とんしさんが投稿した寿志 城助(兵庫/新神戸)の口コミ詳細

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とんしの「本当に美味いもの」

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とんし (男性・兵庫県) 認証済

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寿志 城助三ノ宮(JR)、三宮(神戸新交通)、三宮(神戸市営)/寿司

131

  • 夜の点数:5.0

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
  • 昼の点数:5.0

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 5.0
おすすめポイント

進化し続ける天才中山城助の温度管理されネタとシャリが一体化した芸術的な握り

2023/02/20 更新

31回目

2018/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

抜群 終わりの始まり そして美し過ぎる晩餐

木曜日に妻と二人で来れる日はと聞いたら土曜日なら可能性ありますわ。
金曜日の夕方に再度確認すると土曜日の1巡目ならいけそうですわ。とのこと。
オリンピックの影響なのか土曜日なのに自分の店のご予約がないので1巡目でも行けます。

昼過ぎに確認の電話がかかってきました。

握りだけがいいんだけど。
何時に行けばいいですか。

つまみを含めたコースだと17時半からですが、握りだけを頂きたいので18時過ぎに伺うことになりました。
妻にも最低月に1度は城助で握りを食べて欲しいですからね。
しかも5時半のシャリです。

男子フィギュアスケート金銀独占、藤井5段朝日杯優勝6段昇段という可能性がある日だったためか、1巡目で入れることが出来たのでしょうか。

再度電話があり、もう少し早くから握りに入れそうだということで18時14分に到着。

まずは焼き穴子。つまみです。
次はあん肝。これもつまみ。

平目。
木曜日ほどではありませんが、旨味がしっかりあり美味しかったです。
とにかく、私は白身の独特の綺麗な旨味が大好きです。
平目、鯛、河豚。

アジ。
本当に最近アジが凄く美味しいです。
城助標準と比べてみても間違いなくレヴェルが高いです。

鮪が全然入ってこなっすわ。
鮪だけ?他の魚は?
他はまあまあですわ。でも今入っている鮪は抜群。
前に嫁が食べて一番と言ったやつよりも?
頷きながら、
抜群!と孤高の天才。

鮪。
2種類。

一つは城助標準。

一つは抜群。

私の食人生史上最高の赤身。
口に入れた瞬間、通常はすぐに噛み始めるのですが、舌に乗った途端に経験したことの無いような旨味を感じたので少しの間噛み始めませんでした。
これほど濃厚な味の赤身が存在するとは知りませんでした。
年に一度レヴェル?
いや、あと数年は再び巡り会うことができないかも知れません。
妻にとっても人生最高の赤身。
まさかこの味が今後の鮪の赤身の基準となってしまうことはないと思いますが、そうなってしまったら、私の鮪の食人生は終わってしまいます。
もう何を食べても不満になります。

私の食人生の終わりの始まり。

なのでしょうか?

鰆。
熟成も燻製もほぼベスト。
城助標準と比べてもかなりの高レヴェル。

雲丹。
城助標準。

穴子。
良い意味で城助標準。
良い意味と言うのは常に高レヴェルだからです。
シーズンの終わり頃以外はいつも素晴らしいです。

他にもサヨリの黄身和えやキス、とり貝など。

初めての1巡目。
シャリも抜群でした。

1巡目は会計を終えて20時半には店を出なければなりません。
追加を言わなくてもお腹が一杯になるように時間内に目一杯出してくれました。
1巡目は時間が押すので巻物を出さなくなったと聞いていましたが、2種類も出してくれました。

いつもありがとう。

20時29分に店を出ました。

色々な意味で完璧な2時間15分。

何も言わなくても、孤高の天才の流れと私たちの流れがあうんの呼吸でピタリと合い、味覚と嗅覚と視覚と空間と時間が芸術的に溶け合いました。

美し過ぎる晩餐。

2018/02/18 更新

30回目

2018/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

魂を揺さぶられるもの

先日、最近妻が大好きだと言うテレビ番組を見ました。
素人の方が歌の上手さを競うものでした。
ディフェンディングチャンピオンの高校1年生の女の子琴音さんが明日への手紙を歌っていました。
スタジオの全員が魂を揺さぶられて泣いていました。
何故か私も涙が溢れてきました。

孤高の天才の料理もやはり魂を揺さぶられます。
この日はロックンビリーS1でサラダ革命にヒントを得たチーズソースが入った童謡味噌らーめんを頂いて魂が揺さぶられていましたが、夜は珍しく城助の2巡目席があいているということで、仕事が終わってから伺うことにしました。
魂2連チャンになるでしょう。

以前から一緒に城助へ行きましょうと約束していた某有名飲酒店のオーナーの方もたまたま休みを取られていらっしゃったので一緒に10時に伺いました。

ずいぶん久しぶりじゃなっすか。

先週の月曜日以来なのでやや久しぶりですが、妻の恐ろしい監視状態に置かれているので今日のようにどなたかとか妻とかと一緒じゃないと伺えません。
一人で伺うのは禁止されているのです。
おこずかいもくれませんしねえ。

最近は気に入ったラーメン屋さんばかりに行ってました。と答えておきました。

この日は握りにあん肝と私の好きなサヨリの黄身和えをお願いしました。

最初の平目。
圧巻でした。
久しぶりに城助で平目を頂いて魂が揺さぶられました。
平目独特の綺麗な旨味が凄かったです。
城助でも4回に1度くらいしか食べられません。
私は平均月に4、5回城助に伺いますが、今回のレヴェルは昨年の12月以来という感じです。
縁側ももちろん美味しかったですが、ここまでのレヴェルのものは身の方が美味しく感じます。
最高レヴェルの鮪は赤身が一番美味しいのと同じです。

雲丹。
本日も孤高の天才を泣かせた板雲丹。
原価7万円。
1貫の原価が5000円以上。
味もかなり美味しかったです。
それでも真夏の由良の赤雲丹の良いものには遥かに及ばないところが悲しいところです。
鮪と雲丹は良いものを入れ続けようとすればするほど、恐ろしい原価のものが築地から送られて来ても使い続けなければなりません。
高いものは要らないと言えば二度と最高レヴェルのものは手に入らなくなるからです。

東京の高級店では時価としてお任せの料金を上げても文句を言われませんが、神戸ではそれが通用しないから辛っすわ。

いよいよ、鮪と雲丹は無くすしかないかもね。

アジ。
最近はアジが安定して美味しいです。
魚の種類がないっすわあとのことでしたが、大体いつも通り出てきたように思います。

鮪。
赤身は城助の平均レヴェルでしたが、かなり熟成された特別な部位を出してくれたと思うのですが、それはもの凄く美味しかったです。

本日、更に魂を揺さぶられたものがあります。
最後の方でつまみで出してくれた熟成された赤ムツ。
別名のどぐろ。
超高級魚です。
旨味が凝縮されていて美味、至極美味。

本日は豪華巻物を2本お願いしてしまいました。
流石に2本目をお願いした時は引いていましたが、いやいやながら超豪華巻を出してくれました。
魂が揺さぶられた。

本日も誠にありがとうございました。

今月中に妻を連れて来ないと殺される。

2018/02/16 更新

29回目

2018/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0

奇跡が起きた!

ほんの数日前も握りを頂いていました。

来週の月曜日、8時半から◯◯さん3名で予約入っているでしょう。
はい。
◯◯さんは神戸の大学の公認OB会の先輩でとても私を可愛がってくださっておられる方です。
私が紹介して今や城助の常連です。
あの電話うちの店からかけたから知ってるんだけど、まさか、月曜日の8時半、僕が入ることはできないよね。
そうっすね。あの3名様も数分差だったんすよ。
4名は無理だよねえ。2.5巡目、握りからだけの参加でも無理?
あー、その日は無理っすねえ。
新規のお客さんはいる?
それはいます。
ということは、一応ドタキャンのチャンスはあるよねえ。
そっすねえ。

◯◯さんの親友で私の先輩である△△さんが私に城助をご馳走して下さると言うことでしたが、全く予定が合わずにいたのですが、一度も城助にいらっしゃったことがない△△さんと◯◯さんともうお一人がとりあえず月曜日の8時半に奇跡的に予約が入れられたのです。
キャンセルでもない限り、数日後の8時半に3名の予約が入れられるなど奇跡です。
9席なので一人なら数日前でも予約が取れますが、3名だとかなり難しいです。

昼頃スマホが鳴りました。
城助。
水野さん、今日8時半からいけますよ。
マジ!キャンセル?
一人のお客さんが来週に延びました!
なっなっなんと。店も休みだし奇跡。
つまみからでいいっすか。
もちろん、久しぶりにつまみからでがっつり食べたい。

オーマイゴッド!

妻の不満ビームを受けながら、20時20分にお店に到着しました。

アテからゆっくりと頂くのも楽しいです。
当たり前ですが、刺身も仕事がしてありそのまま頂きます。
平目美味しいです。
久しぶりにハマグリの茶碗蒸しを頂きました。

握りはいイカから始まり巻き物が3種類もありましたが、長い時間滞在させて頂いてかなり飲んだため細かいことは覚えていません。
鮪2貫。
鰆。最高でした。
アジ。
キス。
穴子。
雲丹。
コハダ。物凄く久しぶりです。
おぼろづけの海老。江戸前ではよくありますが、城助では初めて食べました。
普通の時間帯はやはりシャリがまだまだもっていますね。
しかし、センシティブなシャリであることは間違いありません。
みなさん、出された握りは早く食べましょう。

先輩たちはサッと帰られたのですが、✖️✖️さんがおられたので酔っ払ってうだうだと話してしまいました。
申し訳ありませんでした。
✖️✖️さんとはこの後カレーうどんまで。
すいません。
香港出張9時のフライト大丈夫だったでしょうか。

1週間で3回伺いましたが飽きません。

しばらくするとまた禁断症状が出るでしょう。

なお、先輩にご馳走して頂いたので今回は金額の表示はしません。

2018/02/06 更新

28回目

2018/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

鍛錬

鍛錬。
貴乃花親方がよく使われる言葉です。

現状を維持することの難しさを思い知ったことがあります。

大学に入って数ヶ月も経つと赤本が発売されます。
本屋で赤本を見つけて、大学入試はきつかったなあと思いながら、自分が受験して合格した年の問題を見ました。
私の大学は私立なので3科目の試験です。
英語、国語、社会。
社会は選択なので私は日本史の方が好きでしたが、漢字を書き間違えるリスクを避けるために世界史を選択していました。
入試問題自体はほとんどがマークシートでしたが、そうではない問題もあり、高校時代の試験はマークシートではなかったので受験は世界史と高校時代から決めていたのです。
合格の難易度はともかくとして、当時、私の大学の入試問題は単に難しさだけを見れば、国語と世界史、或いは日本史は日本で一番難しいとされていました。
高校の世界史の教諭が試験問題を解いたら3割しか正解しなかったという言葉を聞いた時に、この高校に通っていたら大学に合格しないのだろうと思ったことがありますが、普通の進学高校の教諭では5割も解けない問題でした。
合格基準は大体6割、国語と社会は5割取るのが難しいので配点比率の高い英語で8割以上できれば9割取って貯金をしなければなりません。
ところが私は論理的でない言語の試験が大嫌い、すなわち英語が極端に苦手でした。
英語よりも数学や化学の方が得意でした。
入試科目で得意なのは、国語の中でも現代国語と世界史の中でも狭い一定の分野だけで他は嫌いでした。
国語も漢文はともかくとして、古文は英語と同じくらい苦手。
頭が良くないのでめちゃくちゃ苦労しました。
それでも必死に勉強して一応合格したのですが、合格からほんの数ヶ月後に赤本に記載されている自分が合格した年の問題を見ても全く解けませんでした。
問題を見た記憶すらありません。
英語は入試問題よりも大学に入ってからの前期試験の方が簡単に感じたほどなのでなんとなく解ける問題がありましたが、国語と世界史は1問も解けませんでした。
最も得意な現代国語ですらそもそも問題の前提となる文章を読んでも何が書いてあるのかさっぱりわかりませんでした。
というよりもあまりにも難解な文章で読む気力が失せました。
重箱の隅をほじくり返したような異常に細かい知識を問う世界史などそんなこと一度でも記憶したことがあるのかしらというレベルでした。
制度としてそんな入試問題を作る大学側に大きな間違いがあるのですが、何れにしても小学校からの積み重ねである大学受験向けの能力が、受験から数ヶ月の夏頃にはほとんど失われていたのです。
もうこの時点から勉強を始めても、自分の一年後輩が受かる試験には絶対に受かりません。
個人的には二年後輩が受かるであろう試験にも合格する自信がないと思い、愕然としました。
死ぬほど勉強したことは合格という一つのチケットを得るためのもので、それを維持するための努力を続けなければ一瞬で無くなってしまうのです。
小学校からの積み重ねたものがほんの一瞬で!
その意味では英語と現代国語の読解力と語彙と文章力は、合格後もある程度鍛錬を続ければ、社会に出ても大きな武器になるので貯金にはなります。
私の場合は、英語は嫌いなのでその能力は跡形もなく消え去りましたが、大学に入ってからもずっと続けた読書によって、読解力と語彙と文章を書く能力だけはなんとか維持されました。
年間150冊ほどの読書がなんとかそれを維持させたのです。
しかし、その程度では維持はできても進化はさせられませんでした。

