yamachan86さんが投稿した割烹さいお（東京/新宿）の口コミ詳細

12月の声を聞いて早々の夜の西新宿はどこもかしこもX’masイルミネーションばやり。
職場から割烹さいおへ向かう道すがらにもきらびやかな電飾やX’masツリーが街を彩り
仰ぎ見る都庁や東急歌舞伎町タワーは赤い光を灯しておりました。
撮った写真も最後に付け加えておいたのでご興味があればご覧ください。
そんなわけで今月も師走に入った初日にパートナーとこちらをお邪魔してきました。
前菜は手前左の葉っぱの形をしたお皿にはクリーミーな中に濃厚な風味を感じる
蟹味噌チーズの玉〆と黄金色も鮮やかな甘々な金柑の蜜煮が仲良く並んでいて
右のなすび型の器は京都で真鱈の白子のことを指す新鮮この上ないくも(雲)子ポン酢
奥側左の四角い器には異なる食感が楽しい小松菜とちぢみ蒟蒻の胡麻和えが盛られ
そして右の背の高い器は削り節がたっぷりと掛けられた京揚げと白菜の炊いたんです。
吸物は高級魚の代名詞と言えるクエの潮仕立てでその大きな白身は強めの塩味によって
旨味が見事に引き出されているだけでなく焼き豆腐や水菜にも旨味が染み込んでおり
ほのかに香る柚子の風味もすべての美味しさを際立たせてくれています。
お造りは鰈の王様と呼ばれる旬を迎えた松川鰈の昆布〆と本鮪でとくに松川鰈は
ねっとりした白身の甘さに昆布〆の旨みがしっかりと乗って残り香まで楽しめます。
焼物は地鶏もも肉の粕漬けで適度な弾力をたたえた地鶏の旨みと絶妙な焦げの香ばしさに
粕漬けならではの香りにも包まれて日本酒がどんどん進んでいきます。
林檎のなますは等しく細切りされた京人参に蕪、胡瓜に玉葱の色とりどりの野菜たちが
それぞれの持ち味を混然一体となりつつも競いあっていて爽やかにいただけます。
こちらも旬を迎えた鰤料理の大定番である寒鰤大根は脂のりが良く身がほくほくの寒鰤と
見た目のとおり味が染み染みの大根がまさしくベストマッチで冬の風物詩を満喫した気分に。
釜炊きされた福井県産こしひかりのお供には大将渾身の逸品である鯖カレーそぼろが添えられ
スパイシーな味と香りが銀シャリにぴったりなのはもちろん日本酒にもよく合います。
師走のデザートはこれまた割烹さいおでは初お目見えとなる苺のプリンで甘さはもとより
生の苺とミントの葉が織りなすX’masカラーもよく映えています。
最後はいつもの日本酒ラインナップ♪
○山形県 亀の井酒造 くどき上手 純米大吟醸 白鶴錦33%
○長野県 豊島屋 豊香 純米大吟醸 氷点下寝かせ 一火
○長野県 大澤酒造 勢起 生酛純米 金紋錦
ひとまず2025年はすべての月の月替わりおすすめ会席を堪能することができたので
鬼に笑われようと今から2026年の割烹さいおの料理がが楽しみで仕方ありません。

今年3月から定休日が日曜のみに変更されて土曜と祝日は営業している割烹さいおですが
この日はタイミング良くパートナーともども仕事休みの土曜と月初の1日が重なったので
一番乗りで霜月の献立を堪能しようとふたりしてお邪魔してきました。
加えて、寒くなってきたからこそ味わえる割烹さいおご自慢のあの逸品を求めまして
お正月にご相伴にあずかって以来およそ10ヶ月ぶりのすっぽん鍋コースをセレクトです。
前菜は奥の器がたっぷり掛かった削りたての鰹節もよく香るしろ菜と京揚げのお浸し
丸い器には形がよく色も鮮やかで何と言っても甘さが抜群な柿を使った白和え
紅葉の器の手前側には黄色くふわふわの中に濃厚な風味をたたえている蟹の玉〆
後ろ側左の器はこの後の日本酒のアテとしても大切に頂いていきたい烏賊酒盗で
右の器は混ぜたぶんだけ美味しさがUPしていく生湯葉の生海苔のせです。
とくに割烹さいおではおそらく初めてお目にかかったであろう蟹の玉〆は
ひと口つまめば蟹そのものの風味が感じられるほどの驚きの旨さでした。
前菜たちに舌鼓を打ちつつ日本酒を嗜んでいるとお待ちかねのすっぽん丸鍋が眼前に。
ぐつぐつと音を立てている熱々の鍋の中にはすっぽんの身に豆腐と葱と焼餅が入っていて
仕上げに加えられた露生姜もほのかに香って全体の味を締めてくれています。
料理長曰く、すっぽんが本当の旬を迎えるのは冬も後半となる2月の頃らしく
まだまだ秋真っ盛りの時期では脂のりが甘いというか一般的にイマイチだそうですが
この日は身ぶりもよく黄金色のスープに浮かぶ黄色いつぶがその美味さを物語ります。
お造りは赤身が本鮪で天然白身が明石鯛といつものようにめでたく紅白揃い踏み。
ちなみに白身の方はそろそろ真子鰈に…とも言っていたので、そちらも楽しみです。
焦げやすくて焼き加減がとても難しいという醤油麹焼きで供された金目鯛は
味染みが分かる身の色と香ばしさまで漂う皮目の焦げ具合から一目瞭然の美味しさで
醤油ならではの香りと麹の効果によるふっくら感が見事に調和しています。
鮭といくらのみぞれ酢では角切りの胡瓜と長芋に黄色の映える菊花が混然一体となり
酸味とそこはかとない甘味にぷちぷち＆しゃきしゃき＆ざくざくの食感も絶妙です。
子持ち鮎の煮浸しは梅干しの効果もあって身や腹子はあくまでもふっくらと
頭や骨はあくまでも柔らかく仕上げられていて一匹丸ごと頂戴します。
釜炊きこしひかりには長年の経験から料理長お得意の一品でもある鯛そぼろが添えられ
まさしく手慣れた美味しさに銀シャリのお代わりが止まりません。
デザートはこれまたお初の林檎ゼリーで艶のある輝きとしっかりとした甘さが
本日の宴を見事に締めてくれました。
最後はいつものように日本酒のラインナップを。
○福井県 黒龍酒造 九頭龍 宵月 純米酒
○福島県 豊国酒造 一歩己 純米吟醸
○山形県 麓井酒造 フモトヰ 辛口 純大吟 雪女神
そんなこんなで令和七年も残り2か月ですが、このあと何回お邪魔できるのやら。

