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世界最大のワイン品評会「IWC」で世界一に輝いた日本酒「鍋島」の蔵元が手がける日本唯一の酒蔵オーベルジュ内にあるレストラン 料理を任されているのは3つ星を獲得する日本料理の名店、東京「神楽坂石かわ」や、パリや福岡で1つ星を獲得したフレンチ「Restaurant Sola」などで研鑽を積んだ西村料理長です トップクラスの食材を使って名店で学んだ技術とセンスで繰り出される料理はどれもクオリティが高く、誰もが感嘆の声があげます 特に今回印象的だったのは九絵と芋茎のお椀 九絵の持つ上質な脂がお出汁に広がり芋茎がさらにいい役割を果たしています その他にも鮑の肝に海苔を合わせたソースなど細かな仕事がより一層食材の美味しさを引き立て楽しませてくれました メインの佐賀牛は厚みがあるのにとても柔らかく火入れも素晴らしかったです このヘレの極上の部分だけを使用するなど食材のレベル自体も非常に高いことがわかります そしてペアリングにはもちろん鍋島のお酒が登場し、Summer Moonからはじまり、活性にごり生酒や通称 裏鍋島と呼ばれる隠し酒にBLACK LABELなどここでしか飲めないような特別なお酒まで料理と一緒に楽しむことができます 料理構成のバランスもよく提供タイミングも素晴らしく前回よりもさらに満足度が高く進化されているのがわかります 必ず訪れるべきレストランのひとつだと改めて感じました
2024/07訪問
2回
京都府福知山で話題の3兄弟がいるレストランへ 3歳から包丁に興味を持ち始めた長男を皮切りに下の2人の兄弟まで同様にのめり込み、切磋琢磨しながらそれぞれの個性が発揮されるカタチとなり全国からそのKIREAJIの世界を求めて訪れる人が後を絶ちません まずは鉋を調整して鰹節を削りますが、なんと大工さんの大会に出場されたそうで、スタートからもうぶっ飛んでます笑 そして削り出される鰹節はなんと薄さ3.5ミクロン 人間の髪の毛よりも薄く研いだ鰹節をさらに複数用いてその時の感覚でブレンドしてるという…彼は三男で18歳です笑 続いて鱧の骨切りは同じく三男が担当 美しい音にゲストみんなが聞き入ってます ちなみにこちらは四国の有名な漁師「藤本純一」さんが仕立てた鱧で産地が違う2種類をオリジナルの神経締めとKIREAJIが見事に素材のポテンシャルを引き上げてます 次に自分達で育てている平飼いの鶏の卵を使った茶碗蒸しですが、こちらも鶏の餌や育て方など独自に研究を進めているそう さらにこの後登場するジビエですが、幼少期から狩猟を自ら行っていただけでなく、藤本さんの影響で猪や鹿までも神経締めをするなど驚きを隠せません 前半の締めくくりには、人参の一品が登場 これがまさにKIREAJIの極地とも言える一品で、表面が驚くほどツルツル 舌には一切のざらつきが感じられず、その仕上がりに感動を超えた驚嘆すら覚えました 毎日15時間も包丁を研ぎ、一度切った包丁は次研ぐまで使わないという徹底したこだわり。その姿勢には驚かされます。 料理に入る前に、KIREAJI(切れ味)を極めることで味にどんな違いが生まれるのか、胡瓜を使って実演してくれました。 基本的に、食べ物はストレスを受けることで防御反応を起こし、苦味やえぐみにつながるとのこと。しかし、切られたことに気づかない状態を作ることで、そのストレスを防ぐという理論に基づき、引き切りという技術で細胞を傷つけずにカットできるそうです。 実際に食べ比べてみると、切られたことに気づいていない胡瓜は青臭さが全くなく、驚くほどクリアな味わいでした。 