131回
2021/12 訪問
酸味
下書きのままのレビューが溜まり過ぎているのでアップさせて頂きます。
今回のレビューは12月の初めのもの。
12月は3回伺っていて、今はもう4月なのでいくらなんでも溜まり過ぎました。
城助のレビュー数も100回が近づくと、大昔に書かせて頂いたことをまた書いてしまうこともあります。
ただ、城助の握りに関しては、誤解されていることがあるのではと思うことが多々あるので、また書いてしまうのです。
シャリについて、酸っぱいとか塩が強いとかよく言われますが、それはその通りです。
常連でなければ、そう感じる方が少なく無いと思いますが、正確には酸味や塩が強いと言うよりは、強く感じるという表現の方が正確なのではと思います。
他の店のレビューで8億回書かせて頂いていますが、私は強い酸味が大嫌いです。
死ぬほど嫌いです。
理由も1兆回書かせて頂いていますが、舌の感覚が麻痺して食材の味がわからなくなるからです。
城助での人生最初の一貫目を食べた時から私はこの握りを酸っぱいとは感じませんでした。
塩が強いとも感じませんでした。
白身の握りでこれほどネタとシャリが一体化しているものを人生で一度も食べたことがなかったからです。
理由はそれだけではありません。
赤酢だからです。
城助の握りを初めて召し上がった方で、シャリが酸っぱいと仰る方が少なくありませんが、赤酢が酸っぱいのではなく、今まで召し上がってきたシャリとは本質的に異なるので酸っぱいと感じるだけです。
何故ならば、赤酢は一般的に寿司屋で使われている米酢よりも、酸味が少なく、刺激が柔らかくて、香り高く旨味が強いからです。
酸味が少なくて、刺激が柔らかいので、通常の握りで酸っぱいと感じない方が、城助の握りを酸っぱいと感じるのは論理的にはおかしいのです。
実際に酸味が強い訳ではないからです。
この矛盾については、数少ない私の読者の方はご存知でしょう。
砂糖が入っていないからです。
私が大嫌いな、甘みで料理の味を誤魔化すあのやり方が行われてないからです。
タイヤの超高級店でも大量の安い砂糖が使われています。
ここ数年、江戸前ブームで関西でもシャリを変えている店が増えてきましたが、特に関西では、私の脳がおかしくなるのではないかというほどシャリに砂糖が入っています。
赤酢がブームらしいとなると、赤酢に砂糖を混ぜるという暴挙に出た神戸の値段高級寿司屋もあります。
異常です。
砂糖が大量に入っているシャリを食べ慣れていれば、砂糖が入っていないと、酸味や刺激がかなりマイルドなシャリを酸っぱく感じるのは当然です。
しかし、感じるだけで酸っぱくはありません。
塩を強く感じるのも同様です。
砂糖が入っていないので、当然そのように感じるでしょう。
しかし、勘違いされると困りますが、砂糖が入ったシャリを批判しているわけではありません。
私個人は高級店で出されると痙攣して気絶しそうになるので苦手ですが、全ては需要と供給。
お好きな方は多いでしょう。
私は赤酢は米酢と比べて酸っぱく無いという事実と、砂糖が大量に入ったシャリは魚介類に根本的に合わないので、個人的に高級店で食べるのは大嫌いと申し上げているだけです。
誤解のないようお願い申し上げます。
ただ、お好きな方が多い理由は分かります。
砂糖と魚は合わなくても、砂糖と醤油は日本人の好きな味になるので、砂糖と醤油と米のハーモニーとなり、上にどんなクオリティが低い魚介類がのっていても美味しいとなるのです。
食材の味ではなく、調味料のハーモニーを食べるのですから。
私個人は高級店でそのようなものを食べるのは大嫌いなのですが、何故か?
誰でもできることだからです。
卓越した技術やセンスを感じさせないからです。
高級店で何故そのような料理を食べなければいけないのか?と言う問題です。
逆に手軽で昼行ける大倉山の伊賀富はランチでよく伺いますし、大好きなお店です。
そのお店で、この握りのシャリはなんとかなどと言うことは全く考えません。
値段から考えれば白身などは良いものを使われているからです。
なによりもご夫婦の誠実なお人柄が感じられます。
そのようなお店でコスパ的に美味しいと思えば通い詰めるのです。
だから、元町の名店金時食堂も頻繁に伺いますし、元町の角打ちの王者、赤松酒店にも伺います。
金時食堂では、食堂とは思えないようなクオリティの鯛の刺身が食べられますし、赤松酒店では、値段高級店で1合1000円の日本酒が500円で飲めます。
それはそれ、あれはあれ、です。
それぞれのお店が好きな理由があるのです。
それらのお店も日本の食文化のレベルの高さを支えておられると心から思うからです。
値段高級店だと食材やセンスのない調理方法が酷くて嫌気がさすだけです。
日本の食文化の破壊者ではないかと思ってしまうのです。
金時食堂で食べる鯛より不味い鯛が出てくる値段高級寿司屋。
赤松酒店で甘いタレのかかった焼き鳥を500円の日本酒を飲みながら食べる方が遥かに幸せだと感じさせてしまう食材劣悪な値段高級焼き鳥屋。
厚顔無恥。
この日も妻がメモをしているので、頂いたものを書きます。
完全に正確ではないかも知れません。
ひらめ
茶碗蒸し
蛸
鮪漬け
赤むつ
からすみ
あん肝
アジ
焼き穴子
サヨリの黄身和え
もずく
ここから握り
イカ
キス
ひらめえんがわ
煮ハマグリ
金目鯛
鮪赤身
鮪中トロ
鮪大トロ
白エビ
サワラ燻製
赤だし
?
むらさき雲丹
穴子塩
穴子タレ
鯵
玉子
巻き物
鰆の塩梅が最高でした。
淡路のむらさき雲丹は、食べる機会がほとんどなかったので嬉しかったです。
まあ、淡路は由良の赤雲丹のイメージが強いので、そこまでの旨味はありませんが、綺麗な味でした。
鮪は赤身が弱かったです。
と言うよりも、この時期の城助としては鮪が弱かったので赤身にそれが顕著に出たという感じです。
ひらめは弱かったです。
この時期に白身が弱いのは珍しいです。
ということで、いくら城助でも、白身や鮪や雲丹や穴子は天然物のトップクラスで揃えているので、逆にクオリティは安定しません。
トップオブトップは、その日により上下の差が激しいので、少し弱いとかなり弱いと感じてしまうのです。
それでも工夫して、城助標準に持ち上げます。
ある意味安定していないけれども安定しているのです。
それが城助の血の滲むような努力であり、センスなのです。
誰も真似が出来ません。
酸味。
単なる酸っぱい味ではダメです。
この城助のシャリの酸味が上質の魚の旨味をより引き出しているのです。
酸味ありきではなく、極上の魚の旨味を引き出すための酸味であり、温度管理であるのです。
後のレビューに書いていますが、このシャリは握りとして完成されてはじめて意味があり、シャリだけを食べたら、それこそ酸っぱいだけで美味しくありません。
城助の仕事をした魚と組み合わせてこそ真価を発揮します。
昔、シャリだけを食べさせて下さいと仰って実際に召し上がった方がおられますが、美味しくなかったと感想を述べておられました。
私も何度か残ったシャリを頂きました。
温度を上げるためにサランラップに包んでチンしましたが、サランラップから出した瞬間に猛烈な酸味が鼻をついて、とてもじゃありませんが単独で食べられるようなものではありませんでした。
しかし、、、。
それは後のレビューで詳しく書かせて頂きます。
城助のシャリはそのように諸刃の剣という側面があり、魚以外のものに合わせるのは至難の業です。
城助と同等のセンスと努力が必要となります。
形だけ真似ても、愚の骨頂。
追伸
このレビューのアップは4月5日。
明後日は、城助です。
4月2日に伺っているので間が4日。
4日もあれば、違う城助になっています。
魚の種類がほとんど同じでも2日の城助と7日の城助はかなり違います。
クオリティが高い食材は、個体差が激しかったり、熟成の度合いが違ったり、部位が少し違うだけで味が異なるからです。
その変化も楽しみです。
トップオブトップのお店での食事の贅沢な喜びです。
上質な時間の流れの中で。
2022/04/05 更新
2021/11 訪問
温度管理
この日は2.5回転目からですが、何故か料理提供がめちゃくちゃ押していて、伺ったらまだ握りの少し手前からでした。
穴子。
あん肝。
ホタテの上に味噌ピリ辛。
サヨリの卵黄小丼
もずく。
大好きなあん肝やサヨリの卵黄小丼が食べられて、嬉しかったですね。
もずくが出たら、次は握りですが、生粋も同じですね。
どちらが真似したのでしょうか?