10月に入ってようやく秋らしさを感じるようになってきた東京地方に合わせて
料理長が創り出す割烹さいおの和食たちもいっせいに秋の装いを纏いだしたので
そんな旬の味わいを求めてパートナーと早々にお邪魔してきました。
まさしく秋を彩る前菜から紹介するとチンゲン菜と白舞茸の胡麻和えを中心として
若干のスモーキーさまで感じたような気がした焼茄子のお浸しに
ホロホロとした口どけの中に穴子のしっかりとした存在感が際立っている玉〆に
私自身はおそらく割烹さいおでお初にお目にかかったと思う胡桃レーズンチーズに
色のとおりの濃いめの味にぷちぷちとした歯応えも楽しい子持ち昆布という面々。
ちなみにその後もちょくちょく顔を出しますが胡桃レーズンチーズは酒のアテでも大活躍！
土瓶蒸しには先月と同じく名残り鱧に松茸と銀杏という夏と秋の代表役者が揃い踏みで
まずは三つ葉ともども出汁そのものをお猪口で次は酢橘を絞りちょっとだけ風味を変えて
そして土瓶からふわふわの鱧とシャキシャキの松茸とつまんでは美味しく頂戴しました。
お造りは赤身の方が脂の乗った本鮪に天然白身の方が甘みの強い明石鯛となっており
どちらも鮮度はもちろん旨みが抜群でいっそう日本酒が進んでしまいます。
魳(カマス)の塩焼きは料理長の匠の技によって見るからに絶妙な焼き加減で提供され
ふっくらとした白身に焦げた皮目の香ばしさがマッチしていて添えられたレモンを
たっぷりと絞ってさっぱりといただきました。
酒の勢いも手伝って撮影前に箸を付けてしまい少なめな感じに写っている戻り鰹の叩きは
厚めに切られた鰹に薬味＆にんにくチップ＆ポン酢ジュレが掛かり食べ応えがバッチリ。
黄金色に輝く栗蒸しの中には旬魚のほかに湯葉と百合根と椎茸とじつは具沢山で
上に飾られた青身の絹さや含めて光沢のある濃厚な銀あんがきれいにまとめてくれます。
滋賀県産コシヒカリの釜炊き白御飯のお供はなめ茸で銀シャリはもちろん日本酒も堪能しつつ
止椀に香の物もしっかりと味わって〆の食事を。
今月もデザートは割烹さいおでお馴染みの豆乳ムースに代わるシャーベットが登場し
キラキラのマンゴーシャーベットをペロリといって本日の宴が整いました。
それでは最後に恒例の日本酒ラインナップを。
○山口県 酒井酒造 五橋 五(five)ホワイト
○佐賀県 富久千代酒造 鍋島 特別純米酒 赤磐雄町米
○神奈川県 泉橋酒造 秋とんぼ 楽風舞 純米吟醸酒
このまま割烹さいおも短い秋で終わってしまうのか来月の献立もこうご期待です。

9月に突入したハズなのに、夏の酷暑がまったく抜けてくれていない西新宿ですが、
料理だけでも秋の装いを味わいたいということで、初日にパートナーと割烹さいおへ。
前菜は、紅白市松模様の器に入った鯛わたチーズを中心として時計回りに上から、
菊菜＆菊花としめじのお浸しに、なす型の愛らしい器にはいんげんと椎茸の白和え、
鮮やかな色合いが美しい紫芋のスイートポテト風に、最後がしらすと三つ葉の玉〆です。
おそらく割烹さいおでは初お目見えとなった鯛わたチーズは病みつきになる味わいで、
何といっても日本酒に合いそうだからと、その後もアテとしてお取り置きしておきました。
土瓶蒸しは、夏の終わりを感じさせる名残り鱧と、秋の始まりを気づかせるしゃっきしゃきの
松茸と銀杏がそれぞれの旬を競い合い、三つ葉が彩りを酢橘が香りを加味してくれています。
お造りは天然白身が昆布締めにされてねっとりとした食感とともに旨みを感じる鯒(コチ)、
赤身が脂の乗った本鮪で、こちらもめでたく紅白揃い踏みとなっています。
割烹さいおではレアなメニューである豚ロースの塩麹焼きはしっとり＆柔らかく仕上げられ、
焦げの香ばしさとともに、噛むたびに肉の旨みと脂の甘みがじゅわっと口の中に広がります。
酢の物は旬魚の南蛮漬けで、玉葱とカラフルなパプリカの甘味と南蛮酢の酸味が織りなす
複雑な味わいが絶品です。
焚合わせには、久々に豊漁が伝えられている秋刀魚をメインとして小蕪と湯葉が入り、
お椀全体をつつみ込むような甘めの味付けが心地よく、花麩と絹さやが色を加えています。
滋賀県産こしひかりの釜炊き御飯のお供には、大将が丹精を込めた鮭そぼろが添えられ、
ほどよい塩味と甘味に銀シャリをかきこむ箸が止まりません。
今月は定番の豆乳ムースに代わって柚子シャーベットがコースのトリを飾り、
こうして爽やかに初秋の宴を大満喫で締めることができました。
最後は恒例の日本酒ラインナップです。
○滋賀県 喜多酒造 喜楽長 三方良し 純米吟醸
○秋田県 両関酒造 翠玉 特別純米 無濾過 生
○宮城県 寒梅酒造 宮寒梅 EXTRA CLASS 三米八旨
○宮城県 平孝酒造 日高見 中取り純米大吟醸 フローチャートラベル
今後の秋の深まりとともに、割烹さいおがどう深化していくのかに興味津々です。

天気予報で東京地方を直撃するかもと言われていた台風9号は太平洋上を抜けていき
わずか1日だけ降った豪雨の後には、またまた酷暑が戻ってきてしまった西新宿の夜
こんな天候だからこそ本格的な夏の旬を味わいたいと思ってパートナーと割烹さいおへ。

さて、煌びやかなガラス盆の上に竹の器で供された前菜たちからご紹介していくと
手前左の半分に割った竹筒には豚肉とニラの玉〆とオクラの胡麻和えが仲良く並び
右の丸筒には先月から居残りのじゅん菜も入った濃いめべっこうあんの掛かった生湯葉
奥の深めの丸筒にはたっぷりの削り節をたたえたズッキーニとヤングコーンの揚げ浸し
そして右隣には鮎の内臓を塩辛にした白うるかがまぶされた角切りの蓮根が。
中でも白うるかはほどよい塩味とちょっとだけクセのある風味がとても心地よくて
この後の日本酒たちともマッチングしようと片すみにずっと残しておりました。

清まし仕立てのメインは焼鱧の真蒸で、先月までの初夏を彩っていた焼霜&湯引とは
まったく趣の異なる鱧の姿を見せてくれ、黄金に輝く出汁の中に潜む白いタピオカや
鱧と馴染みのいい赤い梅肉、青身のつる菜たちが様々な色味を加えています。

お造りは白身が真子鰈、赤身が本鮪という王道で、こちらは安定の美味しさです。

このサイズになると仕入れが厳しいと大将も嘆いていた大ぶりな太刀魚の塩焼きは
厚みのある身はホクホク、皮目はパリパリで、添えられたレモンを絞ってサッパリと。

グラスの中ではあくまでも柔らかな蒸し鮑と色鮮やかな車海老がジュレ酢をまとい
胡瓜にパプリカ、そして旬のぶどうであるナガノパープルが混ざり合っていて
さわやかかつにぎやかな美味しさを口の中へと運んでくれます。

淡い色合いながら強い旨みと確かな甘みの煎り出しがたっぷり掛かった賀茂茄子は
芳醇な味と温かさがそても優しく感じられ、のせられたピリリと辛い赤卸しや洗い葱
振り柚子などの面々もほどよいアクセントでそれぞれに存在感を発揮しています。

滋賀県産コシヒカリの釜炊き御飯のお供には大将渾身の逸品じゃこ万願寺が添えられ
御飯はもちろんお酒がはかどってしまって仕方ありません。

豆乳ムースには酸味と甘味が丁度いいパイナップルがトッピングされ
酷暑の夜の一服の清涼剤よろしく、本日の宴は無事にお開きとなりました。

最後は恒例の日本酒ラインナップです。
○青森県 西田酒造店 田酒 プレミアム 純米吟醸 山廃仕込 秋田酒こまち
○青森県 八戸酒造 陸奥八仙 夏どぶろっく 活性にごり 生原酒
○秋田県 刈穂酒造 刈穂 超弩級 気魄の辛口+25 山廃純米生原酒
○三重県 早川酒造 早春 特別純米 夏期限定 夏のBourru(ブーリュ)

