若布(徳島県鳴門産) 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春 島根の鮟肝はやや硬く主張のある味わいなのでソース使いが◯と思います 先ほどの肝酢を若布を使って拭い取る様に頂きました。
(08)筋子解しイクラ(岩手県普代産)のマイクロ丼 フレッシュな筋子を解したイクラは薄皮が特に軟らかく、円やかな旨みとコクが楽しめました。
お酒②伯楽星 特別純米(宮城) 米品種:蔵の華100%、精米歩合55%
(09)星鰹(正式名:スマ)(長崎県壱岐島産)のタタキ、卸しぽん酢掛け 産卵期は初夏~夏、旬は秋~春 時期的に漁獲サイズが小さく脂のりはあと1歩 皮はパリッと仕上げてありました
(10)炭火焼き赤甘鯛(山口県萩産) 産卵期は初夏~秋、旬は晩秋~晩春 雌で産まれて大型化すると雄に性転換 白甘鯛は上品な旨み&甘み、赤甘鯛は濃いめな旨み&甘みが特徴です
(10)炭火焼き赤甘鯛(山口県萩産) 芳ばしさが薫り、脂が活性化して甘さが増し、モチモチ感があり、以前と比べ焼きが良いです 堺大将に焼き手が変わりましたか?とお伺いすると半年前に変わったそうです
ガリ ついつい食べてしまいます。(^_^;)
(11)鮃(長崎県対馬列島産、1日寝かせ、2kg) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 いよいよ旬真っ只中、旨みと甘みが増してきました。 シャリとのバランスが絶妙です♪
(12)黒鯥(東京都神津島産、3.3kg) 産卵期は春~初夏、旬は秋~初冬 暴力的な脂が特徴で少し苦手ですが、これは旨みは強いが円やかで素晴らしい! 1度だけ食べたサスエ前田魚店のスーパー黒鯥に匹敵
お酒③黒龍 大吟醸(福井) 米品種:山田錦100%、精米歩合50%
(13)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。旬については新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 脂も適度にのって美味しい
(14)真鯖(長崎県対馬列島豊玉産) 産卵期は春~初夏、旬は秋~冬 サシの入った身は柔らかくも弾力があり、脂のりが濃厚でコクのある旨みと薫りが押し寄せてきます。 素晴らしかった!
今日の本鮪は青森県大間産、延縄、やま幸、207kg 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 最近、やま幸さんの本鮪は色んなお鮨屋さんで頂くのですが、やはり鮨さかいサンには良い魚体が入ってますね!
(15)本鮪赤身ヅケ(青森県大間産、延縄、やま幸、207kg) 赤身独特の風味とコクがあります。軽く漬けにされておりますが、酸味は仄かにあり、旨みが華やかです。
(16)中トロ(青森県大間産、延縄、やま幸、207kg)【左】 (17)大トロ(青森県大間産、延縄、やま幸、207kg)【右】 パッと見では中トロと大トロの区別が難しいですが、赤が強い方が中トロです
(16)中トロ(青森県大間産、延縄、やま幸、207kg) 今回の中トロは状態が良く次の大トロとの対比を楽しむために生で提供 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、まさにトロけます
お酒④楯野川 出羽燦々 中取り 純米大吟醸(山形) 米品種:山形県庄内産出羽燦々100%、精米歩合50%
(17)大トロ(青森県大間産、延縄、やま幸、207kg) 流石に魚体が大きくなり、脂のりの良い大トロでした。 本鮪らしい酸味が、脂の旨みと薫りを引き立てます。
(18)車海老(熊本県天草産、養殖) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。 奥の厨房で茹でたての温かい車海老。 お弟子さんが熱々を一生懸命剥きます。
(18)車海老(熊本県天草産、養殖) 寒くなるとサイズが揃い難くなるので養殖 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
(19)平貝(岡山県産) 奥歯で繊維を押し潰す様に味わいます。 普通に噛むよりも旨みの出方が倍増。 丁寧な仕込みをされているのでタイラギ貝本来の優しい旨みを存分に味わいます。
(20)蝦夷馬糞雲丹(北海道昆布森産)の軍艦巻き 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏 雲丹を頂く時はは5秒ホールド ハッキリとした甘みと濃いめの旨みを余さず味わい尽くします
(21)牡丹海老の頭で出汁取りした赤出汁 以前、臭みを取る為に焼いてから出汁を取られているのですか?と問うたところ丁寧に洗うのだそう 焼きに比べて物凄く大変ですが、良い出汁が取れています
(22)煮真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと軟らかい煮穴子、温かいシャリ 口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
(23)中トロ巻き 適度に脂ののった中トロを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります。
(24)干瓢巻き 海苔の薫りが素晴らしく、握りっていない分だけ赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
2020/11/28 更新
2020/07 訪問
匠の鮨を味わえる幸せ!2号店情報も!
新型コロナ禍で営業を見合せされ、4月の予約が取り消しに!( ノД`)…
半年ぶりの鮨さかいサン、楽しみで仕方なかった!
久しぶりに堺さんの口上により宴が始まります。
お料理は28,000円のおまかせ。
お料理
(01)塩水蝦夷馬糞雲丹、土佐酢
(02)真蛸の桜煮
(03)毛蟹のつみれ、出汁ジュレ
(04)炙り九絵(クエ)
(05)鳥貝
(06)黒鮑
(07)牡丹海老&赤雲丹
(08)鮟肝のブロック&裏漉し、刻んだ奈良漬
(09)鰻の白焼き
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く好きな塩梅す。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(10)障泥烏賊(3日寝かせ)
(11)赤鯥ヅケ(7日熟成)
(12)新子(6枚載せ)
(13)真鯵(4日寝かせ)
(14)本鮪赤身ヅケ
(15)本鮪中トロヅケ
(16)本鮪大トロ(蛇腹)
(17)車海老
(18)煮帆立
(19)赤味噌汁
(20)北紫雲丹
(21)煮穴子
(22)中トロ鉄火巻
(23)玉
(24)干瓢巻
お酒
①生ビール:プレミアムモルツ×2杯
仕事が忙しいので写真の解説はお休みします。
m(_ _)m
お会計は34,320円也
高品質なネタと卓越した技術を堪能し、幸せでした♪
やはり穏やかな日々があってこそ。
そしていよいよ8月に鮨さかいサンの2号店「我逢人」が同じビルの3階にオープンするそうです。
そちらは1番弟子が板場に立ってお鮨を握られるそう。
当面は鮨さかいサンと同じ肴と握りを提供し、気になるお値段は25,000円とのこと。
新型コロナで大変な状況下であっても、出店取り止めは考え無かったと堺大将。
コロナ禍を克服する頃には更なる飛躍が期待出来そうです。
ご馳走さまでした。
蛇足
緊急事態宣言で営業中止となってから、漸くの再訪問ですが、新型コロナ第2波か?と言われる状態に。
また外出自粛なんて声も上がってますが、国に再度の大盤振る舞いを期待するのは無理なので、1人1人が気を付けてうがい&手洗い&マスク&消毒の徹底しか対策は無いかと思います。
店舗内装 凛とした空気が満ちた板場ですが、新型コロナ対策でアクリル板が張り巡らされています。
お酒①生ビール:プレミアムモルツ
(01)塩水蝦夷馬糞雲丹(北海道利尻島産、明礬無添加)、土佐酢
(02)真蛸(福岡県志賀島産、雌)の桜煮
(03)毛蟹(北海道噴火湾産)のつみれ、出汁ジュレ
(04)炙り九絵(クエ)(佐賀県唐津産、雄、16kg) (05)鳥貝(京都府舞鶴産)
(04)炙り九絵(クエ)(佐賀県唐津産、雄、16kg)
(05)鳥貝(京都府舞鶴産)
(06)黒鮑(佐賀県唐津産)
(07)牡丹海老(北海道増毛産)&赤雲丹(佐賀県唐津産)
(07)赤雲丹(佐賀県唐津産)
(07)牡丹海老(北海道増毛産)