興味深いのは、ここまでKIREAJIを追求しながらも、必要であればそれを捨てる柔軟性を持ち合わせているところです。例えば、鹿肉のカツレツの衣を作る際にはフードプロセッサーの刃を極限まで磨いたそうですが、それでも思うような仕上がりにならなかったため、思い切って手でパンを裂いて作る方法に変更したとのこと。その結果、衣はサクサクに仕上がり、驚くほど美味しいものになりました。 メインディッシュは、土鍋と銅鍋で炊いた自家製のご飯と、ぷるぷるの出汁巻き卵。 ハンバーグは、引いて切った挽肉を使い、猪と鹿に松阪の豚バラ肉をミックスして脂を足しています。お肉ごとに味を引き立てるため、包丁も使い分ける徹底ぶり。ここまでの境地に達しているのは本当にすごいことです。 さらにこの日は、完成したばかりの特製ラーメンもいただきました。麺は専用の包丁を使わずカットされており、驚くほど歯切れの良い食感でした。 最後のデザートは、切られたことに気づいていない洋梨と、切る必要すらなかった柿のセット。 こうして書いているだけで、若くしてこれだけのことを成し遂げているのが改めてよくわかります。そして、それでいてスポンジのようにどんどん吸収して進化を続けている。 次に訪れるときには、さらにどれほど成長しているのか、それを味わえるのもこちらの魅力の一つと言えるでしょう。
2024/11訪問
1回
凛としたお店の雰囲気に香りを効果的に演出される藤岡大将 サスエの前田氏が仕立てるお魚と静岡の食材を活かすお料理で今回も素晴らしい体験をさせてもらいました 削りたての1番出汁は目の前で鰹節と今回は鮪節を削り、味を確認する姿は恒例でとても神聖な儀式です スペシャリテと言える白甘鯛の松笠焼きは焼き台が進化し、さらに繊細な火入れ 他にも専用の生け簀でギリギリまで飼われていた鮮度の高い綺麗な太刀魚のお椀やコンフィのように調理された鯖は血合いが美味しく白味噌と相性も良い そしてイチから炒った胡麻と和えるほうれん草は根元が土を感じながらもとても甘く富士山がある静岡ならではの味わい この日は偶然にも富士山の日で毎年その日の朝に搾られる貴重なお酒と共にとても素敵な時間を過ごすことができました また次回の訪問が楽しみです
2024/02訪問
4回
瀬戸内を中心に全国から選び抜かれた旬の食材を楽しむことができる日本料理店 店内は無駄を排した洗練された空間で、中央の焼台から食材の香りや音を楽しめるよう設計されています 舛永大将は東京の名店「日本料理 晴山」さんから独立されたこともあり、そのイズムがこちらでも活かされています スタートに馬糞雲丹と有明海苔の柚子釜寿司 柚木の蓋を絞って完成 次のお椀は松葉蟹の白味噌仕立て この日1番のハイライト料理がこちら お造りはアオリイカとメジマグロ 塩と酢橘、辛子大根醤油でそれぞれ味わいます 広島ではバクダンと呼ばれる大きな赤貝 そして中央の焼き台で焼かれた鰆は一本釣り 河豚の唐揚げと煮凝りは本来であればテッサで出すような部分を贅沢に使っており、最高の唐揚げ 煮凝りはゼラチンを一切使ってないこだわり メインには広島が誇る榊山牛のしゃぶしゃぶ 〆は春野菜と河豚の土鍋ご飯でデザートにイチゴとセトカのゼリー 前述のとおり、食材・出汁・器と名店で学んだことを受け継ぎながら地元・広島でやれることを工夫してしっかり表現されています 大将も感じが良く、わざわざ広島まで定期的に訪れたいと思わせるお店でした 永山
2024/02訪問
1回