まだ梅雨明け宣言が出ていない西新宿はこれでも梅雨？と疑うような連日の酷暑ですが
そろそろ初夏を迎える頃の旬の味を求めるべく、パートナーと定例の割烹さいおへ。
竹垣から顔をのぞかせる色とりどりのかわいい五輪の朝顔たちに盛られている前菜は
手前左から奥に向かって、鮮やかな朱色に濃厚な味がクセになってしまうトマト寄せ
トゥルットゥルな歯ざわりと喉越しが涼を求める私たちにぴったりなじゅん菜酢
何なら歯もいらないほどの噛み応えの中から深い味がじんわりと染み出る蛸の柔らか煮
その一方でシャキシャキッとした食感が涼やかで心地いいはす芋と京揚げのお浸し
ただただ滑らかクリーミーで風味も豊かな苦瓜とチーズの白和えというラインナップ。
清まし仕立ては玉蜀黍(トウモロコシ)と枝豆の揚げ真蒸をメインに白木耳が脇を固め
どちらもひと噛みすればたっぷりと吸った至極の出汁が口いっぱいにあふれ出してきて
彩りを添える芽葱と香りを添える柚子もいいアクセントになっています。
お造りは白身が真子鰈に赤身が本鮪で白身特有のねっとり感と旨みを感じる真子鰈と
赤身ならではのさっぱりとした味わいの本鮪はまさしく王道の美味しさです。
天然間八の塩焼きは大将の匠の技によって身はホクホク、皮はパリパリに仕上げられ
レモンをたっぷり絞って少し強めの塩味と旨みを香ばしさとともに満喫しました。
酢の物は先月に引き続いて京料理の夏を代表する鱧で、大ぶりの身を骨切りした後に
焼霜と湯引にされて蛇腹胡瓜と一緒に深紅の梅肉ソースでさっぱりいただきました。
令和七年の｢夏の土用の丑の日｣は7月の19日と31日の2回あるようですが
その前に供された鰻の茶碗蒸しは百合根と椎茸も隠れていて三つ葉や振り柚子ともども
小粋な茶碗の中でそれぞれが持ち味を発揮しつつ絶妙なハーモニーを奏でています。
今月の釜炊き銀しゃりに添えられたのは新生姜の佃煮で濃密な味はもちろんのこと
生姜特有のほのかな辛みも手伝ってご飯のお代わりがどんどん進んでしまいます。
定番の豆乳ムースには甘さが強めのメロンのコンポートがトッピングされていて
涼し気なコントラストと穏やかなひんやり感に酷暑を一瞬だけ忘却できました。
最後は恒例の日本酒…となるところですが、次の日に朝から大切な用事があったため
大将厳選の1本だけを嗜むとともにパートナーたっての希望でワインも少々。
○岩手県 赤武酒造 AKABU 翡翠 純米吟醸 火入
暑い日はまだまだこれからですが、しばらくは今日のご馳走たちで乗り切れそうです。

6月の声を聞いた途端に暑さと湿気がより強まったような新宿界隈は
そろそろ鬱陶しい梅雨入りの気配も感じられる時期になったということで
水無月の旬を味わうところから始めましょうとパートナーと割烹さいおへ。
付出しは、手前の涼やかなガラスの笹船に丸十(さつまいも)のオレンジ煮と
夏鴨のローストが並び、左の銀器には辛味が癖になる青唐辛子の出汁巻き
右の葉っぱをかたどった皿には食感も面白いいんげんとちぢみ蒟蒻の胡麻和え
そして中央を飾る煌びやかなグラスにはたっぷりと掛けられた削りたての
かつお節も香しい茄子のお浸しというラインナップです。
この中で私が特筆しておきたい一品は夏鴨ローストで、冷製でありながらも
ひと噛みすれば肉と脂の濃厚な旨味が口いっぱいに広がり匠の技を感じさせます。
清まし仕立てには、ふわふわの海老真蒸と華麗な姿をした白木耳が入っていて
上に乗せられた青身と黄金色に輝く出汁に浮かぶ柚子も素敵なアクセントに。
お造りは、深紅の赤身が本マグロに天然白身が鯒(コチ)という目出度い並びで
とくにねっとりとした歯ざわりの鯒からは豊潤な旨味が溢れ出てきます。
伊佐木の塩焼きは絶妙な火加減によってあくまでもふっくらと焼き上げられ
添えられたレモンの風味とともに爽やかに頂戴しました。
初夏を迎えようという頃になると急に待ち遠しくなってしまう京料理と言えば鱧。
カウンターに陣取る私たちの目の前で大将に手によって鮮やかに骨切りされた鱧は
湯引きの落としと炙った焼霜の二種で供され、蛇腹胡瓜と梅肉ソースでさっぱりと。
炊き合わせは冬瓜をメインに湯葉と穴子が入ったうえに淡い色合いの花麩が乗り
それぞれの食感や持ち味とともに濃厚な出汁の風味が存分に味わえます。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供は、大将が丹精を込めて仕上げたちりめん山椒で
ほんのひと摘まみでお茶碗はもちろんのことお猪口のお代わりも進んでしまいます。
豆乳ムースには色鮮やかなブルーベリーソースが掛かり、その甘酸っぱさとともに
令和七年水無月の宴を大満足で終えた私たちでした。
最後はいつものように日本酒たちをご紹介。
○福岡県 みいの寿 三井の寿 純米吟醸 山田錦60 BATONNAGE(バトナージュ)
○福井県 黒龍酒造 九頭龍 大吟醸 にごり酒
○千葉県 飯沼本家 純米吟醸 甲子 林檎 きのえね アップル
ちまたの飲み屋ではなかなか出逢うことのない日本酒たちをこうして嗜めるのも
一本奥まった通りにひっそり佇む、割烹さいおならではの醍醐味というものです。

