©Loroさんが投稿した御料理 寺沢(岩手/柳原)の口コミ詳細

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Loro piana。の食べ歩る記 備忘録

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御料理 寺沢柳原、北上/日本料理

84

  • 夜の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
4回目

2017/11 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

岩手を代表する日本料理店…『お料理 寺沢』

今や押しも押されぬ岩手県を代表する日本料理店へと上り詰めた御料理『寺沢』さんへ定期的な再訪です。日本酒は大好きな『鍋島』山田錦の純米吟醸酒からゆるゆるとスタート。料理は身体の内側からそっと温めてくれる『くもこ』の銀餡掛けから。三陸産の真鱈の白子は銀餡と一体化して口の中でとろりとトロけます。椀物は椀種には『毛蟹』の含有率が9割5分以上と思われる『毛蟹真薯』に間違いなく今年の食べ収めであろう岩手県産の『松茸』、吸い地は直前に削られた鰹節で引かれた一番出汁で『毛蟹』の旨味を引き立てつつ『松茸』の香りを損なわず寄添う味わいは見事。何よりも十一月の第一週に名残の『松茸』を口にできること自体が驚異的です。向付には二日間寝かせ旨味を凝縮させた『鮃』に『塩竈ひがしもの』と称されるブランドものの『目鉢鮪』に秋田沖の『煽り烏賊』を柑橘を効かせたポン酢に塩、割醤油で一度で三種類の味を楽しませて戴きました。凌ぎには『鮑の飯蒸し』、そしてコース料理を彩る八寸には銀杏、丸十甘露煮、『車海老』艶煮、『鮃の子』の含め煮、茶豆、『牡蠣』松前焼、『鮑』の肝煮、『穴子』おかき揚げ、『焼松茸』と菊菜のお浸し、そして炊合せには『子持ち鮎』と茄子、焼物は10㌕超の『寒鰤』の味噌漬で思わず白い御飯が欲しくなる美味しさ。菊菜の焼浸し、柿なますで口中を一度リセットさせ締めの食事は土鍋でグツグツ『◯ぞうすい』。スッポンの旨味を引立てるように酒と塩はギリギリまで抑え仕上げに生姜の絞り汁を加えて完成された『◯ぞうすい』。連日連夜呑み過ぎ気味で疲弊した五臓六腑にしみじみ染み渡る美味しさ。食後の水菓子はダイス状にカットしたメロンの上に自家製のバニラアイス、無花果、蜜柑に巨峰、薄茶にてひと通り。今回も期待を裏切らぬ料理の数々、寺沢店主の『センスと向上心』が成せる技かと。

