126回
2023/02 訪問
令和五年如月の献立+α
付出は中列左から牛すきの玉〆に甘海老の酒盗和え、葉ごぼうの胡麻和えが並び、
奥に小松菜と浅蜊のお浸し、手前がふきのとうの油煮(あぶらだき)です。
「葉ごぼう」は根を食べる一般的なごぼうと違って葉や茎も食用にしている
主に関西で親しまれてきたもので「若ごぼう」とも呼ばれる旬の野菜とのこと。
「油煮(あぶらだき)」は、あらかじめ多めの油で揚げて味を含ませる手法だそうで
ふきのとうの香りや苦味が見事に残されていて、とても美味しかったです。
清まし仕立てにはホロホロとくずれる鴨のつみれに芹と焼豆腐、梅麩が入っていて、
出汁に負けない鴨の力強い風味が口の中に広がり、粉山椒もいいアクセントに。
お造りは天然平目に本鮪のトロと赤身で、平目のねっとりとした味わいが絶品。
銀ムツの味噌柚庵焼きは柑橘系の爽やかさと濃厚な味噌の香ばしさがベストマッチ。
大根に木の芽を混ぜた木の芽卸しの上には鮎の稚魚「氷魚」が躍り、土佐酢でさっぱり。
ふわふわの蟹湯葉饅頭は蟹の香りが豊かで、あつあつの銀あんが優しく包み込みます。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供は鰤のそぼろで、絶妙な甘辛さにお代わり必至です。
豆乳ムースにはキウイのコンポートが添えられ、甘さの中に残る酸味が絶妙でして。
いつものように、美味しい料理とともに嗜んだ日本酒たちもご紹介しておきます。
そしてスイーツ好き(※シュークリーム、チーズケーキだけ?)の大将に手土産を。
日本橋人形町「THIRD SUGAR(サードシュガー)」の「シュークリーム」と
三層構造の「フロマージュ」で、大将にも喜んでもらえましたとさ。
付出
鴨つみれ清まし仕立て
平目と本鮪
銀ムツ味噌柚庵焼き
氷魚木の芽卸し
蟹湯葉饅頭
京丹波コシヒカリに鰤そぼろ
豆乳ムース&キウイコンポート
日本酒その1
日本酒その2
日本酒その3
日本酒その4
シュークリーム
フロマージュ
2023/02/13 更新
2023/01 訪問
令和五年正月はすっぽん鍋から
令和五年初のお邪魔となりました割烹さいおは、正月祝いもかねて名物のすっぽん鍋!
ちなみに今回、いつもの一眼カメラでいざ撮影しようとしたらSDカードの不具合で動かず、
連れだって行ったパートナーがスマホで撮っていた写真を分けてもらいました。
付出は中列左から真鱈の白子ポン酢に京菜花の辛子浸し、芹の白和えが並び、
手前には縁起物の数の子、奥は蓋が閉じたままですが鰻の茶碗蒸しです。
そして本日のメイン、熱々のすっぽん丸鍋が登場♪
黄金色に輝く澄んだスープは出汁が強く、部位により食感が異なるすっぽんの身と
味が染みた豆腐、葱、焼餅が入り、露生姜が全体を上手くまとめています。
お造りは旨みが深い明石鯛に、脂の甘さが際立つ本鮪のとろと赤身。
寒鰤の塩麹焼きはほど良い塩味とホクホクの身が絶品です。
ワカサギは玉葱と二色のピーマンともども南蛮漬けにされ味も彩りも豊か。
おばんざいの定番、ぐじのかぶら蒸しはべっこう餡の甘さに山葵がよく合います。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供は牛の時雨煮で、生姜もきいてお代わり必至!
