69回
2021/12 訪問
今年もめっちゃ美味しかった!!
まだお初のアミューズがありました。フロマージュの爽やかさとあんぽ柿の甘みが好バランス。
単体では主張が控えめなカリフラーも、ずわいのコクとビーツの優しい酸とで、一気に複雑な冷前菜に。
冬の定番スペシャリテ。フォワグラとトリュフのボリュームある味わいを、蕪の瑞々しさでいい塩梅のバランスに。
ドドーン!!この日届いたばかりのアルバ産白トリュフ。大きさに負けない迫力の香り。
白トリュフは、やっぱりお供のバローロと一緒にタヤリンかリゾットに限る!この魅惑の食材の活かし方は、イタリアンの専売特許。
あの後に出すお皿は、意外と勇気いるかなと思いますが、ガラッとリズムを変えることで、まったく遜色なく。こちらもスペシャリテの牡蠣とほうれん草のパヴェッテ。
髙橋シェフには珍しい煮込み。まったくパサつくことなく、猪の弾力と旨味はしっかりと残すギリギリの煮込み時間で。いいね!
これまた秀逸ドルチェ。温かいタルトタタンにバニラアイスを乗せるような、コントラストの再構築とも言えますね。ゼリーなどの食感のバリエーションで、より豊かで絶品。
この子、見事。マコンの薄っぺらさは貴腐葡萄で補って絶妙なバランス。マコン・ヴィラージュとして味わうなら、最高峰かも。
こちら、味見のアリゴテ。こちらも、アリゴテとは思えない奥行き。流石のレシュノー。
正直、サヴァニャンは難しいイメージがありますが、シャルドネと見事なアッサンブラージュ。フォワグラや黒トリュフと張り合えるボリューム感が素晴らしい。
白トリュフとピエモンテマリアージュ。美し過ぎるビロード。余計なことは言うまい(笑)。
緩急自在か!メジャーな造り手が少ないコルシカですが、こちらも新鮮な驚き。ミネラル感は牡蠣とその塩みに寄り添うし、ディルのバーブやレモンの柑橘にもピッタリ。
カリニャンわずか3%のほぼシラー。トゲトゲしがちな品種なので、8年ぐらいは最低必要ですね。そして、小慣れてくるとこの上ないエレガンスを発揮しますよね。カプネットのスパイスや猪の野趣には、いいお友達。
1er.?と思うほどのシャンボールらしい「品」が備わった村名。ジャック・カシュー、好きな造り手です。
2021/12/17 更新
2021/11 訪問
今日はパスタがすごかった!
恒例のラインナップが多い12月のメニューに変わる前に、今のメニューを食べて欲しいとの嬉しいお呼び出し(?)があり、お邪魔してきました。
まぁ結局、恒例のラインナップもいただくんですけども(笑)。
この日も、ひとつのお皿の中でのメリハリと、コースを通してのメリハリとで、リズミカルな愉しさがありましたね。
特に、シェフお得意のキタッラをスペアリブと牛蒡のソースでいただく一皿と、レッチャイアのトスカーナ・メルローとのペアリングが、スマッシュヒット(昭和か!)でした。
パスタ自体の味がしっかりしていて、豚のコクと旨味、味の幅を持たせる牛蒡の苦味とが秀逸。
果実味アタックよりも、タンニン残しの粘土質メルローが、牛蒡の程よい土臭さと絶妙。
料理とワイン、その両方をより美味しくさせる素晴らしい組み合わせでした!
この日いただいたのは、↓の通り。
・ 南瓜 チーズ みかん
・ 鯖 根セロリ りんご
・ アンティーブ フォワグラ ナッツ
・ 塩鱈 リンファリナータ
・ キタッラ 豚スペアリブ 黒ビール 黒にんにく
・ シャラン産鴨
・ 洋梨 カマンベール
個人的に、最近は席数を抑えた人気店情報は少〜し食傷気味。
こちらのように、自分の好みならそれが一番いい。
気軽に通えるそんなお店にもう少し出会えるといい。
そんな思いを新たにしたお食事でした。
下に薫香を纏った鯖ちゃんが隠れてる。根セロリのソースが合います。
ホワイトアスパラガスによく合わせるザバイオーネソース、アンティーブにもピッタリ。フォワグラでより深みを持たせて。
お隣の方が「これ、美味しい!」と連呼していました。同感です。ザリガニなど甲殻もコクを持たせたズペッタ。
これ、最強パスタ。
シャランの鴨。なんたって肉質がいい。
マンサルヴァのドルチェ史上、3指に入ります。洋梨、チーズ、レモンの、爽やか&コクの調和が見事。いい食後感。
ほっくりとした秋の味わいのあるシャンパーニュ。南瓜のアミューズによく合う。
2021/11/27 更新
2021/10 訪問
祝!「リモート★シェフ」勝利
応援しているシェフが注目されるのは、とても喜ばしいですね。
高橋シェフが、BSフジの「リモート★シェフ」の最新回にご出演&見事に勝利されました!