  • 毛蟹真薯と松茸の椀物

  • くもこの銀餡掛け

  • 鮑の飯蒸し

  • 鮃、鮃縁側、煽り烏賊、塩竈ひがしもの目鉢鮪の造り

  • ◯ぞうすい

  • 柿なます

  • 名残の松茸

  • 毛蟹の含有率が9割5分以上と思しき毛蟹真薯

  • くもこ

  • ◯ぞうすい

  • 銀杏、丸十甘露煮、鮃の子の含め煮、車海老艶煮、茶豆、鮑の肝煮

  • 穴子おかき揚、牡蠣松前焼、焼松茸と菊菜のお浸し

  • 鮎の子

  • 子持ち鮎と茄子、菊菜の焼浸し

  • 寒鰤の味噌漬

  • 柿なます

  • メロン、バニラアイス、無花果、蜜柑、巨峰

  • 先付

  • 椀物

  • 毛蟹真薯

  • 向付

  • 凌ぎ

  • 八寸

  • 炊合せ

  • 焼物

  • 酢の物代わり

  • 食事

  • 食事

  • 水菓子

  • 鍋島 純米吟醸 山田錦

  • 豊潤

2018/06/04 更新

3回目

2017/09 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

いわてを代表する日本料理店…御料理『寺沢』

口福な時間は岩手を代表する日本料理店と言っても決して過言ではない岩手県第三の街 北上市に店を構えられる御料理『寺沢』さんへ10日ぶりの再訪です。口福な料理は先付に酢橘釜の中に収められた『松茸』と水菜と二種類の食用菊のお浸しに滋味を感じる『胡桃(くるみ)豆腐』に高級ブランドとして全国的に名を馳せる江刺リンゴの極わせ品種の紅ロマンと柿の白酢和えから。料理人の腕の見せどころてある椀物には一番出汁に皮目を備長炭で香ばしく焼きあげた三陸産の肉厚の『穴子』に花巻産の『松茸』、小蕪、隠元、吸い口に青柚皮の構成、出逢いものの鱧と松茸にも勝るとも劣らない立派な『穴子』に地場物の『松茸』身体の中に染み入る吸い地の旨味。向付は『鰆』のたたきに『鮃』、鮃の縁側に『剣先烏賊』の造りに『海胆』、焼物には『いわて牛』の味噌焼に『松茸』を中に鋳込み包み焼にした梭子魚(かます)焼、凌ぎには零余子(むかご)の飯蒸しの『カラスミ』掛け、そして眼と舌を楽しませてくれる八寸には焼栗に『松茸』のフライ、『秋刀魚』の棒ずしに秋刀魚の有馬煮、鴨肉の松風に小芋、新銀杏に銀杏煎餅にミズ(ウワバミ草)の瘤と秋の味覚がぎっしりと盛込まれ次に供された料理は炭火焼のグジ(甘鯛)とグジの骨を焼いて摂った出汁に『松茸』、舞茸、大しめじ、『アミ茸』、箒茸等の岩手の山の恵みの天然の茸をたっぷりと使った鍋。色々な種類の織り成す味覚と食感に口が悦びます。茸の旨味が渾然一体となった滋味溢れるつゆは絶品だったことは言うまでも無く芋茎(ずいき)のシャキシャキとした食感が佳きアクセント。余りの美味しさにひとり二杯のおかわりをしたほど。箸休めに供された器の中には焼き茄子の下に茶豆のすり流し上には山芋のすり流し更には『生海胆』に『新いくら』を散りばめた小鉢で小休止した後に締めの食事は昨夜の白眉の一品、超稀少な秋の味覚の女王『香茸』を贅沢に使った炊き込みご飯、土釜の蓋を外した瞬間に部屋中に立ち込める『香茸』の芳しき香りは松茸をも凌ぎ一同溜め息。暫し香茸の余韻に浸った後に食後の水菓子は二段構えで無花果、豊水梨、シャインマスカット、巨峰に自家製のバニラアイスに小豆、うす茶でひと通り。料理に合わせて地酒の南部美人から岩手を代表する銘酒『西与右衛門』に『南』、『石鎚』等の全国の日本酒を全六種。全国の美味いものを食べ尽くしたのではないか?と思われるドコデモドアを使い全国各地を飛び回るグルメDr.のMR.K氏や学会に合わせ全国各地から参集された先生方の舌をうならせ記憶に残る内容であったことは疑う余地無しかと。足を運ぶ度に深化し続け味蕾の期待を裏切らぬ『寺沢』さんの丁寧に作り込まれた料理の数々、県都である盛岡市にこういう真っ当な料理を供してくれる店が有れば本当は良いのですが、、、、。などと嘆きつつも最高の料理でのおもてなしに一人三役で孤軍奮闘してくれた寺沢君に心より感謝。