憧れの京都「富小路やま岸」さん トキシラズと飯蒸しからスタートし、鱧、甘鯛、とり貝、鰻といった豪華な食材に じゅんさいや加茂茄子などどれも本当に美味しかったです 稚鮎はまるで三十三間堂の千手観音のような迫力で料理だけでなくエンターテインメントとしても魅せてくれるやま岸さん その魅力にすっかりファンになっちゃいました そしてやま岸さんのスペシャリテといえば「雲丹ドック」 そして大将のこの素敵な笑顔 水菓子は雨の日の紫陽花をイメージして水泡まで細かく考えられていて職人でありながらもクリエイター的一面も垣間見ることが出来ました 最初から最後まで素敵な体験
2023/04訪問
6回
佐賀・唐津、浜玉町にある天保の時代から続く創業200年超の名店「飴源」。 ウェイティングルームでいただく香り高いよもぎ茶と、鮮やかな赤紫色の紫蘇ジュースで食事が始まる。 この日は特に、いい鰻が入荷したとのことで追加注文。 コースはまず、甘辛いタレに絡められた香ばしい川エビ、ほのかな甘酸っぱさの梅シロップ、鮎の南蛮漬けからスタート。 続いて、会長が育てた瑞々しい紫玉ねぎを添えた鰻の湯引きは、さっぱりとしたポン酢で。 鯉の洗いと鮎の背ごしには、自家製の新鮮野菜を添え、特製の酢味噌と自家製柚子胡椒で味わう。 鮎の背ごしは骨を残しながら薄く引かれ、川魚の風味をしっかり感じさせる。 大きめの鮎は塩焼きで蓼酢を添え、飴源名物の飴焼きは甘みと香ばしさのバランスが絶妙だった。 鰻の飴焼きは、艶やかに照り輝き、ふっくらとした身に濃厚なタレが絡む。 肝も添えられ、頭まで丸ごと味わえる贅沢な味わいだった。 春先と秋に旬を迎えるツガニ(モクズガニ)は濃厚な味わいで、女将が目の前で殻割りや食べ方を丁寧に教えてくれる。 鮎の唐揚げは外はカリッと、中はふっくらとして、川魚の新しい魅力を引き出していた。 鯉こくはコク深くも優しい味わい。 鮎ご飯には旨味がじんわり染み込み、添えられた西瓜の皮の漬物がさっぱりとアクセントに。 デザートは瑞々しい西瓜、甘みの強いメロン、爽やかなキウイが籠に盛られ、食後の口をすっきりと整えた。 女将の心遣いと、地域の自然や歴史を映す川魚料理の数々が、この地でしか味わえない豊かな食体験を生み出している。 次は秋のツガニの旬にも訪れて、別の季節の恵みを楽しみたい。
2025/07訪問
1回
京都・木屋町の予約困難店〈食堂みやざき〉。 食堂おがわで腕を磨いた大将・宮崎さんが手がける、京都を代表する和食の名店。 この日は常連さんによる貸切会に参加。 スターターはすだちサワーで乾杯。 茶碗蒸しには百合根とこのわた、スナップえんどうは胡麻和えで。 とうもろこしとごぼうのかき揚げや鱧と烏賊のお造り、バイ貝のうま煮。 定番のからすみ餅は手渡しで。 稚鮎の串打ちと焼きは目の前でライブ感たっぷりに。 脂ののった鱸の煮付けは、濃厚な煮汁が絶品で、ご飯にかけて卵黄と一緒にかき込むのが最高。 ご飯は蕗の薹ごはん、ふわふわ卵焼き、ちりめん山椒入り“みやカレー”と怒涛のおかわり展開。 大将・宮崎さんとの楽しい会話と、美味しい料理が最高でした。 より詳細な内容はブログをご覧下さい https://bishokuquest.com/restaurants/5883/
2025/05訪問
6回
黒崎という場所にありながら福岡を代表し、福岡の日本料理を引っ張っていく存在 カラスミ餅は何個でも食べれる 近所の農家さんのトウモロコシをはじめ素材本来の味を生かしながら地元を盛り上げる姿勢と技術に高い評価の理由を垣間見ることができました この日は特別に壱岐牛も頂き、そしてデザートのアイスも美味しかった アイス屋さんも出されてるのでそちらも行ってみたい
2022/06訪問
3回