※ネットでも視聴できます(笑)
個人的には、すでに十二分に向上心を備えられていると思いますが、こうした新しいチャレンジを続ける姿勢がさらなる料理の美味しさに繋がるんですよね。
この日も、そんなチャレンジ精神が「初めて作った」というメインの山鶉にも垣間見えました!
そして、鶉は、仔牛やイベリコのプルマと並んで個人的に大好物のお肉のひとつ。
肉質の特性を生かして、胸とモモとで火入れやソースを変えて、小さいながら旨味の濃い鶉の個性を十分に引き出してくれました。
この日いただいたコースは、↓の通り。
・ 白インゲン豆 カカオ
・ 秋刀魚 アホブランコ
・ 茸 卵 秋トリュフ
・ スペッツェリ 有機人参 ムール貝 新生姜
・ キタッラ イベリコ豚 発酵パプリカ
・ 山鶉のロースト
・ ピーナッツ 早生みかん アールグレイ
ペアリングで特に素晴らしかったのは、冷前菜&ミュスカデ、温前菜&サンジョベーゼ、キタッラ&シラーかな。
いずれもエレガンスがいいので、単独で飲んでも飽きずに美味しく飲めるはず。
この日も美味しかった!
ごちそうさまでした。
出色の冷前菜。秋刀魚は薬味的な茗荷や、「白いガスパチョ」とも言われるアホブランコとの相性良し。ミュスカデの爽やかさとディルなどのハーブも見事な組み合わせ
こちらは打って変わって、秋らしさ満開のふくよかな味わいの温前菜。青臭さとは無縁のサンジョベーゼのエレガンスが、そのボリューム感を支えていい感じ
ホントは、もっと鮮やか!小粒のパスタが、控え目に食感で「ここにいるよー」とアピールしてくれて、微笑ましい一皿
シェフの手打ちキタッラは大好物パスタ。イベリコのコクに負けない力強さがありますね。合わせたサン・ジョセフの棘のないシラーが、パプリカのスパイス感と仲良し
久しぶりにありついた山鶉。凝縮された旨味をしっかり生かして
2021/10/29 更新
2021/09 訪問
歩みを止めない、シェフのその姿勢に感服
私の中では、かなりの高頻度でお邪魔していますが、おかげさまで飽きることはありませんね。
美味しいものはリピートしたくなりますし、同じ料理を供されることはまったく気にしないのですが、高橋シェフの飽くなき探究心で、この日もすべて未体験のお皿たち。
そして、それらのどれもが美味しかった!
・ 鱒
・ 茄子 巨峰 エスドラゴン
・ トレビス 牛タン シェリー酒
・ ニューディ リコッタチーズ とうもろこし
・ バヴェッテ 鰯 発酵トマト スカモルツァ
・ シストロン産仔羊
・ アマゾンカカオ 無花果 サングリア
特に、鰯のバヴェッテとメインの仔羊は好みでした!
旬の鰯と燻製のスカモルツァのパスタは、イタリアでも一部の地域しか合わせないという魚とフォルマッジョの組み合わせが新鮮。
18時予約だったので19:30頃になるメインは、16時頃からじっくりと低音で火入れいただいたシストロン産乳飲み仔羊のヒレ部分。
とてもジューシーで仔羊らしい旨味が生き生きと。
柔らかくて、ホントに美味です。
ソムリエさんも相変わらずいろいろと試行錯誤の上で、万全のマリアージュを提供してくれます。
ジュリアン・ブロカールのシャブリは、ミネラルがありつつ、ふくよかさも備えたバランスの良さで冷前菜を盛り上げ、同じシャルドネとは思えないサン・ミケーレ・アッピアーノは、適度なボリューム感がとうもろこしの甘さと好相性です。
そして、この日のベストマリアージュは、ソムリエ自画自賛のガヴィとバヴェッテ。
青魚とスカモルツァの燻製香を両立させる、主張しないガヴィ。
それでいて、時間経過と温度変化で味わいを深めていくこの一杯は、単独でも楽しめる面白さがあります。
美味しい料理と美味しいワイン。
切っても切れない仲であることを、あらためて認識できた食事でした。
シェフ、収録がんばってください(笑)。
2021/09/10 更新
2021/07 訪問
薄着と重ね着とをバランス良く
はい、定期訪問です。
予約困難店のように気張ったり構える必要がまったくなく、行きたい時に一人でふらっと立ち寄れるコスパ抜群のイタリアン「マンサルヴァ」。
個人的にはもっと評価されていいと思っていましたが、いよいよ、高橋シェフがTV出演する可能性があるとかないとか…
私は全般的に、あまり厚塗りしていない素材の良さをシンプルに生かした料理が好みなのですが、こちらは、そんな薄着のお皿と重ね着のお皿とのバランスがいいですね。
本日いただいた料理は、↓の通り。
・ とうもろこし フォワグラ
・ 鯵 胡瓜 ヨーグルト
・ 烏賊 ズッキーニ ピスタチオ
・ ラビオリ 茄子 発酵ブルーベリー
・ トンナレッリ 燻製カチョエペペ 黒トリュフ
・ 富士幻豚
・ メロン レモングラス ディル
鯵と胡瓜、合いますよね。夏らしい爽やかさが、テール・ブランシュのサンセールとしっくり噛み合います。
そして、この日はトンナレッリが最高に素晴らしい!