  • 香茸の炊込みごはん

  • 香り高き香茸ごはん

  • 松茸と穴子の椀物

  • 梭子魚の松茸射込み焼

  • いわて牛の味噌焼

  • 零余子の飯蒸し唐墨掛け

  • 焼甘鯛

  • 焼甘鯛、松茸、舞茸、大しめじ、アミ茸、箒茸の茸汁

  • 焼茄子に茶豆のすり流し、山芋のすり流し、海胆、いくら

  • 松茸フライ、新銀杏

  • 秋刀魚有馬煮、鴨肉の松風、小芋、焼栗、銀杏煎餅

  • 秋刀魚棒寿司

  • 鰆のたたき、鮃、鮃の縁側、剣先烏賊、海胆

  • 胡桃豆腐に松茸の食用菊の酢橘釜と白酢和え

  • 酒器

  • 酒器

  • 先付

  • 椀物

  • 松茸と穴子の椀物

  • 向付

  • 焼物

  • 凌ぎ

  • 八寸

  • 酒器

  • 香の物

  • 味噌椀

  • 店主の寺沢氏

  • 香茸ごはん

  • 無花果、豊水梨、シャインマスカット、巨峰

  • 自家製バニラアイスに小豆

  • 薄茶

2017/10/22 更新

2回目

2017/09 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.2
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.2
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.2
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

料理のセンスと安定感では岩手県一…『御料理 寺沢』

ひと月遅い夏休みで大阪より料理人である友人が来盛。友人が以前から気になっていたという當店『御料理 寺沢』さんへ。駅西口から早足で約10分少々にて到着。席に着き早々にハートランドビールで渇いた喉を潤し ひと呼吸措いたところで料理のスタートです。先付は蓮根饅頭に茶豆のすり流し。饅頭の上に『海胆』そして饅頭の中にも『海胆』が射込まれていました。コースの華であり料理人の腕の見せどころの椀物は一番出汁の吸い地に椀種には『松茸真薯』に『焼松茸』に『煮あわび』という何れもが単体で主役と成り得るスター軍団の揃い踏み、青みに隠元、吸い口に青柚子の構成の煮物椀でしたが存在感のある『あわび真薯』の美味しさに思わず身体を仰け反らせる二人。向付には塩竈産の『本鮪』の幼魚に皮目を軽く焼霜にした『金目鯛』、『石垣貝』に菊花に山葵、水前寺のりと思いきや『香茸』を使うサプライズ、焼物は備長炭を使い焼かれた『鰆』の西京焼に『梭子魚』焼に獅子唐、梭子魚の中には又もや『焼松茸』。やはり炭火で焼かれた魚は身がふっくらとして美味。たっぷりの鼈甲餡が掛けられた湯葉蒸し。湯葉の下には『鰻』に栗。八寸は酢橘釜に枝豆の霙和え、『才巻海老』の艶煮、無花果の白酢掛け、シュウリ貝の酒盗漬、鱗をきっちり立てて揚げられた『甘鯛』の若狭揚げに『秋刀魚』の有馬煮、銀杏素揚げ、銀杏煎餅に赤本三つ星のソレをリスペクトした自家製『唐墨』の味噌漬という酒が進み過ぎる旬菜の盛合せ。そして白眉の一品が煮物代わりに供された『穴子』に焼茄子、オクラに地物の二子芋の鍋。穴子から出た脂と炭火焼された焼茄子の薫香と昆布出汁が一体化し醸しだされる深い味わいは筆舌し難い美味しさ。此れに黒七味を少量落とし味わうと更に箸が進みました。そして酢の物には『柿』に椎茸、胡瓜に菊花、枸杞の実等が使われた胡麻酢和えで口内を一度リセットして締めの食事は寺沢さんの自家で有機栽培された米の炊きたての銀舎利に香の物に味噌椀、ごはんのお友に供された『新いくら』をオンザライスして自前の『いくら丼』として美味しくいただき食後の水菓子には『マンゴー』、ピオーネにシャインマスカット、梨にバニラアイスにcalvadosを効かせたジュレという充実した構成でひと通りです。料理に合わせて戴いた酒は笑四季、南、南部美人、山間。料理構成のセンスの良さと安定感がグッと増してこられた『寺沢勇人』さん。岩手を代表する日本料理人と言っても決して過言ではありません。岩手県にて唯一無二のひと月に一度、定期的に足を運びたいと思わせる『御料理 寺沢』さん。いつにも増して素晴らしい料理とおもてなしに感謝。そして、ご馳走様でした。