(08)鮟肝(北海道余市産)のブロック&裏漉し、刻んだ奈良漬
(09)鰻(福岡県博多湾産)の白焼き
(09)鰻(福岡県博多湾産)の白焼き
振舞い酒①石槌 純米 土用酒(愛媛) 米品種:愛媛県産しずく媛、精米歩合60%
振舞い酒①石槌 純米 土用酒(愛媛) 米品種:愛媛県産しずく媛、精米歩合60%
ガリ
(10)障泥烏賊(佐賀県唐津産、3日寝かせ)
(11)赤鯥ヅケ(長崎県対馬列島産、7日熟成)
(12)新子(熊本県天草産、6枚載せ)
(13)真鯵(島根県浜田産、4日寝かせ)
本日の本鮪 宮城県塩釜、旋網、145kg
(14)本鮪赤身ヅケ(宮城県塩釜産、145kg)
(15)本鮪中トロヅケ(宮城県塩釜産、145kg)
(16)本鮪大トロ(蛇腹)(宮城県塩釜産、145kg)
(17)車海老(福岡県産)
(17)車海老(福岡県産)
(18)煮帆立(北海道産)
(19)赤味噌汁【牡丹海老の頭&赤鯥の頭の出汁】
(20)北紫雲丹(北海道)
(20)北紫雲丹(北海道)
(21)煮穴子(長崎県対馬列島産)
(22)中トロ鉄火巻(宮城県塩釜産、145kg)
(23)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
(24)干瓢巻
2020/07/23 更新
2020/01 訪問
2020年、さかいサンで鮨始め
1月中旬土曜日のお昼に食べ友さん3名と待ち合わせ、総勢4名で伺いました。
3ヶ月ぶりなので秋とは魚が変わり、冬らしくなっていると思いますので、ワクワクします。o(^o^)o
いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
12時になったところで堺大将の口上により宴が始まります。
肴
(01)白海老
(02)真蛸の桜煮、削り柚子皮
(03)毛蟹のほぐし身、赤雲丹、土佐酢ジュレ、削り柚子皮
(04)蒸し黒鮑
(05)炙り白甘鯛
(06)虎河豚のブツ切り、鮟鱇の肝酢掛け
(07)鮟鱇の肝酢、若布
(08)鮟肝、刻み奈良漬を添えて
(09)炙り自家製唐墨
(10)鯣烏賊(スルメイカ)の塩辛
(11)鯣烏賊の塩辛のタレと赤酢シャリ
(12)虎河豚の白子とシャリのマイクロ丼
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(13)障泥烏賊(1.3kg)
(14)鮃(3kg)
(15)寒鰤(13kg)
(16)小鰭
(17)本鮪赤身ヅケ(151kg、3週間寝かせ)
(18)本鮪背トロ(151kg、3週間寝かせ)
(19)本鮪大トロ(162kg、3週間寝かせ)
(20)車海老
(21)煮蛤
(22)赤蕪
(23)赤出汁(毛蟹の殻&鮃のアラの出汁)
(24)蝦夷馬糞雲丹
(25)煮穴子
(26)本鮪トロ細巻き
(27)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
(28)干瓢巻
お酒
①田中六十五 なま(福岡)
②天明 中取り零号(福島)
③鳳凰美田 Black Phenix 純米吟醸酒 無濾過本生(栃木)
④松の司 純米吟醸 あらばしり
⑤黒龍 九頭龍 大吟醸(福井)
写真に解説を付けています。
お会計は36,080円也
2020年はさかいサンで鮨始め。
やはり3ヶ月ぶりで訪問するとそのネタの良さ、握りの技術に素直に「美味しい♪」と顔が綻びます。
ついついテンションが上がり、お昼から日本酒を5種も頂きご機嫌です♪
久しぶりにお会いした食べ友さんとも交流が深まり楽しいひとときでした。
ご馳走さまでした。
店内装飾 いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。 12時になったところで堺大将の口上により宴が始まります。
お酒①田中六十五 なま(福岡) 米品種:福岡県糸島産山田錦100%、精米歩合:65%
(01)白海老(富山県産) 産卵期は夏~晩秋、旬は春~晩秋 寝かしてあるので、通常よりもねっとり。 強い甘みが口いっぱいに拡がります。
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮、削り柚子皮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強くなります 柔らかくもしっかりとした弾力、そして旨み 柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります
(03)毛蟹(北海道噴火湾産)のほぐし身、赤雲丹(米国サンタバーバラ産)、土佐酢ジュレ、削り柚子皮 毛蟹の産卵期は晩秋~晩冬、秋~冬の毛蟹は味わいが濃くなり、コクがあります 赤雲丹の味わいは弱めです
(04)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 禁漁期が解禁された直後の黒鮑は旨みは弱めですが、初物らしい初々しさがあります 蒸し時間も旬の時期より短めで黒鮑の弾力を楽しみました
(05)炙り白甘鯛(佐賀県呼子産) 産卵期は夏~秋、旬は冬~初春 白甘鯛は旬で上品な脂のりで炙ったことで脂が活性化して旨みと甘みが増しています。 モチモチ感もあり素晴らしい食感です。
(06)虎河豚(福岡県鐘崎産)のブツ切り、鮟鱇(島根県産)の肝酢掛け 鮟肝を裏漉したものに酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ! 旨みのある天然虎河豚にジャストミート! 円やか、かつ、濃厚な旨みにKO!
お酒②天明 中取り零号(福島) 米品種:福島県産瑞穂黄金100%、精米歩合:65%
(07)鮟鱇(島根県産)の肝酢、若布(徳島県鳴門産) 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしい。 先ほどの肝酢を若布を使って拭い取る様に頂きました。
(08)鮟肝(北海道余市産)、刻み奈良漬添え 鮟肝は軟らかく煮られ舌の上でクリーミーにトロけます 島根の鮟肝とは味わいのコクが大きく異なります 直ぐに全てを食べずにチョコチョコと取り置きながら頂きます
(09)炙り自家製唐墨 丁寧に塩抜きされた唐墨、炙ってあり芳ばしいです。 表面に旨みが濃縮された汗が浮かび、味蕾を刺激します。 そして微かな塩味もアクセントになっています。
(10)鯣烏賊(スルメイカ)(青森県大間産)の塩辛 鯣烏賊の塩辛はそれほど塩みが強くなく、個人的にはど真ん中です。 程好くトロみがあり、僅かな苦みと旨みで日本酒が進みます。
(11)鯣烏賊(青森県大間産)の塩辛のタレと赤酢シャリ 塩辛のタレにお願いしてシャリを入れて頂きました。 これまた美味しいです♪ ニコニコしてしまいます。
お酒③鳳凰美田 Black Phenix 純米吟醸酒 無濾過本生(栃木)
(12)虎河豚(福岡県鐘崎産)の白子とシャリのマイクロ丼 炙られた白子は表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちています。 シャリと混ぜ合わせてリゾットの様に頂きました。
◯ガリ サッパリ系の味わい。 これも好みです。
(13)障泥烏賊(長崎県五島列島産、1.3kg) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 この日は塩で。 少しの歯応えを残しつつ、しっかりした甘みを感じました。
お酒④松の司 純米吟醸 あらばしり 米品種:滋賀県竜王町産山田錦100%、精米歩合:55%
(14)鮃(長崎県対馬列島産、3kg) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 いよいよ旬真っ只中、旨みと甘みが増してきました。 シャリとのバランスが絶妙です♪
(15)寒鰤(福岡県大島産、13kg) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~晩冬 玄界灘の寒鰤は脂のりは控えめですが、身の弾力も楽しめ、これは美味しい。 血合いを全て取り除き生臭の無い仕上げとされています。
(16)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れています 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタ
本鮪の赤身と背トロは大間の延縄 やま幸さんの151kg 水温低下して脂のりが絶妙! 微かな酸みが合わさり後味はサッパリ!