今年のゴールデンウィークは飛び石連休で、谷間の平日に都合が付いたこともあり、
ちょうど皐月のコースがスタートする一日に、さっそくパートナーと割烹さいおへ。
前菜は色と食感の宝庫とでも呼びたくなるようなラインナップになっていて、
手前の笹の葉をかたどった器には、ピリ辛味で赤色も鮮やかなプルプルの赤こんにゃくと
口に入れた瞬間からホロホロとほどけていく黄色も映えた穴子の玉〆、
後列は左から時計回りにコリコリのこごみが真っ白でフワフワの豆腐をまとった白和え、
たっぷりの鰹節が盛られた下にはシャキシャキが楽しいしろ菜と京揚げのお浸し、
白くてヤワヤワの角切り長芋がほんの少しだけピンクに染まっている酒盗和えです。
ちなみに今月のメニュー表には、こごみではなく白瓜の白和えと書かれていますが、
仕入れの都合から大将が変更したそうで、もともとどちらにしようか迷っていたとも。
ふつうに炊けば表面に脂が浮いたり濁ったりしてしまうところを日本料理の技によって、
あくまでも澄みきった透明なスープに仕上がって何とも美しい鯛の潮仕立ては、
明石鯛の出汁と旨みがしっかり溶け込み、その味をたっぷり含んだ小蕪の根と葉、
そして大将がサービスで出してくれたどんこ椎茸ともども美味しく頂戴しました。
お造りは天然白身があこう(キジハタ)、赤身が本マグロで、
角が立った切り口とその輝きから新鮮さと脂のノリまで分かります。
阿波尾鶏の味噌漬け焼きは、濃厚な味噌の風味に負けない弾力のある肉質と
見事な焼き色を付けられた鶏皮が放っている香ばしさも絶品でした。
もずく酢には大ぶりの帆立と甘さ際立つフルーツトマトにあられ胡瓜がトッピングされ、
それぞれの持ち味と食感の違いも面白く、口の中をさっぱりと整えてくれました。
湯葉発祥のお寺が由来となっている東寺蒸しは、旬魚の鰆に百合根と椎茸が湯葉で包まれ、
それらをたっぷりと掛かった光沢のある生姜銀あんがやさしくまとめ上げていて、
青身として添えられた絹さやもいいアクセントになっておりました。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供は伽羅蕗で、茶褐色そのままの濃密な味に促されて、
ごはん茶碗と盃のお代わりがどんどん進んでいってしまいます。
豆乳ムースに合わされたのは濃いめの抹茶ゼリーで、ホワイトとダークグリーンの
コントラストも鮮やかに、ムースの甘さとゼリーの苦味がベストマッチでした。
最後はいつものように嗜んだ日本酒たちをご紹介。
○山口県 澄川酒造場 東洋美人 天祥地瑞 純米大吟醸
○千葉県 寒菊銘醸 寒菊 晴日 Special Yell 純米大吟醸
○福島県 喜多の華酒造場 金澤屋 純米吟醸
割烹さいおが気になった方、ゴールデンウィーク明けの7日から営業再開とのことなので、
まずは予約されてみてはいかがでしょうか。

卯月(4月)に入ったというのに週の頭から真冬のような寒さが続く新宿でしたが、
そのおかげか、桜が花の咲いている時間を長めに持ち堪えていてくれたみたいで、
勤務先から店までの道すがら、まだまだ色濃く残る桜を眺めつつ割烹さいおへ。
前菜は、葉っぱの皿には新玉葱の玉〆と守口大根の土佐酢漬けが一緒に盛られ、
六角形の器には根三つ葉と京揚げのお浸し、茄子を模した器には葉ごぼうの胡麻和え、
そして、瑠璃色と金色で鮮やかに彩られた円錐状の器の蓋を開ければ、
中にはポン酢のジュレが掛かった鯛の白子が。
玉〆と守口大根は当然ながら味も食感もまったく異なっているのが面白く、
料理を隠してしまうほどに削りたての鰹節が掛けられたお浸しはその風味もよく、
葉柄(ようへい)という葉と茎との間の部分を食す葉ごぼうからは爽やかに春を感じ、
白子はひと房だけ食べて、残りひと房はこの後に控える日本酒に備えて手元に。
清まし仕立ては桜海老の真蒸をメインに、春子椎茸と緑が映えるミニアスパラが入り、
木の芽も香りもいいアクセントです。
お造りは赤身が本鮪で白身が明石鯛と、何とも目出度い紅白揃い踏みとなりました。
漢字のとおり春を告げる魚とも言われる鰆は幽庵焼になっていて、
艶やかでふわふわの身がほど良い焦げとともに豊かな旨みを纏い、柚子の風味がほのかに。
旬の蛍烏賊と京菜の花には辛子酢味噌と土佐酢ジュレがたっぷりと掛かっていて、
烏賊の甘味に菜の花の苦味、味噌の塩味と辛味に土佐酢の酸味と、賑やかな春の訪れです。
若筍煮のメインには眩いほどに黄色みをおびた筍と深い緑色が際だつ若布が並び立ち、
春ならではの明るいコントラストに味覚はもちろん視覚かでも美味しさが感じられます。
卯月の釜炊き京丹波コシヒカリのお供として添えられたのは地鶏のそぼろで、
銀シャリだけでなく日本酒まで進めていってしまいます。
まっ白な豆乳ムースにはこれぞ橙(だいだい)色と言えるマンゴーゼリーがトッピングされ、
濃厚な甘味にほのかな酸味もほどよく、春の宴を美味しく締めてくれました。
こうして最後の一品までが、各々の持てる春の色彩を鮮やかに放っておりました。
最後はいつもの日本酒ラインナップを。
ちなみに”Rice Trade”はその名のとおり、双方の酒蔵が普段使う酒米を交換して作った
実験的な日本酒だそうで、ラベルは似ていてもそれぞれに特徴のある味わいでした。
○石川県 吉田酒造 手取川 春 純米辛口 うすにごり酒
○宮城県 墨廼江酒造 墨廼江 純米大吟醸 Rice Trade
○滋賀県 喜多酒造 喜楽長 純米大吟醸 Rice Trade

令和七年三月より、これまでの平日に加えて土曜と祝日も営業することになった割烹さいお。
晴れのスタートとなった三月一日の土曜営業初日に、これまたいつものパートナーに加えて
パートナーのお仕事仲間さんを交えた三人で、さっそくお邪魔してきました。
パートナーはウーロン茶、私とお仕事仲間さんは生ビールという布陣で乾杯した後の前菜は、
奥の器が花山葵のお浸し、左の黄色い器が切り干し大根の酒粕白和えと蓬麩の田楽、
右の貝殻を模した器がたっぷりの海苔の佃煮と山葵をまとった生湯葉と生雲丹、
そして手前の可愛い升状の器がふきのとうの油煮という構成です。
削りたての鰹節も香る花山葵のお浸しはけっこう刺激的な辛さを放っていて、
本来であれば淡泊なはずの白和えも酒粕が豊かな風味を心地よく利かせており、
海苔の佃煮と山葵ともども混ぜることで生湯葉＆生雲丹の甘さがいっそう引き立ち、
もっちもちの食感に香り高い蓬麩には濃いめの田楽みそがよくマッチしていて、
口の中を漂い続けるふきのとうの苦味が春の訪れを感じさせてくれます。
掲載した写真をご覧いただければ分かるとおり、白濁するほどに濃厚な蛤の潮仕立てには、
大ぶりの蛤に若布と独活が入っていて、添えられた木の芽の爽やかさもいいアクセントです。
お造りは天然平目に本鮪のトロ＆赤身で、あいかわらず仕入れの難しさはあるようですが、
いかに月が替わろうとも、安定の新鮮さと美味しさを保っています。
そろそろ旬を迎える桜鱒の塩麹焼きは、大将のワザによって最高の焼き加減で提供され、
ホクホクの身はほどよく脂が落ちていて、焦げの香ばしさとともに旨みが増しています。
こちらも仕入れが困難だったという飯蛸は、うるいとともに土佐酢かけにされており、
鮮やかな桜色とひたすら柔らかい飯蛸にほろ苦いうるいの競演はまさしく早春の装いです。
白魚の柳川風鍋は、笹がき牛蒡と長葱に三つ葉ともども熱々の出汁と玉子でとじられ、
振られた粉山椒のピリッとした辛味と風味も、いい仕事をしてくれています。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供に選ばれたのは烏賊明太で、ちょうどいい塩味と辛味に、
お茶碗だけでなくお猪口のお代わりもいっこうに止まりません。
割烹さいお定番の豆乳ムースには、甘味と酸味が絶妙なキウイコンポートがたっぷり掛かり、
美味しさはもちろんのこと、ガラスの器との色味＆輝きのコラボも絶品です。
最後は恒例の、気づけばお代わりが進みまくっていた日本酒たちをご紹介です。
ちなみにお仕事仲間さんも日本酒が相当いける口であったからこその結果となります。
○福井県 黒龍酒造 黒龍 純吟 垂れ口
○鹿児島県 西酒造 天賦 純米酒
○福井県 黒龍酒造 九頭龍 垂れ口
○秋田県 福禄寿酒造 一白水成 純米吟醸 槽垂れ 生酒
○新潟県 天領盃酒造 雅楽代 瑞華
○群馬県 牧野酒造 大盃 MACHO 純米 愛山80 生酒
ところで今回は掲載した写真の中に、割烹さいおの料理長 斎尾 敏彰 氏が初登場しております。
とくに本人から掲載許可をもらったわけではありませんが、食べログの店舗紹介ページには、
すでに齋尾氏の写真が数多く載せられていたことから、こちらでもご登場いただきました。
この料理長の手から創り出される傑作の数々を、みなさんもぜひ味わってみてください。