どんな分野のどんなことでも全て同じです。
孤高の天才中山城助は言います。
1日握らないとダメになる。
音楽家のお客さんが言っていたことは鮨職人にも当てはまる。
1日楽器に触らないと同じ感覚に戻るまでに何日もかかるように1日握らないとすぐには感覚が戻らないと。

この日は2.6巡目に入りさっと帰りましたが、努力する孤高の天才中山城助の握りを食べながらそんなことを考えていました。
この握りをお客さんに出すために彼はどんな努力を重ねてきたのだろうか。
どのような分野でも死ぬほどの努力をした者にしかわからない感覚というものがあります。
極限まで努力してそれでも得られなかった人は、それを得た人の本当の凄さを知ります。
オリンピックで金メダルを目指して銀メダルに終わったというのがその極限かも知れません。
死ぬほどの努力をしたことがない者には絶対にわからない。
大学入試などというものは社会に出たら努力のうちに入らないものだと気がつかされます。
大学入試は所詮試験なので自分だけとの戦いです。
社会に出てからはお金を稼がなくてはならないので、自分以外の人間の占めるウエイトが極端に高くなります。
努力するにも正解がわからないので努力の仕方がわからないのです。
相手があることは、相手に認めて貰わなくてはお金が貰えません。
仕事に絡んだ人間関係は先に進めば進むほど複雑になります。
その中で努力し続けなければならないのです。
何が正解なのかはどこまでいってもわからないにも関わらず。

本日の平目は数日前よりも旨味が多かったです。
久しぶりにうーんと唸るような白身の握りでした。
この食材を手に入れるまでの彼の努力、その最高レヴェルの食材を握りとして更に昇華させるための努力。
燻製の鰆。
絶妙な仕事。
ここまで来るために何千回、トライアンドエラーを続けたのだろうか。
鮪のづけの具合。
どうやってベストの状態を探ったのだろうか。
1貫、1貫、口に運ぶたびに考えさせられました。

最後の方、巻物の前に出てくる穴子が終わってから2貫。
通常と違う出し方です。

のどぐろ。
久しぶりに物凄く美味しかったです。
クオリティも凄いですが熟成もベスト。

次の金目鯛も熟成がベスト。

なるほどこれが食べさせたかったのだなとわかりました。
気持ちが伝わります。

孤高の天才はこれからある仕事のために完徹です。
睡眠ゼロでの明日の営業。
また命をすり減らします。
私は殺人犯になりたくないのでサッと帰りました。
また明日⁈

2018/02/05 更新

27回目

2018/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

コストパフォーマンスの誤解

今宵も2.5巡目です。

私の店の大常連の方とやっと一緒に伺うことができました。
今週も来週も予約がぎっしり。
ドタキャンがなければ、2.5巡目しかチャンスがありません。
深夜の3巡目は孤高の天才の体力の消耗を考えて一人の時だけと決めています。
できれば0時過ぎには店を出れる時のみです。

魚入ってきた?また大寒波でうちも頭痛いけど。
鮪も入ってきましたし、そこそこっすわ。

鮪の熟成は浅いだろうと予想されますがそれはそれで楽しみです。

めちゃくちゃ楽しみにしてるわ!
任せて下さい!

今夜も、一期一会のベストオブベスト。
芸術作品を堪能させて頂けます。

ところで最近ネットでコストパフォーマンスの意味が間違えて使われているという内容の記事を読みました。
食べ物の種類で単純に比較してコスパが良いとか悪いとか言うことは明らかに間違えだと言うのです。
私と同じことを考えておられる人がいらっしゃるのだなあと思いました。

寿司屋で飲んで2万円。
コスパは良いのか悪いのか。
ラーメン1杯1400円。
コスパは良いのか悪いのか。

分かりません。
寿司屋で飲んで2万円は神戸界隈では高級店の部類に入るでしょう。
実際に神戸界隈の高級寿司屋は1万5000円から2万5000円くらいです。
同じ量を食べて飲んであるお店は1万3000円。
あるお店は1万7000円。
あるお店は2万3000円。
どちらもカテゴリーとしては高級寿司店。
1万3000円がコスパが良くて2万3000円がコスパが悪い。
ってなことあるはずないのです。
クオリティに対して、どうなのかが問題です。
食材、酒、接客、空気、空間。
そのクオリティと値段のバランスが重要です。

だから、1万3000円が一番コスパが悪くて2万3000円が一番コスパが良いということはよくある話です。
はしぐちで3万5000円払ってもコスパが悪いとは思いません。
某高級寿司屋で1万5000円払った時は死ぬほどコスパが悪いと思いました。
そもそも不味いと思えば、どれだけ安くても不満になるのでコスパもヘッタクレもありません。
場合によっては自分でお金を払っていなくても気分が悪くなります。
飲食店としてよくこーいうことをやるなあと腹が立つ時があるのです。
店主の考えは言葉が無くても伝わるものなのです。
特に私の場合は、魚貝類の原価が大体わかるので、もっとシビアにコスパを考えます。

普通のバーのカクテル700円。
ル・サロンのカクテル1700円。
恐らく私はル・サロンのカクテルの方がコスパが良いと思うでしょう。
不味いカクテルは飲むことが苦痛になるので例え300円でもコスパは悪いです。

化学調味料たっぷりのある意味美味しいラーメン500円。
ロックンビリーS1の塩の全部のせ1400円。
明らかに1400円の方がコスパは良いです。
化学調味料たっぷりの美味しいラーメンはそもそも食べられないので、コスパが悪いというよりも私にとっては食べ物ではありません。

城助の凄いところは神戸界隈、大阪界隈、京都界隈の高級寿司店、タイヤ星店の中でも絶対的な料金設定が安いところがです。
中山城助の料金設定に対する拘りがあり、弟子がいないからそんなことが可能となるのですが、まあ驚かされます。

基本的には握りのみですが、最近は最初にあん肝を出してもらいます。
奈良漬と一緒に練ったあん肝。
同行した方に蜂蜜を混ぜているのですかとよく聞かれるのですが、奈良漬です。
なぜか忘れてしまうのでまた今日も聞いてしまいました。

孤高の天才渾身の握り。
今宵は種類も量も多かったですね。

平目3貫。
かなりの熟成、えんがわ、やや浅めの熟成。
何度か書かせて頂いていますが、私は白身が一番好きなので、寿司屋の良し悪しは白身でまずは判断します。
ちゃんと独特の透明感がある旨味があるか否かが重要です。

いか。
いかも私は大好きです。
熟成したねっとりした甘みが美味しいです。

鰆2貫。
いつものように燻製と熟成。
やや浅めでしたが美味しいです。

煮はまぐり。
やや久しぶり。
煮はまぐりは、クオリティよりも江戸前の仕事が前面に出るので、城助では一番味が変わらない握りです。
ホタテもかなり仕事がしてあるので同様です。

白えび。
定番です。

赤貝。とヒモ。
良いものが入らないと出しません。
出したということはもちろん良いものです。
だだし、赤貝に限らず恐ろしいクオリティのものを食べた経験があるので、常に最高のものと比べてしまいます。

雲丹。
もちろん板雲丹。
ミョウバンが入っています。
良くも悪くも本日のメインイベント。
一箱7万円。
鮪と雲丹は築地でもセリにかかるので仕入れるたびに値段がいくらになるか分かりません。
一度3万円のものが来たと嘆いていましたが、遂に7万円のものが来ましたか。
城助ではありませんが私が聞いた中では最高額は8万円です。
1貫にすると原価が5000円以上。
味は?
ここが鮪と雲丹の怖いところ。
普通です。
もちろん、城助スタンダードで普通。
夏の由良の赤雲丹の良いものと比べれば天と地。
普段出されている同じ板雲丹としては本当に普通くらいです。
飲食店経営者、特に魚貝類メインの店の辛いところです。
孤高の天才は鮪も雲丹も仕入れたくないと言っていましたが、まあそうなるでしょうね。
無くても成り立ちます。
ただ、お客さんから文句は出るでしょう。
でもその日の利益は吹き飛びます。
城助は安くてコスパが良いので。

鮪2貫。
当然熟成は浅めですし、城助スタンダードからすればやや弱いです。
だだし、ちゃんとした本鮪なのでトロになれば美味しいです。
93兆回書いていますが、本当に凄い鮪は赤身が一番美味しいです。

あじ。
熟成が進んでいて美味しかったです。
城助スタンダードとすればやや良い感じ。
城助スタンダードでやや良いは、他の店なら飛び切り良いです。

キス。
城助スタンダード。
もちろん美味しいです。

穴子。
穴子も城助スタンダードかな。
凄い時はたまげますが、そこまでではありませんでした。
時期が終わる頃は流石の城助でもかなり旨味が弱くなります。
自然のものはそうです。

サヨリと黄身。
大好きなので最近は言わずとも出してくれます。
つまみのメニューですけど。

あー、金目鯛。昆布締め熟成。
久しぶりでした。
今日は、自信があるので出してくれたと思います。
恐らく自信がない時は出さないので、チラッと見えても出して欲しいとは言いません。
いいっすよと言った通りかなり美味しかったです。

玉子は復活していました。
巻物に使うものと最後に出すものは違うものです。
わざわざ分けています。

巻物。
いつものように特別バージョン。
鮪と雲丹と貝ヒモだったかな?
正確ではないかもしれません。
金曜日に食べた海苔のない穴子巻きをもう一度食べたかったのですが時間も遅くなってきたのでやめました。

2月は何回伺えるかな?
同行された方は本日が2回目ですが、感激されて来週の2巡目にお一人で予約を入れておられました。
羨ましい。
普通に2巡目に入るのは叶わぬ夢。
久しぶりにつまみからのコースで存分に食べてみたい!