島根・津和野町。高津川の鮎を味わうための、夏の一日。 この時期のコースは、鮎だけで組み立てられた構成。 鮎そのものだけでなく、うるかや子うるかといった副産物も余さず活かされ、調理法を変えながら流れに緩急をつけていく。 最初の一皿は「鮎の南蛮粥」。揚げた鮎と穏やかな酸味の餡、実山椒の香りが合わさり、鮎の輪郭をやわらかく浮かび上がらせる導入。 続く「鮎と冬瓜のお椀」は、焼きの香りをふわりと閉じ込めた一椀。力まず、でも芯がある構成。 「背ごし」は氷に沈められた鮎を一切れずつ取り出し、水気を切ってから口に運ぶ。鮮度と技術が揃っていてはじめて成立する一品で、ひと口で素材の輪郭が伝わる。 そこから姿焼きへ。一本目はやや小ぶりで香ばしさが立つタイプ。蓼酢の酸味がきれいに香りを引き締めていた。 「鮎の春巻き」は、うるか味噌と実山椒入り。仲居さんから手渡しで供され、しっかりと熱が保たれたまま口に入る。構成、火入れ、香りの設計まで含めて秀逸な一品。 二本目の姿焼きはやや大ぶりで、鮎そのものの味わいがより明確に。一本目との違いがはっきりと感じられる流れ。 追加でお願いした「子うるか」は、秋の終わりに採れた白卵を塩漬けにし、発酵させたもの。珍味ではあるが、輪郭はやわらかく、酒がなくても素直に味わえる。 炊き合わせは「うるか茄子」。うるかで煮た茄子に、白米をさらっと落として食べるのがまた良かった。鮎の内臓を使った料理の中でも、記憶に残る一皿。 口直しには「鮎の酢のもの」。軽やかな酸味とともに、胡瓜や山芋の清涼感で流れを一度整えてくれる。 締めは「鮎ご飯と白味噌の汁」。焼いた鮎の身がしっとりと混ぜ込まれ、ご飯全体に香ばしさと塩気が行き渡る。汁は甘みがあり、静かな着地にふさわしい構成だった。 最後に出てきたのは「青梅の甘露煮」。煮含めた梅の芯にほどよく酸味が残っていて、かき氷の清涼感とともに、口の中がすっとほどけて終わる。 現在は三代目が主人。京都で修業を終えた四代目も現場に加わりつつあり、土地に根ざした鮎料理の技と記憶が、次代へと受け継がれていく。 静かな町の空気とともに、高津川の鮎をひたすらに味わうコース。 派手さはなくとも、構成の意図と職人の技が明確に伝わってくる食卓だった。
2025/07訪問
1回
石川・金沢「片折」。 町家の静けさに包まれた八席のカウンターで味わうのは、 “素材に委ねる”ことを極めた引き算の料理。 調えるのは、火と水、温度と香り。 所作と器、空間すべてに美意識が通い、 料理を超えて“記憶に残る時間”が流れていく。 席につくと、熱々のおしぼりで首元を温め、玄米茶を一服。 最初の一献は、大将が注ぐ能登の地酒「竹葉」。 スターターは控えめにハイボールを。 先付は、七夕の短冊を模した「五色寄せ」。 涼やかな出汁ジュレに浮かぶ彩りが、季節の節句を静かに映す一皿。 カウンターではお弟子さんが鰹節を削り、大将が一番出汁を味見。 静かな所作に、空気まで整えられていく。 お椀は、能登アワビと玉子豆腐。出汁の透明感が際立つ一杯。 造里は、氷見の鯵・青バイ貝・スズキ。塩、ちり酢、わさび醤油を使い分け。 別皿の岩牡蠣(千里浜)は、ジュレをまとって。 焼き物は、マナガツオの塩麹焼き。 ふっくらした身と絶妙な火入れに、ただ静かに感動。 刻まれたオクラが星のように浮かび、天の川をイメージした滝川豆腐は、“とぅるん”と独特の口あたり。 太刀魚の鳴門揚げは渦の断面も美しく、ふわふわ軽やか。昆布塩で。 小鯛の笹舟寿司とみょうが寿司。スダチを2〜3滴、香りとともにいただく。 茄子のくるみ味噌田楽は、箸で切れるほどやわらかく、出汁がじゅわっと染み出す。 新じゃが饅頭は、夏祭りのじゃがバターを和食で表現。 そして、女将が目の前で焙じてくれるお番茶。ふわりと立ちのぼる香りに、心も緩む。 ご飯は、富山で大将のお父様が育てたコシヒカリに、氷見牛のしぐれ煮とお味噌。 そこからおかわりラッシュ。 ① 鯵の漬け丼 ② 太刀魚の天丼 ③ 梅茶漬け(鉄鍋で炊いたおこわを手割りして添える) ④ 卵かけご飯(本枯節たっぷり) ⑤ 鯵の月見漬け丼 締めは、ぷるんとした蓮根餅と、お抹茶。 最後の最後まで、香り、温度、余白が美しい。 料理の美しさだけでなく、出汁やお米、水、所作に宿る静かな熱量。 派手さではなく、心に深く残る“記憶の味”がここにありました。 より詳細な内容はこちらのブログをご覧ください https://bishokuquest.com/restaurants/6136/