先週末に正月2度目のすっぽん鍋を堪能して今年も良い年だなぁ～と思っていのもつかの間、
土日を挟んでパートナーと都合がついたので、またも如月オープン初日に割烹さいおを訪れ、
さっそく月替わりおすすめ会席をご相伴にあずかってきてしまいました。
丸皿にお行儀よく配膳された前菜たちは、真ん中の醤油焼大豆を軸として時計回りに、
12時には小松菜と京揚げの辛子浸し、3時には春菊の胡麻和え、6時には甘海老の酒盗、
最後の9時にはひじきとチーズの玉〆という構成になっております。
当月としても当日としても、私たちふたりが初めての来店客であることも関係してか、
大将からは「塩加減とか、いかがでしょうかね…」といった問い掛けなどもありましたが、
そこは割烹さいおならではの、いつも通りのしっかりした味付けで統一されておりまして、
とくに醤油焼大豆は、醬油の香ばしさと思いのほか固めの食感がマッチしていて、
その後の日本酒のアテとしても大切に大切に育てていくことになりました。
清まし仕立ては鴨丸(＝鴨のつみれ)で、焼豆腐と根の付いた芹、その上には梅麩が飾られ、
大将が粉山椒を丁寧に振ってから目の前に供されます。
うっすらと汁に浮かんでいる鴨の脂が物語っているように、絶品の鴨出汁はもちろんのこと、
ほろほろと口の中で崩れていく鴨丸が何とも味わい深く、芹の風味と根の甘さも相まって、
のどを通るたびに体の芯にまでその美味しさと温かさが行き渡っていく感じがします。
お造りは天然白身が平目に本鮪のトロと赤身という、安心かつ安定のラインナップ。
焼物は銀鱈の幽庵漬けで、本来は淡泊なはずの白身魚である銀鱈が鮮やかな照りとともに、
芳醇な柚庵の味をまとっていて、濃厚な旨みの先には柑橘系のほのかな香りも感じます。
細かく切った河豚と白菜にポン酢を和えた酢の物は、割烹さいおでは初顔合わせでしたが、
あっさりした素材なのに味に奥深さがあり、河豚の強い旨味とのマッチングの妙を見ました。
京都の伝統野菜である聖護院大根のかぶら蒸しには熱々の蟹あんがたっぷりと掛けられ、
脇役などと侮れない里芋に巻き湯葉、ブロッコリーが異なる食感と共に持ち味を主張します。
今月の釜炊き京丹波コシヒカリのお供は大将が丹精込めて作っていた寒鰤のそぼろで、
この一品だけで銀シャリはお代わりはもとより、日本酒のピッチも上げてくれます。
豆乳ムースには色鮮やかなみかんゼリーが掛かり、こうして如月の宴を美味しく締めました。
料理とともに嗜んだ本日の日本酒たちも入手困難な逸品ばかりで、当たり前ではありますが、
日本料理との相性も間違いナシなので、割烹さいおに来た際はぜひとも愉しんでみてください。
○秋田県 両関酒造 純米吟醸 裏 翠玉<エメラルド>
○群馬県 牧野酒造 大盃 MACHO? 70 生酒
　(※後で写真の撮り忘れに気づき、パートナー撮影の動画から切り出しました。)
○広島県 賀茂鶴酒造 賀茂鶴 広島錦 純米酒
○新潟県 天領盃酒造 雅楽代 瑞華

新年のオープン日に割烹さいおを訪れ、すっぽん鍋を堪能してきたことをご紹介しましたが、
何と同じ1月の最終営業日に、またまたすっぽん鍋を味わってきました。
少し前に誕生日を迎えた友人がおり、そのお祝いも兼ねてパートナーと3人で行くことになり、
何が食べたいか聞いたところ「すっぽん！」と答えたので、今月2度目のご相伴となりました。
コースメニューと味の感想は以前の記事で紹介済みのため、今回はメニュー名と写真だけですが、
何度食べても、割烹さいおのすっぽん丸鍋は群を抜いて美味しいと感じさせてくれます。
前菜：芹白和え、数の子、車海老旨煮、京菜の花お浸し、あん肝ジュレポン酢
吸物：名物 すっぽん丸鍋
造り：明石鯛、本鮪トロ＆赤身
焼物：銀鱈味噌漬け焼き、酢取り
酢の物：公魚(ワカサギ)南蛮漬け
温物：ぐじかぶら蒸し
食事：釜炊き京丹波コシヒカリ、和牛しぐれ煮添え、止椀、香の物
デザート：豆乳ムース、黒蜜ゼリー、きな粉
最後はいつも通りに日本酒を。
○秋田県 両関酒造 花邑 純米大吟醸 山田錦 一回火入
○青森県 八戸酒造 陸奥八仙 芳醇超辛 純米 生原酒
○奈良県 今西酒造 みむろ杉 純米吟醸 無濾過生原酒 おりがらみ
あらためまして割烹さいおには、令和7年1月もお世話になりました。

