246回
2024/03 訪問
春が来た
春分の日。玄関を出て見ると筑波山は真っ黒な雲に包まれていて階段を降りると雨がぽつりぽつり。念のため傘を取りに戻って出直す。少し夕立の香りが立ちのぼる通りを歩いてそば屋さん脇を通ると白いツバキが咲き始めていた。冬の間やたらでかいミサイルみたいな蕾をつけていたけどついに発射する時と判定したらしい。春なのだ。ジプロインの前まで来ると窓際のテーブルBに客らしくレースのカーテンが引かれている。入り口のカモミールをスリスリして階段を昇る。
最近ご無沙汰気味しているうちに、私の知らない常連さんも増えたもよう^_^。
オードブルは春の装い。季節感を料理の上に飾る店はあまり無い。
スギ花粉の季節も最終盤。ここはオーナーもシェフも花粉症と無縁と言うので話が通じなかったけど、ママさんはかなり重い花粉症だそうで、今年もまだ酷いそう。
自分は20年以上続いた重めの花粉症を去年ほぼ卒業した。対策は単に部屋の湿度60%を維持するだけ。粘膜の健全性を保ちウイルスも撃墜する一石二鳥だ。今年はポインセチア10鉢をはじめ、観賞用も兼ねた草花を沢山室内に置いて水をどんどんやっただけで電気代もゼロ。花粉症のクスリ代より安い。勝利感ハンパ無い^_^。
2024/03/20 更新
2024/03 訪問
本日も曇天なり
雨は上がってジプロインまでの道路のアスファルトも乾き始めた。午後は少し晴れ間が観られるかも。雨上がりに雲を分けて出る青空が、空の一番魅力的な姿の一つである事は間違いない。
入り口のカモミールは幼いハルジオンみたいなちいさなぺちゃんこの花を新しく創出していた。無理やり指で擦って香りを嗅ぐ。植物虐待のようだけど、ジャーマンカモミールはそう言う定めなのだ^_^。
メインを食べ始めた時に後方で、えーっ、鳥山明が亡くなったって。と言うオーナーとシェフの会話が聞こえた。しばらく意味が分からない。ツイッターで検索すると確かに速報が出ている… 彼がDr.スランプでデビューした頃を見ていた。研究室の後輩のあだ名がその登場人物の名前だった。ニートから大漫画家へというサクセスストーリー。昭和の巨星がまた一つ消えた。
2024/03/08 更新
2024/03 訪問
初アラカルト
一月上旬の価格改定でコースのお得感が薄れたので注文の仕方を見直す。もともとの単品の価格の合計よりコース価格が不自然に安かったわけで、価格改定されても単品の価格はそれほど変わっていない。という事で、オードブルとスープとメインの組み合わせで2050円。これなら激変緩和と言うものだ^_^。
香草パスタに菜の花のおひたし的なものが載っていたので何かなと思ったらルッコラのようだった。味は実際菜の花のようで、ただ香りがシャキッとしている。何にしても茹でたらアブラナ科の本性が現れるという事か。
2024/03/06 更新
2024/02 訪問
カモミールうさぎ登場
階段の上り口に青々ともしゃもしゃとした鉢が登場。ディル?と思って観たら、超絶密植されたジャーマンカモミール。ドーム状の花がチラホラ咲いていたのでスリスリして初夏の香りを嗅ぎ、去年の開店時を思い出す。そしてカモミールに埋もれて鎮座するうさぎ。
オードブルのゆで卵うさぎの耳に掛かっていたペッパーの中にシナモンの香りを感じた。
気のせいかなと思っていたら、香草パスタからもシナモンの香り。シナモン大好き大喜び^_^。これはデザートにもシナモン入ってそうな予感。
と思ったけどデザートにはなかった。思うにシナモンは地味め渋めの味に金箔銀箔的なきらびやかなアクセントをつける。デザートはもともときらびやかな香りが付いてるので、シナモンとケンカするのかも。抹茶あずぎとかシフォンケーキにシナモンは合いそう。
2024/02/29 更新
2024/02 訪問
早春の木漏れ日のジプロイン、10ヶ月目に入る