気分的に「カルボナーラ食べたいなぁ」と思っていたので、カチョエペペはまさにベストタイミング。
やっぱりイタリアンは、パスタが美味しくないとね。
ワインも出色ありでした。
ドメーヌ・ジョセフ・ロティのマルサネ・ロゼは、ピノで樽を効かせた珍しいロゼで、一般的にイメージする爽やかなロゼとは一線を画す奥深い造り。
コルトネージのブルネッロは、サンジョベーゼとは思えないエレガントさで、いつまでも嗅いでいたくなるような華やかさ。
いや、本当に素晴らしい一献。
そして、メロン好きな私には、ドルチェも過去一の出来栄えでした。
今日もごちそうさまでした。
2021/07/21 更新
2021/06 訪問
気づけば、都内で他のイタリアン訪ねたのは、ずいぶん昔(笑)
イタリアンとして全幅の信頼を寄せる「マンサルヴァ」。
禁酒法の影響で、これまでになく間が空いてしまいましたが、内に秘めたお店の熱量は変わらずで安心しました。
「これ、やってみました!」の全力で待ち構えていただける高橋シェフ、「渾身のペアリング用意してます」のソムリエに、いい距離感のサービス。
気が付けば、都内で他のイタリアンから足が遠のくこと10ヶ月近くになるでしょうか。
久方ぶりに満喫したコースは、↓の通り。
・枝豆のファラフェル 鰯
・初夏豆 貝
・アーティチョーク ペコリーノ・ロマーノ マジョラム
・カッペレッティ 発酵トマト パッパアルポモドーロ バジリコ
・フェトチーネ 仔牛 サフラン レモン
・ランド産(だったかな?)家禽の小鳩
・グレープフルーツ ピスタチオ エスドラゴン
この日は、パスタ2品とメインが素晴らしかった。
カッペレッティの方は、バジルの種も入って爽やかな仕上がりで、ドメーヌ・ド・テール・ブランシュのソーヴィニヨン・ブランのとの爽やかコンビがまさにマリアージュ。
仔牛を煮込んでコクのある作りのフェトチーネには、背筋が伸びるような厳かなリースリング。
レモンの果肉も入ったソースと柑橘の余韻が重なります。
メインの小鳩は、胸肉の皮目の香ばしさと程よく鉄分が残る柔らかい肉が美味。
餃子風にミンチと内臓を包んだ料理もインパクト大。
そのパンチに負けない力強いプス・ドールのサントネイ1er.Cruも骨太にまとめてくれましたね。
もちろん、この日も満足。
ごちそうさまでした。
2021/06/15 更新
2021/03 訪問
どんなシーンにも応えられる懐の大きさも魅力的
お料理とワインが美味しくて、個人的な好みにピッタリの「マンサルヴァ」。
普段使いにも勝負デートにも使える、懐の深さも魅力のひとつです。
カジュアルウェアの方も、パリッと決まった方も、同じ空間を過ごせるのは素晴らしいですね。
この日は、とても素敵な出会いがあり…
「常連」という85歳超えのご婦人がお一人で楽しまれていて、お食事もワインもそれはそれは格好良く嗜まれていて。
失礼かなと思いながらもお話させていただき、私の食事をより豊かなものにしていただきました。
そんな日にいただいた料理は、↓の通り。
●そら豆 ウズラ卵
●蛤 菜の花 花山葵
●新玉ねぎ ゴルゴンゾーラ フィノッキエット
●キタッラ ブラータ パパチェッラ 発酵シラス
●蛍烏賊のリゾット
●イベリコ豚の肩バラ 発酵キャベツ
●桜と抹茶のドルチェ
いつも間違いのないお皿たちですが、この日はパスタ&リゾットが絶品。
特に、「ザ・蛍烏賊」な感じながら、鶏や甲殻類のダシできれいに仕上がったリゾットは秀逸でした!