巳年生まれで今年が本厄の私は(歳バレバレ)、厄落としも兼ね…たわけでもありませんが、
割烹さいおの令和七年オープン初日にパートナーと出向いて名物のすっぽん鍋を堪能しました。
前菜は、扇子の皿に芹の白和えと数の子、そして車海老の旨煮が並び、奥に京菜の花のお浸し、
手前にあん肝のジュレポン酢と、あらためて正月気分を醸し出してくれるようなラインナップ。
数の子の塩加減や歯ざわり、あん肝の濃厚な味わいとジュレポン酢のマッチングが心地よく、
乾杯の生ビールをそそくさと済ませて、日本酒へとスイッチするふたりでした。
前菜を食べ終える頃に本日のメイン、カウンタ越しにぐつぐつ音を立てているのを見ていた、
すっぽんの丸鍋が登場しました♪
写真からも分かるように熱々で所々に脂が浮くすっぽん丸鍋は、すっぽんの出汁だけ強く感じ、
何のクセも雑味もない、ただただ澄み切った黄金色に輝くスープが何とも絶品です。
部位によってホロホロほどけたり、プルプルだったりと食感が楽しいすっぽんの身はもちろん、
焼餅や豆腐、葱にもしっかりとすっぽんのスープが染み込んでいて、
かすかに香る露生姜(生姜のしぼり汁)がすっぽん鍋全体の味を引き締めてくれています。
お造りは白身が明石鯛、赤身が本鮪のトロと赤身というお刺身界の両雄がならび立ち、
それぞれの旨みや甘みに加えて、正月らしい紅白の色合いが何とも目出度い感じです。
銀鱈の味噌漬け焼きは、その色と照りだけでも味噌の香ばしさと白身の美味しさが伝わり、
濃密な味噌漬けの味をまとったホクホクで柔らかい身は、酢バスとの相性もバッチリ。
ちなみに銀鱈の盛り皿ですが、写真の方向で客前へ出したのが正解であったのか、
それとも90度回転した方が正しかったのか、出した後も大将はひとしきり悩んでおりました。
徳川家への献上品「公儀御用魚」から「公魚」と呼ばれるようになったワカサギは、
玉葱と二色のピーマンともども南蛮漬けにさて、さっぱりといただけます。
京都の冬を代表するおばんざいのひとつでもあるぐじのかぶら蒸しには、
たっぷりのべっこう餡が掛けられ、その甘さと鮮やかな黄色の銀杏に山葵がよく合います。
今月の釜炊き京丹波コシヒカリのお供に選ばれたのは和牛のしぐれ煮で、
生姜も効いたほどよい甘辛さに、銀シャリのお代わりが思わず進んでしまいます。
割烹さいお定番デザートの豆乳ムースには黒蜜のゼリーときな粉が掛かっていて、
身体の中に甘さが駆け巡るとともに、正月のすっぽん祭りは無事に終了となりました。
最後に本日嗜んだ日本酒をご紹介して、今年も割烹さいおに世話になると決めた私たちでした。
○島根県 王禄酒造 王禄 純米大吟醸 五〇 2023
○秋田県 両関酒造 花邑 純米大吟醸 山田錦 一回火入
○青森県 西田酒造 田酒 純米吟醸 古城乃錦
みなさまも、絶品のすっぽん鍋を味わいに割烹さいおへぜひ。

師走に入ったこともあってか、朝晩はそれなりに寒くなってきてはおりますが、
まだまだ昼間には温もりも感じられて、一日の寒暖差が気になるこの頃の西新宿、
そんな中で冬ならではのご馳走を求めようと、今月もパートナーと割烹さいおへ。

前菜は、葉皿の上に小松菜の胡麻和え、赤こんにゃくとも呼ばれる永源寺蒟蒻の旨煮、
黄金色の金柑の蜜煮が並び、鮮やかな青色の器には真鱈白子の別名である雲子ポン酢、
そして奥の六角形の器には京揚げと白菜の煮物が盛られております。
生ビールで乾杯し、順繰りに前菜を摘まみながら早々に日本酒へチェンジする私たち。
清まし仕立ては、揚げてあるせいかふわふわよりもぶるんぶるんといった食感が相応しい
蟹真蒸が真ん中に鎮座していて、巻き湯葉や椎茸などの脇役たちが回りをしっかりと固め、
濃い目にひかれた出汁とそれぞれの旨味とが相まって、口いっぱいに美味しさが広がり、
緑豊かな芽葱と振り柚子もいいアクセントになっておりました。
お造りは本鮪の赤身とトロが、天然平目を挟む形で盛られていて、
本鮪の脂の甘さやねっとりとした平目の味わいに、思わず日本酒が進んでしまいます。
まさしく冬のご馳走の代名詞と言える寒鰤は照り焼きで供され、
見るからに濃厚な味と照りがのって輝く寒鰤と酢取りの組み合わせが最高でした。

林檎のなますは、細切りの大根や京人参、玉葱や胡瓜など色とりどりの野菜と和えられ、
ここまでのご馳走で踊らされてしまった舌と味覚を、爽やかに整えてくれました。
小鍋仕立ては大粒の牡蠣がたっぷり入った熱々の玉子とじで、長葱にしめじに三つ葉と、
具だくさんな上にチーズまで加わり、ひと口で熱さと旨さが体中を駆け抜ける感じです。
今月の釜炊き京丹波コシヒカリのお供は鯖咖喱そぼろで、香り高くスパイシーな風味が
銀シャリ＆おこげにぴったりで、お代わりが止まりません。
まっ白な豆乳ムースには真っ赤な苺ソースがたんまりと掛かっていて、
上に乗せられたミントの葉と織りなすX’masカラーがよく映えます。
本日の大将へのお土産は嗜好を変えて、いつものスイーツではなく、
富山県にあるしろえび米菓専門店「SHIRO SARAYA」の『しろえびせん』です。
たまたま見つけて買い求めましたが、その美味しさに大将も唸っておりました。

最後はいつもの日本酒ラインナップを♪
○秋田県 山本酒造 山本 純米吟醸 サンセットオレンジ
○山口県 澄川酒造場 東洋美人 醇道一途 限定純米吟醸 西都の雫
○新潟県 松乃井酒造場 凌駕 特別純米 雪中貯蔵 ホワイトイーグル
○滋賀県 喜多酒造 喜楽長 潤わ潤わ(じゅわじゅわ) 純米大吟醸 生酒

最近まで記録的な暑さばかりが話題であった東京地方にも昨日は木枯らし1号が吹き荒れ、
日ごと増す寒さとともに冬の味覚への想いも募り、パートナーと割烹さいおへ。
前菜は、手前左から確かな風味と味わいにふわふわの食感も楽しい蟹の玉〆に、
たっぷりと掛けられた生海苔と山葵を混ぜていただく生湯葉、
後列は削りたての鰹節が香る京水菜と京揚げのお浸しに、
色鮮やかで形がよく甘さも抜群な柿を使った白和え、
そして中央の丸い器は大将渾身の逸品、帆立の酒盗です。
大ぶりの帆立貝柱をいったん昆布で〆てから酒盗にしたそうで、
水っぽくなくサクサクの歯ざわりもしっかり残り、まさに”酒盗”の役目を果たしました。
吸物も割烹さいおでは意欲作と言える地鶏丸仕立てで、京小蕪の果肉と葉に花麩が入り、
水面に浮かんでひかり輝く出汁からも分かる、地鶏の濃厚な出汁にほのかな柚子もいい感じ。
本日の天然白身はマツカワガレイで肉厚な白身の旨味はもちろん、
エンガワを噛みしめると甘さが広がり、脂がのった本鮪トロ&赤身と濃密な味の競演です。
金目鯛の塩麹焼きは深い風味と焦げの香ばしさをまとっていて、
酢取りに添えられたハスともベストマッチでした。
酢の物替りは鮭といくらのいわゆる親子みぞれ酢和えで、角切りの胡瓜と長芋に菊花と
美味しさだけでなく色とりどりの華やかさが映えます。
子持ち鮎の煮浸しは梅干しのおかげもあってふっくらと仕上がっていて、
身も骨も丸ごとを余すことなく堪能しました。
毎月の楽しみでもある釜炊き京丹波コシヒカリのお供は鯛のそぼろで、
その豊かな風味と適度な塩味にお代わりが止まりません。
豆乳ムースには豊潤な甘味とほど良い酸味の林檎のコンポートがトッピングされ、
ミントの葉もいいアクセントになっています。
さて、恒例となりつつある大将へのお土産は、期間限定で小田急百貨店に出店していた
東京都品川区戸越にある和菓子店、江戸越屋の「粋町しょこら」で、
チョイスした6種類のうち大将のお気に入りは「ちーずに柚子」でした！
最後はいつもの日本酒ラインナップを。
○本日も泡立ちが見事すぎた生ビール
○山口県 酒井酒造 五橋 five ORANGE 純米吟醸
○茨城県 月の井酒造 彦市 純米吟醸 秋あがり
○奈良県 長龍酒造 長龍 雄町 純米吟醸 原酒 ひやおろし