去年5月のプレオープンの時に来てから9ヶ月が過ぎた。
久しぶりの晴天で各地のスギが子孫繁栄のチャンスと大喜び、午後にはつくばにも恐怖の大王が舞い降りるという予報。本格的に地獄が開演する前にお昼を済ませようと休日だけど早めに出た。玄関を出て見ると筑波山は冠雪している様子。
天気のいい日は木漏れ日のさすこんがりキツネ色のチキンのソテーを愛でながら食べる事にしている。今日はつくば地鶏だそうで、味が濃ゆい。一方でブロイラーもあっさりしていて悪く無いと思う。昔のブロイラーはなんだかクスリ臭い臭いがして苦手だったけど、今はそう言う事もない。
ブロイラーは生まれて3ヶ月でドナドナされると言う。その驚異的な成長速度はどこから来るのか。主因は鳥類の高い体温では無いかと思う。体温41℃。人間ならギブアップしている体温だ。鳥は空を飛ぶ高いエネルギーを産むために高速な化学反応を必要とする。そのために高温で働く酵素を使う。それが成長の速度も早めているのではないか?鳥インフルエンザウイルスは41℃が最適な増殖温度。て事は、体温が低い鳥を作れば鳥インフルエンザに罹りにくいはずだ。しかし35℃くらいが好きな突然変異をしたのがヒトインフルエンザウイルス。なかなか簡単では無い。
おっと、そろそろ恐怖の大王が舞い下りる時間となりました。
2024/02/24 更新
2024/02 訪問
雨水のジプロイン
節分・立春を過ぎて順調に暖かくなり、いよいよ花粉症の季節本番だー!と盛り上がっていたところ、冷たい雨が水をさした。一昨日から二十四節気における雨水。雪が雨に変わると言う意味なら、それが立春より後にあるのはどうなのか?まあ、気温が上昇に転じた結果雪が雨に変わると言う感じかな。霧みたいな雨に傘をさしてジプロインに向かう。
本日も1500円ランチ。雨曇りの空がテーブルをレフ板のように柔らかく照らして、特にスイーツのような料理のディテールをくっきりと浮かび上がらせる。
一昨日、今季初の花粉症症状を感じた。クシャミ、鼻水、喉ちんこあたりのかゆみ、舌の痺れ感、涙目。いずれも微かだったけど、花粉症のそれ以外とは思われない症状。色々対策はして来たけど、さすがに無症状ではやり過ごせなかった。だいたい、症状がまるで無い事が良い事かと言うと、それも疑問である。
シェフとオーナーは花粉症になった事がないと言う。イマドキ珍しい。それは長期にわたるハーブ・野菜食に起因する可能性が大きいと思うけど、先天的に花粉に対して過敏ではないか、症状に対して鈍感である可能性も否定出来ない^_^。
2024/02/21 更新
2024/02 訪問
春めいた空を観ながら
今日は日の丸H3ロケットが無事に打ち上がってめでたい^_^。エキスポセンターのH2ロケットは高さ50m、H3は63mだそうなので、4階建てのビルの高さ分くらい高い。
一昨日からスギの花粉が飛び始めて、昼間外を歩くのはちょっと嫌かなとなっていたところ、今日はほぼ飛ばないらしいので安心して外出。ジプロインに向かって歩いてくると建物の向こうに明るい水色の空と雲。テーブルCに座ると窓枠に切り取られたトロピカルな空。やはりここは季節の空を観ながら季節の食材を味わう店だ。
遅く来たので食事を終えた時には2時を過ぎていた。見上げると南の青空に上昇中の上弦の月。
2024/02/17 更新
2024/02 訪問
帰って来た1500円ランチコース
今年のスギ花粉シーズンが開幕したというニュースがあった。家を出る時に筑波山が春霞の走りのように少しもやって見えた。今年の真冬はたぶん昨日で幕を閉じた。
数量限定トクトクランチの出し物はドリア。開店してしばらくは添え物的にカップのドリアがよく出ていたけど、この数ヶ月はほとんど見なかった。そもそもがシェフの専門分野だとも聞いているし、美味しいし、なぜ通常メニューになかったのが不思議。