2018/02/02 更新

26回目

2018/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

2.5巡目

城助でしか通用しない言葉を創出します。
昨日は私の店の常連さんと早めに入れるのであればと思い、業界人御用達のかね辰で待機しましたが、遅くなりそうだったので、彼の身体を考えて断念しました。
どこかで2人早めに入れる日はないかと電話したらなんと今日。

2.5巡目の日だったのです。
これは、私のようにごく一部の常連で基本的に握りしか食べない方がおられるので、2巡目の8時半に入られると10時半くらいに帰られて席が空く日があるのです。
金曜日に2.5巡目の日があるとは最高のチャンスなので伺うことにしました。

18時過ぎ電話が鳴りました。
水野さん、今日仕事ですか。
そうだけど、ドタキャン?何人?
2名っすわ。
酷いねえ。○○さんなら来るんじゃない?握りの時間帯に間に合えば大丈夫でしょ。
でも昨日の今日ですよ。
いや、来ると思うよ。

ということで昨日昼はロックンビリーS1でつけ麺と童謡味噌らーめんを召し上がり夜は城助の1巡目にいらっしゃった○○さんにメールをすると帰る途中だけど来るとのことでした。
良かった。
ドタキャンは本当に迷惑です。
本当に。

その後○○さんにメールすると結局もう1席も埋まったそうです。
その方は3日連続だそうです。
良かった。
本当に良かった。
常々城助は2日連続、3日連続で来ることに意味があると私は考えているので、良い経験をされたことでしょう。

結局この日は妻と10時半に伺いました。
つまみであん肝だけお願いして、残っておられるお客さんの食事が終わられるのを待ちます。
この日のお客さんはほぼ同時にさっと帰られて私たちだけになりました。

あかんすわ。
あー大寒波ね。
築地にものが入らんすわ。空輸もダメっすわ。
昨日の玉子は史上最高だったんでしょう。
今日は最低っすわ。海老が全然あかんすわ。
残念。
鮪も来てないので火曜日から鮪がないっすわ。

ロックンビリーS1のレビューに書きましたが想像していた通り、大寒波は大きな影響を与えていました。
最高の食材を扱うということは自然に商売を預けてしまうことになるので辛いです。
私も遠いアラスカで地震があるだけでぞっとします。
大津波でなくても日本に津波が来ると漁ができなくなるので仕入れが大丈夫だろうかと心配になるからです。
もちろんクオリティに拘らなければ、ご予約をお断りする羽目には至りませんが、クオリティ勝負だとある基準以上のものしか出せないので困るのです。

さて握りです。
平目は3貫。
うーん、まあ凄いものに比べれば確かにあれですが、当然のことながら平目の味はしますし、縁側は特有の脂の甘みがありました。

赤貝と鯵。
○○さんは昨日より今日の方が美味しいと言っておられましたが、昨日が云々は分かりませんが十分美味しいと思いました。
まあ、凄いものに比べたらねえ。

雲丹2貫。
通常の握りと珍しく軍艦。
まあ、確かにいつもより旨味の深みが足りませんが、通常関西の高級寿司屋で出てくる食べると気持ち悪くなってしまうものとは異なる食べ物です。

鮪3貫?4貫?
特に鮪は城助で頂いても上下の差が物凄くあるので確かに赤身は弱いなあ、いつもの鮪の赤身独特の旨味が薄いなあとは思いましたが、ほかの関西の高級寿司屋で出てくるスカスカの味がないものとは明らかに違う食べ物です。
また、赤身は弱くても脂の多い中トロなどの部位は脂の旨味が強いので十分美味しく頂けました。
39兆回書いていますが、昔は捨てられていたトロの部分が有難られる理由はそこにあります。
これは鮪と呼んではいけないというものでも脂の強い部分は脂の甘みがあるので誤魔化せるのです。
まあ、そのような鮪の脂は重いので美味しいとは言えませんが、一応旨味はあるのです。
そのレヴェルの赤身だと口に入れるのも嫌なので醤油をベトベトにつけないと食べられません。
もちろん、今日の鮪は赤身でも食べられるレヴェルなので脂があれば重くない綺麗な旨味が感じられるわけです。
ところで鮪が数日間無くなるようですが、ほかの関西の寿司屋では間違いなく出ます。
一応江戸前の寿司屋で鮪を出さないなどということはあり得ないからです。
但し、クオリティが関係ないから出せるのです。
値段だけにしても高級店とかタイヤ星とか言われる店でよもや出されないと思いますが、冷凍ものや海外ものを使えば出せます。
生の本鮪でもクオリティの低いものなら出せます。
元々クオリティの低い鮪しか出さない寿司屋がほとんどですから、影響はないと思われます。

鰆。
ずっと凄かったのでそれに比べればとなりますが、旨味もしっかりあり美味しかったです。

穴子。
これも城助における標準レヴェルでした。
タイヤの某星店で出すような恐ろしくレヴェルが低いものは出て来ません。
有名店は食材を捨てる勇気を持たなければなりません。
江戸前で穴子がないのはおかしいと言われても駄目なものは出さない。
仕入れ値が桁違いに高い鮪であっても出さない。
捨てる。
分かる人には分かります。
築地から送られてきたものがうちでは出せるレヴェルではなかったので捨てました。
そう仰れば良いのです。

ほかも握りを食べたと思いますが忘れました。

いつものように特別な巻き。
本日は2種類。
タネが云々と言っても美味しかったです。
特に2つ目は城助でも初めて食べたとても面白い巻きでした。
海苔がなく握りのように上に穴子がのっているのです。
話に夢中になっている時だったのでどんな風に巻いているのか見ていませんでした。
これはまたいけないものを覚えてしまった!
次回から頼んでしまう。

玉子。
食べました。
確かに海老の殻のような風味が出ているのでいつもとはかなり違います。
海老ラーメンにある風味です。
妻は海老が突出していていつものとは全然違うと言っていました。
芸術作品としては出したくないのでしょう。
しかし初めて食べた人にとっては普通に美味しいと感じると思います。
城助の常連で極上のものを知っている人にとっては確かにいつもと明らかに違いますが、自分で作らない店は市場で完成品を買ってきてそのまま切って出すだけですからねえ。
流石にタイヤ店高級店は店で作られますが、市場のものよりはマシというレヴェルのものを出してくる店もあるので美味しいと思いますが、孤高の天才は嫌で嫌でしょうがないようです。
いつもなら海老に余裕があるので気に入らなかったら捨てるんですが、海老がないので捨てることもできんと嘆いていました。

妻にとっての今年初めての城助。
最も厳しい条件の中でもベストオブベストを頂いたと思います。

最後は1組になったので彼とかなり突っ込んだ話をいろいろとしました。
知性溢れる人だと思っていましたが、深い話になると更に頭の良さが伝わってきます。
情にも厚い。
しかし冷静に見ているところはかなりシビアに見ています。
私もかなり冷静だと言われることがありますが、たまに我慢していることがあると爆発します。
アルバイトスタッフの不手際を叱っている様子だけを見ると感情的な人間に見えますが、コアの部分ではかなり冷静にシビアに物事を見て判断しています。
ドタキャンがあるともうやる気なくなったと口に出すので恐らく誤解されているでしょう。
AB型の典型かも知れません。
凡人には理解されない天才肌。
まさに努力する孤高の天才の真骨頂です。
改めて中山城助という人間には驚かされました。
そしてこれだけ魅力的な人間もそこらにいないなあと思いました。
私の仕事は人を見極めるというところが最も重要ですし、採用の面接も凄い数担当してきたので、多くの人を見てきましたがこれほど魅力的な人間と出会ったことがあったかなと考えさせられたほどです。
誤解される理由はわかります。
余計な愛想はしない。
受け入れる人と受け入れない人を分ける。
経営者としても優秀なので実は受け入れたフリもしますが、明らかにこれはあかんと思ったら拒否します。
誤解されるというよりも理解されないのかも知れません。
彼が嫁と結婚した理由は頭がいいからですわと言った言葉が印象的でした。
実は私と同じだからです。

ロックンビリーS1の嶋崎さんも強面で気難しいと思われていますが、私はかなり優しい方だと思っています。
城助でのようにほかのお客さんが帰った後にゆっくり話をするということが出来ないですが、進化しなければ現状維持できないという仕事に対する真摯な姿勢だけでなく、彼の優しいお人柄はちょっとしたことから物凄く感じています。

一つのことを天井知らずに極めようとする方は強い信念と明確な価値観があるので世間の多数からは理解されません。
本当に理解するには同じ土俵にまで上がらないと分からないでしょう。
その意味では兵庫県が世界に誇れる二人の孤高の天才を私が理解しているとは言えません。
お二人がそれぞれもう一人の孤高の天才の握りを、つけ麺を召し上がる姿を見てみたいです。
何も語らずも食べただけでお互い分かりあえるような気がします。
凡人の私が自分では経験出来ない二つの太陽が触れ合う瞬間に立ち会ってみたいのです。
実現する日が来るのかなあ。

2018/01/27 更新

25回目

2018/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

結局また無理を言ってしまいました

私の店をとても気に入って下っておられる方が城助に行ってみたいと仰ったので今回は当日ねじ込みではなく、営業休業前の貴重な土曜日の真夜中の3巡目に4人で伺うことになりました。
生粋も行ってみたいと仰っておられたのですが、城助の方がかなり料金が安くて、握りの技術は数寄屋橋次郎の小野次郎氏を遥かに凌駕するという話をしたら、流れとして一緒に行きましょうということになりました。

いつもと違って事前に予約したのでネタもシャリもそのようにしておきますと木曜日伺った時に言ってくれたので20貫以上食べれるかも知れません。
だだ、木曜日は平目の熟成が浅く、クオリティ的にも凄いというものではなかったので最初の握りのインパクトがあるかが心配です。
私や妻が食べる時は、自然のものだから、いくら城助と言えどもある程度の凸凹、当たり外れがあることはわかっているので十分満足出来ますが、初めて召し上がる方には、これぞ城助と言えるもので感想をお聞きしたいので心配なのです。
ただでさえ城助の魅力を知るには最低3回握りを食べる必要があるので尚更です。
3兆95億回書いていますが、トップクラスの食材は毎日の仕入れでクオリティがかなりジグザグします。
皇帝ナポレオン時代の頭のフレンチのシェフの方なら、本気で腐ったものでも美味しくするのが料理だと仰って、食材の凸凹は当たり前だからこそ、同じ味で安定させるのが技術だと仰るのですが、そのような方に限って凸凹するほどの良い食材を使っておられないのには驚かされます。
いずれにしても鮨というものは神技ほどの技術があっても食材のクオリティがストレートに出るので、同じお店で何十回と食べていると毎日食べても毎日味が違うのがわかるのです。
まあ、木曜日からお願いしてあるので、今のベストを彼は出してくれるでしょう。
4人分の席が空くのはなかなか難しいので11時半スタートは無理で0時になるかも知れません。
頼んだ私が言うのもなんですが彼の体調が心配です。
土曜日に備えて金曜日はいつもより多く睡眠を取ると言ってましたがどうでしょうか。
もう、12月30日以外は大人数で3巡目を頼むのはやめにします。
一人で握りだけなら最短で30分で終わるので良いですが、4人となると2時間近くはかかるでしょうね。

今は22時30分です。
今宵は何時にスタートできるでしょうか。

予想よりも早く23時半のスタートとなりました。
4名のはずが5名の席が用意されていました。
誰が来るのでしょうか?
最初にあん肝のつまみ。
私だけの時は特に欲しいと言わなければないのですが
初めての方が3人おられるので出してくれたのでしょう。
これは日本酒が進みます。

平目といかも木曜日のものとは違います。
特にいかは甘みが少なかったのですが、本日のものはぐっと甘みがあり美味しいです。
もしかしたら平目は熟成が異なるだけだったかも知れませんが、木曜日よりも美味しかったです。
鮨という料理は孤高の天才が握っても食材のクオリティがどうしてもストレートに出るので毎日味が変わるので食材によって当たり外れがあるのは致し方ありません。
堂源でも書いていますが、この日のお昼は妻に年に数回あるかどうかの蕎麦を食べさせたくて伺いましたが、私が食べた蕎麦粉はその日の前半で売り切れて、違う蕎麦粉になっていたので全く違う味でした。