  • 松茸真薯、焼松茸、煮鮑

  • 塩竈産の本鮪の幼魚、焼霜の金目鯛、石垣貝

  • 自家製唐墨味噌漬に車海老艶煮

  • 甘鯛の若狭揚げ

  • 鰆西京焼

  • 梭子魚焼

  • 湯葉蒸し

  • 穴子、焼茄子、オクラ、二子芋の鍋

  • 胡麻酢和え

  • いくらごはん

  • EMISHIKI Sensation

  • 蓮根饅頭に蓮根饅頭に茶豆のすり流し茶豆のすり流し

  • 酒器

  • 中に海胆が射込まれてました向付

  • 椀物

  • 松茸真薯、焼松茸、煮鮑

  • 南部美人

  • 酒器

  • 向付

  • 皮目を炙り芳ばしい金目鯛

  • 八寸

  • 鰆西京焼、梭子魚焼、獅子唐

  • 梭子魚の中に松茸

  • 蓋物

  • 湯葉蒸し

  • 湯葉蒸しの中には鰻

  • 山間

  • 穴子、焼茄子、オクラ、二子芋の鍋

  • 穴子、焼茄子、オクラ、二子芋

  • 釜炊きのごはん

  • 一文字

  • 新いくら

  • 香の物

  • 味噌汁

  • 水菓子

  • 寺沢

2017/10/15 更新

1回目

2016/08 訪問

  • 夜の点数:4.2

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気3.9
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