2025/07訪問
1回
浜松「勢鱗」にて、春限定・天ぷらコースの夜。 こちらは季節ごとに業態が変わるスタイルで、4〜5月は天ぷらが主役。 スタート前の酒肴から印象的で、朝採れホワイトアスパラには自家製の唐墨をたっぷりと。 浜松の赤貝と鳥貝は分厚く力強く、特に赤貝は“餌である昆布の風味をそのまま食べているような”印象深い味わい。 そしてこの日、一際印象に残ったのが「もちがつお」。昼過ぎに目の前の海で水揚げされたばかりの個体で、血合いも含めて状態が抜群。その血合いを炊いた出汁は臭みが一切なく、鰹の香りと滋味に満ちていて、状態の良いときにしか供されない貴重な一杯。 虎魚(オコゼ)のすっぽん煮は、水と醤油のみで整えた潔い味付けで、澄んだ旨みがじんわり沁み渡る。 そこから天ぷらへ。 海老は2本、それぞれ火入れを変えて。アスパラは茎と穂先で衣の厚みを調整。 メゴチ、アオリイカ、小柱、平貝、新玉ねぎ、メヒカリとテンポよく。 海老の頭をカリッといただいた後は、割った瞬間にふわりと煙が立つ穴子がクライマックスを飾る。 締めには、弟子の方が打った長野の蕎麦粉を使った二八蕎麦。喉ごしも香りもよく、気持ちよく余韻へ。 そして序盤でも登場したもちがつおが、バラちらしとして再び登場。違う表情で、最後にも味わえるのが嬉しい。 ともに供されたのは、純国産アサリのお吸い物。聞けば、混血の記録が一度もないという、浜松が誇る貴重なあさり。 勢鱗をはじめ、鰻・焼鳥・焼肉と多店舗を展開するグループ。訪問の2日後には熊本の富貴製麺とコラボした中華蕎麦店も始動。 飲食での上場を目指すという明確なビジョンと、地元・浜松の食文化への誇りが伝わってくる夜でした。 より詳細な内容はブログにて https://bishokuquest.com/restaurants/5064/
2025/04訪問
1回
焼津の住宅街にひっそりと佇む茶懐石「温石」。 店主・杉山乃互さんが紡ぐのは、地元・焼津とその周辺地域の旬の恵みを生かした静かな茶懐石。 サスエ前田魚店の前田さんが仕立てる魚と、地域の多彩な食材を、緩やかな流れの中で重ねていく。 口火を切るのは、鯵の胡瓜巻き。 ジンドウイカを炭火でふわりと炙り、自家製のイカ墨生姜をまとわせたひと皿。菜の花とマスタードの添えも印象的。 焼津の鱧を生つくねに仕立て、ローストした葉玉ねぎの香りを重ねる。 お椀は白甘鯛に椎茸、わらび、山椒の芽。 お造りは鰆の炙りと泥障烏賊。沿岸に自生するハマボウフの香りが初体験の味わい。 ヒラアジの蓮根包み揚げは、食感のコントラストが楽しい。 朝採れのズッキーニは、水分をたっぷり湛えた状態で炭火にかけても崩れず、素材の甘さが際立つ。 ズッキーニの概念が変わる逸品。 焼物はのどぐろ。実山椒醤油が脂を引き締め、香りで印象を深める。 鰤のしゃぶしゃぶは、新玉ねぎの甘さとともに。 口直しのホワイトアスパラとトマトは、そのアスパラで取った出汁がまるでポタージュのような濃度。 メインの知床牛は、炭火台の上空でじっくりと火入れを重ね、直火と遠火、休ませを繰り返して仕上げたやわらかさ。 ご飯は筍ご飯と鰤丼の二種。 デザートは静岡産きらぴ香。 そして「〆にタケノコです」と運ばれてきたのは、筍に見立てて立てられたカステラ。大将の茶目っ気に笑みがこぼれる。 最後は一服の抹茶。 凛とした空気に、土地と季節と作り手の誠実さが静かに染み渡る、そんな時間でした。 より詳細な内容はブログにて https://bishokuquest.com/restaurants/5144/