ジグザク天気と言うらしく、この日の東京地方10月にも関わらず最高気温が30℃を超えて
体の調子もおかしくなりそうな気候ですが、味覚ぐらいは美味しい料理で整えておきたいと
今回はパートナーと二人で連れだって割烹さいおへ行ってまいりました。
前菜は、手前が濃いめの味に歯応えも楽しい子持ち昆布、中段の列は左から順番に、
法蓮草と白舞茸の風味豊かな胡麻和え、まさしく今が旬である無花果のコンポート、
そして濃厚なチーズとかぼちゃがギリギリの柔らかさでその形を保っている玉〆、
奥は削り節も香しい関西ではポピュラーな白菜の仲間のしろ菜と京揚げのお浸しで、
小分けに盛られているそれぞれの器からも、秋が十分に感じられます。
土瓶蒸しでは名残り鱧と松茸という秋の二大巨塔がメインを飾っており、
彩りの銀杏と三つ葉に香りの酢橘も、黄金色に輝くスープの中で映えています。
ちなみにこの土瓶蒸しはコースメニューでは今月いっぱいとのことなのでお早めに。
お造りは、引き締まった白身から染み出してくるような深い旨みが取り柄の明石鯛と
しっかりと脂がのった本鮪のトロと赤身がめでたく揃い踏みとなりました。
見た瞬間に美味しさはもちろん香ばしさまで漂うようなからすかれいの幽庵焼きは
噛み締めると口と鼻に幽庵の香りが広がり、添えられた酢蓮もいいアクセントです。
ふっくら鰻と胡瓜もみの名コンビ、いわゆるうざくには茗荷やガリに胡麻も加わり
土佐酢でさっぱりといただきました。
熱々のぐじと栗の蒸し椀には銀あんがたっぷりと掛かっていて、
その中に隠れている百合根や椎茸、湯葉もそれぞれが持ち味を発揮しています。
今月の釜炊き京丹波コシヒカリのお供はなめたけで、ほど良い甘味と酸味が
銀シャリのお代わりだけでなく日本酒のピッチも進めてしまいます。
定番の豆乳ムースですが、割烹さいおに通い続ける私にはおそらく初のペアリング、
濃密なコーヒーゼリーがのり、白と黒＆甘味と苦味というコントラストが絶品でした。
さて、いかにもお土産といった写真は、小田急百貨店新宿店の催事「餡恋」で見初めた
神奈川県愛川町にある甘味処｢マゴベヱ団子 馬渡屋｣の栗のブリュレというスイーツで、
蕎麦団子に栗餡が塗られ、その上から栗粉を練り込んだブリュレ生地を纏わせるという
ひじょうに凝った＆しっかりと甘くて美味しい逸品でした。
最後はいつものように嗜んだ日本酒たちをご紹介。
○兵庫県 泉酒造 琥泉 純米無濾過生酒 原酒
○山形県 麓井酒造 麓井 ジューシー 純吟
○秋田県 秋田清酒 刈穂 純米吟醸 秋Kawasemi
次に割烹さいおへ行くのは11月＝霜月、献立も冬仕立てになっていそうなので、
果たしてどんな旬の美味しさたちと出逢えるのか、今から楽しみです。

9月も後半に入ったというのに、まだまだ酷残暑の厳しい東京地方ですが、
せめて京料理から秋の訪れを味わおうと、パートナーに友人を加えた3人でこちらへ。
前菜は、左の皿にいんげんと赤蒟蒻の白和え、車海老の旨煮、ちりめんじゃこと玉葱の玉〆、
紅葉をかたどった器に鯛の塩辛、奥は菊菜と菊花としめじのお浸しと、いかにも秋の装い。
土瓶蒸しには主役として、名残り鱧とシャキシャキした食感も楽しい松茸が入っていて、
かたわらの銀杏と三つ葉が彩りを、添えられた酢橘が香りを加えてくれました。
お造りは、天然白身の方がねっとりとした歯触りも旨みを後押しするあこう(キジハタ)、
赤身の方が脂のりのいい本鮪のトロと赤身が、めでたく紅白揃い踏みです。
魳の塩焼きは、割烹さいお大将の匠の技も相まって、その身はふっくらしていながら、
焦げた皮目は香ばしさをまとい、大きめくし切りのレモンを絞って爽やかにいただきます。
酢の物替りで供された炙り〆秋刀魚のジュレ酢かけは、脇役の胡瓜や赤芯大根、ガリたちが
それぞれの役目をまっとうするいい仕事をしていて、色味＆食感のハーモニーが抜群です。
茄子の鶏あんかけには生麩が入り、その上には青身が横たわり、
たっぷり染み込んだ出汁に振り柚子の香りもマッチして、心まで温めてくれる美味さです。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供には秋鮭のそぼろが添えられ、
その塩味と甘味にコンビネーションに、思わずお代わりしてしまいます。
豆乳ムースには梨のコンポートがトッピングされ、心地いい甘さが口の中に広がります。
次に載せた写真は、大将へのお土産に持参した三層の瓶詰めチーズケーキ｢CHILK｣で、
三軒茶屋にある”cafe The SUN LIVES HERE”の商品です。
大将は仕事を終えてから食べたようで、後から「ものすごく濃厚！」とLINEが入りました。
ちなみに今月末ぐらいまでなら小田急百貨店新宿店に期間限定で出店しているようなので、
お時間のある方は新宿へ、お時間のない方は三軒茶屋へ、寄ってみてくださいね。
こうして割烹さいお令和六年長月の宴も、美味しく＆大満足にて終演したのでした。
最後はいつもの日本酒ラインナップとなりますが、連れて行った友人も相当いけるくちで、
数多くの銘柄を嗜んでしまったのはご愛嬌ということで。
○栃木県 せんきん 仙禽 線香花火
○福井県 黒龍酒造 九頭龍 氷やし酒
○佐賀県 富久千代酒造 鍋島 吟醸 Summer Moon
○福島県 宮泉銘醸 冩楽 純米吟醸 播州愛山
○新潟県 青木酒造 鶴齢 雪男 純米酒
○山形県 富士酒造 栄光富士 CRIMSON GLORY

