味覚 文士(あじかく ぶんし)さんが投稿した富田屋(京都/宮津)の口コミ詳細

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「恵比寿の食通文豪・味覚の詩人」のグルメ書斎

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味覚 文士(あじかく ぶんし) (60代前半・男性・東京都) 認証済

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富田屋宮津/海鮮、食堂

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥4,000~¥4,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2025/10 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥4,000~¥4,999
    / 1人

海風と日本酒とカニハサミ。宮津・富田屋で五感が暴れる夜

ごきげんよう、諸君。
味覚の旅人・味覚 文士(あじかく ぶんし)である。

京都は宮津、天橋立の夜は、潮風が心をくすぐる。そんな風情の中、私は“富田屋”という名の庶民派の聖地に辿り着いた。外観は昭和の香りを色濃く残し、雨に濡れた石畳が店の灯りを映していた。まるで時代劇のワンシーンに迷い込んだような情緒。だが中に入れば、そこは胃袋のワンダーランドであった。

カウンターの奥では、職人たちが忙しくも軽快に動く。火が踊り、包丁が唄い、湯気が舞う。彼らの手元には一分の隙もない。速い、上手い、安い――その三拍子が、恐ろしいまでの完成度で鳴り響いている。

まず登場したのは、ウマヅラハギの刺身。透き通るような白身に、ポン酢が星屑のようにきらめく。肝を添えれば、それはもう“日本海のトリュフ”である。続いて秋刀魚の塩焼きが登場。脂が弾け、皮が香ばしく焦げる音が秋の夜長を奏でる。レモンをひと搾りすれば、海風と柑橘が舌の上で恋をした。

いわしの塩焼きは小粋な脇役、しかしその苦味と塩気が日本酒を呼び覚ます。いか煮は優しい甘辛さで、ぶり大根は“おふくろの記憶”そのもの。さらにベニズワイガニが卓上に現れた時、私は思わずペンを置いた。無言のまま、夢中でハサミを動かす――これはもう、食の修行僧である。

そして締めには、ラーメン、カレーうどん、肉うどんが並ぶ。どれも出汁の香りが深く、夜更けに染み入る滋味。胃袋が「もう一杯!」と懇願するが、諸君、ここは理性の勝利ではなく、快楽の降伏を選ぶべきであろう。

会計を終えて唖然とした。三人で食べて、飲んで、笑って――それで五千円を切る? これはもはや「奇跡の定食屋」である。

「美食とは、心と胃袋の共同作業。」
まさにこの言葉のために富田屋は存在している。

諸君、京都・宮津を訪れることがあれば、ぜひこの“胃袋の楽園”に立ち寄ってほしい。
そして、わが書斎で共に美食の物語を紡ごうではないか?

2025/10/04 更新

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