2025/04訪問
1回
10キロを超える五島のカツオを契約米農家さんの藁で燻してタタキに仕上げる 身は厚く口に運ぶとたっぷりと乗った脂がじゅわっと広がり、その濃厚な旨味が一気に押し寄せ、脳天を揺さぶる 食べることが好きで特にお鮨が好きな大将は握りでもカツオを提供 鮪の漬けは仕上げに炙って香ばしさがさらに増す独自の手法でさらに食欲を刺激してくる 細部に宿るこだわり、そして大将の温かいおもてなしに触れながら、大分・中津という土地の恵みを五感で味わう、特別なひとときだった。 より詳細な内容はブログにて https://bishokuquest.com/restaurants/2626/
2025/02訪問
1回
魚治の向かい側にあり、湖畔に面した日本料理店 2階は1日1組が宿泊できるオーベルジュとなっている 京都吉兆嵐山で研鑽を積んだ魚治7代目が料理でおもてなしをしてくれます 外は見渡す限り一面に琵琶湖が広がり、長浜から近江八幡、京都の方まで見通せます そして鮒寿しを中心にここでしか食べられない食材が次々と味わえます 特に最初のうぐいや琵琶湖の天然の鰻は市場に出回らないお魚で鰻は育った琵琶湖の水の味を感じることができます 台風の時にわざわざ来てもらって…という大将の心意気で頂くことができました 八寸は純粋な鮒寿しの味を楽しめるとも和えや甘露煮、鮎の握りに氷魚で構成 他にも鮒寿しはからすみ餅のような食べ方やトマト素麺と合わせたり、同じ発酵食材としてチーズのようにパスタでいただいたり、かなり驚かされました そして琵琶マスのお造りに琵琶湖の鮎とここでしか食べられない食材を堪能 鮒寿し茶漬けで心も身体もほっこり整いました ロケーション込みで何度も訪れたいと思える場所で冬はジビエなど季節を変えて再度訪問したいと思います より詳しい紹介はブログにて https://bishokuquest.com/restaurants/656/
2024/08訪問
1回
劇場のようなカウンターで始まる、心躍る春のコース。 冒頭は、毛蟹に胡瓜の白子酢を合わせ、土佐酢ジュレと花穂紫蘇を添えた爽やかなひと皿。 炭香る石鯛のたたきは、トマトと行者にんにくを巻いて香り豊かに。 「独活のチュロス」は衣は軽く、中はしっとり。絶妙な水分の残し方に驚かされます。 碓井豌豆の豆ごろもは、春の甘みとやさしさに満ちた味わい。 白子筍のお椀には、相性の良い徳島のわかめを添えて。筍の出汁がしみわたるような美味しさ。 桜鱒のしゃぶしゃぶは白味噌仕立て。花山椒、くれそん、玉ねぎの香りが折り重なり、春の余韻を楽しませてくれます。 スペシャリテでもある大隅半島の鰻は、まずは白焼でシンプルに。後半は蒲焼とTKGで二幕構成。 ご飯は筍ご飯に、自家製のちりめん山椒と明太子をのせて。思わずおかわりしました。 デザートは、わらび餅に黒胡麻バナナアイスを重ねたパフェ仕立て。香ばしさと甘さのバランスが心地よく、抹茶とともに静かに締めくくり。 器の美しさも相まって、ここ福岡にいながらまるで京都を旅したような贅沢な時間でした。 より詳細な内容はこちらのブログをご覧ください https://bishokuquest.com/restaurants/5375/
2025/04訪問
4回