ワインも、相変わらず渾身のペアリング。
特に、クロ・マリのマノン・ブランは、好みのローヌ品種ながらインパクトは抑え目でとても良いバランス。
ドメーヌ・ドゥ・グラン・クレのコルヴィエールも、グルナッシュ&シラーとは思えないエレガンスが素晴らしい!
シェフもソムリエもサービスも、いつも飽くなき向上心で幅広い客層を楽しませてくれるリストランテです。
2021/03/19 更新
2021/02 訪問
不動のMy Best!
しばらく間が空いてしまいましたね、2ヶ月(笑)。
先月はシェフが不在の期間もあって、残念ながらご縁がなかったですが、個人的には隔週でお邪魔してもいいぐらいの鉄板イタリアン。
現地での修行経験をベースに置きつつ、イタリアではやらない組み合わせや調理法なども、日本人としての感性を付加して柔軟にお皿を作り上げていくので、毎度楽しい発見が待っています。
今回の典型は、冷前菜の寒鯖に付いてきた、鯖の干物を使ったムースでしょうか。
いただいたコースの料理は、↓の通り。
●金柑とレバーのアミューズ
大好物のアミューズ。本当は先週で終わりだったそうですが、気を利かせて用意していただきました。
●寒鯖 ビーツ サワーチェリー
●牡蠣 葉玉葱 ラルド 青唐辛子
●キタッラ ブラッドオレンジ トマト 鮪のカラスミ
これは珍しい、オレンジ、トマトとカラスミの組み合わせ。爽やかさが前に出つつ、オレンジの苦味や、牛乳に漬けてまろやかさが出た鮪のカラスミのコクとで、「シンプル」では終わらせない一品。
●ラヴィオローネ サングイナッチョ 卵 黒トリュフ
打って変わって、こちらは、いわゆるブーダンノワールと卵&トリュフで濃厚なパスタ。この辺のメリハリもいい。
シェフのスペシャリテ、「蕪とフォワグラの温前菜」と雰囲気の近いソースで、こちらも美味。
●イベリコ豚の肩ロースのアロスト
●八朔 紫蘇 フロマージュブラン
またワインも素晴らしい!
本日の出色は、エトナ・ビアンコ 。
柑橘の少し尖った印象のあるシチリアの白で、ここまでエレガントかつシルキーな舌触りのものには出会ったことがないですね。
単独でも美味しく飲めるのに、合わせが難しい鯖と一緒にいただいても、「青魚とワインを合わせたおつり」的な後味が全く無い、ソムリエ自画自賛のマリアージュ。素晴らしい!
そして、しっかり目の味付けのイベリコに合わせた、ドメニコ・クレリコのバローロも、ネッビオーロ由来の骨太さにエレガントさが同居していて、ペアリングでこれが出るかというクオリティ。
全編を通してこの完成度でこのコスパ。
遅くなりましたが、今年もお世話になりそうです。
2021/02/19 更新
2020/12 訪問
ここまでペアリングに違和感ないのも素晴らしい
予約時に「前回と同じコースです」と言われたものの、結局同じお皿は、カリフラワーのムースの冷前菜と蕪やフォワグラの温前菜に、ドルチェのモンブランのみ。
気を遣っていただいて申し訳ない感じですが、新しいお皿もやっぱり旨し。
一般的に冬場のコース料理は、もったりと重めに偏りがちですが、今回は、爽やかな発酵レモンのパスタが入るなど、全体的なコースのメリハリがよく効いていました。
おまかせのコースは、↓の通り。
●アンディーブ 鴨のムース みかん
●カリフラワーのムース ズワイガニ ビーツ
●蕪 フォワグラ
●塩鱈 プルーン 魚介のスープのリゾット
●発酵レモン イカのパスタ
●蝦夷鹿 テリーヌ
●モンブラン
濃厚な鹿のテリーヌが爽やかな鹿肉を盛り上げたメインをはじめとして、料理は今回もどれも最高でしたが、合わせたワインもこれまた素晴らしかった。
特に、蕪の温前菜のペアリングだった、ベルターニのヴァルボリチェッラは、野暮ったいそのイメージを完全に覆すエレガントな仕上がり。
フォワグラやコクのあるソースとも、見事な相性。
塩鱈のリゾットに合わせた、リボッラ・ジャッラというフリウリの土着品種も、ほのかな塩味がベストマッチ。
さらに、ギリシャ、サントリーニ島のアシルティコから感じられる柔らかな苦味と柑橘のアクセントは、発酵レモンのパスタと仲良し。
メインの鹿といただいたジャック・カシューのヴォーヌ・ロマネは、熟成感も出始めて単独でも飲み続けたい一杯。
シェフの料理をよく理解して、バリエーション豊かにワインも楽しませてくれる。
元々美味しい料理を、さらに高い満足度に引き上げられるのは本当に素晴らしい。
これでこのコスパだもんなぁ。
また来年もお世話になりそうです。
2020/12/19 更新
2020/11 訪問
今年もやってきました、この恵みの季節★
その特有の芳醇な香りが人を惹きつけてやまない白トリュフ。
言わずと知れた高価な食材ではありますが、意外と当たり外れもあるそうで…
口に入れられる頻度も年に1〜2回と来れば、そりゃあ当たりを引きたいですよね。
そんなわけで、今年も絶対の信頼を寄せているマンサルヴァでいただきました!