さて、握りの温度管理に関して世間で誤解されているのではと感じています。
数年前に、私が温度管理という言葉を食べログで使ってから、よく見かけるようになった言葉ですが、私が最初に言い始めたのか、前から言われていたのかわかりません。
ただ、ここ数年見かけるようになった言葉ですが、温度管理とはシャリだけの温度管理と誤解されているのではという疑問を持っています。
私の言う温度管理は、シャリだけの温度管理ではなく、握りの温度管理のことを申し上げています。
シャリの仕事、ネタの仕事、シャリの温度、ネタの温度、これらが最高の状態で組み合わされて、私がよく申し上げる、握りとしての一体感が生まれます。
この一体感があるから、握りは握りでいられるのです。
タイヤの高級店でも、温いだけのシャリに温度の低いイカや雲丹や鮪がのっけられて出てくることがありますが、それは握りではありません。
小さい暖かいおにぎりに冷たい魚がのった食べ物です。
食べられるので食べ物ですが、握りではありません。
酢飯に魚がのったものは、江戸時代に作られた屋台で食べる保存食であって、現代の食文化の握りではないのです。
江戸前風の硬めのシャリは嫌いではありませが、表面が乾いてしまっているようなシャリに自然な旨味が感じられない魚がのったものも握りではありません。
握りのシャリの温度のベストは何度か知りませんが、それも全て、シャリの仕事やネタの仕事と温度とのバランスであって、それを前提として温度管理された握りと言うものが存在するのです。
シャリの温度は必要ですが、単独にシャリだけの温度管理というものはあり得ないのです。
城助のシャリの温度も変わりますので、ベストの状態は長くは続きません。
1回転目と2回転目ではシャリの温度は違います。
よって同じ日でも1回転目と2回転目では握りの味は違います。
そもそも同じネタでも部位によって味がかなり違うので本質的に違うのですが、まあ、全体のバランスが違います。
それでも、1回転目のベスト、2回転目のベストが尽くされて握りが出てきます。
それを温度管理された握りと言うのです。
この日の鮪の握りも美味しかったですが、たまに鮪の温度を手で確認していることを見ることがあります。
温かいシャリに冷たいネタを平気でのせている高級寿司店がありますが、それを温度管理とは言いません。
全てバランスです。
2022/03/21 更新
2021/11 訪問
飽きない
城助のレビュー数もやっと100近くになりました。
というか、このレビューをアップする日には下書きを含めると超えていますが、レビューが溜まっています。
実際に伺った回数はもっと多いですが、12月だけで10回とか異常なペースの時は都度下書きにすらしていませんので、本当の回数は誰にも分かりません。
感覚的にかなり前に100を超えていると思いますが、コロナ禍になってからは、予約困難になって数が伸びなくなっています。
どうでも良いことですが。
何が申し上げたいかというと、それだけ食べても飽きないと言うことです。
かなり前に書かせて頂きましたが、5日連続で食べても飽きません。
同じ料理や同じような料理が1週間に2回食べることがない私としては異常なことです。
若い頃にある子に付き合ってくれと言ったら、私は恋愛が結婚に繋がるタイプだからダメですと言われました。
何故、結婚できないとき決めつけるのと聞くと、以前、毎日の晩ごはんは、おかずの種類が5つないとダメと言ったでしょ。と。
5×7で35種類。
あり得ないと思ったのでしょう。
実際には独身時代は外食がほとんどでしたし、結婚しても子供が産まれるまでは外食が多いでしょうから、現実にはそうはならなかったと思うのですが、、、。
しかも子供が産まれたら私が料理したでしょう。
でも激務の時もあったから毎日は無理か。
なるほど彼女は正しかった。
城助な握りは飽きません。
毎日、1ヶ月でも。
私にとってそのような料理は、他にはロックンビリーS1のラーメンしかありません。
比良山荘の鮎でも松茸でも熊でも、毎日ならば飽きるでしょう。
他の好きなお店の料理でも月2回が限界です。
コースの中身を変えていても料理人の個性が色濃く出るので、食材が劇的に変わらなければ、週1回が限界です。
妻のメモ。
鯛。
いくら。
茶碗蒸し。
赤むつ昆布締め。
鮪。
帆立。
焼き穴子。
鮪。
帆立。
焼き穴子。
あん肝。
鯖。
鰯。
サヨリと卵黄の小丼。
もずく。
握り。
スミイカ。
キス昆布締め。
鯵。
赤むつ。
煮ハマグリ。
鰆。
鮪中トロ。
鮪赤身。
鯛。
鮪大トロ。
白エビ。
雲丹。
赤だし。
?
穴子。
玉子。
中々の迫力でした。
アテで、鮪は珍しかったです。
2022/02/04 更新
2021/09 訪問
ビシッと揃う
妻との2巡目です。
つまみから、ビシッと良いものが揃っていました。
鯛
琵琶マス生鱒子
蛤茶碗蒸し
鯖
鰯の煮付け
のどぐろ
鰹
穴子白焼き
あん肝
蛸
サヨリ丼
もずく
ここから握り。
ハリイカ
キス
鯵
金目鯛
鮪
鮪
白海老
煮蛤
鱒?
鰆
鮪
鮪
鮪
雲丹
煮ホタテ
赤だし
穴子
鯛
鱒子
玉子
たまにはどれくらい食べているのか知りたくて、珍しくかなり正確に再現しました。
一つ一つのクオリティが高いのに、種類も量もかなり食べているのですね。
握りだけの時は、これよりも握りが多いということなのでしょうね。
それでもいくらでも食べられるのには驚きます。
全体的に食材のクオリティや熟成の塩梅などがビシッと揃っていて圧巻でした。
美味しい。
城助のレビューのアップが、まだまだあります。
今年中に全部は無理ですが、順次上げさせて頂きます。
2021/12/24 更新
2021/08 訪問
城助が全て
比良山荘の鮎や松茸は日本一だと思います。
評価が甘いのではと言われるベックもパテドカンパーニュが人生最高と思います。
しかしそれはあくまでもそのジャンルでの話。
最も好きな食べ物である鮨に関しては、城助の次はどこという発想は私にはありません。
この世の食べ物で鮨が一番好きであるのですから、城助が唯一無二であって、他はあり得ないというのが私の判断です。
このレビューをアップしているのは10月末ですが、城助も1ヶ月に1回行くのがやったとになっているので、最近は妻のリクエストで阪神界隈の高級寿司屋に行っていますが、握りに関しては、やはり城助が全て。
同じ土俵で論ずべき寿司屋はありません。
今宵は握りから。
一人です。
まずは大好きなサヨリを出してくれました。
白身。
城助標準では少し弱い感じでした。
イカ。
熟成感はありますが、食材としては強くないと思いました。
キス。
〆がきつく感じました。
山葵は意図的かわかりませんが、今宵は全体的に強いと思いました。
鱒。
味つけが少し強いと思いましたが、食材としては今まででは一番良いと思いました。
鯛。
皮に近い一番旨味の強い部位。
硬いが旨味はかなり強い。
一般的なの部位は普通です。
蛤。
いつもの美味しさです。
アジ。
こちらもいつもの美味しさです。
白エビ。
城助標準。
鰆。
熟成具合がちょうど良くて美味しいです。
鮪.大トロ2貫。
珍しく大トロからです。
美味しいですが赤身が弱いのかなと予想しました。
ノドグロ。
とても美味しいです。
鮪5貫?