鰆。
最近鰆が凄いレヴェルです。
ただ、追加をお願いしたら無いと言われたので、熟成が極限だったのかも知れません。
この後、月曜日からの分を仕込むのでしょう。

鮪は年に数回レヴェルではなかったですが、トロの超希少部位を残しておいてくれてそれは物凄く美味しかったです。
ただ、原価が凄く高かったでしょう。
1貫5000円くらいだったのでは?
見たところ10貫ちょっと分の大きさで原価7、8万と言っていたのでそうなるでしょうね。
美味しいし、安く食べさせて貰えるので城助では嬉しいですが、鮪は不味いものでも天然の生だとかなり高いので普通の寿司屋では食べたくありません。
不味くて高いものは二重の苦痛を伴うからです。
まあ、値段だけが高級な普通の寿司屋に入ることはもう無いでしょうが。
むしろ、行ったことがない回転寿司のくら寿司や富山や金沢の回転寿司の名店と言われているところの方が興味があります。
高級店は、城助を知る前まで日本一と思っていたはしぐちと金沢の乙女寿司とまだ行ったことのないほんの数軒は伺おうと思っていますが、他のお店はご馳走してあげると言われても行きたくないですね。
特に鮪と雲丹と穴子は日本でもトップクラスのものではないと不味くて口に入れるのが嫌だからです。
鮪は関西でのかなりの超高級店でも鮪の味がしません。
雲丹はへんな苦味や苦痛となる風味がある上に雲丹の旨味がほとんどありません。
穴子は臭みがある上に穴子の味がありません。
独特の食欲を誘う風味もありません。
味付けした調味料の味があるだけです。
特に雲丹はトップクラスでないと薬のような風味があるので口に入れると気持ち悪くなってしまいます。
城助よりも勘定が高い店でもそんなものが出てくるので関西の高級寿司屋にはお金を払わなくても入りたくないのです。
例えば、いかや車海老などは大阪の市場でもそれなりにちゃんとしたものがありますから関西の高級店でも食材としては美味しいですが、多くのお店はいわゆる大阪寿司で握りのシャリに大量の砂糖を使うので食べるのが苦痛になります。
醤油の角を取るのに砂糖を大量に使うのは邪道だと何回も書いていますが、握りのシャリも砂糖を大量に使うと食材の味を誤魔化し易くなります。
ところが砂糖の味はすぐ飽きるので途中で食が進まなくなります。
今回初めて来られた方が城助の握りはなるほど、どれだけでも食べられると仰っていましたが、実は食材が最高レヴェル、握りの技術が高いというだけではなく、砂糖を使っていないから際限なく食べられるのです。
某常連の方は城助で8時半から食べ始め、追加追加で先日午前2時までおられたのですが、関西の多くの高級店、所謂タイヤの星がついているお店でも大量に砂糖使っているのでそんなことは不可能です。
食べられません。
大阪や京都や神戸の市場で仕入れた本来の味がない食材を砂糖を大量投下したシャリを使った下手くそな握りの上にのせて出されたものが美味しいわけがありません。
だから東京のちゃんとした鮨屋でちゃんとした握りを食べ慣れた方は全員、関西の高級寿司屋は値段が高くて死ぬほど握りが不味いと口を揃えて仰るのです。
食べるのが苦痛になるからです。
当然逆のケースもあります。
砂糖が入っているとシャリがまろやかな味になり、食材が悪くても美味しいと感じられる方もおられるからです。
砂糖大量投下のシャリに慣れていると城助のシャリはトゲトゲしく感じるでしょう。

その意味において城助の握りは世間では評価が真っ二つに分かれます。
城助の握りは個性的過ぎて二度と食べたくないか、城助の握り以外は本物の握りではないので城助の握り以外は食べたくないか、どちらかです。
あの砂糖だらけのシャリがお好きな方は城助のシャリは嫌いなはずです。
私は後者ですし、浮気者ではないので基本的には城助以外の高級寿司屋は行きません。
後者でもお金が余っておられる方は城助の凄さを再確認するために全国の有名店を回っておられます。
勿論、数は少ないですが、城助は城助で好きだけど、◯◯も好きということは、好みの問題としてはあるでしょう。
例えば、個人的には東京ですし、料金設定も高いので、長い間再訪していませんが、はしぐちならば伺いたいですし、違うハイレベルの仕事として握りを食べたいと思います。
しかし関西のタイヤ高級店は食材が悪い上に握りがめちゃくちゃ不味いのでもう食べたくないのです。
今や関西ではレヴェルが高いと思っている摂津本山の生粋の握りも食べたいとは思いません。
意味がないからです。
時間とお金の無駄。

ということで初めていらっしゃった3名様は、人生初というほどの握りの最高峰を堪能された上に安い勘定に仰天しながら帰られました。
シャリが無くなったのでやや早めに帰りましたが、まだまだ食べ足りなかったので、シャリがあったら中山城助という孤高の天才を過労で殺してしまうところでした。
土曜日に備えて金曜日はいつもより睡眠時間を増やすと言っていましたが、本当のようでした。
3巡目、かなり久しぶりにフラフラではない彼を見ました。
安心しました。
3巡目はもう大人数では伺いません。
本当に。
妻は連れてこないといけないので、多くて二人。
妻に内緒で一人で来る時は、たまにやっていた日本酒は1合だけ、握り12貫の30分勝負のみにします。
午前0時にはお会計を済ませて店を出る。
鮨は本来ファストフードなのですから、優等生の江戸っ子客になります。

また、いつもながら当日予約ではない時は万全の状態で迎えてくれてありがとうございます。
ベストオブベスト。
常に感じています。

追伸
実は城助に関しては伺っている回数が半端じゃないのでアップしていない書きかけの下書きが大量にあります。
古いものはもう記憶がないので全て削除して、昨年の11月、12月分で記憶が残っているものだけは早々に仕上げてアップします。
ご興味のある方にご覧頂けると幸甚です。

城助に通い始めたのは一昨年の12月。
まだ1年と1ヶ月半。
レビュー25回。
今のシステムになる前の分もあるから実際のレビュー数は27回。
書いてない方が多いので、1年ちょっとで50回以上城助に行ってるのですね。
でも月4、5回ペースです。
月10回以上の時が複数あるから、60回以上行っているのですかねえ。
なるほど1週間以上間が空くと禁断症状が出るはずだわ!

2018/01/26 更新

24回目

2018/01 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

遅ればせながら今年初めて

年初は東京に行ったりとかなんとかでバタバタしていて、連休明けは仕事が忙しくて城助行けてないなあと思いつつも1月中旬になってしまいました。

私の店のお客様が城助に一緒に行きたいということで禁断の土曜日の遅い時間に4名の予約を入れさせて頂きましたが、その前にチャンスがあったので今年初めて伺いました。
土曜日の予約の件をねじ込んだ時に、今年まだ来てくれていないというキャバ嬢のような嘆きを聞かされたので、行ければ行きたいけど妻の鬼形相もあり無理だなあと思っていたら、たまたま今宵伺うことができました。
なんと幸せなことでしょう。

握りかなりの数頂きました。
白身やいかはまだ熟成が進んでいませんでしたが、最近いつもすごいサワラが素晴らしかったです。
雲丹、鮪、穴子は最近はかなりの高水準で安定しています。
もちろん、彼の握りの技術云々ということだけでなく、このあたりのタネの仕入れがもはや日本でも有数になった証拠です。
東京のタイヤのなんだ神田御茶ノ水のお店でもろくでもないものが出てくることがありますからね。
特に古い、江戸前というよりも江戸時代の握りを出す店は、寿司が保存食だった時代の仕事をしてこれが江戸前ですと寝言を言うから困ります。
もう平成も終わりですよ。
いつの話をしているのでしょうか。
そういう仕事だと味が物凄く濃いので食材のクオリティをある程度ごまかせますが、それはあかんでしょ。
食材の味が全く分かりません!

より持続性が強くなったシャリと安定の高水準のタネ。
小野次郎を超えた握りの技術。
美味しい。

しかし。
人間は愚かだ。
愚か過ぎる。
これが普通になってしまった。
普通の味ということではなく、ごくごく当たり前の水準になってしまいました。
もう年に一回とか数回というものでなければ震えるような感動は得られません。
これが人間の悲しい性です。
脳の悲劇です。

大好きな赤だしの味噌汁の味がいつもと違っていました。
深いコクがないのです。
味噌汁の味が違うねと言ったら、魚の骨のなんとかがまだなんとかなんですと言っていました。
よく聞こえませんでしたが、要するになにかの魚の骨の出汁がしっかりと出ていないのでしょう。
なんともセンシティブというかちょっとのことで大きく味のブレができるほどの繊細極まりない料理のオンパレードです。
からすみは、今年のできは凄いです。
家で毎日のように食べているのでこの日は食べたいと言いませんでした。
でも、土曜日の秘密の会には出して欲しいです。
私以外の方々に召し上がって欲しいのです。
人生最高に美味しいからすみ。

卵も焼き方を変えて更に進化しています。
究極のスウィーツと言っても良いかもしれません。
まあ、とにかく握り以外にも死ぬほど進化にこだわっていますね、中山城助という天才は。

捕手でプロ野球史上唯一三冠王を取られて、選手兼監督で優勝もしておられる野村氏がイチローについて仰っている言葉があります。
天才が努力したら、凡人にとってははるかに遠い存在になってしまう。

まあそういうことです。
いずれにしてもシャリの延命策は功を奏していますね。
シャリのレヴェルが落ちにくくなっています。
ただし、初めてらしき方がお土産を作って欲しいと仰っておられましたが、それは無理です。
シャリやタネの温度が命の握りでお土産はありません。
すいません、シャリの温度があるのでお土産はやってないのですと丁重にお断りされていました。
まあ、多くの方はシャリの温度やタネの温度は気にしておられないのでしょうね。

城助の魚の熟成に感銘を受けて、スーパーで魚を買ってきて、3日、5日、8日、10日、2週間と実験をして城助の凄さを体感しよう、腐ったものを家で食べてもしょうがないと、城助に来るたびに命を懸けで食べておられる方もおられますが、そのような方は超レアケースです。
私も一応真剣に握りを食べていますが、家でその真髄を知るために腐った魚を食べても構わないとまでは思わないですからね。
仕事に影響するから。

40歳までの命。
弟子はいない。
最近の三巡目はふらふらで握っている。

誰か彼に匹敵する才能の持ち主が、命とお金をかけて、この仕事を盗んでくれないですかねえ。
城助というお店を引き継がなくても良いので、そして城助のコピーであるべくもないので、この魂だけを引き継ぐ人は現れないでしょうか。
ロックンビリーS1の島崎さん?でしたっけ?のご主人が今から城助の握りを研究したら、いつかは味は違っても同じような境地に至るかも知れませんが、彼のほうがかなり年上ですし、もはや究極のラーメンを作っておられるので、やられるはずもありません。
でも、今もラーメンを進化させようとされておられるところは非常に似ています。

芸術家は死ぬまで自分の芸術作品に満足しないものです。
その真の能力に表現されるものが追いつかないからです。
もっと凄いものをというイメージは常にありますし、それを追い求めているから進化しようとするのです。
凡人には理解できません。
しかし、芸術に対する評論家がいるように、世の中に0.01%も存在しない天才の理解者はいることはいるのです。

