geoff_eats.jpさんが投稿した鮨しゅんじ(東京/六本木)の口コミ詳細

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鮨しゅんじ麻布十番、六本木、広尾/寿司

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥50,000~¥59,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2024/07 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥50,000~¥59,999
    / 1人

古池や蛙飛び込む水の音

鮨さいとうから独立——その肩書きだけで期待値は十分すぎるほどに立ち上がるが、鮨しゅんじはその期待を丁寧に満たすというより、ある一点で静かな水面に石を落としてくる店だった。

つまみは驚くほど穏やかに始まる。北海道つぶ貝と純菜のひんやりした立ち上がり、夏らしい一品。穴子は香ばしく仕上げ、しらすと大根の軽やかなコントラスト。タコは噛ませ、白甘鯛は温度で魅せ、マグロの角煮で一度しっかりと地に足をつけさせる。この時点ではすでに変化球のつまみ。何かを仕掛けてくる気配は、まだ水面下だ。

握りに入ると流れはさらに整う。スズキ、鯵、中トロと続き、そこで出てくる新子は3枚づけ。季節感だけでなく、仕事量そのものをきっちりと示してくるあたりに、さいとう系譜の矜持がにじむ。ハマグリの火入れは過不足なく、大トロで一度きれいな頂点を描く。ここまでは、教科書通りと言っていい。

そして次の一手で、空気が変わる。
旬の赤ウニ太巻き。

赤ウニを4箱分使用。軍艦でもなく、握りでもなく、太巻きにする——この発想自体が前代未聞だ。量の誇示ではなく、構造の選択。口に入れた瞬間、情報量は一気に跳ね上がるが、味は不思議と一方向に収束する。静かな流れの中に、突然「蛙が飛び込んだ」ような瞬間。この一貫が、この店をただの名店で終わらせない。

赤身、ボタン海老で整え、アワビの握りが出る。ここで添えられる肝ソースをアワビにつけて食べ、少し残した、その隙を見逃さない。次に差し込まれるのはウニの握り。残った肝ソースを受け止めるためだけに登場するウニという設計思想に、料理人の悪い笑顔が透けて見える。さらに肝ソース×ウニご飯で、余韻を完全回収。

終盤、穴子は骨を完全に消し、ふわふわという言葉しか残らない食感。トロタクで一度力を抜かせ、味噌汁と玉で静かに着地。追加の中トロと干瓢巻きも、騒がず、出しゃばらず、ただ気持ちよく終わらせるための一手。

鮨しゅんじは、さいとうの血統を引き継ぎながら、赤ウニ太巻きという異物を一点だけ落とす。その落差が、水音として最後まで耳に残る。
独立とは、派手に変えることではない。
静かな水面に、確信犯的に石を落とすことだ。

2026/02/04 更新

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