赤身は予想よりも美味しかったです。
由良の赤雲丹。
味の深さは城助標準としては少し足りないと思いましたが、流石に上品な旨みがあります。
また、鮪。
最後の部位は凄い旨味でした。
部位が特別なのかそもそも鮪自体が違うのかわかりませんが、最後の鮪はずば抜けていました。
穴子。
城助標準。
玉子。
常に味が違いますが美味しいです。
すり身の食材が良いもので、日々そのクオリティが変わるので、同じ味にはなりません。
不味いものは常に不味い。
美味しいものは常に美味しさのレベルが変わる。
数億年前から私が言い続けていることのエヴィデンスです。
城助では、玉子であってもそのようなクオリティです。
ただ、出すだけの高級寿司屋の玉子はクオリティが低いです。
ただ、カステラみたいぃー、的な。
城助と言えども、常に凄いものが勢揃いというわけではありません。
それでも城助標準は下回りません。
食材、技術、コスパ。
どれを取っても同じ土俵にのれる寿司屋すらありません。
余りにも次元が違い過ぎます。
兎にも角にも最後の鮪の握りがとても印象的な日でした。
2021/10/30 更新
2021/07 訪問
久しぶりの由良の赤ウニ
妻と一緒にツマミからです。
城助と言えば握りですが、ゆっくりと過ごすにはやはりつまみからも楽しいですね。
由良の赤雲丹頂けました。
昨年は城助でも数日しか出せなかったそうです。
物がなかったようで、城助水準のピンの物となるとほとんどなかったのでしょう。
雲丹は北海道という方がおられますが、北海道のものが必ず良いわけではありません。
1箱、5万円、8万円で取引されるようなピン中のピンは確かに美味しいです。
しかし、ピンのピンを比べると個人的には由良の赤雲丹に軍配が上がると思っています。
恐ろしい値段で取引されるものは、とにかく旨味が濃くて深いです。
言葉で表現するのは難しいのですが、由良の赤雲丹には、旨味に透明感があるのです。
本日頂いた由良の赤雲丹は、凄い旨味の強さはありませんでしたが、やはり由良の赤雲丹独特の透明感のある旨味がありました。
数が少なかったのか、他の雲丹も出されていました。
同じ食材とは思えないほど違いがあります。
鮪は時期もあって弱めの感じでしたが、私たちが頂いたある部位は、旨味が凄くありました。
単なる部位の違いなのか、鮪自体が違うのかは分かりません。
2021/10/08 更新
2021/07 訪問
久しぶりに握りから
今や半年先まで予約が取れないお店ですがなんとか変則で1ヶ月に一度は伺っています。
この日は久しぶりに握りからです。
最近はツマミからが多かったので、逆に新鮮です。
握りという食べ物に関しては、一体感がなければ意味がないと何度か書かせて頂いていますが、要するに小さなお握りの上に魚介類をのせただけのものは握りと呼ぶのは相応しくないという極めて個人的な持論です。
まして、醤油をつけて食べなければいけないとなればそもそも料理として完成していないものを出しているわけです。
回転寿司という握りとは違うジャンルであればコスパも含めてアリはアリなのでしょうが、個人的には握りという認識はありません。
それを前提として書かせて頂きますが、魚介類は鮮度が全てという方が世の中にはおられます。
別におかしな話ではありませんが、鮮度が良ければ美味しいという話にはなりません。
はるか昔から高級寿司屋ではイカは寝かしたものを握りますが、それはある程度寝かした方が旨味が増すからです。
イカに限らず白身魚も熟成させると水分が飛んでイノシン酸が増すので、旨味が増します。
ただ、ここで問題となるのは、そもそもクオリティの高い魚介類でなければ寝かしても美味しくはなりませんということです。
当たり前の話ですが、寝かせようが何をしようが不味いものは不味いからです。
魚介類であれば何でもかんでも鮮度の良さだけが言われて、全く味が感じられないような養殖の魚も鮮度が良いから良いものだと言う話はナンセンス極まりないと個人的には思っています。
さて、そうなると握りの一体感という視点からは鮮度の良い状態が必ずしも良いとなるか?という話になります。
城助の握りは熟成させたものが多いですが、鮮度か熟成かという単純な話ではなく、シャリとネタの一体感とマリアージュのためにどうするのが良いかという観点から完成されています。
正に、毎日食材と会話している証拠で、鮪や穴子などが一番分かりやすいですが、食材とそのもののクオリティが常に違うので握りそのものの味が違います。
勿論、今宵の鮪の握りも穴子の握りもキスの握りも鰆の握りも全部味が一定ではないのです。
その意味では食材との会話をしない古くさいフレンチと寿司や日本料理とは対極の食べ物と言えるのです。
ところが、高級店であっても寿司屋や日本料理屋でも食材との会話以前に、ちゃんと食材を吟味をされたのですかと思わせる劣悪なものが数多くあります。
そもそも、旨みを感じない白身の魚を切っただけで出して、醤油をつけて食べろなどというものは料理でもなんでもありません。
勿論、その白身にしっかりと旨みがあれば真逆の結論となります。
そこまでしっかりした旨みがあれば、素材だけを食べたい、ほんの少しだけ塩をつけて食べたいということになります。
城助の鮪の握りは、ほんの少しですが鮪を漬けにしています。
しかし、物凄くクオリティが高い鮪の時はわざと漬けにしないで煮切りだけをつけて出します。
繊細な香りや風味や旨みが弱くなるからでしょう。
握りとはそのような繊細なものであり、高級料理店の料理とはそのようなものでなければ食べる意味が皆無と思っています。
城助の鮪の握りも漬けの具合を毎回変えています。
やはり鮪が弱い時はどうしても漬けが深くなります。
究極の握りを頂きながらそんなことを考えていました。
2021/09/20 更新
2021/06 訪問
常に変えておられます。
その日のピンの食材と言えども、城助レベルでは標準以下ということもあります。
そこで、常に調整が入るわけです。
ツマミも握りも食材が同じでも調理の塩梅は違います。
最近は1回転目ばかりなので、つくづく思うのですが、1回転目のシャリの方が美味しいです。
6時半にピタッと合わ作っているのですから当然です。
2回転目では味がたれてきますし、禁断の3回転目など愚の骨頂です。
私がそんなことを言うのもなんですが、以前は3回転目が多かったですが、ダメだなあと反省しております。
城助の握りを楽しむには、1回転目でないとその凄さがわからないかも知れません。
さて、フレンチでも日本料理でも業界本というものがありまして、少し有名店で修行をして、めちゃくちゃ高価な業界本を買ってレパートリーを増やせば、技術的には高級店を始めることは誰にでも出来ます。
今は、ほぼ無料か月数百円で色々な料理の情報が無限というほど入るので、料理自体はそこそこのものは誰にでも作れます。
となると次に有名高級店を作るのに必要なのは、お金です。
親に出してもらうのか、株で儲けるのか、銀行から受け継いだ不動産を担保に借りるのか、パトロンをつけるのか、それぞれどのようにお金を集めるのかは知りませんが、一等地に店を構えたり、京都であれば古い民家を手に入れて改装したりと、まず店構えを整えます。
次に必要となるのは、人です。
経営者としての才覚を持って色々な人にその人たちの能力を最大限に引き出して働いて貰えるかです。
これが一番難しいです。
難しいので弟子を取らずに給仕をしてくれるアルバイトだけをお願いするというやり方もあります。
但し、高級店でこれをやると寝る時間が無くなります。
遊ぶ時間が欲しい人は、弟子をいっぱい取って自分はほとんど料理をしなくなります、
そんなことができるのか?