(17)本鮪赤身ヅケ(青森県大間産、151kg、3週間寝かせ) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬 赤身独特の風味とコクがある。 軽く漬けにされておりますが、酸味は仄かにあり旨みが華やかです
(18)本鮪背トロ(青森県大間産、151kg、3週間寝かせ) 兎に角、この日の中トロは素晴らしかった! 脂のりが良いはもちろんなのですが、微かな酸味のお蔭でしょうか、爽やかな余韻が口腔内に拡がりました
大トロは千葉勝浦の一本釣り 152kg、やま幸さん 脂のりは良いけれど、大間の背トロがスゴすぎて印象が弱かった!
(19)本鮪大トロ(千葉県勝浦産、162kg、3週間寝かせ) シャリは人肌より温かく、より脂の旨みを感じますが、先ほどの中トロが素晴らし過ぎて脂の旨みがあれば良いってものではないと痛感します。
20)車海老(沖縄県産、養殖) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋 冬は数を揃え難いようで初めて養殖の車海老が登場 天然に比べるとか甘みと旨みが落ちるのですが冬は旬で無く漁獲量も少ないので仕方無いです
お酒⑤黒龍 九頭龍 大吟醸(福井) 米品種:非公開、精米歩合:50%
(21)煮蛤(千葉県九十九里産) 蛤は初夏~夏が産卵期で禁漁期間 旬は産卵前の春~初夏 非常に柔らかく煮られた蛤は仕上がりの良さで九十九里産を入れられているそう 蛤の味わいも良く穏やかなツメが好み
(22)赤蕪 パッと見は本鮪の中トロみたいにも見えますが、赤蕪です。(笑) 瑞々しくスッキリとしながら甘みがしっかり。
(23)赤出汁(毛蟹の殻&鮃のアラの出汁) 生臭さが無いので、多分一度焼いてから出汁を取られているのだと思います。 旨みがしっかり感じられます。
(24)蝦夷馬糞雲丹(北海道厚岸産) 産卵期は夏~秋、旬は初夏~夏。 雲丹を頂く時はは5秒ホールド。 ハッキリとした甘みと濃いめの旨みを余さず味わい尽くします。
(25)煮穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋。 脂がのった穴子をふわふわと柔らかく煮てあり、温かいシャリを合わせています。 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味です。
(26)本鮪トロ細巻き 適度に脂ののった中トロを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります。
(27)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
(28)干瓢巻 海苔の薫りが素晴らしく、握りっていない分だけ赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
2020/01/20 更新
2019/09 訪問
納得のネタと素晴らしき匠の技
長月の土曜日のお昼に伺いました。
3ヶ月ぶりなので初夏とは魚が変わり、秋らしくなっていると思いますので、ワクワクします。o(^o^)o
いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
12時になったところで堺大将の口上により宴が始まります。
肴
(01)素揚げ銀杏
(02)真蛸の桜煮、柚子皮掛け
(03)真鯛
(04)毛蟹解し身饅頭、蟹味噌餡、土佐酢で
(05)筋子、赤酢シャリを添えて
(06)酒蒸し黒鮑
(07)黒鮑の炙り肝
(08)鮟肝
(09)牡丹海老、赤雲丹ソース掛け
(10)赤雲丹ソース、赤酢シャリを添えて
(11)赤鯥の西京焼き
(12)松茸の土瓶蒸し
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、それほど甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(13)障泥烏賊
(14)鮃
(15)鰤
(16)小鰭
(17)本鮪赤身ヅケ
(18)本鮪中トロヅケ
(19)本鮪中トロ
(20)真鯖
(21)車海老
(22)赤出汁
(23)べったら漬け、削り柚子皮掛け
(24)北紫雲丹
(25)煮真穴子
(26)ネギトロ細巻き
(27)玉子焼き
(28)干瓢巻き
お酒
①新政 No.6 X-type "sui 粋” 生酒(秋田)
②白糸55 純米吟醸(福岡)
③鳳凰美田 瓶燗火入れ 純米大吟醸(栃木)
④黒龍 吟醸 ひやおろし(福井)
⑤日高見 弥助 芳醇辛口純米吟醸(宮城)
⑥尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 ひやおろし(群馬)
写真に解説を付けています。
お会計は36,500円也。
やはり3ヶ月ぶりで訪問するとそのネタの良さ、握りの技術に素直に「美味しい♪」と顔が綻びます。
ついついテンションが上がり、お昼から日本酒を6種も頂きご機嫌です♪
ご馳走さまでした。
店舗内装 凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
①新政 No.6 X-type "sui 粋” 生酒(秋田) 米種:秋田県産酒造好適米100%、精米歩合45%
(01)素揚げ銀杏(熊本県球磨産) 甘みが強く、かつ、ほのかな苦みと振り塩でお酒が進みます♪
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮、柚子皮掛け 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋と晩秋~冬の2回 雌は軟らかな繊維質なので食べ易く噛むほどに旨みが拡がり、柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります
(03)真鯛(福岡県鐘崎産、3.7kg、1日寝かせ)昆布〆 産卵期は春~初夏、旬は秋~晩冬 お鮨だと寝かせが長いのですが、肴だと寝かせを浅くしてコリ感を残しつつ、甘みと旨みを楽しむ仕上りにされています
(04)毛蟹(北海道噴火湾産)解し身饅頭、蟹味噌餡、土佐酢で 産卵期は晩秋~晩冬、若蟹から親蟹に旬が移り身の旨みが深くなります 解し身の旨みと中の蟹味噌のコクが口腔内で渾然一体となり幸せに浸ります
(05)筋子(岩手県普代産)、赤酢シャリを添えて フレッシュな筋子をほぐしたイクラは円やかな旨みとコクが楽しめました。 やはり旬の筋子のTKGはウマい!
(06)酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏。 夏は蒸し時間が短めだったようですが、秋~冬は8時間の酒蒸しでより軟らかい 黒鮑は柔らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減
(06)酒蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 軸に旨みのサシが入り極上♪ 黒鮑は柔らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減 厚みのある切りつけで食感が十分に楽しめます 旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい!