昨年は、タヤリンとラビオリでいただきましたが、今年は初めてリゾットで。
店中を満たすかのような、この破壊力のある香りを纏った熟成米がたまりませぬ。
パートナーのワインにはバローロ。アルバ村の地元同士のマリアージュですね。こちらでいただいて、やっぱり大正解でした!
コースでいただいたのは、↓の通り。
●栗のクレープ あんぽ柿 生ハム
●カリフラワーのムース ズワイガニ ビーツ
●フォワグラ 蕪 トリュフソース
●白トリュフのリゾット
●牡蠣とほうれん草のパヴェッテ
●千葉産 網捕りの真鴨
●モンブラン
もちろん他のお皿たちも秀逸。特に、レバーなどで作ったコクのあるソースで味わうメインの網捕り鴨は、とても柔らかい身に程よくジビエらしい野趣も残っていて美味。
ワインも、6種類ものペアリングを揃えながら、相変わらずそれらの全てが単独でもクオリティ高く、且つシェフの料理にもしっかり寄り添って、しかも非常にコスパに優れている。
いや、本当にいいワイン探しに余念がないですね。
まだ見ぬ自分好みのお店を探す好奇心は、まだまだ持ち続けたいのだけど、最近はそれさえ薄れさせるほどの安定感です!
ごちそうさまでした。
2020/11/28 更新
2020/10 訪問
また次回を楽しみにさせる
気が付けば、ずいぶんとお邪魔していますね、「マンサルヴァ」。
イタリアンらしい郷土料理の解釈を残しつつ、一方で新しいチャレンジにも貪欲な、my best Italian です。
こんな環境なので、以前のようなプリフィクスではなくコース一本ですが、そのクオリティを落とすことなく変わらず楽しめます。
この日いただいたのは、↓の通り。
●レンズ豆タルト レンズ豆のお味噌
●オマール海老 アメリケーヌ 蕪 リコッタチーズ 青リンゴ
●秋刀魚 赤玉葱 鶏レバー コラテッラ
●ラディッキオのリゾット(※写真失念)
●イベリコ豚や発酵パプリカのパヴェッテ
●ロゼール産の仔羊
●ぶどうのドルチェ
アミューズのタルトなども、味付けにレンズ豆で味噌を作ってしまうなど、コース全体としては小さな部分も手抜きナシです。
以前はしっとり焼き上げた仔羊も、今回は香ばしさを強調してみたりと、あくなき探究心がお皿にしっかりと反映されていますね。
ワインも季節感を大事にしつつ、あまり同じシャンパーニュも出て来ませんが、今回のピエール・パイヤールがこれまた秀逸。
ふっくらした柔らかさとキレの良さが両立する、なんとも魅力的な一本でした。
個人的には、過去と同じお皿が出てくるのはまったくwelcome なのですが、常に新しいチャレンジがあって、そのどれもが美味しい。
今日も、また次回を楽しみにさせてくれる満足度でした!