一意専心の店主が造る一途な料理 … 『寺沢』。

北上へ移転後も何度か寄せていただいている『寺沢』さん。料理画像をはじめ店内の造形物や品書き等は現在『写真撮影禁止』となっておりますが昨年の八月末に寄せていただいた際には友人達と『個室貸切』での利用ゆえ他の方々へ不快な思いや迷惑を掛けることもない。ということで許可を得ての画像撮影と投稿でありますことを先ずもって書き記させて戴きます。今回の更新の機を利用して過去に供された『河豚の白子焼』や『蟹ちゃーはん』、『きずし』に『のどぐろ』の造り、『ビフカツ』等の料理画像も何枚か同時にアップさせて戴きました。『写真撮影禁止』の経緯を店主に尋ねたところ初めて店を訪れられた方が店側の制止を振り切り品書きや店内の造形物、厠の中や厨房の中をカシャカシャと勝手に撮りまくりSNSへアップされたことがトラウマとなりそのような処置を取られたそうです。店に料理を食べに行くことが目的なのか?供される料理画像を撮りに行くことが目的なのか?訪問での主なる目的が後者へのウエイトを重んじられる方は訪問されること自体を見合わせられた方が店側、客側双方ともに賢明なことでではないでしょうか?と老婆心ながら前振りで此処に一筆、書き記させて戴いた次第です。
--------(閑話休題)--------
料理は懐石料理に順じて『先付』に北海道産の『ピュアワホイト』を使い作られた『白い玉蜀黍豆腐』に冷製の『豆乳スープ』を合わせた料理からはじまり、『凌ぎ』に肉厚の鯖を使った『鯖ずし』、『椀物』は『ぐじ』≒甘鯛の椀、椀種には、ぐじの陰に隠れていますが『早松茸』に蓮根に絶妙な食感の『ミズのコブ』≒ウワバミソウの芽、『造り』には『鮪』、『平政』、『蛸』の三点盛、『八寸』の皿の上には『焼物』の炭火で焼かれた『鰻の白焼』、『煮鮑に肝』、万願寺唐辛子に丸十に茗荷の甘酢漬、『炊合せ』に『独活の含め煮』に『いわて短角牛』の『ローストビーフ』、オクラにフルーツトマトに絹かつぎの素揚げ、身厚の『帆立貝柱』に柑橘ジュレを掛けた『酢の物』代りと続き『食事』は緑と白のコントラストが目に鮮やかな『枝豆ごはん』に燻り雅香等の『香の物』に『赤出汁』の椀物、食後の水菓子には『フラマンジェ』に果物、ほうじ茶でひと通りです。料理に合わせていただいた酒は岩手県が日本に誇れる唯一無二の真っ当な造りの酒『西与右衛ェ門』の純米吟醸に香川県が誇る言わずと知れた『悦 凱陣』のオオセト純米酒の二本。食後の感想は全国と著名な料理人さんとの積極的な交流の賜物でしょう供される料理は見せ方、盛付、味付等、総てにおいて以前と比べ数段、洗練された料理に進化しているように感じ入った次第。食材に『旬の時期』があるように料理人さんにも生意気を言わせていただくと『旬』というものがあるように感じます。店主の『寺沢勇人』さんも三十八歳を迎え今が脂が乗った『旬』の時期。この料理の内容と味と出汁の引き方、盛付に見せ方で有れば御世辞を抜きに都内でも充分に通用すると思う次第。そして地方の料理店では意外に出来ていない店が多いのが『器あしらい』です。当然ながら『寺沢』さんでは完璧でした。『器あしらい』とは何ぞやと思われる方も居られるでしょうから簡単に書き記しますと冷たい料理は冷たく冷やした器に盛付け温かい料理は温めた器に盛付けるという料理の基本中の基本のこと。温かい料理を冷たい器に盛付け供されたら折角の温かい料理の温度帯を逸するばかりではなく寧ろ不味く感じてしまうでしょうし冷たい料理を中途半端に温かい器で供されても料理の美味しさは半減されることでしょう。その辺も踏まえた上で岩手県で今食べるべき和食は此処にあるように思います。
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2013/04のレビュー
和や てらさわ』さんが本日、四月二十四日の大安吉日に過疎化が進む花巻から夜の街の活力では県都 盛岡に次ぐ北上へ移転、新店舗での営業を始められました。天気はあいにくの雨模様でしたが以前の『きっちゃてん』風の店の内外装とは打って変わり日本料理店に相応しい造りの店でのスタート、『和や てらさわ』という店名から『御料理 寺沢』という店名に変更されていることからも店主『寺沢勇人』氏の新店に掛ける並々ならぬ思いが伝わってきます。新店舗はJR北上駅より徒歩10分程、北上の夜の繁華街から少し離れたロケーションに構えられていましたが歓楽街の猥雑さから敢えて少し離れたこの距離感がむしろ利点と成り得そうに思います。朱色の暖簾をくぐりますと以前の店舗の大凡、三倍くらいの広さの和の空間が目に飛び込んできます。正面には間隔をゆったり明けけ置かれたテーブル席、一段上がった右手には五席程のカウンター席が設けられており、ほのかに檜の香る店内は『全席禁煙』で和食を愉しむに相応しい空間が用意されていました。以前の『きっちゃてん』風のマスターの容姿から白衣にネクタイ着用で如何にも料理人らしい風格を備えられた店主と和装姿の女将の所作、立ち振る舞いが実に初々しく、思わず頑張ってね。と声を掛けたくなる衝動に駆られました。席に着き先ずはビールで喉を潤します。生ビールは『ハートランド』、瓶ビールは『赤星』ラガーという個人的に大好きな品揃えがされており思わずテンションが上がってしまいました。料理は三陸産の『鮑』と新若布、山菜のジュレ掛けの前菜からはじまり、造りは『九絵』に三陸産『幸神目抜け』に『生海胆』の三点盛、兎角、鮪や海老といった食材を使いたがる岩手の他の和食店とは異なり垢抜けした造りの内容に好感を覚えました。『幸神目抜け』はKING OF目抜けの称号を持つ築地市場でも滅多に流通されぬ高級魚、皮目の部分は焼き霜造りにされ皮ぎしの部分より濃厚な脂の旨味が口の中に広がります。『九絵』は甘みを含んだ上品な美味しさ。厚めに引かれた身は弾力があり食感と旨みが一度に愉しむことが出来る美味なるものでした。『生海胆』は明礬を使わぬ塩水漬のもの。自然な甘みが味わえ量も見た目よりたっぷりと盛られていました。次いで供された料理は磯の香りが楽しめる栄螺の貝焼き。単なる壷焼きではなくピリ辛味の味噌仕立てミニ大根が添えられての登場。揚物は薄い衣を纏わせ揚げられた『鮎魚女の素揚げ』、その上に素揚げにした『蕗の薹』を散らし天盛されたもの。ホクホクとした鮎女魚の身にサクサクとした蕗の薹と、ほろ苦味が加わり春の味覚を目と舌で楽しませてもらいました。炊き合せは三陸の赤いダイヤ『喜知次』と旬の筍を甘辛く炊いたもの。一寸豆の翡翠色が退色していたことは御愛嬌として脂ののった喜知次の美味しさと煮汁の美味しさは特筆もの。と或る友人女史の言葉を借りるならこの煮汁だけでも日本酒一合くらいは軽くいけちゃうことでしょう(笑)焼物は岩手が誇るプレミアム『短角牛のヒレ肉の炭火焼』。備長炭で焼かれたヒレ肉に卸たての山葵をのせ味わいます。勿論、山葵は本山葵。山葵の辛味と短角牛の肉の旨味が口の中で渾然一体となり得も言えぬ口福気分、強いて注文をつけるなら肉はもう少し厚みがあった方が食感が強くなりもっと美味しく感じられたことでしょう。今回はどうしても外せぬ所用があって残念なことにコース料理の華である『椀物』と〆の食事と水菓子を戴くことなく記念品を戴き店を後にすることとなりましたが次回はゆっくりと満喫させて戴きたいと思います。新しい店舗は以前の店と比べ調理場が大幅に広くなり店主の『寺沢勇人』氏は水を得た魚の如くイキイキと働かれておられました。岩手の日本料理界を間違いなく牽引する若き主の今後益々の活躍を祈念するとともに期待しています。あとどのくらい盛岡の寝城を所持しているか自分でも見当がつきませんが最低、月一の頻度で北上へ足を延ばすことになることでしょう。