②白糸55 純米吟醸(福岡) 米種:福岡県糸島産山田錦100%、精米歩合55%
(07)黒鮑(佐賀県唐津産)の炙り肝 肝ソースではなく、肝塩焼き! 爽やかな磯の薫りがします。 口に入れて芳醇な苦みが拡がりお酒が進みます♪ 滋味深く濃厚な旨みが口腔内に拡がり、至福の味わい♪
(08)鮟肝(北海道余市産) 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春で特に晩冬が素晴らしく!肝は通年美味しい 裏漉しの鮟肝は滑らかクリーミーでコクがあり、どうにも止まらない美味しさ♪(嬉)
(09)牡丹海老(北海道増毛産)、赤雲丹ソース掛け 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 牡丹海老は身の甘みはしっかり。 赤雲丹を合わせると主役の牡丹海老を邪魔せずに味わいを補完するよう。
(10)赤雲丹(米国サンタバーバラ産)ソース、赤酢シャリを添えて 産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏。 舌の上に載せて5秒ホールドし、濃厚なコクと甘みを楽しみます。
③鳳凰美田 瓶燗火入れ 純米大吟醸(栃木) 米種:山形県高畠産亀粋100%、精米歩合:50%
(11)赤鯥(長崎県対馬列島産)の西京焼き 産卵期は初夏~秋、旬は冬~春。 西京焼きはやや甘みを加えた味噌なので、赤鯥の脂の旨みや甘みを判別し難くなる様な気がして、個人的には好みでは無いかなぁ。
(12)松茸(岩手県産)の土瓶蒸し 土瓶蒸しに入っているのは、松茸とお出汁のみ。 松茸は薫り高く、お出汁に入っているのにシャキシャキとした食感が楽しめました。
本日のネタ♪
(13)障泥烏賊(佐賀県唐津産、1kg) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 握りの時にシャリに青柚子の皮を降ろした粉末をひと塗りして、爽やかな香り付けをされていました。
④黒龍 吟醸 ひやおろし(福井) 米種:福井県五百石100%、精米歩合:55%
(14)鮃(長崎県対馬列島産、3kg) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 いよいよ旬の先駆けの時期となり、旨みと甘みが増してきました。 真子鰈から鮃へ主役交代です。
(15)鰤(北海道日高産) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~晩冬 初秋となる今の時期は北に行くほど脂のりが良いので北海道産がベストでは? 身の中にしっかりと脂がのり、濃厚な旨みと甘みが押し寄せて来るようです
(16)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。小鰭の旬は夏、寿命3年。 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです。 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要なネタですね。
本日の本鮪、宮城県塩釜産、旋網、181kg
(17)本鮪赤身(宮城県塩釜産、旋網、181kg)ヅケ 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。 赤身独特の風味があります。 軽く漬けにされておりますが、酸味は微かで旨みが華やかです。
⑤日高見 弥助 芳醇辛口純米吟醸(宮城) 米種:宮城県産蔵の華100%、精米歩合:50%
(18)本鮪中トロ(宮城県塩釜産、旋網、181kg)ヅケ 中トロの見た目は生の様にも見えますが軽く漬けてあります。 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
(19)本鮪中トロ(宮城県塩釜産、旋網、181kg) 大トロ寄りの中トロ。 複雑にサシの入っており、人肌より温かいシャリで脂が蕩けます。 ネタと技術が渾然一体となっています。
(20)真鯖(長崎県対馬列島産) 産卵期は春~初夏、旬は秋~冬 サシの入った身は柔らかくも弾力があり、脂のりが濃厚でコクのある旨みが押し寄せてきます。
⑥尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 ひやおろし(群馬) 米種:山田錦100%、精米歩合:50%
(21)車海老(福岡県志賀島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。
(21)車海老 奥の厨房で茹でたての温かい車海老 お弟子さんが熱々を一生懸命剥いている様です 車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます
(22)赤出汁(牡丹海老出汁) 牡丹海老の殻と身の出汁なので、赤味噌であっても甘みも旨みがあり、コクと深みを楽しめて嬉しいです。
(23)べったら漬け、削り柚子皮掛け 甘過ぎず爽やかです。 少し舌をリセット。
(24)北紫雲丹(北海道礼文島産、はだてのうに) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏。 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です!
(24)北紫雲丹 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏。 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です! 握っているのに、雲丹の粒が潰れていません! シャリのほどけを楽しみ、北紫雲丹の甘みが口に拡がります。
(25)煮真穴子(長崎県対馬列島産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋。 ふわふわと柔らかい煮穴子、そして温かいシャリは口の中に入れた瞬間にほどけます。 一気に拡がる旨みツメも濃過ぎず軽やかな後味です
(26)ネギトロ細巻き 適度に脂ののった中トロを叩いて山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります。
(27)玉子焼き 芝海老と大和芋で、カステラの様にふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
(28)干瓢巻き 今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります。 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
2019/10/02 更新
2019/06 訪問
上質なネタを匠の技で極上の美味しさに!
土曜日のお昼にお伺いするのは初めて。
いつもの様に店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
12時になったところで堺大将の口上により宴が始まります。
肴
(01)糸もずく酢
(02)真蛸の桜煮
(03)鳥貝
(04)鮃
(05)毛蟹&赤雲丹
(07)蒸し黒鮑
(08)黒鮑の出汁スープ
(09)赤雲丹
(10)牡丹海老
(11)鮟肝&刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り
(12)炙り唐墨
(13)黒鮑の炙り肝
(14)海鰻の白焼き
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(15)真鯛
(16)縞鯵
(17)鱒の介(キングサーモン)
(18)小鰭
(19)本鮪赤身ヅケ
(20)本鮪中トロヅケ
(21)本鮪砂ずり
(22)真鯵
(23)車海老
(24)北紫雲丹
(25)赤味噌汁
(26)煮蛤
(27)ネギトロ巻き
(28)べったら漬け
(29)干瓢巻き
(30)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
お酒
①白糸45 純米吟醸(福岡)
②而今 特別純米 火入れ(三重)
③九頭龍 純米 夏しぼり(福井)
④田酒 特別純米(青森)
⑤庭のうぐいす 特別純米 なつがこい(福岡)
⑥天吹 うるとらDRY 超辛口 純米酒 冷庭 ひやがーでん(佐賀)
写真に解説を付けています。
お会計は35,500円也。
この時期は産卵期や産卵後の魚が多くお鮨屋さんや日本料理屋さんには難しい時期なのですが、上質な魚を匠の技術で仕込み、極上の美味しさで提供して下さいました!
ご馳走さまでした。
◯◯◯
今回は本鮪の砂ずりがとても美味しかったので、巻末特別付録として、スペシャル雑学「本鮪の酸味について」をリリースします。(笑)
魚の酸味は血液の酸化&暴れた後の乳酸の発生が原因なので、釣りや漁獲され魚が暴れさせた時に、より酸味が強くなると認識しています。
だから血抜きが大切なんですよね。
大間の一本釣り本鮪は針を掛けた後に電気ショックで麻痺させるので、暴れさせないまま釣り上げ、血抜き&神経〆+冷やし込みをするので、酸味が少ない極上品質になるのは皆さまご存知の通り。
しかし、この日の堺大将との雑談で定置網や旋網で漁獲された本鮪の方が延縄などの釣りの本鮪より酸味が強いものが多いとのお話を伺いました。
その違いは認識していませんでした。
これは「お魚の変態」の名にかけて解明しなければならない!(爆笑)
まず、基礎情報から。
本鮪の体温は高く平熱で約40℃。
人間だと高熱で意識が無くなる体温が本鮪の平熱なのです。
本鮪は広い海域を高速で泳ぎ回り、運動量が多くエネルギーを大量に消費します。
本鮪の運動能力を実現する要素は以下の通り。
①泳ぐのを止めると呼吸が出来ず死んでしまう。
②左脳と右脳が半分ずつ寝る。
③心臓が非常に強く遊泳能力を支えている。
④本鮪の血液は酸素を運ぶ物質が多く含まれ、人間の血に似た成分である。
この本鮪が命の危機に際して本気で暴れまくると体温は最大で80℃まで上昇します。
もう、体内の脂は溶け赤身も焼けてしまいます。
釣り師が釣竿で釣った本鮪は身が焼けて赤身が白くなり、酸味が強くなり美味しくありません。
さて、ここで本題の定置網や旋網で獲られた本鮪の酸味です。
本鮪の酸味の原因は『本鮪の血液の酸化が原因』であり、漁獲してからの処置が大きく影響します。
延縄などの釣りモノと旋網などの網モノであっても、漁獲したときの本鮪への処置作業は同じです。
①目を覆い、木槌等で脳震盪させる
②血抜き(鰓動脈切り&尾切断、ホースで強制水送り血抜き)
③神経抜き
④ハラトリ(鰓と内臓抜き)
⑤冷やし込み
本鮪が暴れたり、処置を手間取ると体温はが急上昇するので、この作業はF1ピット作業並みに素早く行わなければなりません。
この処置の適切さによって酸味が穏やか立ったり、手間取って酸味が強かったりするのです。
ここまでの事はご存知の方も多いでしょう。
では延縄の本鮪と旋網の本鮪はどちらが酸味が強いのか?