2020/10/07 更新
2020/09 訪問
好きこそ物の上手なれ
「好きこそ物の上手なれ」
結局は、そういう事かもしれませんね。
どの料理人も最初は楽しくてその道を選んだと思いますが、多くの人は「仕事」になると苦痛や苦労があって、どこかで歩みを緩めてしまうのかも。
美味しい料理は、シェフの「料理好き」に比例すると思いますが、こちらはそんな思いが感じられるリストランテですね。
訪れる度に、「こんなん、やってみました」の飽くなき追及に出会えます。
本日いただいたのは、↓の通り。
●白とうもろこし モルダデッラ
●茄子 巨峰 ゴルゴンゾーラ
●呼子の剣先イカ ロメスコソース(発酵パプリカ)
●パヴェッテのジェノベーゼ
●オーヴォリ(卵茸)のリゾット
●会津産馬肉のハラミ チミチュリソース
●バナナ エスプレッソ サンブーカ
アミューズからメインまで、すべて満足。
発酵のアレンジで旨味が増したソースの剣先イカ&ドニ・ジャマンのふくよかなソーヴィニヨン・ブラン。
テロワールのマリアージュを王道で行くジェノベーゼ&ピガート。
コクがありつつも上品な味わいの卵茸を使ったリゾットには、秀逸なムルソー。
今まさに旬の味わいに、馬ハラミなどの新しい食材を、考えられたワインといただく。止められません。
2020/09/11 更新
2020/08 訪問
微に入り細に入り、手抜きなし
個人的な好みに合っており、抜群の信頼を寄せる「マンサルヴァ」。
年またぎの同シーズンにおじゃましても、前年とかぶるお皿がほとんどないのも、食材の生産者からのアドバイスなどにも柔軟に耳を傾けるシェフの姿勢と貪欲な向上心があってのことでしょう。
この日いただいたのは、↓の通り。
●とうもろこしとフォワグラのアミューズ
●仔牛とジャンボマッシュルームのサラダ仕立て
●鰯のコンフィ 賀茂茄子 リコッタチーズ
●真蛸のリゾット カチュッコ
●鱧とサマーポルチーニのパヴェッテ 鱧の卵和えと肝ソース
●ホロホロ鶏の鉄板焼 インカの目覚め
●メロンのデザート フロマージュ・ブラン ディルのジュレ
夏らしさ全開の爽やかな前菜に、コクのある魚介のソースが効いたリゾット。
しっかり火入れした鱧は、珍しい卵や肝まで使い切ったパスタにと、メリハリが楽しめます。
そしてまた今回も、そのクオリティに驚くワインがサーヴされます。
バンジャマン・ルルーという造り手のブルゴーニュ・ブランは、広域のレベルを優に超えた出来栄え。
料理に合わせて白ワインが多いペアリングながら、その味わいはバリエーション豊かで、ワインの楽しさ、奥深さを再認識させてくれますね。
これだけ満喫しても、価格は良心的。
本日もご馳走様でした。
2020/08/07 更新
2020/06 訪問
美味しい料理とワインに勝る幸せなし(再)
過去のレビューと同じタイトルですが、コースの入口から出口まで、変わらず楽しませてくれる抜群の信頼をおけるリストランテ、「マンサルヴァ」。
年を跨いだ同じシーズンにおじゃましても、ほとんどが新しいお皿です。常に進化の努力を惜しまない姿勢が、飽きさせないお店を作りますね。
この日いただいたお皿たちは、↓の通り。
●青トマト トンナート
●アジと帆立のタルタル
●アーティチョーク ペコリーノ・ロマーノのグラタン
●豪州産黒トリュフととうもろこしのパスタ
●サフランのフェットチーネ 仔牛のソース
●石鯛
●フランス産鴨 フォワグラのコロッケ
●ショコラとダークチェリー
秀逸なアミューズが多いリストランテですが、この青トマトの一品も見事。コースの期待値を左右する大事な入口、手抜きなしですね。
多用するアーティチョークも調理法を変えて、瑞々しさを出したり、ホクホク感を出したりとバリエーション豊か。
ヨーロッパでは季節から遠いトリュフは、今が美味しいオーストラリア産を上手に使ってます。秋のトリュフと夏のトウモロコシ、普通は出会えませんからね。
スペシャリテの仔牛ソースのフェットチーネは、相変わらずのふくよかさ。
鮟鱇のような弾ける弾力の石鯛も、ケッパーなどの爽やかなソースでさっぱりと美味でした。テール・ブランシュのソーヴィニヨン・ブランの程よい柑橘とも相性良し。
そして、この日ベストなマリアージュは、チンクエ・テッレと鯵・帆立のタルタル。鯵と同じ青魚の鰯が名産のチンクエ・テッレのワインと、胡瓜を纏ったこのタルタルが、夏らしい爽やかさ全開で心地良かったですね。
全体を通して、味わいのボリュームがふくよかなお皿と爽やかなお皿とのバランスがいい。
美味しい料理と美味しいワイン、やっぱり至福です。
2020/06/27 更新
2020/05 訪問
Limitation があっても素晴らしい
未だCOVID-19が完全収束しない中、営業時間を短縮したり、テイクアウトを始めたりと、限られた制約の中で最大限の努力をしている外食産業。本当に頭が下がります。
こちらももちろん、そんなリストランテの一軒です。
普段は幅広いメニューで、選ぶ楽しみも提供してくれていますが、この時期はお任せのコース1本。
それでも、その限られたお皿たちで最大限の料理を整えて、普段と遜色ない満足を提供してくれました。
ワインも、98年アンティノリのキャンティ・クラシコが普通にペアリングでサーヴされるなど、この日も変わらず充実のラインナップ。
厳しい環境下でこそ、そのお店の真価が問われるとも思いますが、物足りなさを感じさせないマンサルヴァ、さすがです!