台風10号の直接的な被害までは及んでなく、まだ安心感のあった8月29日の新宿、
本来であれば語呂合わせよろしく「焼肉の日」に相応しいお店選びとなるべきところ、
私とパートナーは迷うことなく、割烹さいおの月替わりおすすめ会席を御相伴に。
きらびやかなガラス盆に乗ったそれぞれに凝った細工の竹の器で供された前菜は、
左上から順に、生姜の効いたじゅん菜あんをしっかりと混ぜていただく生湯葉、
歯の必要性までも失わせてしまうような柔らかさと豊かな味わいの蛸の柔らか煮、
さっぱり感が心地いいだけでなくその紅色も鮮やかなトマトのお浸し、
ひと切れごとに肉と脂の濃厚な旨味が口の中いっぱいに広がる夏鴨のロースト、
そしてシャキシャキとした食感も楽しいそうめん南瓜と胡瓜の胡麻和えです。
つづく清まし仕立てのメインに据えられたのは焼鱧の真蒸で、
お椀の奥底にひっそりとたたずむピオカのモチモチ感がいい具合に出汁に絡みます。
大将曰く、夏前からの不漁に台風まで影響して仕入れが大変というお造りは、
真子鰈と本鮪トロ＆赤身で、いつもと変わらぬ質と味を維持しているのは流石です。
大ぶりな太刀魚の塩焼きは厚みのある白身が何といってもホクホクで、
傍らのレモンをたっぷり絞ってサッパリといただきました。
酢の物替りで供されたのは旬魚の南蛮漬けで、その酸味と色合いの異なる
玉葱の甘味が織りなす複雑な味わいが絶品です。
穴子の柳川鍋風には笹がき牛蒡と葱が入り、ふわふわの玉子とじの上を飾っている
三つ葉のグリーンと粉山椒のブラックが色味はもちろん香りも加えて刺激的です。
本日の釜炊き京丹波コシヒカリのお供に選ばれたのはじゃこ万願寺で、
割烹さいお定番の豆乳ムースのお供はパインのコンポートとミントの葉でした。
さて、以上で月替りおすすめ会席のお料理はフィニッシュとなるわけですが、
最後にもう一つ、写真に映っているショコラプリンをご紹介。
こちらは神奈川県海老名市に本店があるショコラティエ「サンドグラス」が
この日たまたま、新宿小田急百貨店に期間限定で出店していることを知り、
スイーツ好きの大将のためを思って、お土産として持参した逸品となります。
ショコラプリンをひと匙すくって口に運んだ瞬間、その本格的なショコラの味に
割烹さいおの大将は「これ、美味しい！」と叫んで大絶賛しておりました。
今宵もこうして葉月のおすすめ会席メニューを大満喫させていただきました。
最後は恒例の日本酒ラインナップです。
○宮城県 墨廼江酒造 墨廼江 夏純米 大辛口
○秋田県 浅舞酒造 天の戸 純米大吟醸45
○青森県 鳩正宗 鳩正宗 特別純米 夏純 オーシャンブルー

食べログに掲載した割烹さいおの記事の中でも何度かご紹介してきておりますが、
ゴールデンウィークにお盆、そして年末と、人も店も長いお休みに入る直前の3日間は、
スペシャルデーと称しまして、いつもとは違う会席メニューが饗されます。
今回はその最終日に、パートナーと水入らずで真夏の旬のメニューを堪能してきました。
涼やかな器からスタートした付出しは、生ハムが巻かれた無花果にマスカルポーネチーズを
加えた白和えという異色の組合せで、生ハムの塩味に無花果の甘味、チーズの香りも感じる
ほのかな甘さの白和えに、ピンクペッパーとデイルもいいアクセントになっていました。
一転して漆黒の塗り椀にて供されたのは、うどん出汁仕立ての結び素麺で、
大きくて色鮮やかな車海老に出汁をたたえた加茂茄子が入っていて、
たっぷりの青葱ともども一滴も余すことなく飲み干しました。
お造りは見るからに脂の乗った本鮪の中トロにねっとりとした食感の白身を噛み締めるほどに
旨みが染み出してくる真子鰈で、紅白のめでたさも感じつつ味わいました。
殻盛りされた鮑のバター焼きはその大きさと厚さながら、大将の渾身の焼き加減によって
あくまで柔らかく、鮑の旨味とバターの風味をまとったエリンギと二色万願寺も最高でした。
酢の物替わりは生雲丹のスフレ風で、上にはコンソメのジュレが掛かっていて、
華やかにふられた花穂紫蘇が見事な色味を添えてくれていました。
小鍋仕立ては鱧すきで、焼き豆腐や玉葱、春菊といった定番とも言える食材たちに加えて、
夏だというのに顔を出してしまった早松茸までが入った豪華なラインアップ。
この日も暑い夜でぐったりでしたが、熱々の鍋を食して心身ともに元気を取り戻しました。
〆の食事は釜炊きの枝豆じゃこ御飯で、枝豆の風味とほどよい塩加減にお代わりを重ねます。
デザートは白桃のムースで、濃密な白桃も満喫して、本日お宴を美味しく終えました。
…と言いたいところですが、2日後に大将が誕生日を迎えるということもあり、
そのお祝いも兼ねてロールケーキを持参し、皆で一緒にいただきました。
ちなみにこのロールケーキですが、和乃果という山梨県に本店を構える菓子店の
「茉莉果」という商品で、東京駅の八重洲口にある東京ギフトパレットでも買えますよ。
最後はいつも通りに日本酒たちをご紹介。
○福井県 黒龍酒造 黒龍 夏しぼり 純米吟醸
○山口県 酒井酒造 五橋 純米吟醸
○香川県 綾菊酒造 綾菊 主基のさと 超辛口 純米生原酒
次のスペシャルデーは令和六年の年末、もう愉しみで仕方ない私です。

東京地方は梅雨が明けから酷暑続きに突然の雷雨と慌ただしく天候が変わり、
身も心も付いていけない感じですが、まずは味覚から整えようと割烹さいおへ。
本日はパートナーに友人ふたりを加えた、4人パーティーでの訪問となりました。
色とりどりの朝顔の器に盛られた涼やかな前菜は、手前が冷やしとろろとじゅん菜酢、
中はズッキーニ揚げ浸しで、奥が土用の丑には2日遅れの鰻の玉〆と白瓜の白和えです。
清まし仕立ては枝豆とトウモロコシの真蒸をメインに焼椎茸と赤&緑の甘長唐辛子が入り、
ふわふわの真蒸と奥深いに出汁の味に旨みと色みをやさしく加えてくれています。
大将によると、最近は鮮魚の仕入れが安定しない状況が続いているとのことでしたが、
そんな中で供されたお造りの白身は真子鰈で、本鮪のトロと赤身が揃い踏み。
いつも通りにしっかりと脂が乗っていて、噛み締めるほどに旨みと甘みを感じます。
塩麹焼きにされたスズキの身はホクホク＆ふわふわで、添えられたレモンを絞って、
さっぱり爽やかにいただきました。
コースメニューで出されるのは今月が最後となる京料理の夏の定番、鱧の切り落としは、
焼霜と湯引きの異なる二種類で、蛇腹胡瓜ともども梅肉ソースとのマッチングが最高です。
見るからに味染み染みの豚角煮はあくまでも柔らかく、煮汁をたっぷりと含んだ冬瓜は
あくまでもジューシーで、上に乗せられた絹さやと振られた柚子も味と香りの両面から
これらの主役たちをしっかりとサポートしています。
釜炊き京丹波コシヒカリはもともと水茄子添えだったのですが、少しだけ苦手な私のために
大将は牛時雨煮を用意してくれ、そんな御厚意もあってかお代わりがどんどん進みます。
豆乳ムースには甘みの強いメロンのコンポートが掛かり、こうして酷暑の夏の夜に
味覚だけでなく心身までも美味しく整えることができました。
ちなみにチーズケーキは私からの差し入れで、栃木県に本店がある「チーズガーデン」
こだわりの逸品である『御用邸チーズケーキ』を、大将も交えて頂戴しました。
最後は恒例の生ビール&日本酒のラインナップを。
○秋田県 山本酒造 山本 純米吟醸　和韻 2024
○徳島県 本家松浦酒造 鳴門鯛 純米吟醸にごり生酒
○宮城県 寒梅酒造 宮寒梅 夏酒 Mr.Summer Time
来月早々には「割烹さいおスペシャルデー」もあり、今から楽しみで仕方ない私です。