黒蜜&きな粉の豆乳ムースをもって、すっぽん鍋コースの宴は終わったのでした。
いちおう日本酒も載せておきます(※じつはもっと吞みましたが撮り忘れ…)。
ちなみに最後の写真はコース外というか、私がお土産に持参したロールケーキで、
さいおの大将に切り分けてもらい、みんなで食べたものです。
大将も「勉強させてもらいます!」と言いながら、笑顔でパクついておりました。
こちらのケーキは山梨県に本店がある「和乃果」という和菓子屋さんのもので、
昨年11月からは東京駅八重洲口の東京ギフトパレットにも出店していますので、
さいおの大将も大絶賛のスイーツ、気になられた方は覗いてみてください。
2023/01/31 更新
2022/12 訪問
年末のスペシャルデー
割烹さいおではゴールデンウィーク、お盆、そして年末に3日間ずつ、
通常の月替わりとは違うスペシャルメニューが味わえる日があります。
ちょうど令和四年の最終営業日、しっかりこちらで締めてまいりました。
柚子釜盛りは、とらふぐの鉄皮みぞれ和えで、華やかな柚子の香りに
コリコリのふぐ皮とシャキシャキの胡瓜の歯ざわりも楽しくて、
スペシャルな宴の始まりに、いやが上にも気持ちも高ぶっていきます。
熱々のふぐの土瓶蒸しは、ふぐのアラだけから出汁を取っているそうで、
あくまでも澄んだ濃い目のスープにぶ厚いふぐの白身がたたずんでおり、
添えられた焼葱、焼椎茸、焼目湯葉の焼き物オールスターズの香ばしさに
そのまま味わっても、酢橘を絞って爽やかさを加えてもGood!
白身はカワハギ、赤身は本鮪のトロで、カワハギには味わい深い肝醤油も。
なかなかお目にかかれないほど大きいのどぐろの切身は柚庵焼きになっていて、
ふっくらモチモチの食感に柚庵の豊かな風味が美味しさを際立たせています。
京都で「こっぺ」と呼ばれるセコ蟹(香箱ガニ)は今が旬で、小さいながらも
身詰まりの良さと濃厚なカニ味噌が魅力ということでしたが、大将の言葉どおり、
甲羅にぎっしり詰まったカニの脚肉と身&カニ味噌が見るからに食欲をそそり、
そこに土佐酢が混然一体となっていてまさしく旨味の競演です。
フカヒレの茶碗蒸しには焼目麩と百合根が入り、鮮やかな芽葱が見た目にも
味の面でもいいアクセントになっています。
そして〆の釜炊き地鶏御飯はもちろん、お代わりまで頂戴してきました。
デザートは抹茶のティラミスで、濃いめの抹茶がスペシャルな宴を見事ゴールへ。
ついでに大将選りすぐりの日本酒も…いや~呑みすぎましたかね。
2023/01/01 更新
2022/12 訪問
令和四年師走・12月の献立
付き出しは艶やかな車海老の旨煮に小松菜としめじの胡麻和え、ふわふわの地鶏玉〆、
手前がジュレのかかったあん肝、奥は鰹節をふった京揚げと白菜の炊いたんです。
清まし仕立ての中心には白くて大きな蟹真蒸が座り、巻湯葉と焼椎茸が入っていて、
三つ葉と柚子が香りだけでなく色味もアクセントになっています。
お造りの真ん中を天然平目が飾り、ねっとりした歯ざわりが味わい深く、
左右を彩る脂の乗った本鮪トロと赤身は、とろけるような甘さを感じます。
焼物は銀鱈の味噌漬けで、魚なのにホクホクという言葉がしっくりとくる白身に
辛すぎない塩気と豊かな味噌の風味がマッチしていて、酢蓮も爽やかです。
林檎のなますには、赤い京人参に白い大根、緑の胡瓜、そして透き通る玉葱と
見た目も鮮やかにサッパリといただけます。
熱々で供されたのは寒鰤はりはり鍋風で、シャキシャキの京水菜と柔らかな葱による
食感のコントラストも抜群で、まだまだ冬の寒さに慣れない体を芯から温めてくれます。
割烹さいお自慢の銀シャリ、釜炊き京丹波コシヒカリのお供に据えられたのは、
大将お手製の生海苔佃煮で、知らず知らずのうちにお代わりが進みます。
白い豆乳ムースには赤い苺ソースが掛けられ、ミントの葉とともに見事なクリスマスカラー。
林檎のなますもクリスマスカラーで、12月ならでは彩りを演出してくれる
割烹さいおの大将は何ともオシャレ。
ちなみに日本酒も選りすぐりが揃っていて、ピンボケ写真は寒菊銘醸の「電照菊」です。
2022/12/12 更新
2022/11 訪問
令和四年霜月・11月の献立
付き出しは左に蟹の玉〆と子持ち昆布、手前に生湯葉になめこ餡、
右に柿と胡瓜の白和えが置かれ、奥には壬生菜と京揚げのお浸しが。
京都伝統の冬野菜である壬生菜は独特な香りとほのかな辛味が特徴。
鰯のつみれ汁には焼き豆腐と椎茸、芽葱の鮮やかな緑と柚子の黄色もアクセント。
お造りはモチモチしたあこうに本鮪のトロと赤身で、特にトロは脂が甘い!