そもそも延縄の本鮪は連続で水揚げされません。
延縄の仕掛けは50m間隔で20mの枝糸の先に針があり、烏賊などの餌が付けられます。
延縄の総延長は10km、針数2,000本にも及び、これに鯉のぼりの様に本鮪がびっしりと釣れることはありません。
つまり、延縄の本鮪は一匹一匹水揚げされる事が多く、素早く丁寧に水揚げ後の処置をされるので、身焼けさせず血抜きすることが可能になります。
一方で旋網や定置網では水揚げ前に網を狭める作業があり、本鮪達は徐々に狭まる網にパニック状態になり暴れ惑います。
そして網漁の本鮪は一度に複数の水揚げがあるため、処置の順番で早いものと遅いものが出てきます。
網漁の本鮪はパニック状態のストレスに加え、処置の順番が遅い本鮪は同じ時に水揚げされても甲板で暴れる時間が長いため、身焼けしたり毛細血管に血が回り過ぎたりするので、酸味が強く成りがちです。
そして更に本鮪の酸味については様々な要素が絡みあっているようです。
それらの要因とは
①気温が高いほど身焼けし易い
②産卵期には雄より雌が身焼けし易い
③本鮪のサイズが大きいほど身焼けし易い
④心臓が強い本鮪は身焼けし易い
①気温が高いほど身焼けし易い
近海の生本鮪は冷凍しないため、海水と真水のブレンドに沢山氷をいれた潮氷で本鮪を冷やすのですが、気温が高いと周囲の熱で氷が溶けて本鮪の体温を思う様に下げれなくなるのが原因です。
一般的には6月頃までは身焼けの発生率は少ないのですが、梅雨明けの7月後半から気温が一気に上昇するので身焼けの危険性が高まります。
7月後半~8月は特に気温の影響による身焼けが多発しがちです。
②産卵期には雄より雌が身焼けし易い
日本近海の本鮪の産卵期は春~夏でこの頃、雌はホルモンバランスからストレスに弱く雄よりも身焼けし易いそうです。
そんな事があるのか?と思ってしまいますが、データでの相関関係が見られるそうです。
③本鮪のサイズが大きいほど身焼けし易い
次に本鮪のサイズが大きくなるにつれ身体が太くなり、外側から潮氷で冷やしても中までは冷やし難くなり、冷却不足が発生し身焼けしてしまいます。
これは秋~冬に掛けて丸々と太った本鮪が増えるにつれ、身焼けが発生し易くなります。
④心臓が強い本鮪は身焼けし易い
最後に心臓が強い本鮪は運動能力が高く、危機に際して暴れる際に体温が急上昇し、その体温で身焼けし易い。
こう考えると①と②は季節要因で、③と④はサイズ要因と言えます。
これから近海の生本鮪を頂く時は、漁に掛ける漁師さんの思いと酸味を巡るドラマに思いを馳せながら頂く事になりそうです。
店舗入り口
店内は凛とした設えに風格があり、程好い緊張感があります。
お酒①白糸45 純米吟醸(福岡)
(01)糸もずく酢(福岡県糸島産) 沖縄の太いもずくとは種類の異なる日本海産の糸もずく。 繊細な繊維の軟らかさ、落ち着いた海藻系の旨み、滑らかなヌメリのツルツル食感。 穏やかな酢も良く合っています。
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、1度目の旬は包卵する雌が主役。 これは雄蛸で、筋肉質な食感と噛むほどにしっかりした旨みが拡がり、柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります。
(03)鳥貝(京都府舞鶴産) 鳥貝は雌雄同体で、産卵期は春と秋、旬も春と秋で、寿命1年。 鳥貝はサッと湯煎してから軽く炙ってあり、レアな食感と芳ばしさが共存、旨みが引き出された柔襞を堪能。
(04)鮃(長崎県対馬列島産) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 シーズンオフの鮃は脂のりは良くないけれど、コリコリ食感と鮮度の良さを楽しむ一品。 鳥貝との対比が面白い組み合わせ。
本鮪の捌き この日は博多でG20開催。 交通規制があり高速道路が封鎖され、一般車両の市内乗り入れ自粛という状況。 運送便も大幅遅配し、本鮪の到着も遅れ、提供の合間に今日の本鮪を捌きます。
(05)毛蟹(北海道噴火湾産)&赤雲丹(福岡県相島産、明礬無) 毛蟹の産卵期は晩秋~晩冬、春~夏の若い毛蟹は甘みと身の軟らかいのが特徴 赤雲丹の産卵期は初秋~晩秋、旬は初夏~晩夏 柔らかく爽やかな甘さ
お酒②而今 特別純米 火入れ(三重)
(07)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏 軟らかさと弾力が両立している抜群の蒸し加減 厚みのある切りつけで食感が十分に楽しめます 旨みと甘みが抜群、磯の香りも素晴らしい!
(08)黒鮑(佐賀県唐津産)の出汁スープ 黒鮑の煮汁(水、塩、酒、昆布)を整えたもの。 滋味深く濃厚な旨みが口腔内に拡がり、至福の味わい♪ やっぱり旬は問答無用な美味しさ!
(09)赤雲丹(佐賀県唐津産、明礬有り) 今度は明礬入りの赤雲丹。 同じく舌の上に載せて5秒ホールド 脱水が効いて濃厚なコクと甘み 同じ赤雲丹でも味わいが違い面白い しかし明礬無添加の方が好みです
(10)牡丹海老(北海道増毛産) 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 牡丹海老は身の甘みはしっかり。 明礬有りの赤雲丹を合わせると主役の牡丹海老を邪魔せずに味わいを補完するよう。
(11)鮟肝(北海道余市産)&刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り 裏漉しの鮟肝と細かく微塵切りした奈良漬、滑らかクリーミーでコクがあり、シャキとした食感も楽しめる逸品 夏なので脂のりはさっぱり系の鮟肝でした
(12)炙り唐墨 丁寧に塩抜きされた唐墨、炙ってあり芳ばしいです。 表面に旨みが濃縮された汗が浮かび、味蕾を刺激します。 そして微かな塩味もアクセントになっています。
お酒③九頭龍 純米 夏しぼり(福井)
(13)黒鮑(佐賀県唐津産)の炙り肝 肝ソースではなく、肝塩焼き! 爽やかな磯の薫りがします。 口に入れて芳醇な苦みが拡がりお酒が進みます♪ こういう変化のある食べ方も楽しい。
(14)海鰻(福岡県博多湾産)の白焼き 産卵期は初夏~晩秋 旬は秋~晩秋ですが水温が下がると取れなくなります 天然鰻らしく皮は厚く噛み応えがあり、皮下の脂は滋味深く、濃厚なコクと旨みが楽しめました
ガリ
本日の上質なネタの数々
お酒④田酒 特別純米(青森)
(15)真鯛(産地聞き忘れ、3kg) 産卵期は春~初夏、旬は秋~晩冬 九州は産卵が早く回復期で脂のりも良い。 4日寝かせた真鯛は柔らかさと甘みと旨み。 これは握るシャリに合わせた仕込みなんでしょうね。
(16)縞鯵(長崎県壱岐島産、4kg) 産卵期は秋~冬、旬は夏~秋。 美しい脂の入り方、5日寝かせで旨み&甘みの引き出しが素晴らしく悶絶。 しかしスッキリとした後味で軽やかです。
(17)鱒の介(キングサーモン、17kg) 産卵期は夏、日本国内での水揚げされた魚の旬は春~夏。 憧れのキングサーモン! アラスカへの釣りツアーに行くと50万円! これもサシが入って旨みが素晴らしい。
(18)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春、新子は初夏、小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです 魚の成長度合いによって塩振り量が変わる熟練の技が必要
本日の本鮪は北海道函館産、定置網のもの