簡単に誰でもできます。
ネットにもないような高価な料理の教科書からいくらでもレシピは作れますし、その店のパターンのようなものを作ってしまえば、元々ご本人ができたことなので、少し器用な弟子を取ればいくらでも高級店の料理は作れます。
時間と手間はかかりますが、ご主人本人がそんな時間のかかることをやる必要はないのです。
経営者として自分の時間を雇用という形で買うわけです。
これは経営にとって必要なことです。
経営者は24時間経営のことを考えてしまいます。
優秀な経営者は夢でアイデアを得ることがあるとまで言われています。
時間は貴重。
仕込みなどやっていないで経営のことを考えるか、頭を休ませるために美味しいものを食べて綺麗なお姉さんに囲まれる店でリラックスしなければなりません。
リスクを負うのは自分だけだからです。
お金をかけて素晴らしい店構え、内装にして、高価な食器を買い漁り、お金を使って多くの人を雇い、高価な教科書のレシピで料理を作らして、接客に気を使えば、有名でタイヤに気に入られる店は作れます。
1億円貯めればあとはドンドンお金が増えていくの法則と同じで、これらのことをして、ある一定のところまで行けば、やれるのです。
誰でもできることが、実際に誰にでも出来ていないのは、最初の圧倒的なお金がない人がほとんどであることと、ちゃんと勉強して最低限の経営感覚を身につける人が飲食店業界においては極めて稀だからです。
しかし、お金と接客や雇用や原価計算などを含めた最低限の経営感覚があれば、誰でもタイヤ好みの有名高級店は作れるのです。
あとはお客さんの数を絞るということも必要です。
予約が困難にならないと希少価値がつきません。
経営的にはそれでOK。
お客さんは千差万別。
今はあれですが、接待に使うことも多いですし、そもそも料金設定が高いお店が好きという方も多くおられます。
そのようなお店で常連としての特別待遇を受けられることがすべてという方もかなり多いです。
経営なのですからそのような多くのニーズにしっかりと応えて、きちんと安定的に利益を出して、雇用を維持して、更に高級食器を揃えて、銀座や新地で呑んで、お金もガツンと使って、経済を回していくことは、国民にとって恩恵をもたらす英雄の行為であることは間違いありません。
特に今のご時世は、お金のある人はとにかくバンバンお金を使って経済を回さなければ日本は沈没します。
コロナ禍特需でお金をいっぱい稼いだ人を批判する人がおられますが、それは理屈から言えば全く逆で、今大儲けしている人は、日本経済を終わらせないために死ぬほどお金を使うべきなのです。
経費を使うのはけしからんという方もおられますが、そのような方は日本に消費税が導入されたことをまだご存知ないのでしょう。
1000万円使えば、100万円の税金を払うのです。
さて、そんなわけで経営としてはそれをやられれば日本経済や日本の財政にとっては英雄と言うべきなのですが、料理人としてどうかという視点になると、そのような方が経営されておられる飲食店は個人的には大嫌いです。
私が自分のお金を払って行くのですから、私の価値観で決めます。
それを批判する方がおられますが、それはいくらなんでもお門違いでしょう。
己のリスク無しで人を批判したり、足を引っ張るというのは、人としてどうかという話です。
個人的な感覚として、ある程度の高級店、食べて飲んで一人1万5000円あたりからが高級店です。
一人3万円あたりからは超高級店です。
そのような高級、ましてや超高級店であれば、経営者の経営の歯車にはなりたくありません。
経営にとって一番大切なのは収入ですから、飲食店の経営者にとってはお客が一番大切なピースとなりますが、私は高級店には一期一会の芸術を味わいに行っていますので、経営の歯車になどなりたくないのです。
芸術とまでいかなくて、本物の料理人の職人芸は最低でも味わいたいのです。
高級店では、その価格に相応しい食材を使う。
天然物はクオリティが一定していないので、そこそこの時であれば、食材と会話をして、行けるところまでは行く。
料金設定に応じて、ピンの食材が手に入るのであれば、その良さをキチンと引き出して提供する、ピンの食材が手に入らないのであれば、手に入るよう全力を尽くす、どうしても手に入らないのであれば、その食材に相応しい料金設定にする、それがお客に対する最低限の誠意だと思います。
難しいのは、ピンの食材を手に入れることと、そこに至らない間は、その時点で手に入る最高の食材と毎日毎日会話をして、ベストを尽くせるかということです。
これが経営者と芸術家や優秀な職人との差です。
食材と会話するにはその食材のことを知り尽くしていなければなりませんが、教科書にはそんなことは一切書いてありません。
天然の良いものほど、毎日クオリティが違いますし、そもそも調味料や調理道具やもっと言えば、天気も湿度も違いますし、現代はエアコンがあります。
なんでも基本が大切です。
教科書には基本中の基本が書いてあるので、教科書は必要です。
しかし、芸術家や職人となるにはそこから血の滲むような努力とセンスと才能が必要になるのです。
食べること、飲むことは私の趣味ですのでその点を徹底的に拘ります。
経営者の高い料理など絶対に食べたくありません。
経営者の料理と芸術家の料理などどれがどれだかわかるはずがないと仰る方が少なくありません。
恐らく、その通りだと思います。
だから経営者の店が大成功して、弟子が更に増えたり、支店をいくつも出しているケースがあるのです。
経営者の経営に賛同する方が非常に多い証拠です。
今流行りの言い方をすれば、それこそがエビデンスです。
芸術家と経営者の違いは何か。
そんなに難しいことではありません。
価格に対してどのレベルの食材を使っているか?
食材によっては、ピンに近くなくても技術で補えるものもありますが、高級食材となるとほぼ無理です。
その点を勘違いされておられる方が少なくないようです。
高級食材は、素材の味が圧倒的であり、それを理解する人がおられるから、高級になったのです。
最初から高級な食材など世界中探してもありません。
その圧倒的な旨味や風味や香りが支持されて高級品になったのです。
ところが高級品は逆の現象が、特に日本では起きます。
ブランド好きがそのエビデンスです。
鮑が高級品となると、ピンは勿論のこと、キリのものでも高級品の値段になります。
よって、高級品になればなるほど、ピンとキリの差が激しいのに値段はそれなりに高くなるのです。
だから何度も何度も不味い鮪を刺身で出すのはやめて欲しいと書いています。
酸味が強くて水っぽい鮪などお金を貰っても食べたくありません。
出たら食べないのは失礼なので、かなり我慢して食べています。
とにかく、高級店でピンやピンに近いものでないと食べることが苦痛になるような高級食材で、まともなものを使っていなければ、一品目からその料理は経営者の料理だとわかります。
芸術家や職人だと、一品目がピンでない場合は、明らかに食材と会話をしたなと感じさせる料理として出されます。
以前は、有名な高級店は一度行っただけではわからないと思い、もう一度確認に行くことも多かったのですが、ことごとく最初の印象通りなので、馬鹿馬鹿しくて行かなくなりました。
今は妻と一緒のことがほとんどなのでダメだと思ったお店には二度と伺いません。
経営者の歯車にはなりたくないからです。
芸術家のお店は通えば通うほどその奥深さに驚かされます。
同じ料理、鮨なら同じ握りが毎回違うからです。
城助の握りは3日連続で行っても毎日違います。
食材との会話の履歴が残っているのです。
本日の鮪も雲丹も穴子も鰆も何もかも前回とも前々回とも違う握りです。
天然物は、ピンであるほど毎日クオリティの差が激しいので、違わないとおかしいのです。
経営者の店が大繁盛なのは良いことです。
日本経済の救世主です。
お客が大金を払い、経営者が色々なところでお金を落として、どんどん経済を回す。
嫌味ではなく、心から必要だと思っています。
だだし、私と妻は大嫌いなので行かないというだけの話です。
経営者と芸術家の違いは、まさに「志」。
目指すところが真逆なのです。
城助。
彼の思いは二文字で表現されていました。
それに今頃気がついたのです。
寿志
まあ、女性にモテますわなあ。
2021/08/25 更新
2021/05 訪問
何とか今月も来ることができました。
城助のレビューが溜まってしまっていますので、少しずつアップさせて頂きます。
1ヶ月に一回は城助に来たいと思いますが、その日の予定が直前にならないと決まらないので、1年先まで予約を入れるという芸当は私にはできません。
今は、半年先でも中々難しいという状況なので、来た時に死ぬほど予約を入れないと月1回も難しくなりました。
さて、先月ほどではありませんが、かなり良い夏鮪を頂きました。
東京の超高級店の多くが休業しているということもあるのでしょうが、この時期に続けて美味しいと思える鮪が食べられるのは幸せです。
ところで日本列島も亜熱帯になってしまって、段々、これまで獲れていた良い魚介類が獲れなくなってきています。
地理的に恵まれた日本という国の食文化はそのような良質の魚介類によって支えられてきたわけですが、あるレベル以上の魚介類が手に入らなくなったら、鮨や日本料理の心ある料理人は、イメージしている料理が作れなくなって包丁を置くでしょう。
すると、なんとも食材の味がわからなくなる味付けの寿司や日本料理のようなものが多くの方々に食されるようになるのでしょう。
城助のツマミも握りもしっかりと仕事がしてあります。
切っただけの魚を醤油で食べさせるなどという乱暴なことは絶対にしません。
イカにもアジにも鰆にもしっかりと仕事がしてあります。
しかし、それはあくまで食材の旨みや風味を最大限に引き出すものであり、味付けが食材の味を邪魔するなどということは絶対にありません。
この辺りのことが、フレンチやイタリアンならともかくとして、高級な日本料理や懐石や割烹のお店で全く理解されておられないと感じる料理が出てくると愕然とします。
先日も世界一のホテルの日本料理屋で、全く旨味も風味も感じない夏鮪に、信じられないほどの甘い味付けがされて、上に山椒がのせられて出てきた時にはショックを受けました。
このようなシロモノが本当に美味いと思って出しているのだろうか?