  • 煮鮑に肝、万願寺唐辛子に丸十に茗荷の甘酢漬

  • ピァアホワイトを使った白い玉蜀黍豆腐に冷製の豆乳スープ

  • 鯖ずし

  • くじの椀物。ぐじの後ろに『早松茸』

  • 鮪、平政、蛸

  • 鰻の白焼

  • 炊合せ

  • 酢の物

  • 枝豆ごはん

  • 美味しい

  • 赤出汁

  • 香の物

  • フラマンジェ

  • 果物

  • 身厚の帆立貝柱に柑橘ジュレ

  • 椀物

  • 先付

  • 悦 凱陣 オオセト純米酒

  • 西与右衛ェ門 純米吟醸

  • 海胆と鮑と蓴菜の椀

  • ビフカツ

  • 魳焼き

  • のどぐろ造り

  • 喉の中が黒いからのどぐろ

  • きずし

  • 蛸桜煮

  • 焼茄子に生海胆

  • ハートランド

  • デザート

  • 蟹チャーハン

  • 蟹チャーハン

  • 喜知次の炊合せ

  • 地鶏焼き

  • 河豚の白子焼

  • 金目鯛の造り

  • 喜知次と筍の椀物

  • 蒸し鮑や蛸の柔らか煮等の前菜盛合せ

  • プレミアム短角牛のヒレ肉炭火焼

  • 喜知次と筍の炊合せ

  • 鮎魚女と蕗の薹

  • 栄螺の変わり壷焼とミニ大根

  • 幸神目抜けと九絵と生海胆

  • 鮑と山菜と若布の柑橘ジュレがけ

  • 瓶ビールは赤星ラガー

  • 生ビールはハートランド

  • 日本料理店らしい店構えです

  • 店の外観

  • 記念品

2017/01/03 更新

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