阪急塚口駅からすぐの路地裏にひっそりと佇む日本料理店 オープンから1年の新店は2階建ての一軒家で茶室をイメージされたという綺麗で凛とした空間です 季節を感じれる食材に長年培わられた職人技でどのお料理も美味しく、鮎釣りが趣味という大将自ら獲ってきた個体を味わう粋な時間 すっぽんや鱧などの食材を扱っても驚くべきコストパフォーマンスでした 〆の土鍋ご飯ではカメラに向かって手を振るお茶目な大将も面白く、さらに勉強熱心でますます人気が出ること間違いないお店です
2023/09訪問
1回
中央アルプスと南アルプス、ふたつの山脈に挟まれ、山菜や川魚、ジビエに松茸など食材豊かな土地で美味しい日本料理が頂けるお店 春のお料理ということで朝獲れの特大アスパラに香りが素晴らしい花山椒と熊肉のしゃぶしゃぶなどこの季節のスペシャリテを堪能 フルーツトマトの下にクリームチーズと茎山葵の甘酢漬けを敷いて挟んだ最中やおやきなど印象的で創作性の高いお料理や根元から先までに味の変化を楽しめ、それぞれの個性が際立つグリーンアスパラとホワイトアスパラを食べ比べをしたり、三つ葉を天ぷらに食材をシンプルに生かしたお料理まで様々 そしてメインの熊肉のしゃぶしゃぶにはカットが難しく細切りにした熊のタンなど料理人としての技術の高さも感じられ、そこに奥様の攻めたペアリングが組み合わさって素晴らしい体験を味わうことができました 名古屋駅から車で2時間弱の道のりで福岡からだとさらにハードル高いですがぜひまた季節のお料理を味わいに行きたいと思えるお店
2023/04訪問
1回
福岡・奈良屋町「青」の特別営業「裏青」。 テーマは洋食/欧風レストラン。 普段はペアリングとサービスを担う福島みきさんが中心となり、金田英之シェフの粋な計らいで暖簾の「青」が裏返された夜。 まずは定番の黒い饅頭から。 中にはフォアグラ、豚足、トリュフの餡。薄い皮から濃厚な香りと旨みが溢れ、一気にコースの空気が立ち上がる。 続くとうもろこしとトンカ豆は、芯ごと煮出した香りをゼリーにし、ムース状のとうもろこしを注いで。下から混ぜて掬うと、香りの層がやわらかく広がる。 琵琶鱒とフルーツトマトのサラダは、バジルソースと小粒の実の食感がアクセント。 夏野菜と車海老のリゾットは、野菜の歯ごたえと海老の旨みを米がしっかり受け止める。 洋食の定番ローストビーフは、松坂牛ランプを使用。刻み葱と削った西洋わさびで香りを立たせ、仕入れは飯塚で焼肉店と精肉店を営む「Mr.青木」さん。 毛蟹とマカロニのグラタンの後に、この夜のひとつめのハイライト——鱧バーガー(フィレオフィッシュ風)。 パンストック特製バンズに、ふっくら揚げた鱧とたっぷりのタルタルソース。久保田農園のハーブが香りを添え、懐かしさと新しさが同居する、笑顔になる一品。 奈良屋町青らしいトマトのコンソメジュレと素麺は、旨みと涼やかさが共存する小休止のような皿。 そしてもうひとつのハイライト——ハンバーグ/椎茸のクリームソース。 外は香ばしく中はふっくら、椎茸の香りとコクが包み込み、洋食屋さんの温もりを今の感覚で引き上げた味わい。 そこからバターライスを経て、金田シェフが仕込んで行った頰肉のビーフシチューへ。 約3時間煮込まれた肉がソースに溶け込み、バターライスと合わせると幸福感が一気に広がる。 締めはクラシックなビジュアルのバニラアイス。丸く美しいフォルムにバニラビーンズの粒が散り、洋食屋さんの余韻を残しつつ、スペアミントとレモングラスのハーブティーで香りよくフィニッシュ。 洋食の記号を散りばめながら、今の感覚で再構築。 遊び心と技術のバランスは終始安定し、福島さんらしいペアリングの視点が皿と飲み物を近づける。 普段の「青」とは異なるオムニバス感がありながら、立ち上げ期から金田シェフを支えてきた厚みが、安心して委ねられる夜を作っていました。 福岡・奈良屋町の路地裏にひっそりと佇む「青」さん。 