焼物は寒鰆の粕漬けで、ほどよい塩加減と鼻に抜ける酒粕特有の香りも美味しい。
酢の物替りは旬の魚の南蛮漬けで、玉ねぎと京人参の彩りも鮮やか。
「であいもん」とも呼ばれる鯛と聖護院かぶの煮物「鯛かぶら」は、
添えられた春菊と花麩ともども見事な出会いを奏でています。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供はなめ茸で、旨みとねっとり&しゃっきり食感が最高。
豆乳ムースには林檎のコンポートが乗り、ほどよい酸味と豊かな甘味で締めました。
当然ながら日本酒も進んでしまいました。
2022/12/12 更新
2022/06 訪問
令和四年 水無月の献立
最後のくず餅は割烹さいおのメニューではなく、大将へのお土産として持ち込んだもので、
東京都北区にある関東の稲荷社の総本山、王子稲荷神社そばで明治20年に創業して以来、
135年の歴史を刻んできた「王子 石鍋商店」の久寿餅(くずもち)です。
京都でよく見られる葛粉を使った葛切りと違い、こちらは小麦デンプンを発酵させたもので、
麩を作る際にできる副産物として、古く江戸時代から庶民に親しまれたスイーツです。
葛切りとは明らかに違う味わいや食感、そして発酵食品だからこその独特の香りもあって、
京の料理人である大将は、ずっと不思議そうに食べておりました。
2022/11/04 更新
割烹さいおで、弥生・三月の月替わりおすすめ会席メニューをパートナーと堪能してきました。
手前の黄色い器が車海老の旨煮と蓬麩の田楽に切り干し京揚げと赤こんにゃくの酒粕風味白和え、
蛤を模した器は山葵に濃いめのタレを掛けた生湯葉と生雲丹、奥は削り節香る花山葵のお浸し。
車海老は鮮やかな色味そのまま美味しく、モチモチ食感の蓬麩に香ばしい田楽みそが合います。
酒粕の風味豊かな白和えは赤こんにゃくも映えて、山葵&生湯葉&生雲丹をタレと絡めれば
混然一体となった優しい甘さと香りが口の中に広がり、花山葵の辛味も食欲を掻き立てます。
蛤の潮仕立ては白濁するほどの濃い出汁で、大きな蛤に神馬草と独活が入り、木の芽も爽やか。
お造りは本マグロのトロと赤身にアズキハタで、脂乗りがよく、ねっとり食感も溜まりません。
同じく脂の強い桜鱒は味噌漬け焼きで、濃厚ながらほどよく脂が落ちて、酢バスとさっぱり。
鯵の土佐酢かけは胡瓜と若布にガリ生姜が合わさり、これでスッキリと次の料理へ向かえます。
白魚の柳川風鍋は牛蒡と葱に軸三つ葉がとじられ、たっぷりの粉山椒も素晴らしいアクセント。
釜炊き京丹波コシヒカリのお供は地鶏そぼろで、熱々の銀シャリに乗せ、ひたすた掻き込みます。
豆乳ムースに添えられたのは見た目の通りあおさのりの佃煮…ではなく、濃厚な抹茶ゼリーで、
ホワイトとディープグリーンのコントラストも鮮やかに、甘さと苦味がベストマッチでした。
パートナーのわがまま?で白ワインまで嗜んだことから日本酒のピッチはおとなしめでしたが、
割烹さいおの大将がセレクトしたのは、福井県の常山酒造「常山 純米大吟醸 芳醇辛口 ”極”」と、
島根県の田部竹下酒造「奥出雲前綿屋 PROTOTYPE2023 試験醸造 純米吟醸火入れ 901号」です。
田部竹下酒造は竹下元首相やDAIGOさんの生家である竹下本店の事業譲渡により生まれた酒蔵で、
こちらは新たな杜氏のもと今シーズンから数量限定で販売が開始された試験醸造酒なのだそう。
とにかく、今月もごちぞうさまでした。