どのような味覚と嗅覚とセンスを持つとこのような鮪の握りらしきものを世界一のホテルで出せるのかと気絶しそうになりました。
日本料理系に多いのですが、食材が弱いとやたら味を甘くする傾向があります。
醤油に砂糖という日本人が大好きなみたらし団子の味で、何でもかんでも出してくるのですが、あれは異常です。
色白は百難を隠すと言いますが、高級店の料理人の多くの方々が、みたらし団子の味で出せば、誰もが美味しいと思って食べると考えていることは本当に異常です。
城助で甘いと感じる味付けの料理が出てきたことは一度もありません。
100回以上食べても一度もありません。
比良山荘でも一品もありませんでした。
あっ、月とスッポンは日本酒を大量に入れているので甘いです。
いずれにしても大阪のタイヤの星のついている寿司屋さんの奥に大量の安い砂糖が山積みになっているのを見てゾッとしました。
タイヤとはそのようなもので、高級寿司屋というものはそのようなものがほとんどだということです。
本物はごくごく少数です。
2021/08/24 更新
2021/04 訪問
冬の本鮪、夏の本鮪
大昔前のレビューで夏の本鮪について書かせて頂きました。
夏マグロと言う言葉があります。
正式な名称ではありません。
天然の本鮪の旬は多くの方がご存知の通り12月から2月くらいまでと言われています。
なぜ旬と言われているかと言うと脂がのっていて、脂の旨味が強いからです。
廉価な個人的には食べたくないと思う鮪でも、大トロと言われる脂のかたまりのような部位は脂の甘さを感じるので高い値段で売られていて、実際に多くの方に好まれています。
私は大トロであってもそのような鮪の脂は重くて気持ち悪くなるので好きではありませんが、赤身よりは好まれる理由はわかります。
廉価な鮪の赤身はいわゆる酸味が強く、解凍物だと水臭くて元々少ない旨味が皆無になっているので、鉄分のようなものを感じる非常に不味い食べ物となっています。
鮪は美味しくないと仰る方のほとんどはこのようなシロモノを召し上がって感想を述べておられるのだろうと考えています。
美味しいと仰る方は醤油の味を楽しんでおられるのだろうと推察します。
さて、クオリティーの高い、本来の天然本鮪と言えるようなものの場合、私は赤身に魅力を感じるのはこれまで書かせて頂いている通りです。
いわゆる中トロと言われる部位と赤身の中間的な部位が私は一番好きです。
ちゃんとした本鮪には、赤身に独特な旨味があります。
脂の甘みではありません。
本鮪本来の旨味です。
これは他に似たものがないので、どのような味であるかは表現できません。
白身やフグとは全く異なる本鮪にしかない旨味です。
そして、独特の香り。
これらが揃っていなければ、本来の本鮪を食べたとは言えないと私は強く思っています。
平目も鯛もフグも鮑もとり貝も帆立も、どんな魚介類であろうと、トップクラスのものでなければ、その食材が持つ旨味や香りや食感や風味は感じられないので、その食材の本質を知ることができません。
本質を知らずに感想を述べることには全く意味がないと個人的には思っています。
更に個人の味覚や嗅覚の能力の差と言うのは視力や聴覚と同じかそれ以上にあるので個々の食べ物に対する評価はその方だけのものであって、他者を批判することは的外れという話は既に数兆回書かせて頂いているのでやめておきます。
話が逸れましたが、ホンモノの本鮪の赤身の旨味が私は本当の鮪の味であるとずっと主張させて頂いています。
これは私の個人的な意見でありますが、昔は鮪の大トロと言われている部位は捨てられていたと言う歴史的なエビデンスがあります。
脂が多いと脂の味ばかりで鮪の独特の旨みを感じられないから捨てるのです。
食べる部位ではないと言うことです。
ただ、クオリティーの高い本鮪であれば、私も大トロも美味しく頂きます。
脂が軽くて、当然分かりやすい甘みや旨味があり、気持ち悪くならないからです。
ちなみに私は加齢により、Aランクの死ぬほどサシが入った高級な牛肉は一口しか食べられません。
甘みは強いですが脂が重いので気持ち悪くなるからです。
イチボあたりの部位が好きです。
ということで、冬の本鮪が旬であり、美味いと世間で言われているのはそのような理由です。
ただ、本物の本鮪の赤みが美味しいと言うのと廉価なものの大トロが美味しいと言うのでは、感想の本質が真逆であることは前述させて頂いた通りです。
本題に入ります。
そのような冬の本鮪に対して夏の本鮪に対する夏マグロと言う業界言葉があるのです。
ちなみに北半球と南半球では季節が逆なので、インド鮪を召し上がって、夏のマグロも美味しいと言う方がおられますが、それは夏マグロの話ではありません。
春になる4月あたりから9月くらいまでは、鮪が弱くなると言う表現を食通の方は仰います。
要するに鮪の旨味が薄くなり、脂の甘みが少なくなるからです。
よって、夏の本鮪、即ち夏マグロは美味しくないと言われるのです。
この話は嘘ではありませんが、本当の話でもありません。
夏マグロでも非常に数は少ないですが、冬の本鮪にはない素晴らしい本鮪があるからです。
幻とも言えるホンモノの夏マグロの赤身には香ばしいような独特の旨味と何よりも芳香と言うべき香りと風味があります。
これは美味しい。
ある意味本鮪の旨味ではないのですが、香ばしいような旨味のある食べ物。
白身やフグの旨味とも違います。
究極の鮑やトップクラスの由良の赤雲丹とも違います。
そんな鮪があると言っても信じない方がほとんどでしょうが、あるのです。
城助に1年で良いので毎週通って頂ければ、このような本鮪の話は、分かる方には分かって頂けるでしょう。
ただ、いかに城助であっても、旬と言われるている時期ではないと、スカスカの鮪しかない時もあり、流石に仕入れを断ったこともあるようなので、どうすることもできない時はどうすることも出来ません。
その意味では確かに夏マグロは不味いと言うのは嘘ではないのです。
実は書かせて頂きたいことは以上の話ではありません。
基礎知識として以上のことをご存知ないと、本論を書いても意味不明なので書かせて頂きました。
この日は私が人生で食べたことのない本鮪を城助で食べさせて貰いました。
4月の本鮪は味が垂れてきて、どこまでその垂れが食い止められているかということを想像しながらいつも頂きます。
旨味の落ちがギリギリ許容範囲で城助の腕によって、美味しいと感じる握りになっているかと言うある意味究極の勝負の握りを経験しに行くのです。
しかし、この日は違いました。
良い意味で食べたことのない本鮪。
本鮪の赤身の本当の旨味も夏マグロの究極の香ばしさも経験したことのない方にはどうにも説明がしようがないのですが、王の風格がある気品に満ちた旨味があるのです。
かなりの数頂きましたが、最初の握りは赤身と中トロの中間くらいの部位でした。
うーん、とにかく表現が出来ません。
冬のマグロと夏マグロの良いところだけを取ったマグロと思わず言ったら、城助はウンウンと頷いていました。
この表現は実は正しくないのですが、そうとしか言えなかったのです。
冬の究極の本鮪の赤身より旨味が薄いわけでなく、少し究極の夏マグロ寄りの感じがして、王の風格と言うか、言ってしまえば上品な味の旨味。
しっとりと気品のある旨味。
そして、冬の究極の本鮪にはない香りと風味。
究極の春マグロ。
冬も夏も究極の本鮪は何度か食べたので、もう違う味や香りのする本鮪を食べることはないと不遜な気持ちを持っていましたが、己の傲慢さを強く反省したところです。
天然の食材の奥の深さに驚愕した夜でした。
と言うことは、平目も鯛もフグも鮑も由良の赤雲丹もこれ以上はないと言うものは食べていないのかも知れません。