店主の金田英之氏は、フランス料理と日本料理、そして世界を旅して得た感性を、一皿ごとに静かに、しかし鮮やかに表現する料理人。 凛とした空間に流れる緊張感と、どこか遊び心のある構成。 そのすべてが、記憶に残る食体験へと昇華していく。 一皿目に出されるのは、定番の黒い饅頭。 フォアグラと豚足、トリュフの餡を包んだ熱々のひと品で、訪れるたびに心を掴まれる。 続いて、新生姜のおじや。 すっと染み入るようなやさしい温度と香りで、 日本料理でいうところの“お凌ぎ”として、緩やかにコースへ橋をかける。 そこからは、ウニと伊勢海老のコンソメを重ねたホワイトアスパラのムース、蛍烏賊と筍の春巻き、素麺に見立てた長芋、ぬたを巻いていただくのさぎ牛のしゃぶしゃぶ。 馬肉は手で包み、ノドグロは香ばしく炭火で。 そして、のざき牛のヒレは衣の中に旨みを閉じ込め、酸を効かせた黒酢が全体を引き締める。 締めには竹崎蟹のスパイスカレー。 飴細工のムースと水羊羹という定番の甘味で、静かに着地。 どの皿にも技術があるが、それをひけらかすことはなく、ただ自然に次の皿へと導かれていく。 決して派手ではない。だが、この流れを成立させるのは簡単ではない。 積み重ねと精度、そして芯があるからこそ可能なコースだった。 より詳細な内容はこちらのブログで https://bishokuquest.com/restaurants/4580/ 今年新たにオープンした「奈良屋町 青」さん。 あの龍吟出身というだけで期待が上がります。 中洲川端駅から北の方に向かってまっすぐ行ったところにある路地。 シグネチャーとも言える饅頭の中は豚足とフォアグラとトリュフが。 これがめちゃちゃ美味い。 他にも車海老のコンソメなど季節の食材を組み合わせながら開始序盤から高まります。
2025/08訪問
7回
佐賀・唐津の山あいに佇む築140年の古民家を、大将・平河直さんが自ら設計して土間に改装した料理屋「あるところ」。 東京や福岡での修業を経て、とくに「たらふくまんま」で学んだ竈炊きのおにぎりを大切に受け継いでいます。 店内には恵比寿様の鬼瓦やクラリネット二重奏のBGMがあり、まるで昔ばなしに入り込んだような空間です。 この日の料理は、 ツルムラサキのお浸しに始まり、 トマトの酢のもの、唐津のヤリイカの烏賊そうめん、鯛のお造り。 白ワインを合わせつつ、茄子のくず仕立てや夏野菜の天ぷらを。 メインは唐津産・金桜豚の肩ロース炭火焼、脂の甘みときめ細かな肉質が印象的でした。 続いて鱧のしゃぶしゃぶ。鱧の頭と骨からとった出汁に、半生でいただく鮮度の良い鱧と野菜の旨みが重なり、鍋全体が完成していくような味わいに。 〆は大将が竈で炊いたご飯を目の前で握るおにぎり。ぬか漬けと、川島豆腐のざる豆腐を使った納豆汁を添えて。 おかわりには、自家製ちりめん山椒のおにぎりや、梅干しのおにぎりも。 甘味は自家製のずんだ餅。枝豆のフレッシュな香りと濃厚さに、思わず「販売してほしい」と思うほどでした。 素材の持ち味をそのまま生かし、空間と料理がひとつの物語のように流れていく。 「あるところ」で過ごす時間は、その名の通り、それぞれの心に残る“昔ばなし”の続きを見つけるような体験でした。
2025/08訪問
1回
名店が多い京都の日本料理の中でも5本の指に入るほど評価が高い烏丸御池にある「飯田」さん 紹介制としたことでグルメガイドの三つ星を返上 予約困難ですが光栄なことにお誘いいただき初訪問 食材の組み合わせ方、写真NGのため載せれないが野菜のカットが芸術的、そして魯山人をはじめとした素晴らしい器の数々 全てが美しく、とにかく技術とセンスが素晴らしい 貴重な機会をありがとうございました