昨年の12月24日、クリスマスイヴの日。
待合は某有名人が待たれておられたので、珍しく玄関の椅子で席が空くのを妻と待っていました。
御夫婦らしき方々が前を通られたのですが、奥様らしき方がスキップをして帰りたいと仰っておられました。
その御夫婦は年が明けて私のお店にもいらっしゃたのですが、私の店はクオリティだけの勝負で料理とは無縁なのですが、まあ理解される方はされます。
いろいろ言われても、少し前まではアホほど食べログの点数が低くても、理解される方は理解され、彼を愛する方は彼を愛し、そして彼自身もそれに必死になって応えようとするわけです。
このあたりの真実は誰もご存知ありません。

一見お断り、完全紹介制にしてしまえば良いのに、それはやりません。
つい最近も6名のドタキャン連絡つかずのスペシャル攻撃にあっているというのに、そうしない。
経営的にはなんら問題がなく、そうしたほうが彼自身が救われるというのにやらない。
常連に一円の得にもならないような仕事を頼まれても断らない。
ちなみに週休二日にしたらと言ったら、いいっすねえと言っていましたがやらないでしょう。
常連にやめてと言われたやらないのです。

ロックンビリーS1のご主人も相当世間から誤解されていると思いますが、中山城助という男もかなりまだ誤解されていますね。
今度の土曜日には中山城助が怖くて城助に行くのをためらっていたという方を城助にお連れしますが、その方は理解されるとしても、世間的には半永久的に誤解は溶けないまま終わるのでしょうね。
仕込みがしんどいからある年齢になったら蕎麦屋をやると彼は某蕎麦命の常連の方に語ったそうですが、それだけはやめてと堂源の東野さんが叫んでいました。
世界一を目指して臼を蕎麦粉によって変えてみたり、あれをしてみたり、それをしてみたりと結局寝ないで研究し、時間を費やすでしょうから、どんなに優れた同業者でも嫌でしょう。
某常連さんは、そうなったら自分も城助さんと一緒に蕎麦屋をやると本気で言っておられましたが、地位も名誉もある東大卒の彼が本当に蕎麦職人になるのでしょうか?

分かりました。
弟子がいない、城助とロックンビリーS1の魂は、両方とも私が引き継ぎます。

続く。

2018/01/20 更新

23回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

城助の一番長い日

城助の一番長い日に備えて3日前から禁酒していましたが、昨日ニューキタノザカで大飲みしてしまい、全て台無しになってしまいました。

集合時間は午前0時なので正確に言えば31日になっています。
今年は3回転目のためにわざわざシャリを炊いてくれました。
所謂、城助で言うところの5時半のシャリです。
私たちは妻と友人で3人。
午前0時半を過ぎると多くの方々いらっしゃって、いつもより一つ椅子を多くして10人での真夜中の晩餐会になりました。

私の大好きなさよりに黄身をあえて酢飯の上にのせたつまみから始まり、今日のこの時間に焦点を合わせたという城助渾身のコース内容は逸品ばかりでした。
握りの最初は平目でしたが、いつもながらに美味しかったです。
私は白身の握りが一番好きなので、白身の握りが美味しいのは本当に嬉しいです。
しっかりした味の鮪や穴子ももちろん美味しければ好きですが、とにかく白身といかが大好きです。
逆に申し上げれば、江戸前の握りで白身やいかが不味いお店は大嫌いなわけです。
基本的に江戸前は鮪や穴子にシャリを合わせるので白身やいかには合いません。
酸味が勝ちすぎるのです。

さて、本日のメインイベントでもある炊きたてのシャリですが、仕上げてから30分は米がパラパラ過ぎて上手く握れませんでした。
5時半のシャリは、5時に仕上げて、開店後握りに入る頃に使うからちょうど良いようです。
従って30分過ぎてもちょっと握りにくっすわと言っていました。

この日のさわらは抜群でした。
全体的に高レベルであったのですが、特に今まで城助で頂いたさわらでは一番美味しかったですね。
これほど綺麗なさわらの旨みがあるものは城助でも食べたことがなかったので、これは凄いねと言ったら、流石っすねえと言っていました。
本当に美味しかった。
でも究極というものを一度経験してしまうと今後はさわらの基準がそれになってしまうので辛い面もあります。
この日は築地で一番札がついた大間の鮪の極限まで熟成したものを出してくれて美味しかったのですが、これまで頂いた中で最高の龍飛崎の赤身などかなり凄いものを城助で経験してしまっているので、同じレベルのものではないと大満足にならないところが辛いです。
雲丹も本日のものはかなり良いものでしたが、由良の雲丹の極限を食べてしまっているので、それには全く及ばないなあと思ってしまうところが悲しいところです。

炊きたてのシャリですが、物凄く美味しかったです。
城助のシャリは尖っているとか酸味が強いと言われることもありますが、炊きたてのものは酸味などほとんど感じません。
むしろ、白身にも鮪にもフィットする優しい旨みが引き立ちます。
炊きたてのものは、シャリがパラパラ過ぎて妻は城助握りの特徴である一体感が無くなっていると言っていましたが、味のバランスは最高だと思いました。
当然、時間が経つにつれベストな状態になり一体感が出てきたのですが、極限のベスト状態というのは長く持たないような気がします。
ある意味、非常にセンシティブなシャリなので、ベストの状態を保つことが難しいと改めて思いました。
ベストに近いものを一度食べていれば、そこまでの状態でなくても良いところばかりを感じるようになるのでいつでも美味しく頂けますが、一度食べただけではベストの状態を知ることは難しいので、その魅力を知ることができないという可能性があるなと感じました。
また、何十回も頂いている中で、2回だけ酸味を強く感じたことがありました。
常に試行錯誤を繰り返しているので、何かの加減で酸味を強く感じるシャリになってしまうことがあるのかも知れません。

食べ慣れて常連になれば、どのような状態の時でも楽しめますが、あまりに芸術性が高いと言うか、センシティブ過ぎるために、1度や2度食べただけではその真の実力に気がつかないというケースは有り得るでしょう。
それは、どんな寿司屋、料理屋にも言えることですが、食材のクオリティと同じで、レベルが高過ぎる料理や握りというものはちょっとしたで微妙な変化でもはっきりと分かってしまうということになるのでしょう。

顔面に傷があったので、もしかしたら倒れたのと訊いたら、一昨日お客さんが帰られた後、意識がなくなって倒れたようで、あまりに顔面が痛くて意識が戻ったそうです。
まあ、私はあまり行けなくなりますが、秘密の三回転目をやめるか、週休二日にしたほうがいいんじゃないと言いました。
年末の後半は日曜日も祝日もフル営業で休みを取っていない上に、なんとこのあとまだ頼まれている仕事があって、まだまだ仕事を終われないということでした。

途中で眠りそうになったり、妙にハイになったりして、いつもより時間がかかり、この日は午前5時過ぎに店を出ました。
お疲れ様でした。
いや、まだ終わってないか。

少し寝たあとで昼過ぎに妻と味勧屋(百屋の2号店)におせちを取りに行く途中で、ふと頭に浮かんだことがあって、城助に電話をしてお店に行ったのですが、このことは妻が書かない方が良いと言うので書きません。

具体的なことは書きませんが、中山城助という男は芸術家であり、鮨職人は笑いながら仕事をしたらあかんという信念があり、自分の芸術を台無しにする人間は大嫌いなので誤解されやすいですが、逆の視点で申し上げれば、芸術を理解して自分の握りを愛してくれる人は大好きですし、一度懐に入れてしまうと実は人情深いところが丸出しになってしまいます。
だから、頼まれると断れずに年末は無休にしたり、利益にならないような仕事も引き受けてしまうのです。
育ちが良いからかなあ。

私が言うのもおかしいですが、深夜三回転目はその時間にしかこれない有名飲食店経営者や大常連の方々もいらっしゃるので断ることはできないのでしょうが、せめて週休2日にしたらと思うのですが、恐らく入院するような事態にならない限り、今のような24時間仕事体制は止めないのでしょうね。

一期一会の芸術品を楽しませて頂いている者としてはなんとも複雑な気持ちになります。

城助が存在する限り私が東京に戻る可能性は0%です。
私にとってこんなに素晴らしい鮨屋は日本国中探してもないですし、今後も現れることは絶対にないでしょう。
彼の芸術作品だけでなく、彼の知性や人間性が大好きなのですから。

一年間ありがとうございました。
また来年もよろしくお願い致します。

2017/12/31 更新

22回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

常に進化

年末は日曜日も営業です。
クリスマスイヴです。

昼、私の店も城助も常連になられている方々が私の店にいらっしゃっていて、妻も挨拶をしにきたら、今日は城助やってるから3回転目行こう!というノリになりました。

妻も入れて5人。秘密の3回転目に5人は無理と思いながらも電話してみました。
ネタが無いっすわ。
僕以外はめちゃくちゃ食べてるから、他の人は5貫でいいんじゃない?
ほんますか?
まあ、酔ってるから本当に行くかどうかもう1度確認するけど、僕と妻は必ず行くので。
また、すぐ電話します。

もう眠くなってきたとか、本当はこれから東京に戻って彼女に会うとか、池上のとんかつ屋のラストオーダーに間に合うのかなとか、1時間近くグダグダの話の後に、お二人は眠いということになり、結局、彼女よりも城助さんを取る!と宣言したKさんが行くことになりました。

深夜11時半過ぎ。
Kさんは東京ではなく京都の自宅に戻って仮眠した後、クラフトビールのお店で飲んでから新幹線で新神戸に戻り、ル・サロンで待機です。
彼はいつもル・サロンでカクテル2杯飲んだ後に城助にいらっしゃるというのがルーティンです。
お店で待ち合わせ。
クリスマスイヴなので結局始まるのは0時になりました。
こんな日の真夜中に他に1組、3回転目にいらっしゃった方がおられたので驚きましたが、なるほど、城助常連の神戸の超有名店のオーナーの方です。
眼鏡が違うので最初は気がつきませんでした。

真夜中の5人。
先日、一番札、すなわちその日セリで一番高い値段がついた大間の鮪が手に入ったようです。
遂に城助は鮪の一番札が入るようになったのですね。
うーん。
東京の何十軒もある高級寿司屋を差し置いて、神戸に大間の鮪の一番札が送られてくるとは!