流石に由良の赤雲丹は、あの時食べさせて貰ったもの以上はないと思っていますが分かりません。
加齢で年々味覚も嗅覚もそれこそ垂れてきているはずなのに、このような本鮪を食べさせて貰えるとは私の食人生は幸運に満ち溢れています。
人生そのものは困難の連続なので、食だけでも良くないと生きていけません。
今夜は、鮪だけでなく、ツマミも他の握りも城助標準で考えても高いレベルのものばかりで弱いものは一品もありませんでした。
いくら城助の腕でも天然との戦いなのでベストを尽くしても弱いものは弱いです。
その意味でも幸運でした。
妻も今夜は美味いを連発して大満足でした。
日本を代表する独身の女優さんを拝見して、その意味でも喜んでいました。
2021/04/25 更新
2021/03 訪問
なんとか伺えました。
3月5日は私の誕生日なので、週末の金土曜日キャンセルが出たら行っても良いとの妻からのご許可が降りまして、連絡をしたら、なんと4日の1回転目でキャンセル。
1回転目なら、木曜日でも良いとのご許可が出たので、超久しぶりに1回転目の最初からとなりました。
最近は一見さんの予約を受けないので、キャンセルもほとんど出ないそうで、本当に運が良いと思いました。
何か良いことがある予感がします。
さて、かなり久しぶりのアテからの食事だったのですが、やはり握りが凄いなと言う感想です。
アテも当然美味しいですが、握りの凄みが際立ちます。
例えば、あん肝やサヨリの卵和えなどアテでも凄く好きなものはありますが、アテから握りに移ってより一層それを感じました。
鮪も雲丹も城助クオリティで、特に鮪はいっぱい頂けてお腹がいっぱいになりました。
今回、食材の特徴に合わせて変えたのかなと思ったのは穴子の握りです。
通常は塩とタレをつけて二つに切るのですが、今回はいつもより大きい穴子でかなり脂がのっていて、塩のみでした。
あの脂だとタレが負けてしまうからなのかも知れません。
少しだけClubhouseの話をしていたら、隣におられた方が前日に私が居たルームで話を聞いておられたようで、昨夜は私のとんしのClub(公認のサークルのようなもの)で楽しくお話をさせて頂きました。
Clubhouseの人脈の広がりはジェット機並みでビジネスでも知り合ってわずか数時間であるジャンルで日本一の方と新しいビジネスを始めることになりました。
本名と経歴の真実性がベースにあるからそんなことが起きるのです。
個人的にはもうこれからの時代は匿名の情報に価値は全く無くなると思っています。
ですから、私はかなり前から本名も経歴も全てこちらでも他のSNSでも公表しています。
もう、既に時代は変わってしまったのです。
一般的に浸透していくのに1年くらいはかかるでしょうが、価値観は180度変わってしまったのです。
政治も経済も経営も趣味も何もかも。
2021/07/25 更新
2020/12 訪問
今年も城助の一番長い日です。
日付が変わった31日の午前0時30分。
今年も城助の一番長い日、そして最後の3回転目が始まりました。
最初のひらめの握りから素晴らしかったです。
うーん、今日のこの会に全ての焦点を絞ってきてくれたなとわかりました。
彼と私は常に握りを通して会話するのです。
高レベルの城助水準がある中で、何回かトップオブトップを食べさせて頂いているので、私自身の中で、勝手に引いている線があります。
その異次元とも言える世界に入っている握りは、城助であっても数回に1回しか経験出来ません。
そのような握りが何貫あるのかが、私の城助での満足度になってしまっているのです。
人間の欲望とは恐ろしいもので、脳が覚えているそのトップオブトップを期待していつも握りを食べてしまうのです。
タネのクオリティという調整が難しいものもあります。
ただ、普通の寿司屋と異なり、城助では熟成されているものが多いので、この日のこの時間帯と数日前から焦点を当てているとかなり調整が効きますが、天然のものは常にピンがある訳でなく、平均した標準値がその店の実力ということになります。
それでもなんとかして技術で高レベルの城助水準を維持しているのですが、標準が高ければ高いほど、逆にかなり凸凹を感じてしまうのです。
トップオブトップを知ってしまった悲しさでもあります。
タネのクオリティとシャリの仕上がりと最も重要なその一体感。
トップオブトップの時はそれが恐ろしいほどピタッと合致していてまさに誰も到達できない異次元の空間が口の中に広がります。
それは他の店では味わえないものです。
どんなにタネのクオリティが良くても、この空間だけは城助でしか体験出来ません。
ただ、それを感じておられる方が何人おられるかは分かりません。
かなり少ないと思っています。
タネが弱い時の城助の工夫や攻め方や逆にピンのタネがある時の一体感。
だから私にとっては、あらゆる店の中で、城助の握りにはその日によって、一つ一つの握りによって、全く違うものを感じずにはいられないのです。
これだけのひらめの握りを出すのだから、他もかなり自信のあるものを出してくれるのだろうなともうその時点でわかってしまうのです。
それが彼と私の会話です。
そして、あー、この握りが最初に出てくるのだから、恐らく異次元空間が数回、いや、もしかしたら10回以上経験できるのかなと分かってしまうのです。
案の定、その後も圧巻の異次元空間が続きました。
キスなども〆が強いなあ、シャリが強いなあと感じることがあるのですが、ピタッと一体感。
さわらも燻してあるのに非常に繊細で上品な仕上がり。
イカも素材の甘みとシャリの味が融和して一つの食べ物になっています。
鮪も城助で食べた中でもかなり上の方で、今年は伺った回数が少ないこともあり、私の体験では今年一番でした。
とにかく、赤身が美味しい。
何度か書かせて頂いていますが、鮪は赤身の旨味が命。
少しでも弱いと鉄分臭さが口に広がります。
解凍ものだとそれに水臭ささが加わりかなり不味い食べ物になります。
だから、それにアホほど醤油をつけて食べるのです。
握りにしても同じ。
鮪の漬けも同じです。
これが江戸前の仕事だと醤油の味しか感じさせなくするほど深く漬けた握りを出すところがありますが、論外。
鮪の味がなく、水臭くて鉄分の味がするから、死ぬほど醤油漬けにして出す店がありますが、そんなものを本気で美味しいと思って出しているとしたら、客を愚弄していることに気がつかないということになります。
漬けも昆布〆も絶妙な塩梅で食材の旨みを引き出すためにするものであって、ひらめをアホの一つ覚えで〆まくるのは愚の骨頂です。
しかし、ほとんどの寿司屋はそれを堂々とやっているのです。
醤油をつければ全て同じ味ということ。
昆布で〆れば全て同じ味ということ。
だから食材のクオリティは関係無くなるのです。
そんなものは料理とは言えません。
プロが客からお金を取って出すものではないのです。
ところが不思議なことにそんなものにお金を払う方が大勢おられる。
そうやって経済は回っているのでしょう。
社会にとっては大変良いこととなるのです。
世の中に食通が増えるわけです。
城助に出会うまで日本一と確信していたお店に初めて伺った時に漬けと昆布〆の絶妙な塩梅とタネのクオリティの高さに驚きました。
本物の握りとはこのようなものなのかと感動しました。
しかし、そのお店であっても、食べログの評価が高く、日本一と言われている何軒かのお店でも、城助の異次元空間を体験することは一度もありませんでした。
城助の本当の凄みを知る人は世の中に何人おられるのだろうか?
異次元空間の意味を理解してくれる方はおられるのだろうか?