2020/05/22 更新
2020/03 訪問
同じお皿もスケールアップ!
・金柑 ホワイトレバー
・蛤 ホワイトアスパラ
・帆立 蕗の薹 バーニャカウダ リゾット
・ホタルイカ 芹 パスタ
・ラグー 松の実 パスタ
・ビンチョウマグロ 生ハム
・ロゼール産 仔羊
・苺 ピスタチオ
前回いただいた帆立も、ひもやリゾットが加わって、さらに贅沢に。最強の温前菜。これ、本当に美味しい!
サッパリした味わいのビンチョウマグロには、薄〜くスライスした生ハムを巻いて奥行きをプラス。
お気に入りの仔羊も、絶妙の火入れでやはり美味。
いずれの料理も香りが良くて、食が進むというもの。
この日もたくさんいただきました。
ご馳走さまでした。
2020/03/12 更新
2020/03 訪問
ワインでも驚けるリストランテ
個人的に、もう説明不要のリストランテ。
この日いただいたのは、↓な感じ。
・落花生 蜂蜜 レバーパテ
・シャンパーニュ ピエール・カロ
・ロワール産ホワイトアスパラ 蛤
・アンセルミ ガルガネガ
・淡路玉ねぎ ゴルゴンゾーラ トリュフ サルシッチャ ウイキョウ
・ブロック・セラーズ ジンファンデル
・ホタルイカのパヴェッテ うるい 芹
・アチス リアスバイシャス
・ブッラータ トマト バジルのキッターラ
・ビアンコ フォンゴーリ
・鮟鱇のロースト ズッキーニ ホワイトバルサミコ
・HIRSCH グリューナー ヴェルトリーナー
この日のハイライトは前半。
とてもガルガネガとは思えない芳潤さとボリュームを備えた「アンセルミ」と、こちらも到底ジンファンデルとは想像できないエレガンスの「ブロック・セラーズ」。
この2本には驚かされました。
新鮮さと安定感が両立する料理に、驚きのあるワイン。
今日もご馳走さまでした。
2020/03/03 更新
2020/02 訪問
普段使いできて、このクオリティは脱帽です
少し構えて訪れるような高級店なら、豪華な食材で美味しく仕上げるのも当然と言えば当然ですが、こちらの素晴らしさは、がんばれば普段使いできるぐらいの価格帯で、満足度の高い料理とワイン、サービスを楽しめるところ。
メインに、ありきたりの食材だとちょっと物足りないのですが、これまでも猪や鹿、ホロホロや小鳩にウサギなどなど、バリエーション豊富に、それぞれ美味しくいただいてきました。
前菜やパスタもイマジネーション溢れるお皿ばかりで、この日も、「天然帆立 ウイキョウと蕗の薹 バーニャカウダソース」や、調理法を聞くととても手が込んでいる「豚肉のカネロニ」など、どれも美味。
それらに合わせるワインも、これまた秀逸。
産地にこだわらず、シェフの料理に見事に寄り添ってるし、どれも温度を変えてサーブされるので、料理もワインも進む進む。
「これ以上はない」と思ってしまうと、食べ歩きの楽しみが減ってしまうので5点満点は付けないようにしていますが、毎度満足して帰れることを思うと、実質5点です。
2020/02/07 更新
2020/01 訪問
素材の味をしっかり生かしつつ、どのお皿にも少しのアクセントが効いてる
さすがにレビューもそろそろいいかなと思いますが、毎度期待に応えてくれるので、ありがたいリストランテですね。
●カリフラワーのムース カニ ビーツ…
食感だけが残って、カニの味が全然しない料理には時々出会いますが、こちらはカニの風味がしっかり効いてます。
邪魔しないように、品のあるカリフラワーと合わせて、アクセントはビーツで付ける。気に入りのお皿の一つです。
●帆立 卵黄 芹…
写真では分かりませんが、帆立でサンドした卵黄がしっとり。二種類の芹の苦味が、これまたいいアクセントになってます。
●チーマ・ディ・ラーパとドライトマトのピチ…
初めていただきましたが、この独特の野菜が美味しい。茎の部分と葉の方で、味わいと食感がかなり違うのも楽しいですね。
手打ちのパスタが、弾力があって相変わらず美味。
●塩鱈と白子 トマトソースのパヴェッテ…
トロトロ白子でコクのあるひと皿ですが、ハーブやスパイスで、重くなり過ぎないようやっぱりどこかに変化がある。うまし。
●イベリコ豚 ほうれん草…
見た目は和牛のモモ肉みたいですが、イベリコの肩ロースです。生ハムだと個人的にはちょっとくど過ぎるのですが、火入れしたロースは好物。
柔らかくて、豚肉とは思えない独特の美味しさです。
全体的に、何の食材を食べているかの実感がしっかりあって、その中にもアクセントがちょっと効いてる感じが、個人的な料理の好みに合っているんですね。