最初の握りは平目。
いつもと味が違います。
シャリの旨味が更に増えているのです。
あれ、今日は体調が良いのかな?
いつもより美味しく感じると呟くと、感じるじゃなくて美味しいんですよ。と城助さん。
でもシャリの味が違うじゃない。
旨味が増してる。
炊き方を変えたんすよ。
どんな風に?いつも試してるの?
そうっすね。
今日のはシャリのレベルがこんな時間になっても落ちないんすよ。
だからこんなに旨味を強く感じるんだ。

その後、一番札のギリギリまで仕事熟成させた鮪を頂きましたが、それよりも感動したのは今も常に進化のためのトライを続けているのです。

鮪はかなり美味しかったです。
ただ、妻が言うように少し前に頂いた竜飛岬の鮪の赤身の方が凄みがありました。
大間だから最高、一番札だから最高という訳ではないのです。
何度も書いていますが昨日の一番札と今日の一番札と明日の一番札はかなり味が異なります。
産地も異なることが多いでしょう。
確かにブランド化されている産地のものは高い値段がつきますが、必ずしも味とは正比例しません。
最高級の食材とはそのようなものです。

しかし、食材もより凄いものが入って来てますが、驚くべきは中山城助という孤高の天才の努力する側面です。
もはや、ここまで仕事を好きになれるのが羨ましくなりました。
食べ歩きと多くの寿司職人の動画を何億回と見て築き上げた進化し続ける握り。
今まで誰も語らなかった彼の真実です。

完成された料理などこの世に存在しません。
進化のために食べ歩きをしない料理人には死んでも理解出来ないことでしょう。
ただ、食べるだけでも意味がありません。
そこに命がけの目的意識があるか否かが重要です。

2017/12/25 更新

21回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

城助都市伝説の真実

伺っている回数があまりにも多いので下書きのままのものや他のお店で下書きになっているレビューが多くありますですが、ちょっと書きたいことがあるので一昨日のことをとりあえずアップします。

12月いろいろとタイミングが合い、週2ペースで伺っています。
月10回はどうだろうか?
城助で1年で一番大切な日、仕事納めの12月30日、秘密の3回転目は確定していますが、それまでに何回伺えるでしょうか。
今年最後のお客は私たちになるだろうとバイトスタッフの間で噂されているそうです。
昨年の12月30日は伝説の仕事納めとされています。
今年は3時半とか4時にはならないと思いますが、、、。
30日はシフトに入っているスタッフの方々も覚悟していらっしゃるそうです。
家に帰れるのは5時?6時?
でもシャリの温度が持つのかかなあ。

今宵も深夜の3回転目ですが、0時少し前まで1席も空きませんでした。
やっと空いたのですが、店に伺った時もまだ残りの方は話に花が咲いて、握りを追加されておられました。

中山城助。
40歳で死ぬと医者から言われている孤高の天才。
都市伝説が一杯ありますが、直接ご本人から聞いている真実を今宵はお話しましょう。

睡眠時間、2時間未満。
本当です。
現在37歳。40歳で死ぬと言われている所以です。
そのため、休みの日以外は基本的に朝ごはんしか食べません。
空腹でないと眠ってしまうからです。
仕込みなど作業中にも座りません.
寝てしまうからです。

何故寝ることが出来ないか?
弟子を取らずほとんどのことを一人でするからです。
予約の電話も自分で受けます。
弟子を取らないのは、城助という店は一人で完成させる芸術の世界だからです。

修行先。
ネットではいろいろな情報がありますが、寿司の修行はしていません。
行くべき全国の寿司屋のリストに従って食べ歩いた経験と独自の感性だけで作り上げた世界、握りです。
よって師匠はいません。

家にはほとんど帰らない。
本当です。
睡眠時間2時間未満じゃ無理です。
お子さんが入学した中学も知らなかったそうです。
仕事だけが全てです。
寿司屋巡りは趣味と言えないこともありませんが、仕事です。
私も食べ歩きは全て仕事になってしまいました。
どんな機会、どんな理由であれ、外食は全て例外なく仕事です。
家での食事も9割は仕事です。
意味のない、目的のない食事などありません。
外食の場合は食べるだけでなく、接客、気遣い、雰囲気、システム、教育、全て仕事の対象です、
まあ、経営者の場合は飲食に限らず、365日24時間が仕事で、夢から仕事のヒントを得て利益に繋げることが出来て初めて一人前となるのですから、今日、今のように昼間京都の街を一人で歩くのも仕事です。
彼は寝る時間もほとんどないほど仕事をしていますが、そこまでしなくても本来経営者に仕事をしていない時間などありません。
例えキャバクラや高級クラブで飲んでいても常に仕事のヒントを探していなければ本物ではありません。

鍛錬。
これは知られていないことです。
彼が店に全くいないのは元旦と2日だけ。
奥様の実家に泊まるそうですが、握りの練習が出来ないので、箱根駅伝を見ながらキッチンペーパーを使って握りの練習をしているそうです。
1日握りの練習をしないと感覚が鈍るので、必ず毎日練習します。
僕は1日1日、鮨を握るのが上手になっていますとたまに仰いますが本当です。
昨日よりも今日、今日よりも明日、必ず握りの腕は上達しています。
城助の握りは常に進化し続けるのです。

本当の意味で命を削って完成させた芸術品。
握りを30秒以上たっても食べて貰えない場合は、捨てるしかありません。
シャリの温度が下がって酸味が強くなった酢飯に魚が乗っただけのものは彼の芸術作品ではないのでこの世に存在してはならないのです。
また、常識的に考えておかしな方が出入り禁止になるのはこのお店に限らない話です。
他のお客の迷惑になるとか、箸でカウンターを叩くとか、人としておかしい方は駄目に決まっています。

今宵の握りも最高。
午前1時に食の芸術品を楽しむことが出来る至高の時間。
今宵の握りは熟成したイカが美味しかったです。
来るのがわかっていてギリギリまで熟成したものを1貫分だけ残しておいてくれたようです。
白身も旨味の強いところを残しておいてくれました。
いちいち言わなくても食べればわかります。
他の方と伺った時はたまにこれは何々と仰いますが、私一人の時は何も言いません。
食べればわかる、それだけです。

真夜中に二人だけの芸術空間。
この日はずっと話したかったことを話すことができました。
彼は人間としても超一流です。
職人バカ、芸術家気取りの人ではありません。
芸術を無理に理解して貰おうとは思っていません。
しかし、人として素晴らしいです。
飲食業界では珍しく常識をきちんとわきまえておられます。
物事を冷静に客観的に見ておられます。
私自身にとっても数少ない心を許せる友人の一人です。

城助の1年で最も大切な日。12月30日。
今日は22日、30日までにあと何回この芸術空間を楽しむことが出来るだろうか?

30日までにあと何回これるかなあ。
ふと呟くと彼は答えました。

何回も来てください。

25日過ぎると30日以外は入りやすいのかな?

城助は仕事で命を削られ、私は妻に命を削られることになるでしょう。

ヴィトンのユタのリュックの新作欲しいけど買ってくれないなあ。

2018/01/26 更新

20回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

抜群の10貫

下書き完成後アップシリーズです。
他にも11月12月は城助に行っていると思うのですが、細かい記憶がないのでこれがこのシリーズの最後です。

この日はまたまた自分の店のお客さんと一緒に真夜中にねじ込みで入りました。
計4名。
最新のレビューで書きましたが、孤高の天才の生命危機なのでもう真夜中の大人数でのねじ込みはもうやりません。
一人で30分12貫か妻と二人で3巡目でも比較的早めに入れる時だけ来るというスタイルに変えます。
12月30日以外は午前0時には帰ります。

流石にこの日はシャリもタネもほとんどないとのことで5貫勝負で良いのでお願いしますと言いました。
白身、鮪、雲丹、穴子を食べて貰えば城助の凄みは分かる人には分かって貰えるからです。

孤高の天才はシャリがねえと言ってましたが、そこまではシャリは落ちていませんでした。
温度もなんとかギリギリいけてました。
これなら初めての方に出しても大丈夫でしょう。

平目。
12月は凄い日が多かったのでこの日もかなりのレヴェルでした。
あとキスとアジも出してくれたと思います。

そして、鮪。
関西の某ミシュラン寿司屋の常連の方をお連れしたのですが、これが本物の鮪の握りですと申し上げたら、ご夫婦で頷いておられました。
一番札の鮪が入るお店ですからね。
常に高レヴェルがもう普通です。

雲丹。
城助レヴェルです。
ということはこの日、日本の全ての寿司屋の中でもトップクラスの雲丹です。
関西ではこちらとさえきだけかも知れません。
由良の雲丹の季節は城助が雲丹日本一です。
常に一番札、二番札ですから他のどんな寿司屋も真似出来ません。

穴子。
城助の看板握りの一つです。
特に塩が秀逸です。
季節が悪いとかなり落ちてしまうことがありますが、一番底の穴子でも某関西の超有名タイヤ星店の穴子よりも遥かにマシでした。
ほぼ同時期に、もしかしたら昼夜の同じ日に最悪の季節の穴子を食べ比べましたが、城助はちゃんと食べられました。
某タイヤ星店は商売として出すレヴェルの穴子ではありませんでした。
築地の仕入れということですが、築地だからまともなものが手に入るとは限りません。
こんな仕入れしかできないのであれば高コストをかけて築地から仕入れる意味がないですし、実際に送られてきても使わないという判断をしなければなりません。
城助よりも料金設定も高くタイヤの星も多い寿司屋がこんなものをお金を取って出すから、関西には鮨屋は城助以外に存在しない、本物の握りなど皆無だと書くのです。
本当に関西の、、、、、。
考えられない。

嫌々ながらも本当は優しくて人情家の孤高の天才は10貫ほど出してくれました。
シャリのレヴェルが落ちるので初めての方には出したくないのです。
嫌々でこのレヴェルは凄いからと真夜中のねじ込みをついついやってしまいます。
でも、何度も言いますがもうしません。
孤高の天才が灰になってしまいます。

0時までに帰れる時限定にします。
他にも夜中に常連の方がいらっしゃる時はご相伴にあずかるかも知れませんが。
私の手では孤高の天才を終わらせたくありません。

2018/01/21 更新

19回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

妻と真夜中の握り

下書き完成後アップシリーズです。

これだけの鮪を食べてしまったら、妻にも食べさせないとまずいです。
また、孤高の天才の命を削る真夜中に夫婦でノコノコと城助にやって来ました。

一番札の鮪。
業界で認められたほんの数件だけに仕入れることが許される鮪。
毎日入るわけではないので、一番札の鮪を食べるチャンスは全人口の何百万分の一。
人生で一度でも一番札の鮪を食べられる人は恐らく1000人はおられないでしょう。
流石に100人ということはないでしょうが、500人いるかなあ。
業界が認めたその数軒のかなりの常連じゃないと確率的に無理ですから、200人とか多くて300人?

勿論、ある日食べた一番札よりも違う日に食べた数番手の方が美味しいということは結構あります。
日本人は食のブランドが好きなので、大間の鮪が一番札になることが多いですが、大間だから常に凄いとは限らないので違う日の竜飛崎のものがある日の大間の一番札よりも遥かに美味しいなどということはしょっちゅうあります。
ただ、一番札が仕入れられる鮨屋で食べないと鮪の本当の美味しさは分からないだろうとは思います。
雲丹もセリにかかるので似たような状況だと思います。

そうなると鮪と雲丹の本当の味をご存知の方は日本に300人ほどしかいらっしゃらないのでしょうか。

とするといつも私が鮪の味がしない鮪とか雑味がありへんな風味の雲丹とか、鮪に限らず鶏肉の味がしない鶏肉とか書いていることはほとんど方には理解して頂いていないのでしょう。

いずれにしても一番札の鮪を妻に食べさせることが出来て良かったです。
これだけでも私と結婚した意味があるでしょう。
世の中の99.99%の方はその存在すら知らず味も分からず亡くなるのですから。
私の父も母も食べられなかった。
妻の父も食べられなかった。
お元気なうちに妻の母にだけは食べて貰いたいですね。

あらら?
他のレビューを見ると一番札に関しては整合性がないですね。
一番札はこの後?
この日は妻が人生で一番美味しいと言った鮪だったかも知れません。
記憶が錯綜してすいません。
何れにしても凄い鮪でした。

2018/01/26 更新

18回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

真夜中の握り

下書き完成後アップシリーズです。

この日も鮪が凄いということで妻に内緒で仕事の後に来ました。
12月の下書きアップは上に表示されないので妻が読むことはないので安心です。
店の常連の方と伺うのは仕事上の付き合いなので一応許されていますが、一人で城助に来るのは禁止されています。

今宵はかなり遅い時間からのスタートです。
これは食べて欲しいということだったのでまた遅い時間に悪いなあと思いながらもご好意に甘えてしまいました。

何故ここまで凄い鮪が仕入れられるようになったのでしょうか。
初夏にはスカスカの鮪しか入らない時期があったというのに。
今や一番札の鮪が入る時があるのです。

この凄さは業界人じゃないとわからないでしょうね。
雲丹は淡路ご実家が雲丹の仕事をされておられるので由良の雲丹の一番札が仕入れられるのは珍しいことではありませんが、それも実は凄いことです。
さえ喜である日、今日の雲丹は二番札だとご主人が得意げに仰っていましたが、関西一の寿司の超有名店でも得意げになるほど入手することが困難なのです。