2020/12/31 更新
2020/12 訪問
またも2.8回転目、1週間に2回は久しぶり
前回の2.8回転目から1週間もしないうちに、今日も10時半から11時頃、二人いけますよ、連絡が。
ある方をお誘いすると、是非と言うことなので、二人で伺いました。
頂いたのは握りだけです。
アテも美味しいですが、やはり城助は握り。
アテが美味しい寿司屋は東京にもありますが、握りは城助の独壇場。
私のなくではダントツで日本一です。
たまには頂いた握りを書き留めておきましょう。
えんがわ
えんがわ
キス
赤身
あじ
白エビ
さわら
煮はまぐり
いくら
ジャバラ
中トロ
赤身
ジャバラ
ホタテ
鉄火巻
穴子塩
穴子タレ
たまご
前回は食材のクオリティが全体的に弱かったのですが、今回は正に城助標準。
どの握りも美味しかったです。
12月、2回目。
3回目は確定しているので、更にもう1回。
久しぶりの月4回はあるでしょうか。
毎日食べても飽きることのない握りです。
2020/12/28 更新
2020/12 訪問
究極の裏技2.8回転目
2.8回転目で入れました。
なんと妻は約1年ぶりです。
本当に予約が取れないお店になってしまいました。
基本的に一見さんの電話での予約はほぼ不可能です。
一見さんお断りではないようですが、あまりにもドタキャンが多いなので、電話での予約は空いていたとしても1ヶ月以内しか取れませんが、常連が次の予約を入れて帰るので、2、3ヶ月先まで予約がびっしりになっています。
よって電話での予約は事実上不可能です。
さて、2.8回転目は2回転目の方々に握ってから始まるので、あん肝やさよりの黄身和えなどをアテにして日本酒を頂きながらゆっくり待ちます。
23時半過ぎ頃から白身の握りが出てきます。
城助の握りは出されてから0.3秒以内に食べなければなりません。
2.8回転目や3回転目で入ることが多いですが、伺う前に時間調整で飲むことは厳禁です。
一度、オーデュテームでスパークリングを飲み過ぎて、酔っ払って城助で寝てしまい、出禁寸前になりました。
2回転目でも20時半からですので、皆さん、時間調整にはくれぐれもお気をつけ下さい。
実は城助では常連だけが享受できる裏技がいくつかありますが、今後はしないようです。
「これからは、他人のために生きない。休みも取って旅行に行く。」仰っていました。
城助ラヴァーとしては残念ですが、身体のことを考えればそうされるのが良いでしょう。
年末年始の楽しみが減りましたが、一部の裏技は残るので、それで楽しませて頂きます。
今年はあと最低あと1回は伺うことが決まっていますが、その前に伺えるのかな?
7ヶ月伺えなかったので、12月は最低3回は伺いたいですね。
2020/12/16 更新
2020/11 訪問
幻の3回転目
4月から9月くらいまでは、基本的には夜の外食はしませんでしたので、なんと半年以上、人生の全てとも言える城助に伺うことができませんでした。
そのためか、城助の常連の間では、私が新型コロナに感染したという噂が立っていたようですが、極めて体調が良いです。
低酸素ジムでミトコンドリアが激増して、マスク、手洗い、消毒を徹底しているので風邪をひくこともなくなりました。
さて、外食再開をしたのは良いのですが、城助はもはや予約がかなり難しいお店になってしまいました。
元々取りやすい訳ではなかったのですが、ドタキャンなどが続き、新規の電話での予約は基本的に不可になり、常連も伺った日に次回、次々回の予約を取らなくては難しい状況になりました。
元々、事実上の会員制にはしたくないと言う意向のあったお店ですが、心ないドタキャン客のために、新規の方は常連と伺うしかほとんど予約が取れないと言う状態になってしまったのです。
そのため、信頼されている常連客ばかりの予約になり、ドタキャンがほとんど無くなったことはお店としては良いのですが、私としては、外食を再開をしてから、しばらくドタキャン待ちをしましたが、キャンセル空きで伺うことは出来ませんでした。
暫くして、親しくさせて頂いている月3回ペースの常連の方から、ドタキャン待ちだとほぼ不可能なので今予約を受け付けていない先の月で予約をして貰うしかないとの伝言を貰いました。
なんとか、22時半の裏技とか、どこかに入ることはできないかと連絡すると、では3回転目やりましょうと言って貰いました。
と言うことで、11月某日、2回転目のお客も引いた午前0時に7ヶ月ぶりの再訪となりました。
ちなみにこの幻の3回転目については、食べログに書くつもりはなかったのですが、城助ご本人が面白いから書いて下さいと仰ったので書いていますので、ご批判は受け付けません。
さて、最初はひらめの握り、次は鯛の握りだったと思いますが、最初に城助の握りを食べた時と同じくらいの衝撃を受けました。
こんな白身の旨味が引き出された料理は他にはありません。
つい最近もミシュランの星が沢山付いている日本料理のお店に伺いましたが、ひらめの旨味が皆無でした。
何か仕事をして、ミシュランの腕を披露して頂きたいところでしたが、旨味がほとんどないひらめをなんと醤油をつけて食べさせられました。
私が全くミシュランの星を信用しない、むしろ内装や食器の美しさだけが取り柄の異常にコスパが悪いお店が非常に多いと感じさせる所以はそこにあります。
味がないひらめを醤油をつけて食べるのであれば、立ち飲み屋でも出来ます。
鮪も然り。
旨味が抜け切ったようなスカスカの鮪を醤油をつけて食べさせるのです。
そんなものは阪急や大丸で買ってきた3割引のひらめや鮪の刺身を超クオリティの高い醤油で食べた方が美味しいです。
食材など関係なく、醤油を食べるのであれば、めちゃくちゃ高くて美味しい醤油を使えば良いだけの話です。
そして一般的に買える醤油は他のものより高いと言っても知れています。
伊豆の甘みの強い山葵と超高級醤油が有れば、少なくてもミシュラン星に輝く日本料理屋よりは美味しく刺身を頂けます。
食べることが苦痛になるような鮪やひらめは刺身では出すべきではない、特に高級店でそれをやるのはお客を愚弄していることであり、それを美味しいと言って召し上がる常連に褒められているだけのことで、今般の飲食店の厳しい状況の中では、何があっても生き残る高級店とすぐに閑古鳥が鳴き、消えていく高級店がはっきりと分かれますと経営の仕事をして立場から申し上げます。
あと数ヶ月でそのことが証明されるでしょう。
他では食べられない超ハイクオリティの料理の真価を理解し、他には代替品がないと味覚と嗅覚で分かっている方は、何がなんでもそのようなお店に通います。
しかし、ミシュランを取ろうが取らまいが、内装と食器と少し優しい接客だけが売り物では、本物を求めていないお客は来なくなります。
そんなことを考えながら、いつものように握りを頂きました。
鮪は気候が暖かいのでこの時期としては弱かったです。
しかし、一番旨味の強い特別な部位を出してくれて、それは抜群に美味しかったです。
数ヶ月ぶりに鮪の味がする鮪を頂きました。
穴子も季節的に弱かったですが、それこそ城助技術で美味しい握りに仕上げてありました。
反省しました。
有難いことに城助レベルを100回以上頂いていたために、悪い意味で城助慣れをしていました。
Amazonでスーパーテイスターのキットを購入し、更に1リットルの水に対する砂糖の甘さを感じるグラム数で味覚に関しては全人口の上位1%未満には入るであろうことを確認して、歯ブラシではなく、専用の舌ブラシで毎日入念に舌をクリーンにして、できれば低酸素ジムでミトコンドリアを増やした方であれば、城助の凄みを経験して頂けるでしょう。
ロックンビリーS1でも詳しく書きましたが、視力2.0の人が遠くに見える看板の内容を話している時に、視力0.1の人が看板の存在すら見えないのに、その話の内容を非論理的に批判するのはやめるべきです。
馬鹿にしてる訳でも上から目線でもありません。
視力は2.0と0.1くらい違えば全く見えているものが違うことは小学生でも知っていますが、味覚もそれと同じかそれ以上感じているものが全く違うのです。
信じない方はスーパーテイスターキットで調べたり、水の中に何グラムの砂糖があると甘みを感じるかのテストをご自身でやってみればわかります。
自分に対しては嘘をつくことは出来ません。
その事実を思い知ることになるでしょう。
だから好きな味は好みで分かれるのではありません。