(19)本鮪赤身ヅケ(北海道噴火湾産、67kg) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。 赤身独特の風味があります。 軽く漬けにされておりますが、酸味は微かで旨みが華やかです。
お酒⑤庭のうぐいす 特別純米 なつがこい(福岡) ほんのり微発泡♪
(20)本鮪中トロヅケ(北海道噴火湾産、67kg) 中トロの見た目は生の様にも見えますが軽く漬けてあります。 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
(21)本鮪砂ずり(北海道噴火湾産、67kg) 大トロの先、腹の一番下の部分で、筋が厚くて軟らかく最も脂が素晴らしい ネタと技術が渾然一体となっており、悶絶♪ヽ(´▽`)/
(22)真鯵(島根県浜田産) 産卵期は春~夏、旬は秋~冬。 どんちっち鯵ですね♪ 肉厚で脂のりもバッチリでした。 鯵の香りもとても良いですね。
お酒⑥天吹 うるとらDRY 超辛口 純米酒 冷庭 ひやがーでん(佐賀)
(23)車海老(鹿児島県産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。
(23)車海老(鹿児島県産) 奥の厨房で茹でたての温かい車海老 お弟子さんが熱々を一生懸命剥いている様です 車海老はぷりぷり温かなシャリがググッと沈み込みます 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます
(24)北紫雲丹(北海道函館産) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏。 はだての生うに♪ 大きな北紫雲丹がタップリ。
(24)北紫雲丹(北海道函館産) 産卵期は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢です 握っているのに、雲丹の粒が潰れていません! シャリのほどけを楽しみ、北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります
(25)赤味噌汁【出汁の魚聞き忘れ】 どんな魚のアラで出汁を取られたのか聞き忘れてしまいました 生臭さが無いので、多分一度焼いてから出汁を取られているのだと思います 丁度良いコクと深みで嬉しいです
(26)煮蛤(千葉県九十九里産) 初夏~夏が産卵期で禁漁期間、旬は産卵前の春~初夏 非常に柔らかく煮られた蛤は仕上がりの良さで九十九里産を入れられているそう 蛤の味わいもいいいですが穏やかなツメが好み
(27)ネギトロ巻き 適度に脂ののった中落ちを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります。
(28)べったら漬け、削り柚子皮掛け 甘過ぎず爽やかです。 少し舌をリセット。
(29)干瓢巻き 今日もまた干瓢巻の準備が始まると「幸せな時間の終演」を感じ切なくなります。 海苔の薫りが素晴らしく、赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
(30)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
2019/06/17 更新
2019/03 訪問
ネタとシャリ、渾然一体の匠の技
平日の夜にお伺いするのは初訪問以来。
日暮れも遅くなり、気温も穏やかになったので、博多駅から歩きます。
川面を眺めつつ、春吉橋から路地裏へ。
少し余裕を持って鮨さかいさんに到着。
今日はどんな内容かなぁ。とワクワクしつつ、始まりの時を待ちます。
18時になったところで堺さんの口上により宴が始まります。
肴
(01)蛍烏賊(富山湾)
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮
(03)真子鰈(城下鰈)(大分県産・1kg)、肝ポン酢、若布
(04)毛蟹(北海道噴火湾産)、酢橘、柚子皮、紫蘇の花
(05)初鰹(千葉県勝浦産)のガス炙りのヅケ(写真撮り忘れ)
(06)牡丹海老(北海道増毛産)、紫雲丹(長崎県大村産)
(07)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)(8時間蒸し)
(08)鮟肝(北海道余市産)、刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り
(09)虎河豚(長崎県産)の白子のお椀
(10)赤甘鯛(山口県萩産)の西京焼き
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
握り
(11)白甘鯛(福岡県鐘崎産)
(12)赤貝(山口県宇部産)
(13)本鮪赤身ヅケ(千葉県勝浦産)
(14)本鮪中トロヅケ(千葉県勝浦産)
(15)本鮪中トロ(蛇腹も霜降りの間に近い部位)ヅケ(千葉県勝浦産)
(16)車海老(熊本県天草産)
(17)小鰭(熊本県天草産)
(18)鯵(鹿児島県出水産)
(19)煮蛤(千葉県九十九里産)
(20)赤出汁(牡丹海老の頭の出汁)
(21)べったら漬け、削り柚子皮掛け
(22)北紫雲丹(北海道函館産)(はだてのうに)
(23)煮穴子(長崎県対馬産)
(24)本鮪中落ち(千葉県勝浦産)巻
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
(26)赤蕪の浅漬け
お酒
①生ビール(小)
②七田 純米(佐賀)
お会計は30,700円也。
春は多くの魚が産卵期を迎える難しい時期ですが、そんな事を感じさせない肴と握りのラインナップでした。
特に中トロはネタとシャリが渾然一体となって、沁々と染み入るような優しい美味しさで、穏やかな感動がありました。
ご馳走さまでした。
凛とした空気が漂います。
お酒①生ビール
(01)蛍烏賊(富山湾) 産卵期は通年、旬は春、寿命1年 富山湾では初冬と初春~初夏に産卵するがやはり春が一番良い。 蛍烏賊は薄味で茹でてあり、軟らかな歯応えと優しい甘みが拡がります。
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋と晩秋~冬 柔らかさが際立っており、優しくもしっかりした旨みが口腔内に拡がり、柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります。
(03)真子鰈(大分県産・1kg)、肝ポン酢 産卵期は冬~春、旬は春~夏 もっちりとした食感で、脂のりが良く、旨みを感じます 最初は山葵で、次にスダチと塩で、最後は皮剥ぎの肝&黄卵のポン酢で頂きました
(03)肝ポン酢、若布 最後は皮剥ぎの肝&黄卵のポン酢を若布で余す所なく頂きました
(04)毛蟹(北海道噴火湾産)、酢橘、柚子皮、紫蘇の花 毛蟹の産卵期は晩秋~晩冬、秋~冬の毛蟹は味わいが濃くなり、コクがあります。 酢橘、柚子皮、紫蘇の花と爽やかな薫りに包まれながら、楽しみました。
お酒②七田 純米(佐賀)
(06)牡丹海老(北海道増毛産)、紫雲丹(長崎県大村産) 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 牡丹海老は旬の終盤、身の甘みはしっかり。 紫雲丹は優しい旨み、あくまで主役は牡丹海老です。
(07)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)(8時間蒸し) 黒鮑の産卵期は秋~冬、旬は初夏~夏。 8時間掛けて酒蒸しされ、強烈な旨みが押し寄せてきます。 磯の香りも素晴らしい!
