2回
2024/06 訪問
素材も技術も最高峰
おつまみもにぎりも全部美味しかった。
おつまみの中で、特に炙りボタンエビと炙り白甘鯛が絶品でした。炙りボタンエビは、炙ることで甘みが一層引き立ち、火入れ加減も絶妙で食感最高でした。炙り白甘鯛は神経締めのもので、皮目だけ炙ってあって、パリッとした食感が楽しめて、上質な白身の旨味が口いっぱいに広がり、特に印象的でした。
マグロは4貫提供され、それぞれ異なる個体から取られたものでした。中トロと大トロは鳥取で捕れた重さ145kgのもので、脂の乗り具合が絶妙で、濃厚な味わいが口中に広がります。一方、赤身とサク漬けは佐渡島直送の重さ55kgのもので、さっぱりとした味わいとともに、素材そのものの旨味が際立っていました。これらの異なる個体からのマグロを一度に楽しむことができるのは、すし良月ならではの贅沢な体験でした。
さらに、赤ウニは福井県小浜産で、その濃厚な味わいとクリーミーな食感が絶品でした。新鮮なウニの甘みが口いっぱいに広がり、至福のひとときでした。
すし良月では、素材の質と職人の技が見事に融合し、訪れるたびに新たな発見と感動が得られます。特に炙りボタンエビと炙り白甘鯛、4貫のマグロ、そして福井県小浜産の赤ウニは、どれも忘れられない一品であり、訪れる価値のあるお店です。
2025/12/09 更新
すし良月は、素材と仕事を順に積み上げていく内容だった。この店は豊洲からの仕入れを行っておらず、マグロ以外はすべて産地直送。その前提を踏まえると、つまみから握りまでの一皿一皿が、単なる良いネタではなく、流通を含めた設計の結果であることがよく分かる。
つまみは新潟・佐渡島の黒アワビから始まる。肝ソースには和歌山の白味噌が加えられているが、味噌の存在感は控えめで、アワビの旨味と肝の苦味をまとめるための補助的な役割に留まっている。続く利尻のバフンウニはいちご煮として仕立てで、ウニの甘さを強調するというより、出汁と海水の中で自然に成立させる構成。直前に使われたアワビの貝柱をここで再び出すことで、コース全体に一貫した流れを持たせている。カツオは皮目のみを炙り、香ばしさを最小限に加える仕上げ。藤本さんが獲った縞鯵も同様に皮目だけを炙り、すっぽんの出汁で仕上げたジュレと合わせることで、脂とコクが前に出すぎないバランスになっている。神経締めの鯖寿司は酸を立てすぎず、身質と鮮度の良さを前提にした作り。焼きボタン海老には和歌山の三ツ星醤油を塗り、最後は鯛のお出汁で口内を整えてつまみが終わる。
握りは新潟の中トロ、大トロから始まる。ここだけは例外的に豊洲経由のマグロだが、脂の量で押すのではなく、温度管理と切り付けによって食べ進めやすい状態に整えられている。アオリイカは米酢のシャリを使用し、長谷川さんによる神経締めらしい鮮度と、噛むほどに出てくる甘みが特徴的だった。明石の鯛、藤本さんの白甘鯛、明石の鬼鯵に紫蘇と続き、いずれも産地直送ならではのフレッシュさはっきりしている。毛蟹の蒸し寿司で一度流れを切り替え、新子、赤身、長谷川さんの金目鯛、天草の鯵と、江戸前の基本を淡々と積み上げていく。
終盤には千葉のはまぐり出汁が入り、コース全体を一度落ち着かせる役割を果たす。その後、藤本さんの赤ウニ、穴子の棒寿司で締める。
追加でいただいた長谷川さんのメイイロ、藤本さんのキジハタはいずれも状態の良さが素直に伝わる内容で、最後の干瓢巻きまで含め、全体を通して大満足。藤本さん、長谷川さんはいずれもトップクラスの漁師であり、産地直送という仕入れ方針と合わせて考えると、この店の鮨は素材が良いから成立しているのではなく、流通・状態・仕事が噛み合った結果として成立していることが、事実として伝わってくる一軒だった。