味覚や嗅覚の能力で分かれるのです。
同じ能力の人同士であって初めて味の好みは分かれます。
しかし、上位にいけばいくほど同じ能力の人と出会う可能性は低くなります。
味の批評を他人とすると言うのはそもそも論理的には無意味なことであり、そこで得られる結論は正しいはずがありません。
まして、会ったこともない人や親しくない人のお店に対する評価を批判することは完全に間違っています。
食はそれぞれの味覚と嗅覚と経済力によって、好きなものを食べ、自分が美味しいと思えば美味しいのです。
私は心から美味しいと思えるものが極めて少ないです。
だからこそ究極の料理やお酒に出会うと感動するのです。
そのかわり、一度究極を知ってしまったジャンルのものは、ほとんどのものを美味しいとは感じません。
旨味が抜けてるとか雑味が多いとか、まず最初に感じるのはそのようなことで、その後でこの価格でこれなら良い方かな、この価格ではあり得ないほど不味いなと感じるだけです。
私は食に関しては、究極の幸せと究極の不幸せが、常に同居しているのです。
そのような鬼のような人間も存在していると言うことを許容して頂ければと存じます。
視力はコンタクトレンズによって、0.1を2.0にすることが出来ますが、味覚にはコンタクトレンズのようなものはありません。
いくら言葉で語っても理解して頂けない方には理解して頂けないのです。
なお、この日は思いがけずご馳走して頂いたので料金は分かりません。
2020/11/21 更新
2020/03 訪問
日曜日の貸切
レビューを書いていませんでしたね。
日曜日の夕方から10名で貸切をさせて頂きました。
通常は9名のカウンターですが、10名でも余裕で入れるので貸切はいつも10名になります。
初めての方が多かったので、アテからのフルコースです。
握りだけの時も出してもらいますが、やはりさよりとあん肝は突出した美味しさです。
最初に出してくれる白身の刺身の美味しさにも仰天しますが、刺身で美味しいものは基本的には握りの方が更に美味しいです。
握りと無化調ラーメンが好きな私としては、握りが長期間食べられないのは拷問に近い状態ですが、緊急事態宣言の4月から第二波が収まる秋まで夜の外食は控えておりました。
ドタキャン待ちもほとんど出ないほどの人気ですが、やはり最低でも月に1度は頂きたい握りです。
なんとか工夫して、月に1度は伺うつもりです。
2020/11/19 更新
2020/02 訪問
キャンセルが出たので久しぶりに最初から
久しぶりに20時半からのパターンで伺いました。
キャンセルは困ります。
2月なので当然、白身が美味しいです。
つまみで金目鯛やカツオが出ましたが、最高でした。
握りだけでなく、つまみからも本当に楽しいです。
あん肝とさよりがありますしね。
鮪の握りもいつものクオリティ。
何故か5貫出してくれました。
穴子も美味しかったですが、2月3日に家で食べた穴子は物凄かったです。
妻は城助史上最高の穴子と感動していました。
あとイカも美味しかったです。
ほかの高級寿司屋にはもう何年も伺っていませんが、今食べたらどう感じるのでしょうか?
興味はありますが、馬鹿馬鹿しいので行きません。
3月には貸し切りをお願いしましたが、その前に何回伺えるでしょうか。
確定申告もあるし、忙しいですが、なんとか伺いたいですね。
2020/02/12 更新
2019/12 訪問
ということで今年も城助最後の日です
12月31日0時15分集合。
今年も城助最後の日に貸し切りをさせて頂きました。
ご案内の通り、かなり予約が取りにくくなっているので、なかなか伺うことが出来なくなっています。
この会は、握りが本当に好きな人の集まりという趣旨ですので、基本的には握りだけが出てきます。
ただ、新たにシャリを炊くので、宴が始まるのはいつも1時近くになります。
そこで、最初にカラスミを出してくれました。
今年のカラスミは非常に繊細です。
購入して家でも食べましたし、まだ封を開けていないものがありますが、真空状態から封を開けて空気に触れるとすぐに味が変わります。
もちろん、今までのものも時間と共に味も風味も変わりましたが、それが極端です。
開けてすぐにはこれまで以上に繊細な旨味がありますが、数時間経つと酒の味と風味がとても強くなります。
そして、更に時間が経つと酒の風味が抜けて落ち着いた味になります。
お店で食べたものはちょうど酒の風味が強くて苦味も少しあったので、今年のカラスミはどうなのかなあと思いましたが、家で何度も食べたら、その理由がよく分かりました。
握りは定番のものが出てきました。
鮪の数が多かったと思いますが、細かいことは忘れてしまいました。
こちらのお店、貸し切りの時はいつもと全く雰囲気が変わります。
城助ご本人もよく喋りますし、お客も自由に普通に楽しくワイワイ話ます。
実は緊張感溢れるいつもの雰囲気も好きですが、年に一度の店全体がリラックスした雰囲気も大好きです。
いつもありがとうございます。
週に1回伺いたいですが、最近は月に1回か多くて2回です。
2020年は何回伺うことができるでしょうか?
異常気象の関係で、天然の魚介類の極上品を手に入れるのがますます難しくなっています。
私の店は大きな影響はまだありませんが、少しずつ難しい状況になっていきそうです。
天然の魚介類の極上品は数が極めて少ないので、今後、その数は更に少なくなるでしょう。
城助標準が維持できているうちに1回でも多く伺いたいですね。
状況が突然変わるかも知れません。
本当です。
2020/01/24 更新
2019/11 訪問
急遽
またもドタキャンということで、伺えました。
危うく出禁になるところでしたが、許してもらいました。
21時半過ぎに握りからです。
いかが甘い。
食材のクオリティももちろん良いのですが、やはりこの握りとしての一体感が凄いです。
江戸前は、鮪に合わせるので、白身といかが、シャリから浮いてしまうことが多いのですが、ピタッと合っています。
似たようなシャリを作っても、このネタとの一体感は他の店では感じたことがありません。
彼だけが持つ技術です。
平目も凄かったです。
もちろんえんがわも握ってくれました。
超一流の白身の旨味とシャリのマッチング。
江戸前の名店と言われるところでも、白身とシャリがベストマッチングしているところを知りません。
従って、平目は昆布締めにするところが多いです。
しかも、強めに締めると赤酢に合いやすいので、そのような店が多いですが、あれは個人的には苦痛です。
あそこまで強く締めたら、もう平目の味などしません。
いや、平目の味がしないから強く締めている部分もあると思います。
二億回書いていますが、鮨の醍醐味は白身だと思っているのですが、白身が美味しい握りは世の中にほとんどありません。
特に関西では知る限りでは全滅です。
更に鮪も穴子も雲丹も美味しい握りは皆無なので、握りを食べる店が無いのです。
今宵も鮪も穴子も美味しかったです。
12月中に何回伺えるでしょうか?
あの日、以外に2回が目標です。
2019/12/06 更新
2019/10 訪問
ものがあるのだろうか?
10月10日、14日にキャンセル2席出ましたとのメール。
先日、由良の赤雲丹ラストの日は1席キャンセルが出ましたが、伺うことは出来ず、無念の思いでした。
いつもご一緒するTさんのご都合も良いと言うことで、2巡目、いつもの握りからの2.5巡目に伺うことにしました。
台風19号が来ましたが、それ以前から、海がしけていることが多いのか、豊洲にトップクラスの魚介類が少なくなっているように感じます。
少なくても10月に入ってから貝に関してはトップクラスのものの欠品が少なからずあり仕入れに苦労しました。
さて、14日、12日は飛行機が飛ばないので豊洲からの仕入れは不可能です。
それ以前に準備は抜かりないと思いますが、どんなものを出して貰えるか楽しみにして伺いました。
ところが、時間調整で、友人とオーデュテームで泡を結構飲んでしまい、寝てしまうという失態をやらかしてしまいました。
当然、ほとんど頂くことは出来ずに、最後、無理を言って、鮪と穴子と雲丹を頂きました。
美味しかったですが、なんと申し上げれば良いのやら。
大変申し訳ありませんでした。
2019/11/28 更新
進化し続ける天才中山城助の温度管理されネタとシャリが一体化した芸術的な握り
2023/02/20 更新