(08)鮟肝(北海道余市産)、刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り 鮟鱇の産卵期は春~初夏、旬は秋~春 裏漉しの鮟肝と細かく微塵切りした奈良漬、滑らかクリーミーでコクがあり、シャキとした食感も楽しめます
(09)虎河豚(長崎県産)の白子のお椀 もう虎河豚はシーズン終盤 炙られた白子は表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちています とろみのついた優しい味わいよ出汁餡と一緒に頂きます
(10)赤甘鯛(山口県萩産)の西京焼き 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬 甘鯛は3種類おり、白甘鯛>赤甘鯛>黄甘鯛の順 赤甘鯛は身に水分が多く脱水処理は必須 芳ばしさが薫り、脂が活性化して甘さが増してます
(11)白甘鯛(福岡県鐘崎産) 産卵期は夏~秋、旬は冬~初春 白甘鯛が上品な脂のりで一番美味しく、旬の終盤で上品な脂がのった甘さとモチモチ感もあり素晴らしい食感です。
(12)赤貝(山口県宇部産) 産卵期は初夏~夏、旬は冬~春 瀬戸内海産の貝類や雲丹は日本海や大平洋側に比べると味わいが穏やかです。 閖上の様な個性は無いですが、その分だけ臭み無く食べ易い
本日の本鮪は千葉県勝浦産
本鮪、3種類、どれも美味しそう♪
(13)本鮪赤身ヅケ(千葉県勝浦産・サイズ聞き忘れ) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。 赤身独特の風味とコクがあります。軽く漬けにされておりますが、酸味は仄かにあり、旨みが華やかです。
(14)本鮪中トロヅケ(千葉県勝浦産・サイズ聞き忘れ) 中トロの見た目は生の様にも見えますが軽く漬けてあります。 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
(15)本鮪中トロ(蛇腹も霜降りの間に近い部位)ヅケ(千葉県勝浦産・サイズ聞き忘れ) 先ほどの中トロよりも更に脂がのっています 「ああ美味しい」と沁々と感じました ネタと技術が渾然一体となっています
本日の車海老は熊本県天草産
(16)車海老(熊本県天草産) 産卵期は初夏~初秋、旬は初夏~初秋。 茹でたての温かい車海老はぷりぷり、温かなシャリがググッと沈み込みます。 車海老の華やかな甘みと旨味が押し寄せます。
(17)小鰭(熊本県天草産) 産卵期は春。旬はそれぞれ、新子は初夏 小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名 小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです
(18)鯵(鹿児島県出水産) 産卵期は春~夏、旬は秋~冬。 鹿児島近海は水温が高いので産卵は春なので魚の状態も良くないはずですが、肉厚で脂のりもバッチリでした。 鯵の香りもとても良いですね。
(19)煮蛤(千葉県九十九里産) 蛤は初夏~夏が産卵期で禁漁期間 旬は産卵前の春~初夏 非常に柔らかく煮られた蛤は、味わいもいいいですが、穏やかなツメが好み
(20)赤出汁(牡丹海老の頭の出汁) この日は牡丹海老の頭で出汁を取られたそうで、甘みがあり、赤出汁も円やかな仕上がりです。
(21)べったら漬け、削り柚子皮掛け 甘過ぎず爽やかです。 少し舌をリセット。
本日の北紫雲丹は北海道函館産「はだてのうに」
(22)北紫雲丹(北海道函館産) 産卵期は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹がタップリと贅沢! 握っているのに、雲丹の粒が潰れていません! シャリのほどけを楽しみ、北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります
(23)煮穴子(長崎県対馬産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと柔らかい煮穴子、そして温かいシャリ これも口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨み、ツメも濃過ぎず軽やかな後味
(24)本鮪中落ち(千葉県勝浦産)の巻物 適度に脂ののった中落ちを山葵と合わせて、すっきりとした後味に仕上げてあります。
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
(26)赤蕪の浅漬け パッと見は本鮪の中トロみたいにも見えますが、赤蕪です。(笑) 瑞々しくスッキリとしながら甘みがしっかり。
2019/04/06 更新
2019/01 訪問
真冬の旬を匠の技術で。
博多駅に着くと霙でしたが、直ぐに雷鳴が轟き、バラバラと雹が降ってきたかと思うと10分後には雪に変わるという目まぐるしさ。
あまりの寒さに震えながらも、帰りの新幹線が運休したらどうしよう?と不安を抱えつつ鮨さかいサンへ。
寒いのは嫌ですが、魚の脂がのり、食べ歩きするには良い季節かもです。
この日のメニュー。
先ずは肴から
(01)のれそれ(高知県産)の甘酢掛け
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮
(03)毛蟹(北海道噴火湾産)、酢橘、柚子皮、紫蘇の花
(04)虎河豚(福岡県鐘崎産)のぶつ切り、鮟鱇(山口県産)の肝酢掛け、若布(徳島県鳴門産)
(05)真鱈(北海道根室産)の白子のお浸し
(06)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産)
(07)鮟肝(北海道余市産)、刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り
(08)自家製唐墨
(09)虎河豚(福岡県鐘崎産)の白子のお椀
(10)焼き赤鯥(長崎県対馬産)
握り
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらいかしら?
酸味も塩気も程好く、甘みを加えてなさそうで、好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
ここから握り
(11)障泥烏賊(佐賀県呼子産)
(12)鮃(福岡県糸島産)
(13)めじ鮪(富山県産・本鮪の幼魚)
(14)小鰭(熊本県天草産)
(15)べったら漬
(16)本鮪赤身ヅケ(山口県萩産)
(17)中トロヅケ(山口県萩産)
(18)大トロ(山口県萩産)
(19)牡丹海老(北海道増毛産)
(20)煮蛤(千葉県九十九里産)
(21)赤出汁
(22)北紫雲丹(北海道産)
(23)煮穴子(長崎県対馬産)
(24)干瓢巻
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)
お酒
①若波 純米大吟醸 山田錦(福岡)
②而今 特別純米 火入れ(三重)
③七田 純米(佐賀)
④義侠 純米原酒 兵庫県特A地区東条町産 特別栽培米 山田錦60%(愛知)
⑤松の司 純米吟醸 AZOLLA(滋賀)
⑥綿屋 純米吟醸阿波山田錦55%(宮城)
写真に簡単な解説を付けています。
お会計は34,400円也。
この日は食べログアワードから3日後、少しその様子も伺いながら、ゆったりしつつ2019年の初鮨を頂きました。
冬は時化があったりして魚の揃え難い時期ですが、やっぱり脂のりは抜群。
これを匠の技で仕上げる訳ですから、美味しいに決まってます。
しっかり堪能させて頂きました。
ご馳走さまでした。
心地好い緊張感が漂います。
お酒①若波 純米大吟醸 山田錦(福岡)
(01)のれそれ(高知県産)の甘酢ジュレ掛け 柚子皮を削ってあり、甘酢ジュレは爽やかな味わい。 のれそれは真穴子の稚魚、透明な身体らしく澄んだクリアな旨み。
(02)真蛸(福岡県志賀島産)の桜煮 産卵期は初夏~初秋、2度目の旬となる晩秋~冬は旨味が強くなります。 柔らかくもしっかりとした弾力、そして旨み。 青柚子の香りが喉から鼻に立ち登る様に薫ります。
(03)毛蟹(北海道噴火湾産)、酢橘、柚子皮、紫蘇の花 毛蟹の産卵期は晩秋~晩冬、秋~冬の毛蟹は味わいが濃くなり、コクがあります。 酢橘、柚子皮、紫蘇の花と爽やかな薫りに包まれながら、楽しみました。
お酒②而今 特別純米 火入れ(三重)
(04)虎河豚(福岡県鐘崎産)のぶつ切り、鮟鱇(山口県産)の肝酢掛け 鮟肝を裏漉したものに酢を加えて、まるで鮟肝マヨネーズ! 旨みのある天然虎河豚にジャストミート! 円やか、かつ、濃厚な旨みにKO!
(05)真鱈(北海道根室産)の白子のお浸し コクのある白子の旨みをアッサリとした口当たりに仕上げてあり、優しい口溶けにほっと一息します。
(06)蒸し黒鮑(佐賀県唐津産) 禁漁期が解禁された直後の黒鮑は旬ほどの旨みはありませんが、初物らしい初々しさがあります 8時間掛けて酒蒸しされ、強烈な旨みが押し寄せてきます。 磯の香りも素晴らしい!