今年もウェザーニュースの花粉飛散観測データとのにらめっこが始まる。人は感染症に罹らないために生きているのでは無いけど、この季節は花粉症と闘うために生きていたと言っても過言ではない。去年は湿度維持による粘膜元気応援作戦が功を奏して20数年ぶりに薬なし軽症で切り抜けた。今年はここで野菜・ハーブを、居酒屋で春菊サラダを楽しんでたりするのでその効果やいかに。シェフもオーナーも花粉症になった事がないそうなので、きっとご利益があるに違いない。
今日は日差しも強く風も冷たくないのでポカポカ。いつもより薄着をして来て正解だった^_^。
2024/02/14 更新
2024/02 訪問
ミツバカエデのB53号
ウエルシア前の通りのカエデの街路樹、ジプロインの交差点の手前にあるのがB-53だ。4年前の冬に世界最長かもしれないカエデ通りたる東大通りをはじめとしてつくば市全域で壮大で無慈悲なミツバカエデ討伐が行われ、内側の生活道路であるここの並木も被災した。初年はサボテンのような樹形になってしまい心配していたところ、やがて春を迎えて幹の周りに螺旋状に新葉をまとい、ひときわ立派なミツバサボテンぶりを示していたのがこの木だった。あれから4年、新しい枝がホウキのようにぼうぼうと生えて、葉の茂ってる間はそれなりの形になるものの、葉を落とすとやはりまだサボテン風になる。ジプロインに来るようになって半年後の晩秋、南西の角のテーブルCから見える落葉したB53の先に、エキスポセンターのH2ロケットがある事がわかった。これが見えなくなるのは初夏だろうか。
今日は旧暦的に大晦日で明日が元旦。旧正月イブと言う事でタツをモチーフにデザインされたイチゴがデザートを飾っていた。
今季の冬は今週で打ち止めっぽく、店に差し込む陽光にも春を感じた。うちの室内窓際では春の花たちがおしくらまんじゅうしながら天然の加湿器としての勤めを果たしており、おおむね相対湿度60%を維持してくれている。
2024/02/09 更新
2024/02 訪問
ようやく晴れた
節分あたりから悪化していた天気がようやく回復。久しぶりに見る冬の青空がうれしい。最盛期かなという感じで乱れ咲く大家さんの寒椿を摘んでジプロインに向かう。立春を過ぎて雪と今季一番レベルの冷えを記録した冬も地球の公転に伴う地軸の向きには勝てず、今週が最後の厳しい寒さかなと言う予報。
手作りのママレードには甘さ控えめのサラサラ系で、大量生産の市販品には無いフレッシュな香りと食感と微妙なノイズのような個性があった。
晩秋のこの店の窓際にポインセチアが来てもうじき3ヶ月。少しお疲れ気味な感じになって来た。うちのこたちは、特に窓から遠いのはまだ初々しさもあるので、日に当てすぎると無駄に活動してくたびれてしまうのかも知れない。
2024/02/07 更新
2024/02 訪問
春は名のみの風の寒さや
遂に立春を迎えた。二十四節気的には昨日節分が一年の最終日で今日が一年の始まりの日。残念ながら朝から絶賛曇り中でせめてもの空に春の気配は無い。ジプロインに歩いてくる道、風はなかったけど手が冷たく、まだまだこの冬は侮れない感じ。
人が業務ではない日記を書くのは、人生を無駄にしないため、というか過ごした一日一日をより有益なものにする効果が有ると思う。3年前からツイッターで毎日生活を記録するようになり、何年何月何日に何をしていて何を考え感じていたかが思い出せる。半年ちょっと前に食べログを始めて、いつ何を食べて何を思っていたかがパッと分かる。誰かの作為で作られたフィクションよりもよほど、自分にとってのエンタメでドラマだと思う。食べ物は季節を映すし、特にジプロインでは窓越しにいつも季節の空がある。
食べ終えて出て観ると、ジプロインからは見えない北の空は晴れて春めいた水色の窓が筑波山上空に。耳は冷たいけど久しぶりに散歩する気分になる。ビタミンD自家製産だー。厚着して出て来てよかった^_^。
