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夜の点数:4.3
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¥40,000~¥49,999 / 1人
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料理・味 -
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静けさに宿る職人の矜持
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2025/07/10 更新
華美な演出も、声高なアピールもない。ただ静かに、淡々と、握りが差し出されていく。鮨はしぐちは、そんな店だった。
店内は撮影禁止。磨き上げられた木のカウンターに、整然と並ぶネタケース。余計な装飾がない分、魚の輪郭と職人の所作が際立つ。
最初に供されたのは、熱すぎずぬるすぎない、ちょうど良い温度の熱いお茶。こうした一杯に、店の空気が詰まっている。サービスも控えめながら温かく、気配りが行き届いていた。
握りは漬けマグロから始まり、縞鯵、白いかと続く。新子はまだ時期的に早いものの、常連のリクエストに便乗していただいた。4枚付けの新子は、小さな背徳感と嬉しさが同居する。
その後もコハダ、赤貝、ミルガイと貝ものが続くが、どれもネタとシャリがぴたりと溶け合い、口の中で同時にふわりとほどける。赤貝の紐は軍艦仕立てで変化がつけられ、ハマグリは滋味深い余韻を残した。
マグロは中トロ、大トロと続き、脂の乗りに頼りすぎず、切りつけと温度の妙で食べさせる。いわし、鯵と青魚が入り、流れに軽やかさを添える。
続いてのキスにはおぼろがふんわりとのせられ、優しさのあるひと握り。アワビは肝とともに、重厚感を持たせながらも重たくない。
終盤は塩で仕上げた穴子、続けてツメでいただく穴子と、同じ素材の異なる表情を楽しむ構成。
全体を通して、派手さはない。しかし、ネタとシャリの一体感、所作の美しさ、そして心地よい距離感の接客。そのどれもが確かで、静かな満足が後を引いた。
当日のメニュー:
漬けマグロ
縞鯵
白いか
新子 4枚付け
コハダ
赤貝
ミルガイ
中トロ
大トロ
いわし
アワビ 肝のせ
赤貝紐 軍艦
ハマグリ
鯵
キス おぼろのせ
ウニ
穴子 塩
穴子 ツメ
玉