(07)鮟肝(北海道余市産)、刻んだ奈良漬と浸けた酒粕入り 肝がオールシーズン美味しい。 裏漉しの鮟肝と細かく微塵切りした奈良漬、滑らかクリーミーでコクがあり、シャキとした食感も楽しめる逸品です
(08)自家製唐墨(大分県産) 丁寧に塩抜きされた唐墨、炙ってあり芳ばしいです。 表面に旨みが濃縮された汗が浮かび、味蕾を刺激します。 そして微かな塩味もアクセントになっています。
お酒③七田 純米(佐賀)
(09)虎河豚(福岡県鐘崎産)の白子のお椀 炙られた白子は表面の皮の下にトロトロになった上品でコクのあるクリームが充ちています。 とろみのついた優しい味わいよ出汁餡と一緒に頂きます。
(10)焼き赤鯥(長崎県対馬産) 産卵期は初夏~秋、旬は冬~春。 西京味噌漬けして寝かしてあります。 皮目から芳ばしさが薫り、じっくりと火が通り脂が一段と旨みを増しています♪
お酒④義侠 純米原酒 兵庫県特A地区東条町産 特別栽培米 山田錦60%(愛知)
(11)障泥烏賊(佐賀県呼子産・2日寝かせ) 産卵期は春~初夏、旬は初春~夏、寿命1年 さかいサンで漬けでない障泥烏賊は初めて この日は塩で。 少しの歯応えを残しつつ、しっかりした甘みを感じました。
(12)鮃(福岡県糸島産) 産卵期は冬~初夏、旬は秋~冬。 いよいよ旬真っ只中、旨みと甘みが増してきました。 シャリとのバランスが絶妙です♪
(13)めじ鮪(富山県産) 本鮪の幼魚、ヨコワサイズよりも小さい感じでしょうか? しつこくない爽やかな脂のり、筋を全く感じない円やかな口当たりが美味しい!
お酒⑤松の司 純米吟醸 AZOLLA(滋賀)
(14)鮗(熊本県天草産) 産卵期は春。旬はそれぞれ、新子は初夏 小鰭は鮗(コノシロ)の青年期の呼び名 小鰭は夏、鮗は晩秋~晩冬、寿命3年 塩振りと〆具合は旨みと香りのバランスが取れていて好きです
(15)べったら漬、青柚子掛け 甘過ぎず爽やかです。 少し舌をリセット。
(16)本鮪赤身ヅケ(山口県萩産・167kg) 日本近海の本鮪の産卵期は春~夏、旬は初秋~冬。 赤身独特の風味とコクがあります。軽く漬けにされておりますが、酸味は仄かにあり、旨みが華やかです。
(17)中トロヅケ(山口県萩産・167kg) 中トロの見た目は生の様にも見えますが軽く漬けてあります。 人肌よりも温かめのシャリが、中トロの脂を活性化させ、すっと消えていきます。
お酒⑥綿屋 純米吟醸阿波山田錦55%(宮城)
(18)大トロ(山口県萩産・167kg) ネタは常温に戻されています。 シャリは人肌より温かく、より脂の旨みを感じる品。 薫り豊かで、とても美味しい。
(19)牡丹海老(北海道増毛産)の漬け 牡丹海老の産卵期は秋~春、旬も包卵する秋~春。 牡丹海老は旬真っ只中、身の甘みはしっかり。
(20)煮蛤(千葉県九十九里産) 産卵期は初夏~夏、旬は産卵前の春~初夏 非常に柔らかく煮られた蛤は、仕上がりの良さで九十九里産を入れられているそう 蛤の味わいもいいいですが、穏やかなツメが好み
(21)赤出汁 この日は何のアラで出汁を取られたのか、聞きそびれてしまいました。 生臭さが無いので、多分一度焼いてから出汁を取られているのだと思います。
(22)北紫雲丹(北海道産) 北紫雲丹の産卵期は秋、旬は春~夏 大きな北紫雲丹がタップリ。贅沢! 握っているのに雲丹の粒が潰れていません! シャリのほどけを楽しみ北紫雲丹の品のある甘みが口に拡がります
(23)煮穴子(長崎県対馬産) 産卵期は初夏~初秋、旬は夏~秋 ふわふわと柔らかい煮穴子そして温かいシャリ これも口の中に入れた瞬間にシャリがほどけます 一気に拡がる旨みツメも濃過ぎず軽やかな後味です
(24)干瓢巻 海苔の薫りが素晴らしく、握りっていない分だけ赤酢のシャリの美味しさを素直に感じ取れます。
(25)玉(芝海老と大和芋の擂り身入り) 芝海老と大和芋で、ふっくら&しっとりの焼き上がり、穏やかな甘さが印象的です。
2019/02/03 更新
JR博多駅から徒歩25分の「鮨さかい」サン。
堺大将が2013年に独立創業し、2017年に移転したお店。
店内は常に清潔感に溢れ、何時お伺いしても「魚の臭い」も「酢の臭い」もない。
通って約7年ほどですが、設えが汚れたり古臭く感じたりすることもなく、昨年から土足OKになったのは大きな変化ですが、いつも凛とした空間を保たれています。
現在は3店舗展開され
1》鮨さかい
2》我逢人
3》在掌
の3店舗を同じビルで運営していますが、関わる人が増えたり、お弟子さんが独立しても安定したクオリティを維持されているのですから、やはり堺大将の人を育てる力は素晴らしい。
一喜一憂せず、為すべきことを真摯に行う。
そういう「ひたむき」さがある様に感じます。
ネタは九州を中心にしつつ、味わいの構成として北海道などの上質な魚介も取り入れられています。
鮨はネタとシャリが生命線ですが、握り手によって食感が変わり、味わいまでも別物になるのが面白いです。
また食の好みも十人十色とは良いますが、握りの最初の1貫目のシャリの解れる感じが個人的に好みです。
お店の清潔感や始まりの口上など堺大将が守っている拘りやお人柄が手の平の中で凝縮されている感じがします。
おまかせコース(税込44,000円)と追加お摘み《裏漉し鮟肝と微塵切り奈良漬け》(税込2,750円)にプライベートペアリング(税込110,000円)と天然水(税込880円)でお会計は157,630円也。
前回のプライベートペアリング(税込110,000円)が余りにも素晴らしかったので、お財布には大変厳しいのですが、再び冥土の土産に最上位のペアリングを頂くことにしました。(^_^;)
ヘッドソムリエの藤島さんが特選した怒涛の美酒を肴とお鮨と一緒に楽しみました♪
稀少なワイン&日本酒が次々と、お財布事情が許せば毎回飲みたい!《絶体無理だけど》
そして今回も激ヤバなラインナップでした!
写真に解説を付けています。
ご馳走さま、幸せでした。
肴
①生イクラのマイクロ丼
②解し毛蟹&蝦夷馬糞雲丹、泡立てた甘酢ジュレ掛け、紫蘇穂花載せ
③真蛸の軟らか煮
④酒蒸し黒鮑
⑤葱トロ軍艦巻き
⑥牡丹海老(正式名:富山海老)
⑦虎河豚、鮟肝の肝酢掛け、刻み芽葱添えて
⑧炭火炙り藁で燻した秋鰆の微細パン粉薄衣揚げ、酢橘添え
⑨九絵&松茸&銀杏の土瓶蒸し
○ガリ
シャリは赤酢のブレンドで、堅い~軟らかいの分類でいうとちょうど中間よりもやや堅めくらい、酸味も塩気も程好く好きな塩梅です。
シャリの温度は人肌よりほんの少し高めでしょうか?
特に本鮪と車海老は更に1~2℃は高めかも。
握りは柔らかく、空気を含みつつも崩れることなく、大将が置いた瞬間、シャリがネタの重みで沈み、口に入れるとシャリはほどけて、やがて消え去ります。
⑩障泥烏賊
⑪松皮鰈(別称:王鰈)
⑫小鰭
⑬裏漉し鮟肝と微塵切り奈良漬け【追加】
⑭寒鰤
⑮本鮪赤身
⑯本鮪中トロ
⑰本鮪大トロ
⑱車海老
⑲炭火炙り北寄貝、黄色橙果汁掛け
⑳お味噌汁
㉑蝦夷馬糞雲丹軍艦巻き
㉒べったら漬け、削り黄柚子皮掛け
㉓蒸し真穴子
㉔干瓢巻き
㉕玉(芝海老と大和芋の擂り身入り)