鮪の一番札が仕入れられる寿司屋は日本に何軒あるでしょうか?
20年くらい前までは3軒だけでした。
その後1軒が閉店されたので2軒しかありませんでしたが、今はもう少し増えているようです。
5軒?10軒はないと思います。
その中に城助も入ったということです。
何故そんなものが手に入れられるようになったか、ご本人から直接聞いたので理由を知っていますが、差し障りがあるのでネットでは公表しません。

まあ、何れにしても業界では5本の指に入る鮨屋と認められているわけです。
東京以外ではもちろん城助だけです。

そんな鮨屋が自宅から徒歩圏内にあるとは!
神戸に仕事でやってきたのは、妻との結婚よりも城助と出会うことが運命だったのですね。

2018/01/26 更新

17回目

2017/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

禁断症状

麻薬。
相変わらず芸能人が麻薬で逮捕されています。
テレビを見ていたらワイドショーで覚醒剤と大麻の違いをやっていました。
覚醒剤は食べなくても眠らなくてもよくなるそうです。
大麻は五感が物凄く敏感になるそうです。
だからミュージシャンに逮捕者が多いそうですが、実は味覚もかなり敏感になるそうです。
特にジャンクな食べ物が異常に美味しく感じるようです。
有名な料理人の逮捕者が出ないのはそこに理由があるのでしょう。
なんでも美味しく感じるようになったら繊細な料理が作れなくなるからです。
風邪薬や痛み止めを飲んだだけでかなり味覚が変わるので麻薬などやったら通常とは全く異なる味覚になるでしょうし、それは戻らなくなるのかも知れません。

城助の握り。
城助ラバーは異常に城助の握りが好きなので依存症と言えるかも知れません。
麻薬は体を蝕みますし、五感が異常な状態になりますから依存症にならないように法律で禁止され、バレたら逮捕されます。
城助の握りは体に良いので逮捕されませんが、余りにも通い過ぎると流石にお金もそこそこかかりますし、普段家で食べる魚介類を死ぬほど不味いと感じながら食べなくてはならなくなるので、数時間の快感と引き換えに殆どの食事が苦痛となります。

時間がある時のランチであれば、もう一人の孤高の天才嶋崎さんのロックンビリーS1や神戸元町で本物の蕎麦を提供し続けてくれている東野さんの堂源がありますが、夜はほとんど家で食べるのでなかなか大変です。
特別な穴子やカラスミが手に入ったりすれば楽しいですが、比較的美味しいイカリの惣菜にも飽きましたし、ポートピアホテルのおつまみセットと極上のチーズでワインを飲むのもいつものことですし、オーガニックの野菜はちゃんと甘みがあるのでドレッシング無しで食べられますが健康のために食べているというのがメインですし、名古屋コーチンは週に3回は食べているので感動はありません。
打出のなかすじの超一流の牛肉でしゃぶしゃぶをしても、平沼商店の牛タンを特別な塩で食べても嬉しいとは思いません。
時間がある時に妻が作ってくれる手料理だけが美味しいです。

城助に1週間以上行かなくなると禁断症状が出てきます。
ある東京の鮨屋の常連の方が、毎週土曜日、このお店で食べることを楽しみにして1週間働いていると仰っていました。
完全なる依存症。
城助のお客さんが今日も美味しいお鮨が食べられた。
これで明日からまた働けます。と仰っておられるのを聞いたことがあります。

関西では口にすることができないトップクラスの鮪。
夏の由良の雲丹は当然としても、それ以外でもトップクラスの雲丹がほぼいつもあります。
関西でこのような雲丹が手に入るのは城助とさえ喜くらいしかないのではないでしょうか。
トップクラスの雲丹は築地のたった二つの仲買しか手に入れることが出来ません。
それらのお店とのかなり太いパイプがないと買うことができないからです。
築地でも鮪と雲丹だけはセリにかけられます。
トップクラスのものが最も入手困難な二つの食材です。

雲丹は元々城助は凄かったでしょうが、鮪の高いレヴェルでの安定感とたまに入る一番札、二番札というものが神戸で食べられるということには驚かされます。

この二つの食材がトップクラスで安定して入る寿司屋は東京でもほんの少ししかありません。
一箱7万という板雲丹もありますからね。
一貫の原価5000円以上。
一番札の鮪はもっと高いです。

このような鮪や雲丹に慣れてしまっているのは危険極まりないことです。
禁断症状と戦うのが益々困難になっています。
最悪なことに城助で食べても完全には満足できない時が出てきてしまっています。
36億回書かせて頂いていますが、トップクラスの食材は毎日凸凹があるからです。
年に数回というトップオブトップを脳が覚えてしまうと自然と比べてしまうのです。

あー、全く新鮮な気持ちで城助の鮪や雲丹の握りを食べてみたい!

2018/04/20 更新

16回目

2017/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

またもや鮪そしてシャコ

こちらも少し前で覚えている時の下書きからのアップです。

11月、12月は、恐ろしいほどレヴェルの高い鮪が入っていました。
この日は11月ですね。
祝日ですが営業されておられるので妻も一緒に行けるということでいつもの如く真夜中の3巡目に夫婦で入れて貰いました。

妻は私以上に美味いものが好きです。
城助などと言う日本一のお店に私が一人で行くことを許しません。
自分だけ美味しいものを食べて贅沢をしてお金を使うのは人間じゃないと言うことになるのです。
夫婦で月に何回も城助に行けば、お金もなかなかのものになることもありますが、どちらにしても夜二人で外食に出かけるチャンスが無いのです。
妻は翌日休みの日以外は外で食事をするのは原則禁止ですので、金曜日か土曜日か祝日前か休みを取った日の前日かのいずれかしか城助に行けません。
そのような日はまず私は夜仕事が入っているので城助の1巡目、2巡目は物理的に入れないのです。

この日は祝日ですが、翌日妻は休みを取っていましたし、3巡目からなので二人で城助に伺うことが出来ました。
出来れば3巡目に二人で伺うのは負担になるので避けたいところですが、妻にどうしても食べて欲しいものがあったので無理矢理伺いました。

一つは前述した鮪ですが、鮪は妻も最高レヴェルを食べたことがあります。
だから一番食べて欲しかったのはシャコです。
シャコ。
この日はつまみだったかな?
つまみと握りだったかな?
忘れてしまいましたが、とにかく私が大嫌いな固く茹でてみたらし団子のタレをべっとりとつけたシャコとは全く違う食べ物なので妻に食べて欲しかったのです。
この奇跡のように美味しいシャコは2回しか食べられませんでした。
来年は5回は食べたいです。
ということは2週間に5回来ないといけませんね。
一度は妻と。
あとは妻に内緒で4回伺うしかありません。

2018/01/25 更新

15回目

2017/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

シャコ

下書きのままのレビューが実はかなりあるので少しアップさせて頂きます。
いつものように長々とは書きません。
あまりにも古いものはもう記憶がないので下書きから削除しました。

この日印象に残ったのはとにかくシャコです。
固く茹でて甘辛いタレがのったシャコは大嫌いです。
江戸前と江戸時代の寿司の違いをご存知ない寿司屋では必ず出てくる不味いシャコの握り。
シャコの味がないものにあの江戸前だと言い張る濃い味の甘辛いタレ。
最悪です。
みたらし団子ですか?

城助は特上のシャコが入った時だけシャコの握りを出します。
勿論、みたらし団子にはしません。
シャコの味と風味が全く感じられなくなるからです。

シャコの本当の美味しさをご存知ない方がほとんどでしょう。

2018/01/22 更新

14回目

2017/11 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

温度管理についての誤解

握りの温度管理について世間では大きな誤解があるような気がしています。
そもそも人肌の温かいシャリであれば温度管理がされているとは言えません。
色だけ赤酢になっていて温かいだけではなんの意味もありません。
タネとの一体感を目指した上でどのような温度が最適かを追求したものでなければならないのです。
ただ、シャリを温かくしたものを温度管理というのは間違いです。

そして一番気になるのは、ある程度シャリ自体の温度は管理していてもタネの温度を管理していない場合です。

例えば、摂津本山の生粋は、ある程度シャリの温度管理はされていると思うのですが、タネの温度管理がしっかりと出来ていません。
だから、突然人肌のシャリの上に冷たいタネがのっていて、一体感どころかヒャヒャヒャと思ってしまうのです。
これは本当に不味い。

私はいろいろな意味ですきやばし次郎が好きではありませんが、流石に世間から絶賛されているだけのことはあって、シャリだけではなく、握りの温度管理はされています。
鮪と車海老の握りはかなり美味しいと思っていますが、ピタッと一体感があるのです。
その意味では城助と同じ価格設定であればまた伺いたいとは思っています。
城助に2回行けるので絶対に再訪はありませんが。

関西でシャリが温い寿司は何度か頂いていますが、握りの一体感という意味で温度管理がされたものは頂いたことがありません、城助以外では。
シャリが温い握りと温度管理された握りが同じものとされているのはかなり悲しいことです。

城助は提供に時間がかかると批判される場合がありますが、これは弟子がいないからだけではなく、タネとシャリの温度を調節しているからです。
城助さんの所作を見るのが好きな方は鮪などを切った後にしばらくまな板の上に置いているのをご覧になったことがあるはずです。
温度を確認している。
芸術家の芸術はその芸術性を愛する人にしか理解されません。
私は鰻屋で注文してから鰻が10分、20分で出てきたらもうその時点で食べる気が無くなります。
それと全く同じことです。
そんな鰻屋が人気店であると真剣に食を楽しむ人は世間に少ないんだなあと非常に残念になります。
私は飲食店には切磋琢磨して欲しいからです。

より良い状態で本当に美味いもんを食べる。
これを望まない方には城助は合いません。
絶対にいらっしゃらない方が良いでしょう。

「今日、明日はどうですか。」
「まあ、◯◯と一緒じゃないとねえ。どうして?」
「鮪が今日、明日、いいっすわー。」
「そんなにいいの?大間?」
「龍飛崎すわ。最近は大間より龍飛崎がいいんですわ。」
「二人今日、明日入れるの?」
「遅い時間ならいけますわ。」
「じゃあ、◯◯と相談してまた電話するわ。」

ということでなんとか妻を説得して今日伺うことになりました。

ワクワクしますね。
ここまでは伺う直前に書きました。
さあ、城助劇場の開演です。

食べたものの詳細は妻が書いたので細かくは書きません。
やはり鯛、平目という白身の握りの迫力が凄いですね。
温度管理がされていると塩が強いとか酸っぱいとか感じずに赤酢の旨味が強く感じられ白身の魚とパーフェクトにフィットします。
この温度管理のお陰で強く感じる旨味と魚の本来の味と一仕事した煮切りなどが相まって唯一無二の芸術的な握りが完成するわけです。
これが鮪やスミイカやサワラの燻製ともジャストフィットするのです。

龍飛崎産の鮪。
凄かったです。
赤身の美味しさは今年最高かな?
中トロも美味しいですがとにかく赤身が飛び抜けて美味しかったです。
このような鮪の味を知ってしまうことはもはや不幸としか申し上げられません。

鮪以外は普通です。まあいつも通りですわ。
と城助さんが電話で仰ってましたけど、鮪が無くても大満足の内容でした。
平均値の高さには驚愕させられます。
恐ろしい。
握りについては世の中で空気を多く含んだもの、口に含むとホロリとなるものが絶賛されていますが、私がこだわるのはタネとシャリとの一体感だけです。
まあ、中毒性の高い麻薬のような握りです。
貴方も三度召し上がれば虜になりますよ!
逆に城助の芸術的な握りは3回召し上がらないと真価は分かりません。