今日もごちそうさま。
2020/01/24 更新
2020/01 訪問
まったく飽きさせない、料理とワイン
訪問頻度が高いので、メニューが前回とかぶってしまうのは仕方ないし、個人的にはそれでも全然構わないのですが、いつもシェフが気を利かせて新しいお皿をご用意いただけるので、まったく飽きることがありません。
ワインも一緒。
料理が変わるから、毎度それに合わせていろんなワインが楽しめる。
品種の好みなどは伝えたことはありますが、基本的にソムリエさんに完全お任せ。普段、自分では買わないようなワインとの出会いが醍醐味ですね。
今回いただいたワインは、↓な感じ。
●ティエノ・ブリュット・・・前回はピノ90%の温かみのあるGATIONOISから入りましたが、今回はピノ35%のティエノで少しずつ春に向かっていくイメージでしょうか。
そして、今回のアミューズ「レバー・金柑」が絶品。食前の高揚感が増していきますね。
●ケラーライ・テルラン ピノ・ビアンコ2017・・・青りんごのような爽やかさが、鰆に載せたキウイともよく合ってとても美味。テルランは単独で飲み続けても飲み疲れしないバランスのいいピノ・ビアンコですが、少し酸を効かせた料理とも相性抜群です。
●バシュレ・モノ シャサーニュモンラシェ2016・・・打って変わってボリュームのあるシャルドネ。濃厚な白子にはこのぐらいふくよかなシャルドネじゃないとバランス悪いですからね。
比較的しっかり目の塩味のお皿なので、ミネラル感もより感じやすいです。
●クヴェアバッハ・マイルストーン・エストリッヒ・ドースベルク2003・・・こちらは、リースリング100%。この日のベストはこちらでしょうか。フレッシュなイメージのリースリングですが、17年も熟成していることでコンポートのようなふくよかさがあって、カボチャのペーストが詰まったパスタにピッタリです。
添えられたココナツミルク100%アイスのサッパリ感にもしっかりフィットしてます。さっぱりとふくよかさの両方を兼ね備えたワインのチョイス、素晴らしい!
●アチス・コリバンテ?・・・スペインはまったくの不勉強なのですが、アルバリーニョやコデーリョなどのスペイン品種。コース終盤に、重すぎず少し爽やかにも仕上がったカラスミとウニのパスタ(これもパスタ史上トップクラス)に、やはり同じニュアンスを持った組み合わせ。
●ファットリア・オルマッニ キャンティ・クラシコ2012・・・サンジョベーゼらしい青臭さとタンニンが特徴的。最初は少し尖った印象ながら、こなれていく感じが楽しめます。メインの富士幻豚のローストは、しっかりと火入れした脂身と、レア感のある赤身とを一緒にいただくと、口の中でコーティングされるような旨味が美味。
●番外でトロ・ボーのショレイ・レ・ボーヌ2010もいただきました。ピノ、やっぱり最高。
全体的に、料理とは違う個性をぶつけて両者の特徴を際立たせるより、シェフのお皿ごとのエッセンスにワインを寄り添わせていく印象ですね(ほとんどのお店がそうだと思いますが)。
どれも単体で十分に楽しめるワインたちを出していただいていますが、決してお酒に強くない私がそこそこ飲めてしまうのは、料理との相性がより素晴らしいからでしょう。
う~ん・・・2020年も通ってしまいそうですね。
2020/01/18 更新
私の「常宿」?
とも言えるほどに、今年もお世話になった「マンサルヴァ」♪
今日も、そして今年も、めっちゃ美味しかった!
素材の美味しさを引き出したシンプルな料理が好みの私ですが、食材を重ねる美味しさと広がる可能性を楽しませてくれる貴重なリストランテ。
そして、シェフの料理への理解とゲストの嗜好とを両立させてくれるワインのマリアージュにも、毎回ワクワクさせてもらっています。
結局、完全には落ち着かなかった2021年。その最後も特別に楽しませてくれたお皿たちは、↓の通り。
「定番が多い12月」とのことですが、その定番が美味しいのです!
・ 栗粉 生ハム あんぽ柿
・ ずわい蟹 カリフラー ビーツ
・ 冬蕪 フォワグラ 黒トリュフ
・ アルバ産白トリュフのリゾット
・ 牡蠣 ほうれん草 レモンのパヴェッテ
・ 今治産猪の煮込み カプネット
・ 紅の夢(林檎) 濃縮ミルク
髙橋シェフ、スタッフの皆様。
今年もお世話になりました!来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えくださいね。