2024/02/07 更新
2024/02 訪問
お久しぶり
と言われてしまった。営業日1日スキップしただけなんだけど^_^; 何せ今は刺身が美味しい時期なので、和食の店に重心が移るのは仕方ない。
店に入って座ると、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲が流れて好感度アップ。
冬の狩猟シーズンの恵み、ジビエ料理はいつまでもあると思うな、という事で注文。飼料を食べて育った太った豚ではない、野山を駆け回っていた筋肉質な猪の深い味がする。
8時をだいぶ過ぎてから若いカップルが入ってきて、店が明るい感じになり、喜ばしい^_^。
明日はいよいよ節分だけど、春の訪れに嫌がらせするような寒波が来るらしい。家では昨日、去年育てた千日紅ストロベリーフィールズが作った種が芽を吹いていた。地球は公転し春が来る。うまく育ったらこの店にも連れて来よう。ストロベリーフィールズのワンポイント的な赤がこの店には絶対合う。
2024/02/02 更新
2024/01 訪問
超カラカラからっ風の夜
自宅のベランダの湿度計はお昼過ぎに今季最低の相対湿度22%を記録した。その上強風で、ジプロインに向かう道すがら体感的に厳しい冬を今季初めて感じた。
このところの物価高に抗いきれず価格改訂だそう。プレオープン時の特別料金のまま正式オープンというのは意外だったし無理があったとは見ていた。ただ、自分的にはお店の評価にコスパが最重要の要素である事も確かで、特に毎日飲みに通うような店ではそう。改訂後も割安感はあるものの、素材を工夫する事でちゃんとした味のコース料理を驚きの低価格でという面白さは薄れたかも知れない。
吹き荒れる強風の音が店内にも聞こえて来て、帰り道の辛さを想像して気が滅入る^_^; 今年の冬はこれまで穏やか過ぎた。でも来週には節分、そして立春。先週あたりから咲き始めた梅の花の香りが春の到来を告げている。
2024/01/25 更新
2024/01 訪問
終わりかけた冬?にジビエ
歩いてくるとジプロインの窓はすっかり曇っていて来客中を窺わせる。窓際の過密化を避けて久しぶりにテーブルAに着席し、クリスマス以来?くらいに店内を眺める。
今日はお正月以来のジビエ。煮込まれて露出した柱状節理のような景色を見せる筋肉が自然の荒々しさを思わせる。この旨味の主成分は…イノシン酸かなイノシシだけに。付け合わせの野菜もそれに合わせて荒々しい感じに仕立ててあるとバランスが良いのでは無いかななどと思う。
今日は朝方近くまで月着陸のJAXAの会見を観ていて、だいぶ遅く起きたのに外が暗かった。昼間ずっと曇りで、夜に入って雨。冬の晴れた空はもう十分堪能したし、湿度が上がるのはありがたい。今年は既にスギの花粉が飛び始めたという情報に昨日から血が沸き立っている^_^。
2024/01/20 更新
スギ花粉の季節が始まってから1ヶ月以上、部屋の窓を全開にした事がない。そのおかげか玄関から出て吸う空気がやたら新鮮でうまい。午前中に降った雨が立ち上らせた春の匂いを嗅ぎながら、曇り空の下をジプロインに向かう。
窓際の席では特に、青空の日には直射日光がくっきりした陰影を料理に作り、曇り空の日には柔らかい間接照明的な光が料理を繊細に浮かび上がらせる。季節の太陽光が照らす季節の野菜の彩りを愛でながら食べる。自分の行きつけの店ではそんなのはここだけだ。
プレオープンの時に初めて来てから10ヶ月になった。無事に1周年を迎えそうでなにより^_^。
13時を過ぎてから中国語を話す団体さんが賑やかにご来店。日本人のように小声で話す中国人を見た事がない^_^。
帰りにウエルシアに買い物に来て振り返ると、青空が出ていた。