今夜も食べたい。
妻に内緒で行って後から土下座して謝ろうかな。
マジで。

2018/01/26 更新

13回目

2017/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

予約が取れるとワクワクする

予約が取れるとワクワクするお店というのはほとんどありません。
世間の評判が物凄く高くてやっと予約が取れたとなるとワクワクするのかもしれませんが、東京での独身時代ならばそんなお店の予約を取ることにも挑戦していましたが、今はもうしません。
取れたは良いが食べたら期待はずれというリスクは常にありますし、今は夫婦二人で行くので(結婚したのに結婚したのは嘘だと何年にも渡ってストーカーによりネットでデマを流され続けられ、それを信じている方が実際におられたのには腰が抜けるほど驚きました。エヴィデンスがないネット情報は全て嘘です。)2倍のコストになるため単にお金がもったいないということもあります。

また、東京に住んでいる時には予約が取れるとワクワクするお店がありましたが、神戸に来てからはありませんでした、城助と出会うまでは。

最近はペースが落ちているとは言え何十回とリピートさせて頂いているお店で今も予約が取れるとワクワクするというのはある意味異常です。
私がこのお店を紹介した方が、城助はある意味麻薬だと仰いましたが脳科学で考えれば実際にそうなのだと思います。
城助の握りは一度ハマると中毒性があります。
最初食べた時は個性的だけど美味しい程度に思いましたが、2度、3度と食べるともしかしたら日本で一番美味しいのではと思い始め、10回目にはもう城助以外では鮨は食べたくないと思い始めました。

従って実際に1週間毎日食べても全く飽きませんでしたし、今も許されるのであれば週3回は食べたいと思っています。
毎日でも飽きないのは美味しいからだけが理由ではありません。
毎日味が違うからです。
今日頂いた鯛もさわらも鮪も穴子も何もかももう二度と同じものは頂くことは出来ません。
極上のものは3兆33回書かせて頂いていますが、極上であるがゆえに個体差が際立つので同じ味のものはないのです。
増してこのお店では熟成をさせるので1日違えばかなり味は変わります。
熟成は度合いが増す場合もありますが、ピークになれば次の日は一番若くなります。

麻薬は単に脳の構造を壊して思考力も味覚も嗅覚もなにもかも衰えさせ廃人へと導きますが、城助の握りは脳に常に新しい喜びをもたらすとともに明日への活力を与えてくれます。
また城助に来れるようにがんばろうと。

土曜日金曜日は満席で入れず、月曜日は妻の都合でどうしても伺えず、やっと今日伺えました。
急に気温が下がり鼻がつまり気味だったので、城助さんに万全の体制を整えたのにその鼻じゃ残念と言われてしまいましたが、私が一番残念でした。
妻は私が感じているよりも更に美味しく感じていたはずです。
本当に美味しいものは噛んだ時に鼻から抜ける風味によって更に美味しくなるので。
お店に着いたら急に悪化してしまって本当に残念でした。
後半は良くなりましたけど。

100貫食べると宣言したので鮪の色々な部位を何種類も出してくれました。
脂の少ない大トロ、とても美味しかったです。
実は脂ベットリのところだけが大トロではないのです。

鮪はいつかはやめたいと城助さんは言っていますが私は賛成です。
確かに関西では鮪の味がする鮪は城助でしか食べたことがありませんし、鮪の味がするのであれば私は鮪も好きです。
しかし、コストが高すぎます。
鮪自体が異常に高い上に城助では熟成をするので通常よりも捨てるところが多く、全体のコストのバランスを鮪が崩してしまっているのです。
また、城助でさえ夏の一時期あったそうですが、鮪は当たりハズレが激しいのでハズレが来ると終わります。
不味くても天然の鮪は非常に仕入れ値が高いのでダブルパンチで最悪になるのです。

鮪を出すことはこのような芸術家のお店では難しいのです。
場合によっては、一貫のコストが最も高いにもかかわらずその日一番不味いもの、自分自身が納得できないものを出すという地獄を強いられるからです。
関西の他の寿司屋なら鮪の味がしない鮪を平気で美味いだろと出してきますが、芸術家には耐えきれない苦しさなのです。
私も耐えきれない。
あれは拷問です。

大昔のどこかのレビューで数回書かせて頂いていますが、鮪の味がしない鮪は本当に不味いので寿司屋で出して欲しくないのです。
鮨屋ではなく寿司屋だから平気で出してくるのでしょうが、本当に不味い、不味い、不味い。
鮪の味がしない鮪は身の毛がよだつほど不味いです。
江戸前で鮪がないのはあり得ないのでしょうが、あらゆる面でリスクの高い鮪は最も扱うのが難しい食材です。
時には拷問の道具と化します。

そんな話を城助さんとしていたら、今日から鮪を出すのはやめましょうと言い出しました。
とりあえず今日は目の前にあるからやめてと言ったら、前述したように物凄い種類の鮪の部位を出してくれました。
もしかしたら鮪とのお別れの儀式だったのかも知れません。

本物の鮪を召し上がったことがない方は早めに城助にいらっしゃった方が良いと思います。
城助から鮪が消えれば関西から本物の鮪は消えます。
城助なら鮪なしでも極上の鮨、握りを楽しむことができるので、鮪に拘る必要がないのです。

本当です。

2017/10/29 更新

12回目

2017/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥8,000~¥9,999
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浮気はダメよ

仕事をしている時にお客様によく城助の話をするので、私に教えて貰ったということでこちらのお店にいらっしゃる方が少なくないようですが、最後のお客様の場合は、入れればご一緒して深夜に芸術的な鮨を頂くことも少なくありません。
私とご一緒した方で、はしぐちが日本一だと思っていたけど神戸に日本一の鮨屋があったと定期的に通っておられる方もおられます。

今宵もお客様とワインバーに伺ったあと、なんとか城助の鮨をたべられないか、次回神戸に来るまで待てないということだったので、握り5貫分のたねがあるかどうかということでしたが、半ば無理矢理伺わせて頂きました。

入った瞬間いつもの笑顔はなく、水野さん勘弁してくださいよおという雰囲気でした。
と言いながらも結局、15貫以上出してくれました。
私はこちらのお店のお味噌汁も大好きなので、それも出してもらってご一緒した方も大満足で顔が立ちました。
ありがとうございます。

深夜に握りを食べるのは通常はやってくれませんのでご注意ください。
シャリの温度が下がってしまったりして、ベストの状態で出せないのでやってくれないのです。
私の場合は基本的にはそのような時間にしか行けないので無理矢理伺っています。
通常のベストのものも何十回も食べているので、まあこれはこれでということで理解するので出してくれているのだと思います。

その意味では芸術作品としては、ベストの状態ではありませんが、そこはそこで天才ですからまさに城助の握りというべきものを維持したものを出してくれました。
鮪は先日、城助で食べたもののベストと思われる恐ろしいものを食べてしまっているので、もちろんこの日はそれほどまでのものではありませんが、関西でこれだけちゃんとした鮪が食べられるお店はないなと改めて思いました。
タイヤの星の関西の複数の寿司屋さんで恐ろしくクオリティの低い鮪を食べているので、独断と偏見でそう思っています。
あじもかなり良かったと思います。
とても綺麗な脂がほんのり感じられました。
飲み込んだあとにも風味が残りました。
さわらも美味しかったです。
すじこも珍しく軍艦にして出してくれました。
クオリティの高いすじこです。
そして、真夜中にも関わらずベストの状態で出してくれたのは穴子の握りです。
これぞ城助の握りと言うべき、まさに芸術品でした。
ご一緒した方もこんな穴子は今まで食べたことがない、価値観が変わったとまで仰っていました。
私はもう食べ慣れてしまいましたが、極上の魚介類は仕入れるたびに味が違うので、城助においてもベストと思われる穴子の握りを召しあがればどなたであってもそう思われるでしょう。

さて、よく聞かれることなので鮨屋の利用の仕方について少し書かせて頂きます。
城助の握りのように温度管理されたものは0.3秒で食べるのは当たり前のことですが、実はもう一つ大切なことがあります。
城助云々というよりも鮨屋一般についての話です。

浮気はダメよ。

この一言に尽きます。
良いなと思った鮨屋があれば、3回通ってみて、自分にとってはベストだと思えば基本的には浮気をしないことが大切なのです。
もちろん、物凄いお店があるということを聞いて行ってみて、結果的に乗り換えるのは良いのですが、二股、三股はお勧めしません。
もちろん、週に3回鮨屋にいらっしゃる方であれば、三股もオーケーですが、月に1、2回であれば浮気はダメです。

単に常連になれば良いということでもありません。
例えば、城助であれば、芸術と呼ぶべき握りのその芸術性を深く理解しなければなりません。
どうすればわかるのか。
これは個人個人の問題なので、ある程度寿司を食べ慣れた方がこちらの握りを頂ければ理解できるでしょうとしか申し上げようがありません。
もちろん、赤酢と塩が強く、攻めまくっている握りなので合わないという方はおられると思います。
だから、城助云々ではなく、気に入った鮨屋が見つかればそこに通われれば良いのです。
私は城助が日本一と心から思っているので、城助に通っているだけです。

いずれにしても気に入った握りを愛すれば良いのです。
私も飲食店経営をしているのでわかりますが、お客様のその食べ物に対する愛は確実に伝わります。
芸術的な握りを提供される方は、派手にお金を使ってくれる人が好きなわけではありません。
もちろん、経営ですから頻度多く通ってくれる方はありがたいですが、重要なのはその握りを愛しているかどうかです。

ここから本題です。
例えば城助であれば、カウンター9席ですが、同じ時間から食べ始めた9名のお客さんは、実は同じものは食べていません。
それぞれが異なるものを食べています。
つまみ系で同じものを食べることはありますが、魚についてはそれはありません。
部位が違うので味は必ず違うはずなのです。
鮪の赤身といっても、どの部分を赤身として出すかで味はかなり違います。
99億回書いていますが、クオリティの高い食材は、同じ日に同じ場所でとれたものでも味が異なりますし、鮪のような大きな魚であれば、同じ鮪の一般的にトロと言われているところでも味は異なるのです。

また、例えば数名分の量しかない部位というものがあることもよくあります。
希少なだけでなく、場合によっては一番美味しいとも言える部位はあるのです。

そのような素晴らしい希少部位を出したい相手がいないとバイトの賄いにしてしまう方もおられるようです。
城助さんではないですよ。
でも、芸術家は自分でもこれはと思った芸術作品はそれを深く理解してくれる人にしか出したくないだろうと私は推測します。

浮気は相手に分かります。
己の芸術を愛してくれている人か否か。
頻度や使ったお金には比例しません。

鮨に限らず、食の究極の芸術作品を楽しむ極意はそこにあります。

それしかありません。

そんなのおかしいと怒る方もおられるかも知れませんが、魚介類に関してはその流れで最終的にはお客の口に入るのです。

日本一レヴェルのそれぞれの魚介類を獲る漁師は決まっていて、その方がそれを売る元請け築地の数社と決まっていて、セリにかかる鮪と雲丹もそれを競り落とす仲買はほんの少しの数社と決まっていて、その仲買がそれを売る飲食店はほんの数店と決まっていて、その先、その魚介類に部位による味の違いがあれば、数に限りがあるので、それを召し上がるお客はある程度決まってくるのです。

その奇跡的な確率で日本一の魚介類を召し上がるにはどうすれば良いかは浮気をしないで、その命を削って作った芸術作品を心から愛するしかありません。

その気持ちは人間同士なのですから、必ず相手に伝わります。

犬でも愛情は敏感に感じるのです。
芸術家は想像を絶するほど敏感にそれを日々感じています。

想像を絶するほど、、、、。

2018/04/16 更新

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